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[[ファイル:Okubo Toshitake.jpg|thumb|大久保利武]]

[[ファイル:Japanese students Yale Univ 1889.jpg|サムネイル|1889年、[[イェール大学]]の学友と。椅子に座った3人の一番右が利武。]]
[[ファイル:Japanese students Yale Univ 1889.jpg|サムネイル|1889年、[[イェール大学]]の学友と。椅子に座った3人の一番右が利武。]]
'''大久保 利武'''（おおくぼ としたけ、[[1865年]][[5月7日]]〈[[慶応]]元年[[4月13日 (旧暦)|4月13日]]〉 - [[1943年]]〈[[昭和]]18年〉[[7月13日]]<ref name=貴参>『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』14頁。</ref>）は、[[明治]]時代の日本の[[内務省 (日本)|内務]][[官僚]]・[[貴族院 (日本)|貴族院議員]]・[[日本赤十字社]]常議員。[[位階]][[勲等]][[爵位]]は[[正二位]][[勲等|勲一等]][[侯爵]]{{R|貴参}}。
'''大久保 利武'''（おおくぼ としたけ、[[1865年]][[5月7日]]〈[[慶応]]元年[[4月13日 (旧暦)|4月13日]]〉 - [[1943年]]〈[[昭和]]18年〉[[7月13日]]<ref name=貴参>『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』14頁。</ref>）は、[[日本]]の[[内務省 (日本)|内務]][[官僚]]、[[政治家]]。[[日本赤十字社]][[理事]]。[[位階]]・[[勲等]]・[[爵位]]は[[正二位]][[瑞宝大綬章|勲一等]][[侯爵]]{{R|貴参}}。


== 略歴 ==
== 略歴 ==
慶応元年、[[薩摩国]][[鹿児島城]]下[[新照院町|新照院通町]]に[[大久保利通|大久保一蔵]]（利通）と[[大久保満寿子|満寿子]]の三男として生まれる（[[幼名]]三熊）。[[1887年]]（明治20年）、[[第一高等学校 (旧制)|第一高等中学校]]を卒業後、[[アメリカ合衆国]]に留学し、[[イェール大学]]を卒業。さらに[[ドイツ]]に留学し、[[マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク|ハレ大学]]、[[ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク|ハイデルベルク大学]]、[[フンボルト大学ベルリン|ベルリン大学]]で学ぶ。
[[1865年]]（[[慶応]]元年）[[4月13日 (旧暦)|4月13日]]、[[薩摩国]][[鹿児島城]]下[[新照院町|新照院通町]]に[[大久保利通|大久保一蔵]]（利通）と[[大久保満寿子|満寿子]]の三男として生まれる。[[幼名]]は'''三熊'''。[[1887年]]（[[明治]]20年）、[[第一高等学校 (旧制)|第一高等中学校]]を卒業後、[[アメリカ合衆国]]に留学し、[[イェール大学]]を卒業。さらに[[ドイツ帝国|ドイツ]]に留学し、[[マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク|ハレ大学]]、[[ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク|ハイデルベルク大学]]、[[フンボルト大学ベルリン|ベルリン大学]]で学ぶ。


[[1894年]]（明治27年）に帰国。[[日清戦争]]で[[大本営]]付通訳官を務め、その後、[[台湾総督府|台湾総督]][[秘書官]]に就任。[[1896年]]（明治29年）9月、[[内務省 (日本)|内務省]]に入省し、[[内務大臣 (日本)|内務大臣]]秘書官に就任。さらに内務省[[監獄局]]長を務める。
[[1894年]]（明治27年）に帰国。[[日清戦争]]で[[大本営]]付通訳官を務め、その後、[[台湾総督府|台湾総督]][[秘書官]]に就任。[[1896年]]（明治29年）9月、[[内務省 (日本)|内務省]]に入省し、[[内務大臣 (日本)|内務大臣]]秘書官に就任。さらに内務省[[監獄局]]長を務める。


