「グラシア (鉄道車両)」の版間の差分
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[[ファイル:DC58 Kogane.jpg|250px|right|thumb|こがね]] |
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{{Redirect3|こがね (鉄道車両)|かつて[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)が所有していたジョイフルトレインの「こがね」|「こがね」の愛称を持つ京阪電気鉄道の2号鋼索客車|京阪鋼索客車}} |
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== 改造の経緯 == |
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JR東日本東北地域本社(現・[[東日本旅客鉄道仙台支社|仙台支社]])向けとして[[国鉄キハ58系気動車|キハ58形・キハ28形]]を[[郡山総合車両センター|郡山工場]]で改造して製作されたジョイフルトレインである。東北地域本社ではジョイフルトレインとして「[[オリエントサルーン]]」を保有していたが、「グラシア」は「オリエントサルーン」とは異なり、[[気動車]]として機動性を高めるとともに、小団体向けとして編成を短くしている。 |
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== 概要 == |
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設計コンセプトは「モダン」「ソフト エレガント」とし、30歳代から40歳代の女性を主な利用対象とする欧風車両として製作されている。 |
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JR東日本東北地域本社(現・[[東日本旅客鉄道仙台支社|仙台支社]])のジョイフルトレインは既に「[[オリエントサルーン]]」が存在していたが、新たに以下のコンセプトを織り込んだジョイフルトレインを企画した。 |
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*[[気動車]]ならではの高機動性を活用した小団体向け短編成 |
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*キーワードは「ソフト エレガント」 |
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*30歳代から40歳代の女性を主な利用対象とする欧風車両 |
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この結果が[[国鉄キハ58系気動車|キハ58系気動車]]を種車に郡山工場(現・[[郡山総合車両センター]])で改造されたのが「グラシア」である。 |
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== 編成 == |
== 編成 == |
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編成は以下の車両で構成されている。( )内は旧番号。 |
編成は以下の車両で構成されている。( )内は旧番号。 |
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* 1号車 - キハ59 510( |
* 1号車 - キハ59 510(キロ59 510←キハ58 1038) - 定員27名 |
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* 2号車 - キハ29 506(キロ29 506←キハ28 2505<ref group="注">新造時の車両番号はキハ28 1505で[[中央本線|中央東線]][[急行列車|急行]]「[[あずさ (列車)|アルプス]]」のキロ58冷房化のために冷房準備工事済みながら[[1968年]]の新造時から4VK冷房用発電装置を搭載して落成。[[1971年]]に4VK冷房用発電装置搭載車区分の+2000に合わせるためキハ28 2505に改番。</ref>) - 定員30名 |
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* 2号車 - キハ29 506(キハ28 2505→キロ29 506) - 定員30名 |
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* 3号車 - キハ59 511( |
* 3号車 - キハ59 511(キロ59 511←キハ58 1039) - 定員27名 |
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当初は全車両とも[[グリーン車]]扱いであったが[[2000年]](平成12年)[[3月30日]]に[[普通車 (鉄道車両)|普通車]]へ車種変更され等級記号が「ロ」から「ハ」になった。 |
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2003年(平成15年)5月5日に運行された<ref name=JRR2004>{{Cite book|和書|title=JR気動車客車編成表 '04年版|chapter=JR年表|date=2004-07-01|page=185|publisher=ジェー・アール・アール|isbn=4-88283-125-2}}</ref>「黄金海道ふかひれ号」を最後に以下のリニューアルを施工し、6月30日より愛称を「こがね」に改めた{{R|JRR2004}}。 |
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*塗装をアイボリー・金色・オレンジ色の3色に変更 |
