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「ミニ・リサーチ・モジュール1」の版間の差分

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[[File:Russian Orbital Segment.jpg|400px|thumb|right|国際宇宙ステーションロシア区画におけるミニ・リサーチ・モジュール1(MRM1)の位置]]
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'''ミニ・リサーチ・モジュール1'''(Mini-Research Module 1、[[ロシア語]]では『Малый исследовательский модуль, МИМ-1』と表記)は、[[国際宇宙ステーション]](International Space Station, ISS)の一区画である。「ドッキング装置兼機器搭載区画(Docking Cargo Module, DCM)」とも呼ばれ。ロシア語「Рассве́т」(ラスヴェット、『暁』の意)。MRM1の主な使用目的は物資の保管庫およびISSを訪れる[[宇宙船]]とのドッキング装置となることで、[[2010年]]5月に[[スペースシャトル]] '' [[アトランティス (オービタ)|アトランティス]] ''([[STS-132]]によって打ち上げられる予定である<ref>{{Cite web|url=http://www.nasaspaceflight.com/2009/04/sts-132-prcb-baselines-mission-to-deliver-russias-mrm-1/|title=STS-132: PRCB baselines Atlantis' mission to deliver Russia’s MRM-1|author=Chris Gebhardt|publisher=NASAspaceflight.com|date=9 April 2009|accessdate=12 November 2009}}</ref>。
'''ミニ・リサーチ・モジュール1'''(Mini-Research Module 1: MRM-1、[[ロシア語]]では『{{lang|ru|Малый исследовательский модуль, МИМ-1}}』と表記)は、[[国際宇宙ステーション]](International Space Station, ISS)の一区画である。過去には「ドッキング装置兼機器搭載区画(Docking Cargo Module, DCM)」とも呼ばれていた愛称は、ロシア語{{lang|ru|Рассве́т}}」『暁』の意)であり、英語では「ラスヴェット」となる。MRM1の主な使用目的は物資の保管庫およびISSを訪れる[[宇宙船]]とのドッキング装置となることで、[[2010年]]5月に[[スペースシャトル]][[スペースシャトル・アトランティス|アトランティス]]([[STS-132]]によって打ち上げられ<ref>{{Cite web|url=http://www.nasaspaceflight.com/2009/04/sts-132-prcb-baselines-mission-to-deliver-russias-mrm-1/|title=STS-132: PRCB baselines Atlantis' mission to deliver Russia’s MRM-1|author=Chris Gebhardt|publisher=NASAspaceflight.com|date=9 April 2009|accessdate=12 November 2009}}</ref>。


==詳細==
==詳細==
[[File:MRM-1_at_KSC.jpg|thumb|[[フロリダ州]][[ケネディ宇宙センター]]の宇宙ステーション組立施設にあるMRM1]]
[[File:MRM-1_at_KSC.jpg|thumb|[[フロリダ州]][[ケネディ宇宙センター]]の宇宙ステーション組立施設にあるMRM1]]
ミニ・リサーチ・モジュール1(MRM1)は、[[カナダアーム2]]を使って[[ザーリャ]]区画の下部ドッキング装置に取りつけられ<ref>{{cite web | url = http://forum.nasaspaceflight.com/index.php?topic=7493.0 | title = Docking Cargo Module | publisher = NASAspaceflight.com | accessdate=2010-05-08}}</ref>。また[[NASA]]用意した[[多目的実験モジュール]]ための外部機器、[[欧州ロボットアーム]]の関節部分、[[ラジエーター|熱交換機]]なども持っ行く予定である。MRM1をつけることよって、NASAは[[ロシア]]の多目的実験モジュールに1.4[[トン]]の物資を運ぶという契約を完了させることになる<ref>{{cite web | url = http://www.nasa.gov/home/hqnews/2007/apr/HQ_C07-18_Roscosmos.html | title = NASA Extends Contract With Russia’s Federal Space Agency | publisher = NASA | accessdate=2010-05-08}}</ref>。
ミニ・リサーチ・モジュール1(MRM1)は、[[カナダアーム2]]を使って[[ザーリャ]]の下部ドッキング装置に取りつけられ<ref>{{cite web | url = http://forum.nasaspaceflight.com/index.php?topic=7493.0 | title = Docking Cargo Module | publisher = NASAspaceflight.com | accessdate=2010-05-08}}</ref>。またロシア打ち上げる予定の[[多目的実験モジュール]](MLM)に設置するための外部機器(小型エアロック、[[ラジエーター|熱交換機]])、[[欧州ロボットアーム]](ERA)の関節部分の予備品などを外部に設置しる。MRM1をシャトルで運搬する代わりに、NASAはMRM1内部に1.4[[トン]]のNASAの物資を搭載してもらうという契約を締結した<ref>{{cite web | url = http://www.nasa.gov/home/hqnews/2007/apr/HQ_C07-18_Roscosmos.html | title = NASA Extends Contract With Russia’s Federal Space Agency | publisher = NASA | accessdate=2010-05-08}}</ref>。


