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{{Otheruseslist|図形・模様の十字|[[紋章学]]における十字|クロス (紋章学)|[[キリスト教]]における十字|十字架|[[祈祷]]の一部としての「十字を画く」「十字を切る」行為|十字の描き方|漫画作品|十字 (漫画)}}
{{Otheruseslist|'''図形・模様の十字'''|[[紋章学]]における十字|クロス (紋章学)|[[キリスト教]]のイエスの磔刑の刑具|十字架|[[祈祷]]の一部としての「十字を画く」「十字を切る」行為|十字の描き方|漫画作品|十字 (漫画)}}
[[File:Cross2.svg|thumb|150px|全ての棒が同じ長さの[[ギリシャ十字]](上)と、それを45度回転させた[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]](下)]]
[[File:Cross2.svg|thumb|150px|全ての棒が同じ長さの[[ギリシャ十字]](上)と、それを45度回転させた[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]](下)]]
'''十字'''(じゅうじ、クロス、[[英語|英]]:cross)とは[[幾何学]]図形の1つで、2つの線(棒)が互いに直角に交差して、片方または両方の線が中央で分割されている。線は通常は水平と垂直だが、斜めの場合は'''斜め十字'''(ななめじゅうじ、[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]]、英:saltire、[[聖アンデレ十字]])とも呼ばれる。
'''十字'''(じゅうじ、{{Lang-en-short|cross}} クロス)は、[[幾何学]]図形の1つで、2つの線(棒)が互いに直交(直角に交差して、片方または両方の線が中央で分割されている。線は通常は水平と垂直だが、斜めの場合は'''斜め十字'''(ななめじゅうじ、{{Lang-en-short|saltire}} [[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]]あるいは[[聖アンデレ十字]])とも呼ばれる。


なお日本では、線が垂直な場合は[[漢字]]の「十」と同じ形のため「[[十文字]]」(じゅうもんじ)、斜めの場合は「[[×]]」(バツ、ペケ)と呼ばれる事もある。
なお[[日本]]では、線が垂直な場合は[[漢字]]の「十」と同じ形のため「[[十文字 (曖昧さ回避)|十文字]]」(じゅうもんじ)、斜めの場合は「[[×]]」(バツ、ペケ)と呼ばれる事もある。


== 概要 ==
== 概要 ==
十字は最も古代から存在する人類シンボルの1つであり、多くの地域で使用されている。[[太陽のシンボル]]や、[[キリスト教]]の[[十字架]]、[[みなみじゅうじ座|南十字星]]の他にも、世界の[[四大元素|四大要素]]や[[方位]]、あるいは縦線[[神|神性]]、水平線を[[世界]]とした統一概念の象徴などとして使われている。
十字は最も古代から存在する人類的とも言える[[シンボル]]の1つであり、多くの地域で使用されている。特によく知られている[[キリスト教]]の[[十字架]]の他にも、[[四大元素|四大要素]]のひとつを示すシンボル、占星術天文学のシンボルのひとつ、[[方位]]を示すシンボルとしても用いられている。


;キリスト教と十字
現代でも多数の[[国旗]][[赤十字社]]など標章や[[紋章]]、[[家紋]]などにも使用されている。なお中国の、[[ (王朝)|晋]]時代に十字をつけたを食して厄除けとする風習が、日本に伝えられると[[鎌倉時代]]に流行し、その餅のことを「十字」といったともされる<ref name="高澤">千鹿野茂監修 高澤等著『家紋の事典』東京堂出版 2008年</ref>。
キリスト教において十字は、直接的(表面的)には「[[キリストの磔刑]]」を示しているが、その深い意味、キリスト教神学的な意味としては、「もともと天において[[ヤハウェ|神ヤハウェ]]の近くにいて[[天地創造]]にもかかわわった[[イエス・キリスト]]が、人類のためにわざわざ[[受肉]]してこの地上に現れてくださり、全人類の[[罪]]をあがなうために十字架にかかってくださった。そのお蔭でヤハウェと人類の関係が修復し、人々は来る日には[[復活 (キリスト教)|復活]]し[[永遠のいのち]]を得る状態となった。」という、[[聖書]]に記されている一連のできごとや、その神学的な意味を表すためのシンボルである。
また[[パウロ]]の哲学(神学)では「垂直線は[[ヤハウェ|神]]と人との関係。水平線は人々の間の関係。十字は両者のreconciliation 調和(和解)<ref>[https://www.jstor.org/stable/43052706]</ref>。」という意味を持ち、その哲学を示すシンボルなどとしても使われている。多くの[[キリスト教の教派]]で聖職者や信徒たちが、(ことあるごとに、身体の前、胸や顔の前あたりで)指(手)を「十字」に動かすようになった(日本語では「十字を切る」や「十字を描く」などと表現する)。キリスト教はヨーロッパに広がり、ヨーロッパの王族(の王権)や貴族はキリスト教教会(西ヨーロッパでは[[カトリック]]、東欧やロシアでは[[正教|オルトドクス]])の権威とも結びついていたので十字は王族や貴族の[[紋章]]、[[家紋]]などにも使用されるようになった。またヨーロッパの他の国々でもキリスト教の信仰を示すために国旗に十字が埋め込まれた(たとえば、[[デンマークの国旗]]、また[[北欧]]諸国の国旗に埋め込まれた十字([[スカンディナヴィア十字]]) 等々)。また[[大航海時代]]のヨーロッパ人の世界進出によって世界中に広まり、キリスト教は世界で数十億人の信者を擁するに到ったので、[[ドミニカ共和国]]の国旗や[[トンガの国旗]]を含めて、多くのキリスト教国の[[国旗]]でも使用されるようになった。→[[キリスト教神学]]、[[十字の切り方]]、[[紋章]]、[[紋章学]]、[[クロス (紋章学)]]、[[#国旗の例]]