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*座席モケット・絨毯の張替 |
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*[[車椅子スペース]]・身体障害者対応洋式トイレの新設 |
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== 構造 == |
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=== 車体 === |
=== 車体 === |
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先頭 |
先頭の1・3号車では先頭部の形状を大幅に改造して非貫通形とし、前面上部に後退角をつけて窓を拡大。車体前面窓下に[[前照灯]]・[[尾灯]]・ヘッドマークを設置し、前面下部には[[排障器|スカート]]を装備。また通常は[[連結器]]・[[ジャンパ連結器]]もカバーを装着。中間の2号車は運転台の撤去を施工。 |
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側面では各車両とも運転室側 |
側面では各車両とも運転室側<ref group="注">中間車ではもと運転室のあった側</ref>の出入口扉と戸袋窓が塞ぎ大きな1枚窓を設置。客室窓は防音と隙間風防止のため固定化を実施。 |
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車体塗装は上部 |
車体塗装は上部をライトグレー、裾部をチェリーレッドとしたほか、白色と青色の細いストライプを採用。 |
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=== 車内 === |
=== 車内 === |
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客室は通路を端に寄せ270度まで回転可能で45度ごとに固定することができる[[リクライニングシート]]を一方に1人掛け、他方に2人掛けを千鳥配置とした。 |
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客室は通路を端に寄せ、一方に1人掛け、他方に2人掛けの[[リクライニングシート]]を配置している。1人掛、2人掛の座席は縦一列に並べず交互に配置している。座席は270度回転可能で45度ごとに固定することができる。各車とも客室の前後端に28型のモニターテレビを設置し、[[ビデオ]]・[[カラオケ]]装置も備えている。また先頭車に設置された[[ビデオカメラ]]で撮影した列車前方の映像を客室のモニターテレビに流すことができる。 |
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客室の前後端に28型のモニターテレビを設置し、[[ビデオ]]・[[カラオケ]]装置も備えるほか、先頭車に設置された[[ビデオカメラ]]で撮影した列車前方の映像を流すことも可能。 |
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1号車では[[列車便所|便所]]・[[洗面台|洗面所]]が撤去されてその跡に添乗員室と荷物置き場を、2号車では従来の便所・洗面所に代わり洋式便所と化粧室をそれぞれ設置している。3号車には和式便所・洗面所を設置している。 |
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[[列車便所|和式トイレ]]・[[洗面台|洗面所]]は、1号車では添乗員室と荷物置き場に、2号車では洋式トイレと化粧室に変更した。 |
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=== 台車・機器 === |
=== 台車・機器 === |
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[[鉄道車両の台車|台車]]は変更されておらず、従来の[[国鉄DT21形台車|DT22C形]] |
[[鉄道車両の台車|台車]]は変更されておらず、動力台車は従来の[[国鉄DT21形台車|DT22C形]]、キロ29 506の付随台車は同系列のTR51C形を装備する。 |
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エンジンは改造と同時に出力250[[馬力|PS]]のDMF11HZ([[小松製作所]]製SA6D125-H)に換装<ref group="注">[[1988年]]3月に発生した[[サロンエクスプレスアルカディア]]の[[エキゾーストマニホールド]]過熱による[[日本の鉄道事故 (1950年から1999年)#サロンエクスプレスアルカディア火災事故|火災事故]]をきっかけに[[DMH17系エンジン]]そのものの老朽化や燃費の問題も考慮した対策としてJR東日本では[[1989年]]から搭載エンジンを小松製作所のほか[[新潟鐵工所]]製・[[カミンズ]]製への換装工事を実施していた。</ref>。 |
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エンジンについては、当時JR東日本では[[日本国有鉄道|国鉄]]から承継した気動車に装備されていた[[DMH17系エンジン|DMH17系]]エンジンの取替え工事を進めており、当車両でも「グラシア」への改造にあわせて従来のDMH17Hから出力250[[PS|馬力]]のDMF11HZ([[小松製作所|コマツ]]製SA6D125-H)に取り替えられている。 |
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冷房装置は従来のAU13A形[[分散式冷房装置]]のままであるが、 |