MRM1は[[共通結合機構]]を二つ持っていて、一つはザーリャ区画との合のために使用され、もう一つは[[ソユーズ]]宇宙船や[[プログレス補給船]]とのドッキングのために空けておく。当初のISSの設計からすると、ドッキング装置兼機器搭載区画の役目を果たすことになる。MRM1を明らかにする際、ロシアは予定していた最後の二つの区画となる「ロシア研究モジュール」の製造を中止することも併せて表明した。
MRM1は[[アンドロジナスドッキング機構|アンドロジナス]][[宇宙船ドッキング機構|ドッキングシステム]]を二つ持っていて、一つはザーリャとの合のために使用され、もう一つは[[ソユーズ]]宇宙船や[[プログレス補給船]]とのドッキングのために使われる。当初のISSの設計からすると、ドッキング装置兼機器搭載区画(Docking Cargo Module :DCM)の役目を果たすことになる。MRM1の存在を明らかにする際、ロシアは予定していた最後の二つの区画となる「ロシア研究モジュール」の製造を中止することも併せて表明した(ただし、将来の動きは極めて流動的であり、新たなモジュールの設置構想もある)


==初期計画==
==初期計画==
{{出典の明記}}
{{未検証}}
当初は国際宇宙ステーション(ISS)のロシアの区画に、物資の保管庫と共通結合機構を持つ'''ドッキングおよび保管区画'''(Docking and Stowage Module, DSM)合することが計画されていた。DSMは追加の倉庫であると同時にソユーズ用のドッキング設備であり、大きさと形状はザーリャと同じもので、[[プロトン (ロケット)|プロトン]]ロケットを使ってISSまで運ばれ、ザーリャ区画地球のほうを向いている下部ドッキング合されるはずであった。


当初は国際宇宙ステーション(ISS)のロシアの区画にDSM(Docking and Stowage Module)合することが計画されていた。DSMは保管庫であると同時にソユーズとプログレス用のドッキングポートの役割を果たすものであり、大きさと形状はザーリャと同じで、[[プロトン (ロケット)|プロトン]]ロケットを使ってISSまで運ばれ、ザーリャの下部ドッキングポート合される計画であった。
このISSの区画はロシアの予算的な問題でしばらくの間キャンセルされていたが、現行計画では'''ドッキング装置兼機器搭載区画'''(MRM1)に変更され、当初の予定どおりザーリャの下部合されて保管庫およびドッキング装置として機能すなっている。キャンセルされていた間、同じ場所に''エンタープライズ''と呼ばれる多目的モジュール(Multi Purpose Module, MPM)を合すべきだとの提案がなされ結局のところは多目的実験モジュール(Multipurpose Laboratory Module, MLM)がドッキングするのではないかと見らていたが、現行の計画ではエンタープライズは承認されず、代わりにMLM[[ズヴェズダ (ISS)|ズヴェズダ区画]]の下部に取りつけられる予定である

このDSMはロシアの予算的な問題でしばらくの間キャンセルされていたが、後DCM(Docking and Cargo Module)に変更され(その後名称が変更され現在のMRM1へ)、当初の予定どおりザーリャの下部に合される計画となっ。キャンセルされていた間、同じ場所に''エンタープライズ''と呼ばれる多目的モジュール(Multi Purpose Module, MPM)を合すべきだとの提案、多目的実験モジュール(Multipurpose Laboratory Module, MLM)の結合提案されたが、エンタープライズは承認されず、MLM[[ズヴェズダ (ISS)|ズヴェズダ区画]]の下部ドッキングポートに取りつけられる事になった


