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「カンボジアの鉄道」の版間の差分

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{{複数の問題
[[ファイル:Train Cambodia.jpg|200px|thumb|カンボジアの鉄道]]
|出典の明記 = 2022年5月
|更新 = 2022年5月
}}
{{Pathnav|世界の鉄道一覧|frame=1}}
'''カンボジアの鉄道'''(カンボジアのてつどう)では、[[カンボジア]]における[[鉄道]]について記す。
'''カンボジアの鉄道'''(カンボジアのてつどう)では、[[カンボジア]]における[[鉄道]]について記す。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[ファイル:Railway_Station_-_Phnom_Penh.JPG|thumb|プノンペン駅(2014年)]]
カンボジアには[[2009年]]現在、北線および南線の2つの路線が存在し、ともに公共事業・運輸省管轄下のカンボジア王立鉄道(カンボジア国鉄、{{lang-fr|Chemins de fer Royaux du Cambodge}} (CFRC)、{{lang-en|Royal Railways of Cambodia}} (RRC))によって運営されている。全ての区間が[[非電化]]の[[単線]]で、[[軌間]]は1,000 mmとなっている。[[2002年]]時点での年間の[[旅客]]および[[貨物]]の[[輸送量の単位|輸送量]]は、それぞれ11万人/2,000万人キロ、55万7,000トン/1億6,000万トンキロとなっている。しかしその後さらに輸送量が減少している。
カンボジア鉄道は、590.9 km全区間が[[非電化]][[単線]]で、[[軌間]]は1,000 mmである。


[[2019年]]現在、北線および南線の2つの路線が存在し、両路線とも[[2009年]]までは公共事業・運輸省管轄下のカンボジア・ロイヤル鉄道({{Lang-fr|Chemins de fer Royaux du Cambodge}} (CFRC)、{{Lang-en|Royal Railways of Cambodia}} (RRC))が、以後は地場資本のロイヤルグループ({{Lang-en|The Royal Group}})が運営している。
[[カンボジア内戦]]の影響で施設などが荒廃しており、全線で最高速度35 km/h程度で運行されている。書類上は[[蒸気機関車]]が1両、[[ディーゼル機関車]]が19両、[[客車]]が20両、[[貨車]]が210両在籍しており、貨車を代替客車として用いている列車が多いという。使用されている車両もかなり荒廃が進んでいる。

以前は[[カンボジア内戦]]の影響で施設などが荒廃し、全線で最高速度35[[キロメートル毎時|km/h]]程度で運行されていた。書類上は[[蒸気機関車]]が1両、[[ディーゼル機関車]]が19両、[[客車]]が20両、[[貨車]]が210両在籍しており、貨車を代替客車として用いている列車が{{要出典|date=2019年4月|多いという。}}使用されている車両もかなり荒廃が進んでいた。
[[2002年]]時点での年間の[[旅客]]および[[貨物]]の[[輸送量の単位|輸送量]]は、それぞれ11万人/2,000万人キロ、55万7,000トン/1億6,000万トンキロであったが、その後さらに輸送量が減少していた{{要出典|date=2019年4月}}。

内戦終結後は[[アジア開発銀行]]や[[オーストラリア]]等の支援を背景に<ref name="朝日新聞20180215">{{Cite news|author=|authorlink=|url=|title=鉄路で⾏くカンボジア 存在感増す中国|newspaper=[[朝日新聞]]|publisher=[[朝日新聞社]]|date=2018-02-15|accessdate=}}</ref>、また近年では[[中華人民共和国]]が掲げる「[[一帯一路]]」構想の元で施設の近代化や鉄道の運行再開、隣国との接続事業が進められている<ref name="AFP20170519">{{Cite news|author=|authorlink=|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3128842|title=中国、カンボジア鉄道建設の覚書調印|newspaper=[[フランス通信社|AFPBB News]]|publisher=クリエイティヴ・リンク|date=2017-05-19|accessdate=}}</ref>。

== 歴史 ==
[[ファイル:Train Cambodia.jpg|200px|thumb|カンボジアの鉄道(1950年代)]]

1890年頃、[[シェムリアップ]]付近に石材輸送用の鉄道が敷設されていたが、詳細はわかっていない。
{{main|:en:Phnom Krom railway}}

カンボジアがフランス[[植民地]]の[[仏領インドシナ]]であった[[1929年]]に、北線に着工した。プノンペンからポイペトまでの計画で、[[農産物]]や[[木材]]の輸送を目的としていた。まず[[1932年]]6月にプノンペンとプルサトの間が、[[日本軍|旧日本軍]]占領中の[[1942年]]に残りの区間がそれぞれ開業した。[[1943年]]からは隣国[[タイ王国]]の[[タイ国有鉄道]]と共同での国際列車の運行も開始された。一部中断期間をはさみながら、この列車は[[1961年]]10月まで運行された。

南線は主にシアヌークビルの港湾での輸出入貨物を取り扱うことを目的として[[1960年]]から建設が始まり、[[1969年]]に全線が開通した。こうしてカンボジアの鉄道は北線と南線合わせて約650&nbsp;kmを有することになった。

しかし[[1970年代]]の[[カンボジア内戦]]により設備は破壊され、大きく荒廃することになった。[[1975年]]4月に[[ポル・ポト]]が政権を握ると、その急進的な[[共産主義]]政策のために鉄道員が全て農村へ追放され、革命の同志だけによる鉄道の運営が試みられた。しかしこれには失敗し、ほどなく追放が撤回されて鉄道員は呼び戻されて再び運営に当たらされることになった。[[1979年]]1月にポル・ポト政権が崩壊した際には、プノンペンから脱出するポル・ポト軍は逃走列車を仕立ててタイ国境方面へ逃亡した。

内戦終結後は[[アジア開発銀行]]や{{仮リンク|オーストラリア国際開発庁|en|Australian Aid}}、{{仮リンク|OPEC国際開発基金|en|OPEC Fund for International Development}}の支援を受けて鉄道の復旧が進められた。[[2007年]]1月からようやく「鉄道リハビリプロジェクト」が開始されて鉄道の本格的な修復が行われた。この鉄道リハビリプロジェクトでは、軸重を20トンに増強し、[[枕木]]のPC枕木化、[[マレーシア]]から供与された中古レールによるレール更新、最高速度の50 km/hへの引き上げなど既存路線の改良が行われると同時に、北線はタイ側のアランヤプラテートまでの再連結作業が行われることになっていた。30ヶ月の期間と6371万ドルの費用が見積もられた。しかし、アジア開発銀行等の資金が南線の復旧だけで枯渇し、北線についてはカンボジア政府の自己資金で細々と進められた。

[[2010年]][[10月22日]]、南線最初の修復区間であるプノンペンから南部カンポート州トゥクミアス間(117&nbsp;km)までが完成し、列車の運行が開始された。残りのシアヌークビルまでは[[2010年]]に貨物輸送を、[[2016年]][[4月9日]]には14年振りとなる旅客輸送を再開した<ref name="朝日新聞20180215"/>。

北線についても復旧工事が進められ、[[2018年]]4月4日に[[シソポン|セレイ・サオポアン]](シソポン)から[[ポイペト]]間(48&nbsp;km)、4月29日に[[バタンバン駅|バタンバン]]からセレイ・サオポアン(シソポン)間(65&nbsp;km)とタイ側から順次運行が再開され、7月ついに首都・[[プノンペン]]からポイペトまで約390&nbsp;kmの全線運行が可能となった。引き続き国境を越えてタイ側との線路の連結についても工事が行われ、こちらは[[2019年]]4月に45年振りに接続された<ref name="日本経済新聞20190422"/><ref name = "rgi20180405">{{Cite web | url = http://www.railwaygazette.com/news/infrastructure/single-view/view/cambodia-opens-thai-border-rail-link.html | title = Cambodia opens Thai border rail link | date = 2018-04-05 | publisher = [[レールウェイ・ガゼット・インターナショナル]] | accessdate = 2018-04-08}}</ref>。接続時に[[タイ国鉄RHN型気動車|タイ国鉄の気動車]]がここを通って譲渡された他、2021年10月にはタイ側から貨物列車が中古レールや枕木等を乗せて初めて国境を越えた<ref>{{Cite web | url = https://railtravelstation.com/first-international-train-thailand-cambodia/ | title = 1ST INTERNATIONAL TRAIN TO CAMBODIA FROM THAILAND ON 18 OCTOBER 2021 | date = 2021-10-19 | publisher = RailTravel Station | accessdate = 20122-04-29}}</ref>が、2024年1月現在でも国際旅客列車の運行は行われていない。

