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『'''H2'''』(エイチツー)は、[[あだち充]]による[[日本]]の[[少年漫画]]作品。週刊少年漫画雑誌『[[週刊少年サンデー]]』([[小学館]])に、[[1992年]]32号から[[1999年]]50号まで連載された。
『'''H2'''』(エイチツー)は、[[あだち充]]による[[日本]]の[[漫画]]作品。『[[週刊少年サンデー]]』([[小学館]])に、1992年32号から1999年50号まで連載された。


== 概説 ==
== 概説 ==
[[日本の高校野球|高校野球]]をテーマとした長編[[野球漫画]]。2人の野球少年であるヒーローと2人のヒロインの、野球にかける青春と恋を描く。
[[日本の高校野球|高校野球]]をテーマとした長編[[野球漫画]]。2人の野球少年であるヒーローと2人のヒロインの、野球にかける青春と恋を描く。


単行本は小学館:少年サンデーコミックスより全34巻、同ワイド版より全17巻、小学館文庫より全20巻。2018年時点でシリーズ累計発行部数は5,500万部を超える<ref name="prtimes"></ref>。同年には「[[サンデーうぇぶり]]」にて電子版が連載を開始<ref name="prtimes">{{Cite web|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000013640.html|title=初の電子化! シリーズ累計5,500万部超のあだち充の野球漫画「H2」の連載が「サンデーうぇぶり」限定でスタート!|publisher=プレスリリース|date=2018-08-06|accessdate=2018-11-18}}</ref>。
単行本は小学館:少年サンデーコミックスより全34巻、同ワイド版より全17巻、小学館文庫より全20巻。2018年8月時点でシリーズ累計発行部数は5500万部を突破している<ref name="prtimes"></ref>。同年には「[[サンデーうぇぶり]]」にて電子版が連載を開始<ref name="prtimes">{{Cite web|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000013640.html|title=初の電子化! シリーズ累計5,500万部超のあだち充の野球漫画「H2」の連載が「サンデーうぇぶり」限定でスタート!|publisher=プレスリリース|date=2018-08-06|accessdate=2018-11-18}}</ref>。


映像では、[[1995年]]に[[テレビアニメ|アニメ版]]が<ref>{{Cite web|url=http://www.narinari.com/Nd/2004113638.html|title=あだち充の名作「H2」が山田孝之主演でドラマ化。|publisher=Narinari.com|date=2004-11-17|accessdate=2018-11-18}}</ref>、[[2005年]]1月から3月まで[[H2〜君といた日々|実写ドラマ版]]が放送された。
映像では、1995年に[[テレビアニメ|アニメ版]]が<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.narinari.com/Nd/2004113638.html|title=あだち充の名作「H2」が山田孝之主演でドラマ化。|publisher=Narinari.com|date=2004-11-17|accessdate=2018-11-18}}</ref>、2005年1月から3月まで[[H2〜君といた日々|実写ドラマ版]]が放送された。


タイトル『H2』とは、「ヒーローふたり、ヒロインふたり」を意味する(詳細は[[H2 (漫画)#登場人物|登場人物]]の項を参照)。
タイトル『H2』とは、「ヒーローふたり、ヒロインふたり」を意味する(詳細は[[H2 (漫画)#登場人物|登場人物]]の項を参照)。


