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第二次世界大戦後の復興期を迎えたフランス北西部の都市カーン近郊の村ビュロン（英語版）の光景／ナチス・ドイツ軍の占領下にあったカーン一帯がチャーンウッド作戦（英語版）によって解放された数日後の1944年7月18日、最低限の生活物資を携えた一家族が戦禍を被って住める状態でなくなった村へと戻ってゆく。村はあらゆる面で機能の立て直しが図られ、人々の日々の営みが再び始まる。

戦後復興期（せんごふっこうき）とは、戦後（戦争が終わった後）の経済・社会等の復興の時期を意味する。日本では、特に第二次世界大戦（大東亜戦争/太平洋戦争）後の復興期を指す。

概説

どのような戦いであれ、終戦を迎えた地域は、多くの場合「戦後混乱期」に陥ることを避けられないが、そのような厳しい状況下で復興を図り、結果的に果たせた場合に、その時代を指して「戦後復興期」と呼ぶようになる。翻って言えば、復興を図って果たせずに終わる「戦後」や、政情的あるいは政策上、復興の機会さえ得られずに終わる「戦後」も、世界史上に珍しいものではない。また、復興に期待を籠めて当事者たちが自らの時代をその名で呼ぶこともあるが、時代人の願うとおりに「戦後復興期」を歴史に刻み込めるかどうかはその後の結果を確かめるまで分からない。

日本の戦後復興期

第二次世界大戦後しばらくの時期を指すことが多い。

期間については曖昧で、終戦直後から始めたり^[1]、おおむね1950年代としたり^[2]（戦後混乱期が分離される）などと、筆者によって異なる。

時の首相（総理大臣）は、その時期の大部分を吉田茂が占めた（第3次吉田内閣 - 第5次吉田内閣）。そして1956年（昭和31年）には、国民所得が第二次世界大戦の太平洋戦争前の最高水準である1940年（昭和15年）レベルに達し（「もはや戦後ではない」）、戦後復興は一定の成果を得ることができた。日本の戦後復興は、経済面においては世界に勝る復興力であり、西ドイツの「経済の奇跡」と並んで非常に成功した事例として知られる。

