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| Name = Hadou
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| Chart position = * 週間1位([[オリコンチャート|オリコン]])<ref name="BARKS">{{cite news|url=https://www.barks.jp/news/?id=1000062344|title=稲葉浩志、アルバム『Hadou』は8月18日発売|newspaper=[[BARKS]]|publisher=ジャパンミュージックネットワーク株式会社|date=2010-07-01|accessdate=2020-01-02}}</ref><ref name="ORICON NEWS">{{cite news|url=https://www.oricon.co.jp/news/79339/full/|title=B’z稲葉浩志、ソロアルバム4作連続首位|newspaper=ORICON NEWS|publisher=[[オリコン]]|date=2010-08-24|accessdate=2020-01-02}}</ref>
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* 2010年度年間38位(オリコン)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.oricon.co.jp/rank/ja/y/2010/p/4/ |title=オリコン年間 アルバムランキング 2010年度 31〜40位 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20191112082103/https://www.oricon.co.jp/rank/ja/y/2010/p/4/ |archivedate=2019-11-12 |publisher=[[インプレス]] |date=2010 |accessdate=2020-07-12}}</ref>
*2010年度年間38位(オリコン)
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『'''Hadou'''』(ハドウ)は、[[日本]]の[[音楽ユニット]]・[[B'z]]のボーカリスト・[[稲葉浩志]]がソロ活動としてリリースした、4作目の[[スタジオ・アルバム|オリジナルアルバム]]。
『'''Hadou'''』(ハドウ)は、[[日本]]の[[音楽ユニット]]・[[B'z]]の[[歌手|ボーカリスト]]・[[稲葉浩志]]4作目の[[スタジオ・アルバム|オリジナルアルバム]]。2010年8月18日に[[VERMILLION RECORDS]]から発売された


== 内容 ==
== 概要 ==
前作『[[Peace Of Mind (アルバム)|Peace Of Mind]]』から約6年ぶりとなるオリジナルアルバム。
前作『[[Peace Of Mind (アルバム)|Peace Of Mind]]』から約6年ぶりとなるオリジナルアルバム。


本作には先行シングル「[[Okay (稲葉浩志の曲)|Okay]]」の他、[[TBSテレビ|TBS]]系『[[NEWS23X|NEWS23クロス]]』のエンディングテーマに起用された「この手をとって走り出して」や、2006年に放送された[[讀賣テレビ放送|読売テレビ]]・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系アニメ『[[結界師 (アニメ)|結界師]]』エンディングテーマとして発表されたままCD化されていなかった「赤い糸」など、全15曲を収録。初回限定盤には、過去のソロ作品の[[ミュージックビデオ|PV]]11曲を収録したDVDが付属されている。
本作には先行シングル「[[Okay (稲葉浩志の曲)|Okay]]」の他、[[TBSテレビ|TBS]]系『[[NEWS23X|NEWS23クロス]]』のエンディングテーマに起用された「この手をとって走り出して」や、2006年に放送された[[讀賣テレビ放送|読売テレビ]]・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系アニメ『[[結界師 (アニメ)|結界師]]』エンディングテーマとして発表されたままCD化されていなかった「赤い糸」など、全15曲を収録<ref name="ORICON NEWS"/>。初回限定盤には、これまで発表されたソロ作品の[[ミュージックビデオ]]11曲を収録した[[DVD]]が付属されている<ref name="BARKS"/><ref>{{Cite news |title=稲葉浩志、ソロアルバム初回盤は過去のPV満載DVD付き |url=https://natalie.mu/music/news/34108 |newspaper=[[ナタリー (ニュースサイト)|音楽ナタリー]] |publisher=株式会社ナターシャ |date=2010-07-01 |accessdate=2020-01-02 }}</ref>


アルバムタイトルの『'''Hadou'''』は「波動」を意味し、「目の前にいる人じゃなくて、遠くにいる人、自分の思っている人と波動でつながっている」が本作のテーマ。元々「Hadou」というタイトルは、3曲目収録「The Morning Call」の仮タイトルだった(歌詞に「波動」というフレーズも入っている)。アルバムタイトルがなかなか決まらなかったことと、3曲目を「Hadou」というタイトルに決めかねていたこととが合わさり、現在に至った。また、漢字ではなくローマ字表記になったのは、漢字にすると最初に「波動」というイメージが固まることを嫌ったから、とのこと。
アルバムタイトルの『'''Hadou'''』は「波動」を意味し、「目の前にいる人じゃなくて、遠くにいる人、自分の思っている人と波動でつながっている」が本作のテーマ。元々「Hadou」というタイトルは、3曲目収録「The Morning Call」の仮タイトルだった(歌詞に「波動」というフレーズも入っている)<ref>{{Cite interview|和書|subject=稲葉浩志|url=http://smash.music.yahoo.co.jp/pow_dtl/itv/powyjm00389/|title=稲葉浩志 伝えつながる波動のように|interviewer=能地祐子|publisher=ヤフー株式会社|date=2010-08-17|accessdate=2021-11-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120719043051/http://smash.music.yahoo.co.jp/pow_dtl/itv/powyjm00389/|archivedate=2021-11-08}}</ref>。アルバムタイトルがなかなか決まらなかったことと、3曲目を「Hadou」というタイトルに決めかねていたこととが合わさり、現在に至った。また、漢字ではなくローマ字表記になったのは、漢字にすると最初に「波動」というイメージが固まることを嫌ったから、とのこと。