[[1900年]]（明治33年）1月、[[鳥取県知事一覧|鳥取県知事]]となる。以後、[[大分県知事一覧|大分県]]・[[埼玉県知事一覧|埼玉県]]の各[[都道府県知事|知事]]を歴任。1901年（明治34年）には大分県知事として[[八鹿酒造]]麻生観八らの農地灌漑工事につき起債を認可している{{sfn|大分県|2012|p=8}}。[[1907年]]（明治40年）12月、[[農商務省 (日本)|農商務省]]商工局長となり、さらに商務局長を務めた。[[1912年]]（大正元年）12月、[[大阪府知事一覧|大阪府知事]]に就任。[[1917年]]（大正6年）12月、大阪府知事を退任後、同月26日<ref>『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、25頁。</ref>、[[貴族院 (日本)#勅選議員|貴族院勅選議員]]に任じられ[[研究会 (貴族院)|研究会]]に属した{{R|貴参}}。[[1922年]]（大正11年）2月13日、[[錦鶏間祗候]]を仰せ付けられた<ref>『官報』第2858号、大正11年2月14日。</ref>。
[[1900年]]（明治33年）1月、[[鳥取県知事一覧|鳥取県知事]]となる。以後、[[大分県知事一覧|大分県]]・[[埼玉県知事一覧|埼玉県]]の各[[都道府県知事|知事]]を歴任。[[1901年]]（明治34年）には大分県知事として[[八鹿酒造]]麻生観八らの農地灌漑工事につき起債を認可している{{sfn|大分県|2012|p=8}}。[[1907年]]（明治40年）12月、[[農商務省 (日本)|農商務省]]商工局長となり、さらに商務局長を務めた。[[1912年]]（[[大正]]元年）12月、[[大阪府知事一覧|大阪府知事]]に就任。[[1917年]]（大正6年）12月、大阪府知事を退任後、同月26日<ref>『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、25頁。</ref>、[[貴族院 (日本)#勅選議員|貴族院勅選議員]]に任じられ[[研究会 (貴族院)|研究会]]に属した{{R|貴参}}。[[1922年]]（大正11年）[[2月13日]]、[[錦鶏間祗候]]を仰せ付けられた<ref>『官報』第2858号、大正11年2月14日。</ref>。


継嗣がいなかった兄・[[大久保利和|利和]]の養子となり、[[1928年]]（昭和3年）[[6月5日]]、利和の[[隠居]]に伴い[[家督]]を相続し、6月14日、貴族院勅選議員を辞任し<ref name=要覧>『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、37頁。</ref>、[[6月15日]]には侯爵を継承し[[貴族院 (日本)#公爵議員・侯爵議員|貴族院侯爵議員]]に就任{{R|要覧}}。
継嗣がいなかった兄・[[大久保利和|利和]]の養子となり、[[1928年]]（[[昭和]]3年）[[6月5日]]、利和の[[隠居]]に伴い[[家督]]を相続。[[6月14日]]、貴族院勅選議員を辞任<ref name=要覧>『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、37頁。</ref>、[[6月15日]]には[[侯爵]]を襲爵し、[[貴族院 (日本)#公爵議員・侯爵議員|貴族院侯爵議員]]に就任{{R|要覧}}。


1937年には、[[ナチス]]支持の学者であった[[ウォルター・ドーナート]]が主催した[[日独文化協会]]の会長を務める。他、維新史料編纂会委員、[[日本赤十字社]][[理事]]などを務めた。
[[1937年]]（昭和12年）には、[[ナチス]]支持の学者であった{{仮リンク|ウォルター・ドーナート|de|Walter Donat (Japanologe)}}が主宰した[[日独文化協会]]の会長を務める。他、維新史料編纂会委員、[[日本赤十字社]][[理事]]などを務めた。

