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{{出典の明記|date=2019年1月2日 (水) 08:30 (UTC)}}
'''四国山地'''(しこくさんち)は、[[四国]]の中央部を東西に貫く[[山地]]。[[中央構造線]]の南に千数百メートル級の急峻な山々が連なり、様々な様相をなしている。'''四国山脈'''ともいう。
{{山系
|名称 =四国山地
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|画像キャプション = 笹ヶ峰から見た四国山地西部(2010年11月撮影)
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| 緯度度 = 33 | 緯度分 = 46 | 緯度秒 = 3
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|最高峰 = [[石鎚山]]
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[[File:Tsurugi Mountains.jpg|thumb|right|300px|[[次郎笈]]から望む四国山地東部の山々]]
'''四国山地'''(しこくさんち)は、[[四国]]の中央部を東西に貫く[[山地]]。[[中央構造線]]の南に千数百メートル級の急峻な山々が連なっている。'''四国山脈'''(しこくさんみゃく)とも呼ばれる。


範囲は、中央構造線より南側の四国全域に亘る<ref>『コンサイス地名事典』 三省堂、1998年</ref>。[[西南日本]]内帯に属する[[讃岐山脈]]や[[高縄半島|高縄山地]]は通常、四国山地に含めない。
山地を境として南部は多雨の[[太平洋型気候]]で毎年台風等による水害が多発しており、北部は少雨の[[瀬戸内海式気候|瀬戸内型気候]]で南部とは逆に水不足に悩まされている地域が多いが、[[愛媛県]][[新居浜市]]や[[西条市]]など特に高い山々を背にする都市ではその高さ故に保水力が高く、地下水に恵まれている。


== 概要 ==
南国にありながら、冬は[[関門海峡]]を抜けた寒気が四国山地にぶつかるために雪が多く、スキー場も多い。山中あるいは山際の道路は凍結しやすく自動車は度々チェーンの着用が必要となる。
{{出典の明記|date=2022年10月|section=1}}
{{File clip|Geofeatures map of Shikoku Japan ja.svg|width=300|22|1|2|1|w=1246|h=960|四国山地周辺の地形図|align=right}}


[[西日本]]、そして[[愛媛県]]の最高峰である[[石鎚山]](1982m)や、[[徳島県]]の最高峰である[[剣山]](1955m)など2000m級の山を多く有している。山地を境として、南部は高温多雨の[[太平洋側気候]]で毎年[[台風]]等による水害が多発しており、北部は少雨の[[瀬戸内海式気候|瀬戸内型気候]]で南部とは逆に水不足に悩まされている地域が多いが、愛媛県の[[新居浜市]]や[[西条市]]など特に高い山々を背にする都市では、その高さ故に保水力が高く地下水に恵まれている。
険しい山々が荘厳で神々しいことから古代より[[山岳修行]]が盛んであり、西日本最高峰の[[石鎚山]]や[[剣山 (徳島県)|剣山]]などはその代表格である。さらには[[弘法大師]]ゆかりの[[四国八十八箇所]][[遍路]]により全山あるいは四国全域が霊場といっても過言ではない。


南国にありながら、四国山地の冬は[[本州]]の[[中国山地]]や[[吉備高原]]を超えたり[[関門海峡]]を抜けたりした寒気が[[瀬戸内海]]の水蒸気を凍らせて四国山地にぶつかるために雪が多く、スキー場も多い。山中あるいは山際の道路は凍結しやすく、自動車は度々チェーンの着用が必要となる。
[[Category:日本の山地|しこくさんち]]

[[Category:四国地方|しこくさんち]]
地質的には西南日本外帯に属し、北側から[[三波川変成帯]]、[[秩父帯]]、[[四万十帯]]が東北東 - 西南西方向に分布する。[[吉野川 (代表的なトピック)|吉野川]]中流の[[大歩危]]からその支流の[[穴内川ダム|穴内川]]、すなわち[[土讃線]]および[[国道32号]]沿いにより東部と西部に分けられ、西部のうち[[石鎚山脈]]、および東部のうち[[剣山地]]は[[西日本]]屈指の高峰が集中する。石鎚山脈北側は中央構造線を境として[[道前平野]]や[[新居浜平野]]へ落ち込み、東西約50kmに亘る石鎚断層崖が続く<ref name="kadokawa">『[[角川日本地名大辞典]]』 角川書店、1981年</ref>。
[[Category:徳島県|しこくさんち]]