==利点==
==利点==
MRM1は、他のISS参加国以下のような二つの諸事情から実現されるに至った。
MRM1は、当時ISS参加国が直面していた以下の二つの問題を解決するために設計された。
# NASAはMLMを宇宙に運契約で手一杯だったこと
# NASAはMLM外部設置するロシア側の機器をISSへ搬する契約を請け負ていた。
# プログレス補給船、[[ソユーズ宇宙船]]、[[欧州補給機]]などの飛行が重なったことで、ISSのロシア区画にドッキングを4箇所設置する必要性が考慮されはじめことロシアの二つの研究モジュールが中止され、またザーリャの下部口も''[[トランクウィリティー (ISS)|トランクウィリティー]]''が接されふさがったため、ISSの空いている共通結合機構は3個だけになってしまった。
# プログレス補給船、[[ソユーズ宇宙船]]、[[欧州補給機]]などの飛行が重なったことで、ISSのロシア区画にドッキングポートを4箇所設置する必要性があった。ザーリャの下部ドッキングポートは''[[トランクウィリティー (ISS)|トランクウィリティー]]''をノード1「ユニティ」の下部に結すると、ロシアの宇宙船は構造に干渉しドッキングできなくなり、ISSのロシア区画の空いているドッキングポートの数は3個だけになってしまうことが懸念された(補足:ノード3「トランクウィリティー」はその後、ユニティの左舷に結合することになり、この問題は解消されたが、その後、ユニティの下部にはPMM「レオナルド」を設置することになったため、結局MRM1の設置は必要であった

MRM1を結合することで、上記の二つの問題は解決される。NASAは今のところこれ以上区画を増やす予定はないが、MRM1に追加の機器を接合することは可能である。またこれによりISSは、ズヴェズダ区画後部口、同区画下部の[[ピアース (ISS)|ピアース]](Pirs)口、同ゼニス(zenith)側のMRM2口、そしてザーリャ区画下部のMRM1口と、使用可能なドッキング口を4箇所持つことになる。またロシアが研究モジュールを中止したことも、ISS計画全体の進行にはさほど影響は与えなかった。
MRM1を結合することで、上記二つの問題は解決された。MRM1でMLM用の機器を運搬することにより、NASAはMLM用の艤装フライトを追加する必要がなくなった。またMRM1を設置してドッキングポートの位置を下に伸ばすことにより、ユニティに設置したPMMとの干渉の問題も解決されたため、ISSのロシア区画は、ズヴェズダ後部のドッキングポート、ズヴェズダの下部に結合している[[ピアース (ISS)|ピアース]](Pirs)のドッキングポート、ズヴェズダの上部に結合しているMRM2「ポイスク」のドッキングポート、そしてザーリャ下部のMRM1ドッキングポートと、使用可能なドッキングポートを4箇所持てるようになった。


==設計および製造==
==設計および製造==
MRM1は、製造が中止された[[科学電力プラットフォーム]](Science Power Platform, SPPF)の構造試験のために作られた式の機体を元にして、[[S.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギア|S.P.コロリョフ社]]が設計・製造した<ref>[http://translate.google.com/translate?u=http%3A%2F%2Fwww.novosti-kosmonavtiki.ru%2Fcontent%2Fnumbers%2F293%2F15.shtml&langpair=ru%7Cen&hl=en&ie=UTF-8&oe=UTF-8&prev=%2Flanguage_tools NASA оплатило полёты своих астронавтов до 2011 года] Novosti Kosmonavtiki №2007/6</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts132/100325rassvet/|title=Russian space module set for American launch aboard the shuttle Atlantis|author=Justin Ray|date=March 25, 2010|publisher=Spaceflight Now|accessdate=March 31, 2010}}</ref>。
MRM1は、製造が中止された[[科学電力プラットフォーム]](Science Power Platform, SPP)の構造試験のために作られた構造区画を元にして、[[S.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギア|S.P.コロリョフ社]](RSCエネルギア社)が設計・製造した<ref>[https://translate.google.com/translate?u=http%3A%2F%2Fwww.novosti-kosmonavtiki.ru%2Fcontent%2Fnumbers%2F293%2F15.shtml&langpair=ru%7Cen&hl=en&ie=UTF-8&oe=UTF-8&prev=%2Flanguage_tools NASA оплатило полёты своих астронавтов до 2011 года] Novosti Kosmonavtiki №2007/6</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts132/100325rassvet/|title=Russian space module set for American launch aboard the shuttle Atlantis|author=Justin Ray|date=March 25, 2010|publisher=Spaceflight Now|accessdate=March 31, 2010}}</ref>。