スイスでも(十字が貴族の紋章に使われた結果、巡り巡って)[[スイスの国旗]]に用いられるようにもなった。そして[[赤十字社]]は、その設立にスイスが縁があるため(また、困っている人のためならば人種や国境を越えて手を差し伸べる、という[[人類愛]]、[[友愛]]、キリスト教的理念を暗黙裏に示すためにも)十字の標章を用いることになった。
<!---【未翻訳部分】==Etymology==
The word ''[[:wikt:cross|cross]]'' was introduced to English in the 10th century as the term for the instrument of the torturous execution of Jesus (gradually replacing the earlier word ''[[rood]]''), ultimately from [[Latin]] ''[[:wikt:crux|crux]]'', via [[Old Irish]] ''cros''. The word can nowadays refer to the geometrical shape unrelated to its Christian significance. The Latin ''Crux'' (translating Greek ''stauros'') was a Roman torture device used for [[crucifixion]].


;天体と十字
==History==
[[占星術]]や古い時代の[[天文学]]では、[[太陽のシンボル]]として使われた。また1598年にペトルス・プランシウスによって星座群に「[[みなみじゅうじ座|南十字座]]」が加えられ、その結果それ以降、実際の星座群の中にも十字がある、と見なされるようになった。
[[File:Zbruch Idol Detail-2.jpg|thumb|200px|Solar cross in ''[[Zbruch Idol]]'']]It is not known when the first cross image was made; after circles, crosses are one of the first symbols drawn by children of all cultures. There are many cross-shaped [[Petroglyph|incisions]] in European cult caves, dating back to the earliest stages of human cultural development in the [[stone age]]. Like other symbols from this period, their use continued in the [[Celt]]ic and [[Germanic culture|Germanic]] cultures in Europe. For example, celtic coins minted many centuries before the Christian era may have an entire side showing this type of cross, sometimes with the cardinal points marked by concave depressions in the same style as in stone age carvings. Other coins may be showing the cross held by a rider on a horse and springing a fern leaf, sometimes identified as a [[Tree of life|Tree of Life]] symbol.


;アジアと十字
== As markings ==
アジア地域での十字について解説すると、中国の、[[晋 (王朝)|晋]]の時代に十字をつけた餅を食して厄除けとする風習があった<ref name="高澤">[[千鹿野茂]]監修 [[高澤等]]著『家紋の事典』[[東京堂出版]] 2008年</ref>。
[[File:Raffi kojian-goshavank-IMG 0454.JPG|thumb|150px|right|A famous [[Armenian Apostolic Church|Armenian]] [[khachkar]] at [[Goshavank]].]]
[[File:CROSS Sacral Stavros from the Temple Repositories of Knossos 1600 BCE Heraclion Museum Greece.JPG|thumb|left|150px|1600 BCE marble sacral cross from the Temple Repositories of [[Knossos]].<br>([[Heraclion]] Archaeological Museum, [[Greece]])]]Written crosses are used for many different purposes, particularly in mathematics.


日本にの晋の餅風習が伝えられると[[鎌倉時代]]に流行し、その餅のことを「十字」といったともされる<ref name="高澤">[[千鹿野茂]]監修 [[高澤等]]著『家紋の事典』[[東京堂出版]] 2008年</ref>。
* The [[Roman numeral]] for [[10 (number)|ten]] is [[X]].

* In the [[Latin alphabet]], the letter [[X]] and the minuscule form of [[t]] are crosses.
また日本では家紋に十字を埋め込んだものがある。→[[#家紋と十字]]
* The Chinese character for ten is [[wikt:十|十]]; (see [[Chinese numerals]]).
* The [[dagger (typography)|dagger]] or ''obelus'' (†)
* The [[addition]] (or ''plus'') sign (+) and the [[multiplication]] (or ''times'') sign (&times;).


A cross is often used as a [[check mark]] because it can be clearer, easier to create with an ordinary pen or pencil, and less obscuring of the text or image that is already present than a large dot. It also allows marking a position more accurately than a large dot.


A large cross through a text often means that it is wrong or should be considered deleted.--->