== 制作背景 ==
== 制作背景 ==
=== 6年ぶりの野球漫画 ===
本作はあだち充の長編漫画では最もほろ苦い最終回を迎えるとされる。あだちは野球を真面目に描くつもりで、比呂と春華とひかりと英雄の四角関係の組み合わせを決めずに連載を開始。最後の最後まで比呂とひかりがどちらにいくかはわからない展開が繰り広げられる。主人公である比呂の初恋が敗れるという結末については、他にも収拾の仕方はあったのだろうが流れに任せていたらこうなったとコメントする<ref name="oato351">{{Cite |和書 |author = あだち充 |title = おあとがよろしいようで |publisher = 小学館 |isbn = 9784091227164 |page=351}}</ref><ref>{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=164-165}}</ref>。そのほろ苦さについて問いかけられた際、「普通だったら、幼なじみの比呂と雨宮ひかりがくっつくところを、読者的には古賀春華の人気が出ちゃったので、まぁ、許してくれるかなと(笑)」<ref name="oato351" />と答えた。少年の思春期の出遅れとそれによる同級生の少女とのすれ違いは当初からあだちが本作のテーマとしていた要素であり、比呂とひかりの関係のターニングポイントとなる第213話「夢じゃないみたいだな」の会話において象徴的に表現されている<ref name="adachi165">{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=164-165}}</ref><ref>{{Cite |和書 |author = あだち充 |title = おあとがよろしいようで |publisher = 小学館 |isbn = 9784091227164 |page=336}}</ref>。
本作は、あだちにとって『[[タッチ (漫画)|タッチ]]』の連載終了以来6年ぶりの野球漫画の連載となった<ref name="ダヴィンチ201212">{{Cite book|和書|chapter=あだち充独占2万字インタビュー&解体全書|title=[[ダ・ヴィンチ (雑誌)|ダ・ヴィンチ]]|publisher=[[KADOKAWA]]|volume=2012年12月号|page=32}}</ref>。あだちは『タッチ』の終了後は女子ソフトボールを題材とした『[[スローステップ]]』、水泳を題材とした『[[ラフ (漫画)|ラフ]]』、時代劇ものの『[[虹色とうがらし]]』を手掛けるなど野球を避けてきたが、その理由については「掲載誌のことを考えず、自分が柱になろうという気持ちも持たず、本人が描きたい絵をただ描きました」「野球マンガを2本続けて描いたら、しんどいし、すり減っちゃうでしょう」と語っている<ref name="ダヴィンチ201212"/>。

ふたたび野球漫画に取り組んだ理由について、あだちは[[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]開幕を翌年に控えた日本国内の[[サッカー]]人気の高まりへの反発や対抗心があったと語っている<ref name="ダヴィンチ201212"/>。また、野球の魅力を読者に伝えようと、『タッチ』以上に野球の描写へのこだわりもみせた<ref name="ダヴィンチ201212"/>。
{{Quotation|その頃Jリーグが始まってサッカーが異様に盛り上がってて、冗談じゃねえやって思って(笑)。サッカーに抵抗してやろうと、野球の面白さを描くことに自分なりにこだわったつもりなんです。『タッチ』ではあまり描かれなかった野球をちゃんと描いてみたら、違うものができるかなという意識もありましたね<ref name="ダヴィンチ201212"/>。|あだち充}}

なお、あだちは野球が「[[間 (余白部分)|間]]のあるスポーツ」で、サッカーは選手が絶え間なく動く「間のないスポーツ」だとしている<ref name="ダヴィンチ201212"/>。自身の作風を「僕のマンガは”間”ばっかりだから(笑)」とし、野球との相性の良さについても言及している<ref name="ダヴィンチ201212"/>。

=== 四角関係と結末 ===
本作はあだち充の長編漫画では最もほろ苦い最終回を迎えるとされる。あだちは野球を真面目に描くつもりで、比呂と春華とひかりと英雄の四角関係の組み合わせを決めずに連載を開始。最後の最後まで比呂とひかりがどちらにいくかはわからない展開が繰り広げられる。主人公である比呂の初恋が敗れるという結末については、他にも収拾の仕方はあったのだろうが流れに任せていたらこうなったとコメントしている<ref name="oato351">{{Cite |和書 |author = あだち充 |title = おあとがよろしいようで |publisher = 小学館 |isbn = 978-4-09-122716-4 |page=351}}</ref><ref>{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=164-165}}</ref>。そのほろ苦さについて問いかけられた際、「普通だったら、幼なじみの比呂と雨宮ひかりがくっつくところを、読者的には古賀春華の人気が出ちゃったので、まぁ、許してくれるかなと(笑)」<ref name="oato351" />と答えた。少年の思春期の出遅れとそれによる同級生の少女とのすれ違いは当初からあだちが本作のテーマとしていた要素であり、比呂とひかりの関係のターニングポイントとなる第213話「夢じゃないみたいだな」の会話において象徴的に表現されている<ref name="adachi165">{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=164-165}}</ref><ref>{{Cite |和書 |author = あだち充 |title = おあとがよろしいようで |publisher = 小学館 |isbn = 978-4-09-122716-4 |page=336}}</ref>。


