コンテンツにスキップ

「ラテン文字」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
やんも (会話 | 投稿記録)
→‎19世紀以降のラテン文字化: 表記を簡潔に読みやすく修正。
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 改良版モバイル編集
m Bot作業依頼#Cite webテンプレートのdeadlink、deadlinkdate引数の移行
(23人の利用者による、間の40版が非表示)
1行目: 1行目:
{{出典の明記|date=2021年2月}}
{{出典の明記|date=2021年2月}}
{{Infobox WS
{{Infobox WS
|name=ラテン文字
| name = ラテン文字
|type=[[アルファベット]]
| type = [[アルファベット]]
|languages=[[西ヨーロッパ|西欧]]・[[中央ヨーロッパ|中欧]]の諸言語、ほか世界各地の言語
| languages = [[ロマンス諸語]]、[[西ゲルマン語群]]、[[西ヨーロッパ|西欧]]・[[中央ヨーロッパ|中欧]]の諸言語、ほか世界各地の言語
|time=紀元前7世紀から現在
| time = [[紀元前7世紀]]から[[現在]]
|fam1=[[原カナン文字]]
| fam1 = [[原カナン文字]]
|fam2=[[フェニキア文字]]
| fam2 = [[フェニキア文字]]
|fam3=[[ギリシア文字]](一部[[エトルリア文字]])
| fam3 = [[ギリシア文字]](一部[[エトルリア文字]])
|sisters=[[キリル文字]]<br>[[コプト文字]]<br>[[ルーン文字]]
| sisters = [[キリル文字]]<br>[[コプト文字]]<br>[[ルーン文字]]
|sample=Latin_alphabet.svg
| sample = Latin_alphabet.svg
|image_size=200px
| image_size = 200px
| caption = [[百科事典]]を意味する{{Lang-en|''[[wikt:encyclopedia|Encyclopedia]]''|links=no}}<br>[[書体]]は上が[[ローマン体]]、下が[[イタリック体]]
|iso15924=Latn
| iso15924 = Latn
}}
}}
{{音素文字}}
{{音素文字}}
{{読み仮名|'''ラテン文字'''|ラテンもじ}}({{lang-la-short|abecedarium Latinum}}、{{lang-en-short|Latin alphabet}}、'''ラテンアルファベット''')は、[[ラテン語]]などを表記するの[[アルファベット]](それぞれの文字[[子音]][[母音]]を表す)である。'''ローマ文字'''、'''ローマ字'''({{lang-it-short|alfabeto Romano}}、{{lang-en-short|Roman alphabet|links=no}})とも呼ばれる。元来[[ラテン語]]文字で、古代[[ラテン人]][[ローマ]]が用
'''ラテン文字'''ラテンもじ{{Lang-la-short|abecedarium Latinum}}、{{Lang-en-short|Latin alphabet}}、'''ラテンアルファベット''')は、[[ラテン語]]や[[英語]]などの[[子音]]か、まは[[母音]]表記に用い、[[アルファベット]]に類する[[文字]]である。元来、ラテン語の文字であり、古代[[ラテン人]]つまり、広義の[[ローマ人]]が用いたことから'''ローマ文字'''(ローマもじ)、'''ローマ字'''(ローマじ、{{Lang-it-short|alfabeto Romano}}、{{Lang-en-short|Roman alphabet|links=no}})とも呼ばれる。今日、[[人間社会|人類社会]]で最も使用者人口が多い文字である。なお[[日本語]]において[[ローマ]]えば、転じて日本語のラテン文字による[[転写 (言語学)|転写]]を指すことが一般である


== 概要 ==
基本的な表記法は、文字を右書きで横に並べることで[[語|単語]]を表記し、そのまま並べることで[[文章]]を構成する。単語間は[[分かち書き]]する。
ラテン文字は一般に[[表音文字]]、特に[[音素文字]]のアルファベットとして用いる。また、表記法はたとえば英語では、文字を'''[[右書き]]'''で横に並べ、単語と単語の間に[[スペース]]({{Lang|en|''space''}})と称される空白をはさむことで'''[[分かち書き]]'''をし、その単語を並べて[[文]]を構成する。また、文の終わりに'''ピリオド'''や'''フル・ストップ'''({{Lang-en-us-short|''period''}}、{{Lang-en-gb-short|''full stop''}}、終止符)などと呼ばれる[[終止符]]などの[[役物]]を打つことで文の終了を示す。このほかの多くの言語でも同様に、横に右書きし、空白で分かち書きをするなどし、言語によってはさらに'''[[リガチャ]]'''({{Lang-en-short|''ligature''}})などと称される[[合字]]や'''[[ダイアクリティカルマーク]]'''({{Lang-en-short|''diacritical mark''}})などと称される[[発音記号]]などのついた文字を併せて用いる。


古来、ラテン文字は、[[西ヨーロッパ]]や[[中央ヨーロッパ]]の諸言語(例えば[[イタリア語]]や[[スペイン語]]、[[ポルトガル語]]、[[フランス語]]、英語、[[ドイツ語]]、[[ポーランド語]]など)で使われていたが、[[近代]]以降はこれら以外にも使用言語が多い(詳細は後述の[[#19世紀以降のラテン文字化]]を参照されたい)。たとえば[[トルコ共和国]]においては[[1928年]]以降、[[トルコ語]]の表記を「''近代化''」するため、従前の[[アラビア文字]]に替えてラテン文字を用いた[[トルコ語アルファベット]]が使われる<ref>{{Cite book |和書 |author=梶茂樹 |title=事典世界のことば141 |edition=初版第1刷 |date=2009-04-20 |publisher=[[大修館書店]] |language=ja |isbn=9784469012798 |ncid=BA89745081 |page=266 |location=東京 |author2=中島由美 |author2-link=中島由美 |author3=林徹 |author3-link=林徹 (言語学者)}}</ref>。
今日、人類社会で最も解読者人口が多い文字である。


古来、[[西ヨーロッパ|西欧]]や[[中央ヨーロッパ|中欧]]の諸言語<ref group="注">[[イタリア語]]、[[英語]]、[[スペイン語]]、[[フランス語]]、[[ポーランド語]]、[[ポルトガル語]]、[[ドイツ語]]など</ref>使われているが、[[近代]]以降はこれら以外にも使用言語が多だし発音の文字への表記方法は各言語ごとに異なっており、同じ綴りでも言語によって違う発音をすることはラテン文字においては珍しくない。英語など、古い時代表記法が定められた言語においては表記と発音の間の乖離も大きなものとなってきている<ref>世界の文字を楽しむ小事典」p124-128 町田和彦編 大修館書店 2011年11月15日初版第1刷</ref>。
文字は表音文字るが、広くさまざまな言語で用られ結果、発音の文字への表記方法自体は各[[言語]]ごとに異なっており、同じ[[スペル|綴り]]でも言語によって異なる発音をすること珍しくない。他方、広い[[時代]]で用いられ続けた結果、英語など、古い時代から[[表記法]]を受け継ぐ言語においては、[[スペル|表記]][[発音]]の間の[[wikt:乖離|乖離]]も大きなものとなってきている<ref>{{Cite book |和書 |author=町田和彦 |author-link=町田和彦 |title=世界の文字を楽しむ小事典 |edition=初版第1刷 |date=2011-11-15 |publisher=大修館書店 |language=ja |isbn=9784469213355 |ncid=BB07474128 |pages=124-128 |location=東京}}</ref>。


==日本語における呼称==
== 日本語における呼称 ==
[[日本語]]における「'''''[[wikt:ローマ字|ローマ字]]'''''」という呼称は、ラテン文字の別名であるが、日本語のラテン文字を用いた[[転写 (言語学)|音訳]]や[[翻字]]による表記法「'''[[ローマ字]]'''」の呼称でもあるため、どちらの意味なのかやや紛らわしく、前者を指して'''''[[wikt:ローマ文字|ローマ文字]]'''''と呼び分けることもある。
[[日本語]]で単に「アルファベット」と言うと、[[ギリシア文字]]や[[キリル文字]]など他の文字体系ではなくラテン文字を指すことが多い。


<!-- 日本語における呼称として -->[[漢字]]で表記する場合は、[[日本産業規格]] (JIS) の規格票において、「'''''[[wikt:欧字|欧字]]'''''(おうじ)」という表現が見られる。このほか特に、ラテン文字のうち[[基本ラテン文字|基本26文字]]({{Lang-en-short|''basic Latin alphabet''|links=no}}、ベーシックラテン・アルファベット)は英語の表記に用いることから「'''''[[wikt:英字|英字]]'''''(えいじ)」と呼び、よく「''[[wikt:英字新聞|英字新聞]]''」などの語において用いる{{Efn2|なお、他の言語に対し同様の表現が使われることはまれであり、たとえば[[外国地名および国名の漢字表記一覧|漢字略称]]で「''[[wikt:仏語|仏語]]''」とされるフランス語の表記に用いても、フランス語で用いていることを強調しない場合は「''[[wikt:仏字|仏字]]''」などとは呼ばない。したがってフランス語で書かれていることがさほど重要ではない場合、ひとまとめに「''英字''」と称することさえ珍しくない。}}。
「[[ローマ字]]」はラテン文字の別名だが、日本語をラテン文字で表記する表記法もローマ字と呼ぶ。


また、ラテン文字の基本26文字については「'''''[[wikt:アルファベット|アルファベット]]'''''」と呼ぶことも一般的であるが、これは英語の{{Lang|en|''alphabet''}}を[[片仮名]]で[[音訳]]したものであり、[[イギリス人]]や[[アメリカ人]]をはじめとする[[英語圏]]の人々と同じく、[[日本人]]や[[日本]]の[[英語教育]]の場などにおいては、'''英語の表記のための文字'''、つまり結果として[[基本ラテン文字]]を指すことが多い。
基本26文字を英語の表記に使ったとき、「'''英字'''」と呼び、特に「英字新聞」という語でよく使われる。他の言語に対し同様の表現(「仏字」など)が使われることはまれである。


他方、日本語における呼称として一般でないが、[[ドイツ人]]をはじめとする[[ドイツ語圏]]の人々と同じく、日本人のドイツ語学習者の間では、ドイツ語の発音にならう「'''''[[wikt:アルファベート|アルファベート]]'''''」と呼ぶことで、基本26文字に'''[[ウムラウト]]'''と呼ばれるダイアクリティカルマークのついた文字や'''[[エスツェット]]'''と称されるリガチャなども加えた「'''[[ドイツ語アルファベット]]'''」を指す。また、[[フランス人]]をはじめとする[[フランス語圏]]の人々と同じく、日本人のフランス語学習者の間では、フランス語の発音にならう「'''''[[wikt:アルファベ|アルファベ]]'''''」と呼ぶことで、フランス語の表記に用いる'''[[アクサンテギュ]]'''や'''[[アクサングラーヴ]]'''、'''[[セディーユ]]'''などの[[アクセント記号]]などをつけた文字やその他のリガチャなどを加えた「'''[[フランス語#アルファベ|フランス語アルファベット]]'''」を指す。
「'''欧字'''」という表現が、[[日本産業規格]] (JIS) の規格票に見られる。
{{関連記事|アルファベット|アルファベート|アルファベ}}


==使用言語==
== 使用言語 ==
{{色}}
===19世紀以前===
本来は、[[ラテン語]]のための文字である。このため、ラテン語を公用語とする[[ローマ帝国]]の勢力伸長とともにラテン文字の使用圏も拡大していったが、ギリシア語を使用する帝国東部においては文字もギリシア文字が主流となっていた。[[395年]]のローマ帝国の東西分裂後、[[東ローマ帝国]]はギリシア語化していったが、[[西ローマ帝国]]はラテン語を使用し続け、文字もラテン文字を引き続き使用していた。西ローマ帝国はゲルマン民族の大移動などによって衰退していき[[476年]]に滅亡するが、この地域に侵入したゲルマン人たちはラテン語とラテン文字を行政言語として使用するようになり、やがて彼らの祖語であるゲルマン諸語もラテン文字によって表記するようになっていった。またこのころから力を強めていった[[カトリック教会|ローマ教会]]はラテン語を典礼用語としており、それを表記するためのラテン文字も[[西方教会]]圏全域に広まっていき、西方教会圏の諸言語を表記するためにラテン文字が転用されるようになった。こうして[[中世]]以降は、[[俗ラテン語]]に由来する[[ロマンス諸語]]のみならず、[[西ヨーロッパ|西欧]]・[[中央ヨーロッパ|中欧]]の[[西方教会]]([[カトリック教会|カトリック]]・[[プロテスタント]])地域のほぼ全ての言語でラテン文字が使われるようになった。[[ゲルマン語派]]、[[スラヴ語派]]の一部、[[バルト語派]]、[[ケルト語派]]、[[バスク語]]、[[ウラル語族]]の一部などである。


=== 古代から中世まで ===
{|class=wikitable
古代のラテン文字は、最初期の[[古ラテン語]]から[[共和政ローマ#共和政期|共和制ローマ]]以降の[[古典ラテン語]]において用いられた。また、中世のラテン文字は、[[古代ローマ#東西分離後|ローマ帝国の東西分裂以降]]も[[ゲルマン人]]の言語や[[キリスト教]]の[[典礼言語]]の表記に用いられることで、さらに広まっていった。
!系統!!含まれる19世紀以前にラテン文字を使用していた欧州諸言語の例(五十音順)
|-
|ロマンス諸語||[[イタリア語]]、[[スペイン語]]、[[フランス語]]、[[ポルトガル語]]など(ただし当初は[[ルーマニア語]]を除く)
|-
|ゲルマン語派||[[アイスランド語]]、[[英語]]、[[オランダ語]]、[[スウェーデン語]]、[[デンマーク語]]、[[ノルウェー語]]、[[ドイツ語]]など
|-
|スラヴ語派||[[クロアチア語]]、[[スロヴァキア語]]、[[スロヴェニア語]]、[[チェコ語]]、[[ポーランド語]]など
|-
|バルト語派||[[ラトビア語]]、[[リトアニア語]]
|-
|ケルト語派||[[アイルランド語]]など
|-
|ウラル語族||[[エストニア語]]、[[ハンガリー語]]、[[フィンランド語]]など
|}


==== 古代 ====
[[ファイル:Latin alphabet world distribution.svg|thumb|left|350px|{{legend|green|ラテン文字のみ使用}}{{legend|lime|ラテン文字と他の文字を併用}}]]
{{関連記事|古ラテン語アルファベット}}
ラテン文字は本来、その名があらわす通り、[[ラテン語]]の表記に用いる文字として成立した。このため、ラテン語を[[公用語]]とする[[ローマ帝国]]の勢力が伸長するとともにラテン文字の使用圏も拡大していった。しかし、[[ギリシア語]]を使用する帝国の東部においては、文字も[[ギリシア文字]]が主流であった。


[[395年]]の[[ローマ帝国#帝国の分裂|ローマ帝国の東西分裂]]以降、[[東ローマ帝国]]においてギリシア語化が進む一方で、[[西ローマ帝国]]はラテン語を使用し続け、文字もラテン文字を引き続き使用していた。
===19世紀以降のラテン文字化===
[[近代]]以降、西ヨーロッパの諸国が勢力を強めていき、19世紀には世界の大半を植民地化するようになった。この植民地列強は[[ロシア帝国]]と[[大日本帝国]]を除きすべてがラテン文字の使用国であり、このためラテン文字は世界で最も使用される文字となった。この西欧の覇権の影響を受け、19世紀には西方教会圏の諸言語以外の言語においてもラテン文字を採用する言語が多く表れるようになった。このラテン文字化には、もともと文字を持たない言語が新たに文字を採用するものと、すでにもっていた文字をラテン文字に切り替えたものがあった。


==== 中世 ====
特に文字を持たない言語が新たに正書法を定める場合、ほとんどの場合ラテン文字が採用された。こうした無文字言語社会に積極的に接触する者にはカトリック・プロテスタントの[[キリスト教]]の[[宣教師]]が多く、彼らは布教のために現地語のラテン文字表記の正書法および文法を整備したからである<ref>「図説 アジア文字入門」p102 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所編 河出書房新社 2005年4月30日初版発行</ref>。ラテン文字が表音文字であり、各地の言語を表記しやすかったこともこの変化を進める一因となった<ref>『図説 世界の文字とことば』 町田和彦編 19頁。河出書房新社 2009年12月30日初版発行 ISBN 978-4309762210</ref>。ラテン文字は文字数が26文字と他の文字に比べて非常に少なく、簡便であったことも導入を後押しした。もっとも文字数が少ないことは表記できる発音が少ないことと表裏一体であり、こうした発音を文字としてあらわすために各言語は新しい文字や声調記号などを新たに開発してラテン文字表記につけ加えるようになった。無文字言語のラテン文字化は[[アフリカ]]や[[オセアニア]]などで特に広く行われ、多くの言語がラテン文字による正書法を定められるようになった。
西ローマ帝国は、[[ゲルマン民族の大移動]]などにより衰退してゆくことで[[476年]]に事実上の[[西ローマ帝国#西ローマ帝国の「滅亡」|滅亡]]を迎えたとされるが、この地域に侵入した[[ゲルマン人]]たちはラテン語とラテン文字を[[行政言語]]として使用するようになり、やがて彼らの[[祖語]]である[[ゲルマン諸語]]もラテン文字によって表記するようになっていった。また、このころから力を強めていった[[カトリック教会|ローマ教会]]は[[中世ラテン語#キリスト教のラテン語|中世ラテン語]]を[[教会ラテン語]]と称して[[典礼言語]]にしており、それを表記するためのラテン文字も[[西方教会]]圏全域に広まっていき、西方教会圏の諸言語を表記するためにラテン文字が転用されるようになった。


こうして[[中世]]以降は、[[俗ラテン語]]に由来する[[ロマンス諸語]]のみならず、[[西ヨーロッパ]]や[[中央ヨーロッパ]]の[[カトリック教会|カトリック]]や[[プロテスタント]]を含む西方教会地域のほぼ全ての言語でラテン文字が使われるようになった。具体的には[[ゲルマン語派]]と[[スラヴ語派]]の一部、[[バルト語派]]や[[ケルト語派]]、加えて[[バスク語]]や[[ウラル語族]]の一部などである。
ヨーロッパ以外の地域においてもともと文字を持っていた言語がラテン文字に切り替えた場合、多くは西洋[[列強]]による[[植民地]]化を経た地域の言語において行われた。こうした言語においてもカトリック・プロテスタントの[[宣教師]]によって各言語に相当するラテン文字表記の正書法が開発されたことは同じであるが、その後西欧列強の支配をうける中で支配層の言語であるラテン文字の表記が広まり、従来の言語においてもラテン文字で表記するようにしたほうが便利となったためである。ただし宗主国がラテン文字化を推進したわけでは必ずしもなく、インドやアラブ圏などのように植民地支配を受けても使用文字を変更しなかった地域も多い。


{| class="wikitable mw-collapsible" style="word-break: keep-all;"
こうして近代以降にラテン文字に切り替えた言語には、[[インドネシア語]]([[ジャウィ文字]])、[[ベトナム語]]([[漢字]]・[[チュノム]])、[[タガログ語]](アラビア文字・[[アリバタ]])、[[マレー語]](ジャウィ文字)、[[スワヒリ語]](アラビア文字)などがある(カッコ内はラテン文字化以前の文字)。この例外は[[トルコ語]]であり、[[オスマン帝国]]は植民地化を受けていなかったものの、これに代わって[[トルコ共和国]]を建国した[[ケマル・アタチュルク]]が近代化を目指して使用文字の変更を決定し、[[1928年]]に[[アラビア文字]]から置き換えられたものである<ref>「図説 アジア文字入門」p105 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所編 河出書房新社 2005年4月30日初版発行</ref><ref>『図説 世界の文字とことば』 町田和彦編 61頁。河出書房新社 2009年12月30日初版発行 ISBN 978-4309762210</ref>。
|+[[18世紀]]までにラテン文字を使用していたヨーロッパの諸言語の例(五十音順)
! 系統 !! 言語
|-
| [[ロマンス諸語]] || {{Flatlist | class = hlist-comma |
*[[イタリア語]]
*[[スペイン語]]
*[[フランス語]]
*[[ポルトガル語]]など
**ただし当初は[[ルーマニア語]]を除く}}
|-
| [[ゲルマン語派]] || {{Flatlist | class = hlist-comma |
*[[アイスランド語]]
*[[英語]]
*[[オランダ語]]
*[[スウェーデン語]]
*[[デンマーク語]]
*[[ノルウェー語]]
*[[ドイツ語]]など}}
|-
| [[スラヴ語派]] || {{Flatlist | class = hlist-comma |
*[[クロアチア語]]
*[[スロヴァキア語]]
*[[スロヴェニア語]]
*[[チェコ語]]
*[[ポーランド語]]など}}
|-
| [[バルト語派]] || {{Flatlist | class = hlist-comma |
*[[ラトビア語]]
*[[リトアニア語]]}}
|-
| [[ケルト語派]] || {{Flatlist | class = hlist-comma |
*[[アイルランド語]]など}}
|-
| [[ウラル語族]] || {{Flatlist | class = hlist-comma |
*[[エストニア語]]
*[[ハンガリー語]]
*[[フィンランド語]]など}}
|}