脚注

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注釈

参考文献

^ 日本銀行百年史（第５巻） : 日本銀行 Bank of Japan
^ 太田原高昭「戦後復興期の農業協同組合農政との一体化の進行」

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+[[ファイル:Frenchciviliansburon.jpg|thumb|right|250 px|[[戦後#第二次世界大戦後|第二次世界大戦後]]の復興期を迎えた[[フランス]]北西部の都市[[カーン]]近郊の村{{仮リンク|ビュロン|en|Buron}}の光景／[[ドイツ軍#ドイツ国 （1933年-1945年）|ナチス・ドイツ軍]]の[[占領]]下にあったカーン一帯が{{仮リンク|チャーンウッド作戦|en|Operation Charnwood}}によって解放された数日後の[[1944年]]7月18日、最低限の生活物資を携えた一家族が戦禍を被って住める状態でなくなった村へと戻ってゆく。村はあらゆる面で機能の立て直しが図られ、人々の日々の営みが再び始まる。]]
-'''戦後復興期'''（せんごふっこうき）とは、[[戦後]]（[[戦争]]が終わった後）の経済・社会等の[[復興]]の時期を意味する。
+'''戦後復興期'''（せんごふっこうき）とは、[[戦後]]（[[戦争]]が終わった後）の経済・社会等の[[復興]]の時期を意味する。日本では、特に[[第二次世界大戦]]（[[大東亜戦争]]/[[太平洋戦争]]）後の復興期を指す。
 == 概説 ==
-どのような戦いであれ、[[終戦]]を迎えた[[地域]]は、多くの場合「[[戦後混乱期]]」に陥ることを避けられないが、そのような厳しい状況下で復興を図り、結果的に果たせた場合に、その時代を指して「戦後復興期」と呼ぶようになる。翻って言えば、復興を図って果たせずに終わる「戦後」や、政情的あるいは[[政策]]上、復興の機会さえ得られずに終わる「戦後」も、[[世界史]]上に珍しいものではない。また、復興に期待を籠めて[[当事者]]たちが自らの[[時代]]をその名で呼ぶこともあるが、時代人の願うとおりに「戦後復興期」を[[歴史]]に刻み込めるかどうかはその後の結果を確かめるまで分からない。このように図られた戦後復興の中で、[[戦後#第二次世界大戦|第二次世界大戦後]]の[[日本]]のそれは、[[西ドイツ]]の「[[経済の奇跡]]」と並び、最も成功した例として世界的に有名である。戦後復興期とその後の[[高度経済成長#日本の高度経済成長期|高度経済成長期]]を実現させた日本のそれは「[[奇跡]]の復興」とも呼ばれて注目され、多くは賞賛され、ときに他国が手本とするものであった。
+どのような戦いであれ、[[終戦]]を迎えた[[地域]]は、多くの場合「[[戦後混乱期]]」に陥ることを避けられないが、そのような厳しい状況下で復興を図り、結果的に果たせた場合に、その時代を指して「戦後復興期」と呼ぶようになる。翻って言えば、復興を図って果たせずに終わる「戦後」や、政情的あるいは[[政策]]上、復興の機会さえ得られずに終わる「戦後」も、[[世界史]]上に珍しいものではない。また、復興に期待を籠めて[[当事者]]たちが自らの[[時代]]をその名で呼ぶこともあるが、時代人の願うとおりに「戦後復興期」を[[歴史]]に刻み込めるかどうかはその後の結果を確かめるまで分からない。
+{{節スタブ}}<!--※世界（日本も含む）に見る戦後復興期について記述。古代、中世等も無視しない。-->
-{{節stub}}<!--※世界（日本も含む）に見る戦後復興期について記述。古代、中世等も無視しない。-->
 == 日本の戦後復興期 ==
+[[第二次世界大戦]]後しばらくの時期を指すことが多い。
-{{節stub}}
-[[戦後#第二次世界大戦|第二次世界大戦後]]の[[日本]]における「'''戦後復興期'''」は、[[日本の降伏|大戦で敗北]]し、[[民主政]]国家に生まれ変わった直後の[[戦後混乱期]]（[[占領時代|占領期]]）の困難な時代を経て、その後に続く時期である。具体的には、[[朝鮮戦争]]による[[特需景気]]（[[朝鮮特需]]）を機会に混乱から脱出する[[1950年]]（昭和25年）頃から、[[1954年]]（昭和29年）の高度成長期が始まる頃までの期間となる。時の[[首相]]（[[総理大臣]]）は、その時期の大部分を[[吉田茂]]が占めた（[[第3次吉田内閣]] - [[第5次吉田内閣]]）。そして[[1956年]]（昭和31年）には、[[国民所得]]が第二次世界大戦前の最高水準である[[1940年]]（昭和15年）レベルに達し（「[[経済白書|もはや戦後ではない]]」）、戦後復興は一定の成果を得ることができた。
+期間については曖昧で、終戦直後から始めたり<ref>[https://www.boj.or.jp/about/outline/history/hyakunen/hyaku5.htm 日本銀行百年史（第５巻） : 日本銀行 Bank of Japan]</ref>、おおむね1950年代としたり<ref>太田原高昭「[https://econ.hgu.jp/publication/docs/552/ootawara_57153.pdf 戦後復興期の農業協同組合 農政との一体化の進行]」</ref>（[[戦後混乱期]]が分離される）などと、筆者によって異なる。
