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「エイズ孤児」の版間の差分

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[[File:Malawi AIDS Orphans.jpeg|thumb|マラウィのエイズ孤児たち]]
'''エイズ孤児''' , '''AIDS orphan, HIV orphan''' は、
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'''エイズ孤児'''(エイズこじ、''AIDS orphan, HIV orphan'' は、
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*地球全体のエイズ孤児数:1,300万人
の両方をさす。


[[国際連合エイズ合同計画]](UNAIDS)、[[世界保健機構]](WHO)、[[国際連合児童基金]](UNICEF)の統計における定義では、「15歳の誕生日を迎えるまでに、母親がエイズで亡くなった子供」をさす<ref>[http://data.unaids.org/Publications/IRC-pub05/orphrept_en.pdf UNAIDS.org] PDF</ref>。この定義では父親の生死は不問であり、ある研究によればエイズ孤児全体の80%は両親のうち一方は生きているとされる<ref>{{cite news
地球全体のHIV感染者・AIDS患者数4,200万人(2002年)のうち、約3,000万人は、[[サブサハラ]]([[サハラ砂漠]]以南のアフリカ)に居住する。
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|date=4 April 2009
|author=Stuijt, Adriana }}</ref>。


[[地球]]全体の生存[[ヒト免疫不全ウイルス|HIV]]感染者・[[後天性免疫不全症候群|AIDS]]患者推計数は、4200万人を数える([[2002年]]、[[世界保健機関|WHO]])。地球全体のエイズ孤児数は、同じ統計によれば1,300万人である。毎年7万人のエイズ孤児が発生している<ref>[http://www.time.com/time/world/article/0,8599,128736,00.html AIDS Orphan's Preventable Death Challenges Those Left Behind], by Tony Karon, June 01, 2001</ref>
エイズにより両親を失った子供は、祖父母・親戚などに預けられるが、自活の為しか余裕が無い年配者などは、苦しい生活を強いられることになり、貧困の原因となる。


== 状況 ==
エイズ孤児の為の団体があれば良いが、そうでない場合には[[捨て子]]、[[ストリートチルドレン]]などにもなる可能性がある。
地球全体のHIV感染者・AIDS患者数4,200万人(2002年)のうち、約3,000万人は、[[サブサハラ]]([[サハラ砂漠]]以南のアフリカ)に居住する。


HIVに感染する者の多くは性的に活発な年齢の者で、つまりは一家の大黒柱となる年齢層の人々である。エイズにより両親を失った子供は、祖父母・親戚などに預けられるが、自活の為しか余裕が無い年配者などは、苦しい生活を強いられることになり、貧困の原因となる。
=== [[アフリカ]] ===
*エイズによる死者数:1,700万人
*エイズ孤児数:1,200万人


エイズ孤児の為の団体があれば良いが、そうでない場合には[[捨て子]]、[[ストリートチルドレン]]などにもなる可能性がある。特にアフリカなどで、多くの子供たちが政府の援助に依存して生活している<ref name="avertaids">{{cite web |url=http://www.avert.org/aidsorphans.htm |title=AIDS orphans |publisher=Avert |accessdate=2006-10-08}}</ref>
==== [[ザンビア]] ====
[ 出典:[[米国援助庁]]([[:en:wikipedia:United States Agency for International Development|USAID:
the US Agency for International Development]])]
*一人当たり国民所得:330ドル(2000年)


=== アフリカ ===
子どもを世帯主とする家族が、急激に一般的なものになりつつある
アフリカ全体では、エイズによる死者数は1,700万人に達する。それに伴いエイズ孤児も増え、エイズ孤児数は1,200万人に達している。エイズによる孤児の数が2007年段階で最も多いのは[[南アフリカ]]で<ref name="avertaids" />、2005年段階で孤児に占めるエイズ孤児の割合が最も高いのは[[ジンバブエ]]であった<ref name="avertaids" />。


[[ザンビア]]を例にとる<ref>[[米国援助庁]]([[:en:wikipedia:United States Agency for International Development|USAID:the US Agency for International Development]])</ref>。同国では一人当たり国民所得は330ドル(2000年)となっている。
*孤児数:120万人(2000年時点、全子供人口の1/4)
*エイズ孤児数:93万人


ザンビアでは子供を世帯主とする家族が、急激に一般的なものになりつつある。ザンビアの孤児数は120万人(2000年時点、全子供人口の1/4)で、そのうちエイズ孤児数は93万人に達する。
[[貧困層]]([[貧困線]]以下)
*孤児の75%
*両親を持つ子どもの73%
参照:[http://www.un.org/ecosocdev/geninfo/afrec/vol15no3/153child.htm Africa Renewal] [[UNDPI]]


[[貧困線]]以下の[[貧困層]]は孤児の75%を占める。一方、両親を持つ子供の73%が貧困層である<ref>[http://www.un.org/ecosocdev/geninfo/afrec/vol15no3/153child.htm Africa Renewal] - [[UNDPI]]</ref>。
== 子どもたちがHIVに感染する理由 ==

参照:[http://volunteer-platform.org/aids/index.htm]
== 子たちがHIVに感染する理由 ==
子供たちは、以下のような理由からHIVに感染している<ref>[http://volunteer-platform.org/aids/index.htm volunteer-platform.org]</ref>。