機体と地上整備用の機器は[[An-124 (航空機)|アントノフ124]]に搭載され、[[2009年]][[12月17日]]に[[ケネディ宇宙センター]]に到着した<ref>{{cite web|url=http://www.space-travel.com/reports/Mini_Research_Module_MRM1_At_Cape_For_Shuttle_Processing_999.html|title=Mini-Research Module MRM1 At Cape For Shuttle Processing|date=December 30, 2009|accessdate=March 6, 2010}}</ref>。装置類はアストロテック社が運営する発射準備施設に送られ、そこで[[ソビエト連邦]]時代の[[エネルギア]]宇宙船やSPPFの技術者らの手によって独立電気系統や気密漏れの試験などが行われ、またハッチや[[ラジエーター|熱交換機]]などが本体に取りつけられた。機体がNASAの宇宙ステーション機器組立施設に送られたのは2010年[[4月2日]]のことで、最終的な試験を受けた後、[[4月5日]]にシャトルの貨物室に乗せられた。MRM1を搭載したアトランティス号は、[[4月15日]]にケネディ宇宙センター[[ケネディ宇宙センター第39複合発射施設|39番発射台]]に設置された<ref>{{Cite web|url=http://spaceflightnow.com/shuttle/sts132/100415payload/|title=Russian space station module shipped to NASA's space shuttle launch pad|author=Justin Ray|publisher=Spaceflightnow|date=April 15, 2010|accessdate=April 25, 2010}}</ref>。
機体と地上整備用の機器は[[An-124 (航空機)|アントノフ124]]に搭載され、[[2009年]][[12月17日]]に[[ケネディ宇宙センター]]に到着した<ref>{{cite web|url=http://www.space-travel.com/reports/Mini_Research_Module_MRM1_At_Cape_For_Shuttle_Processing_999.html|title=Mini-Research Module MRM1 At Cape For Shuttle Processing|date=December 30, 2009|accessdate=March 6, 2010}}</ref>。開梱後、アストロテック社が運営する打上げ前整備施設に送られ、そこでエネルギアの技術者らの手によって単体での電気試験や気密確認試験などが行われ、またハッチや[[ラジエーター|熱交換機]]などが本体に取りつけられた。機体がNASAの宇宙ステーション機器組立施設(Space Station Processing Facility)に送られたのは2010年[[4月2日]]のことで、最終的な試験を受けた後、[[4月5日]]にシャトルの貨物室に乗せられた。MRM1を搭載したアトランティス号は、[[4月15日]]にケネディ宇宙センター[[ケネディ宇宙センター第39複合発射施設|39番発射台]]に設置された<ref>{{Cite web|url=http://spaceflightnow.com/shuttle/sts132/100415payload/|title=Russian space station module shipped to NASA's space shuttle launch pad|author=Justin Ray|publisher=Spaceflightnow|date=April 15, 2010|accessdate=April 25, 2010}}</ref>。


