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{{レーシングカー
[[画像:Damon Hill 1997 Arrows.jpg|300px|thumb|[[デイモン・ヒル]]が[[イギグランプリ|イギGP]]でドライブするA18]]
| マシン名 = アロウズ・A18
[[画像:Pedro Diniz 1997.jpg|300px|thumb|[[ペドロ・ディニス]]が[[イギリスグランプリ|イギリスGP]]でドライブするA18]]
| 画像 = Damon Hill 1997 Arrows Yamaha Hungary.jpg
'''アロウズA18'''は、[[アロウズ]]が[[1997年のF1世界選手権]]参戦用に開発した[[フォーミュラカー]]で、[[フランク・ダーニー]]が設計、[[ジョン・バーナード]]が改良した。[[1997年]]の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。
| 画像説明 = {{smaller|[[デイモン・ヒル]]が[[1997年ハンガグランプリ|ハンガGP]]でドライブするA18}}
| カテゴリー = [[フォーミュラ1|F1]]
| コンストラクター = [[アロウズ]]
| デザイナー = [[フランク・ダーニー]]<br /><small>(Technical Director)</small><br />[[ポール・ボーエン]]<br /><small>(Chief Designer)</small><br />[[サイモン・ジェニングス]]<br /><small>(Head of Aerodynamics)</small>
|先代 = [[フットワーク・FA17]]
|後継 = [[アロウズ・A19]]
| チーム = [[アロウズ|ダンカ・アロウズ・ヤマハ]]
| ドライバー = 1. [[デイモン・ヒル]]<br />2. [[ペドロ・ディニス]]
| シャシー = [[炭素繊維|カーボンファイバー]] ハニカム コンポジット
| サスペンション(前) = [[ダブルウィッシュボーン式サスペンション|ダブルウィッシュボーン]], プッシュロッド
| サスペンション(後) = [[ダブルウィッシュボーン式サスペンション|ダブルウィッシュボーン]], プッシュロッド
| エンジン = [[ヤマハ発動機|ヤマハ]] 0X11A/C, OX11A/D 72度 [[V型10気筒|V10]]
| ギアボックス = [[アロウズ]]/[[Xtrac]]製 6速 縦置き [[セミオートマチックトランスミッション|セミAT]]
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'''アロウズ・A18''' ('''Arrows A18''') は、[[アロウズ]]が[[1997年のF1世界選手権]]参戦用に開発した[[フォーミュラ1カー]]で、[[フランク・ダーニー]]が設計、[[ジョン・バーナード]]が改良した。[[1997年]]の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。


== A18 ==
== A18 ==
[[ファイル:Damon Hill 1997 Arrows.jpg|thumb|right|240px|ヒルがイギリスGPでドライブするA18]]
シャーシ名からフットワークの名前が消え、形式名も1991年以来FAからAに戻った。FA17からはタイヤ([[グッドイヤー]]→[[ブリヂストン]])とエンジン([[ハート (F1)|ハート]]→[[ヤマハ発動機|ヤマハ]])が変更された。
[[トム・ウォキンョー]]の買収により、コンストラクターフットワークから再びアロウズに変更。型式名も1991年([[アロウズ・A11|FA11C]])以来続いていたFAからAに戻った。FA17からはタイヤ([[グッドイヤー]]→[[ブリヂストン]])とエンジン([[ブライアン・ハート (企業)|ハート]]→[[ヤマハ発動機|ヤマハ]])が変更された。


1996年に[[リジェ]]から加入したフランク・ダーニーが設計。しかし信頼性がまったく、第5戦[[モナコグランプリ|モナコGP]]でダーニーに変わって[[スクーデリア・フェラーリ|フェラーリ]]からバーナードが加するまででは完走は1回ずつの計2回しかなかった。バーナードが最初に行った事は、パーツの強度上げ信頼性の向上だった。
1996年に[[リジェ]]から加入したダーニーが設計。しかし信頼性が致命的レベルで欠如しておりウォーキンショーとの意見の食い違いからダーニーは序盤でチームを離脱。第5戦[[モナコグランプリ|モナコGP]]で[[スクーデリア・フェラーリ|フェラーリ]]からバーナードが加するまででは完走は1回ずつの計2回しかなかった。バーナードが最初に行った事は、パーツの強度上げによる信頼性の向上だった。


