「サールナート」の版間の差分
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Jan Johane Pieter (会話 | 投稿記録) m編集の要約なし |
Doomreaper (会話 | 投稿記録) 「仙人堕処」は原語のリシパタナに対して表音的でないのに音意訳とは?(中村元「生きているサンスクリット」18頁によればたんなる誤訳)。 |
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'''サールナート'''([[ヒンディー]]:सारनाथ,Sārnāth、[[英語]]:Sarnath)は、[[インド]]の[[ウッタル・プラデーシュ州]]にある地名。[[ヴァーラーナシー]](ベナレス)の北方約10kmに位置する。[[仏教]]の[[四大聖地]]のひとつ。 |
'''サールナート'''([[ヒンディー]]:सारनाथ,Sārnāth、[[英語]]:Sarnath)は、[[インド]]の[[ウッタル・プラデーシュ州]]にある地名。[[ヴァーラーナシー]](ベナレス)の北方約10kmに位置する。[[仏教]]の[[四大聖地]]のひとつ。 |
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現サールナートは、[[釈迦]]が[[悟り]]を開いた後、鹿が多く住む林(旧訳「施鹿林」、新訳「鹿野苑」)の中で初めて教えを説いた[[初転法輪]]の故地とされる。鹿野苑(ろくやおん、{{lang-sa-short|mṛgadāva}})はリシパタナとも呼ばれる<ref>『岩波 仏教辞典 第2版』 岩波書店、2002年、「鹿野苑」の項。</ref>。リシパタナ({{lang-sa-short|ṛṣi-patana}})とは「[[リシ|聖仙]]の集まるところ」の意で、『解深密経』などでは「仙人堕処」(仙人の落ちる所)と誤訳され、『雑阿含経』などでは「仙人住処」(仙人の住む所)と訳されている<ref>植木雅俊 『仏教、本当の教え』 中央新書、2011年、117-118頁。</ref>。 |
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旧訳の「仙人堕処」は宗教的意義に配慮した音意訳で布教向きではなく、新訳の「仙人住処」も誤まって捉えられるため、布教に際しては単に「鹿野苑」とだけ呼ばれた。このため、早くからサールナート=[[鹿野苑]](ろくやおん)と誤解されている。 |
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鹿野苑だったとされる場所は現在はインド政府によって整理され遺跡公園になっている。その周辺からは「サールナート仏」と呼ばれる[[仏像]]が多数出土し、最高傑作とも評される「初転法輪像」が{{仮リンク|サールナート考古博物館|en|Sarnath Museum}}に収蔵されている。 |
鹿野苑だったとされる場所は現在はインド政府によって整理され遺跡公園になっている。その周辺からは「サールナート仏」と呼ばれる[[仏像]]が多数出土し、最高傑作とも評される「初転法輪像」が{{仮リンク|サールナート考古博物館|en|Sarnath Museum}}に収蔵されている。 |
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*[[アショカ王]]の石柱 |
*[[アショカ王]]の石柱 |
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四頭の獅子像があしらわれている。 |
四頭の獅子像があしらわれている。 |
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==註釈・出典== |
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==関連項目== |
==関連項目== |
2017年10月29日 (日) 21:10時点における版
サールナート(ヒンディー:सारनाथ,Sārnāth、英語:Sarnath)は、インドのウッタル・プラデーシュ州にある地名。ヴァーラーナシー(ベナレス)の北方約10kmに位置する。仏教の四大聖地のひとつ。
現サールナートは、釈迦が悟りを開いた後、鹿が多く住む林(旧訳「施鹿林」、新訳「鹿野苑」)の中で初めて教えを説いた初転法輪の故地とされる。鹿野苑(ろくやおん、梵: mṛgadāva)はリシパタナとも呼ばれる[1]。リシパタナ(梵: ṛṣi-patana)とは「聖仙の集まるところ」の意で、『解深密経』などでは「仙人堕処」(仙人の落ちる所)と誤訳され、『雑阿含経』などでは「仙人住処」(仙人の住む所)と訳されている[2]。
鹿野苑だったとされる場所は現在はインド政府によって整理され遺跡公園になっている。その周辺からは「サールナート仏」と呼ばれる仏像が多数出土し、最高傑作とも評される「初転法輪像」がサールナート考古博物館に収蔵されている。
名所
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/78/Sarnath1.jpg/220px-Sarnath1.jpg)
釈尊の初転法輪の地に立つ。
- ムーラガンダ・クティ寺院(初転法輪寺)
野生司香雪が描いた壁画がある。
- アショカ王の石柱
四頭の獅子像があしらわれている。