== 種類 ==
== 種類 ==
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ファイル:Greek_cross.svg|'''[[ギリシャ十字]]'''。アームが等しい長さで、それぞれの中央で直角に交差する。[[スイスの国旗]]や[[赤十字社|赤十字]]の元となった。
ファイル:Greek_cross.svg|'''[[ギリシャ十字]]'''。アームが等しい長さで、それぞれの中央で直角に交差する。[[スイスの国旗]]や[[赤十字社|赤十字]]の元となった。
ファイル:Latin Cross.svg|'''[[ラテン十字]]'''。短い横のアームが、長い縦のアームのやや上方で直角に交差する。
ファイル:Latin Cross.svg|'''[[ラテン十字]]'''。短い横のアームが、長い縦のアームのやや上方で直角に交差する。
ファイル:Latin cross with equal arms.png|ラテン十字の1種。アームの長さが等しくギリシャ十字と似ている。
ファイル:Latin Cross with Equal Arms.svg|ラテン十字の1種。アームの長さが等しくギリシャ十字と似ている。
ファイル:Saint Peters cross.png|'''[[聖ペトロ十字]]'''または'''逆十字'''。ラテン十字を上下反転させた形。
ファイル:Peter's Cross.svg|'''[[聖ペトロ十字]]'''または'''逆十字'''。ラテン十字を上下反転させた形。
ファイル:Crossed circle.svg|'''[[太陽十字]]'''または'''太陽車輪'''。円の中に十字。[[キリスト教]]以前の古代より使われ[[ケルト十字]]の元となった。
ファイル:Crossed circle.svg|'''[[太陽十字]]'''または'''太陽車輪'''。円の中に十字。[[キリスト教]]以前の古代より使われ[[ケルト十字]]の元となった。[[日本]]では[[島津家]]の[[家紋]]としても使われる
ファイル:CelticCross.svg|'''[[ケルト十字]]'''。ラテン十字と十字の交差部分を囲む輪から構成される。
ファイル:CelticCross.svg|'''[[ケルト十字]]'''。ラテン十字と十字の交差部分を囲む輪から構成される。
ファイル:Celtic-style crossed circle.svg|[[ケルト十字]]の1種。18世紀以降に図案化されたもの。
ファイル:Celtic-style crossed circle.svg|[[ケルト十字]]の1種。18世紀以降に図案化されたもの。
ファイル:Original Coptic cross.svg|'''[[:en:Original Coptic cross.svg|コプト十字]]'''。初期のもの。
ファイル:Original Coptic cross.svg|'''{{仮リンク|コプト十字|en|Coptic cross}}'''。初期のもの。
ファイル:USVA headstone emb-04.svg|'''[[長老派教会]]十字'''
ファイル:USVA headstone emb-04.svg|'''[[長老派教会]]十字'''
ファイル:Broken crossed circle.svg|'''[[卍|卍(まんじ)]]'''または'''鉤十字'''の1種。[[太陽十字]]の円の一部が切れた形状。
ファイル:Broken crossed circle.svg|'''[[卍|卍(まんじ)]]'''または'''鉤十字'''の1種。[[太陽十字]]の円の一部が切れた形状。
ファイル:Croix Gammé.jpg|'''右まんじ'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。[[国家社会主義ドイツ労働者党|ナチス]]の[[ハーケンクロイツ]]でも多用された。
ファイル:Croix Gammé.jpg|'''右まんじ'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。[[国家社会主義ドイツ労働者党|ナチス]]の[[ハーケンクロイツ]]でも多用された。
ファイル:Indian Swastika.svg|'''左まんじ'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。[[ヒンドゥー教]]、[[仏教]]、日本の[[家紋]]や[[地図記号]]などで使用されている。
ファイル:Indian Swastika.svg|'''左まんじ'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。[[ヒンドゥー教]]、[[仏教]]、日本の[[家紋]]や[[地図記号]]などで使用されている。
ファイル:Argent a fylfot azure.ant.png|'''[[:en:Fylfot|フィルファット]]'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。アームの折れ曲がった先が短い。
ファイル:Argent a fylfot azure.svg|'''{{仮リンク|フィルファット|en|Fylfot}}'''。[[卍|卍(まんじ)]]の1種。アームの折れ曲がった先が短い。
ファイル:Lauburu.svg|'''[[ラウブル]]'''。4つの[[コンマ]]で構成され、[[卍|卍(まんじ)]]や日本の[[巴]]にも似ている。
ファイル:Lauburu.svg|'''[[ラウブル]]'''。4つの[[コンマ]]で構成され、[[卍|卍(まんじ)]]や日本の[[巴]]にも似ている。
ファイル:HandsGod.svg|'''[[スラヴ]]太陽十字'''または[[:en:Hands of God|神の手]]
ファイル:Hands of God.svg|'''[[スラヴ]]太陽十字'''または{{仮リンク|ビャワの骨壺|label=神の手|en|Funerary_urn_from_Biała}}
ファイル:Croix de Lorraine 2.svg|'''[[ロレーヌ十字]]'''。横のバーが2つある。古代のもので、横のバーの長さが等しい。
ファイル:Croix de Lorraine 2.svg|'''[[ロレーヌ十字]]'''。横のバーが2つある。古代のもので、横のバーの長さが等しい。
ファイル:Croix de Lorraine 3.svg|'''[[ロレーヌ十字]]'''の1種。横のバーは下が長い。ロレーヌ十字として現代知られているもので、[[ジャンヌ・ダルク]]の象徴とされ、[[自由フランス]]旗でも使用された。
ファイル:Croix de Lorraine 3.svg|'''[[ロレーヌ十字]]'''の1種。横のバーは下が長い。ロレーヌ十字として現代知られているもので、[[ジャンヌ・ダルク]]の象徴とされ、[[自由フランス]]旗でも使用された。
ファイル:Patriarchal cross.svg|'''[[:en:Patriarchal cross|総主教十字]]'''。ロレーヌ十字と極めて似ている。
ファイル:Patriarchal cross.svg|'''{{仮リンク|総主教十字|en|Patriarchal cross}}'''。ロレーヌ十字と極めて似ている。
ファイル:Cross of the pope.svg|'''トリプルクロス'''または'''[[:en:Papal Cross|教皇十字]]'''。横のバーが3本。[[教皇|ローマ教皇]]のシンボル。
ファイル:Cross of the pope.svg|'''トリプルクロス'''または'''{{仮リンク|教皇十字|en|Papal cross}}'''。横のバーが3本。[[教皇|ローマ教皇]]のシンボル。
ファイル:Russian cross.png|'''六端十字'''<ref>[http://www.geocities.jp/fnagaya2002/Hp/Dento1.htm#1) 正教会の伝統と象徴]</ref>。東方十字の1種。ラテン十字の下に、短い横のバーが斜めに交差する。
ファイル:Russian cross.png|'''六端十字'''<ref>[https://web.archive.org/web/20090305041501/http://www.geocities.jp/fnagaya2002/Hp/Dento1.htm#1) 正教会の伝統と象徴]</ref>。東方十字の1種。ラテン十字の下に、短い横のバーが斜めに交差する。
