「サスペンダー」の版間の差分
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[[Image:Hosentr%C3%A4ger.jpg|thumb|200px|ボタン・クリップ対応のサスペンダー]] |
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「吊りバンド」と呼ぶ人もいる。通常[[エラスティック]]ゴム(または[[人造皮革]]や[[皮革]])製の一対のベルトを肩にかけ、ベルト先端の[[ボタン (服飾)|ボタン]]、または[[クリップ]]、O型やD型のリング、[[組み紐]]で固定して、ズボンを吊り下げたような形態となる。伝統的には[[背広]]のズボンは[[ベルト (服飾)|ベルト]]ではなくサスペンダーで吊るのが正装とされている。 |
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正装以外にも[[作業服]]や[[ジーンズ]](サスペンダー着装用のボタンが付いていた)にも取り付けられていた。 |
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また、ベルトと比較して腹部を締め付けないため、ウェストの大きい[[肥満]]体であっても負担が少ないとされる。もともとはオプションパーツとして用いられていたが、その後ズボンやスカートに作り付けとなった。サスペンダー・パンツ(吊りズボン)や[[吊りスカート|サスペンダー・スカート(吊りスカート)]]、[[オーバーオール]]なども出来、女性にも用いられるようになった。最近ではファッション性を重視する装身具として、さまざまなデザインのものが用いられている。 |
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なお「サスペンダー」と |
なお「サスペンダー」という言葉は[[アメリカ英語]]であり、[[イギリス]]ではサスペンダーのことを「ブレイシーズ」(braces)という。イギリスで「サスペンダー」というと「[[ガーター]]」や[[アームバンド]]のことを指す場合もあるので注意が必要である。 |
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[[Image:Muenchen-Hosentraegernaeherei1-Bubo.jpg|thumb|right|200px|[[ミュンヘン]]のホーゼントレガー工房]] |
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クリップ式(金具式)と釦止め式がある。H型・X型・Y型・ショルダー[[ホルスター]]型があるが、H型・X型・ショルダーホルスター型の方がクリップやボタンを挟むところが多いため、やや丈夫とされている。 |
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ドイツではサスペンダーのことを「ホーゼントレガー」(Hosenträger)といい、18世紀初頭に登場した。ドイツでは男性のシンボルとされ、南部には妊娠中に父親のホーゼントレガーを窓から吊るすと男の子が誕生するという言い伝えがあった<ref>Hanns Bächtold-Stäubli (Hrsg.): ''[[:de:Handwörterbuch des deutschen Aberglaubens]]''. Walter de Gruyter, Berlin/Leipzig 1931/1932, Band IV, S. 411.</ref>。 |
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18世紀は背中がH型、18世紀の終わり頃にX型、19世紀の中頃にY型と変化を遂げていった。ショルダーホルスター型の風変わりな物もある。 |
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18世紀は背中がH型、18世紀の終わり頃にX型、19世紀の中頃にY型と変化を遂げていった。ショルダーホルスター型の風変わりなもの(前後ではなく両脇で留める)もある。H型・X型・ショルダーホルスター型がクリップやボタンを挟むところが多いため、やや丈夫とされている。ドイツではX型のサスペンダーは下着とみなされ、ベストの下に着用するようになった。 |
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[[ファイル:Szelki_US.jpg|thumb|200px|輪っか状の金具のサスペンダー]] |
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サスペンダーは一般にはバンドは黒や茶色、金具は銀や金、黒だが、金具だけの色違いやバンドの花柄などの柄物も存在する。ワイシャツやネクタイの色に合わせて着用する人もいる。 |
サスペンダーは一般にはバンドは黒や茶色、金具は銀や金、黒だが、金具だけの色違いやバンドの花柄などの柄物も存在する。ワイシャツやネクタイの色に合わせて着用する人もいる。 |
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サスペンダー単体で用いる人が多いが、サスペンダー専用の股上が深いズボン以外には股上が浅いズボンが多いので、ベルトで腰を締め付け、サスペンダーでズボンの折り目を綺麗に見せたり、ズボンを上げて履くことができる利点があるため、かつてはベルトと併用する人も見られた<ref>[http://www.thka.jp/shupan/journal/201007.html#feature03 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会]</ref>。 |
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ペリー・サスペンダー [http://www.fast-mos.com/perry_sspdr.htm] というベルトと併用して着用するサスペンダーが存在する。 |
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クリップ式は一つずつ取り付けることが多い(ボタンのように |
クリップ式は一つずつ取り付けることが多い(ボタン型のように二つずつある場合もある)がボタン型は2つで1組なのでよりしっかりと[[スラックス]]に取り付けることができる。 |
