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「マジック&ウィザーズ」(M&W)とは、『遊☆戯☆王』および『[[遊☆戯☆王R]]』に登場した、架空の[[トレーディングカードゲーム]]である。実在のカードゲーム『[[マジック:ザ・ギャザリング]]』(MtG)がモチーフである。初期の『遊☆戯☆王』ではさまざまな架空のゲームが登場し、M&Wもその架空のゲームの一つであった。しかし、M&Wは原作漫画に登場した架空のゲームの中でも突出した人気となり、初期の'''様々なゲームを駆使して悪を討つ'''という設定から、'''カードゲームに秘められた古代エジプトの神秘の力を巡る戦い'''へと変遷し、中盤以降はカードゲーム専従の物語が展開するようになる。

このように、M&Wは原作漫画に登場した架空のゲームの中でも特に人気だったため、[[コナミ]]からキャラクターグッズの一環として、M&Wをモチーフにしたカードゲーム『[[遊☆戯☆王ファイブディーズ オフィシャルカードゲーム|遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ]]』(遊戯王OCG)が発売された。遊戯王OCGは単なるキャラクターグッズの枠を超えた人気となり、テレビゲームをはじめとした関連商品も数多く発売され一時代を築いた。なお、遊戯王OCGは原作漫画のM&Wをモチーフにしているものの、実際にはかなりの部分でルールが異なっている。

原作漫画の派生作品である『[[遊☆戯☆王デュエルモンスターズ]]』や『[[遊☆戯☆王ファイブディーズ]]』などではM&Wは登場せず、その代わりに『[[デュエルモンスターズ]]』と呼ばれる遊戯王OCGに酷似したカードゲームが登場する。
なお、M&Wを元にしたカードゲームはコナミのものが有名だが、[[バンダイ]]からもカードダスとして販売されていたことがある(ルールが違うため、コナミのカードとバンダイのカードには互換性は無い)。


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2009年6月25日 (木) 09:29時点における版

遊☆戯☆王
漫画
作者 高橋和希
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
発表期間 1996年 - 2004年
巻数 単行本 全38巻+ガイドブック1巻
文庫版 全22巻
話数 全343話
その他 遊☆戯☆王 (アニメ第1作)
遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX
遊☆戯☆王5D's
遊☆戯☆王R
遊☆戯☆王GXも参照
テンプレート - ノート

遊☆戯☆王』(ゆうぎおう)は、高橋和希による日本少年漫画及び、それを原作としたテレビアニメ作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)にて1996年から2004年まで連載された。単行本は全38巻、文庫版全22巻。英語表記は「Yu-Gi-Oh!」。

作品解説

作品のテーマは「友情」「」「」、そして「自立」である(文庫版のあとがきにて)。特に友情は主人公の名前の由来となっており、遊戯と城之内の頭文字を取ると字こそ違うが友情である。アメリカでのアニメ化の際、ほとんどのキャラが全く違うアメリカ風の名前に変更されたのに対し、遊戯と城之内は作者の意向によりもじられた程度の変更に収まった。「友情」はあらゆる困難や闘いを友と共に乗り越える事で描かれ、「」は多くが闇に伴って描かれ、「」は作品のストーリーの中で芽生えていく様々な友情の発展や、死や悲劇と共に描かれる。そして、作品が進んでいくにつれ武藤遊戯を初めとした登場人物が大きく成長し、最終的に2人の主人公(遊戯と闇遊戯)の最後が、「自立」を表現している。

作品初期はひ弱な少年の主人公武藤遊戯が、闇のアイテム「千年パズル」を入手した事を契機に、古代エジプトのファラオの魂が宿った別人格であるもう1人の遊戯が表れ始め、闇の番人となって悪辣な不良犯罪者イカサマを使うテレビマンや悪徳名士などといった悪人を次々と過激なゲームで叩きのめし、最後には罰ゲームを加えるという『魔太郎がくる!!』に通ずるものであった。しかし、シャーディー編に突入してから作品の人気は低迷。打ち切りという選択肢もささやかれていた。そこで、架空のカードゲーム「マジック&ウィザーズ」の回が人気だったことから、劇中に「マジック&ウィザーズ」を再度登場させることで人気の回復を狙った。この戦略は成功し人気は回復、以降は「マジック&ウィザーズ」を中心とした話にシフトしていくことになった。(詳細は#マジック&ウィザーズを参照)