[[ファイル:Latin alphabet world distribution.svg|thumb|350px|{{Legend|green|ラテン文字のみ使用}}{{Legend|lime|ラテン文字と他の文字を併用}}]]
またヨーロッパでも、18世紀以降になると西方教会地域でない地域においてもラテン文字化が一部で進められるようになった。[[ルーマニア語]]は[[正教会]]圏であったためにキリル文字を使用していたが、[[18世紀]]以降民族主義の高まりによりラテン文字化運動が広がっていき、[[1859年]]から[[1860年]]にかけて正式にラテン文字が採用されることとなった<ref>「バルカンを知るための66章 第2版」p272 柴宜弘編著 明石書店 2016年1月31日第2版第1刷</ref>。[[アルバニア語]]においてはラテン文字をはじめギリシア文字やアラビア文字など各種表記法が混在していたが、1908年にラテン文字による表記が正式に決定した<ref>「バルカンを知るための66章 第2版」p269-270 柴宜弘編著 明石書店 2016年1月31日第2版第1刷</ref>。


===旧ソ連地域におけるラテン文字化===
=== 近代以降のラテン文字化 ===
{{詳細記事|ラテン文字化}}
旧[[ソビエト連邦|ソ連]]の諸言語の表記は当初ラテン文字を採用していたものの、1940年に[[キリル文字]]が採用され、ソ連内の多くの言語でキリル文字が使用されていた。しかしソ連崩壊後、これら諸言語のいくつかにおいてふたたびラテン文字を導入する動きが活発になった。[[ウズベク語]]、[[トルクメン語]]、[[アゼルバイジャン語]]では、ソ連初期にアラビア文字からラテン文字に切り替えられ、その後[[1940年]]にソ連政府の言語政策の変化によりキリル文字に切り替えられた<ref>「中央アジアを知るための60章」p104 宇山智彦編著 明石書店 2003年3月10日初版第1刷</ref>が、[[ソビエト連邦の崩壊]]後、ウズベク語・トルクメン語においてラテン文字表記の導入が決定され、再びラテン文字への切り替えが進行中である(ただし以前定められたものと同一ではない)。[[モルドバ語]]においても同様にラテン文字から1940年にキリル文字化されたものの、[[1989年]]には再度表記をラテン文字に改めることが決定され、ふたたびラテン文字使用国となった<ref>「バルカンを知るための66章 第2版」p272 柴宜弘編著 明石書店 2016年1月31日第2版第1刷</ref>。[[カザフスタン]]においてはソ連崩壊後もキリル文字の使用が続いてきたが、同国の[[ヌルスルタン・ナザルバエフ]]大統領は2017年4月に、[[カザフ語]]の表記をラテン文字に改め、[[2018年]]には学校教育においてラテン文字の使用を開始し<ref>http://www.jiji.com/jc/article?k=2017041400391&g=int 「ロシア文字やめローマ字へ=カザフ語、大統領が指示」時事通信 2017年4月14日 2017年6月21日閲覧</ref>、[[2025年]]には完全にカザフ語表記をラテン文字に移行することを表明した<ref>https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170621-00000081-jij-asia 「ローマ字化、是か非か=旧ソ連のカザフで論議」時事通信 2017年6月21日 2017年6月21日閲覧</ref>。
[[近代]]以降、西ヨーロッパの諸国が勢力を強めていき、[[19世紀]]には世界の大半を[[植民地]]化するようになった。当時の[[列強]]は、[[ロシア帝国]]と[[大日本帝国]]を除きすべてがラテン文字の使用する[[国家]]であり、このためラテン文字は世界で最も使用される文字となった。この西欧の[[覇権]]の影響を受け、西方教会圏の諸言語以外においてもラテン文字を採用する言語が多く表れるようになった。このラテン文字化には、もとより文字を持たない言語が新たに文字を採用する場合と、すでにもっていた文字をラテン文字に切り替えた場合がある。


特に、文字を持たない言語が新たに[[正書法]]を定める場合については、新たに文字を発明したり、そのほかの文字を転用したりするよりも、多くラテン文字が採用された。こうした[[無文字言語社会]]に積極的に接触する者には、カトリックやプロテスタントの[[キリスト教]]の[[宣教師]]が多く、彼らは[[布教]]のために現地語のラテン文字表記の正書法および文法を整備したからである<ref>{{Cite book |和書 |editor=東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 |editor-link=東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 |title=図説 アジア文字入門 |edition=初版発行 |date=2005-04-30 |publisher=[[河出書房新社]] |language=ja |isbn=9784309760629 |ncid=BA71677265 |page=102 |location=東京}}</ref>。ラテン文字が[[表音文字]]であり、各地の言語を[[転写 (言語学)|音訳]]しやすかったこともこの変化を進める要因となった<ref>{{Cite book |和書 |editor=町田和彦 |title=図説 世界の文字とことば |edition=初版発行 |series=ふくろうの本 |date=2009-12-30 |publisher=河出書房新社 |language=ja |isbn=9784309761336 |ncid=BB00577235 |page=19 |location=東京}}</ref>。あるいは基礎的なラテン文字の文字数は、26文字とキリル文字などに比べて非常に少なく、簡便であったことも導入を後押しした{{Efn2|なお、ギリシャ文字の文字数は22文字、[[現代ギリシャ語]]においても24文字とさらに少ない。}}。
===日本におけるローマ字論===
日本においても、[[漢字廃止論]]の一環としてのラテン文字化、いわゆる[[ローマ字論]]は[[明治時代]]初期から唱えられており、[[第二次世界大戦]]後には、[[1946年]]の第一次[[アメリカ教育使節団報告書]]によって、漢字・[[平仮名]]・[[片仮名]]を廃止し、日本語表記をローマ字表記に一本化することが提言された。


もっとも文字数が少ないことは、表記できる発音が少ないことと表裏一体である。こうした発音を文字としてあらわすために各言語は、ひとつの発音に2文字以上を用いたり、これを1つの文字として合字することでリガチャをさらに増やしたり、あるいはダイアクリティカルマークを付す文字を増やしたりすることで文字の不足を補ったほか、新しい文字や[[声調記号]]などを新たに開発してラテン文字表記につけ加えるようになった。無文字言語のラテン文字化は[[アフリカ]]や[[オセアニア]]などで特に広く行われ、多くの言語がラテン文字による正書法を定められるようになった。
これを受け、[[連合国軍最高司令官総司令部]] (GHQ) のもとで「日本語表記は複雑であるため[[識字率]]が低く、識字率を高めるために簡便なローマ字表記への切り替えが必要」との意見が強まり、実態を調査するため[[1948年]]に全国各地で[[文部省]]教育研修所(現・[[国立教育政策研究所]])とGHQの共催による漢字テストが行われた。しかし、その結果はGHQの予想とは異なり、識字率はほぼ100%に近いという結果が出たため、このローマ字表記化計画は頓挫、事実上撤回されることになった<ref>http://mainichi.jp/articles/20170114/ddm/005/070/039000c?inb=ys 「昭和史のかたち 教育改革から70年=保阪正康」毎日新聞 2017年1月14日 東京朝刊 2017年3月21日閲覧</ref>。
{{関連記事|アフリカの言語|オセアニアの言語}}


[[ヨーロッパ]]以外の地域において、もとより文字を持っていた言語がラテン文字に切り替えた場合、多くは西洋の列強による植民地化を経た地域の言語において行われた。こうした言語においてもカトリックやプロテスタントの宣教師によって各言語に相当するラテン文字表記の正書法が開発されたことは同じであるが、その後西欧列強の支配をうける中で[[支配層]]の言語であるラテン文字の表記が広まり、従来の言語においてもラテン文字で表記するようにしたほうが便利となったためである。
===他文字使用言語のラテン文字表記法の成立===
独自の文字を使用する言語でも、ほとんどはラテン文字による表記法が確立されており、[[借用語]]や[[略語]]などでもラテン文字を用いることが多い。[[日本語]]においては、[[1867年]]にアメリカ人の[[ジェームス・カーティス・ヘボン]]がヘボン式[[ローマ字]]の表記法を考案し、さらに[[1885年]]に[[田中舘愛橘]]が[[日本式ローマ字]]を考案、さらにこれを発展させて[[1937年]]に発表された訓令式ローマ字があり、実際には訓令式とヘボン式の二つの表記法が並立している形となっている。訓令式は一字または二字で多くの音を表記できるため使用しやすい一方、[[英語]]の発音からやや離れた表記となっており、普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を母語とする欧米人からは正しく発音されにくいという欠点がある。{{fact-span|date= 2018年6月21日 (木) 21:10 (UTC)|ヘボン式はその逆で、実際の発音に沿った表記}}となっており、普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語西欧系各言語を母語とする欧米人からも正しく発音されやすい半面、表記が長くやや使用しにくい面がある。文部省は[[1954年]]に訓令式に基づいた「ローマ字のつづり方」を定め、事情がある場合に限りヘボン式での表記を認めるというスタンスを取った<ref>http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19541209001/k19541209001.html 「ローマ字のつづり方」昭和二十九年十二月九日 文部科学省 2017年3月21日閲覧</ref>。これに沿って、日本の教育現場においては訓令式での表記を教えている。しかし、実際のローマ字表記は普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を母語とする欧米人にわかりやすいヘボン式での表記が圧倒的であり、統一を求める声も上がっている<ref>https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170321-00000044-mai-soci 『<ローマ字>表記で混乱 英語教科化、教員ら「一本化を」』 毎日新聞 2017年3月21日 2017年3月21日閲覧</ref>。


こうして近代以降に植民地化を原因としてラテン文字に切り替えた言語には、[[東南アジア]]の言語においては[[アラビア文字]]を基にした[[ジャウィ文字]]から切り替えた[[インドネシア語]]や[[マレー語]]、アラビア文字とブラーフミー系文字である[[アリバタ]]の併用から切り替えて[[フィリピン語]]、[[漢字]]とそれを基にした[[チュノム]]の併用から切り替えた[[ベトナム語]]、[[アフリカ]]東部の言語においてはアラビア文字から切り替えた[[スワヒリ語]]などがある。
==成立==
{{関連記事|[[インドネシア語#正書法と発音|インドネシア語の正書法]]|[[マレー語#文字|マレー語の文字]]|[[フィリピン語#歴史|フィリピン語の歴史]]|[[ベトナム語#表記法の歴史|ベトナム語の表記法の歴史]]|[[スワヒリ語#発展・伝播|スワヒリ語の歴史]]}}
[[画像:Phönizisch-5Sprachen.svg|thumb|right|[[フェニキア]]の[[アブジャド]]の末裔である4種の音素文字の比較。左からラテン文字、[[ギリシア文字]]、元になった[[フェニキア文字]]、[[ヘブライ文字]]、[[アラビア文字]]。]]
イタリア半島に、[[ラテン人]]と呼ばれる部族(後にローマ人と呼ばれるようになる)が棲みついていた。紀元前7世紀頃、ラテン人はやはりこの地に棲みついていた[[エトルリア|エトルリア人]]([[紀元前1千年紀]]に[[イタリア]]中部に棲みついた)とギリシア人から文字を採り入れた。


この例外は[[トルコ語]]であり、[[オスマン帝国]]は植民地化を受けていなかったものの、これに代わって[[トルコ共和国]]を建国した[[ケマル・アタチュルク]]がトルコの近代化を目指して使用文字の変更を決定し、[[1928年]]にアラビア文字から置き換えられたものである<ref>{{Cite book |和書 |editor=東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 |title=図説 アジア文字入門 |edition=初版発行 |series=ふくろうの本 |date=2005-04-30 |publisher=河出書房新社 |language=ja |isbn=9784309760629 |ncid=BA71677265 |page=105 |location=東京}}</ref><ref>{{Cite book |和書 |editor=町田和彦 |title=図説 世界の文字とことば |edition=初版発行 |series=ふくろうの本 |date=2009-12-30 |publisher=河出書房新社 |language=ja |isbn=9784309761336 |ncid=BB00577235 |page=61 |location=東京}}</ref>。
'''[[古ラテン語]]'''の時代に、このふたつの種族から文字を採り入れる際に、ラテン人は[[西方ギリシア文字]]([[クマエ文字]])のうち4字を捨てた。また、[[エトルリア文字]]の [[F]]({{IPA|/v/}} の発音)を採り入れて {{IPA|/f/}} の音に使い、エトルリア文字の S(3箇所の屈曲がある)を採り入れて、現在の [[S]] の形にした。ギリシア語の [[G]] 音と[[エトルリア語]]の [[K]] 音を表すのには[[ガンマ]](字形は[[C]])を用いた。こうして生まれたアルファベット21文字は、[[G]]、[[J]]、[[U]]、[[W]]、[[Y]]、[[Z]] がないなど、現代のラテン文字とは多少の違いがある<ref name="phoenician">{{ cite web
{{関連記事|[[トルコ語#歴史と言語純化運動|トルコ語の歴史]]}}
|title=The Phoenician Alphabet
|url=http://phoenicia.org/alphabet.html
|accessdate=2008-02-14
}}</ref>(→[[古ラテン語]])。


またそれとは別の例外として、すべての植民地において必ずしも[[宗主国]]がラテン文字化を推進したり、あるいはラテン文字化を完了したりしたわけではなく、[[南アジア]]の[[インド]]地域や[[キリスト教化]]できなかった[[イスラム世界]]にある[[アラブ圏]]の各国などのように植民地支配を受けたが、用いる文字を変更しなかった地域も多い。
ローマ人のアルファベットでは、[[C]]、[[K]]、[[Q]] のいずれでも {{IPA|/k/}} 音を表記できた。[[C]] は {{IPA|/g/}} 音の表記にもなった。ローマ人は [[G]] を作りだし、彼らが用いない [[Z]] の代わりに、[[F]] と [[H]] の間に置いた。数世紀を経て、[[紀元前3世紀]]に[[アレクサンドロス3世]]が地中海沿岸地域東部とその周辺を征服した後、ローマ人はギリシア語の語彙を借用するようになり、アルファベットをこれらの語彙の表記に再適合させる必要に迫られた。そこで、[[西方ギリシア文字|東方ギリシア文字]]から [[Y]] と [[Z]] を借用し、今度は文字表の最後に置いた。この2字はギリシア語彙を表記するときしか使わなかったためである<ref name="phoenician"/>。この時代には小文字は開発されておらず、文章はすべて大文字にて書かれていた。
{{関連記事|インドの言語|アラビア文字化}}


植民地となった地域がラテン文字を用いるようになるのとは別に、ヨーロッパにおいても[[18世紀]]以降、[[西方教会]]地域でない地域においてもラテン文字化が一部で進められるようになった。[[ルーマニア語]]は[[ルーマニア正教会]]のもとで[[正教会]]圏であったため[[文語]]において[[キリル文字]]を使用していたが、16世紀ごろには一部地域で[[ハンガリー]]の言語である[[マジャル語]]をまねた筆記法が用いられ、18世紀には[[民族主義]]の高まりにより[[ロマンス諸語]]であることが強く意識され、ラテン文字化運動が広がっていき、[[1859年]]から[[1860年]]にかけて正式にラテン文字が採用されることとなった<ref name=":1">{{Cite book |和書 |author=[[柴宜弘]] |editor=柴宜弘 |title=バルカンを知るための66章 |edition=第2版第1刷 |series=エリア・スタディーズ |date=2016-01-31 |publisher=[[明石書店]] |language=ja |isbn=9784750342986 |ncid=BB20639903 |page=272 |location=東京}}</ref>。[[アルバニア語]]においてはラテン文字をはじめギリシア文字やアラビア文字など各種表記法が混在していたが、[[1908年]]にラテン文字による表記が正式に決定した<ref>{{Cite book |和書 |author=柴宜弘 |editor=柴宜弘 |title=バルカンを知るための66章 |edition=第2版第1刷 |series=エリア・スタディーズ |date=2016-01-31 |publisher=明石書店 |language=ja |isbn=9784750342986 |ncid=BB20639903 |pages=269-270 |location=東京}}</ref>。
[[ファイル:Evolution of minuscule.svg|thumb|left|300px|さまざまな書体の関係を簡易化して示した図。徐々に大文字から小文字へと近づいていくことが確認できる]]
{{関連記事|[[ルーマニア語アルファベット#歴史|ルーマニア語アルファベットの歴史]]}}
ラテン文字を表すのにはさまざまな書体が使用されたが、[[3世紀]]ごろには[[アンシャル体]]と呼ばれる書体が広く使用されるようになり、さらにそれから半アンシャル体と呼ばれる書体ができた。これらの書体は元の大文字からはやや離れた形をしていたが、各地で広く使用される中で書体の乖離が激しくなっていき、統一された書体を制定する必要が高まってきていた。そこで[[フランク王国]]の[[カール大帝]]は[[カロリング小文字体]]を制定させた。このカロリング小文字体はフランク王国のみならずラテン文字圏全体で広く使用されるようになったが、一方で従来の大文字もそのまま残存しており、これが大文字のほかに小文字が新しく成立する起源となった<ref>「世界の文字を楽しむ小事典」p255 町田和彦編 大修館書店 2011年11月15日初版第1刷</ref>。


=== 旧ソビエト連邦地域におけるラテン文字化 ===
[[古英語|アングロサクソン語]]は、[[11世紀]]に[[グレートブリテン島|ブリテン]]が[[ノルマン人]]の征服を受けた後、ラテン文字でも表記されるようになった。{{IPA|/w/}} 音を表すのに当初[[ルーン文字]]の Ƿ<!-- /ƿ -->(wynn, ウィン)を使ったが、P に似ていたために混同されやすく、{{IPA|/w/}} 音は現在の U を二つ書いて表すようになった。この頃の U は V の形だったのでこれは VV となり、[[W]] は [[V]] の次に置かれた。さらに、丸みのある [[U]] で母音を表し、子音のときは [[V]] を用いるようになった。[[J]] は当初 [[I]] の異体で、[[I]] が幾つか並ぶときに最後の I に長い尾をつけたものだった。[[15世紀]]頃から、[[J]] を子音に、[[I]] を母音に用いるようになり<!-- People began to use -->、[[17世紀]]半ばにはこれが一般的になった<ref name="phoenician"/>。
{{詳細記事|ラテン文字化|キリル文字化}}
旧[[ソビエト連邦]]の諸言語の表記は、当初ラテン文字を採用していたものの、[[1940年]]に[[キリル文字]]が採用され、ソビエト連邦内の多くの言語で[[キリル文字化]]が進められた。しかし[[ソビエト連邦の崩壊]]後、これら諸言語のいくつかにおいてふたたびラテン文字を再導入する動きが活発になった。元来、[[アラビア文字]]を用いていた地域においては[[ウズベク語]]や[[トルクメン語]]、[[アゼルバイジャン語]]が、初期のソビエト連邦にラテン文字に切り替えられ、その後1940年に連邦政府の言語政策の変化によりキリル文字に再び切り替えられた<ref>{{Cite book |和書 |author=宇山智彦 |author-link=宇山智彦 |editor=宇山智彦 |title=中央アジアを知るための60章 |edition=初版第1刷 |series=エリア・スタディーズ |date=2003-03-10 |publisher=明石書店 |language=ja |isbn=9784750331379 |ncid=BB01243734 |page=104 |location=東京}}</ref>が、ソビエト連邦の崩壊後、ウズベク語とトルクメン語とにおいてラテン文字表記の導入が決定され、以前定められたものとは異なるものの、再びラテン文字への切り替えが行われることとなった。
{{関連記事|[[ウズベク語#表記|ウズベク語の表記]]|[[トルクメン語#表記体系|トルクメン語の表記]]|[[アゼルバイジャン語#表記体系|アゼルバイジャン語の表記]]}}