結末は担当編集者とも相談して決定。通常版コミックの20巻近くまで連載が進んだ時点、比呂がまだ春華とひかりのどちらを選ぶか明確でないタイミングで配属された担当は、いち読者としては比呂がひかりへの純愛を貫くことを希望していた。しかし打ち合わせで、読者人気のある春華でなくひかりとくっつくと比呂が悪者に映ってしまうので、ひかりと英雄の幸せのために比呂が一歩退く方向で行けばまとまるのではないかという意見がどちらともなく出る。担当はその打ち合わせ以後『H2』のセリフが切れ味を増していくのを感じ、あだちが物語の結末をイメージできたのだろうと考えた。それが顕著となる第213話「夢じゃないみたいだな」の原稿を読み、担当は完成度の高さに震えたという<ref>{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=170-171}} </ref>。
結末は担当編集者とも相談して決定。通常版コミックの20巻近くまで連載が進んだ時点、比呂がまだ春華とひかりのどちらを選ぶか明確でないタイミングで配属された担当は、いち読者としては比呂がひかりへの純愛を貫くことを希望していた。しかし打ち合わせで、読者人気のある春華でなくひかりとくっつくと比呂が悪者に映ってしまうので、ひかりと英雄の幸せのために比呂が一歩退く方向で行けばまとまるのではないかという意見がどちらともなく出る。担当はその打ち合わせ以後『H2』のセリフが切れ味を増していくのを感じ、あだちが物語の結末をイメージできたのだろうと考えた。それが顕著となる第213話「夢じゃないみたいだな」の原稿を読み、担当は完成度の高さに震えたという<ref>{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=170-171}} </ref>。


春華のスチュワーデスの夢など、多くの要素を長期にわたって結実させたラストである<ref name="oato351" />。甲子園の準決勝までは描いたが決勝は描かなかった点も、高校野球漫画としては特徴的である。比呂・英雄の直接対決と4人の恋の決着を描くことを重視していたため、決勝について描くつもりはなかったとのこと<ref>{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=167}} </ref>。
春華のスチュワーデスの夢など、多くの要素を長期にわたって結実させたラストである<ref name="oato351" />。甲子園の準決勝までは描いたが決勝は描かなかった点も、高校野球漫画としては特徴的である。比呂・英雄の直接対決と4人の恋の決着を描くことを重視していたため、決勝について描くつもりはなかったと発言している<ref>{{Cite |和書 |title=漫画家本vol.6 あだち充本|date=2018-8-8 |publisher=[[小学館]]|page=167}} </ref>。


あだちは読者を信用し、自作では言葉で全ては与えずに少しずつ匂わせて深読みしてもらう手法を取る。思いをあからさまに言葉にして野暮になることを避け、ちゃんと読者が受け取ってくれて伝わったと感じる時を喜びとする。その感覚は落語に教わったとし、“考えオチ”で考えてやっと意味がわかるのはすごく快感だと語る<ref>{{Cite journal|和書|journal = [[ダ・ヴィンチ]] 2012年12月号 |publisher = [[メディアファクトリー]]|page=31}}</ref>。
あだちは読者を信用し、自作では言葉で全ては与えずに少しずつ匂わせて深読みしてもらう手法を取る。思いをあからさまに言葉にして野暮になることを避け、ちゃんと読者が受け取ってくれて伝わったと感じる時を喜びとした。その感覚は落語に教わったとし、“考えオチ”で考えてやっと意味がわかるのはすごく快感だと語っている<ref>{{Cite journal|和書|journal = [[ダ・ヴィンチ (雑誌)|ダ・ヴィンチ]] 2012年12月号 |publisher = [[メディアファクトリー]]|page=31}}</ref>。


