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「フレッチャロッサ」の版間の差分

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'''Frecciarossa'''(フレッチャロッサ)は[[イタリア]]の[[トレニタリア]]が運行する優等列車の名称。[[2008年]]12月にこのカテゴリーの列車が初めて設定され[[2012年]]6月には、それまで[[高速鉄道]]サービスとして展開していた[[ユーロスター・イタリア]]を、'''Frecciarossa'''と[[Frecciargento]](フレッチャルジェントの2つのカテゴリーに完全に振り分けた。Frecciarossaは『赤い矢』、Frecciargentoは『銀の矢』という意味の[[造語]]より高速な列車をFrecciarossaに、それ以外Frecciargentoとている


'''フレッチャロッサ'''('''Frecciarossa'''/略称:'''FR''')は[[イタリア]]の鉄道会社[[トレニタリア]]が運行する[[高速列車]]の名称。[[イタリア国鉄ETR500電車|ETR500]]を用い最高速度300km/hで走行する列車として[[2008年]]12月に初めて設定された。[[2012年]]6月には、それまで[[高速鉄道]]サービスとして展開していた'''[[ユーロスター・イタリア]]'''廃止し、'''フレッチャロッサ'''と'''[[フレッチャルジェント]]'''(Frecciargento)の2つのカテゴリーに完全に振り分けた。[[2015年]][[6月14日]]からは新型両[[イタリア国鉄ETR400電車|ETR400]]使用した'''フレッチャロッサ1000'''('''Frecciarossa1000''')が運行開始
Frecciarossaは、[[イタリア国鉄ETR500電車|ETR500]]および[[イタリア国鉄ETR400電車|ETR400]]の高速鉄道車両を用い<ref name="trenitalia" />、高速新線では最高速度300km/hで走行する。ただし、在来線を走行する区間においてはこの限りではない。

'''フレッチャロッサ'''は『'''赤い矢'''』、'''フレッチャルジェント'''は『'''銀の矢'''』という意味の[[造語]]である。


2014年冬ダイヤでは、[[ローマ・テルミニ駅]]と[[ミラノ中央駅]]をノンストップで結ぶ幹線系統に1時間に1本(1日19本)の列車が運行され、その一部は[[トリノ]]と[[ナポリ]]まで延長運転されている列車もある。また、途中停車ありで[[ミラノ中央駅]]と[[ナポリ中央駅]]を結ぶ幹線系統も1時間に1本運行され、この列車は途中[[ボローニャ]]、[[フィレンツェ]]、[[ローマ・ティブルティーナ駅]]に停車する<ref name="trenitalia">イタリア鉄道オフィシャルページ Frecciargento http://www.trenitalia.com/cms/v/index.jsp?vgnextoid=89ddbd6bc1abf310VgnVCM1000008916f90aRCRD (英語)</ref>。
2014年冬ダイヤでは、[[ローマ・テルミニ駅]]と[[ミラノ中央駅]]をノンストップで結ぶ幹線系統に1時間に1本(1日19本)の列車が運行され、その一部は[[トリノ]]と[[ナポリ]]まで延長運転されている列車もある。また、途中停車ありで[[ミラノ中央駅]]と[[ナポリ中央駅]]を結ぶ幹線系統も1時間に1本運行され、この列車は途中[[ボローニャ]]、[[フィレンツェ]]、[[ローマ・ティブルティーナ駅]]に停車する<ref name="trenitalia">イタリア鉄道オフィシャルページ Frecciargento http://www.trenitalia.com/cms/v/index.jsp?vgnextoid=89ddbd6bc1abf310VgnVCM1000008916f90aRCRD (英語)</ref>。
列車の座席等級は4つのクラスに分かれており、上位よりエクゼクティブ、ビジネス、プレミアム、スタンダードである。エクゼクティブクラスの乗客には、飲み物及び食事、新聞雑誌が無料で提供される。一等車に相当するビジネス、プレミアムの各クラスの乗客にはウエルカム・ドリンク(飲み物と菓子)と新聞(13時まで)が無料で提供される。また、すべての列車には[[食堂車]]が連結されている<ref name="trenitalia" />。


2014年冬ダイヤにおける各駅間の所要時間の例として、途中停車しないタイプである9614列車の[[ローマ・テルミニ駅]]と[[ミラノ中央駅]]間の所要時間は2時間55分である<ref>トレニタリア 列車検索による http://www.trenitalia.com</ref>。
2014年冬ダイヤにおける各駅間の所要時間の例として、途中停車しないタイプである9614列車の[[ローマ・テルミニ駅]]と[[ミラノ中央駅]]間の所要時間は2時間55分である<ref>トレニタリア 列車検索による http://www.trenitalia.com</ref>。