ベースとなったマシンが信頼性に致命的な問題を抱えていたため、それの解消とともに様々な改良が施された。[[ブラジルグランプリ|ブラジルGP]]からエアボックスを[[ウィリアムズF1|ウィリアムズ]]FW18の様に若干前方に突き出した形状に改修した。[[ドイツグランプリ|ドイツGP]]にはレスダウンフォースに対応した新型のフロントウイングを投入、フラップがフルサイズから左右分離型になった。[[ハンガリーグランプリ|ハンガリーGP]]ではハイダウンフォースに対応した、リヤウイングの前方にウイングが追加された。
信頼性向上策とともに様々な改良が施された。[[ブラジルグランプリ|ブラジルGP]]からエアボックスを[[ウィリアムズF1|ウィリアムズ]][[ウィリアムズ・FW18|FW18]]の様に若干前方に突き出した形状に改修した。[[ドイツグランプリ|ドイツGP]]にはレスダウンフォースに対応した新型のフロントウイングを投入、フラップがフルサイズから左右分離型になった。[[ハンガリーグランプリ|ハンガリーGP]]ではハイダウンフォースに対応した、リヤウイングの前方にウイングが追加された。


エンジンは、開幕戦にはCスペックが投入されたが、第4戦[[サンマリノグランプリ|サンマリノGP]]以降は各部を見直したDスペックエンジンが搭載された。
エンジンは、開幕戦にはCスペックが投入されたが、第4戦[[サンマリノグランプリ|サンマリノGP]]以降は各部を見直したDスペックエンジンが搭載された。

ヒルは「A18は、基本的なバランスは優れていて、ヤマハエンジンも超軽量、ブリヂストンタイヤを履かせたら文句なしのセットアップが決まる可能性があり、(エンジンパワーがさほど重要ではない)ハンガロリンクでピッタリまとまった」と、ハンガリーでの快走の要因を分析している<ref>GP CAR Story Vol.23 アロウズ・A18 ”理想的な贈り物”の代償。 三栄書房 P47。 2018年6月27日閲覧。</ref>。


== 1997年シーズン ==
== 1997年シーズン ==
[[1996年のF1世界選手権|1996年]][[F1ドライバーズチャンピオンの一覧|F1ワールドチャンピオン]]の[[デイモン・ヒル]]を向かえ、カーナンバー1を初めてつけたアロウズ陣営。しかし、ダーニーが設計したA18とヤマハV10エンジンは信頼性が低く、ヒルは開幕戦の[[オーストラリアグランプリ|オーストラリアGP]]ではあわや予選落ちの危機に立たされ、決勝ではフォーメーションラップ中のマシントラブルでリタイアとなった。[[ペドロ・ディニス]]は開幕戦は完走するも、その後5戦連続リタイヤを喫してしまう。
[[1996年のF1世界選手権|1996年]][[F1ドライバーズチャンピオンの一覧|F1ワールドチャンピオン]]の[[デイモン・ヒル]]をえ、チームとしては未だ優勝経験がないながらカーナンバー1を初めてつけたアロウズ陣営。しかし、ダーニーが設計したA18とヤマハV10エンジンは信頼性が低く、ヒルは開幕戦の[[オーストラリアグランプリ|オーストラリアGP]]ではあわや予選落ちの危機に立たされ、決勝ではフォーメーションラップ中のマシントラブルでリタイアとなった。[[ペドロ・ディニス]]は開幕戦は完走するも、その後5戦連続リタイヤを喫してしまう。


第6戦モナコGP中の5月10日付けでフェラーリから移籍したジョン・バーナードがテクニカル・ディレクターに就任し、テストの方向性を決めてから、A18の信頼性もあがっていた。ヒルも第7戦カナダGPでチームメイトのディニスと共に完走してから、第9戦イギリスGPで6位入賞と初ポイントを獲得した。しかしディニスは4戦連続リタイヤとるなど信頼性に関しては不安を抱いたままとなった。
第6戦モナコGP中の5月10日付けでフェラーリから移籍した[[ジョン・バーナード]]がテクニカル・ディレクターに就任し、テストの方向性を決めてから、A18の信頼性もあがっていた。ヒルも第7戦カナダGPでチームメイトのディニスと共に完走してから、第9戦イギリスGPで6位入賞と初ポイントを獲得した。しかしディニスは4戦連続リタイヤとるなど信頼性に関しては不安を抱いたままとなった。


