コンテンツにスキップ

「足立区女性整体師刺殺事件」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
しまあじ (会話 | 投稿記録)
m編集の要約なし
タグ: モバイル編集 モバイルアプリ編集 Androidアプリ編集
(11人の利用者による、間の16版が非表示)
1行目: 1行目:
'''足立女性整体師殺事件'''(あだちじょせいせいたいしさつじけん)は、[[2009年]][[5月]]に[[東京都]][[足立区]]で発生した[[殺人事件]]。日本で初めて[[裁判員の参加する刑事裁判に関する法律]]に基づく[[裁判員制度]]が適用された事件である。
{{現在進行}}
'''東京足立女性整体師殺事件'''(とうきょうあだちじょせいせいたいしさつがいじけん)は、[[2009年]][[5月]]に[[東京都]][[足立区]]で発生した[[殺人事件]](刺殺事件)。日本で初めて[[裁判員の参加する刑事裁判に関する法律]]に基づく[[裁判員制度]]が適用された事件である。


年号は全て[[2009年]](平成21年)、時間は全て[[日本標準時|JST]]である。
年号は全て[[2009年]](平成21年)、時間は全て[[日本標準時|JST]]である。
6行目: 5行目:
== 経過 ==
== 経過 ==
* [[5月1日]] - 事件発生。
* [[5月1日]] - 事件発生。
*: 11:50頃、被疑者の当時71歳の男は、東京都足立区の路上で、自宅近くに住む66歳の女性[[整体師]]と自宅前の路上で口論となった末に胸などを[[サバイバルナイフ]]で数回刺した。被害者は病院に搬送されるが15:15頃に死亡が確認された。[[警視庁]][[西新井警察署]]は殺人事件で捜査を開始。被疑者は現場近くに凶器のナイフを捨てて逃走するも、事件発生から約8時間後に足立区内で発見、警察は男を殺人の疑いで逮捕。
*: 11:50頃、被疑者の当時71歳の男は、東京都足立区の路上で、自宅近くに住む当時66歳の女性[[整体師]]と自宅前の路上で口論となった末に胸などを[[サバイバルナイフ]]で数回刺した。被害者は病院に搬送されるが15:15頃に死亡が確認された。[[警視庁]][[西新井警察署]]は殺人事件で捜査を開始。被疑者は現場近くに凶器のナイフを捨てて逃走するも、事件発生から約8時間後に足立区内で発見、警察は男を殺人の疑いで逮捕。
*: 逮捕後の取調べのなかで、被疑者は口論になった原因について「被害者の家族の人間がバイクを方向転換する際に、被疑者宅の前を通り、そのとき設置しているペットボトルを倒したため」と供述した。<ref>[http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/249262/ 刺された女性、搬送先で死亡 東京・足立], [[産経新聞]], 2009年5月1日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref><ref>[http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/249413/ ペットボトル倒され激怒 女性殺害の71歳男逮捕], [[産経新聞]], 2009年5月2日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref>
*: 逮捕後の取調べのなかで、被疑者は口論になった原因について「被害者の家族の人間がバイクを方向転換する際に、被疑者宅の前を通り、そのとき設置しているペットボトルを倒したため」と供述した。<ref>[http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/249262/ 刺された女性、搬送先で死亡 東京・足立], [[産経新聞]], 2009年5月1日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref><ref>[http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/249413/ ペットボトル倒され激怒 女性殺害の71歳男逮捕], [[産経新聞]], 2009年5月2日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref>
* [[5月22日]] - [[東京地方検察庁]]は被疑者を[[殺人罪]]で起訴。
* [[5月22日]] - [[東京地方検察庁]]は被疑者を[[殺人罪 (日本)|殺人罪]]で起訴。
* [[6月10日]] - 第1回[[公判前整理手続]]。
* [[6月10日]] - 第1回[[公判前整理手続]]。
* [[6月12日]] - 第2回公判前整理手続が終了し、裁判を[[8月3日]]から[[8月6日]]までの4日間で行うことを決定。既に決定した裁判員候補者名簿約27,700人から裁判初日の裁判員選任手続きに呼び出す候補者100人を抽選で決定。<ref>[http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/06/12/20090613k0000m040049000c.html 裁判員制度:候補者100人決定 15日以降、呼び出し状], [[毎日新聞]], 2009年6月12日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref>
* [[6月12日]] - 第2回公判前整理手続が終了し、裁判を[[8月3日]]から[[8月6日]]までの4日間で行うことを決定。既に決定した裁判員候補者名簿約27,700人から裁判初日の裁判員選任手続きに呼び出す候補者100人を抽選で決定。<ref>[http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/06/12/20090613k0000m040049000c.html 裁判員制度:候補者100人決定 15日以降、呼び出し状], [[毎日新聞]], 2009年6月12日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref>
* [[6月15日]] - 12日に決定した裁判員候補者のうち、学生や70歳以上の者を除く73名に呼び出し状の送付を開始。
* [[6月15日]] - 12日に決定した裁判員候補者のうち、学生や70歳以上の者を除く73名に呼び出し状の送付を開始。
* [[8月3日]] - 午前に裁判員の選任手続きを行い、裁判員6人と補充裁判員3人を選任<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090803-00000535-san-soci 裁判員6人補充裁判員3人を選任 東京地裁], [[産経新聞]], 2009年8月3日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref>。午後から審理を開始。
* [[8月3日]] - 午前に裁判員の選任手続きを行い、裁判員6人と補充裁判員3人を選任<ref>[http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/285497/ 裁判員6人補充裁判員3人を選任 東京地裁], [[産経新聞]], 2009年8月3日, 最終閲覧日:2009年[[8月3日]]</ref>。午後から審理を開始。裁判員6人の男女比は男1対女5(裁判員1人の辞退で男2対女4に変更)と、男性加害容疑者と女性被害者という構図の裁判での影響が問題視された。検察と弁護側双方に認められた不選任請求が行われたかは、裁判所、検察、弁護の三者ともに明らかにしなかった
* [[8月5日]] - 午前に結審。午後に裁判官と裁判員が判決内容を検討する評議を行
* [[8月5日]] - 午前の審理で論告・求刑が行われ、検察側は懲役16年を求刑した。被害者の遺族は[[被害者参加制度]]基づき、求刑について「最低でも懲役20年を」と意見を述べ結審。午後に裁判官と裁判員が判決内容を検討する評議を行った<ref>[http://www.asahi.com/national/update/0805/TKY200908050106.html 「なぜナイフを…」裁判員全員が被告に質問 裁判は結審], 朝日新聞, 2009年8月5日, 最終閲覧日:2009年[[8月6日]]</ref>
* [[8月6日]] - 午前に評議を行い判決内容を決定。14:30より判決公判が行われ、被告に対し懲役15年の判決が言い渡された。<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=200908/2009080600484 裁判員初判決は懲役15年=終了後会見「守秘義務守る」-第1号事件・東京地裁], [[時事通信]], 2009年8月6日, 最終閲覧日:2009年[[8月6日]]</ref>
* [[8月6日]] - 判決が言い渡される予定。
* [[8月12日]] - 被告人が判決を不服として控訴。
* 損害賠償命令制度に基づき被疑者に対して約4745万円を遺族に支払うことを命じる決定を出した。
* [[12月17日]] - 東京高裁は被告側の控訴を棄却。
* [[12月24日]] - 被告人が判決を不服として上告
* [[2010年]][[5月31日]] - 最高裁が被告側の上告を棄却し、懲役15年の判決が確定。
* [[6月7日]] - 遺族が被告に対し損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は被告に対し2000万円の賠償の支払いを命じた。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
21行目: 26行目:
== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[裁判員制度]]
* [[裁判員制度]]
* [[被害者参加制度]]


