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{{Otheruseslist|'''図形・模様の十字'''|[[紋章学]]における十字|クロス (紋章学)|[[キリスト教]]
[[File:Cross2.svg|thumb|150px|全ての棒が同じ長さの[[ギリシャ十字]](上)と、それを45度回転させた[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]](下)]]
'''十字'''(じゅうじ、{{Lang-en-short|cross}} クロス)は、
なお[[日本]]では、線が垂直な場合は[[漢字]]の「十」と同じ形のため「[[十文字 (曖昧さ回避)|十文字]]」(じゅうもんじ)、斜めの場合は「[[×]]」(バツ、ペケ)と呼ばれる事もある。
== 概要 ==
十字は最も古代から存在する、人類
;キリスト教と十字
現代でも多数の[[国旗]]、[[赤十字社]]などの標章や[[紋章]]、[[家紋]]などにも使用されている。なお中国の、[[晋 (王朝)|晋]]の時代に十字をつけた餅を食して厄除けとする風習が、日本に伝えられると[[鎌倉時代]]に流行し、その餅のことを「十字」といったともされる<ref name="高澤">千鹿野茂監修 高澤等著『家紋の事典』東京堂出版 2008年</ref>。▼
キリスト教において十字は、直接的(表面的)には「[[キリストの磔刑]]」を示しているが、その深い意味、キリスト教神学的な意味としては、「もともと天において[[ヤハウェ|神ヤハウェ]]の近くにいて[[天地創造]]にもかかわわった[[イエス・キリスト]]が、人類のためにわざわざ[[受肉]]してこの地上に現れてくださり、全人類の[[罪]]をあがなうために十字架にかかってくださった。そのお蔭でヤハウェと人類の関係が修復し、人々は来る日には[[復活 (キリスト教)|復活]]し[[永遠のいのち]]を得る状態となった。」という、[[聖書]]に記されている一連のできごとや、その神学的な意味を表すためのシンボルである。
また[[パウロ]]の哲学(神学)では「垂直線は[[ヤハウェ|神]]と人との関係。水平線は人々の間の関係。十字は両者のreconciliation 調和(和解)<ref>[https://www.jstor.org/stable/43052706]</ref>。」という意味を持ち、その哲学を示すシンボルなどとしても使われている。多くの[[キリスト教の教派]]で聖職者や信徒たちが、(ことあるごとに、身体の前、胸や顔の前あたりで)指(手)を「十字」に動かすようになった(日本語では「十字を切る」や「十字を描く」などと表現する)。キリスト教はヨーロッパに広がり、ヨーロッパの王族(の王権)や貴族はキリスト教教会(西ヨーロッパでは[[カトリック]]、東欧やロシアでは[[正教|オルトドクス]])の権威とも結びついていたので十字は王族や貴族の[[紋章]]、[[家紋]]などにも使用されるようになった。またヨーロッパの他の国々でもキリスト教の信仰を示すために国旗に十字が埋め込まれた(たとえば、[[デンマークの国旗]]、また[[北欧]]諸国の国旗に埋め込まれた十字([[スカンディナヴィア十字]]) 等々)。また[[大航海時代]]のヨーロッパ人の世界進出によって世界中に広まり、キリスト教は世界で数十億人の信者を擁するに到ったので、[[ドミニカ共和国]]の国旗や[[トンガの国旗]]を含めて、多くのキリスト教国の[[国旗]]でも使用されるようになった。→[[キリスト教神学]]、[[十字の切り方]]、[[紋章]]、[[紋章学]]、[[クロス (紋章学)]]、[[#国旗の例]]
スイスでも(十字が貴族の紋章に使われた結果、巡り巡って)[[スイスの国旗]]に用いられるようにもなった。そして[[赤十字社]]は、その設立にスイスが縁があるため(また、困っている人のためならば人種や国境を越えて手を差し伸べる、という[[人類愛]]、[[友愛]]、キリスト教的理念を暗黙裏に示すためにも)十字の標章を用いることになった。
;天体と十字
[[占星術]]や古い時代の[[天文学]]では、[[太陽のシンボル]]として使われた。また1598年にペトルス・プランシウスによって星座群に「[[みなみじゅうじ座|南十字座]]」が加えられ、その結果それ以降、実際の星座群の中にも十字がある、と見なされるようになった。
;アジアと十字
アジア地域での十字について解説すると、中国の、[[晋 (王朝)|晋]]の時代に十字をつけた餅を食して厄除けとする風習があった<ref name="高澤">[[千鹿野茂]]監修 [[高澤等]]著『家紋の事典』[[東京堂出版]] 2008年</ref>。
▲
また日本では家紋に十字を埋め込んだものがある。→[[#家紋と十字]]
== 種類 ==
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ファイル:Greek_cross.svg|'''[[ギリシャ十字]]'''。アームが等しい長さで、それぞれの中央で直角に交差する。[[スイスの国旗]]や[[赤十字社|赤十字]]の元となった。
ファイル:Latin Cross.svg|'''[[ラテン十字]]'''。短い横のアームが、長い縦のアームのやや上方で直角に交差する。
ファイル:Latin
ファイル:
ファイル:Crossed circle.svg|'''[[太陽十字]]'''または'''太陽車輪'''。円の中に十字。[[キリスト教]]以前の古代より使われ[[ケルト十字]]の元となった。[[日本]]では[[島津家]]の[[家紋]]としても使われる。
ファイル:CelticCross.svg|'''[[ケルト十字]]'''。ラテン十字と十字の交差部分を囲む輪から構成される。
ファイル:Celtic-style crossed circle.svg|[[ケルト十字]]の1種。18世紀以降に図案化されたもの。
ファイル:Original Coptic cross.svg|'''
ファイル:USVA headstone emb-04.svg|'''[[長老派教会]]十字'''
ファイル:Broken crossed circle.svg|'''[[卍|卍(まんじ)]]'''または'''鉤十字'''の1種。[[太陽十字]]の円の一部が切れた形状。
ファイル:Croix Gammé.jpg|'''右まんじ'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。[[国家社会主義ドイツ労働者党|ナチス]]の[[ハーケンクロイツ]]でも多用された。
ファイル:Indian Swastika.svg|'''左まんじ'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。[[ヒンドゥー教]]、[[仏教]]、日本の[[家紋]]や[[地図記号]]などで使用されている。
ファイル:Argent a fylfot azure.
ファイル:Lauburu.svg|'''[[ラウブル]]'''。4つの[[コンマ]]で構成され、[[卍|卍(まんじ)]]や日本の[[巴]]にも似ている。
ファイル:
ファイル:Croix de Lorraine 2.svg|'''[[ロレーヌ十字]]'''。横のバーが2つある。古代のもので、横のバーの長さが等しい。
ファイル:Croix de Lorraine 3.svg|'''[[ロレーヌ十字]]'''の1種。横のバーは下が長い。ロレーヌ十字として現代知られているもので、[[ジャンヌ・ダルク]]の象徴とされ、[[自由フランス]]旗でも使用された。
ファイル:Patriarchal cross.svg|'''
ファイル:Cross of the pope.svg|'''トリプルクロス'''または'''
ファイル:Russian cross.png|'''六端十字'''<ref>[https://web.archive.org/web/20090305041501/http://www.geocities.jp/fnagaya2002/Hp/Dento1.htm#1) 正教会の伝統と象徴]</ref>。東方十字の1種。ラテン十字の下に、短い横のバーが斜めに交差する。
ファイル:OrthodoxCross.svg|'''[[八端十字架|八端十字]]'''。東方十字の1種。ロレーヌ十字の下に、短い横のバーが斜めに交差する。[[ロシア正教会]]など[[スラヴ人|スラヴ]]系正教会で広く使われている。
ファイル:Cross of the Evangelists.svg|'''アークエンジェルクロス'''の1種。
61 ⟶ 57行目:
ファイル:Cross-Crosslet-Heraldry.svg|'''クロス・クロスレット'''。アームの端が十字になっている。
ファイル:Cross-Jerusalem-Potent-Heraldry.svg|'''エルサレム十字'''。[[十字軍]]の十字としても知られている。
ファイル:Cross-Potent-Heraldry.svg|'''{{仮リンク|松葉杖十字
ファイル:Maltese-Cross-Heraldry.svg|'''[[マルタ十字]]'''。[[矢]]の形をした4つのアームが中央に向き、8つの突き出た角をもつ。[[
ファイル:Cross-Pattee-alternate.svg|'''[[クロスパティー]]'''。[[マルタ十字]]に似ているが、アームの中央部分は細く、端部分は広い。[[ドイツ騎士団]]が使用し、[[黒十字]]や[[鉄十字]]の元ともなった。
ファイル:Bundeswehr Kreuz Black.svg|'''[[黒十字]]'''。[[ドイツ連邦軍]]でも使用されている。
ファイル:Balkenkreuz.svg|黒十字の1種。アームが直線(バー)になっている(バルケンクロイツ、{{lang-de|Balkenkreuz}})
ファイル:Cross-Bottony-Heraldry.svg|'''
ファイル:Cross-Pommee-Heraldry.svg|'''クロス・ポミー'''。バーの端が丸いノブの形をしている。
ファイル:ArrowCross.svg|'''[[矢十字]]'''または'''クロス・バービー'''。矢印はキリストを暗示している。[[中世]]の[[ハンガリー]]部族や1930年代の[[矢十字党]]が使用した。
ファイル:Cross-Flory-Heraldry.svg|'''
ファイル:Cross-Fourchee-Heraldry.svg|'''クロス・フォウシェイ'''。アームの先端が[[フォーク (食器)|フォーク]]の形(V字)をしている。
ファイル:Cross-Moline-Heraldry.svg|'''クロス・モーリン'''。アームの端が留め金の形をしており、端が2つに分岐して曲線を描いて戻っている。