同じく元来、アラビア文字を用いていた[[カザフスタン]]においてはソビエト連邦崩壊後もキリル文字の使用が続いてきたが、[[ヌルスルタン・ナザルバエフ]]大統領が[[2017年]][[10月]]に、[[カザフ語]]の表記をラテン文字に改める準備を整えるよう担当部署に指示した<ref>{{Cite news |title=カザフスタンが表記文字を変更、ロシア文字からローマ字へ |newspaper=Reuters |date=2017-10-30 |last=Zhang |first=Lintao |url=https://jp.reuters.com/article/kazakhstan-idJPKBN1CZ04T |access-date=2023-09-18 |agency=[[ロイター]] |publication-place=アルマトイ |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20230418220830/https://jp.reuters.com/article/kazakhstan-idJPKBN1CZ04T |archive-date=2023-04-19 |work=Reuters}}</ref>。[[2018年]]には[[学校教育]]においてラテン文字の使用を開始し<ref>{{Cite news |和書 |title=ローマ字化、是か非か=旧ソ連のカザフで論議 |newspaper=Yahoo!ニュース |date=2017-06-21 |url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170621-00000081-jij-asia |access-date=2017-06-21 |agency=[[時事通信社]] |location=東京 |language=ja}}</ref>、[[2025年]]には完全にカザフ語の表記をラテン文字に移行することを表明した<ref>{{Cite news |和書 |title=ローマ字化、是か非か=旧ソ連のカザフで論議 |newspaper=Yahoo!ニュース |date=2017-06-21 |url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170621-00000081-jij-asia |access-date=2017-06-21 |agency=時事通信社 |location=東京 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite news |title=カザフスタンで文字が変わる? |newspaper=Global News View |date=2023-09-19 |author=ヨシダユミコ |url=https://globalnewsview.org/archives/6265 |access-date=2018-01-25 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20230601012329/https://globalnewsview.org/archives/6265 |archive-date=2023-06-01}}</ref>。
==使用される文字==
{{関連記事|[[カザフ語#歴史|カザフ語の歴史]]|カザフ語アルファベット}}
===基本字===
{{main|ISO基本ラテンアルファベット}}
現在、ラテン語の23字に J、U、W を加えた26字を基本と見なす。[[英語]]は、基本字を全て使い、それ以外の字を外来語でしか使わない。ただし一つの文字には大きさと、多くの場合において形の異なる二つの字形が存在し、それぞれ[[大文字]]・[[小文字]]と呼ばれる。文の多くは小文字で書かれ、大文字は語頭の1文字など特定の場合において使用されることが多い。下の表はそれぞれ上が大文字、下が小文字となっている。
{{Main2|原則的に基本字しか使わない英語におけるアルファベット|英語アルファベット}}
{|class=wikitable style="text-align:center"
|+基本字
|-style="font-size:x-large"
!scope="row"|大文字
|[[A]]||[[B]]||[[C]]||[[D]]||[[E]]||[[F]]||[[G]]||[[H]]||[[I]]||[[J]]||[[K]]||[[L]]||[[M]]
|[[N]]||[[O]]||[[P]]||[[Q]]||[[R]]||[[S]]||[[T]]||[[U]]||[[V]]||[[W]]||[[X]]||[[Y]]||[[Z]]
|-style="font-size:x-large"
!scope="row"|小文字
|[[a]]||[[b]]||[[c]]||[[d]]||[[e]]||[[f]]||[[g]]||[[h]]||[[i]]||[[j]]||[[k]]||[[l]]||[[m]]
|[[n]]||[[o]]||[[p]]||[[q]]||[[r]]||[[s]]||[[t]]||[[u]]||[[v]]||[[w]]||[[x]]||[[y]]||[[z]]
|}


このほか、[[ロマンス諸語]]に属し、[[ルーマニア語]]{{Efn2|[[wikt:ルーマニア#語源|ルーマニア]]の語源は「''ローマの''」といった意味であり、ラテン文字を用いる。}}ときわめて似ている関係にある[[モルドバ語]]においては、従前のラテン文字から1940年にキリル文字化されたものの、[[1989年]]には再度表記をラテン文字に改めることが決定され、ふたたびラテン文字を用いる国となった<ref name=":1" />{{Efn2|なお、モルドバ語は[[1996年]]に[[モルドバ共和国]]の公用語ではなくなり、名称が違うだけで同じ言語ともされるルーマニア語が現在のモルドバ共和国の公用語である。}}。
===追加字===
{|class=wikitable style="text-align:center"
|+追加字
|-
!
!colspan="6" scope="col"|[[アキュート・アクセント|アキュート<br>アクセント]]
!colspan="5" scope="col"|[[グレイヴ・アクセント|グレイヴ<br>アクセント]]
!colspan="5" scope="col"|[[サーカムフレックス|サーカム<br>フレックス]]
!colspan="6" scope="col"|[[ウムラウト]]/[[トレマ]]
|-style="font-size:x-large"
!scope="row"|大文字
|[[Á]]||[[É]]||[[Í]]||[[Ó]]||[[Ú]]||[[Ý]]||[[À]]||[[È]]||[[Ì]]||[[Ò]]||[[Ù]]||[[Â]]||[[Ê]]||[[Î]]||[[Ô]]||[[Û]]
|[[Ä]]||[[Ë]]||[[Ï]]||[[Ö]]||[[Ü]]||[[Ÿ]]
|-style="font-size:x-large"
!scope="row"|小文字
|[[á]]||[[é]]||[[í]]||[[ó]]||[[ú]]||[[ý]]||[[à]]||[[è]]||[[ì]]||[[ò]]||[[ù]]||[[â]]||[[ê]]||[[î]]||[[ô]]||[[û]]
|[[ä]]||[[ë]]||[[ï]]||[[ö]]||[[ü]]||[[ÿ]]
|}
{|class=wikitable style="text-align:center"
|-
!
!colspan="2" scope="col"|[[セディーユ]]
!colspan="3" scope="col"|[[ティルデ]]
!colspan="4" scope="col"|[[オゴネク]]
!colspan="5" scope="col"|[[合字]]
!colspan="2" scope="col"|[[ルーン文字]]由来
|-style="font-size:x-large"
!scope="row"|大文字
|[[Ç]]||[[Ş]]
|[[Ã]]||[[Õ]]||[[Ñ]]
|[[Ą]]||[[Ę]]||[[Į]]||[[Ų]]
|[[Æ]]||[[Œ]]||[[Ø]]||[[IJ|IJ]]||[[ẞ]]
|[[Þ]]||[[Ƿ]]
|-style="font-size:x-large"
!scope="row"|小文字
|[[ç]]||[[ş]]
|[[ã]]||[[õ]]||[[ñ]]
|[[ą]]||[[ę]]||[[į]]||[[ų]]
|[[æ]]||[[œ]]||[[ø]]||[[IJ|ij]]||[[ß]]
|[[þ]]||[[ƿ]]
|}
各国での利用状況を含めた全ての文字の一覧は[[ラテン文字一覧]]を参照のこと<br>


=== 日本におけるローマ字論 ===
ラテン文字はもともとラテン語を表すための文字であり、他言語にて使用する場合表記できない発音も存在していた。こうした状況を解決するために、上記のようにいくつかの文字が付け加えられたものの、それでも表記できない発音は残り、こうした音を表記するために基本字に補助記号をつけてあらわす言語が多く表れるようになった。こうした記号は総称して[[ダイアクリティカルマーク]]と呼ばれる。ドイツ語やスウェーデン語などでは[[ウムラウト]]、フランス語やポルトガル語、トルコ語などでは[[セディーユ]]、スペイン語やポルトガル語では[[ティルデ]]が多く使用されるなど、ダイアクリティカルマークを採用しているラテン文字使用国は多数存在する。日本語のローマ字表記においては、[[サーカムフレックス]]や[[マクロン]]が長音の表記に使用される場合がある。また、二つの文字を組み合わせて一字とした[[合字]]もいくつかの言語で使用されている。代表的な合字としては、ドイツ語の [[ß]](エスツェット)や、[[アイスランド語]]、[[デンマーク語]]、[[ノルウェー語]]の [[Æ]]、デンマーク語やノルウェー語の [[Ø]] などが挙げられる。現在では基本字の一つとなっているが、[[W]] ももともとは合字である(W の英語発音ダブリューは、ダブル・ユーに由来する)。現代では消滅したが、[[Ƿ]] のように[[ルーン文字]]からとりいれられた文字もかつて一部では使用されていた。
{{詳細記事|ローマ字|漢字廃止論}}
[[日本]]においては、[[漢字廃止論]]の一環としてのラテン文字化、いわゆる[[ローマ字論]]が[[明治]]初期から唱えられており、[[第二次世界大戦]]後には、[[1946年]]の第一次[[アメリカ教育使節団報告書]]によって、[[漢字]]と[[平仮名]]、[[片仮名]]を廃止し、[[日本語]]表記を[[ローマ字]]表記に一本化することが提言された。これを受け、[[連合国軍最高司令官総司令部]] (GHQ) のもとで「日本語表記は複雑であるため[[識字率]]が低く、識字率を高めるために[[wikt:簡便|簡便]]なローマ字表記への切り替えが必要」との意見が強まり、実態を調査するため[[1948年]]に全国各地で[[文部省]]教育研修所、現在の[[国立教育政策研究所]]とGHQの共催による漢字テストが行われた。しかし、その結果はGHQの予想とは異なり、識字率はおよそ10割に近いという結果が出たため、このローマ字表記化計画は[[wikt:頓挫|頓挫]]、事実上撤回されることになった<ref>{{Cite news |和書 |title=教育改革から70年=保阪正康 |newspaper=[[毎日新聞]] |date=2017-01-14 |url=https://mainichi.jp/articles/20170114/ddm/005/070/039000c?inb=ys |access-date=2023-09-19 |agency=[[毎日新聞社]] |location=東京 |archive-url=https://web.archive.org/web/20210616114542/https://mainichi.jp/articles/20170114/ddm/005/070/039000c?inb=ys |archive-date=2021-06-16 |edition=朝刊}}</ref><ref>{{Cite news |和書 |title=「日本人から漢字を取り上げ、ローマ字だけにする」戦勝国アメリカが実行するはずだった"おそろしい計画" |newspaper=[[プレジデントオンライン]] |date=2022-12-30 |author=保阪正康 |authorlink=保阪正康 |url=https://president.jp/articles/-/64646 |access-date=2023-09-19 |agency=[[プレジデント社]] |location=東京 |pages=3-4 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20230919062742/https://president.jp/articles/-/64646 |archive-date=2023-09-19 |work=[[プレジデント]]}}</ref>。


===される===
=== 他文字使言語のラテン文字表成立 ===
独自の文字を使用する言語でも、ほとんどはラテン文字による表記法が確立されており、[[借用語]]や[[略語]]などでもラテン文字を用いることが多い。日本語においては、[[1867年]]にアメリカ人の[[ジェームス・カーティス・ヘボン]]が[[ヘボン式ローマ字]]の表記法を考案し、さらに[[1885年]]に[[田中舘愛橘]]が[[日本式ローマ字]]を考案、さらにこれを発展させて[[1937年]]に発表された[[訓令式ローマ字]]があり、実際には訓令式とヘボン式の2つの表記法が並立している形となっている。
{|class="wikitable Unicode" style="text-align:center"
|+併用される記号の例
|-style="font-size:x-large"
|[[終止符|.]]||[[コンマ|,]]||[[コロン (記号)|:]]||[[セミコロン|;]]||[[疑問符|?]]||[[感嘆符|!]]||[[アンパサンド|&]]||[[アットマーク|@]]||[[番号記号|#]]
|}


訓令式は1字または2字で多くの音を表記できるため使用はしやすい一方、[[英語]]の発音からやや離れた表記となっており、よく「普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を[[母語]]とする[[欧米人]]からは正しく発音されにくいことが欠点だ」と指摘される。対して「{{fact-span|date= 2018年6月21日 (木) 21:10 (UTC)|ヘボン式はその逆で、実際の発音に沿った表記}}となっており、普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語西欧系各言語を母語とする欧米人からも正しく発音されやすい」などとみなされる半面、表記が長くやや使用しにくい面がある。
==文字の名称==

もっとも読みに関しては、ヘボン式で書いたところでそもそも、ラテン文字の読みがしばしば言語間で異なり、つまりフランス人が読めばフランス語読みになる。したがってヘボン式ローマ字は、アメリカ人や英語圏の人々から正しく発音されるかどうかはさておき、ヨーロッパの人々およびラテン文字を用いるあまねく人々に正しく発音される保証はなく、それはほかのどのローマ字にもいえることである{{Efn2|たとえば、学校教育により訓令式に慣れた日本人にとって、ヘボン式の「[[つ]]」の表記「tsu」は、見慣れないことから日本人でさえ読みづらいことがあり、あるいは[[MS IME|Microsoft 日本語 IME]]のローマ字入力に慣れたユーザーにとって、ヘボン式の[[ラ行]]に「[[l]]」を用いる表記は、事前に断りがなければ[[小書き仮名]]文字の表記として誤読される可能性がある。}}。また、ある言語で用いる文字とその表記法については、特に使用する文字を完全に改めるような場合において、その言語をよくとらえているかどうかが論点のひとつとなる。この点について現代の日本語は、その[[日本語の音韻|発音]]を[[五十音]]表のようにとらえている話者が多く、したがって日本語話者にとってヘボン式は、[[タ行]]のように同じ行でも子音の文字が変わり、[[拗音]]の「シャ」などの「小さいヤ段」の表記が揺れるなど、日本語話者にとって変則的な表記が多い、日本語をよくとらえていない表記となる。この意味では、ヘボン式ローマ字は、[[外国人]]に向けて用いる場合はさておき、日本人の書く日本語のラテン文字化には向かないといえる。

文部省は[[1954年]]に訓令式に基づいた「[[s:ローマ字のつづり方_(昭和29年内閣告示第1号)|ローマ字のつづり方]]」を定め、事情がある場合に限りヘボン式での表記を認めるという立場を取った<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19541209001/k19541209001.html |title=ローマ字のつづり方 |access-date=2023-09-19 |date=1955-12-09 |website=文部科学省 |publisher=[[文部科学省]] |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20191121001055/https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19541209001/k19541209001.html |archive-date=2019-11-21 |url-status=unfit |url-status-date=2023-09-19}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/roma/index.html |title=ローマ字のつづり方 |access-date=2023-09-18 |author=吉田茂 |authorlink=吉田茂 |website=文化庁 |work=ローマ字のつづり方 |publisher=[[文化庁]] |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20230919013349/https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/roma/index.html |archive-date=2023-09-19 |url-status=unfit |deadlinkdate=2023-09-19}}</ref>。これに沿って、日本の教育現場においては訓令式での表記を教えている。しかし、実際のローマ字表記は、特に公共の場などにおいて一般に外国人に向けて用いられるため「普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を母語とする欧米人にわかりやすい」というねらいから、ヘボン式での表記が圧倒的であり、統一を求める声も上がっている{{Efn2|主に教育現場において、児童が混乱するなどの理由から統一が求められている<ref>{{Cite news |和書 |title=<ローマ字>表記で混乱 英語教科化、教員ら「一本化を」 |newspaper=[[Yahoo!ニュース]] |date=2017-03-21 |author=伊澤拓也 |url=https://mainichi.jp/articles/20170321/k00/00e/040/204000c |access-date=2023-09-19 |agency=[[毎日新聞社]] |location=東京 |language=ja |quote=教育現場から「どちらかに一本化してほしい」との声も上がっている |archive-url=https://web.archive.org/web/20170322015539/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170321-00000044-mai-soci |archive-date=2017-03-22}}</ref>。なお、この記事に関して「あくまで国語教育の中で行われるローマ字教育に対する問題を、英語教育が関係するとの誤解のもと書かれている」という指摘がある<ref>{{Cite news |和書 |title=「〈ローマ字〉表記による混乱」という報道の混乱ぶり(寺沢拓敬) - エキスパート |newspaper=Yahoo!ニュース |date=2017-03-22 |author=寺沢拓敬 |authorlink=寺沢拓敬 |url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ae1a852d95c9ae4aa6c2ddc090c5e4b87a59d9ad |access-date=2023-09-19 |language=ja |quote=ローマ字は日本語の話であって英語教育の話ではない |archive-url=https://web.archive.org/web/20230919045736/https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ae1a852d95c9ae4aa6c2ddc090c5e4b87a59d9ad |archive-date=2023-09-19 |website=Yahoo!ニュース}}</ref>。}}。
{{関連記事|ヘボン式ローマ字|日本式ローマ字|訓令式ローマ字}}

== 成立 ==
<!-- 似た形の文字が多いため、この節の個々の文字は、何度出現してもすべてリンクをつけてください。現代のラテン文字の意味では言語や文字のテンプレートを用いず、当時のラテン語の文字には{{Lang|la|文字}}を用い、当時のギリシア語の文字や古イタリア文字群には{{Script|Ital|文字}}を用いてください。 -->
個々のラテン文字の成立について詳細は、該当する文字ごとの記事も参照されたい。
{{関連記事|[[古ラテン語アルファベット]]|[[古イタリア文字#ファリスク語・古ラテン語|古イタリア文字と古ラテン語]]}}
<!-- 以下は、ローマ人のアルファベットの順で並べたラテン文字に対応する古イタリア文字です。古イタリア文字を表示するための{{Script}}テンプレートごとカッペしてください。
A: {{Script|Ital|[[wikt:𐌀|&#66304;]]}} | B: {{Script|Ital|[[wikt:𐌁|&#66305;]]}} | C: {{Script|Ital|[[wikt:𐌂|&#66306;]]}} | D: {{Script|Ital|[[wikt:𐌃|&#66307;]]}} | E: {{Script|Ital|[[wikt:𐌄|&#66308;]]}} | F: {{Script|Ital|[[wikt:𐌅|&#66309;]]}} | Z: {{Script|Ital|[[wikt:𐌆|&#66310;]]}} | H: {{Script|Ital|[[wikt:𐌇|&#66311;]]}} | I: {{Script|Ital|[[wikt:𐌉|&#66313;]]}} | K: {{Script|Ital|[[wikt:𐌊|&#66314;]]}} | L: {{Script|Ital|[[wikt:𐌋|&#66315;]]}} | M: {{Script|Ital|[[wikt:𐌌|&#66316;]]}} | N: {{Script|Ital|[[wikt:𐌍|&#66317;]]}} | O: {{Script|Ital|[[wikt:𐌏|&#66319;]]}} | P: {{Script|Ital|[[wikt:𐌐|&#66320;]]}} | Q: {{Script|Ital|[[wikt:𐌒|&#66322;]]}} | R: {{Script|Ital|[[wikt:𐌓|&#66323;]]}} | S: {{Script|Ital|[[wikt:𐌔|&#66324;]]}} | T: {{Script|Ital|[[wikt:𐌕|&#66325;]]}} | U: {{Script|Ital|[[wikt:𐌖|&#66326;]]}} | X: {{Script|Ital|[[wikt:𐌗|&#66327;]]}}
-->
[[画像:Phönizisch-5Sprachen.svg|thumb|right|[[フェニキア]]の[[アブジャド]]を受け継ぐ4種の[[音素文字]]の比較。左からラテン文字、[[ギリシア文字]]、元になった[[フェニキア文字]]、[[ヘブライ文字]]、[[アラビア文字]]。]]
<!-- 以下は、[[ラティウム戦争]]以前で、すべてがローマ人になる前の記述と思われるため、[[ラテン人]]との語を用います。 -->
[[イタリア半島]]に、のちにローマ人と呼ばれるようになる[[ラテン人]]という[[部族]]が棲みついていた{{Efn2|特に[[紀元前338年]]に、[[ラティウム戦争#第二次ラティウム戦争|第二次ラティウム戦争]]で[[共和政ローマ]]が勝利し、それ以前のラテン人に[[ラテン市民権]]を与えたことで、ローマ共和国の人々としてラテン人はローマ人と呼ばれるようになる。}}。[[紀元前7世紀]]頃の'''[[古ラテン語]]'''の時代にラテン人は、[[紀元前1千年紀]]頃から同じくイタリア半島で現在の[[イタリア]]中部に棲みついていた[[エトルリア人]]と[[ギリシア人]]などの部族から文字を採り入れた。