ファイル:OrthodoxCross.svg|'''[[八端十字架|八端十字]]'''。東方十字の1種。ロレーヌ十字の下に、短い横のバーが斜めに交差する。[[ロシア正教会]]など[[スラヴ人|スラヴ]]系正教会で広く使われている。
ファイル:OrthodoxCross.svg|'''[[八端十字架|八端十字]]'''。東方十字の1種。ロレーヌ十字の下に、短い横のバーが斜めに交差する。[[ロシア正教会]]など[[スラヴ人|スラヴ]]系正教会で広く使われている。
ファイル:Cross of the Evangelists.svg|'''アークエンジェルクロス'''の1種。
ファイル:Cross of the Evangelists.svg|'''アークエンジェルクロス'''の1種。
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ファイル:Cross-Crosslet-Heraldry.svg|'''クロス・クロスレット'''。アームの端が十字になっている。
ファイル:Cross-Crosslet-Heraldry.svg|'''クロス・クロスレット'''。アームの端が十字になっている。
ファイル:Cross-Jerusalem-Potent-Heraldry.svg|'''エルサレム十字'''。[[十字軍]]の十字としても知られている。
ファイル:Cross-Jerusalem-Potent-Heraldry.svg|'''エルサレム十字'''。[[十字軍]]の十字としても知られている。
ファイル:Cross-Potent-Heraldry.svg|'''松葉杖十字'''。英名[[:en:crutch cross|crutch cross]]([[:en:Cross_potent|cross potent]])。エルサレム十字の元となった。
ファイル:Cross-Potent-Heraldry.svg|'''{{仮リンク|松葉杖十字|en|cross potent}}'''。エルサレム十字の元となった。
ファイル:Maltese-Cross-Heraldry.svg|'''[[マルタ十字]]'''。[[矢]]の形をした4つのアームが中央に向き、8つの突き出た角をもつ。[[:en:Marksmanship Badge (United States)|アメリカ海兵隊の射撃技量バッジ]]の元にもなった。
ファイル:Maltese-Cross-Heraldry.svg|'''[[マルタ十字]]'''。[[矢]]の形をした4つのアームが中央に向き、8つの突き出た角をもつ。[[アメリカ海兵隊]]{{仮リンク|射撃技術章 (アメリカ合衆国)|label=射撃技術章|en|Marksmanship Badge (United States)}}の元にもなった。
ファイル:Cross-Pattee-alternate.svg|'''[[クロスパティー]]'''。[[マルタ十字]]に似ているが、アームの中央部分は細く、端部分は広い。[[ドイツ騎士団]]が使用し、[[黒十字]]や[[鉄十字]]の元ともなった。
ファイル:Cross-Pattee-alternate.svg|'''[[クロスパティー]]'''。[[マルタ十字]]に似ているが、アームの中央部分は細く、端部分は広い。[[ドイツ騎士団]]が使用し、[[黒十字]]や[[鉄十字]]の元ともなった。
ファイル:Bundeswehr Kreuz Black.svg|'''[[黒十字]]'''。[[ドイツ連邦軍]]でも使用されている。
ファイル:Bundeswehr Kreuz Black.svg|'''[[黒十字]]'''。[[ドイツ連邦軍]]でも使用されている。
ファイル:Balkenkreuz.svg|黒十字の1種。アームが直線(バー)になっている(バルケンクロイツ、{{lang-de|Balkenkreuz}})
ファイル:Balkenkreuz.svg|黒十字の1種。アームが直線(バー)になっている(バルケンクロイツ、{{lang-de|Balkenkreuz}})
ファイル:Cross-Bottony-Heraldry.svg|'''[[:en:Bottony|クロス・ボトニー]]'''。アームの端が[[:en:Trefoil|三葉]]の形をしている。[[メリーランド州]]の州旗でも使用されている。
ファイル:Cross-Bottony-Heraldry.svg|'''{{仮リンク|クロス・ボトニー|en|Bottony}}'''。アームの端が{{仮リンク|トレフォイル|en|Trefoil}}の形をしている。[[メリーランド州]]の州旗でも使用されている。
ファイル:Cross-Pommee-Heraldry.svg|'''クロス・ポミー'''。バーの端が丸いノブの形をしている。
ファイル:Cross-Pommee-Heraldry.svg|'''クロス・ポミー'''。バーの端が丸いノブの形をしている。
ファイル:ArrowCross.svg|'''[[矢十字]]'''または'''クロス・バービー'''。矢印はキリストを暗示している。[[中世]]の[[ハンガリー]]部族や1930年代の[[矢十字党]]が使用した。
ファイル:ArrowCross.svg|'''[[矢十字]]'''または'''クロス・バービー'''。矢印はキリストを暗示している。[[中世]]の[[ハンガリー]]部族や1930年代の[[矢十字党]]が使用した。
ファイル:Cross-Flory-Heraldry.svg|'''[[:en:Cross fleury|クロス・フローリー]]'''。アームの端が[[フルール・ド・リス]]と似た[[ユリ]]の形になっている。
ファイル:Cross-Flory-Heraldry.svg|'''{{仮リンク|クロス・フローリー|en|Cross fleury}}'''。アームの端が[[フルール・ド・リス]]と似た[[ユリ]]の形になっている。
ファイル:Cross-Fourchee-Heraldry.svg|'''クロス・フォウシェイ'''。アームの先端が[[フォーク (食器)|フォーク]]の形(V字)をしている。
ファイル:Cross-Fourchee-Heraldry.svg|'''クロス・フォウシェイ'''。アームの先端が[[フォーク (食器)|フォーク]]の形(V字)をしている。
ファイル:Cross-Moline-Heraldry.svg|'''クロス・モーリン'''。アームの端が留め金の形をしており、端が2つに分岐して曲線を描いて戻っている。
ファイル:Cross-Moline-Heraldry.svg|'''クロス・モーリン'''。アームの端が留め金の形をしており、端が2つに分岐して曲線を描いて戻っている。
ファイル:Cross Templar.svg|'''[[テンプル騎士団]]十字'''。
ファイル:Cross Templar.svg|'''[[テンプル騎士団]]十字'''。
ファイル:OrderOfCristCross.svg|'''[[:en:Order of Christ (Portugal)|キリスト教修道会(ポルトガル)]]'''。
ファイル:OrderOfCristCross.svg|'''[[キリスト騎士団]]'''。
ファイル:Cross Santiago.svg|'''[[:en:Cross of Saint James|聖ジェームズ十字]]'''。[[:en:Cross fleury|クロス・フローリー]]に似ており、[[ヤコブ (ゼベダイの子)|ヤコブ]]の象徴とされる。赤で描かれる場合が多い。
ファイル:Cross Santiago.svg|'''{{仮リンク|聖ジェームズ十字|en|Cross of Saint James}}'''。{{仮リンク|クロス・フローリー|en|Cross fleury}}に似ており、[[ヤコブ (ゼベダイの子)|ヤコブ]]の象徴とされる。赤で描かれる場合が多い。
ファイル:Huguenot cross.svg|'''[[:en:Huguenot cross|ユグノー十字]]'''
ファイル:Huguenot cross.svg|'''{{仮リンク|ユグノー十字|en|Huguenot cross}}'''
ファイル:Serbian Cross1.svg|'''[[セルビア十字]]'''。
ファイル:Serbian Cross1.svg|'''[[セルビア十字]]'''。
ファイル:Cross_Calatrava.svg|'''[[カラトラバ騎士団]]十字'''。
ファイル:Cross_Calatrava.svg|'''[[カラトラバ騎士団]]十字'''。