1998年にはテレビ朝日系で東映アニメーション制作による『遊☆戯☆王』、2000年にはテレビ東京系でASATSU-DK系列のNAS制作による『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』、2004年には同じくテレビ東京系でNAS製作による『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』、2008年には同じくテレビ東京系でNAS製作による『遊☆戯☆王5D's』と4度にわたりアニメ化されている。テレビ朝日版とテレビ東京版はそれぞれ初代/リメイクの関係になるが、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』と『遊☆戯☆王5D's』については主人公や設定が一新されている。

1999年には劇場版『遊☆戯☆王』が公開された。また、2004年には全米公開用に制作されたオリジナル長編映画『Yu-Gi-Oh! The Movie』(邦題:『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ劇場版「光のピラミッド」』)が全米2411館で公開され、週末興行成績で初登場4位となった(日本映画の全米トップ5入りは、『ポケモン』以来)。なお、日本では英語表記部分等を日本語に変更した改訂版が制作されたが、ロードショー公開はされず、関係者と招待客向けに限定上映され、その後、2005年にTV放送された。興行収入は1976万ドルに達し、2004年の全米公開作の中で108位。日本の劇場用アニメ映画では歴代3位の興行成績である。

週刊少年ジャンプ』での連載終了後、月刊誌『Vジャンプ』にて、原案・監修:高橋和希として『遊☆戯☆王R』(2004年 - 2007年)および『遊☆戯☆王GX』(2006年 - )を連載。

コミックス及び関連書籍の日本国内での累計発行部数は2008年時点で3600万部を突破している。

マジック&ウィザーズ

マジック・アンド・ウィザーズに分割


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


物語

原作者は各編別けを学園編、DEATH-T編、RPG編、決闘者の王国編、D・D・D編、バトルシティ編、王の記憶編の全7章としている。

学園編

いじめられっ子のひ弱な少年で、ゲーム好きの「武藤遊戯」は祖父「武藤双六」から貰った「千年パズル」と呼ばれる誰も解いたことのない古代エジプトの秘宝を八年も組み立て続け、様々な困難に遭いながらも、遂にパズルを解く事に成功した。その瞬間、彼は大胆不敵なもう一つの人格、そしてゲームの天才としての技量を身につけ、「闇遊戯」として世の中にはびこる悪に闇のゲームを仕掛け、敗北すれば恐ろしい罰ゲームを下して成敗してゆく闇の番人となる。

ある日、カードの貴公子の異名を持つ高校生「海馬瀬人」と出会った遊戯は、双六の大切なカード「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)」を彼に盗まれる。遊戯の心を傷つけた海馬を倒す為、闇遊戯はカードゲーム「マジック&ウィザーズ」で彼に勝負を挑む。

その後、遊戯はエジプトから訪れた謎の青年「シャーディー」との出会いを経て、千年パズルに秘められた謎に足を踏み入れてゆく事となる。

なお、この編は、DEATH-T編を挟んで大きく2つの編に分かれている。

DEATH-T編

かつて闇遊戯にデュエルで敗北した海馬瀬人は、遊戯に対する逆恨みから、「DEATH-T(死のテーマパーク)」という復讐計画を遂行する。自身の会社「海馬コーポレーション」の財力を用いて、テーマパーク「海馬ランド」を建設していた海馬は、そこに設置された死のアトラクション「DEATH-T」に遊戯達を招き入れる。海馬は事前に拉致していた武藤双六にデュエルボックスでデュエルを挑み、自身が体験した罰ゲームの擬似体験を老体の双六に冷徹にも下し、彼の大切なカード「青眼の白龍」を破り捨てる。そして海馬は、残忍非道なアトラクション内で様々な刺客を遊戯達に差し向け、彼らの命を狙う。果たして遊戯達は「DEATH-T」を攻略する事が出来るのか……。

