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'''エーリス'''(または'''エリス'''、古代[[ギリシャ語]]:'''{{lang|el| Ἦλις}}''', '''''Ēlis''''', ドーリス方言:'''{{lang|el| Ἆλις}}''', '''''Alis''''', エーリス方言:'''{{lang|el| Ϝάλις}}''', '''''Walis''''', [[英語]]:'''Elis''' or '''Eleia''')は、[[古代ギリシア]]の地方で、現在の[[イリア]]県(ギリシャ語:'''{{lang|el| Ήλιδα}}''', '''''Ilida''''')に該当する。[[ギリシャ]]南部の[[ペロポネソス半島]]にあり、北を[[アカイア]]、東を[[アルカディア]]、南を[[メッセニア]]、西を[[イオニア海]]とそれぞれ接している。
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==歴史と地理==
==歴史と地理==
第1回[[古代オリンピック]]は[[紀元前8世紀]](伝えられるところでは[[紀元前776年]])、エーリス当局によって、エーリスの[[オリンピア (ギリシャ)|オリンピア]]で催された。競技の審判ヘラノディカイ([[:en:Hellanodikai|Hellanodikai]])はエーリス出身者だった。
第1回[[古代オリンピック]]は[[紀元前8世紀]](伝えられるところでは[[紀元前776年]])、エーリス当局によって、エーリスの[[オリンピア (ギリシャ)|オリンピア]]で催された。競技の審判{{仮リンク|ヘラノディカイ|en|Hellanodikai}}はエーリス出身者だった。


地元の呼び名「ワリス」はおそらく「低地」という意味だと思われ、実際にエリスは、アカイア、アルカディアともどもそうである。山々はアルカディアの高地の続きであり、主要な河川もアルカディアの泉が源である。
地元の呼び名「ワリス」はおそらく「低地」という意味だと思われ、実際にエリスは、アカイア、アルカディアともどもそうである。山々はアルカディアの高地の続きであり、主要な河川もアルカディアの泉が源である。


エーリスは次の3つの地区に分かれている。
エーリスは次の3つの地区に分かれている。
*Coele(「窪地」) - 低地エーリス。最も北の地域で、最も面積が広い。ペネウス川(Peneus)とその支流ラドン川(Ladon)が流れている。古代には、牛や馬で有名だった。
*コイレ<ref>{{lang-el-short|Κοίλη}}</ref>(「窪地」) - 低地エーリス。最も北の地域で、最も面積が広い。ペネウス川(Peneus)とその支流[[ラドン川]]が流れている。この支流と同じ名前の川アルカディアを流れている。古代には、牛や馬で有名だった。
*ピサティス(Pisatis) - ピサ([[:en:Pisa (Greece)|Pisa]])の領域。Coeleから南のアルペイオス川([[:en:Alfeios River|Alfeios River]]の右岸に広がり、オリンピアを含む。
*ピサティス<ref>{{lang-grc-short|Πῖσα}}、{{lang-*-Latn|grc|Pisatis}}</ref> - {{仮リンク|ピサ (ギリシャ)|en|Pisa (Greece)|label=ピサ}}の領域。コイレから南の[[アルペイオス川]]の右岸に広がり、オリンピアを含む。
*トリピュリア(Triphylia) - 3つの部族の土地。アルペイオス川の南からネダ川(Neda)まで広がる。
*トリピュリア<ref>{{lang-el-short|Τριφυλία}}、{{lang-*-Latn|el|Triphylia}}</ref> - 3つの部族の土地。アルペイオス川の南から[[ネダ川]]まで広がる。


現代のエーリスは、[[アマリアダ]]([[:en:Amaliada|Amaliada]])の北東14kmに位置する、古代遺跡の上に建設された、人口150人の小さな村である。近年の発掘で出土した財宝を含む博物館がある。さらに古代の劇場も良好な状態で残っている。エーリスは馬の飼育とオリンピック競技発祥で有名である。
現代のエーリスは、{{仮リンク|アマリアダ|en|Amaliada}}の北東14kmに位置する、古代遺跡の上に建設された、人口150人の小さな村である。近年の発掘で出土した財宝を含む博物館がある。さらに古代の劇場も良好な状態で残っている。エーリスは馬の飼育とオリンピック競技発祥で有名である。


