コンテンツにスキップ

「FN ポケット・モデル M1906」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
 
(13人の利用者による、間の21版が非表示)
1行目: 1行目:
{{銃器
{{Infobox Weapon
|画像=[[ファイル:Henri_Guisan_FN_Browning_model_1906_IMG_3267.jpg|300px]]
| name = Baby Browning
|説明=FN ポケット・モデル M1906
| image = [[File:Baby Browning.jpg|300px]]
|名称=FN ポケット・モデル M1906
| caption =
|種類=[[自動拳銃]]
| origin = {{flag|Belgium}}
|製造国={{BEL}}
| type = [[拳銃]]
|設計・製造=[[ジョン・ブローニング]]<br/>[[FNハースタル|ファブリックナショナル]]社
<!-- Type selection -->
|年代=
| is_ranged = yes
|設計年=[[1905年]]
<!-- Service history -->
|製造期間=[[1906年]]-[[1959年]](M1906)<br/>-[[1979年]](FN社)<br/>※現在もFN社以外での生産は継続されている
| service =
|口径=.25[[口径]] 0.25インチ(6.35mm)
| used_by =
|銃身長=53.6mm
| wars =
|ライフリング=
<!-- Production history -->
|使用弾薬=[[.25ACP弾]]
| designer = [[ジョン・ブローニング]]</br> [[Dieudonné Saive]]
|装弾数=6発
| design_date = 1927
|作動方式=[[シングルアクション]]、ストレートブローバック ストライカー方式
| manufacturer = [[ファブリックナショナル]]</br> [[Manufacture d'armes de Bayonne]]</br> PSP</br> PSA
|銃口初速=
| unit_cost =
|有効射程=
| production_date = 1931
|全長=114 mm
| number =
|重量=370g
| variants =
<!-- General specifications -->
| spec_label =
| weight = 275 g (9.7 [[オンス]])
| length = {{mm to in| 104 |abbr=on|precision=1|wiki=yes}}
| part_length = {{mm to in| 53.6 |abbr=on|precision=1|wiki=yes}}
| width =
| height = {{mm to in| 72 |abbr=on|precision=1|wiki=yes}}
<!-- Ranged weapon specifications -->
| cartridge =
| action = ストレートブローバック ストライカー方式
| velocity =
| feed = 6発マガジンボックス
| sights = Fixed iron notch and blade
}}
}}
'''FN ポケット・モデル M1906'''は、[[ベルギー]]の[[銃|銃器]]メーカーである[[FN]](Fabrique Nationale)が開発した自動[[拳銃]]である。


'''FN ポケット・モデル M1906'''(FN Pocket Model1906)は、[[ベルギー]]の[[銃|銃器]]メーカーである[[FNハースタル|FN]]が開発した[[自動拳銃]]である。
1906年に発売され、護身用として人気を博した自動拳銃である。全長5インチほどしかないまさに[[ポケット]]に入るサイズの銃であり、携帯性が高かった。内部機構は後の[[FN ブローニングM1910|M1910]]にも通じるものが使われており、基本設計の確かさが見受けられる。.25口径、ストレートブローバックのストライカー方式であり、アメリカでは[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社により[[コルト・ベスト・ポケット]]として発売され好評を博した。後にマイナーチェンジが行なわれ、グリップセフティが廃止、スライドが小型・軽量化され埋め込み式のサイトが露出、など細かな変更が加えられ、さらに小型化した。マイナーチェンジ後は'''FN Baby'''、または'''ブローニング・ベビー'''と呼ばれている。


なお、一般的には"M1906"と呼ばれるが、これは製造開始年から取られたもので、FN社での正式な呼称は特許所得年である"M1905"となっている。
一説には400万丁生産が行なわれたとるロングセラー商品であり、戦前の日本の警察においても、主要な[[府県警察部]]で主に私服警察官向けとして採用された他、[[警視庁 (内務省)|警視庁]][[特別警備隊 (警視庁)|特別警備隊]]に編成されていた[[警官突撃隊]]も使用していた。