[[1943年]]（昭和18年）[[7月13日]]、兄・利和に先立ち死去。満78歳没。墓所は[[青山霊園]]。家督は長男の[[大久保利謙|利謙]]が継いだ。

== 栄典 ==
* [[1896年]]（明治29年）[[3月31日]] - [[旭日章|勲六等単光旭日章]]<ref>『官報』第3861号「叙任及辞令」1896年5月15日。</ref>
* [[1897年]]（明治30年）[[10月30日]] - [[従六位]]<ref>『官報』第4302号「叙任及辞令」1897年11月1日。</ref>
* [[1898年]]（明治31年）[[12月28日]] - [[正六位]]<ref>『官報』第4651号「叙任及辞令」1899年1月4日。</ref>
* [[1899年]]（明治32年）
** [[5月20日]] - [[正五位]]<ref>『官報』第4764号「叙任及辞令」1899年5月22。</ref>
** [[12月27日]] - [[瑞宝章|勲五等瑞宝章]]<ref>『官報』第4949号「叙任及辞令」1899年12月28日。</ref>
* [[1902年]]（明治35年）[[6月30日]] - [[瑞宝章|勲四等瑞宝章]]<ref>『官報』第5696号「叙任及辞令」1902年7月1日。</ref>
* [[1905年]]（明治38年）[[7月20日]] - [[従四位]]<ref>『官報』第6617号「叙任及辞令」1905年7月21日。</ref>
* [[1906年]]（明治39年）[[4月1日]] - [[旭日章|勲三等旭日中綬章]]<ref>『官報』号外「叙任及辞令」1907年3月31日。</ref>
* [[1910年]]（明治43年）[[8月10日]] - [[正四位]]<ref>『官報』第8142号「叙任及辞令」1910年8月11日。</ref>
* [[1911年]]（明治44年）[[8月24日]] - [[瑞宝章|勲二等瑞宝章]]<ref>『官報』第8454号「叙任及辞令」1911年8月25日。</ref>
* [[1913年]]（大正2年）[[12月27日]] - [[賞杯|銀杯一組]]<ref>『官報』第427号「叙任及辞令」1913年12月29日。</ref>
* [[1915年]]（大正4年）
** [[8月20日]] - [[従三位]]<ref>『官報』第917号「叙任及辞令」1915年8月21日。</ref>
** [[11月7日]] - [[旭日章|旭日重光章]]<ref>『官報』第1218号「叙任及辞令」1916年8月21日。</ref>
** [[11月10日]] - [[記念章#大礼記念章（大正）|大礼記念章（大正）]]<ref>『官報』第1310号・付録「辞令」1916年12月13日。</ref>
* [[1918年]]（大正7年）[[1月16日]] - [[正三位]]<ref>『官報』第1635号「叙任及辞令」1918年1月17日。</ref>
* [[1920年]]（大正9年）[[9月7日]] - [[賞杯|金杯一組]]<ref>『官報』第2431号「授爵、叙任及辞令」1920年9月8日。</ref>
* [[1928年]]（昭和3年）[[11月10日]] - [[賞杯|金杯一個]]<ref>『官報』号外「授爵、叙任及辞令」1928年11月10日。</ref>
* [[1930年]]（昭和5年）[[12月5日]] - [[記念章#帝都復興記念章|帝都復興記念章]]<ref>『官報』第1499号・付録「辞令二」1931年12月28日。</ref>
* [[1935年]]（昭和10年）[[1月14日]] - [[賞杯|御紋付銀盃]]<ref>『官報』第2408号「宮廷録事 - 恩賜」1935年1月15日。</ref>
* [[1936年]]（昭和11年）[[7月1日]] - [[従二位]]<ref>『官報』第2851号「叙任及辞令」1936年7月4日。</ref>
* [[1940年]]（昭和15年）
** [[8月15日]] - [[記念章#紀元二千六百年祝典記念章|紀元二千六百年祝典記念章]]<ref>『官報』第4438号・付録「辞令二」1941年10月23日。</ref>
** [[11月10日]] - [[賞杯|銀杯一組]]<ref>『官報』第4157号「叙任及辞令」1940年11月13日。</ref>
* [[1943年]]（昭和18年）
** [[7月13日]] - [[瑞宝大綬章|勲一等瑞宝章]]<ref>『官報』第4952号「叙任及辞令」1943年7月16日。</ref>
** [[7月14日]] - [[正二位]]<ref>『官報』第4951号「叙任及辞令」1943年7月15日。</ref>