RPG編

不思議な雰囲気を持つ転校生「獏良了(ばくら りょう)」は、千年アイテムの1つ「千年リング」の所有者であった。彼は転校を繰り返し、自ら友達を作ろうとしない孤独な少年であった。そんな彼が所有する千年リングは遊戯の千年パズルと同様、もう一つの人格を宿していた。しかし、その人格は凶悪そのものであり、獏良の友人を次々と襲う等、獏良が転校を繰り返す原因となっていた。何も知らない遊戯達は、獏良を心配して彼の自宅を訪れる。獏良はかつての二の舞にならぬ様に彼らを拒絶するが、もう一つの人格「バクラ」によって肉体を乗っ取られてしまう。バクラは遊戯達を上手く欺き、彼らとTRPG「モンスターワールド」を開始する。しかし、徐々にそれが命をも落としかねない闇のゲームであった事が明らかとなってゆく。ゲームの内容は、ライフが尽きる、或いはバクラに逆らえばプレイヤーの魂がゲームの「コマ」に永遠に封印されるというものだった。遊戯達は困惑する中、モンスターワールドにおいて絶対的支配者・ゲームマスターに君臨するバクラに命がけの勝負を挑む。

決闘者の王国編

マジック&ウィザーズ全国大会決勝戦の日、テレビ観戦する遊戯のもとにマジック&ウィザーズの創造者「ペガサス・J・クロフォード」から1通のビデオレターが届く。そのビデオレターに映ったペガサスは、遊戯にビデオの中でデュエルを挑むと宣言する。困惑する一同だったが、遊戯はTVの前でペガサスとデュエルを開始。1ターン目のやりとりで闇のゲームである事に気付くと闇遊戯が戦いに出る。が、ビデオテープの時間切れによって敗北。ペガサスは罰ゲームとして、祖父の武藤双六の魂をビデオテープへと封印。双六を助ける条件として「決闘者の王国(デュエリストキングダム)」への参加を要求してきた。そして最後にペガサスは、自分が千年アイテムの1つ「千年眼(ミレニアム・アイ)」の所有者である事を告げる。遊戯は双六を救う為、「決闘者の王国(デュエリストキングダム)」への参加を決意する。同時に、親友の城之内克也は妹の静香から送られたビデオテープを見て、彼女は先天性の病気でいずれ失明してしまうと知る。最先端の医療技術を受けさせて静香の目を治すと決めた城之内もまた、賞金を勝ち取るために王国に参加する。そして遂に始まりを告げた「決闘者の王国」。国内各地から訪れた名だたるデュエリスト、ペガサスが送り込んだ刺客「プレイヤーキラー」、元全米チャンピオン「バンデット・キース」。様々な思いが交錯する中、果たして遊戯達はそれぞれの目標を果たせるのか。一方、「DEATH-T」で闇遊戯の罰ゲームを受けて意識不明に陥っていた海馬瀬人も意識を取り戻し、ペガサスに拉致されている弟のモクバを救うため、ペガサスの下へと訪れる……。

王国編のデュエルは、上級モンスターカードを召喚するのにリリースが不要、ライフポイント2000、ダイレクト・アタック不可といった、バトルシティ編以降のデュエルのルールとは違う初期のルールだった。また、デュエルに使用されたソリッドビジョンのシステムはテーブル型であった。

D・D・D編

遊戯の住むドミノ町に最新ゲーム店ブラック・クラウンがオープンした。店オリジナルの新作ゲームD・D・D(ドラゴン・ダイス・ダンジョンズ)を買うためにブラッククラウンに行った遊戯は、店主のMr.クラウンの罠にはまり、千年パズルを奪われてしまう。遊戯の祖父、双六に強い恨みを持つMr.クラウンは、その恨みを晴らすめ、遊戯にD・D・Dを創りだした息子の御伽龍児と対戦させる。千年パズルを失った遊戯にはたして勝ち目はあるのか…。