== 車両 ==
2015年6月14日より、新型車両ETR400を使用した[[Frecciarossa1000]]が運行を開始し、今後この車両により運行される列車は営業最高速度が従来の300km/hから、360km/hに引き上げられ、所要時間は2時間20分に短縮された。
=== ETR500型電車 ===
[[File:Frecciarossa.JPG|thumb|right|250px|ETR500(初代フレッチャロッサ車両)]]

{{See also|イタリア国鉄ETR500電車}}
'''フレッチャロッサ'''の運行開始時から使用されている車両で、最高速度は300km/h。11両編成で運行されている。

座席は4つのクラスが導入されており、上位よりエクゼクティブ、ビジネス、プレミアム、スタンダードである。エクゼクティブクラスの乗客には、飲み物食事、新聞雑誌が無料で提供されビジネス、プレミアムの各クラスの乗客にはウエルカム・ドリンク(飲み物と菓子)と新聞(13時まで)が無料で提供される。また、[[食堂車]]が連結されている<ref name="trenitalia" />。
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ETR 500 frecciarossa interior 02.jpg|ETR500型ビジネスクラス車内(2017年2月)
ETR 500 frecciarossa interior 01.jpg|ETR500型のデッキ部に備え付けの荷物スペース(2017年2月)
ETR 500 frecciarossa interior 03.jpg|ETR500型の案内用ディスプレイ(2017年2月)
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=== ETR400型電車 ===
[[File:Elettrotreno ETR.400.jpg|250px|thumb|right|ETR400/1000(二代目フレッチャロッサ車両)]]

{{See also|イタリア国鉄ETR400電車}}
[[2015年]]から運行を開始した車両で、'''フレッチャロッサ1000'''、'''ETR1000'''とも呼ばれる。営業最高速度はETR500と同じく300km/hだが、将来は360km/hでの運行も視野に入れている。8両固定編成となっているが、2編成を繋げ16両編成で運行する場合もある。

座席はETR500と同じ4クラス制である。

== 運行区間 ==
2022年現在は以下の区間で運行している<ref>{{cite web|url=https://www.trenitalia.com/it/le_frecce/collegamenti_e_servizifrecciarossa.html |title= Collegamenti e servizi Frecciarossa
|accessdate=2019-12-05}}</ref>。
*トリノ - ミラノ - レッジョ・エミリア - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ
*トリノ - ミラノ - ブレシア - ヴェローナ - パドヴァ - ヴェネツィア - トリエステ
*ベルガモ - ブレシア - ヴェローナ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ
*トリノ - ミラノ - ブレシア - ヴェローナ - パドヴァ - ヴェネツィア - トレヴィーゾ - ウーディネ
*ジェノヴァ - パヴィーア - ミラノ - ブレシア - ヴェローナ - パドヴァ - ヴェネツィア
*ヴェネツィア - パドヴァ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ
*ヴェネツィア - パドヴァ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - フィウミチーノ空港
*トリノ - ミラノ - レッジョ・エミリア - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ - ターラント
*トリノ - ミラノ - レッジョ・エミリア - ボローニャ - リミニ - ペーザロ - アンコーナ - ペスカーラ - バーリ - ブリンディジ - レッチェ
*ペルージャ - アレッツォ - フィレンツェ - ボローニャ - レッジョ・エミリア - ミラノ - トリノ
*ヴェネツィア - パドヴァ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ - サプリ
*ナポリ - ローマ - フィレンツェ - ボローニャ - ミラノ - ブレシア
*ミラノ - トリノ - リヨン(フランス) - パリ(フランス)
*リヨン(フランス) - パリ(フランス)


== 事故 ==
*[[2020年]][[2月6日]]、[[ミラノ中央駅]]発[[サレルノ駅]]行のフレッチャロッサ1000列車が[[ローディ県]][[リヴラーガ]]付近で脱線[[転覆 (鉄道車両)|転覆]]し、運転士2人が死亡、乗客乗員計31人が怪我をした<ref>{{cite news|url=https://toyokeizai.net/articles/-/329956|title=イタリア「高速列車脱線」早期回復のカラクリ|publisher=東洋経済オンライン|date=2020-02-13|accessdate=2020-10-31}}</ref>。
{{see also|:en:Livraga derailment}}
== 参考文献 ==
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[[Category:イタリアの列車]]
[[Category:イタリアの列車]]

