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|ジャンル=[[ファンタジー]]
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|著者=[[時雨沢恵一]]
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『'''メグとセロン'''』とは[[時雨沢恵一]]/著、[[黒星紅白]]/[[イラストレーター|イラスト]]の[[小説]]([[ライトノベル]])である。[[電撃文庫]]刊。

「[[一つの大陸の物語シリーズ]]」の一つで、『[[リリアとトレイズ]]』シリーズの続編にあたり、『リリアとトレイズ』の[[スピンオフ]]作品でもある。

== ストーリー ==
リリアの親友・メグの周辺で起きていた出来事を描く。

''世界観については[[一つの大陸の物語シリーズ#世界設定]]を参照''
=== I・II 三三〇五年の夏休み ===
夏休み。ロクシェ首都の第四上級学校で行われる演劇部の合宿に友人のラリーとともに手伝いとして参加したセロン。そこで彼は初恋の相手・メグミカも合宿に参加していることを知り、心を弾ませる。さらに、演劇部の練習に参加すべく集まったナタリアとニコラスとも親睦を深める。

合宿2日目。顧問教師の欠席によって休日となったセロンたちのもとに新聞部のジェニーが1枚の写真を持ってきた。そこには、校内の古びた倉庫のふさがれた窓の隙間の隙間からこちらを覗く人の顔らしきものが写っていた。最初は疑っていたセロンたちもジェニーの言葉を信じて、6人で倉庫の探索を始めたのだった。

=== III ウレリックスの憂鬱 ===
演劇部の合宿も残すところあと4日となったある日、新生新聞部の6人は演劇部副部長のソフィアからある依頼をもちかけられる。部長・アーサーが欲しがっている"五十の蜂"を探して欲しいという依頼を受け、6人はそれぞれ調査に乗り出すのだった。

=== IV エアコ村連続殺人事件 ===
演劇部の合宿終了後の第8の月。部長・ジェニーの提案により、彼女のエアコ村にある親戚の別荘で5泊6日の新聞部夏合宿を行うことになった。カメラの使い方講義やサイクリングなどで新聞部の面々は合宿を楽しんでいたが、不良少年の連続殺人事件に巻き込まれていく。

=== V ラリー・ヘップバーンの罠 ===
夏休みが明け、ラリーが下級生女子・ステラから告白された。学校の中だけで付き合って欲しいと頼まれたラリーは、新聞部のメンバーに彼女を調べて欲しいと頼む。ステラには上級生の男子から付きまとわれていたと言う噂があった。

=== VI 第四上級学校な日々 ===
第10の月。学校主催の部対抗オリエンテーリングが行われた。新聞部はセロン・メグミカ・ラリーとジェニー・ナタリア・ニコラスの2組に分かれて参加した。新規の部である新聞部の宣伝のため、新聞部6名は1位を目指す。そしてこの日、ラプトア共和国から1ヶ月間の留学生がやってきた。

=== VII 婚約者は突然に ===
年は明けて三三〇六年最初の月。「新人君」からの手紙によって悩みを抱えてしまったメグミカは、親友のリリアに相談を持ちかける。時を前後して、相反する2つの依頼が新聞部に持ち込まれた。