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== サスペンダーの |
== サスペンダーの種類 == |
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** 釦は8本 |
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** クリップは4本 |
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** 前後に2本ずつ |
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* X型(背中で交差したもの) |
* X型(背中で交差したもの) |
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** 釦は8本 |
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** クリップは4本 |
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** 前後に2本ずつ |
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* ショルダーホルスター型 |
* ショルダーホルスター型 |
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** 釦は8本 |
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** クリップは4本 |
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** 後に2本、左右に1本ずつ |
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* Y型(V型)(一本が背中途中から枝分かれしているもの) |
* Y型(V型)(一本が背中途中から枝分かれしているもの) |
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** 釦は6本 |
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** クリップは3本 |
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** 前に2本、後に1本 |
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== 着用例 == |
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== サスペンダーの釦の取り付け位置 == |
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Image:DISTRICT(1888) p000a - Tohpaca Braces (advertisement).jpg|1888年の広告(ショルダーホルスター型) |
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Image:Alfonso XIII jugando al golf, de Campúa, Nuevo Mundo, 27-06-1907.jpg|[[アルフォンソ13世 (スペイン王)|アルフォンソ13世]](左側、1907年) |
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Image:Hans Knappertsbusch trägt Hosenträger.png|[[ハンス・クナッパーツブッシュ]](1950年代中期) |
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Image:Johnny Depp and Adam Galbraith.jpg|[[ジョニー・デップ]](右側、2006年) |
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Image:Larry King.jpg|[[ラリー・キング]](2006年) |
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Image:Paul McCartney in Dublin 2010 (b).jpg|[[ポール・マッカートニー]](2010年) |
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Image:ChanSung FanMeeting.jpg|[[チャンソン]](2013年) |
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Image:Gen hoshino.jpg|[[星野源]](2016年) |
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== 脚注 == |
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* 前後を内側 |
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{{脚注ヘルプ}} |
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* 前後を外側 |
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* 前は内側、後は外側 |
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釦留め式は前後をスラックスの内側に付けるもの、前後を外側に付けるもの、前は内側、後は外側に付ける物の3種類がある。釦を前は内側、後は外側に付けるタイプはサスペンダーを見えにくく身体を動きやすくし、後側は椅子に腰掛けたときに背中に当たって痛くならないための配慮だった(後側を内側にする場合は釦を真っ直ぐで無く斜めに取り付ける必要がある) |
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ボタンはスラックスの折り目(クリース)に沿って取り付けると動きやすくなる。Y型の場合は後ろはスラックスの真ん中に取り付ける。 |
