「マリオン (カメラ)」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
Prism11 VYB05736 (会話 | 投稿記録) m リンク修正 |
Prism11 VYB05736 (会話 | 投稿記録) 情報追加、出典 |
||
| 1行目: | 1行目: | ||
'''マリオン'''（''Marion & co.'' ）はイギリスの[[ロンドン]]、[[ソーホー (ロンドン)|ソーホー]]にかつて存在したカメラメーカーである。後にエペムに合併し、さらに発売元がソホに移され、[[第二次世界大戦]]中にカーショウとなり、戦後歴史を閉じた<ref |
'''マリオン'''（''Marion & co.'' ）はイギリスの[[ロンドン]]、[[ソーホー (ロンドン)|ソーホー]]にかつて存在したカメラメーカーである<ref name="clacamesenka1-145">『クラシックカメラ専科』p.145。</ref>。後にエペムに合併<ref name="clacamesenka1-49">『クラシックカメラ専科』p.49。</ref><ref name="clacamesenka1-145" />し、さらに発売元がソホに移され<ref name="clacamesenka1-145" />、[[第二次世界大戦]]中にカーショウとなり<ref name="clacamesenka1-145" />、戦後歴史を閉じた<ref name="clacamesenka1-145" />。 |
||
[[1892年]]世界最初の[[露出計]]となる[[計算尺式露出計]]を発売したことでも知られる。 |
[[1892年]]世界最初の[[露出計]]となる[[計算尺式露出計]]「アクチノグラフ」を発売したことでも知られる<ref>『クラシックカメラ専科No.3、戦後国産カメラの歩み』p.147。</ref>。 |
||
== 製品一覧 == |
== 製品一覧 == |
||
*'''アカデミーカメラ'''（1882年頃<ref name="clacamesenka1-140">『クラシックカメラ専科』p.140。</ref>） - 当初は単なる二眼カメラであったが後にドリフィールドの指導で[[二眼レフカメラ]]に発展した。レンズは[[ジョセフ・マキシミリアン・ペッツヴァール|ペッツヴァール]]タイプ<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
*'''アカデミーカメラ'''（1882年頃<ref name="clacamesenka1-140">『クラシックカメラ専科』p.140。</ref>） - 当初は単なる二眼カメラであったが後にドリフィールドの指導で[[二眼レフカメラ]]に発展した。レンズは[[ジョセフ・マキシミリアン・ペッツヴァール|ペッツヴァール]]タイプ<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
||
**'''アカデミー1号''' - 3×3cm判写真乾板12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
**'''アカデミー1号''' - 3×3cm判[[写真乾板]]12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
||
**'''アカデミー2号''' - 5×5cm判写真乾板12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
**'''アカデミー2号''' - 5×5cm判写真乾板12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
||
**'''アカデミー3号''' - 8.25×8.25cm判写真乾板12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
**'''アカデミー3号''' - 8.25×8.25cm判写真乾板12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
||
**'''アカデミー4号''' - 8.25×10.8cm判写真乾板12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
**'''アカデミー4号''' - 8.25×10.8cm判写真乾板12枚詰め<ref name="clacamesenka1-140" />。 |
||