稲葉はリリースの5年前からB'zの活動の合間を縫って自宅のスタジオにアレンジャーの[[寺地秀行]]を度々招き、リリースなども考えずに思いついたままに少しずつ曲作りを行っていた。稲葉曰く、この期間に作成した楽曲は、未編曲の楽曲やデモ楽曲を含めると、32曲に及んだとのこと。また未発表ではあるが[[カバー]]曲も制作したという([[ゾンビーズ]]など)。ほとんどの楽曲に歌詞は付けられていなかったが、稲葉は2009年の正月辺りからリリースを意識し、歌詞を書き始めた。
稲葉はリリースの5年前からB'zの活動の合間を縫って自宅のスタジオにアレンジャーの[[寺地秀行]]を度々招き、リリースなども考えずに思いついたままに少しずつ曲作りを行っていた。稲葉曰く、この期間に作成した楽曲は、未編曲の楽曲や[[デモテープ|デモ]]楽曲を含めると、32曲に及んだとのこと。また未発表ではあるが[[カバー]]曲も制作したという([[ゾンビーズ]]など)。ほとんどの楽曲に歌詞は付けられていなかったが、稲葉は2009年の正月辺りからリリースを意識し、歌詞を書き始めた。2004年に開催された初のソロ・ツアー『[[LIVE 2004 〜en〜|Inaba Koshi LIVE 2004 〜en〜]]』の経験を経て、無意識ではあるがライブでの絵も想像しながら制作をしたという<ref>{{Cite interview|和書|subject=稲葉浩志|url=http://smash.music.yahoo.co.jp/pow_dtl/itv/powyjm00389/2/|title=稲葉浩志 伝えつながる波動のように|interviewer=能地祐子|publisher=ヤフー株式会社|date=2010-08-17|accessdate=2021-11-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120719042511/http://smash.music.yahoo.co.jp/pow_dtl/itv/powyjm00389/2/|archivedate=2021-11-08}}</ref>


ちなみに、本作でオリコン週間ランキング1位を獲得したにより、稲葉は[[1990年代]]、[[2000年代]]、[[2010年代]]の「3年代連続オリジナルアルバム1位」の記録を達成した。これは、[[サザンオールスターズ]]、[[徳永英明]]、[[SMAP]]に続き4組目の達成である<ref group="注">当時B'zとしての2010年のCDリリースがなかったため、この時点では未達成だった。</ref>。
発売初週12.7万枚の売上を記録し、8月30日の[[オリコンチャート|オリコン]]週間アルバムランキングにて1stアルバム『[[マグマ (アルバム)|マグマ]]』から4作連続での初登場首位を獲得<ref>{{Cite news |title=B'z稲葉浩志、ソロアルバム4作連続首位 |url=https://www.oricon.co.jp/news/79339/full/ |newspaper=ORICON NEWS |publisher=オリコン |date=2010-08-24 |accessdate=2020-02-08 }}</ref>。により、稲葉は[[1990年代]]、[[2000年代]]、[[2010年代]]の「3年代連続オリジナルアルバム1位」の記録を達成した。これは、[[サザンオールスターズ]]、[[徳永英明]]、[[SMAP]]に続き4組目の達成である<ref group="注">当時B'zとしての2010年のCDリリースがなかったため、この時点では未達成だった。</ref>。