== あらすじ ==
== あらすじ ==
大の親友でありそしてライバルでもあるエース国見比呂とスラッガー橘英雄、比呂の幼なじみであり英雄のガールフレンドでもある雨宮ひかり、比呂が進学先の千川高校で出逢った古賀春華。名前の頭文字に「H」を持つ「2」人の野球少年であるヒーローと「2」人のヒロインを軸に話が展開する。
親友でありそしてライバルでもあるエース'''国見比呂'''とスラッガー'''橘英雄'''、比呂の幼なじみであり英雄のガールフレンドでもある'''雨宮ひかり'''、比呂が進学先の千川高校で出逢った'''古賀春華'''。名前の頭文字に「H」を持つ「2」人の野球少年であるヒーローと「2」人のヒロインを軸に話が展開する。


比呂と英雄はチームメイトで捕手の野田敦と共に中学野球で地区大会二連覇を果たすが、その後医師から比呂は肘、野田は腰にそれぞれ爆弾を持っていると診断されてしまい、野球を断念。英雄がひかりとともに野球の名門・明和第一高校へ進学したのに対し、比呂と野田は野球部の無い千川高校に進み、それぞれ[[サッカー]]、[[水泳]]に取り組むことにした。
比呂と英雄はチームメイトで捕手の'''野田敦'''と共に中学野球で地区大会二連覇を果たすが、その後医師から比呂は肘、野田は腰にそれぞれ爆弾を持っていると診断されてしまい、野球を断念。英雄がひかりとともに野球の名門・明和第一高校へ進学したのに対し、比呂と野田は野球部の無い千川高校に進み、それぞれ[[サッカー]]、[[水泳]]に取り組むことにした。


千川高校に野球部はなかったが、実は「野球愛好会」が細々と活動していた。比呂は、ひょんなことから行われることになったサッカー部と野球愛好会との野球の試合に参加するも、試合中のサッカー部員たちの野球を馬鹿にした態度を嫌い、その場でサッカー部を退部し野球愛好会へ入会する。また、たまたまこの試合を観ていた野田も一緒に入会。2人は1試合だけの参加のつもりだったが、故障の診断を行った医師が無免許逮捕されたことを知り、別の病院にて何の異常もないことを知ると正式に愛好会へ入会した。
千川高校に野球部はなかったが、実は「野球愛好会」が細々と活動していた。比呂は、ひょんなことから行われることになったサッカー部と野球愛好会との野球の試合に参加するも、試合中のサッカー部員たちの野球を馬鹿にした態度を嫌い、その場でサッカー部を退部し野球愛好会へ入会する。また、たまたまこの試合を観ていた野田も一緒に入会。2人は1試合だけの参加のつもりだったが、故障の診断を行った医師が実は無免許だったのが発覚して逮捕されたことを知り、別の病院にて何の異常もないことを知ると正式に愛好会へ入会した。