[[西方ギリシア文字]]から借用・派生し、[[古イタリア文字|古イタリア文字群]]へ至る歴史の流れにあって、ラテン人は[[クマエ文字]]から4字を除いて取り入れた。また[[エトルリア文字]]からは「{{Script|Ital|[[wikt:𐌅|&#66309;]]}} {{IPA|/v/}}」を採り入れて「[[F]] {{IPA|/f/}}」の音に用い、また、3箇所の屈曲がある「{{Script|Ital|[[wikt:𐌔|&#66324;]]}}」を採り入れて現在の「[[S]]」の形にした。そして「ギリシア語の[[G]]音」と「[[エトルリア語]]の[[K]]音」を表すのには現在の[[C]]の字のような形の「{{Script|Ital|[[wikt:𐌂|&#66306;]]}} ({{Lang-el-short|[[Γ]]}})」を用いた。こうして生まれたアルファベット21文字は、「{{Lang|la|[[G]]}}・{{Lang|la|[[J]]}}・{{Lang|la|[[U]]}}・{{Lang|la|[[W]]}}・{{Lang|la|[[Y]]}}・{{Lang|la|[[Z]]}}」がないなど、現代のラテン文字とは多少の違いがある<ref name="phoenician">{{Cite web |url=http://phoenicia.org/alphabet.html |title=The Phoenician Alphabet |access-date=2008-02-14 |last=Khalaf |first=Salim |website=Encyclopedia Phoeniciana |publisher=Salim George Khalaf |language=en |archive-url=https://web.archive.org/web/20230321051602/https://phoenicia.org/alphabet.html |archive-date=2023-03-21}}</ref>。

<!-- 以降は[[ラティウム戦争]]を経て[[紀元前338年]]までにローマ人となった頃の記述と思われるため[[ローマ人]]との語を用います。 -->
このローマ人のアルファベットには、{{IPA|/k/}}の音を表す文字が「{{Lang|la|[[C]]}}・{{Lang|la|[[K]]}}・{{Lang|la|[[Q]]}}」の3つあり、このうち「{{Lang|la|[[C]]}}」は、{{IPA|/g/}}の音の表記にも用いた一方、ラテン語では当時、用いることのなかった現在の「[[Z]]」を表す「{{Script|Ital|[[wikt:𐌆|&#66310;]]}}」が、アルファベットの文字表における現在の「[[G]]」の位置へ一時的に取り入れられた。その後、ローマ人は「{{Lang|la|[[C]]}}」に[[ステム]]とも称される[[セリフ|ヒゲ]]をつけることで「{{Lang|la|[[G]]}}」を作りだし、当時のローマ人が用いない「{{Lang|la|[[Z]]}}」の代わりに、現在の位置と同じ「{{Lang|la|[[F]]}}」と「{{Lang|la|[[H]]}}」の間に置いた。

もっとも古いラテン文字の成立から数世紀を経て、[[紀元前3世紀]]に[[アレクサンドロス3世]]が[[地中海沿岸]]地域の東部とその周辺を征服した後、ローマ人はギリシア語の[[語彙]]を借用するようになり、それにともない以前は必要でなかった文字が[[借用語]]とともに再び輸入された。具体的には、[[西方ギリシア文字|東方ギリシア文字]]から「{{Script|Ital|[[Υ]]}}」と「{{Script|Ital|[[Ζ]]}}」を借用したが、あくまでギリシア語からの借用語を記述する事にしか使わなかったため、追加文字として文字表の最後に置いた<ref name="phoenician" />。なお、この時代には[[小文字]]は開発されておらず、文章はすべて[[大文字]]で書かれていた。
{{関連記事|[[カリグラフィー#起源及び歴史|カリグラフィーの起源および歴史]]}}

[[ファイル:Evolution of minuscule.svg|thumb|right|300px|[[書体]]の移ろいを簡易化して示した図。次第に大文字から小文字へと近づいていくことが確認できる。]]
ラテン文字を表すため、様々な[[書体]]が流行したが、[[3世紀]]ごろには[[アンシャル体]]と呼ばれる書体が広く使用されるようになり、さらにそれから[[半アンシャル体]]と呼ばれる書体ができた。これらの書体は、元となったの大文字からはやや離れた形をしていたが、各地で広く使用されるなかで書体の乖離が激しくなったため、あらためて相互に通じる統一された書体を制定する必要になっていた。そこで[[8世紀]]頃に[[カロリング朝]]の[[フランク王国]]で[[カール大帝]]の庇護を受けた[[カロリング小文字体]]が普及した。このカロリング小文字体は、フランク王国のみならずラテン文字圏全体で広く使用されるようになったが、一方で従来の大文字もそのまま残存しており、これが大文字のほかに小文字が新しく成立する起源となった<ref>{{Cite book |和書 |editor=町田和彦 |title=世界の文字を楽しむ小事典 |edition=初版第1刷 |date=2011-11-15 |publisher=大修館書店 |language=ja |isbn=9784469213355 |ncid=BB07474128 |page=255 |location=東京}}</ref>。
{{関連記事|[[カロリング小文字体#特徴|カロリング小文字体の特徴]]|大文字と小文字}}

<!-- 以下、アングロ・サクソン語の文字は、{{Lang|ang-Latn|文字}}を用いる。 -->
[[グレートブリテン島|ブリテン島]]の[[アングロ・サクソン語]]は、[[11世紀]]に[[ノルマン人]]による[[ノルマン・コンクエスト|制圧]]を受けた後、ラテン文字でも表記されるようになった。古くは、{{IPA|/w/}}の音を表すために[[ルーン文字]]に由来する「{{Lang|ang-Latn|[[Ƿ]]}}<!-- /ƿ -->(''wynn''、ウィン)」を用いたこともあるが、音の異なる「{{Lang|ang-Latn|[[P]]}}」に似ていたために混同されやすく、結局、{{IPA|/w/}}の音は現在の「[[U]]」を2つ並べた[[二重音字]]の「{{Lang|ang-Latn|[[UU]]}}({{Lang-en-short|double U|links=no}}、''ダブル・ユー'')」として表すように戻った。

<!-- 以下は、アングロ・サクソン語に限らないため、{{Lang|ang-Latn|文字}}を用いない。 -->
この頃の「[[U]]」の形が[[V]]の字であったため、実際の字形は[[V]]を2つ並べた「VV<!-- 曖昧さ回避ページ「[[VV]]」は、文字「W」と関係ないためリンクは張らない。 -->」の形となり、追加文字として[[W]]は、文字表において「[[V]]」の次に置かれた。なお、[[ロマンス諸語]]においては、この「[[W]]」を「''2つのV''」の意味する名称で呼ぶ<ref name="phoenician" />。

また、丸みのある「[[U]]」で母音を表し、子音のときは「[[V]]」を用いるようになった。また「[[J]]」は、当初「[[I]]」の[[異字体]]であり、いくつか「[[I]]」が並ぶときの「最後の[[I]]」に長い尾のようなヒゲをつけたものだった。[[15世紀]]頃から、子音には「[[J]]」を、母音には「[[I]]」を用いるようになり<!-- People began to use -->、[[17世紀]]半ばには一般的になった<ref name="phoenician" />。

== 使用される文字 ==
{{詳細記事|ラテン文字一覧}}
ラテン文字は、大きく分けて基本字と追加字に分類される。

=== 基本字 ===
{{詳細記事|ISO基本ラテンアルファベット}}
遅くとも[[1960年代]]に'''(どの団体に?)'''標準化がなされて以降、ラテン語の23字に「J・U・W」を加えた26字を基本と見なし、多く実用の際は、歴史的に[[書体]]の差から生じた異なる[[字形]]を持つ[[大文字]]と[[小文字]]を併用する。この基本字は[[英語]]の表記に必要最低限の文字であり、それ以外の字は外来語でしか用いない。英語においても大文字と小文字を併用し、ラテン文字を用いる多くの言語同様、'''文の最初の語の頭文字'''と、各言語ごとに異なる'''特別な語の頭文字'''や、あるいは'''強調したい部分'''などに大文字を用いて、それ以外はすべて小文字を用いる。
{{詳細記事2|原則的に基本字しか使わない英語におけるアルファベット|英語アルファベット}}
{| class = wikitable cellpadding = 5 style="text-align:center"
|+基本字
|-
! scope="row" style="white-space:nowrap;" | 大文字
| [[A]] || [[B]] || [[C]] || [[D]] || [[E]] || [[F]] || [[G]] || [[H]] || [[I]] || [[J]] || [[K]] || [[L]] || [[M]]
| [[N]] || [[O]] || [[P]] || [[Q]] || [[R]] || [[S]] || [[T]] || [[U]] || [[V]] || [[W]] || [[X]] || [[Y]] || [[Z]]
|-
! scope="row" style="white-space:nowrap;" | 小文字
| [[a]] || [[b]] || [[c]] || [[d]] || [[e]] || [[f]] || [[g]] || [[h]] || [[i]] || [[j]] || [[k]] || [[l]] || [[m]]
| [[n]] || [[o]] || [[p]] || [[q]] || [[r]] || [[s]] || [[t]] || [[u]] || [[v]] || [[w]] || [[x]] || [[y]] || [[z]]
|}
{{詳細記事|[[ラテン文字一覧#基本ラテン文字|基本ラテン文字の一覧]]}}

=== 追加字 ===
ラテン文字はもともとラテン語を表すための文字であり、他の言語に用いるには表記できない[[発音]]も存在していた。こうした状況を解決するために、現在の基本字にはいくつかの文字が付け加えられたものの、それでも表記できない発音に対しては、こうした音を表記するために基本字に発音を区別する符号を付けたり、2つ以上の文字を結合したり、さらに文字を追加したりする言語が多く表れるようになった。

==== ダイアクリティカルマーク ====
{{詳細記事|ダイアクリティカルマーク}}
ラテン文字の発音区別符号は、総称して[[ダイアクリティカルマーク]]などと呼ばれる。ドイツ語や[[スウェーデン語]]などでは[[ウムラウト]]、フランス語やポルトガル語、トルコ語などでは[[セディーユ]]、スペイン語やポルトガル語では[[ティルデ]]が多く使用されるなど、ダイアクリティカルマークを採用しているラテン文字使用国は多数存在する。日本語のローマ字表記においては、[[サーカムフレックス]]や[[マクロン]]が長音の表記に使用される場合がある。
{{詳細記事2|ダイアクリティカルマーク付き文字の一覧については「[[ラテン文字一覧#ダイアクリティカルマーク付き文字|ラテン文字のダイアクリティカルマーク付き文字の一覧]]」を}}

==== 合字 ====
{{詳細記事|リガチャー}}
ラテン文字において、2つ以上の文字の合字は、[[リガチャー]]とも呼ばれる。代表的な合字としては、ドイツ語の「[[ß]](エスツェット)」や、[[アイスランド語]]・[[デンマーク語]]・[[ノルウェー語]]の「[[Æ]]」、デンマーク語やノルウェー語の「[[Ø]]」などが挙げられる。なお、現在では基本字のひとつとなっているが、本来「[[W]]」も合字であり、多くの言語において「[[ダブル]]の[[U]]」、または「ダブルの[[V]]」を意味する名称で呼ばれる。
{{詳細記事2|リガチャーの一覧については「[[ラテン文字一覧#追加文字・合字|ラテン文字のリガチャーの一覧]]」を}}

==== その他 ====
また、現代では消滅したが、[[アングロ・サクソン語]]の「[[Ƿ]]」のように[[ルーン文字]]など、基本字にさらに他の文字から取り入れられた文字も、一部では用いられる{{Efn2|なお、ルーン文字に関しては、その多くがラテン文字に由来するとされるため、異字体が別の文字として追加されただけともいえる。}}。
{{詳細記事2|追加文字の一覧については「[[ラテン文字一覧#追加文字・合字|ラテン文字の追加文字の一覧]]」を}}

{| class="wikitable nowraplinks" cellpadding = 5 style="text-align:center"
|+追加字
|-
!
! colspan="17" scope="col" | [[アキュート・アクセント|アキュート<br>アクセント]]
! colspan="8" scope="col" | [[グレイヴ・アクセント|グレイヴ<br>アクセント]]
! colspan="13" scope="col" | [[サーカムフレックス]]
! colspan="10" scope="col" | [[ウムラウト]]<br>/[[トレマ]]
|-lang="und-Latn"
! scope="row" style="white-space:nowrap;" | 大文字
| [[Á]] || [[Ć]] || [[É]] || [[Ǵ]] || [[Í]] || [[Ḱ]] || [[Ĺ]] || [[Ḿ]] || [[Ń]] || [[Ó]] || [[Ṕ]] || [[Ŕ]] || [[Ś]] || [[Ú]] || [[Ẃ]] || [[Ý]] || [[Ź]] || [[À]] || [[È]] || [[Ì]] || [[Ǹ]] || [[Ò]] || [[Ù]] || [[Ẁ]] || [[Ỳ]] || [[Â]] || [[Ĉ]] || [[Ê]] || [[Ĝ]] || [[Ĥ]] || [[Î]] || [[Ĵ]] || [[Ô]] || [[Ŝ]] || [[Û]] || [[Ŵ]] || [[Ŷ]] || [[Ẑ]]
| [[Ä]] || [[Ë]] || [[Ḧ]] || [[Ï]] || [[Ö]] || [[T̈]] || [[Ü]] || [[Ẅ]] || [[Ẍ]] || [[Ÿ]]
|-lang="und-Latn"
! scope="row" style="white-space:nowrap;" | 小文字
| [[á]] || [[ć]] || [[é]] || [[ǵ]] || [[í]] || [[ḱ]] || [[ĺ]] || [[ḿ]] || [[ń]] || [[ó]] || [[ṕ]] || [[ŕ]] || [[ś]] || [[ú]] || [[ẃ]] || [[ý]] || [[ź]] || [[à]] || [[è]] || [[ì]] || [[ǹ]] || [[ò]] || [[ù]] || [[ẁ]] || [[ỳ]] || [[â]] || [[ĉ]] || [[ê]] || [[ĝ]] || [[ĥ]] || [[î]] || [[ĵ]] || [[ô]] || [[ŝ]] || [[û]] || [[ŵ]] || [[ŷ]] || [[ẑ]]
| [[ä]] || [[ë]] || [[ḧ]] || [[ï]] || [[ö]] || [[ẗ]] || [[ü]] || [[ẅ]] || [[ẍ]] || [[ÿ]]
|}
{| class="wikitable nowraplinks" cellpadding = 5 style="text-align:center"
|-
!
! colspan="11" scope="col" | [[セディーユ]]
! colspan="8" scope="col" | [[ティルデ]]
! colspan="5" scope="col" | [[オゴネク]]
! colspan="3" scope="col" | [[合字]]
! colspan="2" scope="col" | [[ルーン文字]]由来
|-
! scope="row" style="white-space:nowrap;" | 大文字
| [[Ç]] || [[Ḑ]] || [[Ę]] || [[Ģ]] || [[Ḩ]] || [[Ķ]] || [[Ļ]] || [[Ņ]] || [[Ŗ]] || [[Ş]] || [[Ţ]]
| [[Ã]] || [[Ẽ]] || [[Ĩ]] || [[Ñ]] || [[Õ]] || [[Ũ]] || [[Ṽ]] || [[Ỹ]]
| [[Ą]] || [[Ę]] || [[Į]] || [[Ǫ]] || [[Ų]]
| [[Æ]] || [[Œ]] || [[ẞ]]
| [[Ð]] || [[Þ]]
|-
! scope="row" style="white-space:nowrap;" | 小文字
| [[ç]] || [[ḑ]] || [[ȩ]] || [[ģ]] || [[ḩ]] || [[ķ]] || [[ļ]] || [[ņ]] || [[ŗ]] || [[ş]] || [[ţ]]
| [[ã]] || [[ẽ]] || [[ĩ]] || [[ñ]] || [[õ]] || [[ũ]] || [[ṽ]] || [[ỹ]]
| [[ą]] || [[ę]] || [[į]] || [[ǫ]] || [[ų]]
| [[æ]] || [[œ]] || [[ß]]
| [[ð]] || [[þ]]
|}
{{詳細記事2|各国での利用状況を含めた全ての文字の一覧については「[[ラテン文字一覧]]」および「[[ラテンアルファベットに由来するアルファベット]]」を}}

=== 併用される記号の例 ===
ラテン文字は、[[音読]]の際の[[休止符]]に由来する[[句読点]]や、[[感嘆符]]、[[疑問符]]、その他の[[約物]]、[[レタリング]]などから生まれた[[記号]]をしばしば併用する。一般に[[アットマーク]]は記号であるが、一部の言語の正書法において、音を表すアルファベットとして用いる。
{| class = "wikitable Unicode" cellpadding = 10 style="text-align:center"
|+併用される記号の例
|-
! colspan="7" scope="col" | [[約物]]
! colspan="2" scope="col" | [[記号]]
|-style="font-size:x-large"
| [[終止符|.]] || [[コンマ|,]] || [[コロン (記号)|:]] || [[セミコロン|;]] || [[疑問符|?]] || [[感嘆符|!]] || [[アンパサンド|&]] || [[アットマーク|@]] || [[番号記号|#]]
|}