== 収録曲 ==
== 収録曲 ==
; CD
; CD
# '''LOST''' (1:27)
:# '''LOST''' (1:27)
#:本作の[[イントロダクション]]的な曲で、演奏時間は稲葉ソロ曲の中で最短の1分25秒。
:#*本作の[[イントロダクション]]的な曲で、演奏時間は稲葉ソロ曲の中で最短の1分25秒。
#:2009年に、B'zとして博多にレコーディングに行った際にホテルで作られた楽曲で、本作では最後に完成した。メロディ自体は早いうちから存在しており、アルバムの最終調整に入った際に、稲葉が「アルバムとして足りない気がするからもう1曲足したい」と思い、制作に至った。歌い出しから始まる楽曲で、元々はその前に長いイントロが存在したが、インパクトに欠けるので端折ったという。
:#*{{要出典範囲|2009年に、B'zとして[[博多]]にレコーディングに行った際にホテルで作られた楽曲で、本作では最後に完成した。メロディ自体は早いうちから存在しており、アルバムの最終調整に入った際に、稲葉が「アルバムとして足りない気がするからもう1曲足したい」と思い、制作に至った。歌い出しから始まる楽曲で、元々はその前に長いイントロが存在したが、インパクトに欠けるので端折ったという。|date=2024年7月}}
# '''絶対(的)''' (4:17)
:# '''絶対(的)''' (4:17)
#:イントロが、打ち込みによるエレクトリック・シタールとなっている。この部分は、元々エレクトリックピアノであったが、音が丸過ぎたので変更したのだと言う。エンディング部分は、レコーディングメンバーの演奏が止まらず長く続けた感じになったという。
:#*{{要出典範囲|イントロが、[[打ち込み]]によるエレクトリック・シタールとなっている。この部分は、元々[[エレクトリックピアノ]]であったが、音が丸過ぎたので変更したのだと言う。エンディング部分は、レコーディングメンバーの演奏が止まらず長く続けた感じになったという。|date=2024年7月}}
#: 当初は「的」についている“()”を外すつもりだったが、最終的に“()”を生かした。
:#* {{要出典範囲|当初は「的」についている“()”を外すつもりだったが、最終的に“()”を生かした。|date=2024年7月}}
# '''The Morning Call''' (4:02)
:# '''The Morning Call''' (4:02)
#: 全編[[ピアノ]]を中心に構成された、アルバム『Hadou』のタイトル曲になる予定だった曲。
:#* {{要出典範囲|全編[[ピアノ]]を中心に構成された、アルバム『Hadou』のタイトル曲になる予定だった曲。|date=2024年7月}}
#: 曲にはハードな[[ギター]]も入っているが、出来るだけピアノの音を大きくして、ハードな中にクールなピアノをバランス的に混ぜ込んでいる、とコメントしている。
:#* {{要出典範囲|曲にはハードな[[ギター]]も入っているが、出来るだけピアノの音を大きくして、ハードな中にクールなピアノをバランス的に混ぜ込んでいる、とコメントしている。|date=2024年7月}}
#: 稲葉が[[シカゴ]]を訪れた際、そこでピアノで始まる感じの良い曲があり、それに影響を受けてピアノが歯切れよく動いて始まる楽曲をやりたくなったことで制作を始めた。その為、ピアノのフレーズをデモの段階で全部作ったのだと言う。
:#* {{要出典範囲|稲葉が[[シカゴ]]を訪れた際、そこでピアノで始まる感じの良い曲があり、それに影響を受けてピアノが歯切れよく動いて始まる楽曲をやりたくなったことで制作を始めた。その為、ピアノのフレーズをデモの段階で全部作ったのだと言う。|date=2024年7月}}
#: 曲終了後、曲間なしで次の曲に移る。
:#* 曲終了後、曲間なしで次の曲に移る。
# '''[[Okay (稲葉浩志の曲)|Okay]]''' (5:16)
:# '''[[Okay (稲葉浩志の曲)|Okay]]''' (5:16)
#: アルバムの先行シングル。デモの段階からシングル候補であった。歌詞では、稲葉なりに[[無常|無常観]]を表現している。
:#* アルバムの先行シングル。{{要出典範囲|デモの段階からシングル候補であった。|date=2024年7月}}
:# '''Lone Pine''' (4:39)
#: 最初にイントロのコード進行だけ別に存在し、そこのパートだけが気に入っていたため、他を全部変更したという経緯があり、最終的に32曲制作したうちの30曲目に完成した曲となった。
:#* {{要出典範囲|3連リズムで構成される楽曲で、「[[アコースティックギター]]刻みの雰囲気の楽曲を制作したい」というテーマのもと制作された。|date=2024年7月}}
#: シンセサイザーの音が多く重ねられており、ボーカルも[[リバーブレーター|リバーブ]]を上げて収録してある、音像的にもカオスな雰囲気になったという。
:#* {{要出典範囲|タイトルのLone Pine(ローン・パイン)とは、[[アメリカ|アメリカ合衆国]][[カリフォルニア州]]に実在する田舎町の名称である。|date=2024年7月}}
# '''Lone Pine''' (4:39)
:#* {{要出典範囲|この曲の製作経緯として、稲葉が15年以上も前にドライブの途中にローン・パインのモーテルに宿泊した際のイメージが強く残っており、数年後にローン・パインのイメージを膨らませ歌詞を書いた。そのため、かなり古くから歌詞が存在していた曲である。|date=2024年7月}}
#: 3連リズムで構成される楽曲で、「アコースティックギター刻みの雰囲気の楽曲を制作したい」というテーマのもと制作された。
:# '''エデン''' (4:21)
#: タイトルのLone Pine(ローン・パイン)とは、[[アメリカ|アメリカ合衆国]][[カリフォルニア州]]に実在する田舎町の名称である。
:#* {{要出典範囲|8ビートで構成される楽曲。稲葉曰く、「『絶対(的)』にも通じる、とても好きな楽曲。特にサビのコードが好きである」とのこと。|date=2024年7月}}
#: この曲の製作経緯として、稲葉が15年以上も前にドライブの途中にローン・パインのモーテルに宿泊した際のイメージが強く残っており、数年後にローン・パインのイメージを膨らませ歌詞を書いた。そのため、かなり古くから歌詞が存在していた曲である。
# '''エデン''' (4:21)
:# '''CAGE FIGHT''' (3:52)
:#* [[宇浦冴香]]に提供した楽曲「[[Juke Vox|友達以上恋人未満]]」の[[セルフカバー]]。なお原曲は稲葉の作詞ではないため、自身で詞を書き直した<ref name="mfm201">{{Cite book |和書 |title=music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories II |publisher=[[エムアールエム]] |year=2013 |page=201 }}</ref>
#: 8ビートで構成される楽曲。稲葉曰く、「『絶対(的)』にも通じる、とても好きな楽曲。特にサビのコードが好きである」とのこと。
:#* {{要出典範囲|タイトルのCAGE FIGHT(ケージ・ファイト)とは、金網に囲われた舞台の中で行われる格闘技の事。街が檻の中に見えてしまうような、かなり参っている精神状態の人を歌詞のテーマにしている。この事について、稲葉は「自分でもそういう事があるし、現代にはそういう人がものすごく多いと思う。それを前向きにというか。タイトルのCAGE FIGHTという言葉は僕の中ではとても明るい言葉なんです。ファイトしている感じ。格闘技とか見ていると前向きじゃないですか?それで解決するとは言わないけれども、そういう姿勢もアリなのではないかと思う。」と語っている。|date=2024年7月}}
# '''CAGE FIGHT''' (3:52)
:#*{{要出典範囲|この曲の[[スライドギター]]は大賀で[[ロサンゼルス]]でレコーディングする前に、[[東京]]で録ったという。|date=2024年7月}}
#: [[宇浦冴香]]に提供した楽曲「[[Juke Vox|友達以上恋人未満]]」の[[セルフカバー]]。なお原曲は稲葉の作詞ではないため、自身で詞を書き直した。
:# '''今宵キミト''' (4:31)
#: タイトルのCAGE FIGHT(ケージ・ファイト)とは、金網に囲われた舞台の中で行われる格闘技の事。街が檻の中に見えてしまうような、かなり参っている精神状態の人を歌詞のテーマにしている。この事について、稲葉は「自分でもそういう事があるし、現代にはそういう人がものすごく多いと思う。それを前向きにというか。タイトルのCAGE FIGHTという言葉は僕の中ではとても明るい言葉なんです。ファイトしている感じ。格闘技とか見ていると前向きじゃないですか?それで解決するとは言わないけれども、そういう姿勢もアリなのではないかと思う。」と語っている。
:#* {{要出典範囲|歌詞が先にありそれに曲を付けるという、[[詞先]]で制作された楽曲。近年のB'z関連作品ではほとんど見られない[[サックス]]ソロがあり、これはギターより狂った感じが出るためだという。|date=2024年7月}}
#:この曲のスライドギターは大賀でロサンゼルスでレコーディングする前に、東京で録ったという。
:#*{{要出典範囲|タイトルの「今宵キミト」という言葉について稲葉は、「この言葉は少し明るい感じもあるが、内容としては、自分の気持ちが届かない歯がゆさ、それでも好きだと言う健気な男性と、女性の方にも理由があるという感じを表している」と語っている。|date=2024年7月}}