そして、千川高校にて甲子園出場を果たすことを決意。「野球部」への昇格を目指すことになるが、校長が高校野球嫌いのために断られ続けていることを知る。比呂と野田は校長の息子にして名二塁手でもある柳守道の協力を得ながら、明和一との試合に勝つという校長の提示した無理難題に挑む。英雄に対抗意識を燃やす野球経験者の木根竜太郎も加わり、惜しくも試合には敗れるものの、この試合が校長の心を開くきっかけとなり野球部創設が認められる。
そして、千川高校にて甲子園出場を果たすことを決意。「野球部」への昇格を目指すことになるが、校長が高校野球嫌いのために断られ続けていることを知る。比呂と野田は校長の息子にして名二塁手でもある'''柳守道'''の協力を得ながら、明和一との試合に勝つという校長の提示した無理難題に挑む。英雄に対抗意識を燃やす野球経験者の'''木根竜太郎'''も加わり、惜しくも試合には敗れるものの、この試合が校長の心を開くきっかけとなり野球部創設が認められる。


こうして出来上がった千川高校野球部は、マネージャー・古賀春華の兄の古賀富士夫を監督に迎えて本格稼働する。千川高校と明和第一高校はそれぞれ北東京、南東京に属しており<ref>現実では東京の代表校の区分は東西。</ref>、比呂と英雄の直接対決は、両校が甲子園出場を果たさない限り実現しない。千川高校野球部は比呂と野田のバッテリーを中心にまずは甲子園出場を目標に奮闘。
こうして出来上がった千川高校野球部は、マネージャー・古賀春華の兄の'''古賀富士夫'''を監督に迎えて本格稼働する。千川高校と明和第一高校はそれぞれ北東京、南東京に属しており<ref>現実では東京の代表校の区分は東西。</ref>、比呂と英雄の直接対決は、両校が甲子園出場を果たさない限り実現しない。千川高校野球部は比呂と野田のバッテリーを中心にまずは甲子園出場を目標に奮闘。


比呂たちは2年生に進級し、英雄の幼なじみである佐川周二ら新入生を加えた千川高校野球部は地区大会を勝ち進む。準決勝の相手の栄京学園高校は黒い噂が囁かれるだけでなく、監督の城山義明は古賀監督と、2年生エースの広田勝利は佐川と、それぞれ因縁を持つ相手でもあった。試合の直前に、1年生部員の島オサムと大竹文雄が、家庭の事情から広田のスパイとして潜入させられていたと発覚。だが部での交流を深めていた島と大竹は広田への反抗の覚悟を固めており、比呂も2人を受け入る。広田の肘の故障もあって千川は栄京を撃破。千川は決勝でも勝利し、比呂と英雄はともに甲子園出場を果たす。だが千川は明和一と対決する3回戦を前に、エース月形耕平と4番志水仁を擁する伊羽商業高校との2回戦において、比呂が足を負傷して敗退してしまう。海辺で落ち込む比呂は慰めるひかりに対し、隠していたが初恋はひかりであり、初恋では戦えなかったためせめて野球では英雄と戦いたかったと告白する。ひかりは比呂を抱き留めながらその気持ちに対して謝るが、2人の様子は比呂に想いを寄せる春華に目撃されていた。全国大会では明和一が優勝。この夏で英雄はもちろん比呂も注目選手となる。
比呂たちは2年生に進級し、英雄の幼なじみである'''佐川周二'''ら新入生を加えた千川高校野球部は地区大会を勝ち進む。準決勝の相手の栄京学園高校は黒い噂が囁かれるだけでなく、監督の'''城山義明'''は古賀監督と、2年生エースのは佐川と、それぞれ因縁を持つ相手でもあった。試合の直前に、1年生部員の'''島オサム''''''大竹文雄'''が、家庭の事情から広田のスパイとして潜入させられていたと発覚。だが部での交流を深めていた島と大竹は広田への反抗の覚悟を固めており、比呂も2人を受け入る。広田の肘の故障もあって千川は栄京を撃破。千川は決勝でも勝利し、比呂と英雄はともに甲子園出場([[第79回全国高等学校野球選手権大会]])を果たす。だが千川は明和一と対決する3回戦を前に、エース'''月形耕平'''と4番'''志水仁'''を擁する伊羽商業高校との2回戦において、比呂が足を負傷して敗退してしまう。海辺で落ち込む比呂は慰めるひかりに対し、隠していたが初恋はひかりであり、初恋では戦えなかったためせめて野球では英雄と戦いたかったと告白する。ひかりは比呂を抱き留めながらその気持ちに対して謝るが、2人の様子は比呂に想いを寄せる春華に目撃されていた。全国大会では明和一が優勝。この夏で英雄はもちろん比呂も注目選手となる。


