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東京生まれ、父は戦前の漢文教科書を著した佐藤正範(山形出身で旧制高校教師)。[[東京大学|東京帝国大学]]仏文科卒、[[辰野隆]]の門下生。友人に[[齋藤磯雄]]、[[中村光夫]]、[[小林秀雄 (批評家)|小林秀雄]]、[[河上徹太郎]]等がいる。 |
[[東京府]]生まれ、父は戦前の漢文教科書を著した[[佐藤正範]](山形出身で旧制高校教師)。[[東京大学#沿革|東京帝国大学]]仏文科卒、[[辰野隆]]の門下生。友人に[[齋藤磯雄]]、[[中村光夫]]、[[小林秀雄 (批評家)|小林秀雄]]、[[河上徹太郎]]、[[唐木順三]]等がいる。 |
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[[ポール・ヴァレリー]]、[[マルセル・プルースト]]の最初期の紹介者であり、生涯にわたり『ヴァレリー全集』([[筑摩書房]])の編さん校訂、翻訳・監修を担当。[[シャルル・ボードレール|ボードレール]]、[[ジェラール・ド・ネルヴァル|ネルヴァル]]の翻訳研究でも著名。『[[ジョゼフ=シャルル・マルドリュス|マルドリュス版]] [[千夜一夜物語|千一夜物語]]』は、共訳版(岩波文庫)を経て、単独訳(筑摩書房)を行った。なお |
[[ポール・ヴァレリー]]、[[マルセル・プルースト]]の最初期の紹介者であり、生涯にわたり『ヴァレリー全集』([[筑摩書房]])の編さん校訂、翻訳・監修を担当。[[シャルル・ボードレール|ボードレール]]、[[ジェラール・ド・ネルヴァル|ネルヴァル]]の翻訳研究でも著名。『[[ジョゼフ=シャルル・マルドリュス|マルドリュス版]] [[千夜一夜物語|千一夜物語]]』は、共訳版([[岩波文庫]])を経て、単独訳(筑摩書房)を行った。なお前者の岩波版により、[[渡辺一夫]]らと読売文学賞(第11回)を受賞した。 |
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1949年より[[明治大学]]教授、1956年に数年間[[パリ]]留学し現地でも講義した。1972年に[[紫綬褒章]]。『ボードレール雑話』により、2度目の[[読売文学賞]](第26回、研究・翻訳賞)を受賞したが、同年秋に食道ガンで没した。直前に[[カトリック教会|カトリック]]の[[洗礼]]を受け、葬儀は自宅のある[[鎌倉]]の教会で行なわれた。没後に蔵書6000冊が明治大学図書館に収蔵された。 |
1949年より[[明治大学]]教授、1956年に数年間[[パリ]]留学し現地でも講義した。1972年に[[紫綬褒章]]。『ボードレール雑話』により、2度目の[[読売文学賞]](第26回、研究・翻訳賞)を受賞したが、同年秋に食道ガンで没した。直前に[[カトリック教会|カトリック]]の[[洗礼]]を受け、葬儀は自宅のある[[鎌倉]]の教会で行なわれた。没後に蔵書6000冊が明治大学図書館に収蔵された。 |
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==著書== |
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*『[[ポール・ヴァレリー|ヴァレリイ]]篇 世界文豪読本』[[第一書房]]、1938 |
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*:復刻版、3巻組で |
*:復刻版、3巻組で『世界文豪読本全集』クレス出版、2001 |
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*『[[シャルル・ボードレール|ボードレール]] 鑑賞世界名詩選』[[筑摩書房]]、1956 |
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*『ボードレール雑話』筑摩書房、1974 |
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*『フランス文学雑話』(佐藤正彰文集刊行会)、1997 - 非売品 |
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==主な単著訳== |
==主な単著訳== |
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*プルウスト |
*[[マルセル・プルースト|プルウスト]]『[[失われた時を求めて|スワン家の方 失ひし時を索めて]] 1』[[淀野隆三]]共訳、[[武蔵野書院]]、1931 |
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*ポオル・ヴァレリイ |
*ポオル・ヴァレリイ『ヴァリエテ I』[[中島健蔵]]共訳、[[白水社]]、1932、再版1939ほか |
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*ポオル・ヴァレリイ |
*ポオル・ヴァレリイ『[[ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ|ゲエテ]]頌』江川書房、1933、野田書房、1935 |
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**『ボードレール芸術論』[[角川文庫]]、1953 復刊1989 |
