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'''グラム・メタル'''は、[[ヘヴィ・メタル]]のサブジャンル。1970年代末に生まれ、1980年代に世界的に人気を博した。外見に大きく起因する音楽ジャンルである。
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'''グラム・メタル'''({{lang-en|''Glam Metal''}})は、[[ヘヴィメタル]]のサブジャンル。[[1970年代]]末に生まれ、[[1980年代]]に世界的に人気を博した。外見に大きく起因する音楽ジャンルである。別称として'''ヘア・メタル'''({{lang-en|''Hair metal''}})や'''ポップ・メタル'''({{Lang-en|''Pop metal''}})等がある。

なお、これらのバンド/アーティストのうち主たる活動拠点が[[ロサンゼルス]]である者を[[日本]]では「[[LAメタル]]」と呼び、ジャンル上細分化している。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[File:New York Dolls - TopPop 1973 11.png|thumb|ニューヨーク・ドールズはグラム・メタルに影響を与えたバンドの一つと知られている。]]
髪はロング・ヘアをスプレーで膨らませ(そのため別名ヘア・メタルとも呼ばれる)、濃い化粧を施し、けばけばしい衣装とアクセサリーを身につけた。その出で立ちは[[グラム・ロック]]と比較され、レザーや鋲をまとった[[クラシック・メタル]]と並ぶ、ヘヴィ・メタルの大きな特徴となった。その分かりやすい特徴のため、ブーム終焉後もヘヴィ・メタルの外見的イメージに大きな影響を与えている。
髪はロング・ヘアを[[スプレー]]で膨らませ<ref group="注">「ヘア・メタル」の別名で呼ばれる所以。</ref>、濃い化粧を施し、けばけばしく肉体を強調した衣装<ref group="注">多くは[[スパンデックス]]の[[タイツ]]や、Tシャツを[[タンクトップ]]風に切り落とした「カットTシャツ」など。</ref>と、[[装身具|アクセサリー]]を身につけた。その出で立ちは1970年代に[[イギリス]]で生まれた[[グラムロック|グラム・ロック]]と比較され、レザーや鋲をまとった[[クラシック・メタル]]と並ぶ、ヘヴィメタルの大きな特徴となった。その分かりやすい特徴のため、ブーム終焉後もヘヴィ・メタルの外見的イメージに大きな影響を与えている。


音楽性は[[AC/DC]][[キッス]]のようなシンプルな[[リフ]]を基本に、ヘヴィ・メタルのリズムをアップデートしたものが多く、歌詞は[[愛]]を始めとして[[性行為|セックス]]、[[向精神薬|ドラッグ]]、[[アルコール飲料|アルコール]]が多かった。
[[音楽性]]「グラム・ロック」にくくられるイギリスのアーティスト、[[T・レックス]]、[[スレイド]]、[[デヴィッド・ボウイ]]などよりも、[[ニューヨーク・ドールズ]]、[[キッス]]、[[エアロスミス]]、[[チープ・トリック]]のようなアメリカのバンドや、[[AC/DC]]などの影響下にあるシンプルな[[リフ]]を基本に、ヘヴィ・メタルのリズムをアップデートしたものが多かった。[[歌詞]]は[[愛]]を始めとして[[性行為|セックス]]、[[向精神薬|ドラッグ]]、[[アルコール飲料|アルコール]]、反抗心などテーマとなていた。


このようなルックスとパフォーマンスの煌びやかさ、そして若者の欲望をストレートに歌ったシンプルでポップなサウンドがあったため、1980年代初期にアメリカを拠点として人気を得た。初期のグラム・メタルで人気を呼んだのは[[クワイエット・ライオット]]、[[モトリー・クルー]]、[[ラット (バンド)|ラット]]などである。
このようなルックスとパフォーマンスの煌びやかさ、そして若者の欲望をストレートに歌ったシンプルでポップなサウンド、同時期の[[MTV]]などのメディアとともに、1980年代初期にアメリカを拠点として人気を得た。初期のグラム・メタルで人気を呼んだのは[[クワイエット・ライオット]]、[[モトリー・クルー]]、[[ラット (バンド)|ラット]]などである。