ファイル:Cross Templar.svg|'''[[テンプル騎士団]]十字'''。
ファイル:OrderOfCristCross.
ファイル:Cross Santiago.svg|'''
ファイル:Huguenot cross.svg|'''
ファイル:Serbian Cross1.svg|'''[[セルビア十字]]'''。
ファイル:Cross_Calatrava.
ファイル:Cantercross.svg|'''[[
ファイル:Cathar cross.svg|'''
ファイル:Ankh.svg|'''[[アンク]]'''または'''取っ手付き十字'''または'''エジプト十字'''。上部の端が取っ手の形をしている。
ファイル:Mariner's Cross.svg|'''
ファイル:Te cross.svg|'''
ファイル:Simple_Labarum2.svg|'''[[ラバルム]]'''。ギリシア文字のΧ(カイ)とΡ(ロー)を組み合わせた形状で、[[イエス・キリスト]]を表す。
ファイル:Marian_Cross.jpg|'''
ファイル:A Commonwealth Cross of Sacrifice or War Cross.jpg|'''
ファイル:St._Thomas_Cross.jpg|'''
ファイル:Kruis san damiano.gif|'''
ファイル:St Brigid.png|'''
ファイル:SaintNinoCross.jpg|'''[[葡萄十字]]'''。横木が、やや下へ垂れ下がっている。
ファイル:United Baltic Duchy flag.svg|'''[[スカンディナヴィア十字]]'''。左側に交点が寄った横長の十字。[[スカンディナヴィア]]諸国の国旗でも使用されている。
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ファイル:St_Patrick's_saltire.svg|'''[[聖パトリック旗|聖パトリキウス十字]]'''。[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]]の1種で、[[イギリスの国旗]]の中で[[アイルランド]]を意味する十字として使用されている。
ファイル:Christian cross from Ethiopia.jpg|'''[[エチオピア十字]]'''の一例。様々な意匠のものがある。
ファイル:Skull and crossbones.svg|'''[[
ファイル:Flag of England.svg|[[聖ゲオルギウス十字]]。白地に赤十字であり、[[ゲオルギオス (聖人)|聖ゲオルギオス]]にちなむ。[[イングランドの国旗]]などに用いられている。
</gallery>
紋章における十字は、他にも非常に多くのバリエーションがある。紋章の背景知識は[[紋章学]]を参照。有名なオンライン情報には [http://www.heraldsnet.org/saitou/parker/Jpglossc.htm#Cross ''A Glossary of Terms Used in Heraldry'' by James Parker (1894)] があり、紋章における十字のバリエーションについて多くの情報が参照できる。
== 家紋の例 ==▼
'''十文字紋'''(じゅうもんじもん)は、漢字の「十」を図案化した[[家紋]]である。図案には「丸に十文字」「島津十文字」、「日置十文字」、「猪飼十文字」などがある。その形状から、久留子紋と混同されることが多く、また、[[島津氏]]が用いたとされる「丸に十字」は[[轡]]紋と混同されることがある。▼
[[鎌倉時代]]初期の、[[島津忠久]]の[[甲冑]]に記された「十文字」が現存では最古の例である。主に島津氏とその関係の氏族が用いた。[[フランシスコ・ザビエル]]が布教のために鹿児島に来た際、島津が「白い[[十字架]]」を使用していたことに驚いた、という記録がある<ref>{{Cite web |url=http://www.shuseikan.jp/word/origin05.html |title=薩摩・島津家の歴史 |publisher=尚古集成館 |accessdate=2012-3-27 }}</ref>。▼
徳川幕府によるキリスト教の禁教令発布後は轡紋(くつわもん)、祇園守紋(ぎおんまもりもん)、桛紋(かせぎもん)、[[卍|卍紋]]などとともに久留子紋の代用として用いられることがあった。<ref name="高澤"/>▼
<gallery>▼
File:Japanese Crest maru ni jyuji.svg|丸に十字(丸に十字久留子)▼
File:Japanese Crest Simazu Jyumonnji.svg|島津十文字▼
画像:Kamon kayanouchi jumonji.png|榧の内十文字▼
</gallery>▼
== 旗の例 ==
{{main|旗章学用語|
[[ファイル:Norden.jpg|thumb|250px|スカンディナヴィア十字]]
いくつかの旗は十字を含んでいる。
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File: Flag_of_Dominica.svg|<center>[[ドミニカ国の国旗]]