# '''今宵キミト''' (4:31)
:# '''この手をとって走り出して''' (5:34)
#: 歌詞が先にありそれに曲を付けるという、[[詞先]]で制作された楽曲。近年のB'z関連作品ではほとんど見られない[[サックス]]ソロがあり、これはギターより狂った感じが出るためだという。
:#* {{要出典範囲|曲作りの初期の頃には完成しており、2005年頃に制作された。また、宇浦冴香に試しに歌ってもらったこともあり、そのため歌詞は女性目線で書かれている。|date=2024年7月}}
#:タイトルの「今宵キミト」という言葉について稲葉は、「この言葉は少し明るい感じもあるが、内容としては、自分の気持ちが届かない歯がゆさ、それでも好きだと言う健気な男性と、女性の方にも理由があるという感じを表している」と語っている。
:#* [[TBSテレビ|TBS]]系『[[NEWS23X|NEWS23クロス]]』の初代エンディングテーマ<ref group="注">2代目はB'zの「[[Don't Wanna Lie|Homebound]]」が使用された。ちなみに『NEWS23クロス』の初代タイアップ候補で「Lone Pine」も挙がっていた。</ref>。新番組の告知で流されていたCMにもこの曲が使われており、CMに稲葉の名前とこの曲名のクレジットはなく、公式サイトで稲葉のソロ活動のことが公表されるまで不明のままだった。
# '''この手をとって走り出して''' (5:34)
:# '''去りゆく人へ''' (4:24)
#: 曲作りの初期の頃には完成しており、2005年頃に制作された。また、宇浦冴香に試しに歌ってもらったこともあり、そのため歌詞は女性目線で書かれている。
:#* 宇浦冴香に提供した楽曲「[[Juke Vox|君を想い眠る夜は]]」のセルフカバー。こちらも「CAGE FIGHT」同様稲葉の作詞ではないため、自身で書き直した<ref name="mfm201" />
#: [[TBSテレビ|TBS]]系『[[NEWS23X|NEWS23クロス]]』の初代エンディングテーマ<ref group="注">2代目はB'zの「[[Don't Wanna Lie|Homebound]]」が使用された。ちなみに『NEWS23クロス』の初代タイアップ候補で「Lone Pine」も挙がっていた。</ref>。新番組の告知で流されていたCMにもこの曲が使われており、CMに稲葉の名前とこの曲名のクレジットはなく、公式サイトで稲葉のソロ活動のことが公表されるまで不明のままだった。
:#* {{要出典範囲|歌詞の内容は「それなりに思い入れのある人と離れてしまうとき、その人に対して見送る時の言葉というか、愛情があっての別れの言葉」として書かれている。|date=2024年7月}}
# '''去りゆく人へ''' (4:24)
:#* {{要出典範囲|デモは全然違っており、生音でレコーディングしてから大きく変わったという。|date=2024年7月}}
#: 宇浦冴香に提供した楽曲「[[Juke Vox|君を想い眠る夜は]]」のセルフカバー。こちらも「CAGE FIGHT」同様稲葉の作詞ではないため、自身で書き直した。
:#* {{要出典範囲|エンディング部分はバンドのセッションによる演奏が止まらず延々と続いたものがそのまま収録された。|date=2024年7月}}
#: 歌詞の内容は「それなりに思い入れのある人と離れてしまうとき、その人に対して見送る時の言葉というか、愛情があっての別れの言葉」として書かれている。
:# '''不死鳥''' (3:58)
#: デモは全然違っており、生音でレコーディングしてから大きく変わったという。
:#* {{要出典範囲|稲葉曰く、この楽曲のピアノ(打ち込み)とアコースティックギターのマッチングがお気に入りとのこと。|date=2024年7月}}
#: エンディング部分はバンドのセッションによる演奏が止まらず延々と続いたものがそのまま収録された。
:#* 2010年に行われたライブツアー『[[Koshi Inaba LIVE 2010 〜enII〜]]』では、この曲以外の全ての楽曲が演奏され、本曲のみ未演奏だったが『[[Koshi Inaba LIVE 2016 〜enIII〜]]』 で演奏され、本アルバムの収録曲は全てライブで演奏された。
# '''不死鳥''' (3:58)
:# '''主人公''' (3:53)
#: 稲葉曰く、この楽曲のピアノ(打ち込み)とアコースティックギターのマッチングがお気に入りとのこと。
:#* {{要出典範囲|稲葉自身が、「稲葉ソロっぽい」と評する曲。|date=2024年7月}}
#: 2010年に行われたライブツアー『[[Koshi Inaba LIVE 2010 〜enII〜]]』では、この曲以外の全ての楽曲が演奏され、本曲のみ未演奏だったが『[[Koshi Inaba LIVE 2016 〜enIII〜]]』 で演奏され、本アルバムは全てライブで演奏されたことになる
# '''主人公''' (3:53)
:# '''リトルボーイ''' (3:27)
:#* {{要出典範囲|「少年」の持つ純粋でひたむきな心と、その機微が併せ持つ幼稚で残酷な一面を描写した楽曲。歌詞には[[核兵器]]そのものや使用国に対する皮肉も含まれており、タイトルの由来も[[第二次世界大戦]]において[[アメリカ軍]]が[[広島市]]に投下した[[原子爆弾]]の[[コードネーム]]「[[リトルボーイ]]」による。|date=2024年7月}}
#: 稲葉自身が、「稲葉ソロっぽい」と評する曲。
:#* 2010年に行われたツアーでは広島公演のみ演奏された。
# '''リトルボーイ''' (3:27)
:# '''赤い糸''' (2:42)
#: 「少年」の持つ純粋でひたむきな心と、その機微が併せ持つ幼稚で残酷な一面を描写した楽曲。歌詞には[[核兵器]]そのものや使用国に対する皮肉も含まれており、タイトルの由来も[[第二次世界大戦]]において[[アメリカ軍]]が[[広島市]]に投下した[[原子爆弾]]の[[コードネーム]]「[[リトルボーイ]]」による。
:#* [[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系アニメ『[[結界師 (アニメ)|結界師]]』の初代エンディングテーマ<ref>{{Cite news|url=https://www.oricon.co.jp/news/36481/full/|title=B'z稲葉浩志、作品提供と新曲リリースを発表!|work=ORICON NEWS|publisher=オリコン株式会社|date=2006-10-02|accessdate=2023-04-07}}</ref>。2006年に発表されてから長い間CD化されていなかった。
#: 2010年に行われたツアーでは広島公演のみ演奏された。
:#* {{要出典範囲|アニメで使用されたものとは異なり、シンプルな[[アコースティック]]アレンジになっている。稲葉曰く、「元々はこういう感じ(アコースティック)だった」とのこと。|date=2024年7月}}アニメで使用されたバージョンは未音源化のままである。
# '''赤い糸''' (2:42)
:# '''イタイケな太陽''' (7:17)
#: [[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系アニメ『[[結界師 (アニメ)|結界師]]』の初代エンディングテーマ。2006年に発表されてから長い間CD化されていなかった。
:#* {{要出典範囲|2005年辺りに制作された、本作では最も古い楽曲だが、間奏やエンディングの部分はレコーディングの最後の最後に変えていったという。稲葉自身も認める、ソロ作品の中ではかなりハツラツ系の楽曲。2010年のライブではアンコールラストナンバーとなった。|date=2024年7月}}
#: アニメで使用されたものとは異なり、シンプルなアコースティックアレンジになっている。稲葉曰く、「元々はこういう感じ(アコースティック)だった」とのこと。アニメで使用されたバージョンは未音源化のままである。
:#* 曲の終了後、長い無音の後に[[隠しトラック]]が収録され、ライブ終了後にSEとして流された。アコースティックとハンドクラップのみの伴奏という非常にシンプルかつ2コーラスのみの短い楽曲で、タイトルは不明。トラックが分かれておらず「イタイケな太陽」に含まれているため、[[日本音楽著作権協会|JASRAC]]などへのタイトルの届出などもされていない。なお、CDのみ収録されており[[音楽配信|配信]]音源には収録されていない。
# '''イタイケな太陽''' (7:17)
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
#: 2005年辺りに制作された、本作では最も古い楽曲だが、間奏やエンディングの部分はレコーディングの最後の最後に変えていったという。稲葉自身も認める、ソロ作品の中ではかなりハツラツ系の楽曲。2010年のライブではアンコールラストナンバーとなった。
#: 曲の終了後、長い無音の後に[[隠しトラック]]が収録され、ライブ終了後にSEとして流された。アコースティックとハンドクラップのみの伴奏という非常にシンプルかつ2コーラスのみの短い楽曲で、タイトルは不明。トラックが分かれておらず「イタイケな太陽」に含まれているため、JASRACなどへのタイトルの届出などもされていない。なお、PC配信音源には収録されていない。