== 運行事業者 ==
{{Infobox Company
| name = Royal Railways of Cambodia
| logo = <!--ロゴのファイル。フェアユースのものは使用できません。-->
| caption = <!--ロゴのキャプション-->
| image = <!--本社などの画像-->
| image_caption = <!--上記画像のキャプション-->
| trading_name = <!--屋号-->
| native_name = {{lang|kh|រ៉ូយ៉ាល់ រេលវេ}}
| romanized_name = Royal Railways of Cambodia
| former_name = <!--以前の社名-->
| type = <!--企業形態。公開会社、非公開会社、子会社など。-->
| traded_as = <!--ティッカーシンボル。英語版では主要な株価指数の構成銘柄についても記載。-->
| ISIN = <!--ISINコード-->
| industry = <!--業種-->
| genre = <!--事業分野-->
| fate = <!--その後。かつて存在した企業用の項目。事業終了、合併など。-->
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| foundation = <!--設立年-->
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| location_city = プノンペン
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| homepage = http://royal-railway.com/
| footnotes = <!--注釈-->
}}
* ~[[2009年]]
** カンボジア王立鉄道(カンボジア国鉄(Royal Railways)
* 2009年~
** トールロイヤル(Toll Royal Railways) → ロイヤルグループ([[:en:The Royal Group|The Royal Group of Cambodia]])
*: 当初は[[コンセッション方式]]によって[[カンボジア]]のロイヤルグループと[[オーストラリア]]の[[トール・ホールディングス|トール社]]の[[合弁事業]]で開始されたが、[[2014年]]にトール社が撤退し、以後はロイヤルグループによる単独運営となっている。
*: しかし、事故の多さや旅客数の少なさに不満を募らせた[[フン・セン]][[カンボジアの首相|首相]]は[[2019年]]3月の政府民間フォーラムでロイヤルグループとの契約打切りを示唆しており、翌月に訪中した際には運営面で[[中国国家鉄路集団有限公司]]の、車両など設備面では[[中国中車|中国中車股份有限公司]]の支援を要望したと報じられている。


== 路線 ==
== 路線 ==
{|{{Railway line header}}
[[ファイル:Phnom Penh sta.,phnom penh city,cambodia.JPG|thumb|right|200px|プノンペン駅]]
{{BS-header|カンボジア鉄道}}
北線は首都[[プノンペン]]を起点に北西方向へ走っている。2009年現在運行されている延長は[[シソポン]]までの337 キロメートルである。途中の主要経由地としてはバッダング(Batdaung、31 キロメートル)、プルサト(Pursat、160 キロメートル)、[[バタンバン]](273 キロメートル)となっている。シソポンから先[[ポイペト]](385 キロメートル)までは[[軌道 (鉄道)|軌道]]が無くなっており不通である。[[タイ王国|タイ]]国境を越えた先の[[アランヤプラテート郡|アランヤプラテート]](プノンペンから390 キロメートル)からは[[タイ国有鉄道]]が運行されており、かつては接続して運行が行われていた。[[バンコク]]はプノンペンから655 キロメートルであった。バッタンバン - シソポン間は貨物列車のみ運行されている。全線に渡りほぼ平坦で、橋梁が175箇所、3,794 メートル存在する。老朽化と損傷が著しく、早急に架け替えが必要な橋が多数ある。
{{BS-daten
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|電化方式=全線非電化
}}
{{UKrail-header2|カンボジア鉄道線路線図|#27404E}}
{{BS-table}}
{{BS2|KBHFa||0.0 km||'''[[プノンペン・ロイヤル駅]]'''}}
{{BS2|eHST||6.7 km|ポーチェントン駅}}
{{BS2|eABZg+l|exKHSTeq|||プノンペン国際空港駅}}
{{BS2|DST|||''分岐''}}
{{BS2|eHST||9.4 km|フォーク駅}}
{{BS2|ABZgl|KRW+r||||}}
{{BS2|STR|eHST||トゥローペアンクローサン停車場}}
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{{BS2|STR|eHST||スラークゥー停車場}}
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{{BS2|STR|eHST||トッラムソーソー停車場}}
{{BS2|STR|HST|117km|トゥクミアス停車場}}
{{BS2|STR|HST||コンポントラート駅}}
{{BS2|STR|BHF||ケップ駅}}
{{BS2|STR|eHST||コウムサット停車場}}
{{BS2|STR|eHST||カバールローメア停車場}}
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{{BS2|STR|eHST||ボッコーク停車場}}
{{BS2|STR|eHST||ゴッウトー停車場}}
{{BS2|STR|eHST||トロペアンロッポウ停車場}}
{{BS2|STR|HST||ヴェアーレーン駅}}
{{BS2|STR|eHST||サムハオ停車場}}
{{BS2|STR|eHST||ロールゥオス停車場}}
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{{BS2|STR|||}}
{{BS2|HST||12.0km|サムロン駅}}
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{{BS2|HST||31.0 km|バッダング駅}}
{{BS2|HST||47.1 km|トベンクポッ駅}}
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{{BS2|eHST|||スナームプラ停車場}}
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{{BS2|hKRZWae||198.2 km|スヴァーイドウンケーオ橋(全長61.2 m)}}
{{BS2|eHST|||コムレーン停車場}}
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{{BS2|BHF||337.3 km|セレイ・サオポアン駅}}
{{BS2|eHST|||Tek Tla}}
{{BS2|eHST|||Sala Krahom}}
{{BS2|eHST|||Sophy}}
{{BS2|eHST|||Kob}}
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{{BS2|CONTf||||[[タイ国有鉄道|タイ国鉄]] [[東本線]] [[フワランポーン駅|バンコク]]方面}}
|}
|}
書類上は北線には49駅、南線には27駅があるが、内戦により駅舎などが破壊されておりまともに機能しておらず、交換設備はいくつかの駅にあるが、運転本数が少ないため利用されていなかった。[[車両基地]]と鉄道工場は[[プノンペン・ロイヤル駅|プノンペン]]1箇所である。全線単線非電化で、[[閉塞 (鉄道)|閉塞]]も事実上全線1閉塞で運転士の注意力に頼って運転されていた。[[軌条]]は37 - 40 [[キログラム|kg]]レールを使用し、[[軸重]]は最大15 [[トン|t]]である。


内戦で施設に大きな被害を受けた上、軌道敷に[[地雷]]が敷設されたり沿線が[[スラム]]化したりなどで立ち入りが危険な場所もあることから[[保線]]作業がろくに行われておらず、軌道の荒廃がひどくなっていた<ref>{{Cite book|和書|title=王国の鉄路 タイ鉄道の歴史|year=2010|author=柿崎一郎|publisher=京都大学学術出版会|page=332|pages=|ISBN=978-4-87698-848-8}}</ref>。
南線はプノンペンから9.4 キロメートルのところにあるフォーク (Fork) で北線から分岐して[[シアヌークビル]]までの263 キロメートル(プノンペン - フォークは重複計算)の路線である。途中の主要経由地は[[タケオ]](75 キロメートル)、[[カンポット]](166 キロメートル)である。勾配がわずかに存在し、橋梁は97箇所と[[溝渠#鉄道橋|カルバート]]が488箇所の合計337 メートルがある。南線の橋は開通が新しいことから北線に比べれば状況が良好である。


=== 北線 ===
書類上は北線には49駅、南線には27駅があるが、内戦により駅舎などが破壊されておりまともに機能していない。交換設備はいくつかの駅にあるが、運転本数が少ないため利用されていない。[[車両基地]]と鉄道工場はプノンペン1箇所である。全線単線非電化で、[[閉塞 (鉄道)|閉塞]]も事実上全線1閉塞で運転士の注意力に頼って運転されている。[[軌条]]は37 - 40 キログラムレールを使用し、[[軸重]]は最大15 トンである。
北線は首都[[プノンペン]]を起点に北西方向へ走っている。全線に渡りほぼ平坦で、橋梁が175箇所、のべ3,794&nbsp;m存在する。老朽化と損傷が著しく、早急に架け替えが必要な橋も多数存在していた。
[[2018年]]にプノンペンから[[ポイペト]]までの全区間(385&nbsp;km)が再開。途中の主要経由地はバッダング(Batdaung、プノンペンから31&nbsp;km)、プルサト(Pursat、同160&nbsp;km)、[[バタンバン]](同273&nbsp;km)。


また、[[タイ王国|タイ]]国境を越えた先の[[アランヤプラテート郡|アランヤプラテート]](プノンペンから390&nbsp;km)からは[[タイ国有鉄道]]が運行されており、[[1974年]]に両国の関係が悪化して分断されるまではこの区間も接続して運行が行われていた<ref name="日本経済新聞20190422">{{Cite news|author=|authorlink=|url=|title=タイ・カンボジア間、鉄道開通45年ぶり 域内分業活発に|newspaper=[[日本経済新聞]]|publisher=[[日本経済新聞社]]|date=2019-04-22|accessdate=}}</ref>。この経路を利用すると、両国の[[首都]]であるプノンペン・[[バンコク]]間は延長655&nbsp;kmであった。[[2015年]]には「南部経済回廊」の一環としてこの区間の再接続が両国間で合意され、[[2019年]][[4月22日]]より実際に運行が再開された。
内戦で施設に大きな被害を受けた上、軌道敷に[[地雷]]が敷設されたり沿線が[[スラム]]化したりなどで立ち入りが危険な場所もあることから[[保線]]作業がろくに行われておらず、軌道の荒廃がひどくなっている。

=== 南線 ===
南線はプノンペンから9.4&nbsp;kmのところにあるフォーク (Fork) で北線から分岐して[[シアヌークビル]]までの267&nbsp;km(プノンペン - フォークは重複計算)の路線である。途中の主要経由地は[[タケオ]](プノンペンから75&nbsp;km)、[[カンポット]](同166&nbsp;km)である。勾配がわずかに存在し、橋梁は97箇所と[[溝渠#鉄道橋|カルバート]]が488箇所の合計337&nbsp;mがある。南線の橋は開通が新しいことから北線に比べれば状況が良好である。