1980年代中期にはさらに[[ポイズン]]や[[ボン・ジョヴィ]]など新しいバンドが続々台頭してきた。この頃には売り上げが数百万枚を数えるバンドが続出するなど世界的な一大ブームとなっている。なおこれらのバンド/アティスのうち主たる活動拠点がロサゼルである者を日本では[[LAメタル]]と呼びジャンル上細分化している。
1980年代中期にはさらに[[ポイズン (ロックバンド)|ポイズン]]や[[ボン・ジョヴィ]]など新しいバンドが続々台頭してきた。この頃には売り上げが数百万枚を数えるバンドが続出するなど世界的な一大ブームとなっている。新人バンドやLA出身のバンドのみならず、[[ハート (バド)|ハート]]や[[ホワイトネイク]]、[[スコーピオンズ]]といった1970年代から活動するベテラバンドも、グラム・メタ風の見た目を取り入れ傾向があった


しかし1980年代末期に[[ガンズ・アンド・ローゼズ]]らが登場して以降、グラム・メタルとして扱われていたバンドも派手なメイクを控えるようになってゆく。1990年代に入ると、[[グランジ]]や[[オルタナティヴ・メタル]]のバンドがメインストリームとなり、グラム・メタルのブームは急激に衰退していった。ただし、グランジの人気とは関係なく、似たようなバンドばかりデビューしたことで、シーン自体が劣化したことが原因との意見もある{{Efn2| [[ホワイト・ライオン]]の元ギタリスト、ヴィト・ブラッタのインタビュー<ref>{{cite web|url=http://destroyerofharmony.com/2013/09/06/vito-bratta-a-rock-n-roll-technician-that-got-lost-in-all-the-noise/| title=<nowiki>Vito Bratta: A Rock N Roll Technician That Got Lost In All The Noise | destroyerofharmony</nowiki>|accessdate=2014-12-01}}</ref>より}}。さらにこちらも衰退に向かっていた[[スラッシュ・メタル]]勢と同じく、グランジ、オルタナティブ要素を取り入れ流行に阿った路線変更をし、個性を失うバンドが続出し、90年代前半~中盤には「アメリカのメタル文化は死んだ」とまで評された。
しかし1980年代末期に[[ガンズ・アンド・ローゼズ]]らが登場して以降、若者は[[グランジ]]や[[オルタナティヴ・メタル]]を好むようになり、ブームは急激に衰退していった。


2000年代以降はグランジも既に衰退し、[[ザ・ダークネス]]、[[ネガティヴ]]、[[ウィグ・ワム]]などグラム・メタルに影響を受けたバンドがアメリカ国外から現れて人気を得るようになている。
2000年代以降は、[[ザ・ダークネス]]、[[ネガティヴ]]、[[ウィグ・ワム]]、[[:en:Blessed by a Broken Heart|Blessed by a Broken Heart]]などグラム・メタルに影響を受けたバンドがアメリカ国外から現れた。また、80年代活動していたバンドも、「[[:en:Rocklahoma|Rocklahoma]]」どのフェスティバル、あるいはツアーで活動を続けている。