バトルシティ編

ある夜、童実野美術館に呼び出された海馬瀬人が出会ったのは、エジプト政府要人・エジプト考古局長官の「イシズ・イシュタール」。彼女は海馬に「3枚の神のカード」にまつわる話を聞かせ、その神のカードの1枚である「オベリスクの巨神兵」を託す。そして、レアカード強奪集団「グールズ」に奪われた残り2枚の神のカードの奪還を依頼する。神のカードを集める為、海馬瀬人はアンティルールを適用したデュエル大会「バトルシティ」の開催を宣言する。時同じくして、童実野美術館を訪れた闇遊戯は、1枚の大きな石版を目の当たりにする。そこに描かれていたのはまさしく闇遊戯自身であった。自分の失われた記憶を取り戻す鍵となる「神のカード」を手に入れるため、闇遊戯はバトル・シティに出場する。一方、グールズ側も彼らの動きに反応するかの如く、不審な動きを見せ始める。首領「マリク・イシュタール」は、神のカードの内の「オシリスの天空竜」「ラーの翼神竜」と、千年アイテム「千年ロッド」の所有者であった。バトル・シティ開催前夜、城之内が「レア・ハンター」に襲撃されて「真紅眼の黒竜」を強奪される。グールズの狙いは海馬の持つ「オベリスクの巨神兵」とその他のレアカード、そして遊戯の命。闇遊戯との決勝を誓う城之内。神のカードの入手を狙う海馬、そして遊戯。やがて闇バクラも参戦し、千年アイテムも勢揃いする。果たして神のカードを3枚揃え、激動の大会を制するのは誰なのか…。

王(ファラオ)の記憶編

神のカードが遂に揃う。

遊戯が、バトルシティ大会で手に入れた3枚の神のカードを童実野美術館の石版の前にかざした瞬間、闇遊戯は古代エジプトの王宮の王座に身を置いていた。闇遊戯は千年アイテムを身に付けた側近や六神官からファラオと呼ばれるが、自身の真の名は分からずじまいであった。神官達は互いに魔物や精霊を召喚し、ディアハと呼ばれる戦闘を行っていた。まさしくその姿は、現代におけるマジック&ウィザーズそのものであった。そしてその頃、沢山の金銀財宝を抱えて「盗賊王バクラ」と名乗る一人の男が王宮に乱入。残虐・殺戮を繰り返すバクラを倒すため、闇遊戯はバクラに戦いを挑む。一方、遊戯達は闇遊戯の本当の名を明らかにするために闇遊戯(ファラオ)の記憶の世界へ入り込み、やがて王の真の名が封印されている王家の谷へと向かう。しかし、その奥にはバクラが立ちはだかり、遊戯にマジック&ウィザーズを挑む。両者の戦いが激化してゆく中、果たしてファラオは自身の名を知る事ができるのか……。

原作初期で獏良が初登場したモンスターワールド編を布石とした本編のクライマックス。物語上の様々な謎や伏線はほぼこの章で明らかとなる。

闘いの儀

古代エジプト第18王朝ファラオ、名は「アテム」。

全ての記憶を取り戻したファラオこと闇遊戯。1ヵ月後、一行はイシュタール家の誘いでエジプトを訪れる。マリクとイシズは言う。誰かがアテムと「闘いの儀」つまりデュエルを行い、魂を安らかに眠らせる必要が有る、と。即ちそれは、アテムが冥界へ旅立つ為の別れの戦いである。誰かがアテムに勝てば彼は冥界へ旅立つことができ、負ければ彼は現世に残るしかない。その戦いは、遊戯が自らの意思で受ける事となった。ルクソールの王家の神殿で始まった、遊戯とアテムの最後のデュエル。お互い一歩も引かず、ファラオの魂の為、そしてそれ以前にデュエリストとしての真剣勝負が繰り広げられる。その戦いは、物語のフィナーレを飾るに相応しい感動のデュエルとなった。はたして勝つのはアテムか、それとも遊戯か…!?