カンボジアで唯一の深水港を有す重要港湾として経済特区(SEZ)に指定されているシアヌークビルは、[[中華人民共和国|中国]]が推し進める「[[一帯一路]]」構想による投資拡大の影響で近代化が目覚ましく、また“第二の[[マカオ]]”とも称され中国からの観光客が急増するなどリゾート化が顕著である<ref name="ロイター通信20171231">{{Cite news|author=|authorlink=|url=|title=焦点:カンボジアに「第2のマカオ」誕⽣か、中国投資が加速|newspaper=ロイター通信|publisher=[[ロイター]]|date=2017-12-31|accessdate=}}</ref>。そこで、このプノンペン・シアヌークビル間に高速鉄道を建設するプロジェクトが、中国によって計画されている<ref name="AFP20170519"/>。

=== 空港線 ===
2017年、[[プノンペン国際空港]]までの支線が建設された。105Kストリート上にレールを敷設した[[併用軌道]]となったため、住民による反対運動が起こった<ref>{{cite news|url=https://www.phnompenhpost.com/national/villagers-protest-new-commuter-rail-project |title=Villagers protest new commuter rail project|publisher= The Phonom Penh Post|language= |date= 19 July 2017}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.phnompenhpost.com/national/minister-assures-locals-rail-wont-disrupt-lives |title=Minister assures locals rail won’t disrupt lives|publisher= The Phonom Penh Post|language= |date= 24 July 2017}}</ref>

2018年4月10日、[[プノンペン・ロイヤル駅]]から[[プノンペン国際空港]]駅までの支線が開業した<ref name="#1">{{cite news|url=https://www.phnompenhpost.com/business/ride-airport-phnom-penhs-latest-mode-public-transport |title=A ride to the airport on Phnom Penh’s latest mode of public transport|newspaper=The Phnom Penh Post|language=en|date=2018-04-10}}</ref><ref name="#2">{{cite news|url=https://www.khmertimeskh.com/50301682/airport-train-gives-inaugural-ride/ |title=Airport train gives inaugural ride|newspaper=Khmer Times|language=en|date=2018-04-11}}</ref>。所要時間は約30分、運賃は10,000[[リエル]]、または2.5[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]。開業当初、気動車+客車1両による運行であったが、メキシコ製の新型気動車 AS1000 に置き換えられた。プノンペン駅構内南側に、専用の乗降場も設置された。

2020年7月より運休し<ref>{{cite news|url=https://www.khmertimeskh.com/742998/airport-shuttle-train-service-may-be-temporarily-halted/ |title=Airport shuttle train service may be temporarily halted|publisher= Khmer Times|language= |date= July 9, 2020}}</ref>、レールは埋められている<ref>{{cite news|url=https://www.khmertimeskh.com/50790570/airport-rail-system-off-track-for-now/ |title=Airport rail system off track for now|publisher= Khmer Times|language= |date=December 8, 2020}}</ref>。


== 運行 ==
== 運行 ==
[[ファイル:Phnom Penh sta. plathorm,phnom penh city,cambodia.JPG|thumb|right|200px|プノンペン駅のホーム・旅客列車は1週間に1往復のみ]]
[[File:Phnom Penh sta. plathorm,phnom penh city,cambodia.JPG|thumb|right|200px|プノンペン駅のホーム]]
[[2005年]]8月改正の[[ダイヤグラム|ダイヤ]]によれば、北線は1日3本、南線は1日1本の列車が設定されていることになっていが、貨物輸送量が減少していることから実際には輸送する貨物が集まり次第運行という状況となている。輸送品目は北線が[[セメント]]、南線がセメントに加え[[石油]]が中心となている
[[2005年]]8月改正の[[ダイヤグラム|ダイヤ]]によれば、北線は1日3本、南線は1日1本の列車が設定されていることになっていが、貨物輸送量が減少していることから実際には輸送する貨物が集まり次第運行という状況であ。輸送品目は北線が[[セメント]]、南線がセメントに加え[[石油]]が中心であ


旅客列車については[[2005年]]8月のダイヤ改正で北線のみ1週間に1回に削減されている。南線の旅客列車は旅客減少が激しく山賊に襲撃されるなどの治安問題もあって、[[2004年]]に打ち切られてい。北線の旅客列車は毎週土曜日にプノンペン6時20分発、バタンバン17時57分着、その折り返しで毎週日曜日にバタンバン6時40分発、プノンペン20時40分着で運行されているが、遅延が酷くまともに時刻表通りに運行できないほか、車両の都合などで運休が多発してい。治安状況が悪いため、沿線の治安状況を見て随時運行が決定される状況であ
旅客列車については[[2005年]]8月のダイヤ改正で北線のみ1週間に1回に削減され
南線の旅客列車は旅客減少が激しく山賊に襲撃されるなどの治安問題もあって、[[2016年]]に再開されるまで打ち切られてい
北線の旅客列車は毎週土曜日にプノンペン6時20分発、バタンバン17時57分着、その折り返しで毎週日曜日にバタンバン6時40分発、プノンペン20時40分着で運行されているが、遅延が酷くまともに時刻表通りに運行できないほか、車両の都合などで運休が多発してい。治安状況が悪いため、沿線の治安状況を見て随時運行が決定されるとう有様であった


旅客列車も[[混合列車]]として運行されている。地雷に当たった時の旅客への被害を避けるための名残で、終点の駅で組成替えをして必ず客車が列車の最後尾になるようにして運転している。貨物列車であっても貨車に乗車する旅客が多く見受けられており、このことから南線の旅客利用も物理的には可能な状況である。
旅客列車も[[混合列車]]として運行されている。地雷に当たった時の旅客への被害を避けるための名残で、終点の駅で組成替えをして必ず客車が列車の最後尾になるようにして運転している。貨物列車であっても貨車に乗車する旅客が多く見受けられており、このことから南線の旅客利用も物理的には可能な状況である。


並行している国道がよく整備されており、一般の足は[[バス (交通機関)|バス]]に移行して、鉄道は一般的な交通機関とはいいがたい状況となってい。特に治安状況から外国人の利用は困難な状況である。外国人に対する案内などはほとんどなく、現地の[[クメール語]]を理解できなければ利用は困難であ
並行している国道がよく整備されており、一般の足は[[バス (交通機関)|バス]]に移行して、鉄道は一般的な交通機関とはい状況となってい。特に治安状況から外国人の利用は困難な状況で外国人に対する案内も殆どなく、現地の[[クメール語]]を理解できなければ利用は困難であった


[[2009年]]11月現在、週一往復していたプノンペンからバタンバン間の定期列車も完全に運休状態となっていたようで、同区間で使用していた客車と機関車はプノンペン駅構内に留置され、特に客車は走行が困難な状態にあった。
== 車両 ==
[[動態保存]]の蒸気機関車が1両 (231-501) あり、不定期に運行が行われている。また136-106がプノンペン駅で静態保存されている。


[[2016年]]より、南線のプノンペンからシアヌークビル間の旅客列車の運行を再開した<ref>{{cite news|url=http://business-partners.asia/cambodia/20160303/ |title=ロイヤル鉄道、プノンペン~シアヌークビル間を結ぶ旅客鉄道、4月運行|publisher=カンボジア ビジネスパートナーズ |date=2016-03-03}}</ref>。金~月曜日、週4往復運行中。約260kmの行程を8時間以上かけて運行されており、利用状況を見ながら本格的な運転に移行するかどうかの是非を検討するという<ref name="産経新聞20160409">{{Cite news|author=|authorlink=|url=|title=カンボジア、旅客列⾞が14年ぶり復活…でも期間限定 260キロを8時間以上で⾛⾏|newspaper=[[産経新聞]]|publisher=[[産業経済新聞社]]|date=2016-04-09|accessdate=}}</ref>。
ディーゼル機関車に関しては5形式がある。BB1050形は[[1958年]][[フランス]]製箱型18 メートル級機であり、6両が在籍する。車軸は4軸である。内戦中は[[装甲]]板が取り付けられていた。予備車となっておりほとんど運用されない。BB1000形は[[1968年]]フランス製セミセンターキャブの4軸機関車で、4両が在籍する。この機関車も予備車となっている。BB1010形は[[1993年]][[チェコスロバキア]]製のセミセンターキャブ機で4両が在籍する。現行の主力機関車として用いられている。Bde410形は11両がいるが、最初の9両と後の2両は事実上の別形式で、9両はほとんど形式消滅状態となっている。2両は1993年チェコスロバキア製のセミセンターキャブ機で、旅客ではこの機関車が多く用いられる。BB1060形は2005年[[中華人民共和国]]製で、最新鋭であるがあまり運用されていない。概要に記したように書類上のディーゼル機関車在籍数は19両であり、上述の機関車のうちどれが書類上カウントされているのかは不明である。