== 概要 ==
また[[大日本帝国陸軍]]にも、多くの愛用将校が居たと言われている。
[[1906年]]に発売された、.25[[口径]](0.25インチ)、ストレートブローバックのストライカー方式の[[自動式拳銃]]で、内部機構は後の[[FN ブローニングM1910|M1910]]にも通じるものが使われており、基本設計の確かさが見受けられる。
[[ファイル:Browning Baby 1.jpg|thumb|right|250px|FN ポケット・モデル M1906(FN ブローニング・ベビー)]]


[[アメリカ合衆国|アメリカ]]ではM1906そのものの輸入品、また、[[1953年]]-[[1968年]]にかけて生産されたアメリカ向け仕様の輸出型が大量に販売された他、同じ原型銃を元にしたものが[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社により[[コルト・ベスト・ポケット|コルト M1908 ベスト・ポケット(コルト M1908)]]として発売された。これらの他にも、M1906もしくはコルト M1908を基にしたコピー生産品が大量に製造されて流通し、これらの中には[[フランス]]の'''ユニーク モデル10'''(Unique Model 10)や、[[スペイン]]の'''アストラ ヴィクトリア1911'''(Astra-Unceta Victoria 1911 Model)のように、グリップセーフティの廃止、セーフティレバーをグリップの前方に移動させるなどした独自改良型も存在している。
== 北朝鮮工作員 ==

この銃は小型で、[[サプレッサー|サプレッサー(減音器)]]の取り付けが可能なため、北朝鮮工作員が北朝鮮でコピー製造した本銃を所持していた模様。
M1906は、[[1926年]]-[[1927年]]にかけてマイナーチェンジが行なわれ、グリップセーフティの廃止などの変更が加えられ、更に小型化された。[[1931年]]からはマイナーチェンジモデルが'''FN Baby'''、または'''ブローニング・ベビー'''(Browning Baby)として製造・販売された。
{{Main|FN ブローニング・ベビー}}

[[1979年]]の[[FNハースタル|FN]]社での生産終了まで、M1906とFN Baby合わせて約400万丁の生産が行なわれたとされるロングセラー商品であり、FN社以外での生産は現在も続けられている。

== 運用 ==
M1906は、全長4.5インチ(114[[ミリメートル]])ほどしかない、まさに「[[ポケット]]に入る」サイズの銃であり、携帯性が高く、護身用として人気を博した。

小型軽量であることを活かした個人護身用や[[警察]]組織での[[要人]]護衛用として、ま、治安組織や諜報機関による特殊任務用して用いらた。戦前の[[日本の警察]]においても、主要な[[府県警察部]]で主に私服[[警察官]]向けとして採用された他、[[警視庁 (内務省)|警視庁]][[特別警備隊 (警視庁)|特別警備隊]]に編成されていた[[警官突撃隊]]も使用していた。

また、[[大日本帝国陸軍]]でも、[[将校]]が自費で購入する私用[[拳銃]]として数多く用いられた。
<!--{{誰2範囲||date=2012年7月}}-->

== 登場作品 ==
; 『[[モスラ対ゴジラ]]』
: 悪徳[[興行]]師の虎畑二郎が、金の分け前で揉めた仲間の熊山に対して使用する。

== 参考文献 ==
{{No footnotes|date=2019年7月|section=1}}
* ワールドフォトプレス:編『<small>ミリタリー・イラストレイテッド 4</small> 世界の拳銃』(光文社文庫)(ISBN 978-4334700713)[[光文社]] 1984年
* [[床井雅美]]:著 『現代軍用ピストル図鑑』(徳間文庫) (ISBN 978-4198916602) [[徳間書店]] 2002年
* [[佐山二郎]]:著『日本の小火器徹底研究 小銃・拳銃・機関銃入門』(光人社NF文庫) (ISBN 978-4769822844) [[光人社]] 2008年
* 床井雅美、[[小林宏明]]、[[白石光]] :著 『<small>歴史群像シリーズ</small>[完全版] <small>図説</small> 世界の銃 パーフェクトバイブル』(ISBN 978-4056060614) [[学習研究社]] 2010年