闘いの儀は展開が省略されることなく描かれたデュエルの中では、最初の遊戯対海馬の次に短いデュエルとなっている。これは作者が連載終盤に吐血するなどの体調不良に見舞われたため、予定より連載終了時期を早めたためである。アニメでは原作をもとに大幅な肉付けがなされ、なかなかの長期戦になっている。

登場人物

登場人物については遊☆戯☆王の登場人物を参照。

千年アイテム

本作において重要なカギを握るアイテム。1つ1つ異なる不思議な力を持つ。全ての千年アイテムは黄金で出来ており、千年錠を除く全てにウジャト眼の紋章が付けられている。所持者は、闇のゲームを仕掛け敗者に様々な罰ゲームを与えることができる[1]。しかし誰でも使いこなせるわけではなく、千年アイテムはそれ自体が所持しようとする者の魂を試し、所有するに値しない者と判断された場合は魂を焼かれる。

シャーディーは、「王墓をあばき財宝を盗み出す罪人を裁くために生み出されたもの…『ペル・エム・フルの書』にそう記されている」と語ったが、実際には古代のファラオ、アクナムカノン王が戦争において敵襲から国を守るために作り出したものである(ただし、後に罪人を裁くためにも使われるようになったので、全くの誤りではない)。古代に於いては「千年宝物」と表記され、人間の心に宿る魔物や精霊を呼び出し、操るための力として使われた。

数千年前、隣国の大軍隊により国が滅亡の危機に扮すると時の神官アクナディンが、王・アクナムカナンにも秘密裏に盗賊の村、クル・エルナ村の住民を冥府への生贄として黄金と一緒に溶かして製作したアイテムで、本来石版へ封じた人間の「闇」を冥府との契約により実体化するための触媒でもあった。

かつては一箇所にまとめられていたが、現在ではさまざまな経緯を経て世界中に散っている。しかし、千年アイテムはそれぞれがパズルのパーツのようなもので、時が来れば互いに引き合い『王の記憶の石版』に集まるとされている。