第11戦ハンガリーGPではヒルが予選3位を獲得。決勝ではブリヂストンタイヤの性能を生かし、序盤でグレイニングが発生したグッドイヤータイヤに苦しむ[[ミハエル・シューマッハ]]をパスし、そのままトップを快走。あわ優勝という所まで行ったが、レース終盤にギヤボックストラブルで失速し、ファイナルラップでジャック・ヴィルヌーヴに抜かれ、惜しくも優勝は逃した。このレースで記録した2位がシーズン最高位となった。
第11戦ハンガリーGPではヒルが予選3位を獲得。決勝ではブリヂストンタイヤの性能を生かし、序盤で[[ブリスター]]が発生したグッドイヤータイヤに苦しむ[[ミハエル・シューマッハ]]をパスし、そのままトップを快走。あわよくば優勝という所まで行ったが、レース終盤にギヤボックストラブルで失速し、ファイナルラップで[[ジャック・ヴィルヌーヴ]]に抜かれ、惜しくも優勝は逃した。このレースで記録した2位がシーズン最高位となった。2位入賞はアロウズとしては[[1985年サンマリノグランプリ|1985年サンマリノGP]]での[[ティエリー・ブーツェン]]以来12年ぶりで、結果的にこれが最後の表彰台にもなった。


第15戦[[ルクセンブルグランプリ|ルクセンブルGP]]でついにディニスが1997年の初めてにして最後の入賞を獲得。
第15戦[[ルクセンブルグランプリ|ルクセンブルGP]]でついにディニスが1997年の初めてにして最後の入賞を獲得。


最終戦[[ヨーロッパグランプリ|ヨーロッパGP]]では、ヒルがトップと0.058秒差の予選4位に入った。ヒルは「前を走っていた[[片山右京]]がスピンをしなければ[[ポールポジション]]を取れた」と語っていた。しかし、決勝ではスタートで順位を落としてまい、最終的に途中リタイヤとなってしまった。
最終戦[[ヨーロッパグランプリ|ヨーロッパGP]]では、ヒルがトップと0.058秒差の予選4位に入った。ヒルは「前を走っていた[[片山右京]]がスピンをしなければ[[ポールポジション]]を取れた」と語っていた。しかし、決勝ではスタートで順位を落としてまい、最終的に途中リタイヤとなってしまった。


== スペック ==
== スペック ==
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=== エンジン ===
=== エンジン ===
[[File:Yamaha OX11A engine rear.jpg|thumb|right|[[ヤマハ発動機|ヤマハ]] OX11A]]
* エンジン名 [[ヤマハ発動機|ヤマハ]][[ヤマハ・OX11A|OX11A]]
* エンジン名 [[ヤマハ発動機|ヤマハ]][[ヤマハ・OX11A|OX11A]]
* 全長 575mm
* 全長 575mm
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== 記録 ==
== 記録 ==
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* コンストラクターズランキング8位。
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== 脚注 ==
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2023年8月30日 (水) 22:08時点における最新版

アロウズ・A18
デイモン・ヒルがハンガリーGPでドライブするA18
デイモン・ヒルハンガリーGPでドライブするA18
カテゴリー F1
コンストラクター アロウズ
デザイナー フランク・ダーニー
(Technical Director)
ポール・ボーエン
(Chief Designer)
サイモン・ジェニングス
(Head of Aerodynamics)
先代 フットワーク・FA17
後継 アロウズ・A19
主要諸元
シャシー カーボンファイバー ハニカム コンポジット
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
エンジン ヤマハ 0X11A/C, OX11A/D 72度 V10
トランスミッション アロウズ/Xtrac製 6速 縦置き セミAT
燃料 ペトロサイエンス
タイヤ ブリヂストン
主要成績
チーム ダンカ・アロウズ・ヤマハ
ドライバー 1. デイモン・ヒル
2. ペドロ・ディニス
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1997年オーストラリアグランプリ
出走優勝ポールFラップ
17000
テンプレートを表示

アロウズ・A18 (Arrows A18) は、アロウズ1997年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーで、フランク・ダーニーが設計し、ジョン・バーナードが改良した。1997年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。

A18

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ヒルがイギリスGPでドライブするA18

トム・ウォーキンショーの買収により、コンストラクター名をフットワークから再びアロウズに変更。型式名も1991年(FA11C)以来続いていたFAからAに戻った。FA17からはタイヤ(グッドイヤーブリヂストン)とエンジン(ハートヤマハ)が変更された。