== 文字の名称 ==
主な言語での文字の名を以下に示す。
主な言語での文字の名を以下に示す。
{|class=wikitable style="text-align:center"
{| class="wikitable mw-collapsible nowraplinks" style=" text-align:center;"
|+各言語におけるラテン文字の名称とその[[国際音声記号|発音]]
![[文字]] !![[ラテン語]] !![[英語]] !![[フランス語]] !![[ドイツ語]] !![[イタリア語]] !![[スペイン語]] !![[ポルトガル語]] !![[エスペラント]] !![[日本語]]<ref>日本語での各文字の名称は『[[広辞苑]]』第五版、岩波書店、1998年に拠る。<!-- 『大辞林』、『大辞泉』では一部しか確認しておらず、相違もあるようだが、代表表記は同じ? 『広辞苑』第六版での変更点は未確認 --></ref>
! style="white-space:nowrap;" | 文字 !! [[ラテン語]] !! [[英語]] !! [[フランス語]] !! [[ドイツ語]] !! [[イタリア語]] !! [[スペイン語]] !! [[ポルトガル語]] !! [[エスペラント]] !! [[日本語]]<ref>日本語での各文字の名称は『[[広辞苑]]』第五版、岩波書店、1998年に拠る。<!-- 『大辞林』、『大辞泉』では一部しか確認しておらず、相違もあるようだが、代表表記は同じ? 『広辞苑』第六版での変更点は未確認 --></ref>
|-
|-
|style="font-size:x-large"|A
| style="font-size:x-large" | A
|{{lang|la|a}} {{IPA|aː}}
|{{lang|en|a}} {{IPA|}}
| {{Lang|la|a}} {{IPA|}}
|{{lang|fr|a}} {{IPA|a}}
| {{Lang|en|a}} {{IPA|}}
|{{lang|de|a}} {{IPA|}}
| {{Lang|fr|a}} {{IPA|a}}
|{{lang|it|a}} {{IPA|a}}
| {{Lang|de|a}} {{IPA|}}
|{{lang|es|a}} {{IPA|a}}
| {{Lang|it|a}} {{IPA|a}}
|{{lang|pt|a}} {{IPA|a}}
| {{Lang|es|a}} {{IPA|a}}
|{{lang|eo|a}} {{IPA|}}
| {{Lang|pt|a}} {{IPA|a}}
| {{Lang|eo|a}} {{IPA|aː}}
|エー
| エー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|B
| style="font-size:x-large" | B
|{{lang|la|be}} {{IPA|beː}}
|{{lang|en|bee}} {{IPA|biː}}
| {{Lang|la|be}} {{IPA|beː}}
|{{lang|fr|}} {{IPA|be}}
| {{Lang|en|bee}} {{IPA|biː}}
|{{lang|de|be}} {{IPA|beː}}
| {{Lang|fr|}} {{IPA|be}}
|{{lang|it|bi}} {{IPA|bi}}
| {{Lang|de|be}} {{IPA|beː}}
|{{lang|es|be}} {{IPA|be}}
| {{Lang|it|bi}} {{IPA|bi}}
|{{lang|pt|}} {{IPA|be}}
| {{Lang|es|be}} {{IPA|be}}
|{{lang|eo|bo}} {{IPA|boː}}
| {{Lang|pt|}} {{IPA|be}}
| {{Lang|eo|bo}} {{IPA|boː}}
|ビー
| ビー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|C
| style="font-size:x-large" | C
|{{lang|la|ce}} {{IPA|keː}}
|{{lang|en|cee}} {{IPA|siː}}
| {{Lang|la|ce}} {{IPA|keː}}
|{{lang|fr|}} {{IPA|se}}
| {{Lang|en|cee}} {{IPA|siː}}
|{{lang|de|ce}} {{IPA|tseː}}
| {{Lang|fr|}} {{IPA|se}}
|{{lang|it|ci}} {{IPA|tʃi}}
| {{Lang|de|ce}} {{IPA|tseː}}
|{{lang|es|ce}} {{IPA|θe}}, {{IPA|se}}
| {{Lang|it|ci}} {{IPA|tʃi}}
|{{lang|pt|}} {{IPA|se}}
| {{Lang|es|ce}} {{IPA|θe}}, {{IPA|se}}
|{{lang|eo|co}} {{IPA|tsoː}}
| {{Lang|pt|}} {{IPA|se}}
| {{Lang|eo|co}} {{IPA|tsoː}}
|シー
| シー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|D
| style="font-size:x-large" | D
|{{lang|la|de}} {{IPA|deː}}
|{{lang|en|dee}} {{IPA|diː}}
| {{Lang|la|de}} {{IPA|deː}}
|{{lang|fr|}} {{IPA|de}}
| {{Lang|en|dee}} {{IPA|diː}}
|{{lang|de|de}} {{IPA|deː}}
| {{Lang|fr|}} {{IPA|de}}
|{{lang|it|di}} {{IPA|di}}
| {{Lang|de|de}} {{IPA|deː}}
|{{lang|es|de}} {{IPA|de}}
| {{Lang|it|di}} {{IPA|di}}
|{{lang|pt|}} {{IPA|de}}
| {{Lang|es|de}} {{IPA|de}}
|{{lang|eo|do}} {{IPA|doː}}
| {{Lang|pt|}} {{IPA|de}}
| {{Lang|eo|do}} {{IPA|doː}}
|ディー
| ディー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|E
| style="font-size:x-large" | E
|{{lang|la|e}} {{IPA|eː}}
|{{lang|en|e}} {{IPA|}}
| {{Lang|la|e}} {{IPA|}}
|{{lang|fr|e}} {{IPA|ə}}
| {{Lang|en|e}} {{IPA|}}
|{{lang|de|e}} {{IPA|}}
| {{Lang|fr|e}} {{IPA|ə}}
|{{lang|it|e}} {{IPA|e}}
| {{Lang|de|e}} {{IPA|}}
|{{lang|es|e}} {{IPA|e}}
| {{Lang|it|e}} {{IPA|e}}
|{{lang|pt|e}} {{IPA|ɛ}}, {{IPA|e}}
| {{Lang|es|e}} {{IPA|e}}
|{{lang|eo|e}} {{IPA|}}
| {{Lang|pt|e}} {{IPA|ɛ}}, {{IPA|e}}
| {{Lang|eo|e}} {{IPA|eː}}
|イー
| イー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|F
| style="font-size:x-large" | F
|{{lang|la|ef}} {{IPA|ɛf}}
|{{lang|en|ef}} {{IPA|ɛf}}
| {{Lang|la|ef}} {{IPA|ɛf}}
|{{lang|fr|effe}} {{IPA|ɛf}}
| {{Lang|en|ef}} {{IPA|ɛf}}
|{{lang|de|ef}} {{IPA|ɛf}}
| {{Lang|fr|effe}} {{IPA|ɛf}}
|{{lang|it|effe}} {{IPA|ˈɛffe}}
| {{Lang|de|ef}} {{IPA|ɛf}}
|{{lang|es|efe}} {{IPA|ˈefe}}
| {{Lang|it|effe}} {{IPA|ˈɛffe}}
|{{lang|pt|éfe}} {{IPA|ˈɛfɨ}}, {{IPA|ˈɛfi}}
| {{Lang|es|efe}} {{IPA|ˈefe}}
|{{lang|eo|fo}} {{IPA|foː}}
| {{Lang|pt|éfe}} {{IPA|ˈɛfɨ}}, {{IPA|ˈɛfi}}
| {{Lang|eo|fo}} {{IPA|foː}}
|エフ
| エフ
|-
|-
|style="font-size:x-large"|G
| style="font-size:x-large" | G
|{{lang|la|ge}} {{IPA|ɡeː}}
|{{lang|en|gee}} {{IPA|dʒiː}}
| {{Lang|la|ge}} {{IPA|ɡeː}}
|{{lang|fr|}} {{IPA|ʒe}}
| {{Lang|en|gee}} {{IPA|dʒiː}}
|{{lang|de|ge}} {{IPA|ɡeː}}
| {{Lang|fr|}} {{IPA|ʒe}}
|{{lang|it|gi}} {{IPA|dʒi}}
| {{Lang|de|ge}} {{IPA|ɡeː}}
|{{lang|es|ge}} {{IPA|xe}}
| {{Lang|it|gi}} {{IPA|dʒi}}
|{{lang|pt|gê}} {{IPA|ʒe}}<br>{{lang|pt-PT|guê}} {{IPA|ɡe}}
| {{Lang|es|ge}} {{IPA|xe}}
|{{lang|eo|go}} {{IPA|ɡoː}}
| {{Lang|pt|gê}} {{IPA|ʒe}}<br>{{Lang|pt-PT|guê}} {{IPA|ɡe}}
| {{Lang|eo|go}} {{IPA|ɡoː}}
|ジー
| ジー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|H
| style="font-size:x-large" | H
|{{lang|la|ha}} {{IPA|haː}}
|{{lang|en|aitch}} {{IPA|eɪtʃ}}
| {{Lang|la|ha}} {{IPA|haː}}
|{{lang|fr|ache}} {{IPA|}}
| {{Lang|en|aitch}} {{IPA|eɪtʃ}}
|{{lang|de|ha}} {{IPA|haː}}
| {{Lang|fr|ache}} {{IPA|}}
|{{lang|it|acca}} {{IPA|ˈakka}}
| {{Lang|de|ha}} {{IPA|haː}}
|{{lang|es|hache}} {{IPA|ˈatʃe}}
| {{Lang|it|acca}} {{IPA|ˈakka}}
|{{lang|pt|agá}} {{IPA|ɐˈɡa}}, {{IPA|aˈɡa}}
| {{Lang|es|hache}} {{IPA|ˈatʃe}}
|{{lang|eo|ho}} {{IPA|hoː}}
| {{Lang|pt|agá}} {{IPA|ɐˈɡa}}, {{IPA|aˈɡa}}
| {{Lang|eo|ho}} {{IPA|hoː}}
|エイチ、<!-- 日本語での名称にはIPAを示していないので、区切りに読点を加える --><br>エッチ
| エイチ、<!-- 日本語での名称にはIPAを示していないので、区切りに読点を加える --><br>エッチ
|-
|-
|style="font-size:x-large"|I
| style="font-size:x-large" | I
|rowspan="2"|{{lang|la|i}} {{IPA|iː}}
|{{lang|en|i}} {{IPA|}}
| rowspan="2"|{{Lang|la|i}} {{IPA|}}
|{{lang|fr|i}} {{IPA|i}}
| {{Lang|en|i}} {{IPA|}}
|{{lang|de|i}} {{IPA|}}
| {{Lang|fr|i}} {{IPA|i}}
|{{lang|it|i}} {{IPA|i}}
| {{Lang|de|i}} {{IPA|}}
|{{lang|es|i}} {{IPA|i}}
| {{Lang|it|i}} {{IPA|i}}
|{{lang|pt|i}} {{IPA|i}}
| {{Lang|es|i}} {{IPA|i}}
|{{lang|eo|i}} {{IPA|}}
| {{Lang|pt|i}} {{IPA|i}}
| {{Lang|eo|i}} {{IPA|iː}}
|アイ
| アイ
|-
|-
|style="font-size:x-large"|J
| style="font-size:x-large" | J
|{{lang|en|jay}} {{IPA|dʒeɪ}}
|{{lang|fr|ji}} {{IPA|ʒi}}
| {{Lang|en|jay}} {{IPA|dʒeɪ}}
|{{lang|de|jot}} {{IPA|jɔt}}
| {{Lang|fr|ji}} {{IPA|ʒi}}
|{{lang|it|i lunga}} {{IPA|ilˈluŋga}}<br>{{lang|it|iota}} {{IPA|ˈjota}}
| {{Lang|de|jot}} {{IPA|jɔt}}
| {{Lang|it|i lunga}} {{IPA|ilˈluŋga}}<br>{{Lang|it|iota}} {{IPA|ˈjota}}
|{{lang|es|jota}} {{IPA|ˈxota}}
| {{Lang|es|jota}} {{IPA|ˈxota}}
|{{lang|pt|jota}} {{IPA|ˈʒɔtɐ}}
| {{Lang|pt|jota}} {{IPA|ˈʒɔtɐ}}
|{{lang|eo|jo}} {{IPA|joː}}
| {{Lang|eo|jo}} {{IPA|joː}}
|ジェー
| ジェー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|K
| style="font-size:x-large" | K
|{{lang|la|ka}} {{IPA|kaː}}
| {{Lang|la|ka}} {{IPA|kaː}}
|{{lang|en|kay}} {{IPA|keɪ}}
| {{Lang|en|kay}} {{IPA|keɪ}}
|{{lang|fr|ka}} {{IPA|ka}}
| {{Lang|fr|ka}} {{IPA|ka}}
|{{lang|de|ka}} {{IPA|kaː}}
| {{Lang|de|ka}} {{IPA|kaː}}
|{{lang|it|kappa}} {{IPA|ˈkappa}}
| {{Lang|it|kappa}} {{IPA|ˈkappa}}
|{{lang|es|ka}} {{IPA|ka}}
| {{Lang|es|ka}} {{IPA|ka}}
|{{lang|pt-PT|capa}} {{IPA|ˈkapɐ}}<br>{{lang|pt-BR|cá}} {{IPA|ka}}
| {{Lang|pt-PT|capa}} {{IPA|ˈkapɐ}}<br>{{Lang|pt-BR|cá}} {{IPA|ka}}
|{{lang|eo|ko}} {{IPA|koː}}
| {{Lang|eo|ko}} {{IPA|koː}}
|ケー
| ケー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|L
| style="font-size:x-large" | L
|{{lang|la|el}} {{IPA|ɛl}}
| {{Lang|la|el}} {{IPA|ɛl}}
|{{lang|en|el}} {{IPA|ɛl}}
| {{Lang|en|el}} {{IPA|ɛl}}
|{{lang|fr|elle}} {{IPA|ɛl}}
| {{Lang|fr|elle}} {{IPA|ɛl}}
|{{lang|de|el}} {{IPA|ɛl}}
| {{Lang|de|el}} {{IPA|ɛl}}
|{{lang|it|elle}} {{IPA|ˈɛlle}}
| {{Lang|it|elle}} {{IPA|ˈɛlle}}
|{{lang|es|ele}} {{IPA|ˈele}}
| {{Lang|es|ele}} {{IPA|ˈele}}
|{{lang|pt|ele}} {{IPA|ˈɛlɨ}}, {{IPA|ˈɛli}}
| {{Lang|pt|ele}} {{IPA|ˈɛlɨ}}, {{IPA|ˈɛli}}
|{{lang|eo|lo}} {{IPA|loː}}
| {{Lang|eo|lo}} {{IPA|loː}}
|エル
| エル
|-
|-
|style="font-size:x-large"|M
| style="font-size:x-large" | M
|{{lang|la|em}} {{IPA|ɛm}}
| {{Lang|la|em}} {{IPA|ɛm}}
|{{lang|en|em}} {{IPA|ɛm}}
| {{Lang|en|em}} {{IPA|ɛm}}
|{{lang|fr|emme}} {{IPA|ɛm}}
| {{Lang|fr|emme}} {{IPA|ɛm}}
|{{lang|de|em}} {{IPA|ɛm}}
| {{Lang|de|em}} {{IPA|ɛm}}
|{{lang|it|emme}} {{IPA|ˈɛmme}}
| {{Lang|it|emme}} {{IPA|ˈɛmme}}
|{{lang|es|eme}} {{IPA|ˈeme}}
| {{Lang|es|eme}} {{IPA|ˈeme}}
|{{lang|pt|éme}} {{IPA|ˈɛmɨ}}, {{IPA|ˈẽmi}}
| {{Lang|pt|éme}} {{IPA|ˈɛmɨ}}, {{IPA|ˈẽmi}}
|{{lang|eo|mo}} {{IPA|moː}}
| {{Lang|eo|mo}} {{IPA|moː}}
|エム
| エム
|-
|-
|style="font-size:x-large"|N
| style="font-size:x-large" | N
|{{lang|la|en}} {{IPA|ɛn}}
| {{Lang|la|en}} {{IPA|ɛn}}
|{{lang|en|en}} {{IPA|ɛn}}
| {{Lang|en|en}} {{IPA|ɛn}}
|{{lang|fr|enne}} {{IPA|ɛn}}
| {{Lang|fr|enne}} {{IPA|ɛn}}
|{{lang|de|en}} {{IPA|ɛn}}
| {{Lang|de|en}} {{IPA|ɛn}}
|{{lang|it|enne}} {{IPA|ˈɛnne}}
| {{Lang|it|enne}} {{IPA|ˈɛnne}}
|{{lang|es|ene}} {{IPA|ˈene}}
| {{Lang|es|ene}} {{IPA|ˈene}}
|{{lang|pt|éne}} {{IPA|ˈɛnɨ}}, {{IPA|ˈẽni}}
| {{Lang|pt|éne}} {{IPA|ˈɛnɨ}}, {{IPA|ˈẽni}}
|{{lang|eo|no}} {{IPA|noː}}
| {{Lang|eo|no}} {{IPA|noː}}
|エヌ
| エヌ
|-
|-
|style="font-size:x-large"|O
| style="font-size:x-large" | O
|{{lang|la|o}} {{IPA|oː}}
| {{Lang|la|o}} {{IPA|oː}}
|{{lang|en|o}} {{IPA|oʊ}}
| {{Lang|en|o}} {{IPA|oʊ}}
|{{lang|fr|o}} {{IPA|o}}
| {{Lang|fr|o}} {{IPA|o}}
|{{lang|de|o}} {{IPA|oː}}
| {{Lang|de|o}} {{IPA|oː}}
|{{lang|it|o}} {{IPA|o}}
| {{Lang|it|o}} {{IPA|o}}
|{{lang|es|o}} {{IPA|o}}
| {{Lang|es|o}} {{IPA|o}}
|{{lang|pt|ó}} {{IPA|ɔ}}
| {{Lang|pt|ó}} {{IPA|ɔ}}
|{{lang|eo|o}} {{IPA|oː}}
| {{Lang|eo|o}} {{IPA|oː}}
|オー
| オー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|P
| style="font-size:x-large" | P
|{{lang|la|pe}} {{IPA|peː}}
| {{Lang|la|pe}} {{IPA|peː}}
|{{lang|en|pee}} {{IPA|piː}}
| {{Lang|en|pee}} {{IPA|piː}}
|{{lang|fr|pé}} {{IPA|pe}}
| {{Lang|fr|pé}} {{IPA|pe}}
|{{lang|de|pe}} {{IPA|peː}}
| {{Lang|de|pe}} {{IPA|peː}}
|{{lang|it|pi}} {{IPA|pi}}
| {{Lang|it|pi}} {{IPA|pi}}
|{{lang|es|pe}} {{IPA|pe}}
| {{Lang|es|pe}} {{IPA|pe}}
|{{lang|pt|pê}} {{IPA|pe}}
| {{Lang|pt|pê}} {{IPA|pe}}
|{{lang|eo|po}} {{IPA|poː}}
| {{Lang|eo|po}} {{IPA|poː}}
|ピー
| ピー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|Q
| style="font-size:x-large" | Q
|{{lang|la|qu}} {{IPA|kuː}}
| {{Lang|la|qu}} {{IPA|kuː}}
|{{lang|en|cue}} {{IPA|kjuː}}
| {{Lang|en|cue}} {{IPA|kjuː}}
|{{lang|fr|qu}} {{IPA|ky}}
| {{Lang|fr|qu}} {{IPA|ky}}
|{{lang|de|qu}} {{IPA|kuː}}
| {{Lang|de|qu}} {{IPA|kuː}}
|{{lang|it|cu}} {{IPA|ku}}
| {{Lang|it|cu}} {{IPA|ku}}
|{{lang|es|cu}} {{IPA|ku}}
| {{Lang|es|cu}} {{IPA|ku}}
|{{lang|pt|quê}} {{IPA|ke}}
| {{Lang|pt|quê}} {{IPA|ke}}
|{{lang|eo|kuo}} {{IPA|ˈkuːo}}
| {{Lang|eo|kuo}} {{IPA|ˈkuːo}}
|キュー
| キュー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|R
| style="font-size:x-large" | R
|{{lang|la|er}} {{IPA|ɛr}}
| {{Lang|la|er}} {{IPA|ɛr}}
|{{lang|en|ar}} {{IPA|ɑː}}, {{IPA|ɑɹ}}
| {{Lang|en|ar}} {{IPA|ɑː}}, {{IPA|ɑɹ}}
|{{lang|fr|erre}} {{IPA|ɛʁ}}
| {{Lang|fr|erre}} {{IPA|ɛʁ}}
|{{lang|de|er}} {{IPA|ɛʀ}}
| {{Lang|de|er}} {{IPA|ɛʀ}}
|{{lang|it|erre}} {{IPA|ˈɛrre}}
| {{Lang|it|erre}} {{IPA|ˈɛrre}}
|{{lang|es|ere}} {{IPA|ˈeɾe}}<br>{{lang|es|erre}} {{IPA|ˈere}}
| {{Lang|es|ere}} {{IPA|ˈeɾe}}<br>{{Lang|es|erre}} {{IPA|ˈere}}
|{{lang|pt|erre}} {{IPA|ˈɛʁɨ}}, {{IPA|ˈɛxi}}<br>{{lang|pt-PT|rê}} {{IPA|ʁe}}
| {{Lang|pt|erre}} {{IPA|ˈɛʁɨ}}, {{IPA|ˈɛxi}}<br>{{Lang|pt-PT|rê}} {{IPA|ʁe}}
|{{lang|eo|ro}} {{IPA|roː}}
| {{Lang|eo|ro}} {{IPA|roː}}
|アール
| アール
|-
|-
|style="font-size:x-large"|S
| style="font-size:x-large" | S
|{{lang|la|es}} {{IPA|ɛs}}
| {{Lang|la|es}} {{IPA|ɛs}}
|{{lang|en|ess}} {{IPA|ɛs}}
| {{Lang|en|ess}} {{IPA|ɛs}}
|{{lang|fr|esse}} {{IPA|ɛs}}
| {{Lang|fr|esse}} {{IPA|ɛs}}
|{{lang|de|es}} {{IPA|ɛs}}
| {{Lang|de|es}} {{IPA|ɛs}}
|{{lang|it|esse}} {{IPA|ˈɛsse}}
| {{Lang|it|esse}} {{IPA|ˈɛsse}}
|{{lang|es|ese}} {{IPA|ˈese}}
| {{Lang|es|ese}} {{IPA|ˈese}}
|{{lang|pt|ésse}} {{IPA|ˈɛsɨ}}, {{IPA|ˈɛsi}}
| {{Lang|pt|ésse}} {{IPA|ˈɛsɨ}}, {{IPA|ˈɛsi}}
|{{lang|eo|so}} {{IPA|soː}}
| {{Lang|eo|so}} {{IPA|soː}}
|エス
| エス
|-
|-
|style="font-size:x-large"|T
| style="font-size:x-large" | T
|{{lang|la|te}} {{IPA|teː}}
| {{Lang|la|te}} {{IPA|teː}}
|{{lang|en|tee}} {{IPA|tiː}}
| {{Lang|en|tee}} {{IPA|tiː}}
|{{lang|fr|té}} {{IPA|te}}
| {{Lang|fr|té}} {{IPA|te}}
|{{lang|de|te}} {{IPA|teː}}
| {{Lang|de|te}} {{IPA|teː}}
|{{lang|it|ti}} {{IPA|ti}}
| {{Lang|it|ti}} {{IPA|ti}}
|{{lang|es|te}} {{IPA|te}}
| {{Lang|es|te}} {{IPA|te}}
|{{lang|pt|tê}} {{IPA|te}}
| {{Lang|pt|tê}} {{IPA|te}}
|{{lang|eo|to}} {{IPA|toː}}
| {{Lang|eo|to}} {{IPA|toː}}
|ティー
| ティー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|U
| style="font-size:x-large" | U
|rowspan="2"|{{lang|la|ū}} {{IPA|uː}}
| rowspan="2"|{{Lang|la|ū}} {{IPA|uː}}
|{{lang|en|u}} {{IPA|juː}}
| {{Lang|en|u}} {{IPA|juː}}
|{{lang|fr|u}} {{IPA|y}}
| {{Lang|fr|u}} {{IPA|y}}
|{{lang|de|u}} {{IPA|uː}}
| {{Lang|de|u}} {{IPA|uː}}
|{{lang|it|u}} {{IPA|u}}
| {{Lang|it|u}} {{IPA|u}}
|{{lang|es|u}} {{IPA|u}}
| {{Lang|es|u}} {{IPA|u}}
|{{lang|pt|u}} {{IPA|u}}
| {{Lang|pt|u}} {{IPA|u}}
|{{lang|eo|u}} {{IPA|uː}}
| {{Lang|eo|u}} {{IPA|uː}}
|ユー
| ユー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|V
| style="font-size:x-large" | V
|{{lang|en|vee}} {{IPA|viː}}
| {{Lang|en|vee}} {{IPA|viː}}
|{{lang|fr|vé}} {{IPA|ve}}
| {{Lang|fr|vé}} {{IPA|ve}}
|{{lang|de|vau}} {{IPA|faʊ}}
| {{Lang|de|vau}} {{IPA|faʊ}}
|{{lang|it|vu}} {{IPA|vu}}
| {{Lang|it|vu}} {{IPA|vu}}
|{{lang|es|uve}} {{IPA|ˈuβe}}
| {{Lang|es|uve}} {{IPA|ˈuβe}}
|{{lang|pt|vê}} {{IPA|ve}}
| {{Lang|pt|vê}} {{IPA|ve}}
|{{lang|eo|vo}} {{IPA|voː}}
| {{Lang|eo|vo}} {{IPA|voː}}
|ブイ、<br>ヴィー
| ブイ、<br>ヴィー
|-
|-
|style="font-size:x-large"|W
| style="font-size:x-large" | W
|{{N/A}}
| {{N/A}}
|{{lang|en|double-u}} {{IPA|ˈdʌbljuː}}
| {{Lang|en|double-u}} {{IPA|ˈdʌbljuː}}
|{{lang|fr|double vé}} {{IPA|dubləve}}
| {{Lang|fr|double vé}} {{IPA|dubləve}}
|{{lang|de|we}} {{IPA|veː}}
| {{Lang|de|we}} {{IPA|veː}}
|{{lang|it|doppia vu}} {{IPA|doppja vu}}
| {{Lang|it|doppia vu}} {{IPA|doppja vu}}
|{{lang|es|uve doble}} {{IPA|uβe ˈdoβle}}
| {{Lang|es|uve doble}} {{IPA|uβe ˈdoβle}}
|{{lang|pt-PT|dâblio}} {{IPA|ˈdɐ̃bliu}}<br>{{lang|pt-BR|dáblio}} {{IPA|ˈdabliu}}
| {{Lang|pt-PT|dâblio}} {{IPA|ˈdɐ̃bliu}}<br>{{Lang|pt-BR|dáblio}} {{IPA|ˈdabliu}}
|{{lang|eo|duobla vo}} {{IPA|duˈobla voː}}
| {{Lang|eo|duobla vo}} {{IPA|duˈobla voː}}
|{{nowrap|ダブリュー}}
| {{Nowrap|ダブリュー}}
|-
|-
|style="font-size:x-large"|X
| style="font-size:x-large" | X
|{{lang|la|ex}} {{IPA|ɛks}}<br>{{lang|la|ix}} {{IPA|iks}}
| {{Lang|la|ex}} {{IPA|ɛks}}<br>{{Lang|la|ix}} {{IPA|iks}}
|{{lang|en|ex}} {{IPA|ɛks}}
| {{Lang|en|ex}} {{IPA|ɛks}}
|{{lang|fr|ixe}} {{IPA|iks}}
| {{Lang|fr|ixe}} {{IPA|iks}}
|{{lang|de|ix}} {{IPA|iks}}
| {{Lang|de|ix}} {{IPA|iks}}
|{{lang|it|ics}} {{IPA|iks}}
| {{Lang|it|ics}} {{IPA|iks}}
|{{lang|es|equis}} {{IPA|ˈekis}}
| {{Lang|es|equis}} {{IPA|ˈekis}}
|{{lang|pt-PT|chis}} {{IPA|ʃiʃ}}<br>{{lang|pt-BR|xis}} {{IPA|ʃis}}
| {{Lang|pt-PT|chis}} {{IPA|ʃiʃ}}<br>{{Lang|pt-BR|xis}} {{IPA|ʃis}}
|{{lang|eo|ikso}} {{IPA|ikso}}
| {{Lang|eo|ikso}} {{IPA|ikso}}
|エックス
| エックス
|-
|-
|style="font-size:x-large"|Y
| style="font-size:x-large" | Y
|{{lang|la|y}} {{IPA|yː}}<br>{{lang|la|ī Graeca}} {{IPA|iː ˈɡrajka}}
| {{Lang|la|y}} {{IPA|yː}}<br>{{Lang|la|ī Graeca}} {{IPA|iː ˈɡrajka}}
|{{lang|en|wye}} {{IPA|waɪ}}
| {{Lang|en|wye}} {{IPA|waɪ}}
|{{lang|fr|i grec}} {{IPA|iɡʁɛk}}
| {{Lang|fr|i grec}} {{IPA|iɡʁɛk}}
|{{lang|de|ypsilon}} {{IPA|ˈʏpsɪlɔn}}
| {{Lang|de|ypsilon}} {{IPA|ˈʏpsɪlɔn}}
|{{lang|it|i greca}} {{IPA|iɡˈɡrɛka}}<br>{{lang|it|ipsilon}} {{IPA|ˈipsilon}}
| {{Lang|it|i greca}} {{IPA|iɡˈɡrɛka}}<br>{{Lang|it|ipsilon}} {{IPA|ˈipsilon}}
|{{lang|es|ye}} {{IPA|ʝe}}<br>{{lang|es|i griega}} {{IPA|i ˈɡɾjeɣa}}
| {{Lang|es|ye}} {{IPA|ʝe}}<br>{{Lang|es|i griega}} {{IPA|i ˈɡɾjeɣa}}
|{{lang|pt|ípsilon}} {{IPA|ˈipsɨlɔn}}, {{IPA|ˈipsilõ}}
| {{Lang|pt|ípsilon}} {{IPA|ˈipsɨlɔn}}, {{IPA|ˈipsilõ}}
|{{lang|eo|ipsilono}} {{IPA|ipsiˈloːno}}
| {{Lang|eo|ipsilono}} {{IPA|ipsiˈloːno}}
|ワイ
| ワイ
|-
|-
|style="font-size:x-large"|Z
| style="font-size:x-large" | Z
|{{lang|la|zeta}} {{IPA|ˈzeːta}}
| {{Lang|la|zeta}} {{IPA|ˈzeːta}}
|{{lang|en-GB|zed}} {{IPA|zɛd}}<br>{{lang|en-US|zee}} {{IPA|ziː}}
| {{Lang|en-GB|zed}} {{IPA|zɛd}}<br>{{Lang|en-US|zee}} {{IPA|ziː}}
|{{lang|fr|zède}} {{IPA|zɛd}}
| {{Lang|fr|zède}} {{IPA|zɛd}}
|{{lang|de|zet}} {{IPA|tsɛt}}
| {{Lang|de|zet}} {{IPA|tsɛt}}
|{{lang|it|zeta}} {{IPA|ˈzɛta}}
| {{Lang|it|zeta}} {{IPA|ˈzɛta}}
|{{lang|es|zeta}} {{IPA|ˈθeta}}, {{IPA|ˈseta}}
| {{Lang|es|zeta}} {{IPA|ˈθeta}}, {{IPA|ˈseta}}
|{{lang|pt|zê}} {{IPA|ze}}
| {{Lang|pt|zê}} {{IPA|ze}}
|{{lang|eo|zo}} {{IPA|zoː}}
| {{Lang|eo|zo}} {{IPA|zoː}}
|ゼット
| ゼット
|}
|}


