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'''レバミピド'''(Rebamipide)は、[[胃]]の[[粘膜]]を丈夫にすることによって[[胃酸]]の刺激から[[胃壁]]を守り、[[胃炎]]や[[胃潰瘍]]を[[治療]]するための[[薬]]で、'''ムコスタ錠'''(Mucosta、登録商標第2330326号)の名で[[大塚製薬]]から発売されており、[[後発医薬品]]も発売されている。
'''レバミピド'''(Rebamipide)は、[[プロスタグランジン]](PG)の産生を促進させる成分。胃壁を守る粘膜を増加させるため[[胃潰瘍]]の薬として使用される。主に胃薬。商品名'''ムコスタ'''で[[大塚製薬]]が発売、[[後発医薬品]]も販売されている。日本では2011年に[[ドライアイ]]用の点眼薬も発売された。


== 概要 ==
== 小史と薬理 ==
胃潰瘍の治療薬として開発された。一般に胃潰瘍は、通常はバランスが取れている胃酸分泌に関わる調節機能が障害された場合に、[[胃液]]が胃の粘膜を消化する(傷つける)ことによって[[潰瘍]]ができるが、レバミピドは[[プロスタグランジン]](PG)の産生を促進させることで胃壁を守る粘膜を増やし、胃粘膜の血流を促すことで、胃の胃酸に対する防御機能を高め、胃炎や胃潰瘍の治癒を促進する働きがある。すなわち胃酸分泌をコントロールするのではなく、防御機構を回復させることで胃潰瘍を治療する。
胃潰瘍の治療薬として開発された。一般に胃潰瘍は、通常はバランスが取れている胃酸分泌に関わる調節機能が障害された場合に、[[胃液]]が胃の粘膜を消化する(傷つける)ことによって[[潰瘍]]ができるが、レバミピドは[[プロスタグランジン]](PG)の産生を促進させることで胃壁を守る粘膜を増やし、胃粘膜の血流を促すことで、胃の胃酸に対する防御機能を高め、胃炎や胃潰瘍の治癒を促進する働きがある。すなわち胃酸分泌をコントロールするのではなく、防御機構を回復させることで胃潰瘍を治療する。


レバミピドの開発以前は胃酸分泌に関係する物質としては[[アセチルコリン]]、[[ヒスタミン]]などが考えられていたが、大塚製薬のムコスタ開発チームはそれ以外の調整機能が生体内にあると想定し、[[ラット]]への[[酢酸]]投与により胃潰瘍を発生させ、その治療過程において新たな治療効果を持つ化合物を探し、世界で初めてプロスタグランジンの胃粘膜保護作用を発見した。
レバミピドの開発以前は胃酸分泌に関係する物質としては[[アセチルコリン]]、[[ヒスタミン]]などが考えられていたが、大塚製薬のムコスタ開発チームはそれ以外の調整機能が生体内にあると想定し、[[ラット]]への[[酢酸]]投与により胃潰瘍を発生させ、その治療過程において新たな治療効果を持つ化合物を探し、世界で初めてプロスタグランジンの胃粘膜保護作用を発見した。


2011年、粘膜修復作用に着目して[[ドライアイ]]の[[目薬|点眼薬]]としても製品化され<ref>[http://www.otsuka.co.jp/company/release/2011/0926_01.html ドライアイ治療剤「ムコスタ点眼液UD2%」製造販売承認取得] - 大塚製薬・2011年9月26日</ref>。
[[鎮痛剤]]など胃壁を荒らしやすい治療薬([[イブプロフェン]]錠など)と併用し、胃壁の荒れを予防する目的で投与されることも多い。また、[[制酸剤]]やほかの潰瘍治療薬と併用することもある。ごく一般的に処方される薬である。ただし、処方にあたり、「特定疾患処方管理加算」が「投薬料」項目部分に18点加算される(処方箋発行料68点に加えて別途発生する形となる)


== 適用 ==
更に、[[アスピリン]]腸溶錠による小腸潰瘍の治療に、高用量のレバミピドが有効であるとの報告がる<ref>{{cite web |url=http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1504/1504054.html |title=低用量アスピリンによる小腸潰瘍に高用量レバミピドが有効か |publisher=メディカルトリビューン |date=2015-04-16 |accessdate=2015-04-17}}</ref>。
* [[胃潰瘍]]
* 下記疾患の胃粘膜病変([[びらん]]、[[出血]]、[[発赤]]、[[浮腫]])の改善
* [[急性胃炎]]、[[慢性胃炎]]の急性増悪期<ref name="reb">{{Cite web|和書|url=http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2329021D1020_1_10/|title=ムコスタ100mg/ムコスタ顆粒20% 添付文書|accessdate=2016-07-19|date=2013-07|publisher=}}</ref>
* [[ドライアイ]]<ref name=":0">{{Cite web|和書|url=http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1319760Q1029_1_05/|title=ムコスタ点眼液UD2% 添付文書|accessdate=2016-07-19|date=2015-03|publisher=}}</ref>