[[2018年]][[4月4日]]に[[シソポン|セレイ・サオポアン]]からタイとの国境にある[[ポイペト]]までの列車の運行が再開され、[[4月29日]]にはシソポンからバッタンバン間が、[[5月29日]]にバッタンバンからプルサット間が、[[7月4日]]にはプルサットからプノンペン間が順次再開、[[1970年代]]に始まった[[カンボジア内戦]]以来となるプノンペンからポイペトまでの直通列車が運行された。その後は週に1本ほど旅客列車が運行されている<ref>{{cite news|url=https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190122/mcb1901220500007-n1.htm |title=タイ、カンボジア間の国際鉄道が近く開通 物流やアクセス向上に期待|publisher=SankeiBIZ|date=2019-01-22}}</ref>。
客車は多くが非常に荒廃しており、窓ガラスはほとんどなく、座席もかなりの部分が失われている。屋根に穴が開いている車両や、中には床板が抜け落ちて走行中に地面が見える車両もあるなど、非常に危険な状況である。当面更新の予定はなく、こうした車両が今後とも用いられることになっている。


このほか、[[2018年]][[4月10日]]には[[プノンペン国際空港]]までの支線が開業した<ref name="#1"/><ref name="#2"/>が、2020年12月までに空港の移転の計画と[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]の影響により廃止された<ref>{{Cite web|url=https://construction-property.com/phnom-penh-airport-railway-track-being-removed-after-numerous-accidents/|title=Phnom Penh Airport Railway Track Being Removed After Numerous Accidents|accessdate=2021/04/12}}</ref>。
この他に[[気動車]]がかつては用いられていたが、既にプノンペン駅構内で朽ち果てた状態にあり、運用することはできない。


2022年現在、南線の全線(プノンペン - シアヌークビル)で1日1往復、北線の一部区間(プノンペン - バタンバン)で1日1往復、旅客列車が運行されている<ref>[https://www.facebook.com/TRRCambodia/photos/a.878147278974792/4777536039035877/ Royal Railway Cambodia] - Facebook</ref>。車両は主に空港シャトル路線で使われていたAS1000、ディーゼル機関車+エアコン付き客車、タイから寄贈されたRHNが使われている。
== 歴史 ==
カンボジアがフランス[[植民地]]の[[仏領インドシナ]]であった[[1929年]]に、同国初の鉄道である北線に着工した。プノンペンからポイペトまでの計画で、[[農産物]]や[[木材]]の輸送を目的としていた。まず[[1932年]]6月にプノンペンとプルサトの間が、続いて[[1942年]]に残りの区間がそれぞれ開業した。[[1943年]]からは隣国[[タイ王国]]の[[タイ国有鉄道]]と共同での国際列車の運行も開始された。一部中断期間をはさみながら、この列車は[[1961年]]10月まで運行された。


== 車両 ==
南線は主にシアヌークビルの港湾での輸出入貨物を取り扱うことを目的として[[1960年]]から建設が始まり、[[1969年]]に全線が開通した。こうしてカンボジアの鉄道は北線と南線合わせて650 キロメートルを有することになった。
=== 蒸気機関車 ===
[[動態保存]]の蒸気機関車が1両 (231-501) あり、不定期に運行が行われている。また136-106がプノンペン駅で[[静態保存]]されている。
{| class="wikitable" style="font-size:90%; text-align:center; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
!車番!!製造年!!メーカー名!!軸配置!!備考
|-
|136-106||||||2-6-2(1C1)||プノンペン駅で静態保存
|-
|231-501||1939年||[[File:Flag of France.svg|20px|]]フランス製 ||4-6-2(2C1)||[[動態保存]]中
|}


=== ディーゼル機関車 ===
しかし[[1970年代]]の[[カンボジア内戦]]により設備は破壊され、大きく荒廃することになった。[[1975年]]4月に[[ポル・ポト]]が政権を握ると、その急進的な[[共産主義]]政策のために鉄道員が全て農村へ追放され、革命の同志だけによる鉄道の運営が試みられた。しかしこれには失敗し、ほどなく追放が撤回されて鉄道員は呼び戻されて再び運営に当たらされることになった。[[1979年]]1月にポル・ポト政権が崩壊した際には、プノンペンから脱出するポル・ポト軍は逃走列車を仕立ててタイ国境方面へ逃亡した。
ディーゼル機関車に関しては7形式がある。
*'''BB1000形'''は[[1968年]][[フランス]]製セミセンターキャブの4軸機関車で、4両が在籍。予備車となっている。
*'''BB1010形'''は[[1993年]][[チェコスロバキア]]製のセミセンターキャブ機で4両が在籍する。現行{{いつ|date=2022年5月}}の主力機関車として用いられている。
*'''BB1050形'''は[[1958年]]フランス製箱型18m級機であり、6両が在籍する。車軸は4軸である。内戦中は[[装甲]]板が取り付けられていた。予備車となっており殆ど運用されない。
*'''BB1060形'''は2005年[[中華人民共和国]]製で、最新鋭であるがあまり運用されていない。
*'''Bde400形'''は9両あるが、殆ど形式消滅状態となっている
*'''Bde410形'''は2両が導入されている。1993年チェコスロバキア製のセミセンターキャブ機で、旅客ではこの機関車が多く用いられる。
*'''YDM4型'''[[:en:Indian locomotive class YDM-4|(en)]]は、2016年に[[インド鉄道]]から[[マレー鉄道]]へ貸し出されたインド鉄道YDM4型の一部が、2019年5月にカンボジアに導入されたもので、10両が在籍している<ref>{{Cite web|和書|url=https://railtravelstation.com/royal-railway-cambodia/rolling-stock/ircon-ydm4-6000-series/|title=IRCON YDM4 6000 SERIES LOCOMOTIVE・ROYAL RAILWAY CAMBODIA|publisher=RailTravel Station|accessdate=2023-01-20}}</ref><ref group="注釈">完全に譲渡されたのかいわゆる又貸し状態になっているのかは不明。</ref>。形式名はインド鉄道時代のものを、車番はマレー鉄道時代のものをそれぞれそのまま継承している。2020年現在主に貨物用機関車として運用されている。
[[File:Cambodia YDM4-6428.jpg|thumb|right|200px|プノンペン駅にて貨車の入れ替え作業を行うYDM4型6428号機]]
{| class="wikitable" style="font-size:90%; text-align:left; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
!形式!!車番!!製造年!!メーカー名!!軸配置!!備考
|-
|BB1000||BB1001-BB1005||1965年|||[[File:Flag of France.svg|20px|]]フランス・[[アルストム|アルストーム]]製||B0-B0||
|-
|BB1010||BB1010-BB1014||1992年||[[File:Flag of the Czech Republic.svg|20px|]]チェコスロバキア・{{仮リンク|ČKD|label=ČKDプラハ|cs|ČKD}}製||B0-B0||Ç
|-
|BB1050||BB1051-BB1056||1969年||[[File:Flag of France.svg|20px|]]フランス・アルストーム製||B0-B0||箱型18 メートル級機
|-
|BB1060||||2005年||[[File:Flag of the People's Republic of China.svg|20px|]]中華人民共和国||||
|-
|Bde400|| || ||[[File:Flag of France.svg|20px|]]フランス・アルストーム製 ||||形式消滅状態
|-
|Bde410||||1993年||[[File:Flag of the Czech Republic.svg|20px|]]チェコスロバキア・ČKDプラハ製|| ||
|-
|[[:en:Indian locomotive class YDM-4|YDM4]]||6xxx{{Refnest|group="注釈"|6343, 6428, 6535, 6546, 6561, 6633, 6635, 6657, 6663, 6697の10両<ref>{{Cite web|和書|url=https://railtravelstation.com/ktm-berhad/rolling-stock/diesel-locomotives/ydm4/|title=KTM YDM4 LOCOMOTIVE・DIESEL LOCOMOTIVE WORKS(DLW)|publisher=RailTravel Station|accessdate=2023-01-20}}</ref>。}}||1961年||[[File:Flag of USA.svg|20px|]]アメリカ・[[アメリカン・ロコモティブ|Alco]], [[File:Flag of Canada.svg|20px|]]カナダ・[[モントリオール・ロコモティブ・ワークス|MLW]], [[File:Flag of India.svg|20px|]]インド・BLW[[:en:Banaras Locomotive Works|(en)]]製||C0-C0||[[インド鉄道]]から[[マレー鉄道]]を経てカンボジアに入線
|}


=== 気動車 ===
内戦終結後は[[アジア開発銀行]]の支援を受けて鉄道の復旧が進められた。[[2007年]]1月からようやく「鉄道リハビリプロジェクト」が開始されて鉄道の本格的な修復が行われている。この鉄道リハビリプロジェクトでは、軸重を20 トンに増強し、[[枕木]]のPC枕木化、[[マレーシア]]から供与された中古レールによるレール更新、最高速度の50 km/hへの引き上げなどが行われて既存路線の改良が行われると同時に、北線についてタイ側のアランヤプラテートまでの再連結作業が行われることになっている。30ヶ月の期間と6371万ドルの費用が見積もられている。
長らく3両編成2本のZZ800形のみが用いられていたが、2018年9月に空港シャトル路線向けに[[メキシコ]]製のAS1000形が<ref>{{cite news|url=http://business-partners.asia/cambodia/syakai-20180719-train/ |title=9月にメキシコ製鉄道車両が到着 |location=カンボジア|publisher=CAMODIA BUSINESS PARTNERS|date=2018-07-19}}</ref>、翌2019年4月にはタイから4両(40,45,1035,1038)の気動車([[タイ国鉄RHN型気動車|RHN型]])が導入されている<ref>{{cite news|url=http://www.newsclip.be/article/2019/04/22/39542.html |title=タイ・カンボジア間の線路接続、道路橋開通|publisher=newsclip.be|date=2019-04-22}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.khmertimeskh.com/50597004/cambodia-thailand-join-railroad-networks-open-cross-border-bridge/ |title=Cambodia, Thailand join railroad networks, open cross-border bridge|newspaper=Khmer Times|language=en|date=2019-04-23}}</ref>。