秋季東京都野球大会、準決勝にて千川は指導者を交代し体制を一新した栄京と対戦する。一塁手に転向しラフプレーを改めた広田と熱戦を繰り広げ、比呂は勝利を掴む。明和一はこれからの全国大会に向け、新エースである1年生石元豊をあえて起用し続けて敗退しており、千川は秋季大会で優勝。春の選抜高校野球大会出場を確実なものとする。練習を積み重ねる中で比呂と春華が急接近する一方、英雄とひかりは気持ちのすれ違いが続いていた。春の選抜で千川は優勝し、甲子園にて前年の夏の優勝チームとその年の春の優勝チームで最後の夏を戦うという英雄の希望がいよいよ現実味を帯びる。その後ほどなくしてひかりの母が急死。ひかりと息子同然に可愛がられていた比呂は激しく落ち込み、同じ痛みを共有できる絆を再確認する。2人は幼なじみと現在同じ学校で隣りにいる相手との関係を問い直すために悩み、ひかりをうまく慰められずにもどかしく思う英雄は、比呂への嫉妬とそれを感じてしまう自分に苦しむ。春華は3人の中学生からの因縁を傍から見ることしかできず悲しむが、比呂から今自分が高校で野球を頑張れているのは春華のおかげだと伝えられる。
秋季東京都野球大会、準決勝にて千川は指導者を交代し体制を一新した栄京と対戦する。一塁手に転向しラフプレーを改めた広田と熱戦を繰り広げ、比呂は勝利を掴む。明和一はこれからの全国大会に向け、新エースである1年生'''石元豊'''をあえて起用し続けて敗退しており、千川は秋季大会で優勝。春の選抜高校野球大会出場を確実なものとする。練習を積み重ねる中で比呂と春華が急接近する一方、英雄とひかりは気持ちのすれ違いが続いていた。春の選抜で千川は優勝し、甲子園にて前年の夏の優勝チームとその年の春の優勝チームで最後の夏を戦うという英雄の希望がいよいよ現実味を帯びる。その後ほどなくしてひかりの母が急死。ひかりと息子同然に可愛がられていた比呂は激しく落ち込み、同じ痛みを共有できる絆を再確認する。2人は幼なじみと現在同じ学校で隣りにいる相手との関係を問い直すために悩み、ひかりをうまく慰められずにもどかしく思う英雄は、比呂への嫉妬とそれを感じてしまう自分に苦しむ。春華は3人の中学生からの因縁を傍から見ることしかできず悲しむが、比呂から今自分が高校で野球を頑張れているのは春華のおかげだと伝えられる。