1996年にリジェから加入したダーニーが設計。しかし信頼性が致命的なレベルで欠如しており、ウォーキンショーとの意見の食い違いからダーニーは序盤でチームを離脱。第5戦モナコGPフェラーリからバーナードが加入するまででは完走は1回ずつの計2回しかなかった。バーナードが最初に行った事は、パーツの強度上げによる信頼性の向上だった。

信頼性向上策とともに様々な改良が施された。ブラジルGPからエアボックスをウィリアムズFW18の様に若干前方に突き出した形状に改修した。ドイツGPにはレスダウンフォースに対応した新型のフロントウイングを投入、フラップがフルサイズから左右分離型になった。ハンガリーGPではハイダウンフォースに対応した、リヤウイングの前方にウイングが追加された。

エンジンは、開幕戦にはCスペックが投入されたが、第4戦サンマリノGP以降は各部を見直したDスペックエンジンが搭載された。

ヒルは「A18は、基本的なバランスは優れていて、ヤマハエンジンも超軽量、ブリヂストンタイヤを履かせたら文句なしのセットアップが決まる可能性があり、(エンジンパワーがさほど重要ではない)ハンガロリンクでピッタリまとまった」と、ハンガリーでの快走の要因を分析している[1]

1997年シーズン

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1996年F1ワールドチャンピオンデイモン・ヒルを迎え、チームとしては未だ優勝経験がないながらカーナンバー1を初めてつけたアロウズ陣営。しかし、ダーニーが設計したA18とヤマハV10エンジンは信頼性が低く、ヒルは開幕戦のオーストラリアGPではあわや予選落ちの危機に立たされ、決勝ではフォーメーションラップ中のマシントラブルでリタイアとなった。ペドロ・ディニスは開幕戦は完走するも、その後5戦連続リタイヤを喫してしまう。

第6戦モナコGP中の5月10日付けでフェラーリから移籍したジョン・バーナードがテクニカル・ディレクターに就任し、テストの方向性を決めてから、A18の信頼性もあがっていった。ヒルも第7戦カナダGPでチームメイトのディニスと共に完走してから、第9戦イギリスGPで6位入賞と初ポイントを獲得した。しかしディニスは4戦連続リタイヤとなるなど信頼性に関しては不安を抱いたままとなった。

第11戦ハンガリーGPではヒルが予選3位を獲得。決勝ではブリヂストンタイヤの性能を生かし、序盤でブリスターが発生したグッドイヤータイヤに苦しむミハエル・シューマッハをパスし、そのままトップを快走。あわよくば優勝という所まで行ったが、レース終盤にギヤボックストラブルで失速し、ファイナルラップでジャック・ヴィルヌーヴに抜かれ、惜しくも優勝は逃した。このレースで記録した2位がシーズン最高位となった。2位入賞はアロウズとしては1985年サンマリノGPでのティエリー・ブーツェン以来12年ぶりで、結果的にこれが最後の表彰台にもなった。

第15戦ルクセンブルクGPでついにディニスが1997年の初めてにして最後の入賞を獲得。

最終戦ヨーロッパGPでは、ヒルがトップと0.058秒差の予選4位に入った。ヒルは「前を走っていた片山右京がスピンをしなければポールポジションを取れた」と語っていた。しかし、決勝ではスタートで順位を落としてしまい、最終的に途中リタイヤとなってしまった。

スペック

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シャーシ

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エンジン

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ヤマハ OX11A

記録

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No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ポイント ランキング
AUS
オーストラリアの旗
BRA
ブラジルの旗
ARG
アルゼンチンの旗
SMR
サンマリノの旗
MON
モナコの旗
ESP
スペインの旗
CAN
カナダの旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
HUN
ハンガリーの旗
BEL
ベルギーの旗
ITA
イタリアの旗
AUT
オーストリアの旗
LUX
ルクセンブルクの旗
JPN
日本の旗
EUR
欧州連合の旗
1997 1 イギリスの旗 ヒル Ret 17 Ret Ret Ret Ret 9 12 6 8 2 13 Ret 7 8 11 Ret 9 8位
2 ブラジルの旗 ディニス 10 Ret Ret Ret Ret Ret 8 Ret Ret Ret Ret 7 Ret 13 5 12 Ret

脚注

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  1. ^ GP CAR Story Vol.23 アロウズ・A18 ”理想的な贈り物”の代償。 三栄書房 P47。 2018年6月27日閲覧。