ファイル:Cantercross.svg|'''[[:en:Canterbury cross|カンタベリー十字]]'''
ファイル:Cantercross.svg|'''[[カンタベリー十字]]'''
ファイル:Cathar cross.svg|'''[[:en:Occitan cross|オクシタニア十字]]'''。[[トゥールーズ]]の紋章が元となり、[[オクシタニア]]を代表する紋章となった。
ファイル:Cathar cross.svg|'''{{仮リンク|オクシタニア十字|en|Occitan cross}}'''。[[トゥールーズ]]の紋章が元となり、[[オクシタニア]]を代表する紋章となった。
ファイル:Ankh.svg|'''[[アンク]]'''または'''取っ手付き十字'''または'''エジプト十字'''。上部の端が取っ手の形をしている。
ファイル:Ankh.svg|'''[[アンク]]'''または'''取っ手付き十字'''または'''エジプト十字'''。上部の端が取っ手の形をしている。
ファイル:Mariner's Cross.svg|'''[[:en:Anchored cross|クロス・アンキー(碇十字)]]'''。アンカード・クロス、マリナーズ・クロスとも呼ばれる。
ファイル:Mariner's Cross.svg|'''{{仮リンク|クロス・アンキー|label=クロス・アンキー(碇十字)|en|Anchored cross}}'''。アンカード・クロス、マリナーズ・クロスとも呼ばれる。
ファイル:Te cross.svg|'''[[:en:Tau Cross|タウ十字]]'''または'''[[Anthony the Great|聖アンソニー十字]]'''。[[フランシスコ会]]が使用した。
ファイル:Te cross.svg|'''{{仮リンク|タウ十字|en|Tau Cross}}'''または'''[[大アントニオス|聖アンソニー]]十字'''。[[フランシスコ会]]が使用した。
ファイル:Simple_Labarum2.svg|'''[[ラバルム]]'''。ギリシア文字のΧ(カイ)とΡ(ロー)を組み合わせた形状で、[[イエス・キリスト]]を表す。
ファイル:Simple_Labarum2.svg|'''[[ラバルム]]'''。ギリシア文字のΧ(カイ)とΡ(ロー)を組み合わせた形状で、[[イエス・キリスト]]を表す。
ファイル:Marian_Cross.jpg|'''[[:en:Marian Cross|マリアン・クロス]]'''。ラテン十字を右下の空白が大きくなるように縦木と横木をずらし、右下の空白に「M」と記した形状。
ファイル:Marian_Cross.jpg|'''{{仮リンク|マリアン・クロス|en|Marian Cross}}'''。ラテン十字を右下の空白が大きくなるように縦木と横木をずらし、右下の空白に「M」と記した形状。
ファイル:A Commonwealth Cross of Sacrifice or War Cross.jpg|'''[[:en:Cross of Sacrifice|Cross of Sacrifice]]'''
ファイル:A Commonwealth Cross of Sacrifice or War Cross.jpg|'''{{仮リンク|クロス・オブ・サクリファイス|en|Cross of Sacrifice}}'''
ファイル:St._Thomas_Cross.jpg|'''[[:en:Rock crosses of Kerala|聖トマス十字]]'''
ファイル:St._Thomas_Cross.jpg|'''{{仮リンク|聖トマス十字|en|Rock crosses of Kerala}}'''
ファイル:Kruis san damiano.gif|'''[[:fr:Croix de Saint-Damien|聖ダミアン十字]] '''
ファイル:Kruis san damiano.gif|'''{{仮リンク|聖ダミアン十字|fr|Croix de Saint-Damien}}'''
ファイル:St Brigid.png|'''[[:en:St. Brigid's Cross|聖ブリジッドクロス]]'''
ファイル:St Brigid.png|'''{{仮リンク|聖ブリジッドクロス|en|St. Brigid's Cross}}'''
ファイル:SaintNinoCross.jpg|'''[[葡萄十字]]'''。横木が、やや下へ垂れ下がっている。
ファイル:SaintNinoCross.jpg|'''[[葡萄十字]]'''。横木が、やや下へ垂れ下がっている。
ファイル:United Baltic Duchy flag.svg|'''[[スカンディナヴィア十字]]'''。左側に交点が寄った横長の十字。[[スカンディナヴィア]]諸国の国旗でも使用されている。
ファイル:United Baltic Duchy flag.svg|'''[[スカンディナヴィア十字]]'''。左側に交点が寄った横長の十字。[[スカンディナヴィア]]諸国の国旗でも使用されている。
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ファイル:St_Patrick's_saltire.svg|'''[[聖パトリック旗|聖パトリキウス十字]]'''。[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]]の1種で、[[イギリスの国旗]]の中で[[アイルランド]]を意味する十字として使用されている。
ファイル:St_Patrick's_saltire.svg|'''[[聖パトリック旗|聖パトリキウス十字]]'''。[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]]の1種で、[[イギリスの国旗]]の中で[[アイルランド]]を意味する十字として使用されている。
ファイル:Christian cross from Ethiopia.jpg|'''[[エチオピア十字]]'''の一例。様々な意匠のものがある。
ファイル:Christian cross from Ethiopia.jpg|'''[[エチオピア十字]]'''の一例。様々な意匠のものがある。
ファイル:Skull and crossbones.svg|'''[[:en:Skull and crossbones|髑髏と骨]]'''。骨による[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]]。紋章として使用され、伝統的に[[海賊]]のシンボルとされる。
ファイル:Skull and crossbones.svg|'''[[髑髏と骨]]'''。骨による[[サルタイアー (紋章学)|サルタイアー]]。紋章として使用され、伝統的に[[海賊]]のシンボルとされる。
ファイル:Flag of England.svg|[[聖ゲオルギウス十字]]。白地に赤十字であり、[[ゲオルギオス (聖人)|聖ゲオルギオス]]にちなむ。[[イングランドの国旗]]などに用いられている。
ファイル:Flag of England.svg|[[聖ゲオルギウス十字]]。白地に赤十字であり、[[ゲオルギオス (聖人)|聖ゲオルギオス]]にちなむ。[[イングランドの国旗]]などに用いられている。
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紋章における十字は、他にも非常に多くのバリエーションがある。紋章の背景知識は[[紋章学]]を参照。有名なオンライン情報には [http://www.heraldsnet.org/saitou/parker/Jpglossc.htm#Cross ''A Glossary of Terms Used in Heraldry'' by James Parker (1894)] があり、紋章における十字のバリエーションについて多くの情報が参照できる。
紋章における十字は、他にも非常に多くのバリエーションがある。紋章の背景知識は[[紋章学]]を参照。有名なオンライン情報には [http://www.heraldsnet.org/saitou/parker/Jpglossc.htm#Cross ''A Glossary of Terms Used in Heraldry'' by James Parker (1894)] があり、紋章における十字のバリエーションについて多くの情報が参照できる。

