コンテンツにスキップ

「チンカピングリ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
履歴の双方向閲覧
← 古い編集
削除された内容 追加された内容
ビジュアルウィキテキスト
en:Castanea pumila 2014-12-30 10:41:55‎ より「成長」「生態」など追記
m 曖昧さ回避ページ藪へのリンクを解消、リンクを除去(DisamAssist使用)
 
(4人の利用者による、間の5版が非表示)
30行目: 30行目:
}}
}}
'''チンカピングリ'''（学名 : ''Castanea pumila'' (L.) Mill. ）は[[米国]]東部原産のブナ科の樹木。クリの一種で高さ2-8 mになり[[果実]]は直径2-3 cmで[[食用]]となる。[[アメリカグリ]]とは同所に分布しているがチンカピングリは片面が平坦ではなく丸いため区別できる。
'''チンカピングリ'''（学名 : ''Castanea pumila'' (L.) Mill. ）は[[米国]]東部原産のブナ科の樹木。クリの一種で高さ2-8 mになり[[果実]]は直径2-3 cmで[[食用]]となる。[[アメリカグリ]]とは同所に分布しているがチンカピングリは片面が平坦ではなく丸いため区別できる。
[[アメリカ合衆国]][[固有種]]で花は5月～6月に咲く。標高1000mまでの[[森林]]や[[藪]]、[[荒れ地]]に自生する。[[アラバマ州]]、[[アーカンソー州]]、[[デラウェア州]]、[[フロリダ州]]、[[ジョージア州]]、[[インディアナ州]]、[[ケンタッキー州]]、[[ルイジアナ州]]、[[メリーランド州]]、[[マサチューセッツ州]]、[[ミシシッピ州]]、[[ミズーリ州]]、[[ニュージャージー州]]、[[ニューヨーク州]]、[[ノースカロライナ州]]、[[サウスカロライナ州]]、[[オハイオ州]]、[[オクラホマ州]]、[[ペンシルバニア州]]、[[テネシー州]]、[[テキサス州]]、[[バージニア州]]の各州及び、[[ワシントンD.C.]]に分布する。
[[アメリカ合衆国]][[固有種]]で花は5月～6月に咲く。標高1000mまでの[[森林]]や藪、[[荒れ地]]に自生する。[[アラバマ州]]、[[アーカンソー州]]、[[デラウェア州]]、[[フロリダ州]]、[[ジョージア州]]、[[インディアナ州]]、[[ケンタッキー州]]、[[ルイジアナ州]]、[[メリーランド州]]、[[マサチューセッツ州]]、[[ミシシッピ州]]、[[ミズーリ州]]、[[ニュージャージー州]]、[[ニューヨーク州]]、[[ノースカロライナ州]]、[[サウスカロライナ州]]、[[オハイオ州]]、[[オクラホマ州]]、[[ペンシルバニア州]]、[[テネシー州]]、[[テキサス州]]、[[バージニア州]]の各州及び、[[ワシントンD.C.]]に分布する。


== 成長 ==
== 成長 ==
36行目: 36行目:


== 生態 ==
== 生態 ==
チンカピングリは[[アメリカグリ]]と生域地が重なっている。チンカピングの果実は、アメリカグリより小さく（アメリカグリの半分の大きさ）、アメリカグリのように平たくない（アメリカグリは、一面が平たい）ことから区別することができる。チンカピングリの葉は、アメリカグリよりも小さく、はっきりした鋸歯がない。チンカピングリは、アメリカグリに深刻な被害をもたらした[[クリ胴枯病]]の影響を受けにくい。チンカピングリもある程度被害を受けるが、吸枝を発生させ、それに実を着ける。しかし、チンカピングリは、非常に脆弱であり、深刻な病気にかかった樹木の報告が数多くある。
チンカピングリは[[アメリカグリ]]と生域地が重なっている。チンカピングリの果実は、アメリカグリより小さく（アメリカグリの半分の大きさ）、アメリカグリのように平たくない（アメリカグリは、一面が平たい）ことから区別することができる。チンカピングリの葉は、アメリカグリよりも小さく、はっきりした鋸歯がない。チンカピングリは、アメリカグリに深刻な被害をもたらした[[クリ胴枯病]]の影響を受けにくい。チンカピングリもある程度被害を受けるが、吸枝を発生させ、それに実を着ける。しかし、チンカピングリは、非常に脆弱であり、深刻な病気にかかった樹木の報告が数多くある。


