コンテンツにスキップ

「落語家の亭号一覧」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
 
(21人の利用者による、間の35版が非表示)
4行目: 4行目:


== 歴史 ==
== 歴史 ==
[[江戸時代]]の[[烏亭焉馬]]が亭号を使った[[落語家]]の始まりだと考えられている。焉馬は[[歌舞伎]]役者の[[市川團十郎 (5代目)|5代目市川團十郎]]とも親しかったことから團十郎をもじって談洲楼、さらに立川など複数の名を名乗った(当時から團十郎は芸の格付けから[[人形浄瑠璃]]の紋下(櫓下)を除けば東都の最高峰だけに霊験かである)。
[[江戸時代]]の[[烏亭焉馬]](うてい えんば)が亭号を使った[[落語家]]の始まりだと考えられている。焉馬は[[歌舞伎]]役者の[[市川團十郎 (5代目)|5代目市川團十郎]]とも親しかったことから團十郎をもじって談洲楼(だんしゅうろう)、さらに立川(たてかわ)など複数の名を名乗った(当時から團十郎は芸の格付けから[[人形浄瑠璃]]の紋下(櫓下)<ref>「もんした」人形浄瑠璃で、一座の代表者。通常は[[太夫]](たゆう)から出た。番付で座元の紋の下に名前が書かれたことからもんしたという。または櫓下(やぐらした)</ref>を除けば東都の最高峰た)。


他に古い歴史を持ち、現在でも多くの落語家が使用している亭号・[[屋号]]には三笑亭、三遊亭、古今亭、金原亭などがある。また、桂は古くから[[上方落語|上方]]の名だが、3代目の[[桂文治]]が[[江戸]]に下り初代[[桂文楽]]を名乗ってから[[江戸落語|江戸]][[落語]]界にも定着したと言われている。
他に古い歴史を持ち、現在でも多くの落語家が使用している亭号・[[屋号]]には三笑亭、三遊亭、古今亭、金原亭などがある。また、桂は古くから[[上方落語|上方]]の名だが、3代目の[[桂文治]]が[[江戸]]に下り初代[[桂文楽]]を名乗ってから[[江戸落語|江戸]][[落語]]界にも定着したと言われている。


亭号・屋号は変化することもある。林家はもともと林屋と書いたが、1890年前後に5代目の[[林家正蔵]]によって「家」が使われるようになった。同じ様な形で、屋号などの読み方は変化せずに字のみが変わった例として、翁家(翁屋)・都家(都屋)・春雨や(春雨家)・三笑亭(山花亭)・笑福亭(松富久亭)・朝寝坊(朝寝房)・昔昔亭(昔々亭)・桃多楼(桃太楼)・橘家(立花屋・橘屋)・三升家(三升屋・三舛家)・雀家(寿々目屋・雀屋)・月の家(月廼家・月之家・月ノ家)・五街道(五海道・五海堂・五開堂)などがある。一方上方にも林屋の一派が存在していたが、江戸(東京)の林屋との混合を避けるためにかなり早い時期に林家になっていた。同じく上方には明治10年代ぐらいまで立川の一派が存在していたがこれは[[香川登志緒]]の説によると「たちかわ」と読ませていたという。亭号の変化に関する面白いエピソードとしては、[[三遊亭小圓朝#3代目|3代目三遊亭小圓朝]]が戦時中に[[講談師]]6代目[[一龍斎貞山]]の薦めにより、船遊亭志ん橋の名跡を「国家存亡の危機時に船遊びはふさわしくない、国威発揚の意味からも勇ましく」という事で、亭号の字を変えて「船勇亭」志ん橋と改名して名乗った例が挙げられる。戦争が終わるとすぐに元の小圓朝に戻っている。
亭号・屋号は変化することもある。林家はもともと林屋と書いたが、1890年前後に5代目の[[林家正蔵]]によって「家」が使われるようになった。同じ様な形で、屋号などの読み方は変化せずに字のみが変わった例として、翁家(翁屋)・都家(都屋)・春雨や(春雨家)・三笑亭(山花亭)・笑福亭(松富久亭)・朝寝坊(朝寝房)・昔昔亭(昔々亭)・桃多楼(桃太楼)・橘家(立花屋・橘屋)・三升家(三升屋・三舛家)・雀家(寿々目屋・雀屋)・月の家(月廼家・月之家・月ノ家)・五街道(五海道・五海堂・五開堂)などがある。一方上方にも林屋の一派が存在していたが、江戸(東京)の林屋との混合を避けるためにかなり早い時期に林家になっていた。同じく上方には明治10年代ぐらいまで立川の一派が存在していたがこれは[[香川登志緒]]の説によると「たちかわ」と読ませていたという。亭号の変化に関する面白いエピソードとしては、[[三遊亭小圓朝#3代目|3代目三遊亭小圓朝]]が戦時中に[[講談師]]6代目[[一龍斎貞山]]の薦めにより、船遊亭志ん橋の[[名跡]]を「国家存亡の危機時に船遊びはふさわしくない、国威発揚の意味からも勇ましく」という事で、亭号の字を変えて「船勇亭」志ん橋と改名して名乗った例が挙げられる。戦争が終わるとすぐに元の小圓朝に戻っている。


他にも、名跡が受け継がれる際に亭号が全く違うものに変えられることもある。麗々亭柳橋の名跡を[[春風亭柳橋 (6代目)|6代目]]が襲名する際に亭号が春風亭に変えられたほか、船遊亭が入船亭に、三升亭が三升家に変わった例などがある。
他にも、名跡が受け継がれる際に亭号が全く違うものに変えられることもある。麗々亭柳橋の名跡を[[春風亭柳橋 (6代目)|6代目]]が[[襲名]]する際に亭号が春風亭に変えられたほか、船遊亭が入船亭に、三升亭が三升家に変わった例などがある。