== 批判と反応 ==
== 主なグラム・メタルアーティスト ==
この[[ムーブメント]]に関しては、ミュージシャンからも批判が出ており、[[ハノイ・ロックス]]のメンバーで、80年代後半にソロ活動をしていた[[マイケル・モンロー]](自身も派手なメイクがトレードマークだった)は、「今の連中は流行っているからメイクをしているだけで、あまりに不自然」と語っていた。また、[[ニュー・オーダー]]は、[[1987年]]に発表した"Touched By The Hand Of God"のビデオ・クリップで、同様に[[スラッシュ・メタル]]バンドの[[:en:M.O.D.|M.O.D.]]は[[1989年]]の"True Colors"のビデオ・クリップでグラム・メタルの[[パロディ]]を演じていた。
1980年代~
*[[エアロスミス|Aerosmith]](中期)
*[[Autograph]]
*[[Bulletboys]]
*[[Bad English]]
*[[Bang Tango]]
*[[ブルー・ティアーズ|Blue Tears]]
*[[Britny Fox]]
*[[ボン・ジョヴィ|Bon Jovi]]
*[[Brighton Rock]]
*[[シンデレラ (バンド)|Cinderella]]
*[[デンジャー・デンジャー|Danger Danger]]
*[[ドッケン|Dokken]]
*[[Easy Action]]
*[[イナフ・ズナフ|Enuff Z'Nuff]]
*[[ヨーロッパ (バンド)|Europe]]
*[[エクストリーム (バンド)|Extreme]]
*[[ファスター・プッシーキャット|Faster Pussycat]]
*[[ファイアーハウス|Firehouse]]
*[[グレイト・ホワイト|Great White]]
*[[Giant]]
*[[ガンズ・アンド・ローゼズ|Guns N' Roses]]
*[[Hardline]]
*[[House of Lord]]
*[[Hurricane]]
*[[Icon]]
*[[Jetboy]]
*[[Kix]]
*[[Keel]]
*[[キング・コブラ|King Kobra]]
*[[ライオン (バンド)|Lion]]
*[[Leatherwolf]]
*[[リリアン・アクス|Lillian Axe]]
*[[Love/Hate]]
*[[L.A.ガンズ|L.A.Guns]]
*[[ロンドン (バンド)|London]]
*[[モトリー・クルー|Mötley Crüe]]
*[[Mr.Big]]
*[[ネルソン (バンド)|Nelson]]
*[[Pretty Boy Floyd]]
*[[ポイズン|Poison]]
*[[Pretty Maids]]
*[[クワイエット・ライオット|Quiet Riot]]
*[[ラフ・カット|Rough Cutt]]
*[[レーサーX|Racer X]]
*[[ラット (バンド)|Ratt]]
*[[Roxx Gang]]
*[[スキッド・ロウ (バンド)|Skid Row]]
*[[Shark Island]]
*[[ストライパー|Stryper]]
*[[Shotgun Messiah]]
*[[スローター|Slaughter]]
*[[Tora Tora]]
*[[Takara]]
*[[トゥイステッド・シスター|Twisted Sister]]
*[[Trixter]]
*[[テスラ (バンド)|Tesla]]
*[[Ugly Kid Joe]]
*[[Vixen]]
*[[Vain]]
*[[ヴァン・ヘイレン|Van Halen]]
*[[ウィンガー (バンド)|Winger]]
*[[ウォレント|Warrant]]
*[[W.A.S.P.]]
*[[ホワイト・ライオン|White Lion]]
*[[X JAPAN|X]]
*[[Xyz]]


一方、グラム・メタルとして扱われていたバンドの側にも批判的な意見は届いていた。[[イナフ・ズナフ]]のメンバーであったドニー・ヴィーは「音楽を表すやり方としてああいう見た目にしていただけなのに、そういう風に(批判的に)扱われるなんて思っていなかったからショックだった」と語り<ref group="注">「[[ミュージック・ライフ]]」1991年7月号 本誌記者現地独占取材 イナフ・ズナフ ホームタウン、シカゴでインタビュー(後編)より抜粋。[[イナフ・ズナフ]]のアルバム「ストレングス」国内盤 (AMCY-240) ライナーノーツによると、彼らはエアロスミスの[[ジョー・ペリー]]から「音楽は気に入っていたけど、あのメイクとファッションを見て彼らへの熱は冷めてしまった」と言われていたという。</ref>、ポイズンのCC・デヴィルは「デヴィッド・ボウイがメイクすると『天才』と言われるのに、俺達がメイクすると『[[女装]]したバカ』と言われる。メイクをやめたことで音楽をまじめに捉えてくれる人が増えたことは確かで、それは音楽を生業としている人間にとっては最も重要なこと」と語っていた<ref group="注">BURRN!1989年9月号、CC・デヴィル 来日時インタビューより抜粋</ref>。
2000年代~

