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'''角島'''(つのしま)は、[[山口県]][[下関市]]豊北町大字角島の[[日本海]]([[響灘]])上にある[[島]]。山口県の北西端。[[北長門海岸国定公園]]に含まれる。
'''角島'''(つのしま)は、[[山口県]][[下関市]]豊北町大字角島の[[日本海]]([[響灘]])上にある[[島]]。山口県の北西端。[[北長門海岸国定公園]]に含まれる。人口726人(平成27年国勢調査)


== 地理 ==
== 地理 ==
[[本州]]とは[[海士ヶ瀬戸]]で隔てられていたが、[[2000年]]に1780mの[[角島大橋]]が竣工。離島へ架けられた一般道路[[橋]]としては群を抜く長さである(沖縄県の[[古宇利大橋]]に次ぎ全国第2位)。島の北西に位置する夢ヶ岬に'''角島灯台'''が立ち、島のシンボルとなっている。戦前は[[下関要塞]]地帯の一角として[[大日本帝国陸軍|旧日本陸軍]]の砲台陣地が置かれていた。現在{{いつ|date=2012年12月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->も一部の遺構が残っている。
牧崎と夢崎の2つの岬がウシの角のように突き出している様から角島と呼ばれた<ref>吉岡一生『[https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA78408512 山口伝説散歩 : 防長写伝]』、NCID BA78408512、2001年、p.39</ref>。[[本州]]とは[[海士ヶ瀬戸]]で隔てられていたが、[[2000年]]に1,780[[メートル]]の[[角島大橋]]が竣工。離島へ架けられた一般道路[[橋]]としては群を抜く長さである。島の北西に位置する夢ヶ岬に'''角島灯台'''が立ち、島のシンボルとなっている。


=== 角島砲台 ===
行政区分上は[[1889年]]の[[町村制]]施行時には[[豊浦郡]]角島村に属し、[[1955年]]の昭和の大合併で豊浦郡[[豊北町]]、2005年の平成の大合併で下関市の一部となる。
戦前は[[下関要塞]]地帯の一角として島の東側の元山集落に[[大日本帝国陸軍|旧日本陸軍]]の角島砲台陣地が置かれていた。ラ式15cmカノン砲4門が装備されていた。観測所、弾薬庫、兵舎、照明所などが置かれた。1939年(昭和14年)7月1日起工。60名の兵が配置されていた。砲台跡と弾薬庫の一部は残されているが、海岸近くの遺構の一部は道路建設のために撤去されている。


=== 角島灯台 ===
=== 角島灯台 ===
{{main|角島灯台}}
多くの灯台を設計した[[アングロ・サクソン人|英国人]]、[[リチャード・ヘンリー・ブラントン]]による、日本海側では初の洋式灯台。[[1876年]]([[明治]]9年)初点灯。高さ43m、光達18[[海里]]。[[レンズ]]は日本でも5箇所<ref>[http://www6.kaiho.mlit.go.jp/tsuruga/toudai/etizen/toudai_cont.htm#toukyu レンズの等級] 敦賀海上保安部 灯台豆知識 2013年10月閲覧</ref>しかない特大の[[フレネルレンズ]]で、[[第1等灯台]]に指定されている<ref>あとの5[[灯台]]は、[[犬吠埼台|犬吠埼]](千葉県)、[[経ヶ岬]](京都府)、[[出雲日御碕台|日御碕]](島根県)、[[室戸岬灯台|室戸岬]](高知県)</ref>。見学も可能な[[参観灯台]]である。
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== 歴史 ==
{{日本の町村 (廃止)
| 廃止日 = 1955年4月1日
| 廃止理由 = 新設合併
| 廃止詳細 = [[神玉村]]、'''角島村'''、[[神田村 (山口県)|神田村]]、[[阿川村]]、[[粟野村 (山口県)|粟野村]]、[[滝部村]]、[[田耕村]]、[[宇賀村]](一部) → [[豊北町]]
| 現在の自治体 = [[下関市]]
| よみがな = つのしまそん
| 自治体名 = 角島村
| 区分 = 村
| 都道府県 = 山口県
| 郡 = [[豊浦郡]]
| 面積 =
| 境界未定 =
| 人口 = 2045
| 人口の出典 = [[国勢調査 (日本)|国勢調査]]
| 人口の時点 = [[1950年]]
| 隣接自治体 =
| 所在地 = 豊浦郡角島村字中村
|座標 = {{Coord|34|21|20.4|N|130|52|3.4|E|type:city(2045)_region:JP-35|display=inline|name=角島村}}
| 位置画像 =
| 特記事項 =
}}
* [[幕末]] - 「[[旧高旧領取調帳]]」の記載によると[[長門国|長門]][[長府藩|府中藩]]領。
* [[明治]]2年[[8月7日 (旧暦)|8月7日]]([[1869年]][[9月12日]]) - 任[[知藩事]]にともない府中藩が改称して'''[[豊浦藩]]'''となる。
* 明治4年[[7月14日 (旧暦)|7月14日]]([[1871年]][[8月29日]]) - [[廃藩置県]]により'''[[豊浦県]]'''の管轄となる。
* [[1889年]](明治22年)4月1日 - [[町村制]]の施行により、[[近世]]以来の[[豊浦郡]]角島が単独で自治体を形成して'''角島村'''となる。
* [[1953年]](昭和28年)[[6月23日]] - 角島の西16kmの海域にアメリカ軍の輸送機が墜落。死者・行方不明者7人<ref>{{Cite book |和書 |editor=日外アソシエーツ編集部 |title=日本災害史事典 1868-2009 |publisher=日外アソシエーツ |year=2010-09-27 |page=92|isbn=9784816922749}}</ref>。
* [[1955年]]([[昭和]]30年)4月1日 - 角島村が[[神玉村]]・[[神田村 (山口県)|神田村]]・[[阿川村]]・[[粟野村 (山口県)|粟野村]]・[[滝部村]]・[[田耕村]]および[[宇賀村]]の一部(北宇賀)と合併して'''[[豊北町]]'''が発足。同町[[大字]]角島となる。
* [[2005年]]([[平成]]17年)[[2月13日]] - 豊北町が下関市・豊浦郡[[菊川町 (山口県)|菊川町]]・[[豊田町 (山口県)|豊田町]]・[[豊浦町 (山口県)|豊浦町]]と合併し、改めて下関市が発足。同市豊北町大字角島となる。