[[Category:香川県|しこくさんち]]
標高およそ1,700m以上は主に[[シラビソ|シコクシラベ]]や[[ダケカンバ]]からなる[[亜高山帯針葉樹林]]、その下部の800mから1,700m付近は[[ブナ]]などの[[落葉広葉樹林]]に覆われるが、[[スギ]]や[[ヒノキ]]などの[[人工林]]も多く見られる。[[石鎚山]]および[[二ッ岳]]などは険しい岩峰であるが、[[瓶ヶ森]]、[[笹ヶ峰]]、[[三嶺]]および[[剣山]]などは山頂部が[[ササ]]に覆われ、[[隆起準平原]]の様相を呈する。
[[Category:愛媛県|しこくさんち]]

[[Category:高知県|しこくさんち]]
古代より[[修験道|山岳修行]]が盛んであり、石鎚山や剣山などはその代表格である。さらには[[空海|弘法大師]]ゆかりの[[四国八十八箇所]][[遍路]]により、山地各所に多くの寺社が存在する。

== 主な山 ==
{{Div col|cols=2}}
=== 西部の主な山 ===
*[[石鎚山]](1982m)- 西日本最高峰、[[日本百名山]]
*[[二ノ森]](1930m)
*[[瓶ヶ森]](1896m)- [[日本三百名山]]
*[[西黒森]](1861m)
*[[筒上山]](1860m)
*[[笹ヶ峰]](1859m)- [[日本二百名山]]
*[[ちち山]](1855m)
*[[手箱山]](1806m)
*[[寒風山]](1763m)
*[[伊予富士]](1756m)- 日本三百名山
*[[岩黒山]](1746m)
*[[東赤石山]](1706m)- 日本二百名山
*[[平家平 (高知県・愛媛県)|平家平]](1693m)
*[[堂ヶ森]](1689m)
*[[二ッ岳]](1647m)
*[[西赤石山]](1626m)
*[[大座礼山]](1588m)
*[[中津明神山]](1541m)
*[[稲叢山]](1506m)- [[新日本百名山]]
*[[赤星山]](1453m)
*[[石墨山]](1456m)
*[[雨ヶ森]](1390m)
*[[皿ヶ嶺]](1271m)
*[[工石山]](1177m)
*[[陣ヶ森]](1013m)
*[[壺神山]](971m)
*[[障子山]](885m)

=== 東部の主な山 ===
*[[剣山]](1955m)- 日本百名山
*[[次郎笈]](1930m)
*[[三嶺]](1894m)- 日本二百名山
*[[一ノ森]](1880m)
*[[矢筈山]](1849m)
*[[西熊山]](1816m)
*[[天狗塚]](1812m)
*[[白髪山 (高知県香美市)|白髪山]](1770m)
*[[高ノ瀬]](1740m)
*[[塔丸]](1713m)
*[[丸笹山]](1712m)- [[花の百名山]]
*[[石立山]](1708m)
*[[黒笠山]](1703m)
*[[丸石]](1684m)
*[[烏帽子山 (徳島県)|烏帽子山]](1670m)
*[[天神丸]](1631m)
*[[高城山 (徳島県)|高城山]](1628m)
*[[土佐矢筈山]](1606m)
*[[権田山]](1606m)
*[[寒峰]](1605m)
*[[平家平 (徳島県)|平家平]](1604m)
*[[奥工石山]](1516m)
*[[雲早山]](1496m)
*[[白髪山 (高知県本山町)|白髪山]](1469m)
*[[奥神賀山]](1443m)
*[[高丸山 (上勝町・那賀町)|高丸山]](1439m)
*[[佐々連尾山]](1404m)
*[[梶ヶ森]](1400m)
*[[湯桶丸]](1372m)
*[[高根山 (徳島県)|高根山]](1312m)
*[[正善山]](1230m)
*[[御在所山]](1079m)
*[[旭ヶ丸]](1020m)
*[[中津峰山]](773m)
{{Div col end}}

=== その他 ===
*[[三本杭]](1226m)- 日本三百名山
*[[篠山 (高知県・愛媛県)|篠山]](1065m)- 日本三百名山
*[[飯野山]](422m)- 新日本百名山
*[[天狗高原]](1484m)- 花の百名山
*[[横倉山]](793m)- 花の百名山
*別子銅山越(1294m)- [[新・花の百名山]]