*[[Backyard Babies]]
== 主なグラム・メタルアーティスト ==
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=== 1980年代以降 ===
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*[[Hardcore Surperstar]]
* {{仮リンク|オートグラフ (アメリカのバンド)|label=オートグラフ|en|Autograph (American band)}}
*[[Negative]]
* {{仮リンク|ブレットボーイズ|en|Bulletboys}}
*[[ザ・ダークネス|The Darkness]]
* [[バッド・イングリッシュ]]
*[[Wig Wam]]
* {{仮リンク|バング・タンゴ|en|Bang Tango}}
* [[ブルー・マーダー]]
* [[ブルー・ティアーズ]]
* {{仮リンク|ブリトニー・フォックス|en|Britny Fox}}
* [[ボン・ジョヴィ]]
* {{仮リンク|ブライトン・ロック|en|Brighton Rock}}
* [[シンデレラ (バンド)|シンデレラ]]
* [[デンジャー・デンジャー]]
* [[ドッケン]]
* {{仮リンク|イージー・アクション (バンド)|label=イージー・アクション|en|Easy Action}}
* [[イナフ・ズナフ]]
* [[ヨーロッパ (バンド)|ヨーロッパ]]
* [[エクストリーム (バンド)|エクストリーム]]
* [[ファスター・プッシーキャット]]
* [[ファイアーハウス]]
* [[グレイト・ホワイト]]
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* [[ハリケーン (バンド)|ハリケーン]]
* [[キール (バンド)|キール]]
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* [[キッス]]
* [[ライオン (バンド)|ライオン]]
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* [[リリアン・アクス]]
* [[リジー・ボーデン]]
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* [[ネルソン (バンド)|ネルソン]]
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* [[バックチェリー]]
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* [[ネガティヴ]]
* [[スティール・パンサー]]
* [[ザ・ダークネス]]
* [[ウィグワム (ノルウェーのロックバンド)|ウィグワム]]
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[LAメタル]]
* [[LAメタル]]
*メロディアス[[ハードロック]]
* メロディアス[[ハードロック]]
* [[ヴィジュアル系]]

== 脚注 ==
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=== 出典 ===
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2022年12月7日 (水) 05:40時点における最新版

グラム・メタル
現地名 Glam metal
様式的起源 ヘヴィメタル
ポップ
ハードロック
グラムロック
グラム・パンク英語版[1][2][3]
文化的起源 1970年代後期 - 1980年代初期
ロサンゼルス
ニューヨーク
関連項目
化粧品
パワーメタル
パワー・ポップ
スタジアム・ロック
シーンサブカルチャー英語版
ヴィジュアル系
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グラム・メタル英語: Glam Metal)は、ヘヴィメタルのサブジャンル。1970年代末に生まれ、1980年代に世界的に人気を博した。外見に大きく起因する音楽ジャンルである。別称としてヘア・メタル英語: Hair metal)やポップ・メタル英語: Pop metal)等がある。

なお、これらのバンド/アーティストのうち主たる活動拠点がロサンゼルスである者を日本では「LAメタル」と呼び、ジャンル上細分化している。

概要

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ニューヨーク・ドールズはグラム・メタルに影響を与えたバンドの一つと知られている。

髪はロング・ヘアをスプレーで膨らませ[注 1]、濃い化粧を施し、けばけばしく肉体を強調した衣装[注 2]と、アクセサリーを身につけた。その出で立ちは1970年代にイギリスで生まれたグラム・ロックと比較され、レザーや鋲をまとったクラシック・メタルと並ぶ、ヘヴィメタルの大きな特徴となった。その分かりやすい特徴のため、ブーム終焉後もヘヴィ・メタルの外見的イメージに大きな影響を与えている。

音楽性は「グラム・ロック」にくくられるイギリスのアーティスト、T・レックススレイドデヴィッド・ボウイなどよりも、ニューヨーク・ドールズキッスエアロスミスチープ・トリックのようなアメリカのバンドや、AC/DCなどの影響下にあるシンプルなリフを基本に、ヘヴィ・メタルのリズムをアップデートしたものが多かった。歌詞を始めとしてセックスドラッグアルコール、反抗心などがテーマとなっていた。

このようなルックスとパフォーマンスの煌びやかさ、そして若者の欲望をストレートに歌ったシンプルでポップなサウンド、同時期のMTVなどのメディアとともに、1980年代初期にアメリカを拠点として人気を得た。初期のグラム・メタルで人気を呼んだのはクワイエット・ライオットモトリー・クルーラットなどである。

1980年代中期にはさらにポイズンボン・ジョヴィなど新しいバンドが続々台頭してきた。この頃には売り上げが数百万枚を数えるバンドが続出するなど世界的な一大ブームとなっている。新人バンドや、LA出身のバンドのみならず、ハートホワイトスネイクスコーピオンズといった1970年代から活動するベテランバンドも、グラム・メタル風の見た目を取り入れる傾向があった。