File: Flag_of_the_Dominican_Republic.svg|<center>[[ドミニカ共和国の国旗]]
File: Flag_of_Finland.
File: Flag_of_Georgia.svg|<center>[[
File: Flag_of_Greece.
File: Flag_of_Iceland.
File: Flag_of_Jamaica.svg|<center>[[ジャマイカの国旗]]
File: Flag_of_Malta.svg|<center>[[マルタの国旗]]
File: Flag_of_Portugal.svg|<center>[[ポルトガルの国旗]]
File: Flag_of_Norway.
File: Flag_of_Serbia.svg|<center>[[セルビアの国旗]]
File: Flag_of_Slovakia.svg|<center>[[スロバキアの国旗]]
File: Flag_of_Sweden.svg|<center>[[スウェーデンの国旗]]
File: Flag_of_Switzerland.
File: Flag_of_Tonga.
File: Flag_of_Denmark.svg|<center>[[デンマークの国旗]]
File: Flag_of_the_United_Kingdom.svg|<center>[[イギリスの国旗]]
150 ⟶ 132行目:
File: Flag_of_Scotland.svg|<center>[[スコットランド]]と[[聖アンデレ十字]]の旗
File: Flag_of_Quebec.svg|<center>[[ケベック州の旗]]
File: Flag_of_the_Red_Cross.
File: Naval Ensign of Italy.svg|<center>[[イタリア]][[海軍]]の旗
File: Wappen_schwyz.png|<center>[[スイス]]の[[シュヴィーツ]]の自治体章
File: Coat of arms of the Carabinieri.svg|<center>[[イタリア]]の[[国家憲兵]]の[[カラビニエリ]]の旗
<!---【画像がコモンにない】File: 98px-Kreuzlin.gif|<center>[[スイス]]の
File: Flag_of_Madeira.svg|<center>[[マデイラ諸島の旗]]
File: PortugueseFlag1095.svg|<center>1095年の[[ポルトガル]]国旗
File: Southern_cross_appearing_on_a_number_of_flags.PNG|<center>
▲'''十文字紋'''(じゅうもんじもん)は、漢字の「十」を図案化した[[家紋]]である。図案には「丸に十文字」「島津十文字」、「日置十文字」、「猪飼十文字」などがある。その形状から、久留子紋と混同されることが多く、また、[[島津氏]]が用いたとされる「丸に十字」は[[轡]]紋と混同されることがある。
▲[[鎌倉時代]]初期の、[[島津忠久]]の[[甲冑]]に記された「十文字」が現存では最古の例である。主に[[島津氏]]とその関係の[[氏族]]が用いた。[[フランシスコ・ザビエル]]が布教のために[[鹿児島]]に来た際、島津が「白い[[十字架]]」を使用していたことに驚いた、という記録がある<ref>{{Cite web
▲[[徳川幕府]]による[[キリスト教]]の禁教令発布後は轡紋(くつわもん)、祇園守紋(ぎおんまもりもん)、桛紋(かせぎもん)、[[卍|卍紋]]などとともに久留子紋の代用として用いられることがあった。<ref name="高澤"/>
▲<gallery>
File:Japanese Crest Maru ni Jyumonnji.svg|<span style="font-size:70%">まるにじゅうもんじ</span><br />丸に十文字
File:Maru ni Jū-monji (Kutsuwa) inverted.svg|<span style="font-size:70%">まるにじゅうじ</span><br />丸に十字
▲File:Japanese Crest maru ni jyuji.svg|<span style="font-size:70%">まるにじゅうじ(まるにじゅうじくるす)</span><br />丸に十字(丸に十字久留子)
▲File:Japanese Crest Simazu Jyumonnji.svg|<span style="font-size:70%">しまづじゅうもんじ</span><br />島津十文字
▲画像:Kamon kayanouchi jumonji.png|<span style="font-size:70%">かやのうちじゅうもんじ</span><br />榧の内十文字
▲</gallery>
== 脚注 ==▼
▲==脚注==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
== 参
* Chevalier, Jean (1997). "The Penguin Dictionary of Symbols". Penguin ISBN 0140512543
* Koch, Rudolf (1955). ''The Book of Signs''. Dover, NY. ISBN 0-486-20162-7.