==他言語の文字のラテン文字表記==
== 他言語の文字のラテン文字表記 ==
{| class="wikitable"
{| class="wikitable sortable mw-collapsible nowraplinks" style="text-align:center;"
! ラテン
|+主なラテン字翻字の対応表
! [[ギリシア文字]]
! ラテン<br>文字
! [[文字]]
! [[シア文字]]
! [[ヘブライ文字]]
! [[キリル文字]]
! [[ビア文字]]
! [[ヘブ文字]]
! [[ペルシア文字]]
! [[アラビア文字]]
! [[カタカナ]]
! [[ペルシア文字]]
! [[ハングル]]
! [[カタカナ]]
! [[ハングル]]
|-
|-<!-- 誤記が疑われる文字に疑問符「?」を打ち、コメントアウトしています。 -->
| A
| {{Lang|und-Latn|A}}
| A
| А
| Α| Α
| А
| ַ, ֲ, ָ, א
| א|{{hebrew|א}}&ensp;
|𛄠| آ ا
|{{Lang|und-Arab || آ ا}}
|
|
|
|
|
| ㅏ
|-
|-
| AE
| {{Lang|und-Latn|AE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅐ
|-
|-
| AI
| {{Lang|und-Latn|AI}}
|
|
|
| י ַ
|
| {{Hebrew|י ַ}}
|
|
|
|
|
|
|
|-
|
| B
|-
| {{Lang|und-Latn|B}}
| ΜΠ, Β
| {{Lang|und-Grek|ΜΠ}}, {{Lang|und-Grek|Β}}
| Б
| {{Script|Cyrl|Б}}
| בּ
| {{Hebrew|בּ}}
| ﺏ ﺑ ﺒ ﺐ
| ﺏ ﺑ
| {{Lang|und-Arab|ﺏ ﺑ ﺒ ﺐ}}
| {{Nastaliq|ﺏ ﺑ}}
|
|
|
| ㅂ
|-
| C
|-
| {{Lang|und-Latn|C}}
| Ξ
| {{Lang|und-Grek|Ξ}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|-
|
|-
| CH
| {{Lang|und-Latn|CH}}
| TΣ̈
| Τ{{Lang|und-Grek|Σ̈}}
| Ч
| {{Script|Cyrl|Ч}}
| צ׳
| {{Hebrew|צ׳}}
|
| چ
|
| {{Nastaliq|چ}}
|
|
|
| ㅊ
|-
|-
| CHI
| {{Lang|und-Latn|CHI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| チ
|
|-
|
| D
|-
| {{Lang|und-Latn|D}}
| ΝΤ, Δ
| {{Lang|und-Grek|ΝΤ}}, {{Lang|und-Grek|Δ}}
| Д
| {{Script|Cyrl|Д}}
| ד
| {{Hebrew|ד}}
| ﺩ —ﺪ / ﺽ ﺿ ﻀ ﺾ
| {{Lang|und-Arab|ﺩ —ﺪ}} / {{Lang|und-Arab|ﺽ ﺿ ﻀ ﺾ}}
| د
| {{Nastaliq|د}}
|
|
|
| ㄷ
|-
|-
| DH
| {{Lang|und-Latn|DH}}
| Δ
| {{Lang|und-Grek|Δ}}
|
| דֿ
|
| {{Hebrew|דֿ}}
| ﺫ — ﺬ
| {{Lang|und-Arab|ﺫ — ﺬ}}
|
|
|
|
|
|-
|
|-
| DZ
| {{Lang|und-Latn|DZ}}
| ΤΖ
| {{Lang|und-Grek|ΤΖ}}
| Ѕ
| {{Script|Cyrl|Ѕ}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|-
|
| E
|-
| {{Lang|und-Latn|E}}
| Ε, ΑΙ
| {{Lang|und-Grek|Ε}}, {{Lang|und-Grek|ΑΙ}}
| Э
| {{Script|Cyrl|Э}}
| , ֱ, י ֵֶ, ֵ, י ֶ
| <!-- 余分なコンマ? -->, {{Hebrew|ֱ}}, {{Hebrew|י ֵֶ}}, {{Hebrew|ֵ}}, {{Hebrew|י ֶ}}
|
|
|
|
|
|
|
| ㅔ
|-
|-
| EO
| {{Lang|und-Latn|EO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅓ
|-
|-
| EU
| {{Lang|und-Latn|EU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅡ
|-
|-
| EUI
| {{Lang|und-Latn|EUI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅢ
|-
| F
|-
| {{Lang|und-Latn|F}}
| Φ
| {{Lang|und-Grek|Φ}}
| Ф
| {{Script|Cyrl|Ф}}
| פ 語尾 ף)
| {{Hebrew|פ}}(語尾 {{Hebrew|ף}})
| ﻑ ﻓ ﻔ ﻒ
| {{Lang|und-Arab|ﻑ ﻓ ﻔ ﻒ}}
| ﻑ
| {{Nastaliq|ﻑ}}
|
|
|
|-
|
|-
| FU
| {{Lang|und-Latn|FU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| フ
|
|-
|
| G
|-
| {{Lang|und-Latn|G}}
| ΓΓ, ΓΚ, Γ
| {{Lang|und-Grek|ΓΓ}}, {{Lang|und-Grek|ΓΚ}}, {{Lang|und-Grek|Γ}}
| Г
| {{Script|Cyrl|Г}}
| ג
| {{Hebrew|ג}}
|
| گ
|
| {{Nastaliq|گ}}
|
|
|
| ㄱ
|-
|-
| GH
| {{Lang|und-Latn|GH}}
| Γ
| {{Lang|und-Grek|Γ}}
| Ғ
| {{Script|Cyrl|Ғ}}
| גֿ, עֿ
| {{Hebrew|גֿ}}, {{Hebrew|עֿ}}
| ﻍ ﻏ ﻐ ﻎ
| {{Lang|und-Arab|ﻍ ﻏ ﻐ ﻎ}}
| ق غ
| {{Nastaliq|ق غ}}
|
|
|
|-
|
| H
|-
| {{Lang|und-Latn|H}}
| Η
| {{Lang|und-Grek|Η}}
| Һ
| {{Script|Cyrl|Һ}}
| ח, ה
| {{Hebrew|ח}}, {{Hebrew|ה}}
| ﻩ ﻫ ﻬ ﻪ, ﺡ ﺣ ﺤ ﺢ
| {{Lang|und-Arab|ﻩ ﻫ ﻬ ﻪ}}, {{Lang|und-Arab|ﺡ ﺣ ﺤ ﺢ}}
| ه ح ﻫ
| {{Nastaliq|ه ح ﻫ}}
|
|
|
| ㅎ
|-
|-
| HA
| {{Lang|und-Latn|HA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ハ
|
|-
|
|-
| HE
| {{Lang|und-Latn|HE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ヘ
|
|-
|
|-
| HI
| {{Lang|und-Latn|HI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ヒ
|
|-
|
|-
| HO
| {{Lang|und-Latn|HO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ホ
|
|-
|
| I
|-
| {{Lang|und-Latn|I}}
| Η, Ι, Υ, ΕΙ, ΟΙ
| {{Lang|und-Grek|Η}}, {{Lang|und-Grek|Ι}}, {{Lang|und-Grek|Υ}}, {{Lang|und-Grek|ΕΙ}}, {{Lang|und-Grek|ΟΙ}}
| И
| {{Script|Cyrl|И}}
| ִ, י ִ
| {{Hebrew|ִ}}, {{Hebrew|י ִ}}
| دِ
| {{Lang|und-Arab|دِ}}
|
|
|
|
|
| ㅣ
|-
|-
| IY
| {{Lang|und-Latn|IY}}
|
|
|
|
|
| دِي
|
| {{Lang|und-Arab|دِي}}
|
|
|
|
|
|-
|
| J
|-
| {{Lang|und-Latn|J}}
| TZ̈
| TZ̈<!-- 希の列に羅? -->
| ДЖ, Џ
| {{Script|Cyrl|ДЖ}}, {{Script|Cyrl|Џ}}
| ג׳
| {{Hebrew|ג׳}}
| ﺝ ﺟ ﺠ ﺞ
| {{Lang|und-Arab|ﺝ ﺟ ﺠ ﺞ}}
| ج
| {{Nastaliq|ج}}
|
|
|
| ㅈ
|-
|-
| JJ
| {{Lang|und-Latn|JJ}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅉ
|-
| K
|-
| {{Lang|und-Latn|K}}
| Κ
| {{Lang|und-Grek|Κ}}
| К
| {{Script|Cyrl|К}}
| כּ (語尾 ךּ )
| {{Hebrew|כּ}}(語尾 {{Hebrew|ךּ}} )
| ﻙ ﻛ ﻜ ﻚ
| {{Lang|und-Arab|ﻙ ﻛ ﻜ ﻚ}}
| ک
| {{Nastaliq|ک}}
|
|
|
| ㅋ
|-
|-
| KA
| {{Lang|und-Latn|KA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| カ
|
|-
|
|-
| KE
| {{Lang|und-Latn|KE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ケ
|
|-
|
|-
| KH
| {{Lang|und-Latn|KH}}
| X
| X<!-- 希の列に羅? -->
| Х
| {{Script|Cyrl|Х}}
| כ,חֿ (語尾 ך)
| {{Hebrew|כ}},{{Hebrew|חֿ}}(語尾 {{Hebrew|ך}})
| ﺥ ﺧ ﺨ ﺦ
| {{Lang|und-Arab|ﺥ ﺧ ﺨ ﺦ}}
| خ
| {{Nastaliq|خ}}
|
|
|
|-
|
|-
| KI
| {{Lang|und-Latn|KI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| キ
|
|-
|
|-
| KK
| {{Lang|und-Latn|KK}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㄲ
|-
|-
| KO
| {{Lang|und-Latn|KO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| コ
|
|-
|
|-
| KU
| {{Lang|und-Latn|KU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ク
|
|-
|
| L
|-
| {{Lang|und-Latn|L}}
| Λ
| {{Lang|und-Grek|Λ}}
| Л
| {{Script|Cyrl|Л}}
| ל
| {{Hebrew|ל}}
| ﻝ ﻟ ﻠ ﻞ
| {{Lang|und-Arab|ﻝ ﻟ ﻠ ﻞ}}
| ل
| {{Nastaliq|ل}}
|
|
|
|-
|
| M
|-
| {{Lang|und-Latn|M}}
| Μ
| {{Lang|und-Grek|Μ}}
| М
| {{Script|Cyrl|М}}
| מ (語尾 ם)
| {{Hebrew|מ}}(語尾 {{Hebrew|ם}})
| ﻡ ﻣ ﻤ ﻢ
| {{Lang|und-Arab|ﻡ ﻣ ﻤ ﻢ}}
| م
| {{Nastaliq|م}}
|
|
|
| ㅁ
|-
|-
| MA
| {{Lang|und-Latn|MA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| マ
|
|-
|
|-
| ME
| {{Lang|und-Latn|ME}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| メ
|
|-
|
|-
| MI
| {{Lang|und-Latn|MI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ミ
|
|-
|
|-
| MO
| {{Lang|und-Latn|MO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| モ
|
|-
|
|-
| MU
| {{Lang|und-Latn|MU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ム
|
|-
|
| N
|-
| {{Lang|und-Latn|N}}
| Ν
| {{Lang|und-Grek|Ν}}
| Н
| {{Script|Cyrl|Н}}
| נ (語尾 ן)
| {{Hebrew|נ}}(語尾 {{Hebrew|ן}})
| ﻥ ﻧ ﻨ ﻦ
| {{Lang|und-Arab|ﻥ ﻧ ﻨ ﻦ}}
| ن
| {{Nastaliq|ن}}
| ン
|
|
| ㄴ
|-
|-
| NA
| {{Lang|und-Latn|NA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ナ
|
|-
|
|-
| NE
| {{Lang|und-Latn|NE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ネ
|
|-
|
|-
| NI
| {{Lang|und-Latn|NI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ニ
|
|-
|
|-
| NO
| {{Lang|und-Latn|NO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ノ
|
|-
|
|-
| NU
| {{Lang|und-Latn|NU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ヌ
|
|-
|
| O
|-
| {{Lang|und-Latn|O}}
| Ο, Ω
| {{Lang|und-Grek|Ο}}, {{Lang|und-Grek|Ω}}
| О
| {{Script|Cyrl|О}}
| , ֳ, וֹֹ
| <!-- 余分なコンマ? -->, {{Hebrew|ֳ}}, {{Hebrew|וֹֹ}}
|
| ُا
|
| {{Nastaliq|ا ُ}}
| オ
| オ
| ㅗ,ㅓ
| ㅗ,ㅓ
|-
|-
| OI
| {{Lang|und-Latn|OI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅚ
|-
| P
|-
| {{Lang|und-Latn|P}}
| Π
| {{Lang|und-Grek|Π}}
| П
| {{Script|Cyrl|П}}
| פּ (語尾 ףּ )
| {{Hebrew|פּ}}(語尾 {{Hebrew|ףּ}} )
|
| پ
|
| {{Nastaliq|پ}}
|
|
|
| ㅍ
|-
|-
| PP
| {{Lang|und-Latn|PP}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅃ
|-
|-
| PS
| {{Lang|und-Latn|PS}}
| Ψ
| {{Lang|und-Grek|Ψ}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|-
|
| Q
|-
| {{Lang|und-Latn|Q}}
| Θ
| {{Lang|und-Grek|Ϙ}}
|
| ק
|
| {{Hebrew|ק}}
| ﻕ ﻗ ﻘ ﻖ
| {{Lang|und-Arab|ﻕ ﻗ ﻘ ﻖ}}
| ق
| {{Nastaliq|ق}}
|
|
|
|-
|
| R
|-
| {{Lang|und-Latn|R}}
| Ρ
| {{Lang|und-Grek|Ρ}}
| Р
| {{Script|Cyrl|Р}}
| ר
| {{Hebrew|ר}}
| ﺭ — ﺮ
| {{Lang|und-Arab|ﺭ — ﺮ}}
| ر
| {{Nastaliq|ر}}
|
|
|
| ㄹ
|-
|-
| RA
| {{Lang|und-Latn|RA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ラ
|
|-
|
|-
| RE
| {{Lang|und-Latn|RE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| レ
|
|-
|
|-
| RI
| {{Lang|und-Latn|RI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| リ
|
|-
|
|-
| RO
| {{Lang|und-Latn|RO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ロ
|
|-
|
|-
| RU
| {{Lang|und-Latn|RU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ル
|
|-
|
| S
|-
| {{Lang|und-Latn|S}}
| Σ
| {{Lang|und-Grek|Σ}}
| С
| {{Script|Cyrl|С}}
| ס, שׂ
| {{Hebrew|ס}}, {{Hebrew|שׂ}}
| ﺱ ﺳ ﺴ ﺲ, ﺹ ﺻ ﺼ ﺺ
| {{Lang|und-Arab|ﺱ ﺳ ﺴ ﺲ}}, {{Lang|und-Arab|ﺹ ﺻ ﺼ ﺺ}}
| س ص
| {{Nastaliq|س ص}}
|
|
|
| ㅅ
|-
|-
| SA
| {{Lang|und-Latn|SA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| サ
|
|-
|
|-
| SE
| {{Lang|und-Latn|SE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| セ
|
|-
|
|-
| SH
| {{Lang|und-Latn|SH}}
| Σ̈
| {{Lang|und-Grek|Σ̈}}
| Ш
| {{Script|Cyrl|Ш}}
| שׁ
| {{Hebrew|שׁ}}
| ﺵ ﺷ ﺸ ﺶ
| {{Lang|und-Arab|ﺵ ﺷ ﺸ ﺶ}}
| ش
| {{Nastaliq|ش}}
|
|
|
|-
|
|-
| SHCH
| {{Lang|und-Latn|SHCH}}
|
| Щ
|
| {{Script|Cyrl|Щ}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|-
|
|-
| SHI
| {{Lang|und-Latn|SHI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| シ
|
|-
|
|-
| SO
| {{Lang|und-Latn|SO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ソ
|
|-
|
|-
| SS
| {{Lang|und-Latn|SS}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅆ
|-
|-
| SU
| {{Lang|und-Latn|SU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ス
|
|-
|
| T
|-
| {{Lang|und-Latn|T}}
| Τ
| {{Lang|und-Grek|Τ}}
| Т
| {{Script|Cyrl|Т}}
| ט, תּ, ת
| {{Hebrew|ט}}, {{Hebrew|תּ}}, {{Hebrew|ת}}
| ﺕ ﺗ ﺘ ﺖ, ﻁ ﻃ ﻄ ﻂ
| {{Lang|und-Arab|ﺕ ﺗ ﺘ ﺖ}}, {{Lang|und-Arab|ﻁ ﻃ ﻄ ﻂ}}
| ت ط
| {{Nastaliq|ت ط}}
|
|
|
| ㅌ
|-
|-
| TA
| {{Lang|und-Latn|TA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| タ
|
|-
|
|-
| TE
| {{Lang|und-Latn|TE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| テ
|
|-
|
|-
| TH
| {{Lang|und-Latn|TH}}
| Θ
| {{Lang|und-Grek|Θ}}
|
| תֿ
|
| {{Hebrew|תֿ}}
| ﺙ ﺛ ﺜ ﺚ
| {{Lang|und-Arab|ﺙ ﺛ ﺜ ﺚ}}
|
|
|
|
|
|-
|
|-
| TO
| {{Lang|und-Latn|TO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ト
|
|-
|
|-
| TS
| {{Lang|und-Latn|TS}}
| ΤΣ
| {{Lang|und-Grek|ΤΣ}}
| Ц
| {{Script|Cyrl|Ц}}
| צ (語尾 ץ)
| {{Hebrew|צ}}(語尾 {{Hebrew|ץ}})
|
|
|
|
|
|
|
|-
|
|-
| TSU
| {{Lang|und-Latn|TSU}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ツ
|
|-
|
|-
| TT
| {{Lang|und-Latn|TT}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㄸ
|-
| U
|-
| {{Lang|und-Latn|U}}
| ΟΥ, Υ
| {{Lang|und-Grek|ΟΥ}}, {{Lang|und-Grek|Υ}}
| У
| {{Script|Cyrl|У}}
| , וֻּ
| <!-- 余分なコンマ? -->, {{Hebrew|וֻּ}}
| دُ
| {{Lang|und-Arab|دُ}}
|
|
|
|
|
| ㅜ
|-
|-
| UW
| {{Lang|und-Latn|UW}}
|
|
|
|
|
| دُو
|
| {{Lang|und-Arab|دُو}}
|
|
|
|
|
|-
|
| V
|-
| {{Lang|und-Latn|V}}
| B
| B<!-- 希の列に羅? -->
| В
| {{Script|Cyrl|В}}
| ב
| {{Hebrew|ב}}
|
| و
|
| {{Nastaliq|و}}
|
|
|
|-
|
| W
|-
| {{Lang|und-Latn|W}}
| Ω
| {{Lang|und-Grek|Ω}}
|
|
| ו, וו
| {{Hebrew|ו}}, {{Hebrew|וו}}
| ﻭ — ﻮ
| {{Lang|und-Arab|ﻭ — ﻮ}}
| و
| {{Nastaliq|و}}
|
|
|
|-
|
|-
| WA
| {{Lang|und-Latn|WA}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅘ
|-
|-
| WE
| {{Lang|und-Latn|WE}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ヱ
|
|-
|
|-
| WI
| {{Lang|und-Latn|WI}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅟ
|-
|-
| WO
| {{Lang|und-Latn|WO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅝ
|-
| X
|-
| {{Lang|und-Latn|X}}
| Ξ, Χ
| {{Lang|und-Grek|Ξ}}, {{Lang|und-Grek|Χ}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|-
|
| Y
|-
| {{Lang|und-Latn|Y}}
| Ψ
| {{Lang|und-Grek|Ψ}}
| Й, Ы, Ј
| {{Script|Cyrl|Й}}, {{Script|Cyrl|Ы}}, {{Script|Cyrl|Ј}}
| י
| {{Hebrew|י}}
| ﻱ ﻳ ﻴ ﻲ
| {{Lang|und-Arab|ﻱ ﻳ ﻴ ﻲ}}
| ی
| {{Nastaliq|ی}}
|
|
|
|-
|
|-
| YA
| {{Lang|und-Latn|YA}}
|
| Я
|
| {{Script|Cyrl|Я}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅑ
|-
|-
| YE
| {{Lang|und-Latn|YE}}
|
| Е, Є
|
| {{Script|Cyrl|Е}}, {{Script|Cyrl|Є}}
|
|
|
|
|
| 𛄡
|
| 𛄡
|
|-
|
|-
| YEO
| {{Lang|und-Latn|YEO}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅕ
|-
|-
| YI
| {{Lang|und-Latn|YI}}
|
| Ї
|
| {{Script|Cyrl|Ї}}
|
|
|
|
|
| 𛄠
|
| 𛄠
|
|-
|
|-
| YO
| {{Lang|und-Latn|YO}}
|
| Ё
|
| {{Script|Cyrl|Ё}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅛ
|-
|-
| YU
| {{Lang|und-Latn|YU}}
|
| Ю
|
| {{Script|Cyrl|Ю}}
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| ㅠ
|-
| Z
|-
| {{Lang|und-Latn|Z}}
| Ζ
| {{Lang|und-Grek|Ζ}}
| З
| {{Script|Cyrl|З}}
| ז
| {{Hebrew|ז}}
| ﺯ — ﺰ, ﻅ ﻇ ﻈ ﻆ
| {{Lang|und-Arab|ﺯ — ﺰ}}, {{Lang|und-Arab|ﻅ ﻇ ﻈ ﻆ}}
| ز
| {{Nastaliq|ز}}
|
|
|
|-
|
|-
| ZH
| {{Lang|und-Latn|ZH}}
| Ζ̈
| {{Lang|und-Grek|Ζ̈}}
| Ж
| {{Script|Cyrl|Ж}}
| ז׳
| {{Hebrew|ז׳}}
|
| ژ
|
| {{Nastaliq|ژ}}
|
|
|
|}
|
|}