;外国勲章佩用允許
* [[1914年]]（大正3年）[[5月14日]] - [[イタリア王国]]：{{仮リンク|イタリア王冠勲章|label=王冠第一等勲章|en|Order of the Crown of Italy}}<ref>『官報』第537号「叙任及辞令」1914年5月15日</ref>
* [[1935年]]（昭和10年）[[9月21日]] - [[満洲国|満洲帝国]]：[[記念章#皇帝訪日紀念章|満洲帝国皇帝訪日紀念章]]<ref>『官報』第2866号・付録「辞令二」1936年7月22日。</ref>
* [[1939年]]（昭和14年）[[4月20日]] - [[ナチス・ドイツ|ドイツ国]]：ドイツ鷲勲章功労十字星章<ref>『官報』第3688号「叙任及辞令」1939年4月24日。</ref>

== 家族・親族 ==
=== 大久保家 ===
* 祖父：'''[[大久保利世|利世]]'''（[[薩摩藩|薩摩]][[藩士]]）
*: [[寛政]]6年[[11月 (旧暦)|11月]]（[[1794年]][[12月]]）生 - [[文久]]3年[[5月 (旧暦)|5月]]（[[1863年]][[7月]]）没
* 祖母：'''福'''（[[薩摩藩]][[侍医]]・[[皆吉鳳徳]]の次女）
* 父：'''[[大久保利通|利通]]'''（薩摩藩士、[[政治家]]）
*: [[文政]]13年[[8月 (旧暦)|8月]]（[[1830年]][[9月]]）生 - [[1878年]]（[[明治]]11年）[[5月]]没
* 母：'''[[大久保満寿子|満寿子]]'''（薩摩藩士・[[早崎七郎右衛門]]の次女）
*: [[天保]]11年（[[1840年]]）生 - [[1878年]]（明治11年）12月没
* 兄：'''[[大久保利和|利和]]'''（[[実業家]]、政治家）
*: [[安政]]6年[[7月 (旧暦)|7月]]（[[1859年]][[8月]]）生 - [[1945年]]（[[昭和]]20年）[[1月]]没
* 妻：'''栄'''（[[男爵]]・[[近藤廉平]]の長女）
* 長男：'''[[大久保利謙|利謙]]'''（[[歴史家|歴史学者]]）
*: [[1900年]]（明治33年）1月生 - [[1995年]]（[[平成]]7年）12月没
* 次男：'''利正'''
*: 同妻：'''治子'''（[[伊勢神宮]][[禰宜]]・[[慶光院利敬]]の次女）
* 三男：'''通忠'''（[[三菱石油]]秘書室長）
*: 同妻：'''澄子'''（[[山口金太郎]]の三女）
* 孫：'''[[大久保利泰|利泰]]'''
*: [[1934年]]（昭和9年）生 -


== 著作 ==
== 著作 ==
59行目: 117行目:
=== 洋書 ===
=== 洋書 ===
* {{Cite book |title=The contribution of the Doshisha to social work in Japan |date=1935-09 |publisher=Doshisha University |id={{全国書誌番号|22029951}} |ncid=BA2359001X}}
* {{Cite book |title=The contribution of the Doshisha to social work in Japan |date=1935-09 |publisher=Doshisha University |id={{全国書誌番号|22029951}} |ncid=BA2359001X}}