; DVD (初回限定盤のみ)
; DVD (初回限定盤のみ)
以下の楽曲の[[ミュージックビデオ]]を収録。
:以下の楽曲の[[ミュージックビデオ]]を収録。
# '''[[マグマ (アルバム)|波]]'''
:# '''[[マグマ (アルバム)|波]]'''
# '''[[遠くまで (稲葉浩志の曲)|遠くまで]]'''
:# '''[[遠くまで (稲葉浩志の曲)|遠くまで]]'''
# '''[[志庵|O.NO.RE]]'''
:# '''[[志庵|O.NO.RE]]'''
# '''[[志庵|Touch]]'''
:# '''[[志庵|Touch]]'''
# '''[[志庵|ファミレス午前3時]]'''
:# '''[[志庵|ファミレス午前3時]]'''
# '''[[KI (稲葉浩志のシングル)|AKATSUKI]]'''
:# '''[[KI (稲葉浩志のシングル)|AKATSUKI]]'''
# '''[[KI (稲葉浩志のシングル)|静かな雨]]'''
:# '''[[KI (稲葉浩志のシングル)|静かな雨]]'''
# '''[[KI (稲葉浩志のシングル)|I'm on fire]]'''
:# '''[[KI (稲葉浩志のシングル)|I'm on fire]]'''
# '''[[Wonderland (稲葉浩志の曲)|Wonderland]]'''
:# '''[[Wonderland (稲葉浩志の曲)|Wonderland]]'''
# '''[[Peace Of Mind (アルバム)|正面衝突]]'''
:# '''[[Peace Of Mind (アルバム)|正面衝突]]'''
# '''[[Peace Of Mind (アルバム)|ハズムセカイ]]'''
:# '''[[Peace Of Mind (アルバム)|ハズムセカイ]]'''