== 登場人物 ==
=== 新聞部のメンバー ===
; シュトラウスキー・メグミカ
: 第四上級学校三年生の16歳の少女。愛称は「メグ」。黒髪黒目で2つに分けてお下げにしている。スー・ベー・イル出身でシュトラウスキーが名字。『リリアとトレイズ』のリリアの親友。
: 父親の仕事の関係で14歳の時にロクシェにやってきた。引越しの後しばらくしてから学校に転入したため、年齢はセロン達の1つ上だが学年は同じ。
: 性格は「正義感溢れる天然系(?)」と例えられる。ロクシェ語をまだ十分に習得していないので発音が苦手で、自然と敬語になったり単語や文法がたまにおかしくなる。
: コーラス部に所属しており、部で一番の歌唱力の持ち主である。
; セロン・マクスウェル
: 第四上級学校三年生の15歳の少年。黒い髪と灰色の瞳を持つ。母親のカレンが社長を務める大手冷凍食品会社の御曹司。リイナという4歳下の妹が1人いる(父は離婚している)。実家が遠いために学校では寮に住んでいる。
: 容姿端麗頭脳明晰、歌以外のほとんど全てを得意とする優等生で性格も悪くないため女子に高い人気を誇るが告白は全て断っている。趣味は読書。チェスが得意。知識欲が強いらしく自分が知らないことを他人が知っていると密かに悔しがる。メグのことがきっかけとなりベゼル語を独学で習得しようと頑張っているが、苦戦している。料理の腕前も高く、エアコ村では料理が上手ではない新聞部女子3人から絶賛された。体力はあまり高くなかったが、あることがきっかけとなって体力不足を痛感し自主トレーニングに励むようになった。
: 基本的に冷静で思考も柔軟だが、初恋の相手であるメグミカに対しての対応は奥手かつ臆病でメグに一目惚れした授業から夏休みまで声をかけることもできなかった。しかしラリーの勧めで参加した演劇部の夏季合宿の手伝いで、偶然にもメグミカと接点を持つことになる。メグミカのこととなるとよく思考が停止する。感情を表に出さない。
: 名前はロクシアーヌク連邦のシンボル「セロンの槍」に由来するもので、ロクシェではポピュラーな男性名という設定になっている。
; ラリー・ヘップバーン
: 第四上級学校三年生の15歳の少年。セロンとは入学以来の大親友。短く刈った金髪と碧眼を持ち、背はやや低め。家は古くから続く由緒正しい軍人の家系で、自身も軍人志望。6つ離れた兄がいる。立派な[[士官]]になるため毎日鍛錬し、また誰に対しても明るく接するよう心掛けている。
: 逞しい体躯を持ち陸軍で習った格闘術や古参兵に習った[[ピッキング]]などの技術も持つが、勉強は苦手でセロンに教えてもらっている。趣味は野外活動とキャンプと筋トレ。お茶を淹れるのが得意。また方向感覚にも優れる。
: ナタリアとは幼馴染だったが本名ではなく愛称しか覚えていなかったため、当初はそのことに気付いていなかった。
; ナタリア・スタインベック
: 第四上級学校三年生の15歳の少女。幼馴染のラリーには「ナータ」、それ以外の新聞部員には「ナーシャ」と呼ばれている。女子にしては高い身長と黒い瞳を持ち長い茶髪を後ろで結い上げて眼鏡をかけ、冷たい印象を与えるほど整った顔立ちの持ち主。かなりの大食漢かつ太らない体質でまわりを驚かせる。著名な音楽家を両親に持つ。楽器の演奏の腕は優れており本人も音楽自体は嫌いではないが、仕事にしたいとは思っていない。
: 親を安心させるためオーケストラ部に所属しバイオリンを弾くが、部長とは仲が悪い。
; ニコラス・ブラウニング
: 第四上級学校三年生の15歳の少年。通称「ニック」。中性的な容姿で緑色の眼を持ち、長い茶髪を背中まで長く伸ばしている。2人の姉には女の子のように育てられた。両親とも大学教員という学者肌の家系。セロンとは1年前の乗馬の授業からの顔見知り。美形であるため女子の人気はセロン同様とても高い。
: 演劇部には所属していないが、助っ人として合宿に呼ばれた。4巻では、特技とする棒術を発揮する。棒術にいたっては幼いころから習っているらしく、家でも練習はやっている。
; ジェニー・ジョーンズ
: 第四上級学校三年生の15歳の少女。自称“新聞部”の部長。小柄な体格でショートカットの赤毛と薄茶の瞳。2年前は髪は長く、おとなしいお嬢様だったらしい。家はロクシェ最大の自動車会社「ジョーンズ・モーターズ」でロクシェで1、2を争う大富豪。学年トップ10から落ちたことが無く、半年でベゼル語をある程度理解できるほど聡明。
: 新聞部の部長で設立者でもあったが、壁新聞にあることないこと書き立てるうちに部員が全員去って部として認可されなくなったため“新聞部”を自称してゲリラ的にデタラメを書き立てて貼り付けていた。しかし、本人は最後に疑問系にしていることから嘘ではないと主張している。
: 演劇部での夏季合宿を機に知り合ったメグミカ、セロン、ラリー、ナタリア、ニコラスの5人が入部することになり、ナタリアが副部長、セロンが会計になった。
; ラプトアからの留学生
: 6巻登場。1ヶ月間、第四上級学校に留学することになった生徒。名前、容姿、性別の描写はされていない。一人称は「私」。1ヶ月間の思い出作りのため、新聞部に短期入部する。新聞部からは「新人君」と呼ばれる。