==写真 ==
==写真 ==
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File:STS-132_MRM1_Astrotech_March1.jpg
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==外部リンク==
==外部リンク==
{{Commonscat|Mini Research Module 1}}
{{Commonscat|Rassvet module}}
* http://skyrocket.de/space/doc_sdat/dsm.htm
* http://skyrocket.de/space/doc_sdat/dsm.htm
* http://www.russianspaceweb.com/iss_enterprise.html
* http://www.russianspaceweb.com/iss_enterprise.html
* http://nasatech.net/Astrotech-MM2_100324/ Rassvet at Astrotech looking NW
* https://web.archive.org/web/20100522160133/http://nasatech.net/Astrotech-MM2_100324/ Rassvet at Astrotech looking NW
* http://nasatech.net/Astrotech-Rassvet1_100324/ Rassvet at Astrotech looking north
* https://web.archive.org/web/20100521110552/http://nasatech.net/Astrotech-Rassvet1_100324/ Rassvet at Astrotech looking north
* http://nasatech.net/Astrotech-Rassvet2_100324/ Rassvet at Astrotech from above
* https://web.archive.org/web/20100521101349/http://nasatech.net/Astrotech-Rassvet2_100324/ Rassvet at Astrotech from above
* http://nasatech.net/Astrotech-Rassvet3_100324/ Rassvet at Astrotech looking SE
* https://web.archive.org/web/20100520152941/http://nasatech.net/Astrotech-Rassvet3_100324/ Rassvet at Astrotech looking SE
* [http://www.jaxa.jp/ 宇宙航空研究開発機構(JAXA)]
* [https://www.jaxa.jp/ 宇宙航空研究開発機構(JAXA)]
** [http://iss.sfo.jaxa.jp/iss/index.html 国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール] 開発計画の経緯、進行状況など各種の情報が提供されている。
** [http://iss.sfo.jaxa.jp/iss/index.html 国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール] 開発計画の経緯、進行状況など各種の情報が提供されている。
** [http://www.jaxa.jp/press/2006/03/20060308_sac_hoa_j.html 国際宇宙ステーション計画に関する宇宙機関長会議の結果について(平成18年3月8日)] 計画見直しについてPDFで紹介。
** [https://www.jaxa.jp/press/2006/03/20060308_sac_hoa_j.html 国際宇宙ステーション計画に関する宇宙機関長会議の結果について(平成18年3月8日)] 計画見直しについてPDFで紹介。


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2023年9月12日 (火) 00:27時点における最新版

国際宇宙ステーションロシア区画におけるミニ・リサーチ・モジュール1(MRM1)の位置

ミニ・リサーチ・モジュール1(Mini-Research Module 1: MRM-1、ロシア語では『Малый исследовательский модуль, МИМ-1』と表記)は、国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)の一区画である。過去には「ドッキング装置兼機器搭載区画(Docking Cargo Module, DCM)」とも呼ばれていた。愛称は、ロシア語で「Рассве́т」『暁』の意)であり、英語では「ラスヴェット」となる。MRM1の主な使用目的は物資の保管庫およびISSを訪れる宇宙船とのドッキング装置となることで、2010年5月にスペースシャトルアトランティスSTS-132によって打ち上げられた[1]

詳細

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フロリダ州ケネディ宇宙センターの宇宙ステーション組立施設にあるMRM1

ミニ・リサーチ・モジュール1(MRM1)は、カナダアーム2を使ってザーリャの下部ドッキング装置に取りつけられた[2]。またロシアが打ち上げる予定の多目的実験モジュール(MLM)に設置するための外部機器(小型エアロック、熱交換機)、欧州ロボットアーム(ERA)の関節部分の予備品などを外部に設置している。MRM1をシャトルで運搬する代わりに、NASAはMRM1内部に1.4トンのNASAの物資を搭載してもらうという契約を締結した[3]

MRM1はアンドロジナスドッキングシステムを二つ持っていて、一つはザーリャとの結合のために使用され、もう一つはソユーズ宇宙船やプログレス補給船とのドッキングのために使われる。当初のISSの設計からすると、ドッキング装置兼機器搭載区画(Docking Cargo Module :DCM)の役目を果たすことになる。MRM1の存在を明らかにする際、ロシアは予定していた最後の二つの区画となる「ロシア研究モジュール」の製造を中止することも併せて表明した(ただし、将来の動きは極めて流動的であり、新たなモジュールの設置構想もある)。

初期計画

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当初は国際宇宙ステーション(ISS)のロシアの区画には、DSM(Docking and Stowage Module)を結合することが計画されていた。DSMは保管庫であると同時にソユーズとプログレス用のドッキングポートの役割を果たすものであり、大きさと形状はザーリャと同じで、プロトンロケットを使ってISSまで運ばれ、ザーリャの下部ドッキングポートに結合される計画であった。