== 家紋の例 ==
'''十文字紋'''(じゅうもんじもん)は、漢字の「十」を図案化した[[家紋]]である。図案には「丸に十文字」「島津十文字」、「日置十文字」、「猪飼十文字」などがある。その形状から、久留子紋と混同されることが多く、また、[[島津氏]]が用いたとされる「丸に十字」は[[轡]]紋と混同されることがある。

[[鎌倉時代]]初期の、[[島津忠久]]の[[甲冑]]に記された「十文字」が現存では最古の例である。主に島津氏とその関係の氏族が用いた。[[フランシスコ・ザビエル]]が布教のために鹿児島に来た際、島津が「白い[[十字架]]」を使用していたことに驚いた、という記録がある<ref>{{Cite web |url=http://www.shuseikan.jp/word/origin05.html |title=薩摩・島津家の歴史 |publisher=尚古集成館 |accessdate=2012-3-27 }}</ref>。

徳川幕府によるキリスト教の禁教令発布後は轡紋(くつわもん)、祇園守紋(ぎおんまもりもん)、桛紋(かせぎもん)、[[卍|卍紋]]などとともに久留子紋の代用として用いられることがあった。<ref name="高澤"/>
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File:Japanese Crest Maru ni Jyuumonnji.svg|丸に十文字
File:Maru juji.svg|丸に十字
File:Japanese Crest maru ni jyuji.svg|丸に十字(丸に十字久留子)
File:Japanese Crest Simazu Jyumonnji.svg|島津十文字
画像:Kamon kayanouchi jumonji.png|榧の内十文字
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== 旗の例 ==
== 旗の例 ==
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[[ファイル:Norden.jpg|thumb|250px|スカンディナヴィア十字]]
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いくつかの旗は十字を含んでいる。
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File: Southern_cross_appearing_on_a_number_of_flags.PNG|<center> {{仮リンク|サザンクロスを描画する旗の一覧|label=サザンクロスを描いた旗|en|Flags depicting the Southern Cross}}</gallery>
<!---【未翻訳部分】== その他の有名な十字 ==
The [[Crux]], or [[Southern Cross]], is a cross-shaped [[constellation]] in the Southern [[Southern Hemisphere|Hemisphere]]. It appears on the national flags of [[Australia]], [[Brazil]], [[New Zealand]], [[Niue]], [[Papua New Guinea]] and [[Samoa]].


