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'''日本ハウジングローン'''(にほんはうじんぐろ)は、かつて存在した日本の[[住宅金融専門会社]](住専)。[[バブル崩壊]]により多額の不良債務を抱えて経営破綻し、[[1996年]]に解散。
'''日本ハウジングローン株式会社'''(にほんハウジングロ)は、かつて存在した日本の[[住宅金融専門会社]](住専)。[[バブル崩壊]]により多額の不良債務を抱えて経営破綻し、[[1996年]]に解散。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[1976年]][[6月23日]]設立(本社所在地 [[東京都]][[千代田区]][[有楽町]]1丁目7番1号)。住専8社では5番目の設立であった。主な株主は[[日本興業銀行]]、[[日本債券信用銀行]]で、歴代役員には主に上記の2行からOB派遣てい
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1997年の経営破綻時には他に[[大和證券]]、[[日興證券]]、[[山一證券]]などが主要株主に名を連ねていた。


1996年、[[第136回国会]]において[[特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法|住専法]]が成立。同法に基づく破綻処理により同社の経営にもメスが入れられることとなり、同年6月26日、回収する見込みのない相手に巨額の無担保融資を行ったとして、元社長が[[商法]]の[[特別背任罪]]の容疑で逮捕された<ref>{{Cite news|和書 |title=ハウジング社特別背任容疑 前社長ら7人逮捕 東京地検 |newspaper=朝日新聞 |date=1996-06-26 |edition=夕刊 |page=1}}</ref>
[[1980年代]]の不動産バブルにより業績を伸ばし、1995年3月時点での融資残高は22,500億円余にも達する住専最大手となった。一方で、融資先には問題のある企業も多く、後に経営陣が罪に問われるなど、結果として他の住専に比べて多額の不良債務を抱えることとなった。


同日に開かれた株主総会で、経営権を住宅金融債権管理機構へ譲渡して解散することを決議<ref>{{Cite news|和書 |title=ハウジング社 株主総会で解散決議 住専で初めて 取材には一切応じず |newspaper=中日新聞 |date=1996-06-26 |edition=夕刊 |page=2}}</ref>。会社自体の清算は[[1999年]]3月17日をもって結了した。
1996年、[[第136回国会]]において[[特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法|住専法]]が成立。同法に基づく破綻処理により同社の経営にもメスが入れられることとなり、同年6月26日、回収する見込みのない相手に巨額の無担保融資を行ったとして、元社長の[[河原昇]]、元役員の[[浅井良二]]が[[商法]]の[[特別背任罪]]の容疑で逮捕された。

同日、株主総会で経営権を住宅金融債券管理機構に譲渡して解散を決定。会社自体の清算は[[1999年]]3月17日をもって結了した。


== 破綻後の処理 ==
== 破綻後の処理 ==
特別背任の罪で起訴された旧経営陣に対し、後に[[東京地方裁判所|東京地裁]]は実刑判決を、[[東京高等裁判所|東京高裁]]は執行猶予付きの有罪判決を出している。一方、[[整理回収機構]]は旧経営陣に対して総額36億円の支払いを求めて提訴していたが、後に元社長らが全額を弁済することで和解が成立している。
特別背任の罪で起訴された旧経営陣に対し、後に[[東京地方裁判所|東京地裁]]は実刑判決を、[[東京高等裁判所|東京高裁]]は執行猶予付きの有罪判決を出している。一方、住宅金融債権管理機構の後身である[[整理回収機構]]は旧経営陣に対して総額36億円の支払いを求めて提訴していたが、後に元社長らが全額を弁済することで和解が成立している<ref>{{Cite news|和書 |title=旧住専7社への訴訟、最後の和解が成立 東京地裁 |newspaper=朝日新聞 |date=2003-07-02 |edition=朝刊 |page=33}}</ref>

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日本ハウジングローン株式会社(にほんハウジングローン)は、かつて存在した日本の住宅金融専門会社(住専)。バブル崩壊により多額の不良債務を抱えて経営破綻し、1996年に解散。

概要

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1976年6月23日に設立[1](本社所在地:東京都千代田区有楽町1丁目7番1号)。住専8社では7番目の設立であった[2]。主な株主は日本興業銀行(現・みずほ銀行)、日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)で、歴代役員には主に上記の2行からOBが派遣されていた。また、1997年の経営破綻時には他に大和證券(現・大和証券グループ本社)、日興證券(現・SMBC日興証券)、山一證券(経営破綻)等が主要株主に名を連ねていた。

1980年代の不動産バブルにより業績を伸ばし、1995年3月時点での融資残高は2兆2500億円余にも達する住専最大手となった[3]。一方で、融資先には問題のある企業も多く、後に経営陣が罪に問われるなど、結果として他の住専に比べて多額の不良債務を抱えることとなった[4]

1996年、第136回国会において住専法が成立。同法に基づく破綻処理により同社の経営にもメスが入れられることとなり、同年6月26日、回収する見込みのない相手に巨額の無担保融資を行ったとして、元社長らが商法特別背任罪の容疑で逮捕された[5]

同日に開かれた株主総会で、経営権を住宅金融債権管理機構へ譲渡して解散することを決議[6]。会社自体の清算は1999年3月17日をもって結了した。

破綻後の処理

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特別背任の罪で起訴された旧経営陣に対し、後に東京地裁は実刑判決を、東京高裁は執行猶予付きの有罪判決を出している。一方、住宅金融債権管理機構の後身である整理回収機構は旧経営陣に対して総額36億円の支払いを求めて提訴していたが、後に元社長らが全額を弁済することで和解が成立している[7]

脚注

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  1. ^ 「興銀などが住宅金融会社を設立」『読売新聞』1976年6月23日、朝刊、8面。
  2. ^ 整理回収機構 編『債権回収と企業再生――整理回収機構10年の軌跡』金融財政事情研究会、2007年10月25日、166頁。ISBN 978-4-322-11141-5 
  3. ^ 「バブル演じた最大手――融資残高トップ、事業向け94%不良債権」『日本経済新聞』1996年6月17日、夕刊、18面。
  4. ^ 「日本ハウジング1兆5500億用、ロス懸念資産、住専で最大――各社別内訳」『日経金融新聞』1995年11月17日、1面。
  5. ^ 「ハウジング社特別背任容疑 前社長ら7人逮捕 東京地検」『朝日新聞』1996年6月26日、夕刊、1面。
  6. ^ 「ハウジング社 株主総会で解散決議 住専で初めて 取材には一切応じず」『中日新聞』1996年6月26日、夕刊、2面。
  7. ^ 「旧住専7社への訴訟、最後の和解が成立 東京地裁」『朝日新聞』2003年7月2日、朝刊、33面。

関連項目

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