しかし1980年代末期にガンズ・アンド・ローゼズらが登場して以降、グラム・メタルとして扱われていたバンドも派手なメイクを控えるようになってゆく。1990年代に入ると、グランジオルタナティヴ・メタルのバンドがメインストリームとなり、グラム・メタルのブームは急激に衰退していった。ただし、グランジの人気とは関係なく、似たようなバンドばかりデビューしたことで、シーン自体が劣化したことが原因との意見もある[注 3]。さらにこちらも衰退に向かっていたスラッシュ・メタル勢と同じく、グランジ、オルタナティブ要素を取り入れ流行に阿った路線変更をし、個性を失うバンドが続出し、90年代前半~中盤には「アメリカのメタル文化は死んだ」とまで評された。

2000年代以降は、ザ・ダークネスネガティヴウィグ・ワムBlessed by a Broken Heartなどグラム・メタルに影響を受けたバンドがアメリカ国外から現れた。また、80年代に活動していたバンドも、「Rocklahoma」などのフェスティバル、あるいはツアーで活動を続けている。

批判と反応

[編集]

このムーブメントに関しては、ミュージシャンからも批判が出ており、ハノイ・ロックスのメンバーで、80年代後半にソロ活動をしていたマイケル・モンロー(自身も派手なメイクがトレードマークだった)は、「今の連中は流行っているからメイクをしているだけで、あまりに不自然」と語っていた。また、ニュー・オーダーは、1987年に発表した"Touched By The Hand Of God"のビデオ・クリップで、同様にスラッシュ・メタルバンドのM.O.D.1989年の"True Colors"のビデオ・クリップでグラム・メタルのパロディを演じていた。

一方、グラム・メタルとして扱われていたバンドの側にも批判的な意見は届いていた。イナフ・ズナフのメンバーであったドニー・ヴィーは「音楽を表すやり方としてああいう見た目にしていただけなのに、そういう風に(批判的に)扱われるなんて思っていなかったからショックだった」と語り[注 4]、ポイズンのCC・デヴィルは「デヴィッド・ボウイがメイクすると『天才』と言われるのに、俺達がメイクすると『女装したバカ』と言われる。メイクをやめたことで音楽をまじめに捉えてくれる人が増えたことは確かで、それは音楽を生業としている人間にとっては最も重要なこと」と語っていた[注 5]

主なグラム・メタルアーティスト

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1980年代以降

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2000年代以降

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「ヘア・メタル」の別名で呼ばれる所以。
  2. ^ 多くはスパンデックスタイツや、Tシャツをタンクトップ風に切り落とした「カットTシャツ」など。
  3. ^ ホワイト・ライオンの元ギタリスト、ヴィト・ブラッタのインタビュー[4]より
  4. ^ ミュージック・ライフ」1991年7月号 本誌記者現地独占取材 イナフ・ズナフ ホームタウン、シカゴでインタビュー(後編)より抜粋。イナフ・ズナフのアルバム「ストレングス」国内盤 (AMCY-240) ライナーノーツによると、彼らはエアロスミスのジョー・ペリーから「音楽は気に入っていたけど、あのメイクとファッションを見て彼らへの熱は冷めてしまった」と言われていたという。
  5. ^ BURRN!1989年9月号、CC・デヴィル 来日時インタビューより抜粋

出典

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  1. ^ Bukszpan, Daniel (2003). The Encyclopedia of Heavy Metal. New York City, NY: Barnes and Noble. p. 85. ISBN 0-7607-4218-9 
  2. ^ Lee, Tommy; Neil, Vince; Sixx, Nikki; Mars, Mick (2019). The Dirt: Confessions of the World's Most Notorious Rock Band. Strauss, Neil. Blackstone Pub. ISBN 1-0940-1749-3 
  3. ^ Davis, Stephen (2008). Watch You Bleed: The Saga of Guns N' Roses. New York, NY: Gotham Books. p. 30. ISBN 978-1-59240-377-6 
  4. ^ Vito Bratta: A Rock N Roll Technician That Got Lost In All The Noise | destroyerofharmony”. 2014年12月1日閲覧。