また、[[国鉄キハ183系気動車|キハ183系]]11両を購入しており、2024年4月には函館港から輸出されている<ref>{{cite news|url=https://www.hokkaido-np.co.jp/article/999315/|title=引退のキハ183系、残り11両はカンボジアへ 函館港から15日輸出|newspaper=[[北海道新聞]]|publisher=[[北海道新聞社]]|date=2024-04-11|accessdate=2024-04-12}}※会員記事のため、全文の閲覧は会員登録が必要</ref>。
{| class="wikitable" style="font-size:90%; text-align:left; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
!形式!!車番!!製造年!!メーカー名!!備考
|-
|ZZ800
||6両
||1969年
||[[File:Flag of Germany.svg|20px|]][[ドイツ]] [[DUEWAG|デュワグ]]製<ref name ="RTS">[https://railtravelstation.com/royal-railway-cambodia/rolling-stock/waggonfabrik-uerdingen-dmu-zz800-series/ ]</ref>
||ZZ802・804 - 806は客車に改装<ref name ="RTS"/>
|-
|[[タイ国鉄RHN型気動車|RHN]]
||4両
||1971年
||[[File:Flag of Japan.svg|20px|]][[日本]] [[日立製作所]]製
||2019年、タイ国鉄より譲渡
|-
|AS1000
||3両
||2018年
||[[File:Flag of Mexico.svg|20px]][[メキシコ]] フェロビアス・デル・バヒオ(Ferrovías del Bajio)製<ref>[https://ferroviasdelbajio.com]</ref>
||2018年の新規導入後、主力車両となる
|-
|[[国鉄キハ183系気動車|キハ183]]
||11両
||2024年
||[[File:Flag of Japan.svg|20px|]][[日本]] [[新潟鐵工所]]、[[SUBARU|富士重工業]]、[[日立製作所]]製
||現地での呼称は2024年6月5日時点では不明
|}

=== 客車 ===
かつて、客車は多くが非常に荒廃しており、窓ガラスは殆どなく、座席もかなりの部分が失われていた。屋根に穴が開いている車両や、中には床板が抜け落ちて走行中に地面が見える車両もあるなど、非常に危険な状況であった。現在は改修工事が施され、内外装ともに更新され冷房装置も設置された。また座席はロングシートとボックスシートが混在する。

=== 貨車 ===
有蓋車、タンク車、コンテナ車<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jica.go.jp/cambodia/office/information/investment/ku57pq00001vq88t-att/strengthen_logistics.pdf |title=カンボジア国における物流の現況と課題|publisher=JICA|format=PDF|date=2021-04-13|accessdate=2023-01-20}}</ref>などの貨車が在籍している。


== 今後の計画 ==
== 今後の計画 ==
{{see also|アジア横断鉄道}}
現在、[[ベトナム]]の[[ホーチミン市|ホーチミン]]および[[タイ王国|タイ]]の[[バンコク]]まで路線を延長する計画がある。両線とも開通した場合には[[ベトナムの鉄道]]、更には[[中華人民共和国の鉄道]]・[[タイ国有鉄道|タイ王国の鉄道]]・[[マレーシアの鉄道]]・[[シンガポールの鉄道]]とも連絡が取れることとなり、[[北京市|北京]]・[[上海市|上海]] - [[ハノイ]] - ホーチミン - プノンペン - バンコク - [[クアラルンプール]] - [[シンガポール]]といった[[東南アジア]]縦断鉄道ができる事となる。これには、貨物輸送などさまざまな面で期待がされている。
[[プノンペン]]から[[コンポンチャム]]を経て[[ベトナム]]との国境に至る225&nbsp;km区間は、[[シンガポール]]と[[中華人民共和国|中国]]の[[昆明]]とを結ぶ[[昆明・シンガポール鉄道|昆明・シンガポール鉄道構想]]の唯一の欠落区間である<ref name="JETRO201203">{{PDFlink|[https://www.jetro.go.jp/industry/infrastructure/inframap/pdf/kh-summary.pdf カンボジア・インフラマップ(日本貿易振興機構プノンペン事務所)2012年3月]|250.28&nbsp;[[キビバイト|KiB]]}}</ref>。
この区間の鉄道整備の一環として、[[ベトナム]]の[[ホーチミン市|ホーチミン]]まで路線を延長する計画がある。既に協定は締結されており、中国の鉄道建設企業である[[中国中鉄]]が、プノンペンの[[:en:Bat Doeng|Bat Doeng]]からベトナムとの国境にある[[ロックニン県|ロックニン]]までの255&nbsp;kmの鉄道の設計作業を行っている。ロックニンからはホーチミンまで128&nbsp;kmの路線建設が提案されている<ref name = "rgi20101022">{{Cite web | url = http://www.railwaygazette.com/nc/news/single-view/view/rail-revival-to-replace-bamboo-trains.html | title = Rail revival to replace bamboo trains | publisher = [[レールウェイ・ガゼット・インターナショナル]] | date = 2010-10-22 | accessdate = 2010-10-23}}</ref>。

タイおよびベトナムとの鉄道連結が完成した場合には[[ベトナムの鉄道]]、更には[[中華人民共和国の鉄道]]・[[タイ国有鉄道|タイ王国の鉄道]]・[[マレーシアの鉄道]]・[[シンガポールの鉄道]]とも連絡が取れることとなり、[[昆明市|昆明]] - [[ハノイ]] - ホーチミン - プノンペン - バンコク - [[クアラルンプール]] - [[シンガポール]]といった[[東南アジア]]縦断鉄道ができる事となる。[[アジア太平洋経済社会委員会|国連アジア太平洋経済社会委員会]](ESCAP)は、本計画により国際貨物輸送の高速化が実現するとしている。

この他に、[[トンレサップ|トンレサップ湖]]の北側を通って[[シェムリアップ]]を結ぶ路線や、[[ラオス]]と連絡する路線なども提案されている<ref>{{Cite web|和書| url = http://www.jica.go.jp/topics/2010/pdf/20100616_03_01.pdf | title = カンボジアの投資環境 | format = PDF | date = 2010-05-24 | accessdate = 2010-10-23}}</ref>。


== バンブートレイン ==
== バンブートレイン ==
{{Main|バンブートレイン}}
カンボジア国鉄の路線では列車本数が極めて少なく、しかもその他の公共交通手段も発達していないことから、地元の住民が竹製の板に金属の台車を組み合わせてエンジンを搭載して自作した「バンブートレイン」と呼ばれる[[トロッコ]]のような車両が勝手にカンボジア国鉄の線路を利用して走り回っている。[[鉄道のブレーキ|ブレーキ]]は手で棒を車輪に押し当てる原始的なものである。運賃を徴収して旅客・貨物輸送を不定期に行っており、バッタンバン周辺では観光用にもなっている。プノンペン付近では、バッダング駅から[[プノンペン国際空港]]付近の[[踏切]]まで最高速度20 km/h程度で90分掛けて走るバンブートレインがおり、「空港連絡トロッコ」とも言うべき存在となっている。
[[File:Bamboo train (Norry) station near Battambang in 2012.jpg|200px|thumb|バンブートレインの駅]]
カンボジア国鉄の路線では列車本数が極めて少なく、しかもその他の公共交通手段も発達していないことから、地元の住民が竹製の板に金属の台車を組み合わせてエンジンを搭載して自作した「[[バンブートレイン]]」と呼ばれる[[トロッコ]]のような車両が勝手にカンボジア国鉄の線路を利用して走り回っている。[[鉄道のブレーキ|ブレーキ]]は手で棒を車輪に押し当てる原始的なものである。運賃を徴収して旅客・貨物輸送を不定期に行っており、バタンバン周辺では観光用にもなっている。プノンペン付近では、バッダング駅から[[プノンペン国際空港]]付近の[[踏切]]まで最高速度20 km/h程度で90分掛けて走るバンブートレインがおり、「空港連絡トロッコ」とも言うべき存在となっている。バンブートレイン同士が線路上で遭遇した時には、荷物や旅客が少ない方が線路上から車両を取り外して譲る了解があり、また正規の列車が走ってきた時には必ず譲ることになっている。

鉄道リハビリプロジェクトの進展に伴って、こうしたバンブートレインの運行者には補償金が支払われ、道路交通への移転促進策が採られている<ref name = "rgi20101022" />。

== 隣接国との鉄道接続状況 ==
* {{Flagicon|THA}} [[タイの鉄道|タイ]] - 接続あり
* {{Flagicon|LAO}} [[ラオスの鉄道|ラオス]] - 接続なし
* {{Flagicon|VNM}} [[ベトナムの鉄道|ベトナム]] - 接続なし

== 関連項目 ==
* [[アジア横断鉄道]]
* [[昆明・シンガポール鉄道]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}