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== サスペンダーの着こなしについて == |
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サスペンダーはきつく留めていると肩が凝ったり肩から外れやすい事があるため、ややゆったりと金具をサスペンダーをつけて、「'''多少ズボンが上下に動く余地'''」があるのを選んだ方がよい。「'''股上を1.5cmから2cmほど長くした深いズボンを選ぶ'''」や、「'''やや幅の広いサスペンダー'''」や『'''背の部分の長さも変える'''』サスペンダーを選ぶことも大事である。サスペンダーは2又に分かれる部分が肩に近ければ、それだけ外れることも少なくなる。 |
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==関連項目== |
==関連項目== |
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*[[ベルト (服飾)]] |
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* [[礼服]] |
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{{DEFAULTSORT:さすへんた}} |
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[[Category:装身具]] |
[[Category:装身具]] |
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[[pl:Szelki]] |
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[[pt:Suspensório]] |
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[[ru:Подтяжки]] |
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[[sv:Hängslen]] |
2024年7月5日 (金) 23:04時点における最新版
サスペンダー(suspenders)とは、日本語でズボン吊りと呼ばれるズボンを固定するベルトのことである。
概要
[編集]「吊りバンド」と呼ぶ人もいる。通常エラスティックゴム(または人造皮革や皮革)製の一対のベルトを肩にかけ、ベルト先端のボタン、またはクリップ、O型やD型のリング、組み紐で固定して、ズボンを吊り下げたような形態となる。伝統的には背広のズボンはベルトではなくサスペンダーで吊るのが正装とされている。
正装以外にも作業服やジーンズ(サスペンダー着装用のボタンが付いていた)にも取り付けられていた。
また、ベルトと比較して腹部を締め付けないため、ウェストの大きい肥満体であっても負担が少ないとされる。もともとはオプションパーツとして用いられていたが、その後ズボンやスカートに作り付けとなった。サスペンダー・パンツ(吊りズボン)やサスペンダー・スカート(吊りスカート)、オーバーオールなども出来、女性にも用いられるようになった。最近ではファッション性を重視する装身具として、さまざまなデザインのものが用いられている。
なお「サスペンダー」という言葉はアメリカ英語であり、イギリスではサスペンダーのことを「ブレイシーズ」(braces)という。イギリスで「サスペンダー」というと「ガーター」やアームバンドのことを指す場合もあるので注意が必要である。
ドイツではサスペンダーのことを「ホーゼントレガー」(Hosenträger)といい、18世紀初頭に登場した。ドイツでは男性のシンボルとされ、南部には妊娠中に父親のホーゼントレガーを窓から吊るすと男の子が誕生するという言い伝えがあった[1]。
18世紀は背中がH型、18世紀の終わり頃にX型、19世紀の中頃にY型と変化を遂げていった。ショルダーホルスター型の風変わりなもの(前後ではなく両脇で留める)もある。H型・X型・ショルダーホルスター型がクリップやボタンを挟むところが多いため、やや丈夫とされている。ドイツではX型のサスペンダーは下着とみなされ、ベストの下に着用するようになった。
礼装に用いるものはビジネスやタキシード、弔事用は無地の黒、慶事向けのディレクターズスーツ、モーニングコートには白黒の縞柄、燕尾服には無地の白となっている(上着を脱いだり前を開けたりしなければ見えないので格下の礼服に白や白黒の縞柄を用いてもよい)。 サスペンダーは一般にはバンドは黒や茶色、金具は銀や金、黒だが、金具だけの色違いやバンドの花柄などの柄物も存在する。ワイシャツやネクタイの色に合わせて着用する人もいる。
サスペンダー単体で用いる人が多いが、サスペンダー専用の股上が深いズボン以外には股上が浅いズボンが多いので、ベルトで腰を締め付け、サスペンダーでズボンの折り目を綺麗に見せたり、ズボンを上げて履くことができる利点があるため、かつてはベルトと併用する人も見られた[2]。 ペリー・サスペンダー [1] というベルトと併用して着用するサスペンダーが存在する。
クリップ式は一つずつ取り付けることが多い(ボタン型のように二つずつある場合もある)がボタン型は2つで1組なのでよりしっかりとスラックスに取り付けることができる。
サスペンダーの種類
[編集]- H型(背中で交差しないもの)
- X型(背中で交差したもの)
- ショルダーホルスター型
- Y型(V型)(一本が背中途中から枝分かれしているもの)
着用例
[編集]-
ボタン式のサスペンダーを着用する男性
-
クリップ式のサスペンダーを着用する男性
-
1888年の広告(ショルダーホルスター型)
-
アルフォンソ13世(左側、1907年)
-
ハンス・クナッパーツブッシュ(1950年代中期)
-
ジョニー・デップ(右側、2006年)
-
ラリー・キング(2006年)
-
ポール・マッカートニー(2010年)
-
チャンソン(2013年)
-
星野源(2016年)
脚注
[編集]- ^ Hanns Bächtold-Stäubli (Hrsg.): de:Handwörterbuch des deutschen Aberglaubens. Walter de Gruyter, Berlin/Leipzig 1931/1932, Band IV, S. 411.
- ^ 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会