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== 関連項目 ==
{{Commonscat|Crosses}}▼
* [[卍]]
* [[家紋]]
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* [[短剣符]]
* [[クロス (紋章学)]]
* {{prefix}}
* {{intitle}}
== 外部リンク ==
* [http://www.catholicrevelations.com/category/saints/the-christian-cross-of-jesus-christ-christianity-symbols-images-clip-art-designs.html The Christian Cross of Jesus Christ: Symbols of Christianity, Images, Designs and representations of it as objects of devotion]▼
▲{{Commonscat|Crosses}}
* [http://www.seiyaku.com/customs/crosses/index-all.php Seiyaku.com], all Crosses▼
▲*[http://www.catholicrevelations.com/category/saints/the-christian-cross-of-jesus-christ-christianity-symbols-images-clip-art-designs.html The Christian Cross of Jesus Christ: Symbols of Christianity, Images, Designs and representations of it as objects of devotion]
* [https://web.archive.org/web/20080807175636/http://www.lutheransonline.com/trinitybillings/seals Lutheransonline.com], variations of Crosses - images and Mmeanings▼
▲*[http://www.seiyaku.com/customs/crosses/index-all.php Seiyaku.com], all Crosses
* [http://nasrani.net/2008/02/29/analogical-review-on-st-thomas-cross-the-symbol-of-nasranis/ Nasrani.net], Indian Cross▼
▲*[http://www.lutheransonline.com/trinitybillings/seals Lutheransonline.com], variations of Crosses - images and Mmeanings
* [http://www.freetattoodesigns.org/cross-tattoos.html Freetattoodesigns.org], The Cross in Tattoo Art▼
▲*[http://nasrani.net/2008/02/29/analogical-review-on-st-thomas-cross-the-symbol-of-nasranis/ Nasrani.net], Indian Cross
▲*[http://www.freetattoodesigns.org/cross-tattoos.html Freetattoodesigns.org], The Cross in Tattoo Art
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2024年5月6日 (月) 10:54時点における最新版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b5/Cross2.svg/150px-Cross2.svg.png)
十字(じゅうじ、英: cross クロス)は、幾何学図形の1つで、2つの線(棒)が互いに直交(直角に交差)して、片方または両方の線が中央で分割されている。線は通常は水平と垂直だが、斜めの場合は斜め十字(ななめじゅうじ、英: saltire サルタイアーあるいは聖アンデレ十字)とも呼ばれる。
なお日本では、線が垂直な場合は漢字の「十」と同じ形のため「十文字」(じゅうもんじ)、斜めの場合は「×」(バツ、ペケ)と呼ばれる事もある。
概要