このDSMはロシアの予算的な問題でしばらくの間キャンセルされていたが、その後DCM(Docking and Cargo Module)に変更され(その後名称が変更され現在のMRM1へ)、当初の予定どおりザーリャの下部に結合される計画となった。キャンセルされていた間に、同じ場所にはエンタープライズと呼ばれる多目的モジュール(Multi Purpose Module, MPM)を結合すべきだとの提案や、多目的実験モジュール(Multipurpose Laboratory Module, MLM)の結合が提案されたが、エンタープライズは承認されず、MLMもズヴェズダ区画の下部ドッキングポートに取りつけられる事になった。

利点

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MRM1は、当時ISS参加国が直面していた以下の二つの問題を解決するために設計された。

  1. NASAはMLM外部に設置するロシア側の機器をISSへ運搬する契約を請け負っていた。
  2. プログレス補給船、ソユーズ宇宙船欧州補給機などの飛行が重なったことで、ISSのロシア区画にドッキングポートを4箇所設置する必要性があった。ザーリャの下部ドッキングポートはトランクウィリティーをノード1「ユニティ」の下部に結合すると、ロシアの宇宙船は構造に干渉してドッキングできなくなり、ISSのロシア区画の空いているドッキングポートの数は3個だけになってしまうことが懸念された(補足:ノード3「トランクウィリティー」はその後、ユニティの左舷に結合することになり、この問題は解消されたが、その後、ユニティの下部にはPMM「レオナルド」を設置することになったため、結局MRM1の設置は必要であった)。

MRM1を結合することで、上記二つの問題は解決された。MRM1でMLM用の機器を運搬することにより、NASAはMLM用の艤装フライトを追加する必要がなくなった。またMRM1を設置してドッキングポートの位置を下に伸ばすことにより、ユニティに設置したPMMとの干渉の問題も解決されたため、ISSのロシア区画は、ズヴェズダ後部のドッキングポート、ズヴェズダの下部に結合しているピアース(Pirs)のドッキングポート、ズヴェズダの上部に結合しているMRM2「ポイスク」のドッキングポート、そしてザーリャ下部のMRM1ドッキングポートと、使用可能なドッキングポートを4箇所持てるようになった。

設計および製造

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MRM1は、製造が中止された科学電力プラットフォーム(Science Power Platform, SPP)の構造試験のために作られた与圧構造区画を元にして、S.P.コロリョフ社(RSCエネルギア社)が設計・製造した[4][5]

機体と地上整備用の機器はアントノフ124に搭載され、2009年12月17日ケネディ宇宙センターに到着した[6]。開梱後、アストロテック社が運営する打上げ前整備施設に送られ、そこでエネルギア社の技術者らの手によって単体での電気試験や気密確認試験などが行われ、またハッチや熱交換機などが本体に取りつけられた。機体がNASAの宇宙ステーション機器組立施設(Space Station Processing Facility)に送られたのは2010年4月2日のことで、最終的な試験を受けた後、4月5日にシャトルの貨物室に乗せられた。MRM1を搭載したアトランティス号は、4月15日にケネディ宇宙センター39番発射台に設置された[7]

写真

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関連項目

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脚注

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  1. ^ Chris Gebhardt (9 April 2009). “STS-132: PRCB baselines Atlantis' mission to deliver Russia’s MRM-1”. NASAspaceflight.com. 12 November 2009閲覧。
  2. ^ Docking Cargo Module”. NASAspaceflight.com. 2010年5月8日閲覧。
  3. ^ NASA Extends Contract With Russia’s Federal Space Agency”. NASA. 2010年5月8日閲覧。
  4. ^ NASA оплатило полёты своих астронавтов до 2011 года Novosti Kosmonavtiki №2007/6
  5. ^ Justin Ray (March 25, 2010). “Russian space module set for American launch aboard the shuttle Atlantis”. Spaceflight Now. March 31, 2010閲覧。
  6. ^ Mini-Research Module MRM1 At Cape For Shuttle Processing” (December 30, 2009). March 6, 2010閲覧。
  7. ^ Justin Ray (April 15, 2010). “Russian space station module shipped to NASA's space shuttle launch pad”. Spaceflightnow. April 25, 2010閲覧。

外部リンク

[編集]