== ギャラリー ==
<gallery>
File:20050825ishizuchi.JPG|石鎚山天狗岳
File:Mt.Tsutsujosan.jpg|手箱山と筒上山
File:Mt.Kamegamori2.jpg|瓶ヶ森
File:Mt.Sasagamine2.jpg|笹ヶ峰とちち山
File:Miune.jpg|三嶺
File:Mt.Jirogyu.jpg|次郎笈
File:Mt.Tsurugisan.jpg|剣山
File:Mt.Yahadzusan.jpg|矢筈山
</gallery>

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[四国百名山]]
* [[紀伊山地]]
* [[中国山地]]
* [[九州山地]]

{{日本の山脈と山地}}
{{Japan-geo-stub}}
{{DEFAULTSORT:しこくさんち}}
[[Category:日本の山地]]
[[Category:徳島県の地形]]
[[Category:愛媛県の地形]]
[[Category:高知県の地形]]
[[Category:四国地方の地形]]

2023年7月30日 (日) 23:05時点における最新版

四国山地
笹ヶ峰から望む四国山地西部の山々
笹ヶ峰から見た四国山地西部(2010年11月撮影)
所在地 日本の旗 日本 徳島県愛媛県高知県
位置
四国山地の位置(日本内)
四国山地
北緯33度46分3秒 東経133度6分54秒 / 北緯33.76750度 東経133.11500度 / 33.76750; 133.11500座標: 北緯33度46分3秒 東経133度6分54秒 / 北緯33.76750度 東経133.11500度 / 33.76750; 133.11500
最高峰 石鎚山(1,982 m
プロジェクト 山
テンプレートを表示
次郎笈から望む四国山地東部の山々

四国山地(しこくさんち)は、四国の中央部を東西に貫く山地中央構造線の南に千数百メートル級の急峻な山々が連なっている。四国山脈(しこくさんみゃく)とも呼ばれる。

範囲は、中央構造線より南側の四国全域に亘る[1]西南日本内帯に属する讃岐山脈高縄山地は通常、四国山地に含めない。

概要

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四国山地周辺の地形図
拡大
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Clip
四国山地周辺の地形図

西日本、そして愛媛県の最高峰である石鎚山(1982m)や、徳島県の最高峰である剣山(1955m)など2000m級の山を多く有している。山地を境として、南部は高温多雨の太平洋側気候で毎年台風等による水害が多発しており、北部は少雨の瀬戸内型気候で南部とは逆に水不足に悩まされている地域が多いが、愛媛県の新居浜市西条市など特に高い山々を背にする都市では、その高さ故に保水力が高く地下水に恵まれている。

南国にありながら、四国山地の冬は本州中国山地吉備高原を超えたり関門海峡を抜けたりした寒気が瀬戸内海の水蒸気を凍らせて四国山地にぶつかるために雪が多く、スキー場も多い。山中あるいは山際の道路は凍結しやすく、自動車は度々チェーンの着用が必要となる。

地質的には西南日本外帯に属し、北側から三波川変成帯秩父帯四万十帯が東北東 - 西南西方向に分布する。吉野川中流の大歩危からその支流の穴内川、すなわち土讃線および国道32号沿いにより東部と西部に分けられ、西部のうち石鎚山脈、および東部のうち剣山地西日本屈指の高峰が集中する。石鎚山脈北側は中央構造線を境として道前平野新居浜平野へ落ち込み、東西約50kmに亘る石鎚断層崖が続く[2]

標高およそ1,700m以上は主にシコクシラベダケカンバからなる亜高山帯針葉樹林、その下部の800mから1,700m付近はブナなどの落葉広葉樹林に覆われるが、スギヒノキなどの人工林も多く見られる。石鎚山および二ッ岳などは険しい岩峰であるが、瓶ヶ森笹ヶ峰三嶺および剣山などは山頂部がササに覆われ、隆起準平原の様相を呈する。

古代より山岳修行が盛んであり、石鎚山や剣山などはその代表格である。さらには弘法大師ゆかりの四国八十八箇所遍路により、山地各所に多くの寺社が存在する。

主な山

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西部の主な山

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東部の主な山

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その他

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ギャラリー

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脚注

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  1. ^ 『コンサイス地名事典』 三省堂、1998年
  2. ^ 角川日本地名大辞典』 角川書店、1981年

関連項目

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