==他の文字との関係==
== 他の文字との関係 ==
ラテン文字はギリシア文字から派生した文字であり、ラテン文字が新たな字を追加し大きく変化した現代においてもいくつかの文字は共通する。また、同じくギリシア文字を祖とするキリル文字ともいくつかの文字が共通している。
ラテン文字はギリシア文字から派生した文字であり、ラテン文字が新たな字を追加し大きく変化した現代においてもいくつかの文字は共通する。また、同じくギリシア文字を祖とするキリル文字ともいくつかの文字が共通している。


ラテン文字は他言語に適用される場合は綴りを工夫したり文字に記号を加えるなどしたうえでそのまま導入されることが多く、ラテン文字から派生した文字はそれほど多くはないが、[[アイルランド島]]などで5世紀から8世紀にかけて用いられた[[オガム文字]]はおそらくラテン文字から影響を受けて作られたと考えられている<ref>「ビジュル版 世界の文字の歴史文化図鑑 ヒエログリフからマルチメディアまで」p284-285 アンヌ=マリー・クリスタン編 柊風舎 2012年4月15日第1刷</ref>。
ラテン文字は他言語に適用される場合は綴りを工夫したり文字に記号を加えるなどしたうえでそのまま導入されることが多く、ラテン文字から派生した文字はそれほど多くはないが、[[アイルランド島]]などで[[5世紀]]から[[8世紀]]にかけて用いられた[[オガム文字]]はおそらくラテン文字から影響を受けて作られたと考えられている<ref>{{Cite book |和書 |editor=ンヌ=マリー・クリスタン |editor-link=fr:Anne-Marie Christin |title=世界の文字の歴史文化図鑑 : ビジュアル版 : ヒエログリフからマルチメディアまで |edition=第1刷 |date=2012-04-15 |publisher=[[柊風舎]] |language=fr |isbn=9784903530574 |ncid=BB09123769 |pages=284-285 |translator=赤羽美鳥, [[澤田治美]] |location=東京}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
{{Reflist|group="注"}}

=== 出典 ===
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
{{Reflist}}


==関連項目==
== 関連項目 ==
{{Commons&cat|Latin alphabet|Latin alphabet}}
{{Commons&cat|Latin alphabet|Latin alphabet}}
*[[カルメンタ]] - 神話上ラテン文字を考案したとされている女神
*[[カルメンタ]] - 神話上ラテン文字を考案したとされている女神
1,336行目: 1,440行目:
*[[ラテン文字一覧]]
*[[ラテン文字一覧]]
*[[ラテン文字化]]
*[[ラテン文字化]]
<!--*[[フォネティックコード]]--関連が薄い-->


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2024年7月5日 (金) 00:16時点における版

ラテン文字
類型: アルファベット
言語: ロマンス諸語西ゲルマン語群西欧中欧の諸言語、ほか世界各地の言語
時期: 紀元前7世紀から現在
親の文字体系:
姉妹の文字体系: キリル文字
コプト文字
ルーン文字
ISO 15924 コード: Latn
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
テンプレートを表示
メロエ 前3世紀
カナダ先住民 1840年
注音 1913年

ラテン文字(ラテンもじ、: abecedarium Latinum: Latin alphabetラテンアルファベット)とは、ラテン語英語などの子音か、または母音の表記に用い、アルファベットに類する文字である。元来、ラテン語の文字であり、古代ラテン人つまり、広義のローマ人が用いたことからローマ文字(ローマもじ)、ローマ字(ローマじ、: alfabeto Romano、英: Roman alphabet)とも呼ばれる。今日、人類社会で最も使用者人口が多い文字である。なお日本語においてローマ字といえば、転じて日本語のラテン文字による転写を指すことが一般である。

概要

ラテン文字は一般に表音文字、特に音素文字のアルファベットとして用いる。また、表記法はたとえば英語では、文字を右書きで横に並べ、単語と単語の間にスペースspace)と称される空白をはさむことで分かち書きをし、その単語を並べてを構成する。また、文の終わりにピリオドフル・ストップ: period: full stop、終止符)などと呼ばれる終止符などの役物を打つことで文の終了を示す。このほかの多くの言語でも同様に、横に右書きし、空白で分かち書きをするなどし、言語によってはさらにリガチャ: ligature)などと称される合字ダイアクリティカルマーク: diacritical mark)などと称される発音記号などのついた文字を併せて用いる。

古来、ラテン文字は、西ヨーロッパ中央ヨーロッパの諸言語(例えばイタリア語スペイン語ポルトガル語フランス語、英語、ドイツ語ポーランド語など)で使われていたが、近代以降はこれら以外にも使用言語が多い(詳細は後述の#19世紀以降のラテン文字化を参照されたい)。たとえばトルコ共和国においては1928年以降、トルコ語の表記を「近代化」するため、従前のアラビア文字に替えてラテン文字を用いたトルコ語アルファベットが使われる[1]

ラテン文字は表音文字であるが、広くさまざまな言語で用いられた結果、発音の文字への表記方法自体は各言語ごとに異なっており、同じ綴りでも言語によって異なる発音をすることが珍しくない。他方、広い時代で用いられ続けた結果、英語など、古い時代から表記法を受け継ぐ言語においては、表記発音の間の乖離も大きなものとなってきている[2]

日本語における呼称

日本語における「ローマ字」という呼称は、ラテン文字の別名であるが、日本語のラテン文字を用いた音訳翻字による表記法「ローマ字」の呼称でもあるため、どちらの意味なのかやや紛らわしく、前者を指してローマ文字と呼び分けることもある。

漢字で表記する場合は、日本産業規格 (JIS) の規格票において、「欧字(おうじ)」という表現が見られる。このほか特に、ラテン文字のうち基本26文字(英: basic Latin alphabet、ベーシックラテン・アルファベット)は英語の表記に用いることから「英字(えいじ)」と呼び、よく「英字新聞」などの語において用いる[注 1]

また、ラテン文字の基本26文字については「アルファベット」と呼ぶことも一般的であるが、これは英語のalphabet片仮名音訳したものであり、イギリス人アメリカ人をはじめとする英語圏の人々と同じく、日本人日本英語教育の場などにおいては、英語の表記のための文字、つまり結果として基本ラテン文字を指すことが多い。

他方、日本語における呼称として一般でないが、ドイツ人をはじめとするドイツ語圏の人々と同じく、日本人のドイツ語学習者の間では、ドイツ語の発音にならう「アルファベート」と呼ぶことで、基本26文字にウムラウトと呼ばれるダイアクリティカルマークのついた文字やエスツェットと称されるリガチャなども加えた「ドイツ語アルファベット」を指す。また、フランス人をはじめとするフランス語圏の人々と同じく、日本人のフランス語学習者の間では、フランス語の発音にならう「アルファベ」と呼ぶことで、フランス語の表記に用いるアクサンテギュアクサングラーヴセディーユなどのアクセント記号などをつけた文字やその他のリガチャなどを加えた「フランス語アルファベット」を指す。

使用言語

古代から中世まで

古代のラテン文字は、最初期の古ラテン語から共和制ローマ以降の古典ラテン語において用いられた。また、中世のラテン文字は、ローマ帝国の東西分裂以降ゲルマン人の言語やキリスト教典礼言語の表記に用いられることで、さらに広まっていった。

古代

ラテン文字は本来、その名があらわす通り、ラテン語の表記に用いる文字として成立した。このため、ラテン語を公用語とするローマ帝国の勢力が伸長するとともにラテン文字の使用圏も拡大していった。しかし、ギリシア語を使用する帝国の東部においては、文字もギリシア文字が主流であった。

395年ローマ帝国の東西分裂以降、東ローマ帝国においてギリシア語化が進む一方で、西ローマ帝国はラテン語を使用し続け、文字もラテン文字を引き続き使用していた。

中世

西ローマ帝国は、ゲルマン民族の大移動などにより衰退してゆくことで476年に事実上の滅亡を迎えたとされるが、この地域に侵入したゲルマン人たちはラテン語とラテン文字を行政言語として使用するようになり、やがて彼らの祖語であるゲルマン諸語もラテン文字によって表記するようになっていった。また、このころから力を強めていったローマ教会中世ラテン語教会ラテン語と称して典礼言語にしており、それを表記するためのラテン文字も西方教会圏全域に広まっていき、西方教会圏の諸言語を表記するためにラテン文字が転用されるようになった。

こうして中世以降は、俗ラテン語に由来するロマンス諸語のみならず、西ヨーロッパ中央ヨーロッパカトリックプロテスタントを含む西方教会地域のほぼ全ての言語でラテン文字が使われるようになった。具体的にはゲルマン語派スラヴ語派の一部、バルト語派ケルト語派、加えてバスク語ウラル語族の一部などである。

18世紀までにラテン文字を使用していたヨーロッパの諸言語の例(五十音順)
系統 言語
ロマンス諸語
ゲルマン語派
スラヴ語派
バルト語派
ケルト語派
ウラル語族
  ラテン文字のみ使用
  ラテン文字と他の文字を併用

近代以降のラテン文字化

近代以降、西ヨーロッパの諸国が勢力を強めていき、19世紀には世界の大半を植民地化するようになった。当時の列強は、ロシア帝国大日本帝国を除きすべてがラテン文字の使用する国家であり、このためラテン文字は世界で最も使用される文字となった。この西欧の覇権の影響を受け、西方教会圏の諸言語以外においてもラテン文字を採用する言語が多く表れるようになった。このラテン文字化には、もとより文字を持たない言語が新たに文字を採用する場合と、すでにもっていた文字をラテン文字に切り替えた場合がある。

特に、文字を持たない言語が新たに正書法を定める場合については、新たに文字を発明したり、そのほかの文字を転用したりするよりも、多くラテン文字が採用された。こうした無文字言語社会に積極的に接触する者には、カトリックやプロテスタントのキリスト教宣教師が多く、彼らは布教のために現地語のラテン文字表記の正書法および文法を整備したからである[3]。ラテン文字が表音文字であり、各地の言語を音訳しやすかったこともこの変化を進める要因となった[4]。あるいは基礎的なラテン文字の文字数は、26文字とキリル文字などに比べて非常に少なく、簡便であったことも導入を後押しした[注 2]

もっとも文字数が少ないことは、表記できる発音が少ないことと表裏一体である。こうした発音を文字としてあらわすために各言語は、ひとつの発音に2文字以上を用いたり、これを1つの文字として合字することでリガチャをさらに増やしたり、あるいはダイアクリティカルマークを付す文字を増やしたりすることで文字の不足を補ったほか、新しい文字や声調記号などを新たに開発してラテン文字表記につけ加えるようになった。無文字言語のラテン文字化はアフリカオセアニアなどで特に広く行われ、多くの言語がラテン文字による正書法を定められるようになった。

ヨーロッパ以外の地域において、もとより文字を持っていた言語がラテン文字に切り替えた場合、多くは西洋の列強による植民地化を経た地域の言語において行われた。こうした言語においてもカトリックやプロテスタントの宣教師によって各言語に相当するラテン文字表記の正書法が開発されたことは同じであるが、その後西欧列強の支配をうける中で支配層の言語であるラテン文字の表記が広まり、従来の言語においてもラテン文字で表記するようにしたほうが便利となったためである。

こうして近代以降に植民地化を原因としてラテン文字に切り替えた言語には、東南アジアの言語においてはアラビア文字を基にしたジャウィ文字から切り替えたインドネシア語マレー語、アラビア文字とブラーフミー系文字であるアリバタの併用から切り替えてフィリピン語漢字とそれを基にしたチュノムの併用から切り替えたベトナム語アフリカ東部の言語においてはアラビア文字から切り替えたスワヒリ語などがある。