== 家紋と十字 ==
The tallest cross, at 152.4 metres high, is part of [[Francisco Franco]]'s monumental "Valley of the Fallen", the ''[[Monumento Nacional de Santa Cruz del Valle de los Caidos]]'' in [[Spain]].
'''十文字紋'''(じゅうもんじもん)は、漢字の「十」を図案化した[[家紋]]である。図案には「丸に十文字」「島津十文字」、「日置十文字」、「猪飼十文字」などがある。その形状から、久留子紋と混同されることが多く、また、[[島津氏]]が用いたとされる「丸に十字」は[[轡]]紋と混同されることがある。


[[鎌倉時代]]初期の、[[島津忠久]]の[[甲冑]]に記された「十文字」が現存では最古の例である。主に[[島津氏]]とその関係の[[氏族]]が用いた。[[フランシスコ・ザビエル]]が布教のために[[鹿児島]]に来た際、島津が「白い[[十字架]]」を使用していたことに驚いた、という記録がある<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.shuseikan.jp/word/origin05.html |title=薩摩・島津家の歴史 |publisher=尚古集成館 |accessdate=2012-3-27 }}</ref>。
A [http://www.crossusa.org/ cross] at the junction of Interstates [[Interstate 57|57]] and [[Interstate 70|70]] in [[Effingham, Illinois]], is purportedly the tallest in the United States, at 198 feet (60.3 m) tall.


[[徳川幕府]]による[[キリスト教]]の禁教令発布後は轡紋(くつわもん)、祇園守紋(ぎおんまもりもん)、桛紋(かせぎもん)、[[卍|卍紋]]などとともに久留子紋の代用として用いられることがあった。<ref name="高澤"/>
The tallest freestanding [http://wikimapia.org/6951390/World-s-Tallest-Free-Standing-Cross-The-Great-Cross cross] is located in St. Augustine, FL and stands 260 feet.
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File:Japanese Crest Maru ni Jyumonnji.svg|<span style="font-size:70%">まるにじゅうもんじ</span><br />丸に十文字
The tombs at [[Naqsh-e Rustam]], [[Iran]], made in the 5th century BC, are carved into the cliffside in the shape of a cross. They are known as the "Persian crosses".--->
File:Maru ni Jū-monji (Kutsuwa) inverted.svg|<span style="font-size:70%">まるにじゅうじ</span><br />丸に十字
File:Japanese Crest maru ni jyuji.svg|<span style="font-size:70%">まるにじゅうじ(まるにじゅうじくるす)</span><br />丸に十字(丸に十字久留子)
File:Japanese Crest Simazu Jyumonnji.svg|<span style="font-size:70%">しまづじゅうもんじ</span><br />島津十文字
画像:Kamon kayanouchi jumonji.png|<span style="font-size:70%">かやのうちじゅうもんじ</span><br />榧の内十文字
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==脚注==
== 脚注 ==
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== 参 ==
== 参考文献 ==
* Chevalier, Jean (1997). "The Penguin Dictionary of Symbols". Penguin ISBN 0140512543
* Chevalier, Jean (1997). "The Penguin Dictionary of Symbols". Penguin ISBN 0140512543
* Koch, Rudolf (1955). ''The Book of Signs''. Dover, NY. ISBN 0-486-20162-7.
* Koch, Rudolf (1955). ''The Book of Signs''. Dover, NY. ISBN 0-486-20162-7.
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Crosses}}
* [[T字]]
* [[卍]]
* [[卍]]
* [[家紋]]
* [[家紋]]
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* [[短剣符]]
* [[短剣符]]
* [[クロス (紋章学)]]
* [[クロス (紋章学)]]
* {{prefix}}
<!---* [[Khachkar|Armenian memorial Cross-stone]]
* {{intitle}}
* [[Christian cross]]
* [[Christianity]]
* [[Cross and Crown]]
* [[Cross burning]]
* [[Crossbuck]]
* [[Crucifixion]]--->

== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.catholicrevelations.com/category/saints/the-christian-cross-of-jesus-christ-christianity-symbols-images-clip-art-designs.html The Christian Cross of Jesus Christ: Symbols of Christianity, Images, Designs and representations of it as objects of devotion]
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* [http://www.seiyaku.com/customs/crosses/index-all.php Seiyaku.com], all Crosses
*[http://www.catholicrevelations.com/category/saints/the-christian-cross-of-jesus-christ-christianity-symbols-images-clip-art-designs.html The Christian Cross of Jesus Christ: Symbols of Christianity, Images, Designs and representations of it as objects of devotion]
* [https://web.archive.org/web/20080807175636/http://www.lutheransonline.com/trinitybillings/seals Lutheransonline.com], variations of Crosses - images and Mmeanings
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* [http://nasrani.net/2008/02/29/analogical-review-on-st-thomas-cross-the-symbol-of-nasranis/ Nasrani.net], Indian Cross
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* [http://www.freetattoodesigns.org/cross-tattoos.html Freetattoodesigns.org], The Cross in Tattoo Art
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*[http://www.freetattoodesigns.org/cross-tattoos.html Freetattoodesigns.org], The Cross in Tattoo Art


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2024年5月6日 (月) 10:54時点における最新版

全ての棒が同じ長さのギリシャ十字(上)と、それを45度回転させたサルタイアー(下)

十字(じゅうじ、: cross クロス)は、幾何学図形の1つで、2つの線(棒)が互いに直交(直角に交差)して、片方または両方の線が中央で分割されている。線は通常は水平と垂直だが、斜めの場合は斜め十字(ななめじゅうじ、: saltire サルタイアーあるいは聖アンデレ十字)とも呼ばれる。

なお日本では、線が垂直な場合は漢字の「十」と同じ形のため「十文字」(じゅうもんじ)、斜めの場合は「×」(バツ、ペケ)と呼ばれる事もある。

概要[編集]

十字は最も古代から存在する、人類的とも言えるシンボルの1つであり、多くの地域で使用されている。特によく知られているキリスト教十字架の他にも、四大要素のひとつを示すシンボル、占星術や天文学のシンボルのひとつ、方位を示すシンボルとしても用いられている。