[編集]十字は最も古代から存在する、人類的とも言えるシンボルの1つであり、多くの地域で使用されている。特によく知られているキリスト教の十字架の他にも、四大要素のひとつを示すシンボル、占星術や天文学のシンボルのひとつ、方位を示すシンボルとしても用いられている。
- キリスト教と十字
キリスト教において十字は、直接的(表面的)には「キリストの磔刑」を示しているが、その深い意味、キリスト教神学的な意味としては、「もともと天において神ヤハウェの近くにいて天地創造にもかかわわったイエス・キリストが、人類のためにわざわざ受肉してこの地上に現れてくださり、全人類の罪をあがなうために十字架にかかってくださった。そのお蔭でヤハウェと人類の関係が修復し、人々は来る日には復活し永遠のいのちを得る状態となった。」という、聖書に記されている一連のできごとや、その神学的な意味を表すためのシンボルである。 またパウロの哲学(神学)では「垂直線は神と人との関係。水平線は人々の間の関係。十字は両者のreconciliation 調和(和解)[1]。」という意味を持ち、その哲学を示すシンボルなどとしても使われている。多くのキリスト教の教派で聖職者や信徒たちが、(ことあるごとに、身体の前、胸や顔の前あたりで)指(手)を「十字」に動かすようになった(日本語では「十字を切る」や「十字を描く」などと表現する)。キリスト教はヨーロッパに広がり、ヨーロッパの王族(の王権)や貴族はキリスト教教会(西ヨーロッパではカトリック、東欧やロシアではオルトドクス)の権威とも結びついていたので十字は王族や貴族の紋章、家紋などにも使用されるようになった。またヨーロッパの他の国々でもキリスト教の信仰を示すために国旗に十字が埋め込まれた(たとえば、デンマークの国旗、また北欧諸国の国旗に埋め込まれた十字(スカンディナヴィア十字) 等々)。また大航海時代のヨーロッパ人の世界進出によって世界中に広まり、キリスト教は世界で数十億人の信者を擁するに到ったので、ドミニカ共和国の国旗やトンガの国旗を含めて、多くのキリスト教国の国旗でも使用されるようになった。→キリスト教神学、十字の切り方、紋章、紋章学、クロス (紋章学)、#国旗の例
スイスでも(十字が貴族の紋章に使われた結果、巡り巡って)スイスの国旗に用いられるようにもなった。そして赤十字社は、その設立にスイスが縁があるため(また、困っている人のためならば人種や国境を越えて手を差し伸べる、という人類愛、友愛、キリスト教的理念を暗黙裏に示すためにも)十字の標章を用いることになった。
- 天体と十字
占星術や古い時代の天文学では、太陽のシンボルとして使われた。また1598年にペトルス・プランシウスによって星座群に「南十字座」が加えられ、その結果それ以降、実際の星座群の中にも十字がある、と見なされるようになった。
- アジアと十字
アジア地域での十字について解説すると、中国の、晋の時代に十字をつけた餅を食して厄除けとする風習があった[2]。
日本に、その晋の餅の風習が伝えられると鎌倉時代に流行し、その餅のことを「十字」といったともされる[2]。
また日本では家紋に十字を埋め込んだものがある。→#家紋と十字
種類
[編集]以下は主な十字の例である。十字の持つ特定の意味でまとめたものではなく、十字の全ての種類でもない。名称やデザインは代表的なもので、詳細は各リンク先も参照。
-
ラテン十字。短い横のアームが、長い縦のアームのやや上方で直角に交差する。
-
ラテン十字の1種。アームの長さが等しくギリシャ十字と似ている。
-
聖ペトロ十字または逆十字。ラテン十字を上下反転させた形。
-
ケルト十字。ラテン十字と十字の交差部分を囲む輪から構成される。
-
ケルト十字の1種。18世紀以降に図案化されたもの。
-
コプト十字。初期のもの。
-
長老派教会十字
-
ロレーヌ十字。横のバーが2つある。古代のもので、横のバーの長さが等しい。
-
総主教十字。ロレーヌ十字と極めて似ている。
-
六端十字[3]。東方十字の1種。ラテン十字の下に、短い横のバーが斜めに交差する。
-
アークエンジェルクロスの1種。
-
アークエンジェルクロスの1種。
-
アークエンジェルクロスの1種。
-
ロマネスク様式の十字。
-
クロス・クロスレット。アームの端が十字になっている。
-
エルサレム十字。十字軍の十字としても知られている。
-
松葉杖十字。エルサレム十字の元となった。
-
黒十字の1種。アームが直線(バー)になっている(バルケンクロイツ、ドイツ語: Balkenkreuz)
-
クロス・ポミー。バーの端が丸いノブの形をしている。
-
クロス・フォウシェイ。アームの先端がフォークの形(V字)をしている。
-
クロス・モーリン。アームの端が留め金の形をしており、端が2つに分岐して曲線を描いて戻っている。
-
テンプル騎士団十字。
-
カラトラバ騎士団十字。
-
アンクまたは取っ手付き十字またはエジプト十字。上部の端が取っ手の形をしている。
-
