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'''メランジェ'''({{lang-de|Melange}}, [[フランス語]]で“混ぜたもの”の意)は、[[ドイツ語圏]]において[[牛乳|ミルク]]を加えた[[コーヒー]]飲料を指す言葉である。特に'''ヴィーナー・メランジェ''' ({{lang-de|Wiener Melange}} {{IPA-de|ˈviːnɐ meˈlãːʒ(ə)|}}, [[ウィーン]]のメランジェの意)といった場合、[[オーストリア]]で日常的に飲まれている種類のものをいう。これはコーヒー([[エスプレッソ]])にミルクを加え、その上からミルクの泡を乗せたものであり、ウィーンでは[[1830年]]に初めて提供された<ref>''Das neue Küchenlexikon. Von Aachener Printen bis Zwischenrippenstück'', S. 362, dtv 11. Auflage 2007, ISBN 978-3-423-36245-0</ref>。
'''メランジェ'''({{lang-de|Melange}}, [[フランス語]]で“混ぜたもの”の意)は、[[ドイツ語圏]]において[[牛乳|ミルク]]を加えた[[コーヒー]]飲料を指す言葉である。特に'''ヴィーナー・メランジェ'''{{lang-de|Wiener Melange}} {{IPA-de|ˈviːnɐ meˈlãːʒ(ə)|}}, [[ウィーン]]のメランジェの意)といった場合、[[オーストリア]]で日常的に飲まれている種類のものをいう。これはコーヒー([[エスプレッソ]])にミルクを加え、その上からミルクの泡を乗せたものであり、ウィーンでは[[1830年]]に初めて提供された<ref>''Das neue Küchenlexikon. Von Aachener Printen bis Zwischenrippenstück'', S. 362, dtv 11. Auflage 2007, ISBN 978-3-423-36245-0</ref>。


ヴィーナー・メランジェは[[カプチーノ]]とほぼ同じものであるが、メランジェはマイルドコーヒーで作る点が違いだと誤解されがちである<ref>{{cite web|url=http://www.wisegeek.com/what-is-a-wiener-melange.htm|title=What Is a Wiener Melange?|publisher=Wisegeek.com|accessdate=2013-11-23}}</ref>。しかし、ウィーンのコーヒー会社{{仮リンク|ユリウス・マインル|en|Julius Meinl}}は、メランジェを「大きなカップに淹れたエスプレッソにスチームドミルクとミルクの泡を乗せたもの」と説明している<ref name="meinlcoffee1">{{cite web|url=http://www.meinlcoffee.com/coffee-culture/coffee-recipes/traditional-viennese-recipes|title=Vienesse Classics- Julius Meinl|publisher=Meinlcoffee.com|accessdate=2013-11-23}}</ref>。[[マンハッタン]]のカフェ・サバースキー (Cafe Sabarsky) も同様の見解である<ref>[http://www.cafesabarsky.com Cafe Sabarsky at the Neue Galerie: New York, NY]</ref>。ウィーンの{{仮リンク|カフェ・シュペール|en|Café Sperl}}のメランジェはカップにブラックコーヒーとクリーミーミルクを半分ずつ淹れ、ミルクの泡を乗せている<ref>{{cite web|author=Café Sperl|url=http://www.cafesperl.at/html/CSkap3.html|title=Cafe Sperl::Wien::Kleines Kaffee ABC|publisher=Cafesperl.at|accessdate=2013-11-23}}</ref>。一方で[[ネスカフェ]]やメーヴェンピック、[[ルフトハンザドイツ航空|ルフトハンザ]]のケータリングでは、ミルクの泡を乗せるか乗せないかの違いはあるが、いずれもコーヒーを[[ココア]]とブレンドしたものを提供している。
ヴィーナー・メランジェは[[カプチーノ]]とほぼ同じものであるが、メランジェはマイルドコーヒーで作る点が違いだと誤解されがちである<ref>{{cite web|url=http://www.wisegeek.com/what-is-a-wiener-melange.htm|title=What Is a Wiener Melange?|publisher=Wisegeek.com|accessdate=2013-11-23}}</ref>。しかし、ウィーンのコーヒー会社{{仮リンク|ユリウス・マインル|en|Julius Meinl}}は、メランジェを「大きなカップに淹れたエスプレッソにスチームドミルクとミルクの泡を乗せたもの」と説明している<ref name="meinlcoffee1">{{cite web|url=http://www.meinlcoffee.com/coffee-culture/coffee-recipes/traditional-viennese-recipes|title=Vienesse Classics- Julius Meinl|publisher=Meinlcoffee.com|accessdate=2013-11-23}}</ref>。[[マンハッタン]]のカフェ・サバースキー (Cafe Sabarsky) も同様の見解である<ref>[http://www.cafesabarsky.com Cafe Sabarsky at the Neue Galerie: New York, NY]</ref>。ウィーンの{{仮リンク|カフェ・シュペール|en|Café Sperl}}のメランジェはカップにブラックコーヒーとクリーミーミルクを半分ずつ淹れ、ミルクの泡を乗せている<ref>{{cite web|author=Café Sperl|url=http://www.cafesperl.at/html/CSkap3.html|title=Cafe Sperl::Wien::Kleines Kaffee ABC|publisher=Cafesperl.at|accessdate=2013-11-23}}</ref>。一方で[[ネスカフェ]]やメーヴェンピック、[[ルフトハンザドイツ航空|ルフトハンザ]]のケータリングでは、ミルクの泡を乗せるか乗せないかの違いはあるが、いずれもコーヒーを[[ココア]]とブレンドしたものを提供している。