=== 第四上級学校生徒 ===
; ソフィア・ウレリックス
: 1〜3巻登場。第四上級学校五年生。演劇部の副部長。首都に本社を構える「ウレリックス不動産」の令嬢。アーサーとは長いつきあいで、彼に片思いしている。
; アーサー・シアーズ
: 1〜3巻登場。第四上級学校五年生で演劇部の新部長。気弱そうな風貌でメガネを掛けている。
: 演劇部の部長は本来ソフィアがなるはずだったが、前年度の間に部長が交代したために、部長は男女が交互に勤めるという部の慣例から彼が部長となった。その為ソフィアに負い目を感じている。
: 家は189年続く老舗の菓子屋で、その家業を継ぎ次代にしっかりと引き渡す事が夢である。
; ステラ・ホイットフィールド
: 5巻登場。第四上級学校二年生。腕時計メーカーのホイットフィールド社の一人娘。ラリーに告白し、学校内では周囲に見せつけるようにラリーと仲睦まじい様子を見せる。
: だがそれはライナスがホイットフィールド社が開催する時計コンテストで入賞するまでの隠れ蓑でしかなく、本当はライナスと相思相愛の仲であった。だが両者の祖父の関係が修復されていないことから、家族にライナスのことが伝わらないようにと考えたことであった。
; ライナス・フランシス
: 5巻登場。ステラに付きまとっていたと言う噂があった生徒で学年は六年。ゴリラと称されるほどたくましい体躯だが反して性格は気弱で、細かな作業を得意しており、楽器の修理もこなせる。
: 実はステラとは[[はとこ]]の関係にあり、彼の祖父とステラの祖父が兄弟関係にある。ステラとは相思相愛の仲だが、昔祖父が起こしたお家騒動のために公言できずにいた。ステラの祖父に認めてもらうため、ライナスはホイットフィールド社が開催する時計コンテストで賞を取ろうとしており、ステラはその間、自分とライナスの親密さを隠すため、ラリーを隠れ蓑として利用したのが真相であった。
; ウィルキンソン
: 6巻登場。第四上級学校六年生。スキー部部長。設立当時は人気だったが、現在活動している者が3名のみになってしまったスキー部の名を知らしめるため、セロン達と同じくオリエンテーリングで1位を狙う。運動は得意だが勉強は苦手な様子(殆どの人が知るはずの壁画発見の英雄の名を「カー・ベンジャミン」と答えようとしていたなど)。
; 眼鏡をかけた栗毛の男子生徒・黒髪短髪の女子生徒
: 6巻登場。ウィルキンソンと参加したスキー部部員。どちらもウィルキンソンと同じく六年生。両者ともに名前は不明。ウィルキンソンと同じく勉強は苦手な様子。
; ブリジット・アーミテイジ
: 7巻で登場。第四上級学校六年生で裁縫部の副部長。許嫁のケネス・エインズワースがモラルハラスメントを行ってくるので別れるために証拠が欲しいと新聞部に依頼をしてくる。実家は北の大通りにある"ドレスのアーミテイジ"でウェディングドレスが有名。
; ケネス・エインズワース
: 7巻で登場。第四上級学校六年生で寮生。四・五年生の時はレジデントアシスタントをしており、周りからは"とても優しくて、とても頭が切れる人"と思われている。また、写真が趣味でなかなかの腕前。許嫁のブリジット・アーミテイジが浮気をしているので証拠写真を撮るよう新聞部に依頼をしてくる。実家はドラード共和国の老舗宝石商"オースティン&アマビスカ"。

=== 第四上級学校教師 ===
; マーク・マードック
: 第四上級学校の男性国語教師。温厚な性格の50代。演劇部の夏合宿期間中の当直担当。若いころは軍人であった。
; レニー・クランツ
: 第四上級学校に勤める女性家庭科教師で演劇部顧問。30代。