== タイアップ ==
== タイアップ ==
*[[TBSテレビ|TBS]]系『[[NEWS23X|NEWS23クロス]]』エンディングテーマ(#9)
* [[TBSテレビ|TBS]]系『[[NEWS23X|NEWS23クロス]]』エンディングテーマ(#9)
*[[讀賣テレビ放送|読売テレビ]]・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系アニメ『[[結界師 (アニメ)|結界師]]』エンディングテーマ(#14)
* [[讀賣テレビ放送|読売テレビ]]・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系アニメ『[[結界師 (アニメ)|結界師]]』エンディングテーマ(#14)


== 参加ミュージシャン ==
== 参加ミュージシャン ==
*[[稲葉浩志]]:[[ボーカル]]、全曲[[作詞]]・[[作曲]]・[[編曲]]、[[アコースティックギター]](#2.6.11.12.14.15)、[[ハーモニカ|ブルースハープ]](#5)
* [[稲葉浩志]]:[[ボーカル]]、全曲[[作詞]]・[[作曲]]・[[編曲]]、[[アコースティックギター]](#2.6.11.12.14.15)、[[ハーモニカ|ブルースハープ]](#5)
*[[寺地秀行]]:全曲編曲
* [[寺地秀行]]:全曲編曲
*[[シェーン・ガラース]]:[[ドラムセット|ドラム]](#1-13.15)、[[シェイカー (楽器)|シェイカー]](#12)
* [[シェーン・ガラース]]:[[ドラムセット|ドラム]](#1-13.15)、[[シェイカー (楽器)|シェイカー]](#12)
*[[スティーヴィー・サラス]]:[[ギター]](#4)、[[エレクトリックギター]](#6.7.12.15)
* [[スティーヴィー・サラス]]:[[ギター]](#4)、[[エレクトリックギター]](#6.7.12.15)
*ラファエル・モレイラ:ギター(#1.3.8-10)、エレクトリックギター(#2.5.11.13)
* ラファエル・モレイラ:ギター(#1.3.8-10)、エレクトリックギター(#2.5.11.13)
*ジャラ・ハリス:[[ベース (弦楽器)|ベース]](#4.6.7.15)
* ジャラ・ハリス:[[ベース (弦楽器)|ベース]](#4.6.7.15)
*コリー・マコーミック:ベース(#2.3.5.8-11.13)
* コリー・マコーミック:ベース(#2.3.5.8-11.13)
*[[小野塚晃]]:[[ピアノ]](#3.9)、[[オルガン]](#10)
* [[小野塚晃]]:[[ピアノ]](#3.9)、[[オルガン]](#10)
*林こずえ:[[ストリングス]](#5.9.11)、[[ヴァイオリン]](#13)
* 林こずえ:[[ストリングス]](#5.9.11)、[[ヴァイオリン]](#13)
*Lime Ladies Orchestra:ストリングス(#5.9.11)
* Lime Ladies Orchestra:ストリングス(#5.9.11)
*[[大賀好修]]:[[スライドギター]](#7.15)、アコースティックギター(#13)
* [[大賀好修]]:[[スライドギター]](#7.15)、アコースティックギター(#13)
*[[勝田一樹]]:[[サックス]](#8)
* [[勝田一樹]]:[[サックス]](#8)
*栗原尚子:ヴァイオリン(#13)
* 栗原尚子:ヴァイオリン(#13)
*三品芽生:[[ヴィオラ]](#13)
* 三品芽生:[[ヴィオラ]](#13)
*島津由美:[[チェロ]](#13.14)
* 島津由美:[[チェロ]](#13.14)
*上石統:[[トランペット]](#13)
* 上石統:[[トランペット]](#13)
*渡辺ファイアー:[[アルトサックス]](#13)
* 渡辺ファイアー:[[アルトサックス]](#13)
*東條あずさ:[[トロンボーン]](#13)
* 東條あずさ:[[トロンボーン]](#13)
*武田和大:[[バリトンサックス]](#13)
* 武田和大:[[バリトンサックス]](#13)


== 脚注 ==
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稲葉浩志 > Hadou
『Hadou』
稲葉浩志スタジオ・アルバム
リリース
録音 2005年 - 2010年
ジャンル
時間
レーベル VERMILLION RECORDS
プロデュース 稲葉浩志
チャート最高順位
稲葉浩志 アルバム 年表
Peace Of Mind
(2004年)
Hadou
(2010年)
Singing Bird
(2014年)
『Hadou』収録のシングル
  1. Okay
    リリース: 2010年6月23日
テンプレートを表示

Hadou』(ハドウ)は、日本音楽ユニットB'zボーカリスト稲葉浩志の4作目のオリジナル・アルバム。2010年8月18日にVERMILLION RECORDSから発売された。

概要

[編集]

前作『Peace Of Mind』から約6年ぶりとなるオリジナル・アルバム。

本作には先行シングル「Okay」の他、TBS系『NEWS23クロス』のエンディングテーマに起用された「この手をとって走り出して」や、2006年に放送された読売テレビ日本テレビ系アニメ『結界師』エンディングテーマとして発表されたままCD化されていなかった「赤い糸」など、全15曲を収録[2]。初回限定盤には、これまで発表されたソロ作品のミュージック・ビデオ全11曲を収録したDVDが付属されている[1][4]

