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「ナイセ川」の版間の差分

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'''ナイセ川'''(Neiße)は[[チェコ]]北部から[[ドイツ]]と[[ポーランド]]の間を流れる[[オーデル川]]の支流。ポーランドでは'''ニサ川'''(Nysa)と呼ばれる。[[第二次世界大戦]]後、このナセ川デル川で現在の国境である[[オーデル・ナイセ線]]が構された
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==名称==
「ナイセ川」は通称で、正式名称は'''ラウジッツァー・ナイセ'''([[ドイツ語]]: Lausitzer Neiße、[[ポーランド語]]: Nysa Łużycka、チェコ語: Lužická Nisa、「[[ラウジッツ]]地方のナイセ」の意)である。オーデル川にはほかに同名の支流がポーランド領[[シレジア]]地方に2つある。[[ドルヌィ・シロンスク県]](下シレジア)南端の[[クウォツコ]](Kłodzko、かつてのグラッツ)から[[ニサ (ポーランド)|ニサ]](ナイセ)を経て195kmにわたり下シレジアを流れオーデル川に入るニサ・クウォツカ川(Nysa Kłodzka、グラッツァー・ナイセ川 Glatzer Neiße)、および同じく下シレジアを流れ Kaczawa川(かつてのカッツバッハ川)を経てオーデル川に入る全長51kmのNysa Szalona(Wütende Neiße)がそうであるが、ラウジッツのナイセ川が3つのナイセ川の中で最も長く、かつ国境の川として有名になったために、単に「ナイセ川」と言えば通常これを指す。
ドイツ語では正式には'''ラウジッツァー・ナイセ'''(''Lausitzer Neiße'')といい、[[ポーランド語]]では'''ニサ・ウジツカ'''(''Nysa Łużycka''、ヌィサとも)、[[チェコ語]]では'''ルジツカー・ニサ'''(''Lužická Nisa'')と呼ばれる。これらはいずれも「[[ラウジッツ]]地方のナイセ(ニサ)川」を意味する。


地方名が冠されているのは同じ「ニサ(ナイセ)」の名を持つ河川がほかにも存在するからである。
ニサ川(ナイセ川)はドイツ東部・ポーランド南西部・チェコ北部にまたがるルーサティア([[ラウジッツ]]地方)を主に流れる。ルーサティアはドイツ([[ザクセン王国]]や[[プロイセン王国]])による統治後もスラブ系民族がドイツ人に同化せずに残り、現在でもドイツ領内には[[ソルブ人]]が住む。


* '''ニサ・クウォツカ'''(ポーランド語:''Nysa Kłodzka''、ドイツ語:''Glatzer Neiße'' グラッツァー・ナイセ) - [[ドルヌィ・シロンスク県]](下シレジア)南端の[[クウォツコ]](Kłodzko、かつてのグラッツ Glatz)から[[ニサ (ポーランド)|ニサ]](ナイセ)の町を経て195kmにわたり下シレジアを流れオーデル川に入る。
ニサ川(ナイセ川は[[チェコ]]北端の[[イゼラ山脈]](Jizerské hory)に発し、山脈内の[[ヤブロネツ・ナド・ニソウ]]、[[リベレツ]]を経てドイツとチェコの国境を1kmほどのあいだ流れ、ドイツとポーランドの国境へ入る。
* '''ニサ・シャロナ'''(ポーランド語:''Nysa Szalona''、ドイツ語:''Wütende Neiße'' ヴューテンデ・ナイセ) - 下シレジアを流れ カチャヴァ川(Kaczawa、かつてのカッツバッハ川 Katzbach)を経てオーデル川に入る。全長51km。


さらにこれらの河川の支流にも「ニサ」の名を持つものがある。しかしラウジッツのナイセ川が同名の河川の中で最も長く、国境の川としても有名であることから、単に「ナイセ川」と言えば通常これを指す。
ドイツ側は[[ザクセン州]]と[[ブランデンブルク州]]、ポーランド側は[[ドルヌィ・シロンスク県]]および[[ルブシュ県]]の間の国境沿いを北に流れる。途中の街には、[[ツィッタウ]](ドイツ)、[[ゲルリッツ]]/[[ズゴジェレツ]](ドイツ/ポーランド)、[[ピエンスク]](ポーランド)、[[バート・ムスカウ]]/[[ウェンクニツァ]](ドイツ/ポーランド)、[[フォルスト]](ドイツ)、[[グーベン]]/[[グービン]](ドイツ/ポーランド)などがあり、ゲルリッツなどのように第二次世界大戦後に街が両国に二分された都市も多い。