== 利用 ==
== 利用 ==
1612年、[[ジェームズタウン (バージニア州)|ジェームスタウン]]の[[ジョン・スミス]]は、初めてチンカピングリを記録した。[[アメリカ州の先住民族|アメリカ先住民]]は頭痛や発熱の軽減にチンカピングリの葉を煎じていた。チンカピングリの樹皮、葉、木材、殻含む種子にはタンニンが含まれている。木材は硬くて耐久性があり、[[フェンス]]と[[燃料]]に使用されている。しかし、樹木自体が小さすぎるため、木材は商業的に重要視されなかった。
1612年、[[ジェームズタウン (バージニア州)|ジェームスタウン]]の[[ジョン・スミス (探検家)|ジョン・スミス]]は、初めてチンカピングリを記録した。[[アメリカ州の先住民族|アメリカ先住民]]は頭痛や発熱の軽減にチンカピングリの葉を煎じていた。チンカピングリの樹皮、葉、木材、殻含む種子にはタンニンが含まれている。木材は硬くて耐久性があり、[[フェンス]]と[[燃料]]に使用されている。しかし、樹木自体が小さすぎるため、木材は商業的に重要視されなかった。


チンカピングリは、野生動物を誘致する目的で緑化に使用されている。樹木の基部を地面近くで切断した場合、複数の枝が発生する。そして、葉をシカの、果実はリスやウサギのエサとしている<ref>{{cite web|title=Wildlife Gardening: Chinquapin Tree |url=http://www.preppergarden.biz/Chinquapin-Bush-for-Preppers-p/nut-chinquapin.htm|publisher=Prepper Gardens|accessdate=2015-08-22}}</ref>。
チンカピングリは、野生動物を誘致する目的で緑化に使用されている。樹木の基部を地面近くで切断した場合、複数の枝が発生する。そして、葉をシカの、果実はリスやウサギのエサとしている<ref>{{cite web|title=Wildlife Gardening: Chinquapin Tree |url=http://www.preppergarden.biz/Chinquapin-Bush-for-Preppers-p/nut-chinquapin.htm|publisher=Prepper Gardens|accessdate=2015-08-22}}</ref>。
60行目: 60行目:


== 外部リンク==
== 外部リンク==
*[http://www.cnr.vt.edu/dendro/dendrology/syllabus/factsheet.cfm?ID=24 VT Dendrology] – includes pictures of leaves, flowers, and fruit
*[https://web.archive.org/web/20060430073158/http://www.cnr.vt.edu/dendro/dendrology/syllabus/factsheet.cfm?ID=24 VT Dendrology] – includes pictures of leaves, flowers, and fruit
*[http://www.preppergarden.biz/Chinquapin-Bush-for-Preppers-p/nut-chinquapin.htm Wildlife Gardening: Chinquapin Trees] - includes recipes
*[http://www.preppergarden.biz/Chinquapin-Bush-for-Preppers-p/nut-chinquapin.htm Wildlife Gardening: Chinquapin Trees] - includes recipes


66行目: 66行目:
{{DEFAULTSORT:ちんかひんくり}}
{{DEFAULTSORT:ちんかひんくり}}
[[Category:ブナ科]]
[[Category:ブナ科]]
[[Category:栗]]

2023年6月24日 (土) 15:52時点における最新版

チンカピングリ
チンカピングリ
分類（APG III）
界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
目 : ブナ目 Fagales
科 : ブナ科 Fagaceae
属 : クリ属 Castanea
種 : チンカピングリ C. pumila
学名
Castanea pumila (L.) Mill. [1]
シノニム

Castanea alnifolia Nutt.
Castanea alnifolia var. floridana Sarg.
Castanea floridana (Sarg.) Ashe
Castanea pumila var. ashei Sudw.
Fagus pumila L.