キリスト教と十字

キリスト教において十字は、直接的(表面的)には「キリストの磔刑」を示しているが、その深い意味、キリスト教神学的な意味としては、「もともと天において神ヤハウェの近くにいて天地創造にもかかわわったイエス・キリストが、人類のためにわざわざ受肉してこの地上に現れてくださり、全人類のをあがなうために十字架にかかってくださった。そのお蔭でヤハウェと人類の関係が修復し、人々は来る日には復活永遠のいのちを得る状態となった。」という、聖書に記されている一連のできごとや、その神学的な意味を表すためのシンボルである。 またパウロの哲学(神学)では「垂直線はと人との関係。水平線は人々の間の関係。十字は両者のreconciliation 調和(和解)[1]。」という意味を持ち、その哲学を示すシンボルなどとしても使われている。多くのキリスト教の教派で聖職者や信徒たちが、(ことあるごとに、身体の前、胸や顔の前あたりで)指(手)を「十字」に動かすようになった(日本語では「十字を切る」や「十字を描く」などと表現する)。キリスト教はヨーロッパに広がり、ヨーロッパの王族(の王権)や貴族はキリスト教教会(西ヨーロッパではカトリック、東欧やロシアではオルトドクス)の権威とも結びついていたので十字は王族や貴族の紋章家紋などにも使用されるようになった。またヨーロッパの他の国々でもキリスト教の信仰を示すために国旗に十字が埋め込まれた(たとえば、デンマークの国旗、また北欧諸国の国旗に埋め込まれた十字(スカンディナヴィア十字) 等々)。また大航海時代のヨーロッパ人の世界進出によって世界中に広まり、キリスト教は世界で数十億人の信者を擁するに到ったので、ドミニカ共和国の国旗やトンガの国旗を含めて、多くのキリスト教国の国旗でも使用されるようになった。→キリスト教神学十字の切り方紋章紋章学クロス (紋章学)#国旗の例

スイスでも(十字が貴族の紋章に使われた結果、巡り巡って)スイスの国旗に用いられるようにもなった。そして赤十字社は、その設立にスイスが縁があるため(また、困っている人のためならば人種や国境を越えて手を差し伸べる、という人類愛友愛、キリスト教的理念を暗黙裏に示すためにも)十字の標章を用いることになった。

天体と十字

占星術や古い時代の天文学では、太陽のシンボルとして使われた。また1598年にペトルス・プランシウスによって星座群に「南十字座」が加えられ、その結果それ以降、実際の星座群の中にも十字がある、と見なされるようになった。

アジアと十字

アジア地域での十字について解説すると、中国の、の時代に十字をつけた餅を食して厄除けとする風習があった[2]

日本に、その晋の餅の風習が伝えられると鎌倉時代に流行し、その餅のことを「十字」といったともされる[2]

また日本では家紋に十字を埋め込んだものがある。→#家紋と十字


種類[編集]

以下は主な十字の例である。十字の持つ特定の意味でまとめたものではなく、十字の全ての種類でもない。名称やデザインは代表的なもので、詳細は各リンク先も参照。

紋章における十字は、他にも非常に多くのバリエーションがある。紋章の背景知識は紋章学を参照。有名なオンライン情報には A Glossary of Terms Used in Heraldry by James Parker (1894) があり、紋章における十字のバリエーションについて多くの情報が参照できる。

旗の例[編集]

スカンディナヴィア十字

いくつかの旗は十字を含んでいる。

北欧スカンディナヴィア諸国の全ての国の国旗は、スカンディナヴィア十字で知られている(スウェーデンの国旗アイスランドの国旗など)。17世紀以降のスイスの国旗は同じ長さの線による正方形の十字を使用し、赤十字の標章の元となった。ヨーロッパ以外でも キリスト教徒の多い国が、国旗に十字を入れることがある(トンガの国旗ジャマイカの国旗など)。

また南半球の多くの国は、国旗に南十字星(サザンクロス)を使用している(サモアの国旗ブラジルの国旗など)。

国旗の例[編集]

国旗以外の例[編集]

家紋と十字[編集]

十文字紋(じゅうもんじもん)は、漢字の「十」を図案化した家紋である。図案には「丸に十文字」「島津十文字」、「日置十文字」、「猪飼十文字」などがある。その形状から、久留子紋と混同されることが多く、また、島津氏が用いたとされる「丸に十字」は紋と混同されることがある。

鎌倉時代初期の、島津忠久甲冑に記された「十文字」が現存では最古の例である。主に島津氏とその関係の氏族が用いた。フランシスコ・ザビエルが布教のために鹿児島に来た際、島津が「白い十字架」を使用していたことに驚いた、という記録がある[4]

徳川幕府によるキリスト教の禁教令発布後は轡紋(くつわもん)、祇園守紋(ぎおんまもりもん)、桛紋(かせぎもん)、卍紋などとともに久留子紋の代用として用いられることがあった。[2]

脚注[編集]

  1. ^ [1]
  2. ^ a b c 千鹿野茂監修 高澤等著『家紋の事典』東京堂出版 2008年
  3. ^ 正教会の伝統と象徴
  4. ^ 薩摩・島津家の歴史”. 尚古集成館. 2012年3月27日閲覧。

参考文献[編集]

  • Chevalier, Jean (1997). "The Penguin Dictionary of Symbols". Penguin ISBN 0140512543
  • Koch, Rudolf (1955). The Book of Signs. Dover, NY. ISBN 0-486-20162-7.
  • Drury, Nevill (1985). Dictionary of Mysticism and the Occult. Harper & Row ISBN 0060620935
  • Webber, F. R. (1927, rev 1938). Church Symbolism: an explanation of the more important symbols of the Old and New Testament, the primitive, the mediaeval and the modern church. Cleveland, OH. OCLC 236708.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]