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{commons|Category:Browning_Baby}}
*[[FN社]]
* [[FNハースタル|FN社]]
*[[FN ブローニング・ベビー]]
*[[コルト・ベスト・ポケット]]
* [[FN ブローニング・ベビー]]
* [[コルト・ベスト・ポケット]]


[[Category:自動式拳銃|FNほけつともてるM1906]]
[[Category:自動式拳銃|FNほけつともてるM1906]]
[[Category:ベルギーの小火器|FNほけつともてるM1906]]

[[en:Baby Browning]]
[[pl:Pistolet Browning Baby]]

2019年7月7日 (日) 07:23時点における最新版

FN ポケット・モデル M1906
FN ポケット・モデル M1906
FN ポケット・モデル M1906
種類 自動拳銃
製造国 ベルギーの旗 ベルギー
設計・製造 ジョン・ブローニング
ファブリックナショナル
仕様
口径 .25口径 0.25インチ(6.35mm)
銃身長 53.6mm
使用弾薬 .25ACP弾
装弾数 6発
作動方式 シングルアクション、ストレートブローバック ストライカー方式
全長 114 mm
重量 370g
歴史 
設計年 1905年
製造期間 1906年-1959年(M1906)
-1979年(FN社)
※現在もFN社以外での生産は継続されている
テンプレートを表示

FN ポケット・モデル M1906(FN Pocket Model1906)は、ベルギー銃器メーカーであるFN社が開発した自動拳銃である。

なお、一般的には"M1906"と呼ばれるが、これは製造開始年から取られたもので、FN社での正式な呼称は特許所得年である"M1905"となっている。

概要

[編集]

1906年に発売された、.25口径(0.25インチ)、ストレートブローバックのストライカー方式の自動式拳銃で、内部機構は後のM1910にも通じるものが使われており、基本設計の確かさが見受けられる。

アメリカではM1906そのものの輸入品、また、1953年-1968年にかけて生産されたアメリカ向け仕様の輸出型が大量に販売された他、同じ原型銃を元にしたものがコルト社によりコルト M1908 ベスト・ポケット(コルト M1908)として発売された。これらの他にも、M1906もしくはコルト M1908を基にしたコピー生産品が大量に製造されて流通し、これらの中にはフランスユニーク モデル10(Unique Model 10)や、スペインアストラ ヴィクトリア1911(Astra-Unceta Victoria 1911 Model)のように、グリップセーフティの廃止、セーフティレバーをグリップの前方に移動させるなどした独自改良型も存在している。

M1906は、1926年-1927年にかけてマイナーチェンジが行なわれ、グリップセーフティの廃止などの変更が加えられ、更に小型化された。1931年からはマイナーチェンジモデルがFN Baby、またはブローニング・ベビー(Browning Baby)として製造・販売された。

1979年FN社での生産終了まで、M1906とFN Baby合わせて約400万丁の生産が行なわれたとされるロングセラー商品であり、FN社以外での生産は現在も続けられている。

運用

[編集]

M1906は、全長4.5インチ(114ミリメートル)ほどしかない、まさに「ポケットに入る」サイズの銃であり、携帯性が高く、護身用として人気を博した。

小型軽量であることを活かした個人の護身用や警察組織での要人護衛用として、また、治安組織や諜報機関による特殊任務用として用いられた。戦前の日本の警察においても、主要な府県警察部で主に私服警察官向けとして採用された他、警視庁特別警備隊に編成されていた警官突撃隊も使用していた。

また、大日本帝国陸軍でも、将校が自費で購入する私用拳銃として数多く用いられた。

登場作品

[編集]
モスラ対ゴジラ
悪徳興行師の虎畑二郎が、金の分け前で揉めた仲間の熊山に対して使用する。

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]