== 観光地 ==
== 観光地 ==
[[File:Tsunoshima Cobalt Blue Beach.jpg|thumb|right|280px|コバルトブルービーチ]]
* [[角島灯台]]
* [[角島灯台]]
* [[角島大橋]]
* [[角島大橋]]
* 角島大浜海水浴場
* 角島大浜海水浴場
* つのしま自然館 - 2003年(平成15年)4月オープン。角島の自然等、様々な角島の情報を発信する施設。

島には[[ハマユウ|ハマオモト]]が群生する。角島大橋開通以後、テレビドラマや映画のロケ地として取り上げられる機会が増えた。[[2005年]]公開の映画『[[四日間の奇蹟]]』がほぼ全編に渡って角島を舞台としたほか、[[2006年]]に放映された[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系ドラマ『[[HERO (テレビドラマ)|HERO]]』のスペシャル版でも主たるロケ地となった<ref>ただし、劇中では「虹ヶ浦」と称されている</ref>。
島には[[ハマユウ|ハマオモト]]が群生する。2000年の角島大橋開通以後、テレビドラマや映画のロケ地として取り上げられる機会が増えた。[[2005年]]公開の映画『[[四日間の奇蹟]]』がほぼ全編に渡って角島を舞台としたほか、[[2006年]]に放映された[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系ドラマ『[[HERO (テレビドラマ)|HERO]]』のスペシャル版でも主たるロケ地となった<ref>ただし、劇中では「虹ヶ浦」と称されている</ref>。


== 交通 ==
== 交通 ==
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== その他 ==
== その他 ==
[[ツノシマクジラ]]の名の由来となった。つのしま自然博物館にツノシマクジラの骨格のレプリカが展示されている。
* [[ツノシマクジラ]]の名の由来となった。つのしま自然博物館にツノシマクジラの骨格のレプリカが展示されている。
* [[平城宮]]跡から発掘された[[木簡]]から角島産の[[ワカメ]]が朝廷に送られていた事が分かり、その内容を刻んだ彫刻碑が展望台にある。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== ギャラリー ==
== ギャラリー ==
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ファイル:Tsunoshima ohashi.JPG|角島大橋(本州側から)
ファイル:Tsunoshima ohashi.JPG|角島大橋(本州側から)
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File:角島大橋IMGP0759.JPG|角島大橋と角島、ほぼ全景、側道から
File:Tsunoshima ohashi 2017-07-29.jpg|角島と角島大橋
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== 関連項目 ==
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* [[山口県の廃止市町村一覧]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Tsunoshima}}
*[http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=342058&l=1305102 国土地理院・地図閲覧サービス:角島]
* [http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=342058&l=1305102 国土地理院・地図閲覧サービス:角島]
*[http://www.shiokazenosato.jp/ しおかぜの里 角島(角島漁協直売所)]
* [https://www.shiokazenosato.jp/ しおかぜの里 角島(角島漁協直売所)]