和名
チンカピングリ
英名
Allegheny Chinkapin
チンカピングリの自生地

チンカピングリ（学名 : Castanea pumila (L.) Mill. ）は米国東部原産のブナ科の樹木。クリの一種で高さ2-8 mになり果実は直径2-3 cmで食用となる。アメリカグリとは同所に分布しているがチンカピングリは片面が平坦ではなく丸いため区別できる。 アメリカ合衆国固有種で花は5月～6月に咲く。標高1000mまでの森林や藪、荒れ地に自生する。アラバマ州、アーカンソー州、デラウェア州、フロリダ州、ジョージア州、インディアナ州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、オハイオ州、オクラホマ州、ペンシルバニア州、テネシー州、テキサス州、バージニア州の各州及び、ワシントンD.C.に分布する。

成長

[編集]

低木であり、成木なると、2-8mの高さに達する。樹皮は赤または灰褐色で、うろこ状に縦に溝が生じる。葉は、楕円形または披針形であり、上面は黄緑色で、下面は青白い細毛がある。葉は長さ7.5 - 15cm、幅3 - 5cmで、平行脈がありその先端は短い尖った鋸歯となっている。花は雌雄同株で、初夏に開花する。雄花は小さく淡い白黄色の尾状花序の花を各葉の基部に着ける。雌花は3ミリメートルの長さで、雄花の基部に着ける。多くの鋭い棘を持つ直径2-3 cmの黄金色の殻斗果（いが）を着け、秋に成熟する。各殻斗果には卵形の光沢のある暗茶色の種子（どんぐり）が1つあり、それは食用になる。

生態

[編集]

チンカピングリはアメリカグリと生域地が重なっている。チンカピングリの果実は、アメリカグリより小さく（アメリカグリの半分の大きさ）、アメリカグリのように平たくない（アメリカグリは、一面が平たい）ことから区別することができる。チンカピングリの葉は、アメリカグリよりも小さく、はっきりした鋸歯がない。チンカピングリは、アメリカグリに深刻な被害をもたらしたクリ胴枯病の影響を受けにくい。チンカピングリもある程度被害を受けるが、吸枝を発生させ、それに実を着ける。しかし、チンカピングリは、非常に脆弱であり、深刻な病気にかかった樹木の報告が数多くある。

利用

[編集]

1612年、ジェームスタウンのジョン・スミスは、初めてチンカピングリを記録した。アメリカ先住民は頭痛や発熱の軽減にチンカピングリの葉を煎じていた。チンカピングリの樹皮、葉、木材、殻含む種子にはタンニンが含まれている。木材は硬くて耐久性があり、フェンスと燃料に使用されている。しかし、樹木自体が小さすぎるため、木材は商業的に重要視されなかった。

チンカピングリは、野生動物を誘致する目的で緑化に使用されている。樹木の基部を地面近くで切断した場合、複数の枝が発生する。そして、葉をシカの、果実はリスやウサギのエサとしている[2]。

画像

[編集]
  • 花
    花
  • 種子
    種子

脚注

[編集]
  1. ^ Castanea pumila Tropicos
  2. ^ “Wildlife Gardening: Chinquapin Tree”. Prepper Gardens. 2015年8月22日閲覧。

参照

[編集]

外部リンク

[編集]
ウィキメディア・コモンズには、チンカピングリに関連するカテゴリがあります。
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=チンカピングリ&oldid=95751633」から取得