===使用===
また最近ではレバミピドの粘膜修復作用に着目して[[ドライアイ]]の治療にも応用されており、[[2011年]]には[[目薬|点眼薬]]としても製品化されている<ref>[http://www.otsuka.co.jp/company/release/2011/0926_01.html ドライアイ治療剤「ムコスタ®点眼液UD2%」製造販売承認取得] - 大塚製薬・2011年9月26日</ref>。
[[鎮痛剤]]など胃壁を荒らしやすい治療薬([[ロキソプロフェンナトリウム]]錠や[[イブプロフェン]]錠など)と併用し、胃壁の荒れを予防する目的で投与されることも多い。また、[[制酸剤]]やほかの潰瘍治療薬と併用することもある。


ただし、処方にあたり、「胃潰瘍」に対して処方される場合、「特定疾患処方管理加算」が「投薬料」項目部分に18点加算される(処方箋発行料68点に加えて別途発生する形となる)。
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[[アスピリン]]腸溶錠による小腸潰瘍の治療に、高用量のレバミピドが有効であるとの報告がる<ref>{{Cite web|和書|url=http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1504/1504054.html |title=低用量アスピリンによる小腸潰瘍に高用量レバミピドが有効か |publisher=メディカルトリビューン |date=2015-04-16 |accessdate=2015-04-17}}</ref>。
== 適用 ==
* [[胃潰瘍]]
下記疾患の胃粘膜病変([[びらん]]、[[出血]]、[[発赤]]、[[浮腫]])の改善
[[急性胃炎]]、[[慢性胃炎]]の急性増悪期<ref name=reb>{{cite web|url=http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00056953.pdf|title=レバミピド錠|accessdate=2015-09-09}}</ref>
* ドライアイ


== 種類 ==
== 種類 ==
先発薬
* ムコスタ錠100
* ムコスタ錠100
* ムコスタ顆粒20%
* ムコスタ顆粒20%
* ムコスタ点眼液UD2%
* ムコスタ点眼液UD2%
[[画像:レバミピド・ムコスタ点眼液UD大塚製薬.jpg|thumb|240px|ムコスタ点眼液UD2%]]


== 禁忌事項 ==
== 禁忌事項 ==
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: 妊婦:未確立・有益のみ、授乳婦:回避・授乳中止、小児:未確立
: 妊婦:未確立・有益のみ、授乳婦:回避・授乳中止、小児:未確立


== 用 ==
== 注意・副作用 ==
錠剤については安全性は高く、[[副作用]]は少ない(治験通算1.66%<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/180078_2329021D1020_1_013_1F|title=ムコスタ錠100mg/ムコスタ顆粒20% インタビューフォーム|accessdate=2016-07-19|date=2013-07|format=PDF|publisher=}}</ref>{{Rp|23}})。ごく稀に[[ショック]]([[アナフィラキシー]]症状)、血液障害([[白血球]]減少、[[血小板]]減少)、[[発疹]]、肝障害([[アスパラギン酸アミノ基転移酵素|AST]]・[[アラニントランスアミナーゼ|ALT]]・[[γ-グルタミルトランスフェラーゼ|γ-GTP]]、[[アルカリホスファターゼ|AL-P]]の上昇)、黄疸の報告がある。
* 胃潰瘍
通常、成人には1回レバミピドとして100mg(ムコスタ錠100mg:1錠、ムコスタ顆粒20%:0.5g)を1日3回、朝、夕及び就寝前に経口投与する<ref name=reb/>。
* 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
通常、成人には1回レバミピドとして100mg(ムコスタ錠100mg:1錠、ムコスタ顆粒20%:0.5g)を1日3回経口投与する<ref name=reb/>。
* ドライアイに対しては、成人は1回につき1滴を1日4回点眼する。

他は医師の指示通り。

== 一般的注意・副作用 ==
錠剤については安全性は高く、[[副作用]]はまれある。ごく稀に[[ショック]]([[アナフィラキシー]]症状)、血液障害([[白血球]]減少、[[血小板]]減少)、[[発疹]]、肝障害([[アスパラギン酸アミノ基転移酵素|AST]]・[[アラニントランスアミナーゼ|ALT]]・[[γ-グルタミルトランスフェラーゼ|γ-GTP]]、[[アルカリホスファターゼ|AL-P]]の上昇)の報告がある。