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*ヴアレリイほか『[[現代人の形成|現代人の建設]]』知的協力国際協会編、[[創元社]]、1937 |
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*ヴァレリイ『藝術の概念』野田書房、1937。限定冊子150部 |
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*知的協力国際協会編 「現代人の建設」 創元社 1937 |
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*ギュスターヴ・ランソン『文學史の方法』[[白水社]]、1939(佛蘭西文藝思潮叢書) |
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*[[スタンダール]] |
*[[スタンダール]]『[[ナポレオン・ボナパルト|ナポレオン]]伝』(選集)竹村書房 1937、[[弘文堂]]書房 世界文庫 1940、河出書房 1944 |
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*スタンダール |
*スタンダール『[[ジャン・ラシーヌ|ラシーヌ]]と[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]』[[青木書店]] 1939、高桐書院 1949 |
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*ヴァレリイ |
*ヴァレリイ『詩について』 [[創元社]](創元選書)、1940 |
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*『ボードレール全集 第4巻 浪曼派藝術論』[[河出書房新社|河出書房]]、1939 - 全5巻、六隅許六([[渡辺一夫]])装幀 |
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**『ボードレール全集 ロマン派藝術 上・下』河出書房、1947-48 - 第6・7巻で再刊(未完) |
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*ボードレール『母への手紙 上』創元社(創元選書)、1949。下巻は未刊<ref>他に未刊は、[[テオフィル・ゴーティエ]]『ボードレール論』訳書がある。校正刷(210頁)が、国会図書館と明治大学図書館に所蔵。<br />書簡訳は、のち「世界文学大系 ボードレール」筑摩書房に新版収録</ref> |
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*『[[ジョゼフ=シャルル・マルドリュス|マルドリュス版]] [[千一夜物語]]』筑摩書房(世界文学大系73)、1964 |
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*ボードレール「母への手紙」 創元選書(正・続) 1949 |
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**完訳版『千一夜物語 [[世界古典文学全集]]31・32・33・34』筑摩書房、1964-70、復刊 1982、2005ほか |
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***『千一夜物語 マルドリュス版』筑摩書房(全8巻)、1974(上記の分冊版) |
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**「千一夜物語 マルドリュス版」 筑摩書房 全8巻 1974 |
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==主な共編訳== |
==主な共編訳== |
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::「ボオドレエル、クロオデル」を担当 |
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**「12 ジョカストとやせ猫 短篇集」、[[杉捷夫]]と共訳 |
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**『ジイド全集 13』[[新潮社]]、1951 |
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*「デカルト選集 第5・6巻」(共訳)、創元社、1939-40/ 「[[ルネ・デカルト|デカルト]]書簡集」 創元社哲学叢書(上下)、1947 |
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*『[[ルネ・デカルト|デカルト]]選集 第5・6巻』(共編訳)創元社、1939-40 |
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**再版『デカルト書簡集』上・下、創元社(哲学叢書)、1947 |
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佐藤 正彰(さとう まさあき、1905年12月12日 - 1975年11月1日)は、日本のフランス文学者。
生涯
[編集]東京府生まれ、父は戦前の漢文教科書を著した佐藤正範(山形出身で旧制高校教師)。東京帝国大学仏文科卒、辰野隆の門下生。友人に齋藤磯雄、中村光夫、小林秀雄、河上徹太郎、唐木順三等がいる。