通常、落語家は一度与えられた亭号(ほとんどが師匠と同じもの)をずっと名乗り続けるのが通例であり、亭号変えられるのは、二つ目や真打に昇進する際に由緒ある名跡を襲名する時か、破門・師匠の死去などの理由より他門に移籍する時などしかない。そのような事情がなく亭号が変えられた例として、[[明石家さんま]]は、[[笑福亭松之助]]に弟子入りしたときには「笑福亭さんま」を名乗っていたが、入門1年後から「明石家」の亭号で活動している。当時松之助は一門の弟子の亭号を「笑福亭」から「明石家」に変更させていた([[橘家圓三|明石家つる松]]、[[五所の家小禄|明石家小禄]]など)こともあり、松之助はさんま以降の入門弟子にも「明石家」の亭号を与えている。ちなみに、松之助の長男である[[明石家のんき]]は、落語家として活動を続けている。
通常、落語家は一度与えられた亭号(ほとんどが師匠と同じもの)をずっと名乗り続けるのが通例であり、亭号変えるのは、[[二つ目]][[真打]]に昇進する際に由緒ある名跡を襲名する時か、[[破門]]・師匠の死去などの理由より他門に移籍する時などしかない。
そのような事情がなく亭号が変えられた例として、[[明石家さんま]]は、[[笑福亭松之助]]に弟子入りしたときには「笑福亭さんま」を名乗っていたが、入門1年後から「明石家」の亭号で活動している。当時松之助は一門の弟子の亭号を「笑福亭」から自身の本名由来の「明石家」に変更させていた([[橘家圓三|明石家つる松]]、[[五所の家小禄|明石家小禄]]など)こともあり、松之助はさんま以降の入門弟子にも「明石家」の亭号を与えている。ちなみに、松之助の長男である[[明石家のんき]]は、落語家として活動を続けている。また、2020年には「なごや雷門」と通称された名古屋拠点の落語家4人が、東京で[[司馬龍生|司馬派]]が使用して以来、約120年使用されず、中日ドラゴンズのイメージにも通じる「登龍亭」の亭号に目を付け「雷門」から「登龍亭」に亭号を変更している。


== あ行 ==
== あ行 ==
18行目: 20行目:
*朝寝坊(あさねぼう) - [[朝寝坊むらく]]
*朝寝坊(あさねぼう) - [[朝寝坊むらく]]
*足引(あしびき) - [[足引清八]]
*足引(あしびき) - [[足引清八]]
*東亭(あずまてい) - 東亭鬼丸(初代[[三遊亭圓生]])
*東亭(あずまてい) - 東亭鬼丸([[三遊亭圓生 (初代)|初代三遊亭圓生]])
*東家(あずまや) - 東家清三郎([[鈴々舎馬風#2代目|2代目鈴々舎馬風]])
*東家(あずまや) - 東家清三郎([[鈴々舎馬風|2代目鈴々舎馬風]])
*吾妻家(あずまや) - 吾妻家璃喜松([[末廣家扇蝶]])
*吾妻家(あずまや) - 吾妻家璃喜松([[末廣家扇蝶]])
*天乃家(あまのや) - [[金原亭生駒|天乃家白馬(現・金原亭生駒)]]
*天乃家(あまのや) - [[金原亭生駒|天乃家白馬(現・金原亭生駒)]]
25行目: 27行目:
*一輪亭(いちりんてい) - [[一輪亭花咲]]
*一輪亭(いちりんてい) - [[一輪亭花咲]]
*一品舎(いっぴんしゃ) - 一品舎黄猫(初代[[司馬龍斎]])
*一品舎(いっぴんしゃ) - 一品舎黄猫(初代[[司馬龍斎]])
*田舎(いなか) - [[烏亭焉馬#その他焉馬|田舎焉馬]]([[桂文吾]]の師匠)
*田舎(いなか) - [[烏亭焉馬#その他焉馬|田舎焉馬]]
*いなせ家(いなせや) - [[いなせ家半七]]
*いなせ家(いなせや) - [[いなせ家半七]]
*入舟(いりふね) - [[入舟辰乃助]]
*入舟(いりふね) - [[入舟辰乃助]]
31行目: 33行目:
*入船亭(いりふねてい) - [[入船亭扇橋]]
*入船亭(いりふねてい) - [[入船亭扇橋]]
*浮世(うきよ) - 浮世戸平([[土橋亭里う馬 (9代目)|9代目土橋亭里う馬]])
*浮世(うきよ) - 浮世戸平([[土橋亭里う馬 (9代目)|9代目土橋亭里う馬]])
*浮世亭(うきよてい) - 浮世亭写楽([[三笑亭可楽#9代目(当代)|9代目三笑亭可楽]])
*浮世亭(うきよてい) - 浮世亭写楽([[三笑亭可楽 (9代目)|9代目三笑亭可楽]])
*宇治(うじ) - 宇治新口(2代目[[立川談志]])
*宇治(うじ) - 宇治新口(2代目[[立川談志]])
*宇治川(うじがわ) - 宇治川馬黒([[金原亭馬生 (3代目)|3代目金原亭馬生]])
*宇治川(うじがわ) - 宇治川馬黒([[金原亭馬生 (3代目)|3代目金原亭馬生]])
*臼井(うすい) - 臼井杵蔵([[三笑亭可楽#2代目|2代目三笑亭可楽]])
*臼井(うすい) - 臼井杵蔵([[三笑亭楽]])
*うつしゑ(うつしえ) - 初代うつしえ都楽
*うつしゑ(うつしえ) - うつしえ都楽
*烏亭(うてい) - [[烏亭焉馬]]
*烏亭(うてい) - [[烏亭焉馬]]
*梅の家(うめのや) - 梅の家東司([[五明楼輔#2代目|2代目五明楼玉輔]])
*梅の家(うめのや) - 梅の家東司([[玉の家梅翁]])
*雲龍亭(うんりゅうてい) - 雲龍亭雨花
*英人(えいじん) - 英人ブラック([[快楽亭ブラック (初代)|初代快楽亭ブラック]])
*英人(えいじん) - 英人ブラック([[快楽亭ブラック (初代)|初代快楽亭ブラック]])
*英国屋(えいこくや) - 英国屋志笑([[快楽亭ブラック (2代目)|2代目快楽亭ブラック]])
*英国屋(えいこくや) - 英国屋志笑([[快楽亭ブラック (2代目)|2代目快楽亭ブラック]])
50行目: 53行目:
*おきらく亭(おきらくてい) - [[はち好|おきらく亭はち好]]
*おきらく亭(おきらくてい) - [[はち好|おきらく亭はち好]]


