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「マゼラン海峡」の版間の差分

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'''マゼラン海峡'''/'''マガリャネス海峡'''(マゼランかいきょう、{{Lang-es|''Estrecho de Magallanes''}}<small>〔エストレーチョ・デ・マガリャネス〕</small>、{{Lang-pt|''Estreito de Magalhães''}}<small>〔エストレイト・デ・マガリャンイス〕</small>)は、[[南アメリカ大陸]]南端と[[フエゴ島]]とを隔てる[[海峡]]である。[[太平洋]]と[[大西洋]]を結ぶ
'''マゼラン海峡'''/'''マガリャネス海峡'''(マゼランかいきょう、{{Lang-es|''Estrecho de Magallanes''}}<small>〔エストレーチョ・デ・マガリャネス〕</small>、{{Lang-pt|''Estreito de Magalhães''}}<small>〔エストレイト・デ・マガリャンイス〕</small>)は、[[南アメリカ大陸]]南端と[[フエゴ島]]とを隔てる[[海峡]]である。

航行可能な天然のルートであり、[[パナマ運河]]が開通する以前は、[[ビーグル水道]]と並んで、[[太平洋]]と[[大西洋]]を横断するための主要な航路であった。

海峡の最狭部は約2kmと狭いうえ、予測不可能な風や海流がたびたび発生するため、航行の難所である。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[1520年]]10~11月にかけて、[[フェルディナンド・マゼラン|フェルナン・デ・マガリャンイス(フェルナンド・デ・マガリャネス)]]がここを通過し、後に彼の名前を採って「マゼラン海峡」と呼ばれるようになった。
[[1520年]]10~11月にかけて、[[フェルディナンド・マゼラン]]がここを通過し、後に彼の名前を採って「マゼラン海峡」と呼ばれるようになった。全長550km、幅3~30km


[[日本語]]名の「マゼラン海峡」は、マガリャンイス(マガリャネス)の[[英語]]呼称 “'''Magellan'''”<small>(マジェラン)</small>を用いた英語名 “'''Strait of Magellan'''”<small>(ストレイト・オヴ・マジェラン)</small>に基づく慣用表記。近年{{いつ|date=2013年10月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->では現地呼称に従って「マガリャネス海峡」と表記されることも多くなっている
なお、[[日本語]]名の「マゼラン海峡」は、[[英語]]呼称 “'''Magellan'''”<small>(マジェラン)</small>を用いた英語名 “'''Strait of Magellan'''”<small>(ストレイト・オヴ・マジェラン)</small>に基づく慣用表記である。現地呼称に従って「マガリャネス海峡」と表記されることは皆無


1881年に締結されたチリ・アルゼンチン間の国境画定条約([[:en:Boundary Treaty of 1881 between Chile and Argentina|en]])において、マゼラン海峡は自由通行可能な海域とされ、個別条約に基づく[[国際海峡]]と認識されている<ref>[http://www.jcga.or.jp/reports/pdf/2_1992.pdf 国際海峡とわが国の特定海域, 海上保安大学校教授 村上暦造, 新海洋秩序と海上保安法制 第2号, 平成4年3月, 海上保安協会]</ref>。
1881年に締結された{{仮リンク|チリ・アルゼンチン間の国境画定条約|en|Boundary Treaty of 1881 between Chile and Argentina}}において、マゼラン海峡は自由通行可能な海域とされ、個別条約に基づく[[国際海峡]]と認識されている<ref>[http://www.jcga.or.jp/reports/pdf/2_1992.pdf 国際海峡とわが国の特定海域, 海上保安大学校教授 村上暦造, 新海洋秩序と海上保安法制 第2号, 平成4年3月, 海上保安協会]</ref>。

東側の入口南側にあるフエゴ島の{{仮リンク|ロマス湾|es|Bahía Lomas}}には[[塩性湿地]]と[[干潟]]が発達しており、[[コオバシギ]]、[[アメリカオグロシギ]]、[[コシジロウズラシギ]]、[[マゼランチドリ]]、[[チリーフラミンゴ]]などの多くの[[シギチドリ類]]の生息地である。付近の海岸には{{仮リンク|Festuca pallescens|sv|Festuca pallescens|label=''Festuca pallescens''}}、{{仮リンク|Festuca gracillima|en|Festuca gracillima|label=''Festuca gracillima''}}などの生える[[パタゴニア]]の[[ステップ (植生)|ステップ]]があり、大型の[[座礁鯨]]もしばしば出現する。2004年に[[ラムサール条約]]登録地となった<ref>{{Cite web |title=Bahía Lomas {{!}} Ramsar Sites Information Service |url=https://rsis.ramsar.org/ris/1430 |website=rsis.ramsar.org |access-date=2023-04-18 |date=2004-12-6}}</ref>。

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ファイル:NaoVictoria.JPG|[[ビクトリア号]]
ファイル:Commerson's dolphins (Cephalorhynchus commersonii) in the Strait of Magellan.jpg|[[イロワケイルカ]]
ファイル:US Navy 040621-N-6536T-066 The Nimitz-class aircraft carrier USS Ronald Reagan (CVN 76) cruises through the Straits of Magellan.jpg|海峡を通過する[[アメリカ海軍]]の[[ロナルド・レーガン (空母)|ロナルド・リーガン空母]]
ファイル:Ferry magallanes.jpg|マゼラン海峡[[フェリー]]
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== 脚注 ==
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* [[ドレーク海峡]]
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* [[プンタ・アレーナス]] - マゼラン海峡一帯の地域で最大の都市。
* [[プンタ・アレーナス]] - マゼラン海峡一帯の地域で最大の都市。

== 外部リンク ==
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マゼラン海峡
マゼラン海峡

マゼラン海峡マガリャネス海峡(マゼランかいきょう、スペイン語: Estrecho de Magallanes〔エストレーチョ・デ・マガリャネス〕ポルトガル語: Estreito de Magalhães〔エストレイト・デ・マガリャンイス〕)は、南アメリカ大陸南端とフエゴ島とを隔てる海峡である。

航行可能な天然のルートであり、パナマ運河が開通する以前は、ビーグル水道と並んで、太平洋大西洋を横断するための主要な航路であった。

海峡の最狭部は約2kmと狭いうえ、予測不可能な風や海流がたびたび発生するため、航行の難所である。

概要

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1520年10~11月にかけて、フェルディナンド・マゼランがここを通過し、後に彼の名前を採って「マゼラン海峡」と呼ばれるようになった。全長550km、幅3~30km。

なお、日本語名の「マゼラン海峡」は、英語呼称 “Magellan(マジェラン)を用いた英語名 “Strait of Magellan(ストレイト・オヴ・マジェラン)に基づく慣用表記である。現地呼称に従って「マガリャネス海峡」と表記されることは皆無。

1881年に締結されたチリ・アルゼンチン間の国境画定条約英語版において、マゼラン海峡は自由通行が可能な海域とされ、個別条約に基づく国際海峡と認識されている[1]

東側の入口南側にあるフエゴ島のロマス湾スペイン語版には塩性湿地干潟が発達しており、コオバシギアメリカオグロシギコシジロウズラシギマゼランチドリチリーフラミンゴなどの多くのシギチドリ類の生息地である。付近の海岸にはFestuca pallescensスウェーデン語版Festuca gracillima英語版などの生えるパタゴニアステップがあり、大型の座礁鯨もしばしば出現する。2004年にラムサール条約登録地となった[2]

脚注

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関連項目

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外部リンク

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座標: 南緯53度28分51秒 西経70度47分00秒 / 南緯53.48083度 西経70.78333度 / -53.48083; -70.78333