=== エアコ村 ===
4巻で登場。

; ニール・ロックスミス
: エアコ村に住む11歳の少年。そばかす顔に短い栗毛。職業訓練校に通っている。ジェニーとは顔見知りであり「ジー・ジー」と呼んでいた。
: 村の不良グループに入りたいがまだ何処にも入れておらず、それ故にどのグループとも接触できる。村で不良の若者が殺される事件が起き、各グループの対立が激化しそうな雰囲気を感じてセロン達に助けを求めた。
; ハンナ・ローレンス
: エアコ村に住む老婦人。品の良い風貌をした80代。たくさんの花に囲まれたこじんまりとした家に暮らしている。
: 40年前からロクシェの法務大臣を歴史上最も長く務めたフェルディナンド・ローレンスの妻。夫には先立たれており、娘と孫もアウトバーン(高速道路)の事故で亡くした。本人も癌にかかっている。
: 指名手配犯と知りつつハンプルトンをある目的の為に雇い入れた。
; ハンプルトン
: ローレンス夫人の家に住み込みで働く庭師。見た目の年齢は50代ほど。頭が半分禿て痩せており気の弱い印象を受ける男。
: 本名はジェームス・エイド。14人以上を殺した凄腕の殺し屋で指名手配犯。仕事以外で殺人をした事は無い。癌に掛かっており死期を悟っている。
; ルーフ夫妻
: エアコ村にあるジョーンズ家の別荘の管理人。共に50代くらい。ややふくよかで人当たりの良い印象がある。
: ジェニーは親戚のおじおばのように慕っている。

=== その他の登場人物 ===
; セオドア・ハートネット
: 連邦警察捜査員の若い男。黒髪のショートヘアで鋭い目付きをしている。ラリーを軽くあしらうほどの格闘の達人。最初は荒っぽい口調だったが、その後は砕けた喋り方をしている。
: セロンらと最初に会ったときは修繕会社の男性作業員を装っていたが、実際は捜査目的で来ていた。事件の後に警察が干渉しにくい第四上級学校の捜査協力を新聞部に要請しに来て約束を取り付けた。
: エアコ村に指名手配犯を追って来た際にセロンらと再会している。
; エドワード・カーツ
: ジェニーのボディーガード兼運転手の男性。40代過ぎ。短い茶髪で長身の逞しい体をしている。ユーモアのセンスもかなりの物である。
; エルザ・リトナー
: ジェニーのボディーガード。短い黒髪をした20代後半の女性。
; リサ・ヴェルヴェット
: 7巻で登場。実家から帰る寝台列車でセロンと同席した女性。実家はロクシェ西部にあるニャシャム共和国で石油卸業を営んでおり、お金持ちのお嬢様。趣味は旅行。

== 既刊一覧 ==
* メグとセロン I 三三〇五年の夏休み <上>([[2008年]][[3月10日]]刊行) ISBN 978-4-8402-4184-7
* メグとセロン II 三三〇五年の夏休み <下>(2008年[[5月10日]]刊行) ISBN 978-4-04-867062-3
** 短編「セロンの夢」(初出:「[[電撃文庫MAGAZINE]]」プロローグ2)
** 短編「ラリーとセロン」(書き下ろし)
* メグとセロン III ウレリックスの憂鬱(2008年[[7月10日]]刊行) ISBN 978-4-04-867126-2
* メグとセロン IV エアコ村連続殺人事件([[2009年]]3月10日刊行) ISBN 978-4-04-867592-5
* メグとセロン V ラリー・ヘップバーンの罠([[2010年]]3月10日刊行) ISBN 978-4-04-868392-0
* メグとセロン VI 第四上級学校な日々([[2011年]]3月10日刊行) ISBN 978-4-04-870386-4
* メグとセロン VII 婚約者は突然に([[2012年]]5月10日刊行) ISBN 978-4-04-886596-8

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[[Category:2008年の小説]]
[[Category:電撃文庫]]
[[Category:小説のスピンオフ作品]]
[[Category:日本のファンタジー小説]]
[[Category:学園小説]]

2023年4月16日 (日) 18:28時点における最新版