== か行 ==
== か行==

*快楽亭(かいらくてい) - [[快楽亭ブラック]]
*快楽亭(かいらくてい) - [[快楽亭ブラック]]
*花翁亭(かおうてい) - [[三遊亭扇馬|花翁亭扇馬]]
*花翁亭(かおうてい) - [[三遊亭扇馬|花翁亭扇馬]]
*葛鹿(かつしか) - 葛鹿武左衛門(初代林屋正蔵)
*葛鹿(かつしか) - 葛鹿武左衛門([[林家正蔵|初代林屋正蔵]]
*桂(かつら) - [[桂文治]]
*桂(かつら) - [[桂文治]]
*勝羅(かつら) - [[勝羅里寿]]
*勝羅(かつら) - [[勝羅里寿]]
66行目: 70行目:
*雷門(かみなりもん)- [[雷門助六]]
*雷門(かみなりもん)- [[雷門助六]]
*川上(かわかみ) - [[川上秋月]]
*川上(かわかみ) - [[川上秋月]]
*川柳(かわやなぎ) - [[川柳川柳]]
*川柳(かわやなぎ) - [[川柳川柳|川柳つくし]]
*菅(かん) - [[菅良助]]
*菅(かん) - [[菅良助]]
*神田(かんだ) - 神田志ら玉([[三遊亭金朝]])
*騎江亭(きえてい) - 騎江亭芝楽([[柳亭左楽#5代目|5代目柳亭左楽]])
*騎江亭(きえてい) - 騎江亭芝楽([[柳亭左楽#5代目|5代目柳亭左楽]])
*喜久亭(きくてい) - [[喜久亭寿楽]]
*喜久亭(きくてい) - [[喜久亭寿楽]]
75行目: 78行目:
*金魚家(きんぎょや) - 金魚家錦魚([[立川龍志]])
*金魚家(きんぎょや) - 金魚家錦魚([[立川龍志]])
*金原亭(きんげんてい) - [[金原亭馬生]]
*金原亭(きんげんてい) - [[金原亭馬生]]
*錦笑亭(きんしょうてい)-[[錦笑亭満堂]]
*禽語楼(きんごろう) - [[禽語楼小さん (2代目)|2代目禽語楼小さん]]([[柳家小さん]])
*禽語楼(きんごろう) - 禽語楼小さん([[柳家禽語楼]])
*圭喜亭(けいきてい) - 圭喜亭文團治(3代目[[桂文團治]])
*圭喜亭(けいきてい) - 圭喜亭文團治(3代目[[桂文團治]])
*乾坤坊(けんこんぼう) - [[乾坤坊良斎]]([[菅良助]])
*乾坤坊(けんこんぼう) - [[乾坤坊良斎]]([[菅良助]])
95行目: 99行目:


== さ行 ==
== さ行 ==
*西國坊(さいこくぼう) - 西國坊學丸([[桂文雀]])
*斎藤(さいとう)- [[斎藤太郎左衛門]]
*斎藤(さいとう)- [[斎藤太郎左衛門]]
*桜川(さくらがわ)- [[桜川慈悲成]]
*桜川(さくらがわ)- [[桜川慈悲成]]
*桜家(さくらや)- 桜家花好([[梅花楼寿鶴]])
*桜家(さくらや)- 桜家花好([[梅花楼寿鶴]])
*三光斎(さんこうさい) - 三光斎源吾([[桂文吾#2代目|2代目桂文吾]])
*三光斎(さんこうさい) - 三光斎源吾([[桂文吾|2代目桂文吾]])
*三笑亭(さんしょうてい) - [[三笑亭可楽]]
*三笑亭(さんしょうてい) - [[三笑亭可楽]]
*山松亭(さんしょうてい) - [[橘家圓喬|山松亭圓喬]]
*山松亭(さんしょうてい) - [[橘家圓喬|山松亭圓喬]]
*山亭(さんてい) - 山亭馬久二([[土橋亭里う馬 (7代目)|7代目土橋亭里う馬]])
*山亭(さんてい) - 山亭馬久二([[土橋亭里う馬 (7代目)|7代目土橋亭里う馬]])
*三遊(さんゆう) - [[三遊亭一朝|三遊一朝]]
*三遊(さんゆう) - [[三遊亭一朝|三遊一朝]]
*三遊亭(さんゆうてい) - [[三遊亭圓生]]
*[[三遊亭]](さんゆうてい)
*山遊亭(さんゆうてい) - [[山遊亭金太郎]]
*山遊亭(さんゆうてい) - [[山遊亭金太郎]]
*三友亭(さんゆうてい)
*三友亭(さんゆうてい)
111行目: 116行目:
*地獄亭(じごくてい) - 地獄亭圓魔([[桂文慶]])
*地獄亭(じごくてい) - 地獄亭圓魔([[桂文慶]])
*自笑亭(じしょうてい) - [[自笑亭里楽]]
*自笑亭(じしょうてい) - [[自笑亭里楽]]
*舌切亭(したきりてい) - 舌切亭すずめ([[桂文雀]]
*舌切亭(したきりてい) - 舌切亭すずめ(桂文雀)
*紫檀楼(したんろう) - [[紫檀楼古喜]]
*紫檀楼(したんろう) - [[紫檀楼古喜]]
*七昇亭(しちしょうてい) - [[七昇亭花山文]]
*七昇亭(しちしょうてい) - [[七昇亭花山文]]
127行目: 132行目:
*春秋亭(しゅんじゅうてい) - 春秋亭草露(春夏亭草露)
*春秋亭(しゅんじゅうてい) - 春秋亭草露(春夏亭草露)
*春勢亭(しゅんせいてい) - 春勢亭柳好([[春風亭柳好]])
*春勢亭(しゅんせいてい) - 春勢亭柳好([[春風亭柳好]])
*春亭(しゅんてい) - 春亭文枝([[三笑亭可楽#7代目|7代目三笑亭可楽]])
*春亭(しゅんてい) - 春亭文枝([[三笑亭可楽 (7代目)|7代目三笑亭可楽]])
*春風(しゅんぷう)
*春風(しゅんぷう)
*春風舎(しゅんぷうしゃ) - 春風舎痴楽(5代目柳亭左楽)
*春風舎(しゅんぷうしゃ) - 春風舎痴楽(5代目柳亭左楽)
135行目: 140行目:
*笑寿亭(しょうじゅてい)
*笑寿亭(しょうじゅてい)
*猩々亭(しょうじょうてい) - 猩々亭左楽
*猩々亭(しょうじょうてい) - 猩々亭左楽
*松竹亭(しょうちくてい) - 松竹亭梅花([[曽呂利新左衛門#二世 曽呂利 新左衛門|二世曽呂利新左衛門]])
*松竹亭(しょうちくてい) - 松竹亭梅花([[曽呂利新左衛門#二世 曽呂利新左衛門|二世曽呂利新左衛門]])
*笑亭(しょうてい) - 笑亭桃朗([[春風亭扇枝]])
*笑亭(しょうてい) - 笑亭桃朗([[春風亭扇枝]])
*松竹楼(しょうちくろう) - [[春風亭梅橋|松竹楼梅橋]]
*松竹楼(しょうちくろう) - [[春風亭梅橋|松竹楼梅橋]]
142行目: 147行目:
*松緑亭(しょうろくてい) - [[松柳亭鶴枝|松緑亭鶴枝]]
*松緑亭(しょうろくてい) - [[松柳亭鶴枝|松緑亭鶴枝]]
*蜃気楼(しんきろう) - [[蜃気楼龍玉]]
*蜃気楼(しんきろう) - [[蜃気楼龍玉]]
*新吟亭(しんぎんてい) - 新吟亭年誌([[笑福亭圓笑 (3代目)|3代目笑福亭圓笑]])
*新笑亭(しんしょうてい) - [[新笑亭夢楽]]
*新笑亭(しんしょうてい) - [[新笑亭夢楽]]
*信用亭(しんようてい) - [[信用亭きん好]]
*信用亭(しんようてい) - [[信用亭きん好]]
*水魚亭(すいぎょてい) - 水魚亭魯石([[石井宗寂]]
*水魚亭(すいぎょてい) - 水魚亭魯石(石井宗寂)
*末廣家(すえひろや) - 末廣家扇蝶
*末廣家(すえひろや) - 末廣家扇蝶
*菅(すが) - 菅良助
*菅(すが) - 菅良助
151行目: 157行目:
*鈴の家(すずのや) - [[鈴の家馬勇]]
*鈴の家(すずのや) - [[鈴の家馬勇]]
*雀家(すずめや) - [[雀家翫之助]]
*雀家(すずめや) - [[雀家翫之助]]
*雀々屋(すずめや) - 初代雀屋翫之助
*雀々屋(すずめや) - 雀々屋翫之助(初代雀屋翫之助
*隅田川(すみだがわ) - [[隅田川馬石]]
*隅田川(すみだがわ) - [[隅田川馬石]]
*寿遊亭(じゅゆうてい) - [[寿遊亭扇松]]
*寿遊亭(じゅゆうてい) - [[寿遊亭扇松]]
163行目: 169行目:
*浅草亭(せんそうてい) - 浅草亭馬道([[金原亭馬生 (9代目)|9代目金原亭馬生]])
*浅草亭(せんそうてい) - 浅草亭馬道([[金原亭馬生 (9代目)|9代目金原亭馬生]])
*全亭(ぜんてい) - [[全亭武生]]
*全亭(ぜんてい) - [[全亭武生]]
*洗湯亭(せんゆてい) - 洗湯亭さん助(初代[[桂ざこば]])
*洗湯亭(せんゆてい) - 洗湯亭さん助([[桂ざこば (初代)|初代桂ざこば]])
*船遊亭(せんゆうてい) - [[船遊亭扇橋]]
*船遊亭(せんゆうてい) - [[船遊亭扇橋]]
*扇遊亭(せんゆうてい) - 扇遊亭金三([[三遊亭圓遊#3代目|3代目三遊亭圓遊]])
*扇遊亭(せんゆうてい) - 扇遊亭金三([[三遊亭圓遊#3代目|3代目三遊亭圓遊]])
*千羊舎(せんようしゃ) - [[千羊舎万玉]]
*千羊舎(せんようしゃ) - [[千羊舎万玉]]
*川柳亭(せんりゅうてい) - 川柳亭かっぱ([[全亭武生#当代|全亭武生]])
*川柳亭(せんりゅうてい) - 川柳亭かっぱ([[全亭武生]])
*曽呂利(そろり) - [[曽呂利新左衛門]]
*曽呂利(そろり) - [[曽呂利新左衛門]]
*惣領(そうりょう) - [[惣領甚六]]
*惣領(そうりょう) - [[惣領甚六]]
189行目: 195行目:
*團柳楼(だんりゅうろう) - 團柳楼燕枝([[談洲楼燕枝 (初代)|初代談洲楼燕枝]])
*團柳楼(だんりゅうろう) - 團柳楼燕枝([[談洲楼燕枝 (初代)|初代談洲楼燕枝]])
*竹林亭(ちくりんてい) - 竹林亭虎生(2代目三遊亭圓生)
*竹林亭(ちくりんてい) - 竹林亭虎生(2代目三遊亭圓生)
*忠犬亭(ちゅうけんてい) - 忠犬亭はち公([[はち好|おきらく亭はち好]]
*忠犬亭(ちゅうけんてい) - 忠犬亭はち公(おきらく亭はち好)
*蝶花楼(ちょうかろう) - [[蝶花楼馬楽]]
*蝶花楼(ちょうかろう) - [[蝶花楼馬楽]]
*銚優亭(ちょうゆうてい) - [[三遊亭圓龍|銚優亭圓龍]]
*銚優亭(ちょうゆうてい) - [[三遊亭圓龍|銚優亭圓龍]]
199行目: 205行目:
*月廼家(つきのや) - [[月の家圓鏡|月廼家圓鏡]]
*月廼家(つきのや) - [[月の家圓鏡|月廼家圓鏡]]
*佃家(つくだや) - [[佃家白魚]]
*佃家(つくだや) - [[佃家白魚]]