{{DEFAULTSORT:とうきようあたちしよせいせいたいしさつかいしけん}}
{{Crime-stub}}
{{Crime-stub}}
{{DEFAULTSORT:あたちしよせいせいたいしさつしけん}}
[[Category:2009年の日本の事件]]
[[Category:平成時代の殺人事件]]
[[Category:平成時代の殺人事件]]
[[Category:2009年の日本の事件]]
[[Category:足立区の歴史|しよせいせいたいししさつしけん]]
[[Category:戦後の東京]]
[[Category:2009年5月]]

2022年2月5日 (土) 17:41時点における版

足立区女性整体師刺殺事件(あだちくじょせいせいたいししさつじけん)は、2009年5月東京都足立区で発生した殺人事件。日本で初めて裁判員の参加する刑事裁判に関する法律に基づく裁判員制度が適用された事件である。

年号は全て2009年(平成21年)、時間は全てJSTである。

経過

  • 5月1日 - 事件発生。
    11:50頃、被疑者の当時71歳の男は、東京都足立区の路上で、自宅近くに住む当時66歳の女性整体師と自宅前の路上で口論となった末に胸などをサバイバルナイフで数回刺した。被害者は病院に搬送されるが15:15頃に死亡が確認された。警視庁西新井警察署は殺人事件で捜査を開始。被疑者は現場近くに凶器のナイフを捨てて逃走するも、事件発生から約8時間後に足立区内で発見、警察は男を殺人の疑いで逮捕。
    逮捕後の取調べのなかで、被疑者は口論になった原因について「被害者の家族の人間がバイクを方向転換する際に、被疑者宅の前を通り、そのとき設置しているペットボトルを倒したため」と供述した。[1][2]
  • 5月22日 - 東京地方検察庁は被疑者を殺人罪で起訴。
  • 6月10日 - 第1回公判前整理手続
  • 6月12日 - 第2回公判前整理手続が終了し、裁判を8月3日から8月6日までの4日間で行うことを決定。既に決定した裁判員候補者名簿約27,700人から裁判初日の裁判員選任手続きに呼び出す候補者100人を抽選で決定。[3]
  • 6月15日 - 12日に決定した裁判員候補者のうち、学生や70歳以上の者を除く73名に呼び出し状の送付を開始。
  • 8月3日 - 午前に裁判員の選任手続きを行い、裁判員6人と補充裁判員3人を選任[4]。午後から審理を開始。裁判員6人の男女比は男1対女5(裁判員1人の辞退で男2対女4に変更)と、男性加害容疑者と女性被害者という構図の裁判での影響が問題視された。検察と弁護側双方に認められた不選任請求が行われたかは、裁判所、検察、弁護の三者ともに明らかにしなかった。
  • 8月5日 - 午前の審理で論告・求刑が行われ、検察側は懲役16年を求刑した。被害者の遺族は被害者参加制度に基づき、求刑について「最低でも懲役20年を」と意見を述べ結審。午後に裁判官と裁判員が判決内容を検討する評議を行った。[5]
  • 8月6日 - 午前に評議を行い判決内容を決定。14:30より判決公判が行われ、被告に対し懲役15年の判決が言い渡された。[6]
  • 8月12日 - 被告人が判決を不服として控訴。
  • 損害賠償命令制度に基づき被疑者に対して約4745万円を遺族に支払うことを命じる決定を出した。
  • 12月17日 - 東京高裁は被告側の控訴を棄却。
  • 12月24日 - 被告人が判決を不服として上告
  • 2010年5月31日 - 最高裁が被告側の上告を棄却し、懲役15年の判決が確定。
  • 6月7日 - 遺族が被告に対し損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は被告に対し2000万円の賠償の支払いを命じた。

脚注

関連項目