この例外はトルコ語であり、オスマン帝国は植民地化を受けていなかったものの、これに代わってトルコ共和国を建国したケマル・アタチュルクがトルコの近代化を目指して使用文字の変更を決定し、1928年にアラビア文字から置き換えられたものである[5][6]

またそれとは別の例外として、すべての植民地において必ずしも宗主国がラテン文字化を推進したり、あるいはラテン文字化を完了したりしたわけではなく、南アジアインド地域やキリスト教化できなかったイスラム世界にあるアラブ圏の各国などのように植民地支配を受けたが、用いる文字を変更しなかった地域も多い。

植民地となった地域がラテン文字を用いるようになるのとは別に、ヨーロッパにおいても18世紀以降、西方教会地域でない地域においてもラテン文字化が一部で進められるようになった。ルーマニア語ルーマニア正教会のもとで正教会圏であったため文語においてキリル文字を使用していたが、16世紀ごろには一部地域でハンガリーの言語であるマジャル語をまねた筆記法が用いられ、18世紀には民族主義の高まりによりロマンス諸語であることが強く意識され、ラテン文字化運動が広がっていき、1859年から1860年にかけて正式にラテン文字が採用されることとなった[7]アルバニア語においてはラテン文字をはじめギリシア文字やアラビア文字など各種表記法が混在していたが、1908年にラテン文字による表記が正式に決定した[8]

旧ソビエト連邦地域におけるラテン文字化

ソビエト連邦の諸言語の表記は、当初ラテン文字を採用していたものの、1940年キリル文字が採用され、ソビエト連邦内の多くの言語でキリル文字化が進められた。しかしソビエト連邦の崩壊後、これら諸言語のいくつかにおいてふたたびラテン文字を再導入する動きが活発になった。元来、アラビア文字を用いていた地域においてはウズベク語トルクメン語アゼルバイジャン語が、初期のソビエト連邦にラテン文字に切り替えられ、その後1940年に連邦政府の言語政策の変化によりキリル文字に再び切り替えられた[9]が、ソビエト連邦の崩壊後、ウズベク語とトルクメン語とにおいてラテン文字表記の導入が決定され、以前定められたものとは異なるものの、再びラテン文字への切り替えが行われることとなった。

同じく元来、アラビア文字を用いていたカザフスタンにおいてはソビエト連邦崩壊後もキリル文字の使用が続いてきたが、ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領が2017年10月に、カザフ語の表記をラテン文字に改める準備を整えるよう担当部署に指示した[10]2018年には学校教育においてラテン文字の使用を開始し[11]2025年には完全にカザフ語の表記をラテン文字に移行することを表明した[12][13]

このほか、ロマンス諸語に属し、ルーマニア語[注 3]ときわめて似ている関係にあるモルドバ語においては、従前のラテン文字から1940年にキリル文字化されたものの、1989年には再度表記をラテン文字に改めることが決定され、ふたたびラテン文字を用いる国となった[7][注 4]

日本におけるローマ字論

日本においては、漢字廃止論の一環としてのラテン文字化、いわゆるローマ字論明治初期から唱えられており、第二次世界大戦後には、1946年の第一次アメリカ教育使節団報告書によって、漢字平仮名片仮名を廃止し、日本語表記をローマ字表記に一本化することが提言された。これを受け、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) のもとで「日本語表記は複雑であるため識字率が低く、識字率を高めるために簡便なローマ字表記への切り替えが必要」との意見が強まり、実態を調査するため1948年に全国各地で文部省教育研修所、現在の国立教育政策研究所とGHQの共催による漢字テストが行われた。しかし、その結果はGHQの予想とは異なり、識字率はおよそ10割に近いという結果が出たため、このローマ字表記化計画は頓挫、事実上撤回されることになった[14][15]

他文字使用言語のラテン文字表記法の成立

独自の文字を使用する言語でも、ほとんどはラテン文字による表記法が確立されており、借用語略語などでもラテン文字を用いることが多い。日本語においては、1867年にアメリカ人のジェームス・カーティス・ヘボンヘボン式ローマ字の表記法を考案し、さらに1885年田中舘愛橘日本式ローマ字を考案、さらにこれを発展させて1937年に発表された訓令式ローマ字があり、実際には訓令式とヘボン式の2つの表記法が並立している形となっている。

訓令式は1字または2字で多くの音を表記できるため使用はしやすい一方、英語の発音からやや離れた表記となっており、よく「普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を母語とする欧米人からは正しく発音されにくいことが欠点だ」と指摘される。対して「ヘボン式はその逆で、実際の発音に沿った表記[要出典]となっており、普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語西欧系各言語を母語とする欧米人からも正しく発音されやすい」などとみなされる半面、表記が長くやや使用しにくい面がある。

もっとも読みに関しては、ヘボン式で書いたところでそもそも、ラテン文字の読みがしばしば言語間で異なり、つまりフランス人が読めばフランス語読みになる。したがってヘボン式ローマ字は、アメリカ人や英語圏の人々から正しく発音されるかどうかはさておき、ヨーロッパの人々およびラテン文字を用いるあまねく人々に正しく発音される保証はなく、それはほかのどのローマ字にもいえることである[注 5]。また、ある言語で用いる文字とその表記法については、特に使用する文字を完全に改めるような場合において、その言語をよくとらえているかどうかが論点のひとつとなる。この点について現代の日本語は、その発音五十音表のようにとらえている話者が多く、したがって日本語話者にとってヘボン式は、タ行のように同じ行でも子音の文字が変わり、拗音の「シャ」などの「小さいヤ段」の表記が揺れるなど、日本語話者にとって変則的な表記が多い、日本語をよくとらえていない表記となる。この意味では、ヘボン式ローマ字は、外国人に向けて用いる場合はさておき、日本人の書く日本語のラテン文字化には向かないといえる。

文部省は1954年に訓令式に基づいた「ローマ字のつづり方」を定め、事情がある場合に限りヘボン式での表記を認めるという立場を取った[16][17]。これに沿って、日本の教育現場においては訓令式での表記を教えている。しかし、実際のローマ字表記は、特に公共の場などにおいて一般に外国人に向けて用いられるため「普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を母語とする欧米人にわかりやすい」というねらいから、ヘボン式での表記が圧倒的であり、統一を求める声も上がっている[注 6]

成立

個々のラテン文字の成立について詳細は、該当する文字ごとの記事も参照されたい。

フェニキアアブジャドを受け継ぐ4種の音素文字の比較。左からラテン文字、ギリシア文字、元になったフェニキア文字ヘブライ文字アラビア文字

イタリア半島に、のちにローマ人と呼ばれるようになるラテン人という部族が棲みついていた[注 7]紀元前7世紀頃の古ラテン語の時代にラテン人は、紀元前1千年紀頃から同じくイタリア半島で現在のイタリア中部に棲みついていたエトルリア人ギリシア人などの部族から文字を採り入れた。

西方ギリシア文字から借用・派生し、古イタリア文字群へ至る歴史の流れにあって、ラテン人はクマエ文字から4字を除いて取り入れた。またエトルリア文字からは「𐌅 /v/」を採り入れて「F /f/」の音に用い、また、3箇所の屈曲がある「𐌔」を採り入れて現在の「S」の形にした。そして「ギリシア語のG音」と「エトルリア語K音」を表すのには現在のCの字のような形の「𐌂 (: Γ)」を用いた。こうして生まれたアルファベット21文字は、「GJUWYZ」がないなど、現代のラテン文字とは多少の違いがある[20]

このローマ人のアルファベットには、/k/の音を表す文字が「CKQ」の3つあり、このうち「C」は、/g/の音の表記にも用いた一方、ラテン語では当時、用いることのなかった現在の「Z」を表す「𐌆」が、アルファベットの文字表における現在の「G」の位置へ一時的に取り入れられた。その後、ローマ人は「C」にステムとも称されるヒゲをつけることで「G」を作りだし、当時のローマ人が用いない「Z」の代わりに、現在の位置と同じ「F」と「H」の間に置いた。

もっとも古いラテン文字の成立から数世紀を経て、紀元前3世紀アレクサンドロス3世地中海沿岸地域の東部とその周辺を征服した後、ローマ人はギリシア語の語彙を借用するようになり、それにともない以前は必要でなかった文字が借用語とともに再び輸入された。具体的には、東方ギリシア文字から「Υ」と「Ζ」を借用したが、あくまでギリシア語からの借用語を記述する事にしか使わなかったため、追加文字として文字表の最後に置いた[20]。なお、この時代には小文字は開発されておらず、文章はすべて大文字で書かれていた。

書体の移ろいを簡易化して示した図。次第に大文字から小文字へと近づいていくことが確認できる。

ラテン文字を表すため、様々な書体が流行したが、3世紀ごろにはアンシャル体と呼ばれる書体が広く使用されるようになり、さらにそれから半アンシャル体と呼ばれる書体ができた。これらの書体は、元となったの大文字からはやや離れた形をしていたが、各地で広く使用されるなかで書体の乖離が激しくなったため、あらためて相互に通じる統一された書体を制定する必要になっていた。そこで8世紀頃にカロリング朝フランク王国カール大帝の庇護を受けたカロリング小文字体が普及した。このカロリング小文字体は、フランク王国のみならずラテン文字圏全体で広く使用されるようになったが、一方で従来の大文字もそのまま残存しており、これが大文字のほかに小文字が新しく成立する起源となった[21]

ブリテン島アングロ・サクソン語は、11世紀ノルマン人による制圧を受けた後、ラテン文字でも表記されるようになった。古くは、/w/の音を表すためにルーン文字に由来する「Ƿwynn、ウィン)」を用いたこともあるが、音の異なる「P」に似ていたために混同されやすく、結局、/w/の音は現在の「U」を2つ並べた二重音字の「UU(英: double Uダブル・ユー)」として表すように戻った。

この頃の「U」の形がVの字であったため、実際の字形はVを2つ並べた「VV」の形となり、追加文字としてWは、文字表において「V」の次に置かれた。なお、ロマンス諸語においては、この「W」を「2つのV」の意味する名称で呼ぶ[20]

また、丸みのある「U」で母音を表し、子音のときは「V」を用いるようになった。また「J」は、当初「I」の異字体であり、いくつか「I」が並ぶときの「最後のI」に長い尾のようなヒゲをつけたものだった。15世紀頃から、子音には「J」を、母音には「I」を用いるようになり、17世紀半ばには一般的になった[20]

使用される文字

ラテン文字は、大きく分けて基本字と追加字に分類される。

基本字

遅くとも1960年代(どの団体に?)標準化がなされて以降、ラテン語の23字に「J・U・W」を加えた26字を基本と見なし、多く実用の際は、歴史的に書体の差から生じた異なる字形を持つ大文字小文字を併用する。この基本字は英語の表記に必要最低限の文字であり、それ以外の字は外来語でしか用いない。英語においても大文字と小文字を併用し、ラテン文字を用いる多くの言語同様、文の最初の語の頭文字と、各言語ごとに異なる特別な語の頭文字や、あるいは強調したい部分などに大文字を用いて、それ以外はすべて小文字を用いる。

基本字
大文字 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z
小文字 a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z

追加字

ラテン文字はもともとラテン語を表すための文字であり、他の言語に用いるには表記できない発音も存在していた。こうした状況を解決するために、現在の基本字にはいくつかの文字が付け加えられたものの、それでも表記できない発音に対しては、こうした音を表記するために基本字に発音を区別する符号を付けたり、2つ以上の文字を結合したり、さらに文字を追加したりする言語が多く表れるようになった。

ダイアクリティカルマーク

ラテン文字の発音区別符号は、総称してダイアクリティカルマークなどと呼ばれる。ドイツ語やスウェーデン語などではウムラウト、フランス語やポルトガル語、トルコ語などではセディーユ、スペイン語やポルトガル語ではティルデが多く使用されるなど、ダイアクリティカルマークを採用しているラテン文字使用国は多数存在する。日本語のローマ字表記においては、サーカムフレックスマクロンが長音の表記に使用される場合がある。

合字

ラテン文字において、2つ以上の文字の合字は、リガチャーとも呼ばれる。代表的な合字としては、ドイツ語の「ß(エスツェット)」や、アイスランド語デンマーク語ノルウェー語の「Æ」、デンマーク語やノルウェー語の「Ø」などが挙げられる。なお、現在では基本字のひとつとなっているが、本来「W」も合字であり、多くの言語において「ダブルU」、または「ダブルのV」を意味する名称で呼ばれる。

その他

また、現代では消滅したが、アングロ・サクソン語の「Ƿ」のようにルーン文字など、基本字にさらに他の文字から取り入れられた文字も、一部では用いられる[注 8]

併用される記号の例

ラテン文字は、音読の際の休止符に由来する句読点や、感嘆符疑問符、その他の約物レタリングなどから生まれた記号をしばしば併用する。一般にアットマークは記号であるが、一部の言語の正書法において、音を表すアルファベットとして用いる。

併用される記号の例
約物 記号
. , : ; ? ! & @ #

文字の名称

主な言語での文字の名を以下に示す。

他言語の文字のラテン文字表記

他の文字との関係

ラテン文字はギリシア文字から派生した文字であり、ラテン文字が新たな字を追加し大きく変化した現代においてもいくつかの文字は共通する。また、同じくギリシア文字を祖とするキリル文字ともいくつかの文字が共通している。

ラテン文字は他言語に適用される場合は綴りを工夫したり文字に記号を加えるなどしたうえでそのまま導入されることが多く、ラテン文字から派生した文字はそれほど多くはないが、アイルランド島などで5世紀から8世紀にかけて用いられたオガム文字はおそらくラテン文字から影響を受けて作られたと考えられている[23]

脚注

注釈

  1. ^ なお、他の言語に対し同様の表現が使われることはまれであり、たとえば漢字略称で「仏語」とされるフランス語の表記に用いても、フランス語で用いていることを強調しない場合は「仏字」などとは呼ばない。したがってフランス語で書かれていることがさほど重要ではない場合、ひとまとめに「英字」と称することさえ珍しくない。
  2. ^ なお、ギリシャ文字の文字数は22文字、現代ギリシャ語においても24文字とさらに少ない。
  3. ^ ルーマニアの語源は「ローマの」といった意味であり、ラテン文字を用いる。
  4. ^ なお、モルドバ語は1996年モルドバ共和国の公用語ではなくなり、名称が違うだけで同じ言語ともされるルーマニア語が現在のモルドバ共和国の公用語である。
  5. ^ たとえば、学校教育により訓令式に慣れた日本人にとって、ヘボン式の「」の表記「tsu」は、見慣れないことから日本人でさえ読みづらいことがあり、あるいはMicrosoft 日本語 IMEのローマ字入力に慣れたユーザーにとって、ヘボン式のラ行に「l」を用いる表記は、事前に断りがなければ小書き仮名文字の表記として誤読される可能性がある。
  6. ^ 主に教育現場において、児童が混乱するなどの理由から統一が求められている[18]。なお、この記事に関して「あくまで国語教育の中で行われるローマ字教育に対する問題を、英語教育が関係するとの誤解のもと書かれている」という指摘がある[19]
  7. ^ 特に紀元前338年に、第二次ラティウム戦争共和政ローマが勝利し、それ以前のラテン人にラテン市民権を与えたことで、ローマ共和国の人々としてラテン人はローマ人と呼ばれるようになる。
  8. ^ なお、ルーン文字に関しては、その多くがラテン文字に由来するとされるため、異字体が別の文字として追加されただけともいえる。

出典

  1. ^ 梶茂樹、中島由美林徹『事典世界のことば141』(初版第1刷)大修館書店、東京、2009年4月20日、266頁。ISBN 9784469012798NCID BA89745081 
  2. ^ 町田和彦『世界の文字を楽しむ小事典』(初版第1刷)大修館書店、東京、2011年11月15日、124-128頁。ISBN 9784469213355NCID BB07474128 
  3. ^ 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 編『図説 アジア文字入門』(初版発行)河出書房新社、東京、2005年4月30日、102頁。ISBN 9784309760629NCID BA71677265 
  4. ^ 町田和彦 編『図説 世界の文字とことば』(初版発行)河出書房新社、東京〈ふくろうの本〉、2009年12月30日、19頁。ISBN 9784309761336NCID BB00577235 
  5. ^ 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 編『図説 アジア文字入門』(初版発行)河出書房新社、東京〈ふくろうの本〉、2005年4月30日、105頁。ISBN 9784309760629NCID BA71677265 
  6. ^ 町田和彦 編『図説 世界の文字とことば』(初版発行)河出書房新社、東京〈ふくろうの本〉、2009年12月30日、61頁。ISBN 9784309761336NCID BB00577235 
  7. ^ a b 柴宜弘 著、柴宜弘 編『バルカンを知るための66章』(第2版第1刷)明石書店、東京〈エリア・スタディーズ〉、2016年1月31日、272頁。ISBN 9784750342986NCID BB20639903 
  8. ^ 柴宜弘 著、柴宜弘 編『バルカンを知るための66章』(第2版第1刷)明石書店、東京〈エリア・スタディーズ〉、2016年1月31日、269-270頁。ISBN 9784750342986NCID BB20639903 
  9. ^ 宇山智彦 著、宇山智彦 編『中央アジアを知るための60章』(初版第1刷)明石書店、東京〈エリア・スタディーズ〉、2003年3月10日、104頁。ISBN 9784750331379NCID BB01243734 
  10. ^ Zhang, Lintao「カザフスタンが表記文字を変更、ロシア文字からローマ字へ」『Reuters』(ロイター)2017年10月30日。2023年9月18日閲覧。オリジナルの2023年4月19日時点におけるアーカイブ。
  11. ^ ローマ字化、是か非か=旧ソ連のカザフで論議」『Yahoo!ニュース』(時事通信社)2017年6月21日。2017年6月21日閲覧。
  12. ^ ローマ字化、是か非か=旧ソ連のカザフで論議」『Yahoo!ニュース』(時事通信社)2017年6月21日。2017年6月21日閲覧。
  13. ^ ヨシダユミコ「カザフスタンで文字が変わる?」『Global News View』2023年9月19日。2018年1月25日閲覧。オリジナルの2023年6月1日時点におけるアーカイブ。
  14. ^ 教育改革から70年=保阪正康」『毎日新聞』(毎日新聞社)2017年1月14日、朝刊。2023年9月19日閲覧。オリジナルの2021年6月16日時点におけるアーカイブ。
  15. ^ 保阪正康「日本人から漢字を取り上げ、ローマ字だけにする」戦勝国アメリカが実行するはずだった"おそろしい計画"」『プレジデントオンライン』(プレジデント社)2022年12月30日、3-4面。2023年9月19日閲覧。オリジナルの2023年9月19日時点におけるアーカイブ。
  16. ^ ローマ字のつづり方”. 文部科学省. 文部科学省 (1955年12月9日). 2019年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月19日閲覧。
  17. ^ 吉田茂. “ローマ字のつづり方”. 文化庁. ローマ字のつづり方. 文化庁. 2023年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月18日閲覧。
  18. ^ 伊澤拓也「<ローマ字>表記で混乱 英語教科化、教員ら「一本化を」」『Yahoo!ニュース』(毎日新聞社)2017年3月21日。2023年9月19日閲覧。オリジナルの2017年3月22日時点におけるアーカイブ。「教育現場から「どちらかに一本化してほしい」との声も上がっている」
  19. ^ 寺沢拓敬「〈ローマ字〉表記による混乱」という報道の混乱ぶり(寺沢拓敬) - エキスパート」『Yahoo!ニュース』2017年3月22日。2023年9月19日閲覧。オリジナルの2023年9月19日時点におけるアーカイブ。「ローマ字は日本語の話であって英語教育の話ではない」
  20. ^ a b c d Khalaf, Salim. “The Phoenician Alphabet” (英語). Encyclopedia Phoeniciana. Salim George Khalaf. 2023年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年2月14日閲覧。
  21. ^ 町田和彦 編『世界の文字を楽しむ小事典』(初版第1刷)大修館書店、東京、2011年11月15日、255頁。ISBN 9784469213355NCID BB07474128 
  22. ^ 日本語での各文字の名称は『広辞苑』第五版、岩波書店、1998年に拠る。
  23. ^ 編、赤羽美鳥, 澤田治美 訳(フランス語)『世界の文字の歴史文化図鑑 : ビジュアル版 : ヒエログリフからマルチメディアまで』(第1刷)柊風舎、東京、2012年4月15日、284-285頁。ISBN 9784903530574NCID BB09123769 

関連項目

外部リンク