*'''ソホ・レフレックス'''（1904年発売<ref name="clacamesenka2-100">『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.100。</ref>） - ミラーが後退しつつ上がることで初めて画面対角線と同じ焦点距離のレンズを備え、この時期多数発売された木製大型[[一眼レフカメラ]]中でも一流の仕上げであった<ref>『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』p.80。</ref>ことから最も成功した機種の一つ<ref name="clacamesenka2-100" />。カーショウ製<ref name="clacamesenka2-100" />フォーカルプレーンシャッターでT、B、1/16秒-1/800秒<ref name="clacamesenka1-144">『クラシックカメラ専科』p.144。</ref><ref name="clacamesenka2-100" />。セルフキャッピングはないので、シャッターセットはミラーをセットしてから行う<ref name="clacamesenka2-100" />。フォーマットはアトム（4.5×6cm）判<ref name="clacamesenka2-100" />から4×5in判まであるが手札（8×10.5cm）判が一般的である<ref>『クラシックカメラ専科』p.191。</ref><ref name="clacamesenka2-100" />。レボルビングバックを備えるものがあり、360度回転できるが引き蓋が右または上に来るのが正常な位置<ref name="clacamesenka2-100" />。ピント合わせは[[ラック・アンド・ピニオン]]式<ref>『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.14。</ref>。レンズのライズ、シフトが可能で、[[ラック・アンド・ピニオン]]式ではなく手送り式<ref name="clacamesenka1-144" />。凹ボードのようにレンズが埋め込まれる形で装着してあるため、絞りは2本のピンにより操作する<ref>『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.18。</ref>。 |
*'''ミニチュアカメラ'''（1884年発売<ref name="clacamesenka1-172">『クラシックカメラ専科』p.172。</ref>） - 全金属製としては古いカメラで4.4×4.4cm判写真乾板を使用する小型カメラ<ref name="clacamesenka1-172" />。ピント合わせは[[ラック・アンド・ピニオン]]で外箱を前後させる方式<ref name="clacamesenka1-172" />。シャッターはギロチン式<ref name="clacamesenka1-172" />。シャッター板を引き上げるとレンズがカバーされ、板の孔を通してファインダーが覗けるようになる<ref name="clacamesenka1-172" />。 |
||
*'''ソホ・レフレックス'''（1904年発売<ref name="clacamesenka2-100">『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.100。</ref>） - ミラーが後退しつつ上がることで初めて画面対角線と同じ焦点距離のレンズを備え、この時期多数発売された木製大型[[一眼レフカメラ]]中でも一流の仕上げであった<ref>『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』p.80。</ref>ことから最も成功した機種の一つ<ref name="clacamesenka2-100" />が、実際に現在の定評を受けるような仕上げになったのは1925年以降であり、それ以前の製品には特徴はない<ref name="clacamesenka1-49" />。カーショウ製<ref name="clacamesenka2-100" />フォーカルプレーンシャッターでT、B、1/16秒-1/800秒<ref name="clacamesenka1-144">『クラシックカメラ専科』p.144。</ref><ref name="clacamesenka2-100" />。セルフキャッピングはないので、シャッターセットはミラーをセットしてから行う<ref name="clacamesenka2-100" />。フォーマットはアトム（4.5×6cm）判<ref name="clacamesenka2-100" />から4×5in判まであるが手札（8×10.5cm）判が一般的である<ref>『クラシックカメラ専科』p.191。</ref><ref name="clacamesenka2-100" />。レボルビングバックを備えるものがあり、360度回転できるが引き蓋が右または上に来るのが正常な位置<ref name="clacamesenka2-100" />。ピント合わせは[[ラック・アンド・ピニオン]]式<ref>『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.14。</ref>。レンズのライズ、シフトが可能で、[[ラック・アンド・ピニオン]]式ではなく手送り式<ref name="clacamesenka1-144" />。凹ボードのようにレンズが埋め込まれる形で装着してあるため、絞りは2本のピンにより操作する<ref>『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.18。</ref>。 |
|||
