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'''ベニアジサシ'''(紅鯵刺、学名:''Sterna dougallii''は、[[チドリ目]][[カモメ科]][[アジサシ科]]する説あり)に分類される[[鳥類]]の一種である中型の[[アジサシ]]の仲間。


== 分布 ==
'''ベニアジサシ''' (学名:''Sterna dougallii'')は、チドリ目カモメ科(アジサシ科とも)に分類される[[鳥類]]の一種。[[アジサシ]]の仲間。
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その他の地域では、台風等によって迷行してきた個体がまれに記録される程度である。


== 形態 ==
== 形態 ==
全長約33cm。翼幅67-76cm。夏羽では頭上が黒く、背や翼の上面は淡い青灰色、上尾筒と尾は白い。顔から体下面は白色で、やや紅色を帯びている。尾は[[アジサシ]]などと比べると細くて長い。雌雄同色である。
全長約31cm。翼幅67-76cm。


嘴は細く長く、夏季は先端が黒色の他は赤色だが、繁殖期には全体が赤色になる。
== 分布 ==
[[イギリス]]や[[アフリカ]]、[[インド洋]]の島、[[中国]]南岸、[[フィリピン]]、[[ニューギニア]]、[[オーストラリア]]、[[カリブ海]]の島などで繁殖する。北方個体は[[冬]]に南へ[[渡り]]をする。[[日本]]では[[奄美諸島]]や[[沖縄諸島]]に[[夏鳥]]として渡来する。


== 生態 ==
== 生態 ==
[[海岸]]、海洋上に生息する。
[[海岸]]、海洋上に生息する。干潟や埋立地の水溜りに入ることもある。無人島や岩礁で集団で繁殖する。


== Sibley分類体系上位置 ==
== 人間と関わり ==
繁殖地の環境の変化に敏感で、人の侵入等で環境が悪化したと判断すると抱卵中でもこれを放棄し集団で移動してしまう習性がある。このため、観光客が増加した沖縄の無人島では、本種の繁殖数が減少しているところもある。
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== 参考文献 ==
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* 川上洋一『絶滅危惧の野鳥辞典』、東京堂出版。
*『日本の鳥 550 水辺の鳥』、文一総合出版
* 真木広造他 『日本の野鳥590』 [[平凡社]]

== 関連項目 ==
* [[日本の野鳥一覧]]

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2021年12月21日 (火) 14:58時点における最新版

ベニアジサシ
ベニアジサシ
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: チドリ目 Charadriiformes
: カモメ科 Laridae
: アジサシ属 Sterna
: ベニアジサシ S. dougallii
学名
Sterna dougallii
Montagu, 1813
和名
ベニアジサシ
英名
Roseate Tern
Sterna dougallii dougallii

ベニアジサシ(紅鯵刺、学名:Sterna dougallii)は、チドリ目カモメ科アジサシ科とする説もあり)に分類される鳥類の一種である。中型のアジサシの仲間。

分布[編集]

イギリスデンマークアフリカインド洋の島、中国南岸、フィリピンから東南アジア、ニューギニアオーストラリア、北アメリカ東岸、カリブ海の島などで繁殖する。非繁殖期は周辺の海域に生息するが、北方で繁殖した個体はに南へ渡りをする。

日本では夏鳥として奄美群島沖縄諸島に渡来し繁殖する。また、福岡県大牟田市三池島では、1994年に初めて繁殖が確認され、2006年には640羽の渡来が確認されている(三池島の鳥類とその生息環境の保全について(要望) (財)日本野鳥の会)。 その他の地域では、台風等によって迷行してきた個体がまれに記録される程度である。

形態[編集]

全長約33cm。翼幅67-76cm。夏羽では頭上が黒く、背や翼の上面は淡い青灰色、上尾筒と尾は白い。顔から体下面は白色で、やや紅色を帯びている。尾はアジサシなどと比べると細くて長い。雌雄同色である。

嘴は細く長く、夏季は先端が黒色の他は赤色だが、繁殖期には全体が赤色になる。

生態[編集]

海岸、海洋上に生息する。干潟や埋立地の水溜りに入ることもある。無人島や岩礁で集団で繁殖する。

人間との関わり[編集]

繁殖地の環境の変化に敏感で、人の侵入等で環境が悪化したと判断すると抱卵中でもこれを放棄し集団で移動してしまう習性がある。このため、観光客が増加した沖縄の無人島では、本種の繁殖数が減少しているところもある。

保全状態評価[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 鳥類レッドリスト (環境省)2006年版でのランク変更

参考文献[編集]

  • 川上洋一『絶滅危惧の野鳥辞典』、東京堂出版。
  • 『日本の鳥 550 水辺の鳥』、文一総合出版
  • 真木広造他 『日本の野鳥590』 平凡社

関連項目[編集]