クロス・アンキー(碇十字)。アンカード・クロス、マリナーズ・クロスとも呼ばれる。
-
マリアン・クロス。ラテン十字を右下の空白が大きくなるように縦木と横木をずらし、右下の空白に「M」と記した形状。
-
葡萄十字。横木が、やや下へ垂れ下がっている。
-
スカンディナヴィア十字。左側に交点が寄った横長の十字。スカンディナヴィア諸国の国旗でも使用されている。
-
エチオピア十字の一例。様々な意匠のものがある。
紋章における十字は、他にも非常に多くのバリエーションがある。紋章の背景知識は紋章学を参照。有名なオンライン情報には A Glossary of Terms Used in Heraldry by James Parker (1894) があり、紋章における十字のバリエーションについて多くの情報が参照できる。
旗の例
[編集]![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8f/Norden.jpg/250px-Norden.jpg)
いくつかの旗は十字を含んでいる。
北欧のスカンディナヴィア諸国の全ての国の国旗は、スカンディナヴィア十字で知られている(スウェーデンの国旗、アイスランドの国旗など)。17世紀以降のスイスの国旗は同じ長さの線による正方形の十字を使用し、赤十字の標章の元となった。ヨーロッパ以外でも キリスト教徒の多い国が、国旗に十字を入れることがある(トンガの国旗、 ジャマイカの国旗など)。
また南半球の多くの国は、国旗に南十字星(サザンクロス)を使用している(サモアの国旗 、ブラジルの国旗など)。
国旗の例
[編集]国旗以外の例
[編集]家紋と十字
[編集]十文字紋(じゅうもんじもん)は、漢字の「十」を図案化した家紋である。図案には「丸に十文字」「島津十文字」、「日置十文字」、「猪飼十文字」などがある。その形状から、久留子紋と混同されることが多く、また、島津氏が用いたとされる「丸に十字」は轡紋と混同されることがある。
鎌倉時代初期の、島津忠久の甲冑に記された「十文字」が現存では最古の例である。主に島津氏とその関係の氏族が用いた。フランシスコ・ザビエルが布教のために鹿児島に来た際、島津が「白い十字架」を使用していたことに驚いた、という記録がある[4]。
徳川幕府によるキリスト教の禁教令発布後は轡紋(くつわもん)、祇園守紋(ぎおんまもりもん)、桛紋(かせぎもん)、卍紋などとともに久留子紋の代用として用いられることがあった。[2]
-
まるにじゅうもんじ
丸に十文字 -
まるにじゅうじ
丸に十字 -
まるにじゅうじ(まるにじゅうじくるす)
丸に十字(丸に十字久留子) -
しまづじゅうもんじ
島津十文字 -
かやのうちじゅうもんじ
榧の内十文字
脚注
[編集]参考文献
[編集]- Chevalier, Jean (1997). "The Penguin Dictionary of Symbols". Penguin ISBN 0140512543
- Koch, Rudolf (1955). The Book of Signs. Dover, NY. ISBN 0-486-20162-7.
- Drury, Nevill (1985). Dictionary of Mysticism and the Occult. Harper & Row ISBN 0060620935
- Webber, F. R. (1927, rev 1938). Church Symbolism: an explanation of the more important symbols of the Old and New Testament, the primitive, the mediaeval and the modern church. Cleveland, OH. OCLC 236708.
関連項目
[編集]- 卍
- 家紋
- 家紋の一覧
- 磔刑
- 十字架
- 赤十字
- 緑十字
- 黒十字
- 鉤十字
- 鉄十字
- 十字軍
- 南十字星
- プラス記号とマイナス記号
- 短剣符
- クロス (紋章学)
- 「十字」で始まるページの一覧
- タイトルに「十字」を含むページの一覧
外部リンク
[編集]- The Christian Cross of Jesus Christ: Symbols of Christianity, Images, Designs and representations of it as objects of devotion
- Seiyaku.com, all Crosses
- Lutheransonline.com, variations of Crosses - images and Mmeanings
- Nasrani.net, Indian Cross
- Freetattoodesigns.org, The Cross in Tattoo Art