**'''トロピカル・ソホ・レフレックス''' - '''ソホ・レフレックス'''を[[マホガニー]]製ボディー、[[真鍮]]金色仕上げした[[トロピカル (カメラ)|トロピカル]]型<ref name="clacamesenka1-144" />。カーショウ製フォーカルプレーンシャッターでT、B、1/18秒-1/700秒<ref name="clacamesenka1-144" />。 |
**'''トロピカル・ソホ・レフレックス''' - '''ソホ・レフレックス'''を[[マホガニー]]製ボディー、[[真鍮]]金色仕上げした[[トロピカル (カメラ)|トロピカル]]型<ref name="clacamesenka1-49" /><ref name="clacamesenka1-144" />。カーショウ製フォーカルプレーンシャッターでT、B、1/18秒-1/700秒<ref name="clacamesenka1-144" />。 |
||
== 出典 == |
== 出典 == |
||
| 18行目: | 19行目: | ||
*『クラシックカメラ専科』朝日ソノラマ |
*『クラシックカメラ専科』朝日ソノラマ |
||
*『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』朝日ソノラマ |
*『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』朝日ソノラマ |
||
* |
*『クラシックカメラ専科No.3、戦後国産カメラの歩み』朝日ソノラマ |
||
*[[鈴木八郎]]『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』朝日ソノラマ |
|||
{{デフォルトソート:まりおん}} |
{{デフォルトソート:まりおん}} |
||
2013年8月14日 (水) 08:05時点における最新版
マリオン（Marion & co. ）はイギリスのロンドン、ソーホーにかつて存在したカメラメーカーである[1]。後にエペムに合併[2][1]し、さらに発売元がソホに移され[1]、第二次世界大戦中にカーショウとなり[1]、戦後歴史を閉じた[1]。
1892年世界最初の露出計となる計算尺式露出計「アクチノグラフ」を発売したことでも知られる[3]。
製品一覧
[編集]- アカデミーカメラ（1882年頃[4]） - 当初は単なる二眼カメラであったが後にドリフィールドの指導で二眼レフカメラに発展した。レンズはペッツヴァールタイプ[4]。
- ミニチュアカメラ（1884年発売[5]） - 全金属製としては古いカメラで4.4×4.4cm判写真乾板を使用する小型カメラ[5]。ピント合わせはラック・アンド・ピニオンで外箱を前後させる方式[5]。シャッターはギロチン式[5]。シャッター板を引き上げるとレンズがカバーされ、板の孔を通してファインダーが覗けるようになる[5]。
- ソホ・レフレックス（1904年発売[6]） - ミラーが後退しつつ上がることで初めて画面対角線と同じ焦点距離のレンズを備え、この時期多数発売された木製大型一眼レフカメラ中でも一流の仕上げであった[7]ことから最も成功した機種の一つ[6]が、実際に現在の定評を受けるような仕上げになったのは1925年以降であり、それ以前の製品には特徴はない[2]。カーショウ製[6]フォーカルプレーンシャッターでT、B、1/16秒-1/800秒[8][6]。セルフキャッピングはないので、シャッターセットはミラーをセットしてから行う[6]。フォーマットはアトム（4.5×6cm）判[6]から4×5in判まであるが手札（8×10.5cm）判が一般的である[9][6]。レボルビングバックを備えるものがあり、360度回転できるが引き蓋が右または上に来るのが正常な位置[6]。ピント合わせはラック・アンド・ピニオン式[10]。レンズのライズ、シフトが可能で、ラック・アンド・ピニオン式ではなく手送り式[8]。凹ボードのようにレンズが埋め込まれる形で装着してあるため、絞りは2本のピンにより操作する[11]。
出典
[編集]- ^ a b c d e 『クラシックカメラ専科』p.145。
- ^ a b c 『クラシックカメラ専科』p.49。
- ^ 『クラシックカメラ専科No.3、戦後国産カメラの歩み』p.147。
- ^ a b c d e f 『クラシックカメラ専科』p.140。
- ^ a b c d e 『クラシックカメラ専科』p.172。
- ^ a b c d e f g h 『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.100。
- ^ 『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』p.80。
- ^ a b c d 『クラシックカメラ専科』p.144。
- ^ 『クラシックカメラ専科』p.191。
- ^ 『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.14。
- ^ 『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.18。
参考文献
[編集]- 『クラシックカメラ専科』朝日ソノラマ
- 『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』朝日ソノラマ
- 『クラシックカメラ専科No.3、戦後国産カメラの歩み』朝日ソノラマ
- 鈴木八郎『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』朝日ソノラマ