アルバムタイトルの『Hadou』は「波動」を意味し、「目の前にいる人じゃなくて、遠くにいる人、自分の思っている人と波動でつながっている」が本作のテーマ。元々「Hadou」というタイトルは、3曲目収録「The Morning Call」の仮タイトルだった(歌詞に「波動」というフレーズも入っている)[5]。アルバムタイトルがなかなか決まらなかったことと、3曲目を「Hadou」というタイトルに決めかねていたこととが合わさり、現在に至った。また、漢字ではなくローマ字表記になったのは、漢字にすると最初に「波動」というイメージが固まることを嫌ったから、とのこと。

稲葉はリリースの5年前からB'zの活動の合間を縫って自宅のスタジオにアレンジャーの寺地秀行を度々招き、リリースなども考えずに思いついたままに少しずつ曲作りを行っていた。稲葉曰く、この期間に作成した楽曲は、未編曲の楽曲やデモ楽曲を含めると、32曲に及んだとのこと。また未発表ではあるがカバー曲も制作したという(ゾンビーズなど)。ほとんどの楽曲に歌詞は付けられていなかったが、稲葉は2009年の正月辺りからリリースを意識し、歌詞を書き始めた。2004年に開催された初のソロ・ツアー『Inaba Koshi LIVE 2004 〜en〜』の経験を経て、無意識ではあるがライブでの絵も想像しながら制作をしたという[6]

発売初週で12.7万枚の売上を記録し、8月30日のオリコン週間アルバムランキングにて1stアルバム『マグマ』から4作連続での初登場首位を獲得[7]。これにより、稲葉は1990年代2000年代2010年代の「3年代連続オリジナル・アルバム1位」の記録を達成した。これは、サザンオールスターズ徳永英明SMAPに続き4組目の達成である[注 1]

収録曲

[編集]
CD
  1. LOST (1:27)
    • 本作のイントロダクション的な曲で、演奏時間は稲葉ソロ曲の中で最短の1分25秒。
    • 2009年に、B'zとして博多にレコーディングに行った際にホテルで作られた楽曲で、本作では最後に完成した。メロディ自体は早いうちから存在しており、アルバムの最終調整に入った際に、稲葉が「アルバムとして足りない気がするからもう1曲足したい」と思い、制作に至った。歌い出しから始まる楽曲で、元々はその前に長いイントロが存在したが、インパクトに欠けるので端折ったという。[要出典]
  2. 絶対(的) (4:17)
    • イントロが、打ち込みによるエレクトリック・シタールとなっている。この部分は、元々エレクトリックピアノであったが、音が丸過ぎたので変更したのだと言う。エンディング部分は、レコーディングメンバーの演奏が止まらず長く続けた感じになったという。[要出典]
    • 当初は「的」についている“()”を外すつもりだったが、最終的に“()”を生かした。[要出典]
  3. The Morning Call (4:02)
    • 全編ピアノを中心に構成された、アルバム『Hadou』のタイトル曲になる予定だった曲。[要出典]
    • 曲にはハードなギターも入っているが、出来るだけピアノの音を大きくして、ハードな中にクールなピアノをバランス的に混ぜ込んでいる、とコメントしている。[要出典]
    • 稲葉がシカゴを訪れた際、そこでピアノで始まる感じの良い曲があり、それに影響を受けてピアノが歯切れよく動いて始まる楽曲をやりたくなったことで制作を始めた。その為、ピアノのフレーズをデモの段階で全部作ったのだと言う。[要出典]
    • 曲終了後、曲間なしで次の曲に移る。
  4. Okay (5:16)
    • アルバムの先行シングル。デモの段階からシングル候補であった。[要出典]
  5. Lone Pine (4:39)
    • 3連リズムで構成される楽曲で、「アコースティック・ギター刻みの雰囲気の楽曲を制作したい」というテーマのもと制作された。[要出典]
    • タイトルのLone Pine(ローン・パイン)とは、アメリカ合衆国カリフォルニア州に実在する田舎町の名称である。[要出典]
    • この曲の製作経緯として、稲葉が15年以上も前にドライブの途中にローン・パインのモーテルに宿泊した際のイメージが強く残っており、数年後にローン・パインのイメージを膨らませ歌詞を書いた。そのため、かなり古くから歌詞が存在していた曲である。[要出典]
  6. エデン (4:21)
    • 8ビートで構成される楽曲。稲葉曰く、「『絶対(的)』にも通じる、とても好きな楽曲。特にサビのコードが好きである」とのこと。[要出典]
  7. CAGE FIGHT (3:52)
    • 宇浦冴香に提供した楽曲「友達以上恋人未満」のセルフカバー。なお原曲は稲葉の作詞ではないため、自身で詞を書き直した[8]
    • タイトルのCAGE FIGHT(ケージ・ファイト)とは、金網に囲われた舞台の中で行われる格闘技の事。街が檻の中に見えてしまうような、かなり参っている精神状態の人を歌詞のテーマにしている。この事について、稲葉は「自分でもそういう事があるし、現代にはそういう人がものすごく多いと思う。それを前向きにというか。タイトルのCAGE FIGHTという言葉は僕の中ではとても明るい言葉なんです。ファイトしている感じ。格闘技とか見ていると前向きじゃないですか?それで解決するとは言わないけれども、そういう姿勢もアリなのではないかと思う。」と語っている。[要出典]
    • この曲のスライドギターは大賀でロサンゼルスでレコーディングする前に、東京で録ったという。[要出典]
  8. 今宵キミト (4:31)
    • 歌詞が先にありそれに曲を付けるという、詞先で制作された楽曲。近年のB'z関連作品ではほとんど見られないサックスソロがあり、これはギターより狂った感じが出るためだという。[要出典]
    • タイトルの「今宵キミト」という言葉について稲葉は、「この言葉は少し明るい感じもあるが、内容としては、自分の気持ちが届かない歯がゆさ、それでも好きだと言う健気な男性と、女性の方にも理由があるという感じを表している」と語っている。[要出典]
  9. この手をとって走り出して (5:34)
    • 曲作りの初期の頃には完成しており、2005年頃に制作された。また、宇浦冴香に試しに歌ってもらったこともあり、そのため歌詞は女性目線で書かれている。[要出典]
    • TBS系『NEWS23クロス』の初代エンディングテーマ[注 2]。新番組の告知で流されていたCMにもこの曲が使われており、CMに稲葉の名前とこの曲名のクレジットはなく、公式サイトで稲葉のソロ活動のことが公表されるまで不明のままだった。
  10. 去りゆく人へ (4:24)
    • 宇浦冴香に提供した楽曲「君を想い眠る夜は」のセルフカバー。こちらも「CAGE FIGHT」同様稲葉の作詞ではないため、自身で書き直した[8]
    • 歌詞の内容は「それなりに思い入れのある人と離れてしまうとき、その人に対して見送る時の言葉というか、愛情があっての別れの言葉」として書かれている。[要出典]
    • デモは全然違っており、生音でレコーディングしてから大きく変わったという。[要出典]
    • エンディング部分はバンドのセッションによる演奏が止まらず延々と続いたものがそのまま収録された。[要出典]
  11. 不死鳥 (3:58)
    • 稲葉曰く、この楽曲のピアノ(打ち込み)とアコースティックギターのマッチングがお気に入りとのこと。[要出典]
    • 2010年に行われたライブツアー『Koshi Inaba LIVE 2010 〜enII〜』では、この曲以外の全ての楽曲が演奏され、本曲のみ未演奏だったが『Koshi Inaba LIVE 2016 〜enIII〜』 で演奏され、本アルバムの収録曲は全てライブで演奏された。
  12. 主人公 (3:53)
    • 稲葉自身が、「稲葉ソロっぽい」と評する曲。[要出典]
  13. リトルボーイ (3:27)
  14. 赤い糸 (2:42)
    • 日本テレビ系アニメ『結界師』の初代エンディングテーマ[9]。2006年に発表されてから長い間CD化されていなかった。
    • アニメで使用されたものとは異なり、シンプルなアコースティックアレンジになっている。稲葉曰く、「元々はこういう感じ(アコースティック)だった」とのこと。[要出典]アニメで使用されたバージョンは未音源化のままである。
  15. イタイケな太陽 (7:17)
    • 2005年辺りに制作された、本作では最も古い楽曲だが、間奏やエンディングの部分はレコーディングの最後の最後に変えていったという。稲葉自身も認める、ソロ作品の中ではかなりハツラツ系の楽曲。2010年のライブではアンコールラストナンバーとなった。[要出典]
    • 曲の終了後、長い無音の後に隠しトラックが収録され、ライブ終了後にSEとして流された。アコースティックとハンドクラップのみの伴奏という非常にシンプルかつ2コーラスのみの短い楽曲で、タイトルは不明。トラックが分かれておらず「イタイケな太陽」に含まれているため、JASRACなどへのタイトルの届出などもされていない。なお、CDのみ収録されており配信音源には収録されていない。
DVD (初回限定盤のみ)
以下の楽曲のミュージック・ビデオを収録。
  1. 遠くまで
  2. O.NO.RE
  3. Touch
  4. ファミレス午前3時
  5. AKATSUKI
  6. 静かな雨
  7. I'm on fire
  8. Wonderland
  9. 正面衝突
  10. ハズムセカイ