服薬中止後の再発がしばしば見られるため、潰瘍がなくなった後もしばらくの期間続ける必要がある。
服薬中止後の再発がしばしば見られるため、潰瘍がなくなった後もしばらくの期間続ける必要がある。


点眼液については、副作用による涙道閉塞・涙嚢炎の症例が3年間で8例(うち因果関係を否定出来ないものが5例)確認されており、2015年3月に[[厚生労働省]]が使用上の注意に「重大な副作用」の項を新設するよう指示している<ref>[https://www.m3.com/open/clinical/news/article/306564/ ムコスタ点眼で重大副作用新設] - M3.com・2015年3月27日</ref>。
点眼液については、副作用による涙道閉塞・涙嚢炎の症例が3年間で8例(うち因果関係を否定できないものが5例)確認されており、2015年3月に[[厚生労働省]]が使用上の注意に「重大な副作用」の項を新設するよう指示している<ref>[https://www.m3.com/open/clinical/news/article/306564/ ムコスタ点眼で重大副作用新設] - M3.com・2015年3月27日</ref>。

== 薬価 ==
* ムコスタ錠 100mg    16.4円
* ムコスタ顆粒20% 100mg 30.9円
* ムコスタ点眼液UD2%   26.3円

=== 後発医薬品の薬価 ===
* レバミピド錠100mg「JG」    9.9円…[[日本ジェネリック]]製造
* レバミピド錠100mg「NP」    9.9円…[[ニプロファーマ]]製造
* レバミピド錠100mg「サワイ」  9.9円…[[沢井製薬]]製造
* レバミピド錠100mg「ファイザー」 9.9円…[[ファイザー]]製造
* レバミピド錠100mg「EMEC」   9.9円…[[エーザイ#.E5.9B.BD.E5.86.85|エルメッドエーザイ]]製造
* レバミピド錠100mg「ZE」    9.9円…[[ニプロ#.E5.8C.BB.E8.96.AC.E5.93.81|全星薬品工業]]製造
* レバミピド錠100mg「MED」   9.9円…[[旭化成#.E4.BA.8B.E6.A5.AD.E4.BC.9A.E7.A4.BE|メディサ新薬]]製造
* レバミピド錠100mg「あすか」  9.9円…[[あすか製薬]]製造、[[あすかActavis製薬]]販売
* レバミピド顆粒20%「あすか」  21.5円…あすか製薬製造、あすかActavis製薬販売
* レバミピド錠100mg「トーワ」  9.9円…[[東和薬品]]製造
* レバミピド錠100mg「タナベ」  9.9円…[[田辺三菱製薬]]製造、[[田辺製薬販売]]販売
* レバミピド錠100mg「YD」    9.9円…[[陽進堂]]製造
* レバミピドOD錠100mg「YD」  9.9円…陽進堂製造
* レバミピド錠100mg「DK」    9.9円…[[アルフレッサ_ホールディングス#.E3.82.B0.E3.83.AB.E3.83.BC.E3.83.97.E4.BC.9A.E7.A4.BE|アルフレッサ ファーマ]]製造
* レバミピド錠100mg「明治」   9.9円…[[Meiji Seika ファルマ]]製造
* レバミピドOD錠100mg「明治」 9.9円…Meiji Seika ファルマ製造
* レバミピド錠100mg「NPI」   9.9円…[[日本ケミファ|日本薬品工業]]製造
* レバミピド錠100mg「ケミファ」 9.9円…[[日本ケミファ]]製造
* レバミピド錠100mg「TYK」   9.9円…[[武田テバ薬品]]製造、[[テバ製薬]](旧・興和テバ)販売
* レバミピド顆粒20%「TYK」   21.5円…武田テバ薬品製造、テバ製薬(旧・興和テバ)販売
* レバミピド錠100mg「TCK」   9.9円…[[辰巳化学]]製造
* レバミピド顆粒20%「TCK」   21.5円…辰巳化学製造
* レバミピド錠100mg「NS」    9.9円…[[日新製薬]]製造
* レバミピドOD錠100mg「NS」   9.9円…日新製薬製造
* レバミピド錠100mg「日医工」  9.9円…[[日医工]]製造
* レバミピド顆粒20%「日医工」  21.5円…日医工製造
* レバミピド錠100mg「マイラン」 9.9円…[[マイラン製薬]]製造
* レバミピド錠100mg「マイラン」 9.6円…[[三和化学研究所]]製造
* レバミピド錠100mg「SN」    9.9円…[[シオノケミカル]]製造
* レバミピド錠100mg「杏林」   9.9円…[[興和#.E9.96.A2.E9.80.A3.E4.BC.9A.E7.A4.BE|興和ジェネリック]]製造、[[キョーリンリメディオ]]販売


