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「ミラー図法」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2019年7月}}
[[Image:Miller-projection.jpg|right|thumb|300px|ミラー図法の衛星写真]]
[[Image:Usgs map miller cylindrical.PNG|right|thumb|300px|ミラー図法]]
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[[ファイル:Miller-projection.jpg|thumb|ミラー図法の衛星写真]]
'''ミラー図法'''(ミラーずほう)とは、[[投影法 (地図)|投影法]]の一つである。[[円筒図法]]の一種{{Sfn|浮田ほか|2004|p=262}}。主に[[世界地図]]に用いられる。[[オズボーン・メイトランド・ミラー]]によって1942年に発表された


[[メルカトル図法]]の、南北両極が[[無限遠点]]になってしまうという問題を改善した図法で、[[緯度#地理緯度 (geographic latitude)|地理緯度]]を 4/5 倍してからメルカトル図法で投影して、縦方向に 5/4 倍する。つまり[[地球]]を[[半径]]を1とする[[単位球]]とみなしたとき、ミラー図法において[[経度]] <math>\lambda\,\!</math>, 地理緯度 <math>\varphi\,\!</math> から地図上の点 x, y へ投影する座標換算式は次式で与えられる:
'''ミラー図法'''(ミラーずほう)とは、[[地図投影法]]の一つである。円筒図法の一種。主に[[世界地図|世界全図]]に用いられる。


:<math>
[[メルカトル図法]]では南北両極が無限遠になってしまう問題を改善しようとしたもので、
緯度を 4/5 倍してからメルカトル図法で投影して、縦方向に 5/4 倍することで作られる。
つまり、ミラー図法の地図上の点 x, y は次式で与えられる。

<math>
\begin{align}
\begin{align}
x & = \lambda - \lambda_0 \\
x & = \lambda - \lambda_0 \\
y & = 1.25 \ln \left(\tan \left(\frac{\pi}{4} + \frac{0.8 \phi}{2} \right) \right) \\
y & = \frac{5}{4}\operatorname{gd}^{-1}\left(\frac{4}{5}\varphi\right)
& = 1.25 \sinh^{-1} \left( \tan(0.8 \phi)\right) \\
\end{align}
\end{align}
</math>
</math>


ここで <math>\lambda_0\,\!</math> は原点を通る[[子午線]]の経度、<math>\operatorname{gd}^{-1}x</math> は[[グーデルマン関数]]の[[逆関数]]である。この変換により両極に至るまでの世界地図を描けるようになるが、メルカトル図法の特長である[[正角図法|正角]]は失われ、[[正距図法]]や[[正積図法]]でもない(面積が正確な円筒図法は[[ランベルト正積円筒図法]]である)。
この変換により両極に至るまでの世界全図を描くことができるようになったが、

この図法はもはやメルカトル図法のように[[正角図法]]ではないし、[[正距図法]]や[[正積図法]]でもない。
== 脚注 ==
面積が正確な円筒図法は、[[ランベルト正積円筒図法]]である。
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|editor=浮田典良|editor-link=浮田典良|year=2004|title=最新地理学用語辞典|edition=改訂版|publisher=原書房|isbn=4-562-09054-5|ref={{SfnRef|浮田|2004}}}}

== 関連項目 ==
<!-- {{Commonscat|Miller cylindrical projection}} -->
* [[地図投影法の一覧]]

== 外部リンク ==
{{節スタブ}}


{{Geo-term-stub}}
[[Category:地図の図法|みらーすほう]]


{{デフォルトソート:みらあすほう}}
[[en:Miller cylindrical projection]]
[[Category:地図の図法]]
[[Category:エポニム]]

2022年6月6日 (月) 01:51時点における最新版

ミラー図法
ミラー図法の衛星写真

ミラー図法(ミラーずほう)とは、投影法の一つである。円筒図法の一種[1]。主に世界地図に用いられる。オズボーン・メイトランド・ミラーによって1942年に発表された。

メルカトル図法の、南北両極が無限遠点になってしまうという問題を改善した図法で、地理緯度を 4/5 倍してからメルカトル図法で投影して、縦方向に 5/4 倍する。つまり地球半径を1とする単位球とみなしたとき、ミラー図法において経度 , 地理緯度 から地図上の点 x, y へ投影する座標換算式は次式で与えられる:

ここで は原点を通る子午線の経度、グーデルマン関数逆関数である。この変換により両極に至るまでの世界地図を描けるようになるが、メルカトル図法の特長である正角は失われ、正距図法正積図法でもない(面積が正確な円筒図法はランベルト正積円筒図法である)。

脚注

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  1. ^ 浮田ほか 2004, p. 262.

参考文献

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  • 浮田典良 編『最新地理学用語辞典』(改訂版)原書房、2004年。ISBN 4-562-09054-5 

関連項目

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外部リンク

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