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2024年6月21日 (金) 07:04時点における最新版

角島

角島の空中写真。
2008年10月16日撮影の15枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
所在地 日本の旗 日本山口県
所在海域 響灘
座標 北緯34度21分14秒 東経130度51分33秒 / 北緯34.35389度 東経130.85917度 / 34.35389; 130.85917座標: 北緯34度21分14秒 東経130度51分33秒 / 北緯34.35389度 東経130.85917度 / 34.35389; 130.85917
面積 4.1 km²
海岸線長 17.1 km
最高標高 66 m
角島の位置(山口県内)
角島
角島
角島 (山口県)
角島の位置(日本内)
角島
角島
角島 (日本)
プロジェクト 地形
テンプレートを表示
角島の空中写真。
この画像は上方が北西方向である。撮影時(1976年)は角島大橋は架橋されていない。1976年撮影の12枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

角島(つのしま)は、山口県下関市豊北町大字角島の日本海響灘)上にある。山口県の北西端。北長門海岸国定公園に含まれる。人口726人(平成27年国勢調査)。

地理[編集]

牧崎と夢崎の2つの岬がウシの角のように突き出している様から角島と呼ばれた[1]本州とは海士ヶ瀬戸で隔てられていたが、2000年に1,780メートル角島大橋が竣工。離島へ架けられた一般道路としては群を抜く長さである。島の北西に位置する夢ヶ岬に角島灯台が立ち、島のシンボルとなっている。

角島砲台[編集]

戦前は下関要塞地帯の一角として島の東側の元山集落に旧日本陸軍の角島砲台陣地が置かれていた。ラ式15cmカノン砲4門が装備されていた。観測所、弾薬庫、兵舎、照明所などが置かれた。1939年(昭和14年)7月1日起工。60名の兵が配置されていた。砲台跡と弾薬庫の一部は残されているが、海岸近くの遺構の一部は道路建設のために撤去されている。

角島灯台[編集]

多くの灯台を設計した英国人リチャード・ヘンリー・ブラントンによる、日本海側では初の洋式灯台。1876年明治9年)初点灯。高さ43m、光達18海里レンズは日本でも5箇所[2]しかない特大のフレネルレンズで、第1等灯台に指定されている[3]。見学も可能な参観灯台である。

歴史[編集]

つのしまそん
角島村
廃止日 1955年4月1日
廃止理由 新設合併
神玉村角島村神田村阿川村粟野村滝部村田耕村宇賀村(一部) → 豊北町
現在の自治体 下関市
廃止時点のデータ
日本の旗 日本
地方 中国地方
都道府県 山口県
豊浦郡
市町村コード なし(導入前に廃止)
総人口 2,045
国勢調査1950年
角島村役場
所在地 山口県豊浦郡角島村字中村
座標 北緯34度21分20.4秒 東経130度52分3.4秒 / 北緯34.355667度 東経130.867611度 / 34.355667; 130.867611 (角島村)
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観光地[編集]

コバルトブルービーチ
  • 角島灯台
  • 角島大橋
  • 角島大浜海水浴場
  • つのしま自然館 - 2003年(平成15年)4月オープン。角島の自然等、様々な角島の情報を発信する施設。

島にはハマオモトが群生する。2000年の角島大橋開通以後、テレビドラマや映画のロケ地として取り上げられる機会が増えた。2005年公開の映画『四日間の奇蹟』がほぼ全編に渡って角島を舞台としたほか、2006年に放映されたフジテレビ系ドラマ『HERO』のスペシャル版でも主たるロケ地となった[5]

交通[編集]

国道191号から山口県道275号島戸港線山口県道276号角島神田線を経由し角島大橋を渡る。

ブルーライン交通山陰本線特牛駅および滝部駅と角島を結ぶ路線バスを運行している。

その他[編集]

  • ツノシマクジラの名の由来となった。つのしま自然博物館にツノシマクジラの骨格のレプリカが展示されている。
  • 平城宮跡から発掘された木簡から角島産のワカメが朝廷に送られていた事が分かり、その内容を刻んだ彫刻碑が展望台にある。

脚注[編集]

  1. ^ 吉岡一生『山口伝説散歩 : 防長写伝』、NCID BA78408512、2001年、p.39
  2. ^ レンズの等級 敦賀海上保安部 灯台豆知識 2013年10月閲覧
  3. ^ あとの4灯台は、犬吠埼(千葉県)、経ヶ岬(京都府)、日御碕(島根県)、室戸岬(高知県)
  4. ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、92頁。ISBN 9784816922749 
  5. ^ ただし、劇中では「虹ヶ浦」と称されている

ギャラリー[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]