== 注釈 ==
なお、バンブートレイン同士が線路上で遭遇した時には、荷物や旅客が少ない方が線路上から車両を取り外して譲る了解があり、また正規の列車が走ってきた時には必ず譲ることになっている。
<references group="注釈" />


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 海外鉄道技術協力協会・編『最新 世界の鉄道』ぎょうせい、2005年 
* [[海外鉄道技術協力協会]]・編『最新 世界の鉄道』ぎょうせい、2005年
* 斉藤 幹雄「カンボジアの鉄道」『[[鉄道ピクトリアル]]』No.813(2009年1月) pp.121 - 129 [[電気車研究会]]
* 斉藤 幹雄「カンボジアの鉄道」『[[鉄道ピクトリアル]]』No.813(2009年1月) pp.121 - 129 [[電気車研究会]]
* 『[[鉄道ジャーナル]]』No.538(2011年8月) pp.128 - 133 鉄道ジャーナル社


== 外部リンク ==
<!-- [http://www.rtc-cambodia.com カンボジア国鉄] リンク切れコメントアウト -->
{{ウィキポータルリンク|鉄道}}
{{Commonscat|Rail transport in Cambodia}}
* [http://royal-railway.com Royal Railways (Cambodia) ]
* {{Facebook|TRRCambodia|Royal Railway Cambodia}}
* [http://www.mpwt.gov.kh/en/public-services/railway-services Railway Services] - カンボジア公共事業運輸省
{{アジアの題材|鉄道|mode=4}}


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2024年6月6日 (木) 23:51時点における版

世界の鉄道一覧 > カンボジアの鉄道

カンボジアの鉄道(カンボジアのてつどう)では、カンボジアにおける鉄道について記す。

概要

プノンペン駅(2014年)

カンボジア鉄道は、590.9 km全区間が非電化単線で、軌間は1,000 mmである。

2019年現在、北線および南線の2つの路線が存在し、両路線とも2009年までは公共事業・運輸省管轄下のカンボジア・ロイヤル鉄道(フランス語: Chemins de fer Royaux du Cambodge (CFRC)、英語: Royal Railways of Cambodia (RRC))が、以後は地場資本のロイヤルグループ(英語: The Royal Group)が運営している。

以前はカンボジア内戦の影響で施設などが荒廃し、全線で最高速度35km/h程度で運行されていた。書類上は蒸気機関車が1両、ディーゼル機関車が19両、客車が20両、貨車が210両在籍しており、貨車を代替客車として用いている列車が多いという。[要出典]使用されている車両もかなり荒廃が進んでいた。 2002年時点での年間の旅客および貨物輸送量は、それぞれ11万人/2,000万人キロ、55万7,000トン/1億6,000万トンキロであったが、その後さらに輸送量が減少していた[要出典]

内戦終結後はアジア開発銀行オーストラリア等の支援を背景に[1]、また近年では中華人民共和国が掲げる「一帯一路」構想の元で施設の近代化や鉄道の運行再開、隣国との接続事業が進められている[2]

歴史

カンボジアの鉄道(1950年代)

1890年頃、シェムリアップ付近に石材輸送用の鉄道が敷設されていたが、詳細はわかっていない。

カンボジアがフランス植民地仏領インドシナであった1929年に、北線に着工した。プノンペンからポイペトまでの計画で、農産物木材の輸送を目的としていた。まず1932年6月にプノンペンとプルサトの間が、旧日本軍占領中の1942年に残りの区間がそれぞれ開業した。1943年からは隣国タイ王国タイ国有鉄道と共同での国際列車の運行も開始された。一部中断期間をはさみながら、この列車は1961年10月まで運行された。

南線は主にシアヌークビルの港湾での輸出入貨物を取り扱うことを目的として1960年から建設が始まり、1969年に全線が開通した。こうしてカンボジアの鉄道は北線と南線合わせて約650 kmを有することになった。

しかし1970年代カンボジア内戦により設備は破壊され、大きく荒廃することになった。1975年4月にポル・ポトが政権を握ると、その急進的な共産主義政策のために鉄道員が全て農村へ追放され、革命の同志だけによる鉄道の運営が試みられた。しかしこれには失敗し、ほどなく追放が撤回されて鉄道員は呼び戻されて再び運営に当たらされることになった。1979年1月にポル・ポト政権が崩壊した際には、プノンペンから脱出するポル・ポト軍は逃走列車を仕立ててタイ国境方面へ逃亡した。

内戦終結後はアジア開発銀行オーストラリア国際開発庁英語版OPEC国際開発基金英語版の支援を受けて鉄道の復旧が進められた。2007年1月からようやく「鉄道リハビリプロジェクト」が開始されて鉄道の本格的な修復が行われた。この鉄道リハビリプロジェクトでは、軸重を20トンに増強し、枕木のPC枕木化、マレーシアから供与された中古レールによるレール更新、最高速度の50 km/hへの引き上げなど既存路線の改良が行われると同時に、北線はタイ側のアランヤプラテートまでの再連結作業が行われることになっていた。30ヶ月の期間と6371万ドルの費用が見積もられた。しかし、アジア開発銀行等の資金が南線の復旧だけで枯渇し、北線についてはカンボジア政府の自己資金で細々と進められた。

2010年10月22日、南線最初の修復区間であるプノンペンから南部カンポート州トゥクミアス間(117 km)までが完成し、列車の運行が開始された。残りのシアヌークビルまでは2010年に貨物輸送を、2016年4月9日には14年振りとなる旅客輸送を再開した[1]

北線についても復旧工事が進められ、2018年4月4日にセレイ・サオポアン(シソポン)からポイペト間(48 km)、4月29日にバタンバンからセレイ・サオポアン(シソポン)間(65 km)とタイ側から順次運行が再開され、7月ついに首都・プノンペンからポイペトまで約390 kmの全線運行が可能となった。引き続き国境を越えてタイ側との線路の連結についても工事が行われ、こちらは2019年4月に45年振りに接続された[3][4]。接続時にタイ国鉄の気動車がここを通って譲渡された他、2021年10月にはタイ側から貨物列車が中古レールや枕木等を乗せて初めて国境を越えた[5]が、2024年1月現在でも国際旅客列車の運行は行われていない。

運行事業者

Royal Railways of Cambodia
現地語社名
រ៉ូយ៉ាល់ រេលវេ
ラテン文字名
Royal Railways of Cambodia
本社 Cental Railway Station,
Sangkat Sras Chork, Daun Penh、
プノンペン
主要人物
en:Kith Meng
親会社 en:The Royal Group
ウェブサイト http://royal-railway.com/

路線

カンボジア鉄道
軌間1000 mm
カンボジア鉄道線路線図
KBHFa
0.0 km プノンペン・ロイヤル駅
eHST
6.7 km ポーチェントン駅
eABZg+l exKHSTeq
プノンペン国際空港駅
DST
分岐
eHST
9.4 km フォーク駅
ABZgl KRW+r
STR eHST
トゥローペアンクローサン停車場
STR eHST
プローテァーラン停車場
STR eHST
ダームルーフ停車場
STR eHST
プレイスツゥントゥン停車場
STR eHST
アンプローッ停車場
STR eHST
スラーッサライ停車場
STR eHST
コーマーリーチィア停車場
STR eHST
トゥクアンベル停車場
STR eHST
トゥクバルチャ停車場
STR eHST
スラークゥー停車場
STR BHF
75 km タケオ駅
STR eHST
トンマダー停車場
STR eHST
アンゲオア停車場
STR HST
ターニー駅
STR eHST
トッラムソーソー停車場
STR HST
117km トゥクミアス停車場
STR HST
コンポントラート駅
STR BHF
ケップ駅
STR eHST
コウムサット停車場
STR eHST
カバールローメア停車場
STR BHF
166 km カンポット駅
STR eHST
ガットー停車場
STR eHST
ボッコーク停車場
STR eHST
ゴッウトー停車場
STR eHST
トロペアンロッポウ停車場
STR HST
ヴェアーレーン駅
STR eHST
サムハオ停車場
STR eHST
ロールゥオス停車場
STR eHST
トゥモリアップ停車場
STR eHST
ペットロール停車場
STR BHF
263 km シアヌークビル駅
STR KBSTe
シアヌークビル港
STR
HST
12.0km サムロン駅
hKRZWae
19.5 km ポニートラス橋
HST
31.0 km バッダング駅
HST
47.1 km トベンクポッ駅
HST
55.7 km ミエノーク駅
HST
66.9 km クランロヴィア駅
HST
76.5 km ロメア駅
HST
93.8 km クランスキール停車場
HST
111.1 km クドル停車場
HST
124.4 km バムナック駅
eHST
トゥートン停車場
HST
133.5 km コムレアン駅
BHF
165.5 km プルサト駅
eHST
スナームプラ停車場
eHST
179.7 km トロペアンチョン停車場
HST
187.5 km ボンクナー停車場
eHST
197.7 km スヴァーイドウンケーオ駅
hKRZWae
198.2 km スヴァーイドウンケーオ橋(全長61.2 m)
eHST
コムレーン停車場
eHST
トゥートゥントゥガーイ停車場
eHST
214.8 km プレイスヴァーイ駅
BHF
223.1 km モンルセイ駅
eHST
231.7 km コッチャー停車場
eHST
236.6 km コークトロム停車場
HST
プノムテイッパタイ停車場
eHST
ゴックポウン停車場
eHST
スワイチット停車場
eHST
レーンケセイ停車場
eHST
262.1km オースラウウ停車場
BHF
273.1km バタンバン駅
eHST
オーターキ駅
eHST
306.1 km チョロイスダウ駅
HST
310.3 km トウールサムロン駅
HST
315.8 km プノンタウチ駅
eHST
ジョムカーヂェイ停車場
HST
330.2 km モンクルボレイ駅
BHF
337.3 km セレイ・サオポアン駅
eHST
Tek Tla
eHST
Sala Krahom
eHST
Sophy
eHST
Kob
BHF
385.0 km ポイペト駅
GRENZE
カンボジア/タイ国境
BHF
386.0 km バーンクロンルク国境駅
BHF
391.8 km アランヤプラテート駅
CONTf
タイ国鉄 東本線 バンコク方面