[[英語]]の ''Cafe Vienna'' とフランス語の ''Café viennois'' は通常、ミルクの泡ではなく[[ホイップクリーム]]を乗せた[[ウィンナ・コーヒー]]の意味で使われる。ウィーンでも「ヴィーナー・メランジェ」と注文すればウィンナ・コーヒーが出てくることもあるが、ウィンナ・コーヒーは一般的にはオーストリアでは「フランツィスカーナー」([[フランシスコ会]]の僧侶」の意味)に相当する<ref name="meinlcoffee1" />。なお、カプチーノも16世紀にフランシスコ会から分離した[[カプチン・フランシスコ修道会]]の僧侶に由来している<ref>[http://www.cappucciniviaveneto.it/cappuccini_ing.html] {{wayback|url=http://www.cappucciniviaveneto.it/cappuccini_ing.html|date=20121025034119}}</ref>。
[[英語]]の ''Cafe Vienna'' とフランス語の ''Café viennois'' は通常、ミルクの泡ではなく[[ホイップクリーム]]を乗せた[[ウィンナ・コーヒー]]の意味で使われる。ウィーンでも「ヴィーナー・メランジェ」と注文すればウィンナ・コーヒーが出てくることもあるが、ウィンナ・コーヒーは一般的にはオーストリアでは「フランツィスカーナー」([[フランシスコ会]]の僧侶」の意味)に相当する<ref name="meinlcoffee1" />。なお、カプチーノも16世紀にフランシスコ会から分離した[[カプチン・フランシスコ修道会]]の僧侶に由来している<ref>{{wayback|url=http://www.cappucciniviaveneto.it/cappuccini_ing.html|title=Cappuccini_ing|date=20121025034119}}</ref>。


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メランジェ

メランジェドイツ語: Melange, フランス語で“混ぜたもの”の意)は、ドイツ語圏においてミルクを加えたコーヒー飲料を指す言葉である。特にヴィーナー・メランジェドイツ語: Wiener Melange [ˈviːnɐ meˈlãːʒ(ə)], ウィーンのメランジェの意)といった場合、オーストリアで日常的に飲まれている種類のものをいう。これはコーヒー(エスプレッソ)にミルクを加え、その上からミルクの泡を乗せたものであり、ウィーンでは1830年に初めて提供された[1]

ヴィーナー・メランジェはカプチーノとほぼ同じものであるが、メランジェはマイルドコーヒーで作る点が違いだと誤解されがちである[2]。しかし、ウィーンのコーヒー会社ユリウス・マインル英語版は、メランジェを「大きなカップに淹れたエスプレッソにスチームドミルクとミルクの泡を乗せたもの」と説明している[3]マンハッタンのカフェ・サバースキー (Cafe Sabarsky) も同様の見解である[4]。ウィーンのカフェ・シュペール英語版のメランジェはカップにブラックコーヒーとクリーミーミルクを半分ずつ淹れ、ミルクの泡を乗せている[5]。一方でネスカフェやメーヴェンピック、ルフトハンザのケータリングでは、ミルクの泡を乗せるか乗せないかの違いはあるが、いずれもコーヒーをココアとブレンドしたものを提供している。

英語Cafe Vienna とフランス語の Café viennois は通常、ミルクの泡ではなくホイップクリームを乗せたウィンナ・コーヒーの意味で使われる。ウィーンでも「ヴィーナー・メランジェ」と注文すればウィンナ・コーヒーが出てくることもあるが、ウィンナ・コーヒーは一般的にはオーストリアでは「フランツィスカーナー」(「フランシスコ会の僧侶」の意味)に相当する[3]。なお、カプチーノも16世紀にフランシスコ会から分離したカプチン・フランシスコ修道会の僧侶に由来している[6]

関連項目

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脚注

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  1. ^ Das neue Küchenlexikon. Von Aachener Printen bis Zwischenrippenstück, S. 362, dtv 11. Auflage 2007, ISBN 978-3-423-36245-0
  2. ^ What Is a Wiener Melange?”. Wisegeek.com. 2013年11月23日閲覧。
  3. ^ a b Vienesse Classics- Julius Meinl”. Meinlcoffee.com. 2013年11月23日閲覧。
  4. ^ Cafe Sabarsky at the Neue Galerie: New York, NY
  5. ^ Café Sperl. “Cafe Sperl::Wien::Kleines Kaffee ABC”. Cafesperl.at. 2013年11月23日閲覧。
  6. ^ Cappuccini_ing - ウェイバックマシン(2012年10月25日アーカイブ分)