*佃屋(つくだや) - 佃屋白魚
*露の(つゆの) - [[露の五郎]]
*露の(つゆの) - [[露の五郎]]
*つるや - [[つるや萬助]]
*つるや - [[つるや萬助]]
*Tー(てぃー) - Tー遊方([[月亭遊方]])
*Tー(てぃー) - Tー遊方([[月亭遊方]])
*鉄扇楼(てっせんろう) - 鉄扇楼鼠遊([[桂文慶]])
*都川(とがわ) - [[都川扇太郎]]
*都川(とがわ) - [[都川扇太郎|都川歌太郎]]([[柳家小さん (3代目)|3代目柳家小さん]])
*桃月庵(とうげつあん) - [[桃月庵白酒]]
*桃月庵(とうげつあん) - [[桃月庵白酒]]
*桃源亭(とうげんてい) - 桃源亭さん生([[桂小春団治#初代|初代桂小春団治]])
*桃源亭(とうげんてい) - 桃源亭さん生([[桂小春団治|初代桂小春団治]])
*桃寿庵(とうじゅあん) - 桃寿庵清翁坊(初代立川ぜん馬)
*桃寿庵(とうじゅあん) - 桃寿庵清翁坊(初代立川ぜん馬)
*桃寿亭(とうじゅてい)
*桃寿亭(とうじゅてい)
*東生亭(とうしょうてい) - [[三笑亭世楽|東生亭世楽]]
*東生亭(とうしょうてい) - [[三笑亭世楽|東生亭世楽]]
*登龍亭(とうりゅうてい) - [[登龍亭鱗生]]、[[登龍亭獅篭]]
*登龍亭(とうりゅうてい) - [[登龍亭獅篭]]
*土橋亭(どきょうてい) - [[土橋亭里う馬]]
*土橋亭(どきょうてい) - [[土橋亭里う馬]]
*徳永(とくなが) - [[徳永里朝]]
*徳永(とくなが) - [[徳永里朝]]
222行目: 229行目:
*梅花楼(ばいかろう)- 梅花楼寿鶴
*梅花楼(ばいかろう)- 梅花楼寿鶴
*梅松亭(ばいしょうてい) - [[梅松亭竹寿]]
*梅松亭(ばいしょうてい) - [[梅松亭竹寿]]
*橋本(はしもと) - 橋本川柳([[三遊亭圓馬#3代目|3代目三遊亭圓馬]])、橋本円三([[橘家圓三#当代|橘家圓三]])
*橋本(はしもと) - 橋本川柳([[三遊亭圓馬#3代目|3代目三遊亭圓馬]])、橋本円三([[橘家圓三#経歴|橘家圓三]])
*八光(はっこう)
*八光(はっこう)
*八光亭(はっこうてい) - [[八光亭春輔]]
*八光亭(はっこうてい) - [[八光亭春輔]]
231行目: 238行目:
*花の家(はなのや) - 花の家蝶福(初代[[林家小染]])
*花の家(はなのや) - 花の家蝶福(初代[[林家小染]])
*はやし家(はやしや) - [[はやし家林蔵]]
*はやし家(はやしや) - [[はやし家林蔵]]
*林家(はやしや) - 林家正蔵
*林家(はやしや) - [[林家正蔵]]
*春風(はるかぜ) - 春風やなぎ
*春風(はるかぜ) - 春風やなぎ
*春か是(はるかぜ) - 春か是柳(春風やなぎ)
*春か是(はるかぜ) - 春か是柳(春風やなぎ)
*春柳(はるやなぎ) - 春柳小燕路(司馬龍生(浦島四郎))
*春柳(はるやなぎ) - 春柳小燕路(司馬龍生(浦島四郎))
*春雨や(はるさめや) - [[春雨や雷蔵]]
*春雨や(はるさめや) - [[春雨や雷蔵 (4代目)|春雨や雷蔵]]
*春の家(はるのや) - 春の家柳舛(俗に[[柳家つばめ (初代)|初代柳家つばめ]])
*春の家(はるのや) - 春の家柳舛(俗に[[柳家つばめ (初代)|初代柳家つばめ]])
*坂東(ばんどう) - [[坂東政吉]]
*坂東(ばんどう) - [[坂東政吉]]
242行目: 249行目:
*福の家(ふくのや) - 福の家宗太郎([[林家正三#5代目|5代目林家正三]])
*福の家(ふくのや) - 福の家宗太郎([[林家正三#5代目|5代目林家正三]])
*福寿庵(ふくじゅあん) - 福寿庵可重([[三笑亭可楽#4代目|4代目三笑亭可楽]])
*福寿庵(ふくじゅあん) - 福寿庵可重([[三笑亭可楽#4代目|4代目三笑亭可楽]])
*藤原(ふじわら) - 藤原年史([[笑福亭圓笑 (3代目)|3代目笑福亭圓笑]]
*藤原(ふじわら) - 藤原年史(3代目笑福亭圓笑)
*文の家(ふみのや) - [[文の家かしく#上方|2代目文の家かしく]]([[笑福亭福松#3代目|3代目笑福亭福松]])
*文の家(ふみのや) - [[文の家かしく]]
*舞遊亭(ぶゆうてい) - [[舞遊亭扇蝶]]
*舞遊亭(ぶゆうてい) - [[舞遊亭扇蝶]]
*古蔵(ふるぞう) - 古蔵宝輔([[桂枝太郎#2代目|2代目桂枝太郎]])
*古蔵(ふるぞう) - 古蔵宝輔([[桂枝太郎#2代目|2代目桂枝太郎]])
*弁財亭(べんざいてい) - [[弁財亭和泉]]
*北山亭(ほくざんてい) - [[北山亭メンソーレ]]