作中に登場するのは7つであるが、カードゲーム等の他の媒体では例外が存在する。

千年錐(せんねんパズル、せんねんすい)
初出:学園編
所有者
現代:武藤遊戯/王の記憶編:アテム(古代エジプト第18王朝ファラオ)
誰も解いたことのないパズル。多くのピースを組み合わせるタイプのパズルで、完成すると四角錐を逆さにした形になる。本作の主人公である武藤遊戯がこのパズルを解き完成させたことから全ての物語は始まる。この千年パズルが収納されている箱には「我を束ねし者、闇の知恵と力を与えん」という言葉が刻まれている。
内部にはかつて古代エジプトで起きた戦いの末相討ちとなった古代のファラオ(アテム)の魂と闇の大神官の魂が封じ込められている。封じ込められた魂の記憶を映し出す投影機としての能力を備えており、古代編の物語は千年パズルがバクラの闇RPG(ダーク・ロールプレイング・ゲーム)のフィールドに投影したもの[2]
千年秤(せんねんばかり)
初出:学園編
所有者
現代:シャーディー/王の記憶編:神官カリム
裁かれし者の目の前にかざす事で、罪の重さを量る。秤が傾きの有無や大きさで対象の邪念の大きさを計ることが出来る。初期の学園編でシャーディーがこれを用い、童実野美術館館長の金倉を裁いている。
古代においては罪人を裁くための他、2体以上の魔物を融合させるための力としても使われた。
千年錠(せんねんじょう)
初出:学園編
所持者
現代:シャーディー/王の記憶編:神官シャダ
人の心の部屋を覗き、また中に入りこむ力を持つ。心の部屋を見ることによってその者の全てが分かる。また心の部屋を模様替えし人を操ることもできる。操られた者は、千年錠に触れることによって開放される。千年錫杖、千年眼を併せ持ったような能力を持つが、こちらは前述の通り相手の心の中に1度入り込まないといけない。原作初期の学園編でシャーディーはこれを使用し、遊戯、杏子、吉森教授などの心の部屋に入り込んでいる。
古代においては、人の心に魔物が宿っているかを見極めるために使われていた。
千年輪(せんねんリング)
初出:学園編
所有者
現代:獏良了/王の記憶編:神官マハード
形ある物に、人間の心や念を封じ込める能力を持つ。また、輪に付いた指針によって方位磁針のように邪念を感知する能力を持つ(現代では他の千年アイテムの感知能力として使われた)。
内部にはかつて古代エジプトで起きた戦いの際に、闇の大神官の片割れ・魂の一部である「バクラ」の魂が封じられており、たびたび宿主の獏良了は人格を乗っ取られる。その際には、千年輪の指針が胸に食い込むなど痛々しい場面が見られる。 宿る意思が邪悪かつ活動的であるため、作中で頻繁に所有者の獏良了から他人の手に渡っている。
古代では、その邪念感知の力が王墓の防衛のために使われていた。
千年眼(せんねんがん、ミレニアムアイ)
初出:決闘者の王国編
所有者
現代:ペガサス・J・クロフォード/王の記憶編:神官アクナディン
人の思考や心の内を読み取る能力を持つ。所有者のペガサスはこの力を「マインド・スキャン」と呼んでおり、デュエルにおいてはほぼ無敵の力を発揮できる。また、初期においてはサブリミナル効果によって対戦相手の使用カードを思いのままに操り、戦術を完全に操作してしまう催眠的な力を発揮しており、闇遊戯はこの力を「魔力」と形容した。
所有者となるには自身の眼球を抉り出しその場所に千年眼を埋め込まなければならず、適合者であってもかなりの苦痛を要するが、所有に成功した場合、願い事を1つだけ叶えるという。
古代では、罪人の魔物を暴き出し、抽出して実体化させるために使われた。
千年首飾り(せんねんタウク)
初出:バトルシティ編
所有者
現代:イシズ・イシュタール/王の記憶編:神官アイシス
近未来及び過去を映像として視る(視せる)能力を持つ。視た未来は断片的にしか見ることが出来ない代わりに絶対の物であったが、バトルシップでの海馬瀬人とのデュエル後、予知した未来が覆されたことで未来を予知する力が失われた。しかし、マリクとのデュエルで瀕死の状態に陥った城之内の姿に、闘う意思を無くしてしまった遊戯に、一時的に力を取り戻し、希望を与える光景(未来)を視せている。また、アニメ版ではイシズはこの能力を用いて海馬に古代エジプト(過去)の映像を視せている。
千年錫杖(せんねんロッド、ミレニアム・ロッド、せんねんしゃくじょう)
初出:バトルシティ編
所有者
現代:マリク・イシュタール/王の記憶編:神官セト
人の心に自分の意思を植え付け、記憶を支配して精神と肉体を操る能力を持つ。が、洗脳するには杖で対象に触れる必要がある。杖の部分のカバーを外すと鋭い刃物のようになっており、千年アイテムの中で唯一純粋な武器として使用する事も可能。また、他者と心を通じて完全な意思疎通を図る事も可であり、リシドとは心を通じて会話を可能にしていた。ちなみに、演出ではあるが眼の刻印から光線が発射された事がある。これは千年眼も同様。
なお、現代での所持者であるマリクは武藤遊戯、獏良了同様に闇の人格を有するが、他の2人と違いマリクの闇人格は幼少期の過酷な経験から生み出された二重人格であり、千年錫杖に宿った物ではない。千年錫杖には所有者に古代神官文字の解読を可能とさせる啓示を与えるが、マリクの主人格には真の啓示は与えられていなかった。
古代では、人の心から実体化した魔物を封印の石版に封じ込めるために使われていた。
その他
千年魔術書(せんねんまじゅつしょ)
7つの秘宝(千年アイテム)の精製法である、99人の人間を生贄に卑金属を神秘の力を持った黄金の宝物に変える「闇の錬金術」の記された禁断の魔術書。
内容の呪文は百年以上解読されていなかったが若き日のアクナディンにより解読され、千年アイテムが生み出された。
千年の盾(せんねんのたて)
カードゲームの『デュエルモンスターズ』にて登場した千年アイテム。
テキストでは千年アイテムのひとつと明言されていたが、その後テキストからは千年アイテムという単語は削除され、「古代エジプト王家より伝わるといわれている伝説の盾」に変更された。
千年原人(せんねんげんじん)
カードゲームの『デュエルモンスターズ』にて登場した千年アイテムを所持する原人。
しかしながらイラストに描かれている千年アイテムは、など作中には登場しないオリジナルのものとなっている。