== 家族・親族 ==
=== 大久保家 ===
* 祖父・'''[[大久保利世|利世]]'''（[[薩摩藩|薩摩]][[藩士]]）
*: [[寛政]]6年[[11月 (旧暦)|11月]]（[[1794年]][[12月]]）生 - [[文久]]3年[[5月 (旧暦)|5月]]（[[1863年]][[7月]]）没
* 祖母・'''福'''（[[薩摩藩]][[侍医]]・[[皆吉鳳徳]]の次女）
* 父・'''[[大久保利通|利通]]'''（薩摩藩士、[[政治家]]）
*: [[文政]]13年[[8月 (旧暦)|8月]]（[[1830年]][[9月]]）生 - [[1878年]]（[[明治]]11年）[[5月]]没
* 母・'''[[大久保満寿子|満寿子]]'''（薩摩藩士・[[早崎七郎右衛門]]の次女）
*: [[天保]]11年（[[1840年]]）生 - [[1878年]]（明治11年）12月没
* 兄・'''[[大久保利和|利和]]'''（[[実業家]]、政治家）
*: [[安政]]6年[[7月 (旧暦)|7月]]（[[1859年]][[8月]]）生 - [[1945年]]（[[昭和]]20年）[[1月]]没
* 妻・'''栄'''（[[男爵]]・[[近藤廉平]]の長女）
* 長男・'''[[大久保利謙|利謙]]'''（[[歴史家|歴史学者]]）
*: [[1900年]]（明治33年）1月生 - [[1995年]]（[[平成]]7年）12月没
* 次男・'''利正'''
*: 同妻・'''治子'''（[[伊勢神宮]][[禰宜]]・[[慶光院利敬]]の次女）
* 三男・'''通忠'''（[[三菱石油]]秘書室長）
*: 同妻・'''澄子'''（[[山口金太郎]]の三女）
* 孫・'''[[大久保利泰|利泰]]'''
*: [[1934年]]（昭和9年）生 -
== 栄典 ==
[[ファイル:Okubo Toshitake.jpg|thumb|大久保利武]]
;位階
* [[1910年]]（明治43年）[[8月10日]] - [[正四位]]<ref>『官報』第8142号「叙任及辞令」1910年8月11日。</ref>
;勲章等
* [[1896年]]（明治29年）[[3月31日]] - [[旭日章|勲六等単光旭日章]]<ref>『官報』第3861号「叙任及辞令」1896年5月15日。</ref>
* [[1906年]]（明治39年）[[4月1日]] - [[旭日章|勲三等旭日中綬章]]<ref>『官報』号外「叙任及辞令」1907年3月31日。</ref>
* [[1911年]]（明治44年）[[8月24日]] - [[瑞宝章|勲二等瑞宝章]]<ref>『官報』第8454号「叙任及辞令」1911年8月25日。</ref>
* [[1915年]]（大正4年）
** [[11月7日]] - [[旭日章|旭日重光章]]<ref>『官報』第1218号「叙任及辞令」1916年8月21日。</ref>
** [[11月10日]] - [[記念章#賞勲局所管の記念章|大礼記念章（大正）]]<ref>『官報』第1310号・付録「辞令」1916年12月13日。</ref>
* [[1930年]]（昭和5年）[[12月5日]] - [[記念章#賞勲局所管の記念章|帝都復興記念章]]<ref>『官報』第1499号・付録「辞令二」1931年12月28日。</ref>


== 脚注 ==
== 脚注 ==
99行目: 124行目:
== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、[[貴族院 (日本)|貴族院]]事務局、1947年。
* 『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、[[貴族院 (日本)|貴族院]]事務局、1947年。
* 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』1990年。
* 衆議院・[[参議院]]編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』1990年。
* 歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
* 歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
* [[上田正昭]]他『日本人名大辞典』[[講談社]]、2001年。
* [[上田正昭]]他『日本人名大辞典』[[講談社]]、2001年。
110行目: 135行目:
* {{Kotobank|大久保利武}}
* {{Kotobank|大久保利武}}
* {{Kotobank|大久保 利武}}
* {{Kotobank|大久保 利武}}
* [http://web.sfc.keio.ac.jp/~yuichiro/wp/?page_id=24 大久保利武著作目録 | SFC 清水唯一朗研究室]
* [https://web.sfc.keio.ac.jp/~yuichiro/wp/?page_id=24 大久保利武著作目録 | SFC 清水唯一朗研究室]