== ま行・や行 ==
== ま行・や行 ==
262行目: 271行目:
*むかし家(むかしや) - [[むかし家今松]]
*むかし家(むかしや) - [[むかし家今松]]
*夢月亭(むげつてい) - [[夢月亭清麿]]
*夢月亭(むげつてい) - [[夢月亭清麿]]
*睦月家(むつきや) - 睦月家林蔵(後色物に転向し、紙切り[[林家正楽#江戸落語|初代林家正楽]])
*睦月家(むつきや) - 睦月家林蔵(後色物に転向し、紙切り[[林家正楽#江戸初代|初代林家正楽]])
*睦ノ(むつみの) - 睦ノ五郎(8代目雷門助六)
*睦ノ(むつみの) - 睦ノ五郎(8代目雷門助六)
*睦の(むつみの) - [[睦の三郎]]
*睦の(むつみの) - [[睦の三郎]]
290行目: 299行目:
*鈴々舎(れいれいしゃ) - [[鈴々舎馬風]]
*鈴々舎(れいれいしゃ) - [[鈴々舎馬風]]
*麗々亭(れいれいてい) - [[春風亭柳好|麗々亭柳好]]
*麗々亭(れいれいてい) - [[春風亭柳好|麗々亭柳好]]
*鈴々轡(れいれいひ) - 鈴々轡馬勇の家馬勇
*連城亭(れんじょうてい) - 連城亭玉童([[五明楼玉輔#2代目|2代目五明楼玉輔]])
*連城亭(れんじょうてい) - 連城亭玉童([[五明楼玉輔#2代目|2代目五明楼玉輔]])
*若柳(わかやなぎ) - [[若柳燕嬢]]
*若柳(わかやなぎ) - [[若柳燕嬢]]
296行目: 306行目:
*青柳(あおやなぎ?) - [[青柳華嬢]]
*青柳(あおやなぎ?) - [[青柳華嬢]]
*赤毛亭(あかげてい?) - [[赤毛亭馬丈]]
*赤毛亭(あかげてい?) - [[赤毛亭馬丈]]
*旭家(あさひや?)- 旭家風樂
*一月家(いちげつや?) - 一月家林蔵([[橘家林喬]])
*一月家(いちげつや?) - 一月家林蔵([[橘家林喬]])
*一月亭(いちげつてい?)
*一月亭(いちげつてい?)
304行目: 315行目:
*玉鱗庵(ぎょくりんあん?)玉鱗庵呑山([[呑山老]])
*玉鱗庵(ぎょくりんあん?)玉鱗庵呑山([[呑山老]])
*桂治亭(けいじてい?)
*桂治亭(けいじてい?)
*言成亭(げんせいてい?) - 言成亭長歌
*古原亭(こげんてい) - 古原亭市馬
*古原亭(こげんてい) - 古原亭市馬
*松葉亭(しょうようてい?)
*松葉亭(しょうようてい?)
*如龍亭(じょりゅうてい?) - [[如龍亭馬若]]
*如龍亭(じょりゅうてい?) - [[如龍亭馬若]]
*新古亭(しんこてい?)
*新古亭(しんこてい?)
*上下亭(じょうかてい?) - 上下亭中也
*立川(たちかわ?) - [[立川三光]](明治初期に断絶し空いたままになっている上方落語の亭号。江戸落語の亭号「立川」とは関係が無い。)
*立川(たちかわ?) - [[立川三光]](明治初期に断絶し空いたままになっている上方落語の亭号。江戸落語の亭号「立川」とは関係が無い。)
*鷹亭(たかてい)- 鷹亭市樂
*中橋連(ちゅうきょうれん?) - 中橋連芳丸(5代目三笑亭可楽)
*中橋連(ちゅうきょうれん?) - 中橋連芳丸(5代目三笑亭可楽)
*鉄扇楼(てっせんろう?) - 鉄扇楼鼠遊(桂文慶)
*鉄扇楼(てっせんろう?) - 鉄扇楼鼠遊(桂文慶)
*吐月峯(とげつほう) - 吐月峯世楽
*二月亭(にげつてい?)
*二月亭(にげつてい?)
*梅亭(ばいてい?) - [[梅亭金鵝]]
*梅亭(ばいてい?) - [[梅亭金鵝]]
*被告(ひこく) - 被告福田([[快楽亭ブラック (2代目)|2代目快楽亭ブラック]])<ref group="注釈">ブラックが自主公演等の非公式な場でのみ2020年から2021年にかけて名乗っていた亭号</ref>
*北桂舎(ほっけいしゃ?) - [[北桂舎|北桂舎(亭号?名前?)]]
*北桂舎(ほっけいしゃ?) - [[北桂舎|北桂舎(亭号?名前?)]]
*升々亭(ますますてい?)
*升々亭(ますますてい?)
*萬笑亭(まんしょうてい?) - [[萬笑亭亀楽]]、萬笑亭扇幸(初代五明楼玉輔)
*萬笑亭(まんしょうてい?) - [[萬笑亭亀楽]]、萬笑亭扇幸(初代五明楼玉輔)
*三升堂(みますどう?) - [[三升堂七十翁]]
*三升堂(みますどう?) - [[三升堂七十翁]]
*鈴々轡(れいれいひ) - [[の家馬勇|々轡馬勇]]
*吐月峯(とげつほう) - 吐月峯世楽
*白毛舎 - 白毛舎猿馬([[三遊亭圓馬#花枝房圓馬|三遊亭圓馬]])
*白毛舎 - 白毛舎猿馬([[三遊亭圓馬#花枝房圓馬|三遊亭圓馬]])
*花林 - 初代[[花林花鏡]]
*花林 - 初代[[花林花鏡]]
324行目: 338行目:
== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
{{Notelist}}
{{Notelist}}
=== 出典 ===
=== 出典 ===
342行目: 356行目:
[[Category:屋号]]
[[Category:屋号]]
[[Category:日本の称号]]
[[Category:日本の称号]]
[[Category:日本関連一覧]]
[[Category:日本の文化の一覧]]
[[Category:文化の一覧]]