2022年11月19日 (土) 16:22時点における最新版

イタリア高速新線網

フレッチャロッサFrecciarossa/略称:FR)は、イタリアの鉄道会社トレニタリアが運行する高速列車の名称。ETR500を用い最高速度300km/hで走行する列車として2008年12月に初めて設定された。2012年6月には、それまで高速鉄道サービスとして展開していたユーロスター・イタリアを廃止し、フレッチャロッサフレッチャルジェント(Frecciargento)の2つのカテゴリーに完全に振り分けた。2015年6月14日からは、新型車両ETR400を使用したフレッチャロッサ1000Frecciarossa1000)が運行を開始した。

フレッチャロッサは『赤い矢』、フレッチャルジェントは『銀の矢』という意味の造語である。

2014年冬ダイヤでは、ローマ・テルミニ駅ミラノ中央駅をノンストップで結ぶ幹線系統に1時間に1本(1日19本)の列車が運行され、その一部はトリノナポリまで延長運転されている列車もある。また、途中停車ありでミラノ中央駅ナポリ中央駅を結ぶ幹線系統も1時間に1本運行され、この列車は途中ボローニャフィレンツェローマ・ティブルティーナ駅に停車する[1]

2014年冬ダイヤにおける各駅間の所要時間の例として、途中停車しないタイプである9614列車のローマ・テルミニ駅ミラノ中央駅間の所要時間は2時間55分である[2]

車両[編集]

ETR500型電車[編集]

ETR500(初代フレッチャロッサ車両)

フレッチャロッサの運行開始時から使用されている車両で、最高速度は300km/h。11両編成で運行されている。

座席は4つのクラスが導入されており、上位よりエクゼクティブ、ビジネス、プレミアム、スタンダードである。エクゼクティブクラスの乗客には、飲み物や食事、新聞、雑誌が無料で提供され、ビジネス、プレミアムの各クラスの乗客にはウエルカム・ドリンク(飲み物と菓子)と新聞(13時まで)が無料で提供される。また、食堂車が連結されている[1]

ETR400型電車[編集]

ETR400/1000(二代目フレッチャロッサ車両)

2015年から運行を開始した車両で、フレッチャロッサ1000ETR1000とも呼ばれる。営業最高速度はETR500と同じく300km/hだが、将来は360km/hでの運行も視野に入れている。8両固定編成となっているが、2編成を繋げ16両編成で運行する場合もある。

座席はETR500と同じ4クラス制である。

運行区間[編集]

2022年現在は以下の区間で運行している[3]

  • トリノ - ミラノ - レッジョ・エミリア - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ
  • トリノ - ミラノ - ブレシア - ヴェローナ - パドヴァ - ヴェネツィア - トリエステ
  • ベルガモ - ブレシア - ヴェローナ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ
  • トリノ - ミラノ - ブレシア - ヴェローナ - パドヴァ - ヴェネツィア - トレヴィーゾ - ウーディネ
  • ジェノヴァ - パヴィーア - ミラノ - ブレシア - ヴェローナ - パドヴァ - ヴェネツィア
  • ヴェネツィア - パドヴァ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ
  • ヴェネツィア - パドヴァ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - フィウミチーノ空港
  • トリノ - ミラノ - レッジョ・エミリア - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ - ターラント
  • トリノ - ミラノ - レッジョ・エミリア - ボローニャ - リミニ - ペーザロ - アンコーナ - ペスカーラ - バーリ - ブリンディジ - レッチェ
  • ペルージャ - アレッツォ - フィレンツェ - ボローニャ - レッジョ・エミリア - ミラノ - トリノ
  • ヴェネツィア - パドヴァ - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ - サレルノ - サプリ
  • ナポリ - ローマ - フィレンツェ - ボローニャ - ミラノ - ブレシア
  • ミラノ - トリノ - リヨン(フランス) - パリ(フランス)
  • リヨン(フランス) - パリ(フランス)

事故[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b イタリア鉄道オフィシャルページ Frecciargento http://www.trenitalia.com/cms/v/index.jsp?vgnextoid=89ddbd6bc1abf310VgnVCM1000008916f90aRCRD (英語)
  2. ^ トレニタリア 列車検索による http://www.trenitalia.com
  3. ^ Collegamenti e servizi Frecciarossa”. 2019年12月5日閲覧。
  4. ^ “イタリア「高速列車脱線」早期回復のカラクリ”. 東洋経済オンライン. (2020年2月13日). https://toyokeizai.net/articles/-/329956 2020年10月31日閲覧。