冷房装置は従来のAU13A形[[分散式冷房装置]]のままであるが、従来の7基から先頭車では5基、中間車では6基に削減。冷房用発電セットも改造前から装備されていた4VK発電用エンジン+DM83形発電機を引き続きキロ29 506に搭載した。 |
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== 運用 == |
== 運用 == |
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[[ファイル:JR DC Kiha59-510.jpg|250px|right|thumb|キハ59 510]] |
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2003年(平成15年)5月5日の運行をもって改装のため一旦運用を外れ、同年7月19日より「こがね」として営業運行を再開した{{R|JRR2004}}。 |
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;「こがね」改装後に運用された主な臨時列車 |
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*こがねふかひれ([[仙台駅|仙台]] - [[気仙沼駅|気仙沼]]) |
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*こがねドリーム<ref group="注">片道運転の夜行列車</ref>([[秋田駅|秋田]] → 仙台) |
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*湯けむりこがね(仙台 - [[鳴子温泉駅|鳴子温泉]] - [[新庄駅|新庄]]) |
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*ありがとうこがね(仙台 → 気仙沼) |
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*さよならこがね(気仙沼 → 仙台) |
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*只見雪まつり号([[会津若松駅|会津若松]] - [[只見駅|只見]]) |
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*花回廊オープニング([[新潟駅|新潟]] - [[米沢駅|米沢]] ) |
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*こがね花回廊(米沢 - 新潟) |
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*こがね浜街道(仙台 - [[原ノ町駅|原ノ町]]) |
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*こがね奥久慈([[水戸駅|水戸]] - [[常陸大子駅|常陸大子]]) |
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*尾瀬フラワー(仙台 - [[沼田駅|沼田]]<ref group="注">グラシア時代に夜行で[[東北本線]]・[[高崎線]]・[[上越線]]を経由</ref>) |
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2010年(平成22年)6月17日に仙台支社より同年[[12月26日]]の「ありがとうこがね」・「さよならこがね」を最後に運用終了することが発表された<ref>{{PDFlink|[http://www.jr-sendai.com/doc/100617_02.pdf 「ありがとう こがねふかひれキャンペーン」実施について(JR東日本仙台支社プレスリリース 2010年6月17日)]}}</ref>。 |
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[[2000年]](平成12年)[[3月30日]]にグリーン車から普通車に車種変更された。番号はグリーン車を示す「ロ」が普通車を示す「ハ」に書き換えられ、キロ59 510・511→キハ59 510・511、キロ29 506→キハ29 506となった。 |
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2011年(平成23年)7月19日に郡山総合車両センターに配給回送<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2011/07/20/200100.html |title=「こがね」が配給輸送される|publisher=railf.jp|date=2011-07-20}}</ref>された後[[フィリピン]]に輸出された。 |
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[[2003年]](平成15年)の[[ゴールデンウィーク]]期間中に運行された「黄金海道ふかひれ号」で使用されたのを最後にリニューアルされた。これにより塗装がアイボリー・金色・オレンジ色の3色に改められ、座席モケットや絨毯が張り替えられ、[[車椅子スペース]]・身体障害者対応洋式便所が新設され、愛称は「こがね」に改められた。 |
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[[File:PNR Kogane at España.jpg|thumb|フィリピン国鉄 kogane [[エスパーニャ駅]]近く]] |