== 脚注 ==
== 出典 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
{{Reflist}}
118行目: 74行目:
== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[消化管機能改善薬]]
* [[消化管機能改善薬]]

== 外部リンク ==
* [http://www.otsuka.co.jp/ 大塚製薬]
* [http://drugname.onmitsu.jp/63mu/63003Mucosta.html ムコスタの構造]


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2024年7月15日 (月) 23:17時点における版

レバミピド
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
投与経路 経口、点眼
識別
CAS番号
90098-04-7
PubChem CID: 5042
KEGG D01121
化学的データ
化学式C19H15Cl2O4
分子量370.786 g/mol
テンプレートを表示
ムコスタ錠100mg

レバミピド(Rebamipide)は、プロスタグランジン(PG)の産生を促進させる成分。胃壁を守る粘膜を増加させるため胃潰瘍の薬として使用される。主に胃薬。商品名ムコスタ大塚製薬が発売、後発医薬品も販売されている。日本では2011年にドライアイ用の点眼薬も発売された。

小史と薬理

胃潰瘍の治療薬として開発された。一般に胃潰瘍は、通常はバランスが取れている胃酸分泌に関わる調節機能が障害された場合に、胃液が胃の粘膜を消化する(傷つける)ことによって潰瘍ができるが、レバミピドはプロスタグランジン(PG)の産生を促進させることで胃壁を守る粘膜を増やし、胃粘膜の血流を促すことで、胃の胃酸に対する防御機能を高め、胃炎や胃潰瘍の治癒を促進する働きがある。すなわち胃酸分泌をコントロールするのではなく、防御機構を回復させることで胃潰瘍を治療する。

レバミピドの開発以前は胃酸分泌に関係する物質としてはアセチルコリンヒスタミンなどが考えられていたが、大塚製薬のムコスタ開発チームはそれ以外の調整機能が生体内にあると想定し、ラットへの酢酸投与により胃潰瘍を発生させ、その治療過程において新たな治療効果を持つ化合物を探し、世界で初めてプロスタグランジンの胃粘膜保護作用を発見した。

2011年、粘膜修復作用に着目してドライアイ点眼薬としても製品化された[1]

適用

使用

鎮痛剤など胃壁を荒らしやすい治療薬(ロキソプロフェンナトリウム錠やイブプロフェン錠など)と併用し、胃壁の荒れを予防する目的で投与されることも多い。また、制酸剤やほかの潰瘍治療薬と併用することもある。

ただし、処方にあたり、「胃潰瘍」に対して処方される場合、「特定疾患処方管理加算」が「投薬料」項目部分に18点加算される(処方箋発行料68点に加えて別途発生する形となる)。

アスピリン腸溶錠による小腸潰瘍の治療に、高用量のレバミピドが有効であるとの報告がある[4]

種類

先発薬

  • ムコスタ錠100
  • ムコスタ顆粒20%
  • ムコスタ点眼液UD2%
ムコスタ点眼液UD2%

禁忌事項

レバミピド(ムコスタ)の添付文書によれば、

服用してはいけない場合:本剤の成分に対するアレルギーの前歴
妊婦:未確立・有益のみ、授乳婦:回避・授乳中止、小児:未確立

注意・副作用

錠剤については安全性は高く、副作用は少ない(治験通算で1.66%[5]:23)。ごく稀にショックアナフィラキシー症状)、血液障害(白血球減少、血小板減少)、発疹、肝障害(ASTALTγ-GTPAL-Pの上昇)、黄疸の報告がある。

服薬中止後の再発がしばしば見られるため、潰瘍がなくなった後もしばらくの期間続ける必要がある。

点眼液については、副作用による涙道閉塞・涙嚢炎の症例が3年間で8例(うち因果関係を否定できないものが5例)確認されており、2015年3月に厚生労働省が使用上の注意に「重大な副作用」の項を新設するよう指示している[6]

出典

  1. ^ ドライアイ治療剤「ムコスタ点眼液UD2%」製造販売承認取得 - 大塚製薬・2011年9月26日
  2. ^ ムコスタ錠100mg/ムコスタ顆粒20% 添付文書” (2013年7月). 2016年7月19日閲覧。
  3. ^ ムコスタ点眼液UD2% 添付文書” (2015年3月). 2016年7月19日閲覧。
  4. ^ 低用量アスピリンによる小腸潰瘍に高用量レバミピドが有効か”. メディカルトリビューン (2015年4月16日). 2015年4月17日閲覧。
  5. ^ ムコスタ錠100mg/ムコスタ顆粒20% インタビューフォーム” (PDF) (2013年7月). 2016年7月19日閲覧。
  6. ^ ムコスタ点眼で重大副作用新設 - M3.com・2015年3月27日

関連項目