書類上は北線には49駅、南線には27駅があるが、内戦により駅舎などが破壊されておりまともに機能しておらず、交換設備はいくつかの駅にあるが、運転本数が少ないため利用されていなかった。車両基地と鉄道工場はプノンペン1箇所である。全線単線非電化で、閉塞も事実上全線1閉塞で運転士の注意力に頼って運転されていた。軌条は37 - 40 kgレールを使用し、軸重は最大15 tである。

内戦で施設に大きな被害を受けた上、軌道敷に地雷が敷設されたり沿線がスラム化したりなどで立ち入りが危険な場所もあることから保線作業がろくに行われておらず、軌道の荒廃がひどくなっていた[6]

北線

北線は首都プノンペンを起点に北西方向へ走っている。全線に渡りほぼ平坦で、橋梁が175箇所、のべ3,794 m存在する。老朽化と損傷が著しく、早急に架け替えが必要な橋も多数存在していた。 2018年にプノンペンからポイペトまでの全区間(385 km)が再開。途中の主要経由地はバッダング(Batdaung、プノンペンから31 km)、プルサト(Pursat、同160 km)、バタンバン(同273 km)。

また、タイ国境を越えた先のアランヤプラテート(プノンペンから390 km)からはタイ国有鉄道が運行されており、1974年に両国の関係が悪化して分断されるまではこの区間も接続して運行が行われていた[3]。この経路を利用すると、両国の首都であるプノンペン・バンコク間は延長655 kmであった。2015年には「南部経済回廊」の一環としてこの区間の再接続が両国間で合意され、2019年4月22日より実際に運行が再開された。

南線

南線はプノンペンから9.4 kmのところにあるフォーク (Fork) で北線から分岐してシアヌークビルまでの267 km(プノンペン - フォークは重複計算)の路線である。途中の主要経由地はタケオ(プノンペンから75 km)、カンポット(同166 km)である。勾配がわずかに存在し、橋梁は97箇所とカルバートが488箇所の合計337 mがある。南線の橋は開通が新しいことから北線に比べれば状況が良好である。

カンボジアで唯一の深水港を有す重要港湾として経済特区(SEZ)に指定されているシアヌークビルは、中国が推し進める「一帯一路」構想による投資拡大の影響で近代化が目覚ましく、また“第二のマカオ”とも称され中国からの観光客が急増するなどリゾート化が顕著である[7]。そこで、このプノンペン・シアヌークビル間に高速鉄道を建設するプロジェクトが、中国によって計画されている[2]

空港線

2017年、プノンペン国際空港までの支線が建設された。105Kストリート上にレールを敷設した併用軌道となったため、住民による反対運動が起こった[8][9]

2018年4月10日、プノンペン・ロイヤル駅からプノンペン国際空港駅までの支線が開業した[10][11]。所要時間は約30分、運賃は10,000リエル、または2.5ドル。開業当初、気動車+客車1両による運行であったが、メキシコ製の新型気動車 AS1000 に置き換えられた。プノンペン駅構内南側に、専用の乗降場も設置された。

2020年7月より運休し[12]、レールは埋められている[13]

運行

プノンペン駅のホーム

2005年8月改正のダイヤによれば、北線は1日3本、南線は1日1本の列車が設定されていることになっていたが、貨物輸送量が減少していることから実際には輸送する貨物が集まり次第運行という状況であった。輸送品目は北線がセメント、南線がセメントに加え石油が中心であった。

旅客列車については2005年8月のダイヤ改正で北線のみ1週間に1回に削減された。 南線の旅客列車は旅客減少が激しく山賊に襲撃されるなどの治安問題もあって、2016年に再開されるまで打ち切られていた。 北線の旅客列車は毎週土曜日にプノンペン6時20分発、バタンバン17時57分着、その折り返しで毎週日曜日にバタンバン6時40分発、プノンペン20時40分着で運行されているが、遅延が酷くまともに時刻表通りに運行できないほか、車両の都合などで運休が多発していた。治安状況が悪いため、沿線の治安状況を見て随時運行が決定されるという有様であった。

旅客列車も混合列車として運行されている。地雷に当たった時の旅客への被害を避けるための名残で、終点の駅で組成替えをして必ず客車が列車の最後尾になるようにして運転している。貨物列車であっても貨車に乗車する旅客が多く見受けられており、このことから南線の旅客利用も物理的には可能な状況である。

並行している国道がよく整備されており、一般の足はバスに移行して、鉄道は一般的な交通機関とは言い難い状況となっていた。特に治安状況から外国人の利用は困難な状況で、外国人に対する案内も殆どなく、現地のクメール語を理解できなければ利用は困難であった。

2009年11月現在、週一往復していたプノンペンからバタンバン間の定期列車も完全に運休状態となっていたようで、同区間で使用していた客車と機関車はプノンペン駅構内に留置され、特に客車は走行が困難な状態にあった。

2016年より、南線のプノンペンからシアヌークビル間の旅客列車の運行を再開した[14]。金~月曜日、週4往復運行中。約260kmの行程を8時間以上かけて運行されており、利用状況を見ながら本格的な運転に移行するかどうかの是非を検討するという[15]

2018年4月4日セレイ・サオポアンからタイとの国境にあるポイペトまでの列車の運行が再開され、4月29日にはシソポンからバッタンバン間が、5月29日にバッタンバンからプルサット間が、7月4日にはプルサットからプノンペン間が順次再開、1970年代に始まったカンボジア内戦以来となるプノンペンからポイペトまでの直通列車が運行された。その後は週に1本ほど旅客列車が運行されている[16]

このほか、2018年4月10日にはプノンペン国際空港までの支線が開業した[10][11]が、2020年12月までに空港の移転の計画と新型コロナウイルス感染症の影響により廃止された[17]

2022年現在、南線の全線(プノンペン - シアヌークビル)で1日1往復、北線の一部区間(プノンペン - バタンバン)で1日1往復、旅客列車が運行されている[18]。車両は主に空港シャトル路線で使われていたAS1000、ディーゼル機関車+エアコン付き客車、タイから寄贈されたRHNが使われている。

車両

蒸気機関車

動態保存の蒸気機関車が1両 (231-501) あり、不定期に運行が行われている。また136-106がプノンペン駅で静態保存されている。

車番 製造年 メーカー名 軸配置 備考
136-106 2-6-2(1C1) プノンペン駅で静態保存
231-501 1939年 フランス製 4-6-2(2C1) 動態保存

ディーゼル機関車

ディーゼル機関車に関しては7形式がある。

  • BB1000形1968年フランス製セミセンターキャブの4軸機関車で、4両が在籍。予備車となっている。
  • BB1010形1993年チェコスロバキア製のセミセンターキャブ機で4両が在籍する。現行[いつ?]の主力機関車として用いられている。
  • BB1050形1958年フランス製箱型18m級機であり、6両が在籍する。車軸は4軸である。内戦中は装甲板が取り付けられていた。予備車となっており殆ど運用されない。
  • BB1060形は2005年中華人民共和国製で、最新鋭であるがあまり運用されていない。
  • Bde400形は9両あるが、殆ど形式消滅状態となっている
  • Bde410形は2両が導入されている。1993年チェコスロバキア製のセミセンターキャブ機で、旅客ではこの機関車が多く用いられる。
  • YDM4型(en)は、2016年にインド鉄道からマレー鉄道へ貸し出されたインド鉄道YDM4型の一部が、2019年5月にカンボジアに導入されたもので、10両が在籍している[19][注釈 1]。形式名はインド鉄道時代のものを、車番はマレー鉄道時代のものをそれぞれそのまま継承している。2020年現在主に貨物用機関車として運用されている。
プノンペン駅にて貨車の入れ替え作業を行うYDM4型6428号機
形式 車番 製造年 メーカー名 軸配置 備考
BB1000 BB1001-BB1005 1965年 フランス・アルストーム B0-B0
BB1010 BB1010-BB1014 1992年 チェコスロバキア・ČKDプラハチェコ語版 B0-B0 Ç
BB1050 BB1051-BB1056 1969年 フランス・アルストーム製 B0-B0 箱型18 メートル級機
BB1060 2005年 中華人民共和国
Bde400 フランス・アルストーム製 形式消滅状態
Bde410 1993年 チェコスロバキア・ČKDプラハ製
YDM4 6xxx[注釈 2] 1961年 アメリカ・Alco, カナダ・MLW, インド・BLW(en) C0-C0 インド鉄道からマレー鉄道を経てカンボジアに入線