2024年6月26日 (水) 10:36時点における最新版

落語家の亭号一覧(らくごかのていごういちらん)では、落語家の亭号を一覧に記す。亭号とは、落語家芸名(高座名)のうち、苗字にあたる部分のこと。

入門した弟子は師匠の亭号をもらい、の部分は自分個人のもの(師匠が命名する場合が多い)を名乗る。亭号を変えたり、昇進時に師匠と異なる亭号を名乗ったりすることもある。苗字ではないので、落語家に対して「桂さん」「立川さん」のように呼びかけたり表現したりすることはない[注釈 1]

歴史[編集]

江戸時代烏亭焉馬(うてい えんば)が亭号を使った落語家の始まりだと考えられている。焉馬は歌舞伎役者の5代目市川團十郎とも親しかったことから團十郎をもじって談洲楼(だんしゅうろう)、さらに立川(たてかわ)など複数の名を名乗った(当時から團十郎は芸の格付けから人形浄瑠璃の紋下(櫓下)[1]を除けば東都の最高峰であった)。

他に古い歴史を持ち、現在でも多くの落語家が使用している亭号・屋号には三笑亭、三遊亭、古今亭、金原亭などがある。また、桂は古くから上方の名だが、3代目の桂文治江戸に下り初代桂文楽を名乗ってから江戸落語界にも定着したと言われている。

亭号・屋号は変化することもある。林家はもともと林屋と書いたが、1890年前後に5代目の林家正蔵によって「家」が使われるようになった。同じ様な形で、屋号などの読み方は変化せずに字のみが変わった例として、翁家(翁屋)・都家(都屋)・春雨や(春雨家)・三笑亭(山花亭)・笑福亭(松富久亭)・朝寝坊(朝寝房)・昔昔亭(昔々亭)・桃多楼(桃太楼)・橘家(立花屋・橘屋)・三升家(三升屋・三舛家)・雀家(寿々目屋・雀屋)・月の家(月廼家・月之家・月ノ家)・五街道(五海道・五海堂・五開堂)などがある。一方上方にも林屋の一派が存在していたが、江戸(東京)の林屋との混合を避けるためにかなり早い時期に林家になっていた。同じく上方には明治10年代ぐらいまで立川の一派が存在していたがこれは香川登志緒の説によると「たちかわ」と読ませていたという。亭号の変化に関する面白いエピソードとしては、3代目三遊亭小圓朝が戦時中に講談師6代目一龍斎貞山の薦めにより、船遊亭志ん橋の名跡を「国家存亡の危機時に船遊びはふさわしくない、国威発揚の意味からも勇ましく」という事で、亭号の字を変えて「船勇亭」志ん橋と改名して名乗った例が挙げられる。戦争が終わるとすぐに元の小圓朝に戻っている。