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臨時列車などを中心に使用されていたが、JR東日本仙台支社より[[2010年]](平成22年)[[12月26日]]をもって引退することが発表され<ref>{{PDFlink|[http://www.jr-sendai.com/doc/100617_02.pdf 「ありがとう こがねふかひれキャンペーン」実施について(JR東日本仙台支社プレスリリース 2010年6月17日)]}}</ref>、同日の「ありがとうこがね号」([[仙台駅|仙台]]→[[気仙沼駅|気仙沼]])、「さよならこがね号」(気仙沼→仙台)の運行を最後に運用を終了した<ref>[http://railf.jp/news/2011/07/20/200100.html 「こがね」が配給回送される]</ref>。 |
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2019年12月から[[フィリピン国鉄]]の首都圏の通勤車両として利用されている<ref>{{citeweb |url=https://www.philstar.com/business/2019/12/05/1974270/pnr-extends-line-los-baos-adds-sets-japan-indonesia |title=PNR extends line to Los Baños, adds sets from Japan, Indonesia |website=Philstar |language=|accessdate=2020-07-01}}</ref>。 |
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== トラブル == |
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[[2005年]](平成17年)[[8月]] |
[[2005年]](平成17年)[[8月]]に[[気仙沼線]][[陸前横山駅|陸前横山]] - [[陸前戸倉駅|陸前戸倉]]間を臨時快速「黄金めぐり号」として走行中に逆転ミッションが脱落し緊急停止した。その後しばらくの間休車状態となった。 |
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2010年[[8月29日]]の上り「こがねふかひれ」号で[[松島駅|松島]]発車後に車内灯と空調設備が作動しなくなるトラブルが発生し終着の仙台まで非常灯を使用した。 |
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車内灯と空調設備が作動しなくなるトラブルが起きた。終点[[仙台駅]]に着くまでの間、非常灯を使用した。 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[ジョイフルトレイン]] |
* [[ジョイフルトレイン]] |
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* [[アルファコンチネンタルエクスプレス]] [[1985年|1985]]~[[1995年]]に掛けて、存在した[[日本国有鉄道|国鉄]]→[[北海道旅客鉄道|JR北海道]]の[[ジョイフルトレイン]]。本車両の[[2000年]]以降同様、キハ59・29形を基幹形式とした。 |
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== 参考文献 == |
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== 脚注 == |
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<references /> |
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=== 注釈 === |
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=== 出典 === |
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{{DEFAULTSORT:くらしあ}} |
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[[Category:東日本旅客鉄道の気動車]] |
[[Category:東日本旅客鉄道の気動車]] |
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[[Category:1989年製の鉄道車両]] |
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2024年6月5日 (水) 16:48時点における最新版
グラシア (Gracia) は東日本旅客鉄道(JR東日本)が1989年(平成元年)から2010年(平成22年)まで保有していたジョイフルトレインと呼ばれる鉄道車両である。
2003年(平成15年)に「こがね」に再改造されたが、本項では併せて解説を行う。
概要[編集]
JR東日本東北地域本社(現・仙台支社)のジョイフルトレインは既に「オリエントサルーン」が存在していたが、新たに以下のコンセプトを織り込んだジョイフルトレインを企画した。
- 気動車ならではの高機動性を活用した小団体向け短編成
- キーワードは「ソフト エレガント」
- 30歳代から40歳代の女性を主な利用対象とする欧風車両
この結果がキハ58系気動車を種車に郡山工場(現・郡山総合車両センター)で改造されたのが「グラシア」である。
- 愛称名は一般公募によるもので「グラシア」はスペイン語で「優美」「優雅」「おもしろさ」などを意味する。
編成[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/61/JR_DC_Kiha59-510.jpg/240px-JR_DC_Kiha59-510.jpg)
編成は以下の車両で構成されている。( )内は旧番号。
- 1号車 - キハ59 510(キロ59 510←キハ58 1038) - 定員27名
- 2号車 - キハ29 506(キロ29 506←キハ28 2505[注 1]) - 定員30名