カードゲーム以外のゲーム

何かにつけてカードゲームのみに注目が行ってしまう『遊☆戯☆王』だが、劇中にはその他のオリジナルゲームが数多く登場している。これらはコナミ等のメーカーから実際に商品化されたが、カードゲームほど人気を得ることは出来なかった。

モンスターファイト
取っ手の付いたモンスターの人形を、対戦相手の人形と連結して戦うゲーム。
カプセルモンスターチェス
チェスに似たゲーム。コマにカバーが付いていて、対戦するまで中のモンスターが解らないというもの。コナミから劇中に登場したものを再現したゲーム盤とコマが発売されたほか、後にPSGBCPS2コンピュータゲーム版も発売された。
DDD(ドラゴン・ダイス・ダンジョンズ)
中にモンスターが収められた、開閉して展開する特殊なサイコロを使用して進める、ボードゲームTRPGの掛け合わせのようなゲーム。コナミから『ダンジョンダイスモンスターズ』として、劇中に登場したものにアレンジを加えて商品化したもの(ゲームボードとコマ、ダイスのセットキット)が発売されたほか、後にGBAコンピュータゲーム版も発売された。製品版のモンスターは、ほとんどがカードゲームのモンスターの流用である。逆にこのDDDに登場した「速攻の黒い忍者」がOCG化され、「ゴッドオーガス」もアニメに登場した。言うまでも無く「D&D(ダンジョンアンドドラゴンズ)」を意識して作られたが、作者のアレンジの拙さや、テーマ自体が少年誌向けで無かったため、あっさりと終息した。

テレビアニメ

これまで4作品が制作されている。

  1. 遊☆戯☆王 - 1998年4月4日から10月10日東映アニメーションが制作、福井放送を除くテレビ朝日系で放映。全27話。
  2. 遊☆戯☆王デュエルモンスターズ - 2000年4月18日から2004年9月29日にテレビ東京系で放映。全224話。
  3. 遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX - 2004年10月6日から2008年3月26日にテレビ東京系で放映。『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の世界観を継承した新シリーズ。全180話。
  4. 遊☆戯☆王5D's - 2008年4月2日から放映開始。『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の数十年後の設定。

海外作品

  1. 遊☆戯☆王カプセルモンスターズ/Yu-Gi-Oh! Capsule Monsters - 2006年にアメリカの4キッズエンタテインメントが制作したミニシリーズ。全12話。日本での放映は未定。詳細は英語版を参照。

映画

脚注

  1. ^ 千年アイテムによらない闇のゲームも数回存在する。
  2. ^ ゆえに史実とは異なる。実際に作中で事実として語られる内容と大きくずれがある。このため極端な話現代パートで確認できるセト、マハード、アクナディン以外の神官が本当に以下で述べる名だったのかすら不明。

補足

  • ボボボーボ・ボーボボ』では、 コラボ企画としてボーボボのアフロの中から作者が描いた闇遊戯やオシリスの天空竜が登場したり、『遊☆戯☆王』内に「ぬのハンカチ」が登場した。
  • 16ブロック』では、劇中で登場人物が「“遊戯王”って知ってる?今流行ってるんだぞ」というシーンがある。

外部リンク