気動車

長らく3両編成2本のZZ800形のみが用いられていたが、2018年9月に空港シャトル路線向けにメキシコ製のAS1000形が[21]、翌2019年4月にはタイから4両(40,45,1035,1038)の気動車(RHN型)が導入されている[22][23]

また、キハ183系11両を購入しており、2024年4月には函館港から輸出されている[24]

形式 車番 製造年 メーカー名 備考
ZZ800 6両 1969年 ドイツ デュワグ[25] ZZ802・804 - 806は客車に改装[25]
RHN 4両 1971年 日本 日立製作所 2019年、タイ国鉄より譲渡
AS1000 3両 2018年 メキシコ フェロビアス・デル・バヒオ(Ferrovías del Bajio)製[26] 2018年の新規導入後、主力車両となる
キハ183 11両 2024年 日本 新潟鐵工所富士重工業日立製作所 現地での呼称は2024年6月5日時点では不明

客車

かつて、客車は多くが非常に荒廃しており、窓ガラスは殆どなく、座席もかなりの部分が失われていた。屋根に穴が開いている車両や、中には床板が抜け落ちて走行中に地面が見える車両もあるなど、非常に危険な状況であった。現在は改修工事が施され、内外装ともに更新され冷房装置も設置された。また座席はロングシートとボックスシートが混在する。

貨車

有蓋車、タンク車、コンテナ車[27]などの貨車が在籍している。

今後の計画

プノンペンからコンポンチャムを経てベトナムとの国境に至る225 km区間は、シンガポール中国昆明とを結ぶ昆明・シンガポール鉄道構想の唯一の欠落区間である[28]。 この区間の鉄道整備の一環として、ベトナムホーチミンまで路線を延長する計画がある。既に協定は締結されており、中国の鉄道建設企業である中国中鉄が、プノンペンのBat Doengからベトナムとの国境にあるロックニンまでの255 kmの鉄道の設計作業を行っている。ロックニンからはホーチミンまで128 kmの路線建設が提案されている[29]

タイおよびベトナムとの鉄道連結が完成した場合にはベトナムの鉄道、更には中華人民共和国の鉄道タイ王国の鉄道マレーシアの鉄道シンガポールの鉄道とも連絡が取れることとなり、昆明 - ハノイ - ホーチミン - プノンペン - バンコク - クアラルンプール - シンガポールといった東南アジア縦断鉄道ができる事となる。国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)は、本計画により国際貨物輸送の高速化が実現するとしている。

この他に、トンレサップ湖の北側を通ってシェムリアップを結ぶ路線や、ラオスと連絡する路線なども提案されている[30]

バンブートレイン

バンブートレインの駅

カンボジア国鉄の路線では列車本数が極めて少なく、しかもその他の公共交通手段も発達していないことから、地元の住民が竹製の板に金属の台車を組み合わせてエンジンを搭載して自作した「バンブートレイン」と呼ばれるトロッコのような車両が勝手にカンボジア国鉄の線路を利用して走り回っている。ブレーキは手で棒を車輪に押し当てる原始的なものである。運賃を徴収して旅客・貨物輸送を不定期に行っており、バタンバン周辺では観光用にもなっている。プノンペン付近では、バッダング駅からプノンペン国際空港付近の踏切まで最高速度20 km/h程度で90分掛けて走るバンブートレインがおり、「空港連絡トロッコ」とも言うべき存在となっている。バンブートレイン同士が線路上で遭遇した時には、荷物や旅客が少ない方が線路上から車両を取り外して譲る了解があり、また正規の列車が走ってきた時には必ず譲ることになっている。

鉄道リハビリプロジェクトの進展に伴って、こうしたバンブートレインの運行者には補償金が支払われ、道路交通への移転促進策が採られている[29]

隣接国との鉄道接続状況

関連項目

脚注

  1. ^ a b “鉄路で⾏くカンボジア 存在感増す中国”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2018年2月15日) 
  2. ^ a b “中国、カンボジア鉄道建設の覚書調印”. AFPBB News (クリエイティヴ・リンク). (2017年5月19日). https://www.afpbb.com/articles/-/3128842 
  3. ^ a b “タイ・カンボジア間、鉄道開通45年ぶり 域内分業活発に”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2019年4月22日) 
  4. ^ Cambodia opens Thai border rail link”. レールウェイ・ガゼット・インターナショナル (2018年4月5日). 2018年4月8日閲覧。
  5. ^ 1ST INTERNATIONAL TRAIN TO CAMBODIA FROM THAILAND ON 18 OCTOBER 2021”. RailTravel Station (2021年10月19日). 20122-04-29閲覧。
  6. ^ 柿崎一郎『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』京都大学学術出版会、2010年。ISBN 978-4-87698-848-8 
  7. ^ “焦点:カンボジアに「第2のマカオ」誕⽣か、中国投資が加速”. ロイター通信 (ロイター). (2017年12月31日) 
  8. ^ “Villagers protest new commuter rail project”. The Phonom Penh Post. (2017年7月19日). https://www.phnompenhpost.com/national/villagers-protest-new-commuter-rail-project 
  9. ^ “Minister assures locals rail won’t disrupt lives”. The Phonom Penh Post. (2017年7月24日). https://www.phnompenhpost.com/national/minister-assures-locals-rail-wont-disrupt-lives 
  10. ^ a b “A ride to the airport on Phnom Penh’s latest mode of public transport” (英語). The Phnom Penh Post. (2018年4月10日). https://www.phnompenhpost.com/business/ride-airport-phnom-penhs-latest-mode-public-transport 
  11. ^ a b “Airport train gives inaugural ride” (英語). Khmer Times. (2018年4月11日). https://www.khmertimeskh.com/50301682/airport-train-gives-inaugural-ride/ 
  12. ^ “Airport shuttle train service may be temporarily halted”. Khmer Times. (2020年7月9日). https://www.khmertimeskh.com/742998/airport-shuttle-train-service-may-be-temporarily-halted/ 
  13. ^ “Airport rail system off track for now”. Khmer Times. (2020年12月8日). https://www.khmertimeskh.com/50790570/airport-rail-system-off-track-for-now/ 
  14. ^ “ロイヤル鉄道、プノンペン~シアヌークビル間を結ぶ旅客鉄道、4月運行”. カンボジア ビジネスパートナーズ. (2016年3月3日). http://business-partners.asia/cambodia/20160303/ 
  15. ^ “カンボジア、旅客列⾞が14年ぶり復活…でも期間限定 260キロを8時間以上で⾛⾏”. 産経新聞 (産業経済新聞社). (2016年4月9日) 
  16. ^ “タイ、カンボジア間の国際鉄道が近く開通 物流やアクセス向上に期待”. SankeiBIZ. (2019年1月22日). https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190122/mcb1901220500007-n1.htm 
  17. ^ Phnom Penh Airport Railway Track Being Removed After Numerous Accidents”. 2021年4月12日閲覧。
  18. ^ Royal Railway Cambodia - Facebook
  19. ^ IRCON YDM4 6000 SERIES LOCOMOTIVE・ROYAL RAILWAY CAMBODIA”. RailTravel Station. 2023年1月20日閲覧。
  20. ^ KTM YDM4 LOCOMOTIVE・DIESEL LOCOMOTIVE WORKS(DLW)”. RailTravel Station. 2023年1月20日閲覧。
  21. ^ “9月にメキシコ製鉄道車両が到着 ”. カンボジア: CAMODIA BUSINESS PARTNERS. (2018年7月19日). http://business-partners.asia/cambodia/syakai-20180719-train/ 
  22. ^ “タイ・カンボジア間の線路接続、道路橋開通”. newsclip.be. (2019年4月22日). http://www.newsclip.be/article/2019/04/22/39542.html 
  23. ^ “Cambodia, Thailand join railroad networks, open cross-border bridge” (英語). Khmer Times. (2019年4月23日). https://www.khmertimeskh.com/50597004/cambodia-thailand-join-railroad-networks-open-cross-border-bridge/ 
  24. ^ “引退のキハ183系、残り11両はカンボジアへ 函館港から15日輸出”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2024年4月11日). https://www.hokkaido-np.co.jp/article/999315/ 2024年4月12日閲覧。 ※会員記事のため、全文の閲覧は会員登録が必要
  25. ^ a b [1]
  26. ^ [2]
  27. ^ カンボジア国における物流の現況と課題” (PDF). JICA (2021年4月13日). 2023年1月20日閲覧。
  28. ^ カンボジア・インフラマップ(日本貿易振興機構プノンペン事務所)2012年3月 (PDF, 250.28 KiB)
  29. ^ a b Rail revival to replace bamboo trains”. レールウェイ・ガゼット・インターナショナル (2010年10月22日). 2010年10月23日閲覧。
  30. ^ カンボジアの投資環境” (PDF) (2010年5月24日). 2010年10月23日閲覧。

注釈

  1. ^ 完全に譲渡されたのかいわゆる又貸し状態になっているのかは不明。
  2. ^ 6343, 6428, 6535, 6546, 6561, 6633, 6635, 6657, 6663, 6697の10両[20]

参考文献

外部リンク