- 3号車 - キハ59 511(キロ59 511←キハ58 1039) - 定員27名
当初は全車両ともグリーン車扱いであったが2000年(平成12年)3月30日に普通車へ車種変更され等級記号が「ロ」から「ハ」になった。
2003年(平成15年)5月5日に運行された[1]「黄金海道ふかひれ号」を最後に以下のリニューアルを施工し、6月30日より愛称を「こがね」に改めた[1]。
- 塗装をアイボリー・金色・オレンジ色の3色に変更
- 座席モケット・絨毯の張替
- 車椅子スペース・身体障害者対応洋式トイレの新設
構造[編集]
※この節では主に改造当初の構造について記述する。
車体[編集]
先頭の1・3号車では先頭部の形状を大幅に改造して非貫通形とし、前面上部に後退角をつけて窓を拡大。車体前面窓下に前照灯・尾灯・ヘッドマークを設置し、前面下部にはスカートを装備。また通常は連結器・ジャンパ連結器もカバーを装着。中間の2号車は運転台の撤去を施工。
側面では各車両とも運転室側[注 2]の出入口扉と戸袋窓が塞ぎ大きな1枚窓を設置。客室窓は防音と隙間風防止のため固定化を実施。
車体塗装は上部をライトグレー、裾部をチェリーレッドとしたほか、白色と青色の細いストライプを採用。
車内[編集]
客室は通路を端に寄せ270度まで回転可能で45度ごとに固定することができるリクライニングシートを一方に1人掛け、他方に2人掛けを千鳥配置とした。
客室の前後端に28型のモニターテレビを設置し、ビデオ・カラオケ装置も備えるほか、先頭車に設置されたビデオカメラで撮影した列車前方の映像を流すことも可能。
先頭運転室はガラス張りの半室構造に改装し、運転室を撤去した中間車ともに左側のデッキを撤去。先頭車のデッキ跡に展望室を設置し、前面・側面に配置された窓からの展望を可能としたほか、中間車ではカウンターテーブルと公衆電話の付いたラウンジに改装した。
和式トイレ・洗面所は、1号車では添乗員室と荷物置き場に、2号車では洋式トイレと化粧室に変更した。
台車・機器[編集]
台車は変更されておらず、動力台車は従来のDT22C形、キロ29 506の付随台車は同系列のTR51C形を装備する。
エンジンは改造と同時に出力250PSのDMF11HZ(小松製作所製SA6D125-H)に換装[注 3]。
冷房装置は従来のAU13A形分散式冷房装置のままであるが、従来の7基から先頭車では5基、中間車では6基に削減。冷房用発電セットも改造前から装備されていた4VK発電用エンジン+DM83形発電機を引き続きキロ29 506に搭載した。
運用[編集]
1989年(平成元年)10月31日に落成し小牛田運転区(現・仙台車両センター小牛田派出所)に配置。同年11月11日から営業運転を開始し臨時列車や団体列車などで運用された。
2003年(平成15年)5月5日の運行をもって改装のため一旦運用を外れ、同年7月19日より「こがね」として営業運行を再開した[1]。
- 「こがね」改装後に運用された主な臨時列車
- こがねふかひれ(仙台 - 気仙沼)
- こがねドリーム[注 4](秋田 → 仙台)
- 湯けむりこがね(仙台 - 鳴子温泉 - 新庄)
- ありがとうこがね(仙台 → 気仙沼)
- さよならこがね(気仙沼 → 仙台)
- 只見雪まつり号(会津若松 - 只見)
- 花回廊オープニング(新潟 - 米沢 )
- こがね花回廊(米沢 - 新潟)
- こがね浜街道(仙台 - 原ノ町)
- こがね奥久慈(水戸 - 常陸大子)
- 尾瀬フラワー(仙台 - 沼田[注 5])
2010年(平成22年)6月17日に仙台支社より同年12月26日の「ありがとうこがね」・「さよならこがね」を最後に運用終了することが発表された[2]。
2011年(平成23年)7月19日に郡山総合車両センターに配給回送[3]された後フィリピンに輸出された。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2f/PNR_Kogane_at_Espa%C3%B1a.jpg/220px-PNR_Kogane_at_Espa%C3%B1a.jpg)
2019年12月からフィリピン国鉄の首都圏の通勤車両として利用されている[4]。
トラブル[編集]
2005年(平成17年)8月に気仙沼線陸前横山 - 陸前戸倉間を臨時快速「黄金めぐり号」として走行中に逆転ミッションが脱落し緊急停止した。その後しばらくの間休車状態となった。
2010年8月29日の上り「こがねふかひれ」号で松島発車後に車内灯と空調設備が作動しなくなるトラブルが発生し終着の仙台まで非常灯を使用した。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 新造時の車両番号はキハ28 1505で中央東線急行「アルプス」のキロ58冷房化のために冷房準備工事済みながら1968年の新造時から4VK冷房用発電装置を搭載して落成。1971年に4VK冷房用発電装置搭載車区分の+2000に合わせるためキハ28 2505に改番。
- ^ 中間車ではもと運転室のあった側
- ^ 1988年3月に発生したサロンエクスプレスアルカディアのエキゾーストマニホールド過熱による火災事故をきっかけにDMH17系エンジンそのものの老朽化や燃費の問題も考慮した対策としてJR東日本では1989年から搭載エンジンを小松製作所のほか新潟鐵工所製・カミンズ製への換装工事を実施していた。
- ^ 片道運転の夜行列車
- ^ グラシア時代に夜行で東北本線・高崎線・上越線を経由
出典[編集]
- ^ a b c 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '04年版』ジェー・アール・アール、2004年7月1日、185頁。ISBN 4-88283-125-2。
- ^ 「ありがとう こがねふかひれキャンペーン」実施について(JR東日本仙台支社プレスリリース 2010年6月17日) (PDF)
- ^ “「こがね」が配給輸送される”. railf.jp. (2011年7月20日)
- ^ “PNR extends line to Los Baños, adds sets from Japan, Indonesia”. Philstar. 2020年7月1日閲覧。