ポール・ヴァレリー、マルセル・プルーストの最初期の紹介者であり、生涯にわたり『ヴァレリー全集』(筑摩書房)の編さん校訂、翻訳・監修を担当。ボードレール、ネルヴァルの翻訳研究でも著名。『マルドリュス版 千一夜物語』は、共訳版(岩波文庫)を経て、単独訳(筑摩書房)を行った。なお前者の岩波版により、渡辺一夫らと読売文学賞(第11回)を受賞した。
1949年より明治大学教授、1956年に数年間パリ留学し現地でも講義した。1972年に紫綬褒章。『ボードレール雑話』により、2度目の読売文学賞(第26回、研究・翻訳賞)を受賞したが、同年秋に食道ガンで没した。直前にカトリックの洗礼を受け、葬儀は自宅のある鎌倉の教会で行なわれた。没後に蔵書6000冊が明治大学図書館に収蔵された。
著書
[編集]- 『ヴァレリイ篇 世界文豪読本』第一書房、1938
- 復刻版、3巻組で『世界文豪読本全集』クレス出版、2001
- 『ボードレール 鑑賞世界名詩選』筑摩書房、1956
- 『ボードレール雑話』筑摩書房、1974
- 『フランス文学雑話』(佐藤正彰文集刊行会)、1997 - 非売品
主な単著訳
[編集]- プルウスト『スワン家の方 失ひし時を索めて 1』淀野隆三共訳、武蔵野書院、1931
- ポオル・ヴァレリイ『ヴァリエテ I』中島健蔵共訳、白水社、1932、再版1939ほか
- ポオル・ヴァレリイ『ゲエテ頌』江川書房、1933、野田書房、1935
- 『ボオドレエル藝術論集』中島健蔵共訳、芝書店、1934
- 『ボードレール芸術論』角川文庫、1953 復刊1989
- ヴアレリイほか『精神の将来 欧羅巴精神の将来』芝書店、1936
- ヴアレリイほか『現代人の建設』知的協力国際協会編、創元社、1937
- ヴァレリイ『藝術の概念』野田書房、1937。限定冊子150部
- ネルヴァル『夢と人生』岩波文庫 1937 復刊1983、筑摩書房 1948、創元文庫 1952
- ギュスターヴ・ランソン『文學史の方法』白水社、1939(佛蘭西文藝思潮叢書)
- スタンダール『ナポレオン伝』(選集)竹村書房 1937、弘文堂書房 世界文庫 1940、河出書房 1944
- スタンダール『ラシーヌとシェイクスピア』青木書店 1939、高桐書院 1949
- ヴァレリイ『詩について』 創元社(創元選書)、1940
- 『ボードレール全集 第4巻 浪曼派藝術論』河出書房、1939 - 全5巻、六隅許六(渡辺一夫)装幀
- 『ボードレール全集 ロマン派藝術 上・下』河出書房、1947-48 - 第6・7巻で再刊(未完)
- ジョゼフ・ケッセル『佯りなき心』実業之日本社、1941(佛蘭西文学賞叢書)
- ペロー『ペローおとぎばなし』国立書院 1947、創元社 1954(世界少年少女文学全集)
- 『おやゆびこぞう ペローどうわ』筑摩書房、1955
- ボードレール『エドガア・ポオ』小林秀雄共訳、角川書店(飛鳥新書)、1948
- ボードレール『母への手紙 上』創元社(創元選書)、1949。下巻は未刊[1]
- ポール・ヴァレリー『私の見るところ ヴァリエテ V』寺田透共訳、筑摩書房(筑摩叢書)、1966、復刊1985
- 『マルドリュス版 千一夜物語』筑摩書房(世界文学大系73)、1964
主な共編訳
[編集]- ジャック・リヴィエール『エチユード』(河上徹太郎・富永惣一・小林秀雄共訳)芝書店、1933
- 「ボオドレエル、クロオデル」を担当
- ジイド『文藝評論』 正・続(訳者代表)芝書店、1933
- 『アナトオル・フランス短篇小説全集』 白水社(第4・5・7巻)、1939、復刊1950
- 改訂新版『アナトール・フランス小説集』白水社、2000。各・杉捷夫と共訳
- 『9 クランクビーユ 短篇集』、『10 ジャック・トゥルヌブローシュのコント 短篇集』
『12 ジョカストとやせ猫 短篇集』
- 『ポオル・ヴアレリイ全集』(辰野隆、落合太郎、鈴木信太郎監修)筑摩書房、1942-47。9巻分を刊行
- 『ポオル・ヴァレリイ全集』 筑摩書房(第7・10・11・16巻)、1950-51。上記とは異なった版本
- 『デカルト選集 第5・6巻』(共編訳)創元社、1939-40
- 再版『デカルト書簡集』上・下、創元社(哲学叢書)、1947
- 『千一夜物語』全26巻(豊島与志雄、渡辺一夫、岡部正孝と共訳)岩波文庫、1940-59。第11回読売文学賞受賞
- 改訂版『千一夜物語』全13巻、岩波書店、1982-83、岩波文庫、1988。岡部が改訂
- 『ボードレール評論集』全3巻、創元文庫、1953
- 『ボオドレエル全集 第1巻 悪の華』(齋藤磯雄訳、注解担当)創元社、1954。本巻のみ刊行
- アルベール・ティボーデ『フランス文学史』(平岡昇・鈴木力衛等と共訳)、ダヴィッド社(上・下)、1954/角川文庫(全3巻)、1960
- 『ポール・ヴァレリー 現代世界文学全集25』新潮社、1955
- ポール・ヴァレリー『ヴァリエテ』(全2巻、鈴木信太郎と共編)人文書院、1966。限定版
- 『ヴァレリー全集』 筑摩書房(全12巻)、1967-68、補巻1971。新装版 1973-74。増補版+補巻2 1977-78
- 『ネルヴァル全集3 オーレリア』 筑摩書房(全3巻)、1976
- 『ヴァレリー全集 カイエ篇2 言語』 寺田透と共訳(全9巻)筑摩書房、1982
脚注
[編集]- ^ 他に未刊は、テオフィル・ゴーティエ『ボードレール論』訳書がある。校正刷(210頁)が、国会図書館と明治大学図書館に所蔵。
書簡訳は、のち「世界文学大系 ボードレール」筑摩書房に新版収録
参考文献
[編集]- 『フランス文学雑話』(1997) - 巻末収録の年譜