==出身者==
== 出身者 ==
===運動選手===
===運動選手===
*[[コロイボス]] - 第1回オリンピックの金メダリスト。
* [[コロイボス]] - 第1回オリンピックの金メダリスト。
*エリスのトロイロス([[:en:Troilus of Elis|Troilus of Elis]])
* {{仮リンク|エリスのトロイロス|en|Troilus of Elis}}


===伝説の王===
===伝説の王===
*[[サルモーネウス]]
* [[サルモーネウス]]
*[[アエトリオス]]
* [[アエトリオス]]
*[[エンデュミオーン]]
* [[エンデュミオーン]]
*[[エペイオス]]([[:en:Epeius|Epeius]])
* [[エペイオス]]
*[[アイトーロス]]
* [[アイトーロス]]
*[[アウゲイアース]]
* [[アウゲイアース]]
*アンピマコス([[:en:Amphimachus|Amphimachus]]) - [[トロイア戦争]]のエーリス軍の長。
* {{仮リンク|アンピマコス|en|Amphimachus}} - [[トロイア戦争]]のエーリス軍の長。
*タルピオス - トロイア戦争のエーリス軍の長。
* [[タルピオス]] - トロイア戦争のエーリス軍の長。
*[[オクシュロス]]([[:en:Oxylus|Oxylus]])
* [[オクシュロス]]


===知識人===
===知識人===
*[[ヒッピアス (ソフィスト)]]
* [[ヒッピアス (ソフィスト)]]
*[[エリスのパイドン]]
* [[エリスのパイドン]]
*[[ピュロン]]
* [[ピュロン]]
<!--以下省略-->
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==参考文献==
== 参考文献 ==
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==脚注==
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2022年6月24日 (金) 20:13時点における最新版

古代のエーリス

エーリス(またはエリス古希: Ἦλις[1]、ドーリス方言: Ἆλις[2]、エーリス方言: Ϝάλις[3]: Elis または Eleia)は、古代ギリシアの地方で、現在のイリア県[4]に該当する。ギリシャ南部のペロポネソス半島にあり、北をアカイア、東をアルカディア、南をメッセニア、西をイオニア海とそれぞれ接している。

歴史と地理

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第1回古代オリンピック紀元前8世紀(伝えられるところでは紀元前776年)、エーリス当局によって、エーリスのオリンピアで催された。競技の審判ヘラノディカイ英語版はエーリス出身者だった。

地元の呼び名「ワリス」はおそらく「低地」という意味だと思われ、実際にエリスは、アカイア、アルカディアともどもそうである。山々はアルカディアの高地の続きであり、主要な河川もアルカディアの泉が源である。

エーリスは次の3つの地区に分かれている。

  • コイレ[5](「窪地」) - 低地エーリス。最も北の地域で、最も面積が広い。ペネウス川(Peneus)とその支流ラドン川が流れている。この支流と同じ名前の川がアルカディアを流れている。古代には、牛や馬で有名だった。
  • ピサティス[6] - ピサ英語版の領域。コイレから南のアルペイオス川の右岸に広がり、オリンピアを含む。
  • トリピュリア[7] - 3つの部族の土地。アルペイオス川の南からネダ川まで広がる。

現代のエーリスは、アマリアダ英語版の北東14kmに位置する、古代遺跡の上に建設された、人口150人の小さな村である。近年の発掘で出土した財宝を含む博物館がある。さらに古代の劇場も良好な状態で残っている。エーリスは馬の飼育とオリンピック競技発祥で有名である。

出身者

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運動選手

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伝説の王

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知識人

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参考文献

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  •  この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Elis". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 9 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 279.

脚注

[編集]
  1. ^ 古代ギリシア語ラテン翻字: Ēlis
  2. ^ ギリシア語ラテン翻字: Alis
  3. ^ ギリシア語ラテン翻字: Walis
  4. ^ : Ήλιδαギリシア語ラテン翻字: Ilida
  5. ^ : Κοίλη
  6. ^ 古希: Πῖσα古代ギリシア語ラテン翻字: Pisatis
  7. ^ : Τριφυλίαギリシア語ラテン翻字: Triphylia