他にも、名跡が受け継がれる際に亭号が全く違うものに変えられることもある。麗々亭柳橋の名跡を6代目襲名する際に亭号が春風亭に変えられたほか、船遊亭が入船亭に、三升亭が三升家に変わった例などがある。

通常、落語家は一度与えられた亭号(ほとんどが師匠と同じもの)をずっと名乗り続けるのが通例であり、亭号を変えるのは、二つ目真打に昇進する際に由緒ある名跡を襲名する時か、破門・師匠の死去などの理由より他門下に移籍する時などしかない。

そのような事情がなく亭号が変えられた例として、明石家さんまは、笑福亭松之助に弟子入りしたときには「笑福亭さんま」を名乗っていたが、入門1年後から「明石家」の亭号で活動している。当時松之助は一門の弟子の亭号を「笑福亭」から自身の本名由来の「明石家」に変更させていた(明石家つる松明石家小禄など)こともあり、松之助はさんま以降の入門弟子にも「明石家」の亭号を与えている。ちなみに、松之助の長男である明石家のんきは、落語家として活動を続けている。また、2020年には「なごや雷門」と通称された名古屋拠点の落語家4人が、東京で司馬派が使用して以来、約120年使用されず、中日ドラゴンズのイメージにも通じる「登龍亭」の亭号に目を付け「雷門」から「登龍亭」に亭号を変更している。

あ行[編集]

か行[編集]

さ行[編集]

た行[編集]

な行・は行[編集]

ま行・や行[編集]

ら行・わ行[編集]

  • 鯉昇亭(りしょうてい)初代鯉昇亭栄橋
  • 鯉遊亭(りゆうてい) - 鯉遊亭談志(3代目立川談志)
  • 柳亭(りゅうてい) - 柳亭燕路
  • 柳桜亭(りゅうおうてい)
  • 柳花荘(りゅうかそう) - 柳花荘乱歩
  • 流俗亭(りゅうぞくてい) - 流俗亭玖蝶、流俗亭珍重(初代朝寝坊夢羅久)
  • 林々舎(りんりんしゃ) - 林々舎馬勇
  • 麗香亭(れいかてい) - 麗香亭柳鳥(2代目麗々亭柳好
  • 鈴々舎(れいれいしゃ) - 鈴々舎馬風
  • 麗々亭(れいれいてい) - 麗々亭柳好
  • 鈴々轡(れいれいひ) - 鈴々轡馬勇(鈴の家馬勇)
  • 連城亭(れんじょうてい) - 連城亭玉童(2代目五明楼玉輔
  • 若柳(わかやなぎ) - 若柳燕嬢

その他・不明[編集]

  • 青柳(あおやなぎ?) - 青柳華嬢
  • 赤毛亭(あかげてい?) - 赤毛亭馬丈
  • 旭家(あさひや?)- 旭家風樂
  • 一月家(いちげつや?) - 一月家林蔵(橘家林喬
  • 一月亭(いちげつてい?)
  • 海立亭(かいりってい?) - 海立亭龍門(桂藤龍
  • 雁の家(かりのや?) - 雁の家小さん(春風亭小さん)
  • 木根亭(きねてい?) - 木根亭山楽(春風亭柳賀
  • 九一軒(きゅういっけん?) - 九一軒林好
  • 玉鱗庵(ぎょくりんあん?)玉鱗庵呑山(呑山老
  • 桂治亭(けいじてい?)
  • 言成亭(げんせいてい?) - 言成亭長歌
  • 古原亭(こげんてい) - 古原亭市馬
  • 松葉亭(しょうようてい?)
  • 如龍亭(じょりゅうてい?) - 如龍亭馬若
  • 新古亭(しんこてい?)
  • 上下亭(じょうかてい?) - 上下亭中也
  • 立川(たちかわ?) - 立川三光(明治初期に断絶し空いたままになっている上方落語の亭号。江戸落語の亭号「立川」とは関係が無い。)
  • 鷹亭(たかてい)- 鷹亭市樂
  • 中橋連(ちゅうきょうれん?) - 中橋連芳丸(5代目三笑亭可楽)
  • 鉄扇楼(てっせんろう?) - 鉄扇楼鼠遊(桂文慶)
  • 吐月峯(とげつほう) - 吐月峯世楽
  • 二月亭(にげつてい?)
  • 梅亭(ばいてい?) - 梅亭金鵝
  • 被告(ひこく) - 被告福田(2代目快楽亭ブラック[注釈 2]
  • 北桂舎(ほっけいしゃ?) - 北桂舎(亭号?名前?)
  • 升々亭(ますますてい?)
  • 萬笑亭(まんしょうてい?) - 萬笑亭亀楽、萬笑亭扇幸(初代五明楼玉輔)
  • 三升堂(みますどう?) - 三升堂七十翁
  • 白毛舎 - 白毛舎猿馬(三遊亭圓馬
  • 花林 - 初代花林花鏡

脚注[編集]

  1. ^ 但し、議会の議員を務める落語家が高座名で議員として活動している場合、議会内で「(亭号)議員」と呼び掛けたり本人が「○○党(会)の(亭号)です」と自己紹介する事がある。
  2. ^ ブラックが自主公演等の非公式な場でのみ2020年から2021年にかけて名乗っていた亭号

出典[編集]

  1. ^ 「もんした」人形浄瑠璃で、一座の代表者。通常は太夫(たゆう)から出た。番付で座元の紋の下に名前が書かれたことからもんしたという。または櫓下(やぐらした)

参考文献[編集]

関連項目[編集]