{{Start box}}
{{S-start}}
{{S-off}}
{{Succession box
| title = {{Flagicon|JPN}} [[日本統治時代の台湾行政区分#統治初期|台北県]]淡水支庁長心得
| years = 1895年 - 1896年
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| title = [[啓明会 (財団)|啓明会]]理事長
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| title = [[勤労者教育中央会]]会長
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| title = [[東京慈恵会#歴代会長|東京慈恵会会長]]
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{{鳥取県知事|官選第9代：1900年}}
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大久保 利武（おおくぼ　としたけ）
明治35年5月大分県知事任命の頃
生年月日 1865年5月7日（慶応元年4月13日）
出生地 日本の旗 日本 薩摩国鹿児島城下新照院通町
没年月日 (1943-07-13) 1943年7月13日（78歳没）
出身校 イェール大学
ハレ大学
ハイデルベルク大学
ベルリン大学
前職 官吏（内務省）
所属政党 研究会
称号 正二位
勲一等瑞宝章
侯爵
親族 大久保利通（父）
大久保利和（兄）
牧野伸顕（兄）
選挙区 勅選議員→侯爵議員
在任期間 1917年12月26日 - 1928年6月14日
1928年6月15日 - 1943年7月13日
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大久保利武
1889年、イェール大学の学友と。椅子に座った3人の一番右が利武。

大久保 利武（おおくぼ としたけ、1865年5月7日〈慶応元年4月13日〉 - 1943年〈昭和18年〉7月13日[1]）は、日本の内務官僚、政治家。日本赤十字社理事。位階・勲等・爵位は正二位勲一等侯爵[1]。

略歴

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1865年（慶応元年）4月13日、薩摩国鹿児島城下新照院通町に大久保一蔵（利通）と満寿子の三男として生まれる。幼名は三熊。1887年（明治20年）、第一高等中学校を卒業後、アメリカ合衆国に留学し、イェール大学を卒業。さらにドイツに留学し、ハレ大学、ハイデルベルク大学、ベルリン大学で学ぶ。

1894年（明治27年）に帰国。日清戦争で大本営付通訳官を務め、その後、台湾総督秘書官に就任。1896年（明治29年）9月、内務省に入省し、内務大臣秘書官に就任。さらに内務省監獄局長を務める。

1900年（明治33年）1月、鳥取県知事となる。以後、大分県・埼玉県の各知事を歴任。1901年（明治34年）には大分県知事として八鹿酒造麻生観八らの農地灌漑工事につき起債を認可している[2]。1907年（明治40年）12月、農商務省商工局長となり、さらに商務局長を務めた。1912年（大正元年）12月、大阪府知事に就任。1917年（大正6年）12月、大阪府知事を退任後、同月26日[3]、貴族院勅選議員に任じられ研究会に属した[1]。1922年（大正11年）2月13日、錦鶏間祗候を仰せ付けられた[4]。

継嗣がいなかった兄・利和の養子となり、1928年（昭和3年）6月5日、利和の隠居に伴い家督を相続。6月14日、貴族院勅選議員を辞任[5]、6月15日には侯爵を襲爵し、貴族院侯爵議員に就任[5]。

1937年（昭和12年）には、ナチス支持の学者であったウォルター・ドーナート（ドイツ語版）が主宰した日独文化協会の会長を務める。他、維新史料編纂会委員、日本赤十字社理事などを務めた。

1943年（昭和18年）7月13日、兄・利和に先立ち死去。満78歳没。墓所は青山霊園。家督は長男の利謙が継いだ。

栄典

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外国勲章佩用允許

家族・親族

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大久保家

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著作

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単著

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  • 『日本に於けるベリー翁』東京保護会、1929年7月。 NCID BN09702501。全国書誌番号:47015218 全国書誌番号:48007609。 
  • 『岩倉公と叢裡鳴虫』岩倉公旧蹟保存会、1935年4月。 NCID BN14115731。全国書誌番号:46078787。 
  • 『有待庵を繞る維新史談』同志社〈同志社講演集 第8輯〉、1944年5月。 NCID BN09872782。全国書誌番号:44022202 全国書誌番号:68010380。 
  • 『不二道孝心講』岡田博校訂・註解、小谷三志翁顕彰会〈まるはと叢書 第2集〉、1992年2月。 NCID BN1091186X。全国書誌番号:92035115。 