==地理==
グービンと[[アイゼンヒュッテンシュタット]]の間でオーデル川と合流する。全長252kmで、うち54kmはチェコ領内、198kmはポーランド・ドイツ国境を流れる。
ラウジッツのナイセ川は[[チェコ]]北端の{{仮リンク|イゼラ山脈|en|Jizera Mountains}}に発し、山脈内の[[ヤブロネツ・ナド・ニソウ]]、[[リベレツ]]を経てドイツとチェコの国境を1kmほど流れ、ドイツとポーランドの国境へ入る。

ドイツ側は[[ザクセン州]]と[[ブランデンブルク州]]、ポーランド側は[[ドルヌィ・シロンスク県]]および[[ルブシュ県]]の間の国境沿いを北に流れる。途中の街には、[[ツィッタウ]](ドイツ)、[[ゲルリッツ]]/[[ズゴジェレツ]](ドイツ/ポーランド)、{{仮リンク|ピエンスク|en|Pieńsk}}(ポーランド)、{{仮リンク|バート・ムスカウ|en| Bad Muskau}}/{{仮リンク|ウェンクニツァ|en|Łęknica}}(ドイツ/ポーランド)、{{仮リンク|フォルスト|en|Forst (Lausitz)}}(ドイツ)、{{仮リンク|グーベン|en| Guben}}/{{仮リンク|グービン|en| Gubin, Poland}}(ドイツ/ポーランド)などがあり、ゲルリッツなどのように第二次世界大戦後に街が両国に二分された都市も多い。

グービンと[[アイゼンヒュッテンシュタット]]の間でオーデル川と合流する。

全長252kmのうち54kmはチェコ領内、198kmはドイツ・ポーランド国境を流れる。


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2023年6月7日 (水) 17:32時点における最新版

ナイセ川(ニサ・ウジツカ川)
ナイセ川 2006年7月8日撮影
ナイセ川
延長 252 km
流域面積 4,297 km²
水源 チェコイゼラ山脈
河口・合流先 オーデル川
流域 チェコドイツポーランド
テンプレートを表示
源流を示す石碑
オーデル川とナイセ川の流域地図

ナイセ川(ナイセがわ、ドイツ語Neiße)は、オーデル川支流チェコ北部に源流を発し、第二次世界大戦後に設定されたドイツポーランド国境であるオーデル・ナイセ線の一部を成す。全長252km。

名称[編集]

ドイツ語では正式にはラウジッツァー・ナイセLausitzer Neiße)といい、ポーランド語ではニサ・ウジツカNysa Łużycka、ヌィサとも)、チェコ語ではルジツカー・ニサLužická Nisa)と呼ばれる。これらはいずれも「ラウジッツ地方のナイセ(ニサ)川」を意味する。

地方名が冠されているのは同じ「ニサ(ナイセ)」の名を持つ河川がほかにも存在するからである。

  • ニサ・クウォツカ(ポーランド語:Nysa Kłodzka、ドイツ語:Glatzer Neiße グラッツァー・ナイセ) - ドルヌィ・シロンスク県(下シレジア)南端のクウォツコ(Kłodzko、かつてのグラッツ Glatz)からニサ(ナイセ)の町を経て195kmにわたり下シレジアを流れオーデル川に入る。
  • ニサ・シャロナ(ポーランド語:Nysa Szalona、ドイツ語:Wütende Neiße ヴューテンデ・ナイセ) - 下シレジアを流れ カチャヴァ川(Kaczawa、かつてのカッツバッハ川 Katzbach)を経てオーデル川に入る。全長51km。

さらにこれらの河川の支流にも「ニサ」の名を持つものがある。しかしラウジッツのナイセ川が同名の河川の中で最も長く、国境の川としても有名であることから、単に「ナイセ川」と言えば通常これを指す。

地理[編集]

ラウジッツのナイセ川はチェコ北端のイゼラ山脈英語版に発し、山脈内のヤブロネツ・ナド・ニソウリベレツを経てドイツとチェコの国境を1kmほど流れ、ドイツとポーランドの国境へ入る。

ドイツ側はザクセン州ブランデンブルク州、ポーランド側はドルヌィ・シロンスク県およびルブシュ県の間の国境沿いを北に流れる。途中の街には、ツィッタウ(ドイツ)、ゲルリッツ/ズゴジェレツ(ドイツ/ポーランド)、ピエンスク英語版(ポーランド)、バート・ムスカウ英語版/ウェンクニツァ英語版(ドイツ/ポーランド)、フォルスト英語版(ドイツ)、グーベン英語版/グービン英語版(ドイツ/ポーランド)などがあり、ゲルリッツなどのように第二次世界大戦後に街が両国に二分された都市も多い。

グービンとアイゼンヒュッテンシュタットの間でオーデル川と合流する。

全長252kmのうち54kmはチェコ領内、198kmはドイツ・ポーランド国境を流れる。