=== 母子感染 ===
=== 母子感染 ===
HIV感染のルートの多くは母子感染である。
*母胎から胎児にウイルスが感染する:全体の15~30%

*[[母乳]]から感染する:全体の10~15%
子供のHIV感染のうち、[[母胎]]から[[胎児]]にウイルスが感染する場合が全体の15~30%を占めている。また[[母乳]]からの感染が全体の10~15%を占めている。


=== その他の感染 ===
=== その他の感染 ===
その他の感染には、未成年者のセックスによるものもある。
*[[避妊]]法を知らない場合

*子どものうちに結婚させられた少女が、夫から感染する
*どものうちにられ、買春の犠牲になっている間に感染してしまう
例えば、供たちが[[避妊]]法を知らない場合、子供のうちに結婚させれた少女が夫から感染させられる場合、子供のうちに人身売買され、[[買春]]の犠牲になっている間に感染してしまう場合などがある。

== 世界エイズ孤児デー ==
5月7日は「世界エイズ孤児デー」である。2002年に国連子ども特別総会が開催されたニューヨークで、エイズ孤児問題への意識を高めることを目的として宣言された。

== 脚注 ==
{{Reflist}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*[http://plas-uganda.org/ エイズ孤児支援NGO・PLAS]
*[http://plas-aids.org/ エイズ孤児支援NGO・PLAS]
*[http://www.unic.or.jp/10stories/03.htm サハラ以南のアフリカにおけるエイズ孤児, 10の物語, 国際連合]
*[http://www.unic.or.jp/10stories/03.htm サハラ以南のアフリカにおけるエイズ孤児, 10の物語, 国際連合]
*[http://www.un.org/ecosocdev/geninfo/afrec/vol15no3/153child.htm Africa Renewal] [[UNDPI]]
*[http://www.un.org/ecosocdev/geninfo/afrec/vol15no3/153child.htm Africa Renewal] [[UNDPI]]
*[http://volunteer-platform.org/aids/index.htm Volunteer PLATFORM]
*[http://volunteer-platform.org/aids/index.htm Volunteer PLATFORM]
*[http://www.cindi.org.za/ CINDI (Children in Distress)], [[キツウェ]](Kitwe)
*[http://www.cindi.org.za/ CINDI (Children in Distress)], [[キツウェ]](Kitwe)

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[[Category:子供]]
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2018年3月17日 (土) 17:04時点における最新版

マラウィのエイズ孤児たち

エイズ孤児(エイズこじ、AIDS orphan, HIV orphan) は、

  1. 両親のいずれかもしくは両方をエイズによって失った子供孤児
  2. HIV感染、或はAIDS患者の孤児

の両方をさす。

国際連合エイズ合同計画(UNAIDS)、世界保健機構(WHO)、国際連合児童基金(UNICEF)の統計における定義では、「15歳の誕生日を迎えるまでに、母親がエイズで亡くなった子供」をさす[1]。この定義では父親の生死は不問であり、ある研究によればエイズ孤児全体の80%は両親のうち一方は生きているとされる[2]

地球全体の生存HIV感染者・AIDS患者推計数は、4200万人を数える(2002年WHO)。地球全体のエイズ孤児数は、同じ統計によれば1,300万人である。毎年7万人のエイズ孤児が発生している[3]

状況[編集]

地球全体のHIV感染者・AIDS患者数4,200万人(2002年)のうち、約3,000万人は、サブサハラサハラ砂漠以南のアフリカ)に居住する。

HIVに感染する者の多くは性的に活発な年齢の者で、つまりは一家の大黒柱となる年齢層の人々である。エイズにより両親を失った子供は、祖父母・親戚などに預けられるが、自活の為しか余裕が無い年配者などは、苦しい生活を強いられることになり、貧困の原因となる。

エイズ孤児の為の団体があれば良いが、そうでない場合には捨て子ストリートチルドレンなどにもなる可能性がある。特にアフリカなどで、多くの子供たちが政府の援助に依存して生活している[4]

アフリカ[編集]

アフリカ全体では、エイズによる死者数は1,700万人に達する。それに伴いエイズ孤児も増え、エイズ孤児数は1,200万人に達している。エイズによる孤児の数が2007年段階で最も多いのは南アフリカ[4]、2005年段階で孤児に占めるエイズ孤児の割合が最も高いのはジンバブエであった[4]

ザンビアを例にとる[5]。同国では一人当たり国民所得は330ドル(2000年)となっている。

ザンビアでは子供を世帯主とする家族が、急激に一般的なものになりつつある。ザンビアの孤児数は120万人(2000年時点、全子供人口の1/4)で、そのうちエイズ孤児数は93万人に達する。

貧困線以下の貧困層は孤児の75%を占める。一方、両親を持つ子供の73%が貧困層である[6]

子供たちがHIVに感染する理由[編集]

子供たちは、以下のような理由からHIVに感染している[7]

母子感染[編集]

HIV感染のルートの多くは母子感染である。

子供のHIV感染のうち、母胎から胎児にウイルスが感染する場合が全体の15~30%を占めている。また母乳からの感染が全体の10~15%を占めている。

その他の感染[編集]

その他の感染には、未成年者のセックスによるものもある。

例えば、子供たちが避妊法を知らない場合、子供のうちに結婚させられた少女が夫から感染させられる場合、子供のうちに人身売買され、買春の犠牲になっている間に感染してしまう場合などがある。

世界エイズ孤児デー[編集]

5月7日は「世界エイズ孤児デー」である。2002年に国連子ども特別総会が開催されたニューヨークで、エイズ孤児問題への意識を高めることを目的として宣言された。

脚注[編集]

外部リンク[編集]