タイアップ

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参加ミュージシャン

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 当時B'zとしての2010年のCDリリースがなかったため、この時点では未達成だった。
  2. ^ 2代目はB'zの「Homebound」が使用された。ちなみに『NEWS23クロス』の初代タイアップ候補で「Lone Pine」も挙がっていた。

出典

[編集]
  1. ^ a b “稲葉浩志、アルバム『Hadou』は8月18日発売”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2010年7月1日). https://www.barks.jp/news/?id=1000062344 2020年1月2日閲覧。 
  2. ^ a b “B’z稲葉浩志、ソロアルバム4作連続首位”. ORICON NEWS (オリコン). (2010年8月24日). https://www.oricon.co.jp/news/79339/full/ 2020年1月2日閲覧。 
  3. ^ オリコン年間 アルバムランキング 2010年度 31〜40位”. インプレス (2010年). 2019年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月12日閲覧。
  4. ^ “稲葉浩志、ソロアルバム初回盤は過去のPV満載DVD付き”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2010年7月1日). https://natalie.mu/music/news/34108 2020年1月2日閲覧。 
  5. ^ 稲葉浩志『稲葉浩志 伝えつながる波動のように』(インタビュアー:能地祐子)、ヤフー株式会社、2010年8月17日。オリジナルの2021年11月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20120719043051/http://smash.music.yahoo.co.jp/pow_dtl/itv/powyjm00389/2021年11月8日閲覧 
  6. ^ 稲葉浩志『稲葉浩志 伝えつながる波動のように』(インタビュアー:能地祐子)、ヤフー株式会社、2010年8月17日。オリジナルの2021年11月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20120719042511/http://smash.music.yahoo.co.jp/pow_dtl/itv/powyjm00389/2/2021年11月8日閲覧 
  7. ^ “B'z稲葉浩志、ソロアルバム4作連続首位”. ORICON NEWS (オリコン). (2010年8月24日). https://www.oricon.co.jp/news/79339/full/ 2020年2月8日閲覧。 
  8. ^ a b 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories II』エムアールエム、2013年、201頁。 
  9. ^ “B'z稲葉浩志、作品提供と新曲リリースを発表!”. ORICON NEWS (オリコン株式会社). (2006年10月2日). https://www.oricon.co.jp/news/36481/full/ 2023年4月7日閲覧。