-したがって、第二次世界大戦後の日本における本格的な戦後復興期は、一般的に朝鮮戦争が開戦した[[1950年]]（昭和25年）6月から[[1954年]]（昭和29年）11月までの期間を指す。
+時の[[首相]]（[[総理大臣]]）は、その時期の大部分を[[吉田茂]]が占めた（[[第3次吉田内閣]] - [[第5次吉田内閣]]）。そして[[1956年]]（[[昭和]]31年）には、[[国民所得]]が[[第二次世界大戦]]の[[太平洋戦争]]前の最高水準である[[1940年]]（[[昭和]]15年）レベルに達し（「[[経済白書|もはや戦後ではない]]」）、戦後復興は一定の成果を得ることができた。日本の戦後復興は、経済面においては世界に勝る復興力であり、[[西ドイツ]]の「[[経済の奇跡]]」と並んで非常に成功した事例として知られる。
+<!-- 出典不明
+[[戦後#第二次世界大戦後|第二次世界大戦後]]の[[日本]]における「'''戦後復興期'''」は、[[日本の降伏|大戦で敗北]]し、軍の影響力が大きかった国家からそれを排した[[民主政]]国家に生まれ変わった直後の[[戦後混乱期]]（[[占領時代|占領期]]）の困難な時代を経て、その後に続く時期である。具体的には、[[朝鮮戦争]]による[[特需景気]]（[[朝鮮特需]]）を機会に混乱から脱出する[[1950年]]（[[昭和]]25年）頃から、[[1954年]]（[[昭和]]29年）の[[高度経済成長期]]が始まる頃までの期間となる<ref group="注釈">戦後復興期の期間は正式には定まっていないが、この期間で認めている経済学者や専門家もいる。{{要出典|date=2020年11月2日}}。</ref>。したがって、第二次世界大戦後の日本における本格的な戦後復興期は、一般的に朝鮮戦争が開戦した[[1950年]]（[[昭和]]25年）6月25日から[[1954年]]（[[昭和]]29年）11月30日までの期間を指す<ref group="注釈">この期間にも[[景気循環#日本における景気循環|景気循環]]があり、[[1950年]]6月から[[1951年]]6月までの好景気名を「[[特需景気]]（[[朝鮮特需]]）」、[[1951年]]7月から10月までの不景気名を「反動不況」、[[1951年]]11月から[[1954年]]1月までの好景気名を「[[設備投資|投資]]・[[消費]]景気」または「三白景気」、[[1954年]]2月から11月までの不景気名を「昭和29年不況」と呼ばれている。</ref>。-->
 == 脚注 ==
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+=== 注釈 ===
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 == 参考文献 ==
+{{Reflist}}
-<!--※記述あるが望ましい節
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 == 関連項目 ==
-* [[復興]]
+* [[第0次世界大戦]]
+* [[第一次世界大戦]]
-* [[大戦景気]]（戦争景気）<!--※朝鮮特需は下位分類。-->
+* [[第二次世界大戦]]
 * [[戦後混乱期]]
+* [[復興]]
+* [[戦災復興院]]
+* [[戦災復興都市計画]]
+* [[大戦景気]]（戦争景気）
+**[[朝鮮特需]]
+* [[サンフランシスコ講和条約]]
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表話編歴現代日本の経済史（戦後・昭和時代後期 - 令和時代）
戦後復興	戦後インフレ財閥解体農地改革労働改革ガリオア資金傾斜生産方式復興金融金庫復金インフレ安定恐慌影響エロア資金朝鮮戦争影響サンフランシスコ平和条約スターリン・ショック朝鮮戦争休戦協定
高度成長期	三種の神器（神武景気）なべ底不況日米安保条約影響所得倍増計画岩戸景気 LT貿易 1964年東京五輪（オリンピック景気）昭和40年不況 1970年大阪万博いざなぎ景気円切上げ影響日本列島改造論
安定成長期	オイルショック影響狂乱物価スタグフレーション省エネルギー第3次産業日米貿易摩擦円高不況影響低金利政策前川レポート日米半導体協定バブル期バブル景気国鉄民営化ブラックマンデー消費税導入総量規制
低成長期	バブル崩壊平成不況就職氷河期阪神・淡路大震災産業空洞化都心回帰ドーナツ化現象住専問題インターネット・バブル六大改革少子高齢化アジア通貨危機ゼロ金利政策量的金融緩和政策聖域なき構造改革米同時多発テロ第14循環金融再生プログラム世界金融危機影響エコポイント事業東日本大震災影響タイ洪水 (2011年) アベノミクス量的・質的金融緩和政策チャイナショック（2015年）マイナス金利政策米中貿易摩擦コロナ禍影響ウッドショック 2020年東京五輪・パラロシアのウクライナ侵攻の影響 2025年大阪・関西万博
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カテゴリ:戦後日本の経済