寄稿

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翻訳

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洋書

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脚注

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  1. ^ a b c 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』14頁。
  2. ^ 大分県 2012, p. 8.
  3. ^ 『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、25頁。
  4. ^ 『官報』第2858号、大正11年2月14日。
  5. ^ a b 『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、37頁。
  6. ^ 『官報』第3861号「叙任及辞令」1896年5月15日。
  7. ^ 『官報』第4302号「叙任及辞令」1897年11月1日。
  8. ^ 『官報』第4651号「叙任及辞令」1899年1月4日。
  9. ^ 『官報』第4764号「叙任及辞令」1899年5月22。
  10. ^ 『官報』第4949号「叙任及辞令」1899年12月28日。
  11. ^ 『官報』第5696号「叙任及辞令」1902年7月1日。
  12. ^ 『官報』第6617号「叙任及辞令」1905年7月21日。
  13. ^ 『官報』号外「叙任及辞令」1907年3月31日。
  14. ^ 『官報』第8142号「叙任及辞令」1910年8月11日。
  15. ^ 『官報』第8454号「叙任及辞令」1911年8月25日。
  16. ^ 『官報』第427号「叙任及辞令」1913年12月29日。
  17. ^ 『官報』第917号「叙任及辞令」1915年8月21日。
  18. ^ 『官報』第1218号「叙任及辞令」1916年8月21日。
  19. ^ 『官報』第1310号・付録「辞令」1916年12月13日。
  20. ^ 『官報』第1635号「叙任及辞令」1918年1月17日。
  21. ^ 『官報』第2431号「授爵、叙任及辞令」1920年9月8日。
  22. ^ 『官報』号外「授爵、叙任及辞令」1928年11月10日。
  23. ^ 『官報』第1499号・付録「辞令二」1931年12月28日。
  24. ^ 『官報』第2408号「宮廷録事 - 恩賜」1935年1月15日。
  25. ^ 『官報』第2851号「叙任及辞令」1936年7月4日。
  26. ^ 『官報』第4438号・付録「辞令二」1941年10月23日。
  27. ^ 『官報』第4157号「叙任及辞令」1940年11月13日。
  28. ^ 『官報』第4952号「叙任及辞令」1943年7月16日。
  29. ^ 『官報』第4951号「叙任及辞令」1943年7月15日。
  30. ^ 『官報』第537号「叙任及辞令」1914年5月15日
  31. ^ 『官報』第2866号・付録「辞令二」1936年7月22日。
  32. ^ 『官報』第3688号「叙任及辞令」1939年4月24日。

参考文献

[編集]

外部リンク

[編集]
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公職
先代
（新設） 		日本の旗 台北県淡水支庁長心得
1895年 - 1896年 		次代
大鳥富士太郎
その他の役職
先代
平山成信 		啓明会理事長
1929年 - 1943年 		次代
樺山愛輔
先代
斎藤実 		勤労者教育中央会会長
1936年 - 1943年 		次代
添田敬一郎
先代
徳川家達 		東京慈恵会会長
1940年 - 1943年 		次代
徳川家正
先代
清浦奎吾 		全日本方面委員連盟会長
1943年 		次代
林市蔵
先代
渋沢栄一 		中央盲人福祉協会会長
1931年 - 1940年 		次代
原泰一
理事長
日本の爵位
先代
大久保利和 		侯爵
大久保（利通）家第2代
1928年 - 1943年 		次代
大久保利謙
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大分県の旗 大分県知事（官選第8代：1901年 - 1905年）
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