そして最後の夏、千川は北東京大会で、明和一は南東京大会でそれぞれ優勝。甲子園でも準々決勝に進出し、突破すれば準決勝で明和一との対決となる組み合わせが決まる。準々決勝は比呂の温存のため木根が先発で登板。チーム一丸でのバックアップも手伝い完投を果たして勝利する。準決勝前夜となるその夜、比呂は英雄とひかりの重大な秘密を野田の失言から不意に知ってしまう。この対戦を最後まで見届けて、自分か比呂かをもう一度選ぶように英雄がひかりに持ちかけていたのだ。試合開始時に比呂は英雄へ自分はひかりが大好きだと宣戦布告。両者ともに絶対に負けられない勝負が始まる。9回裏二死、2対0での英雄との対峙において、比呂は葛藤の末に二度と投げられないようなストレートを投げ、三振を奪う。千川が勝利に沸き立つ中、比呂は勝利の嬉しさからではない涙をこぼす。ひかりが英雄の融通の利かないバカ正直さに惚れたことを、比呂は痛いほどに知っていた。英雄は1人海辺で悄然とするが、ひかりに見つけられ、比呂の真っ向勝負を疑ってしまい比呂にも自分にも負けたと吐露する。ひかりはそんな英雄のカギを閉めたような融通の利かなさを確認し、そのドアを開けた中にひかりの居場所があることを比呂の奪三振から教わったと英雄に伝える。比呂があえて試合前に挑発して悪役に回った理由と、終了時に涙した本当の意味を英雄は悟る。野球の勝敗にひかりとの恋愛関係を託し、負ければ身を引くつもりで自分か比呂かをもう一度選ばせようとした英雄は何もわかっていなかったのだ。ひかりは自分こそ選ぶ権利など最初からないのをわかっていなかったと語る。英雄は自分も比呂からだれよりもひかりのことが必要なのは自分だと教わったと応え、ひかりと抱き合う。一方、比呂は宿舎で仲間たちと準決勝の勝利を祝いながらも、内心の悲しみは野田に察されていた。翌日の決勝戦当日の朝、早くに起きてきた比呂は紙飛行機を作り、同じく起きていた春華と、[[メジャーリーグ|大リーグ]]へ向かう比呂とスチュワーデスとなる夢を叶えた春華がともに搭乗するという冗談を交わし合い、受け入れる。決意も新たに、千川高校野球部の仲間たちを全員乗せたバスは甲子園に向かう。抜けるような青空の中をあの紙飛行機が風を受けて真っ直ぐに飛んでいき、登場人物たちの未来を示唆する形で物語は幕を閉じる。
そして最後の夏、千川は北東京大会で、明和一は南東京大会でそれぞれ優勝し甲子園出場([[第80回全国高等学校野球選手権大会]])。甲子園でも準々決勝に進出し、突破すれば準決勝で明和一との対決となる組み合わせが決まる。準々決勝は比呂の温存のため木根が先発で登板。チーム一丸でのバックアップも手伝い完投を果たして勝利する。準決勝前夜となるその夜、比呂は英雄とひかりの重大な秘密を野田の失言から不意に知ってしまう。この対戦を最後まで見届けて、自分か比呂かをもう一度選ぶように英雄がひかりに持ちかけていたのだ。試合開始時に比呂は英雄へ自分はひかりが大好きだと宣戦布告。両者ともに絶対に負けられない勝負が始まる。9回裏二死、2対0での英雄との対峙において、比呂は葛藤の末に二度と投げられないようなストレートを投げ、三振を奪う。
千川が勝利に沸き立つ中、比呂は勝利の嬉しさからではない涙をこぼす。ひかりが英雄の融通の利かないバカ正直さに惚れたことを、比呂は痛いほどに知っていた。英雄は1人海辺で悄然とするが、ひかりに見つけられ、比呂の真っ向勝負を疑ってしまい比呂にも自分にも負けたと吐露する。ひかりはそんな英雄のカギを閉めたような融通の利かなさを確認し、そのドアを開けた中にひかりの居場所があることを比呂の奪三振から教わったと英雄に伝える。比呂があえて試合前に挑発して悪役に回った理由と、終了時に涙した本当の意味を英雄は悟る。野球の勝敗にひかりとの恋愛関係を託し、負ければ身を引くつもりで自分か比呂かをもう一度選ばせようとした英雄は何もわかっていなかったのだ。ひかりは自分こそ選ぶ権利など最初からないのをわかっていなかったと語る。英雄は自分も比呂からだれよりもひかりのことが必要なのは自分だと教わったと応え、ひかりと抱き合う。一方、比呂は宿舎で仲間たちと準決勝の勝利を祝いながらも、内心の悲しみは野田に察されていた。
翌日の決勝戦当日の朝、早くに起きてきた比呂は紙飛行機を作り、同じく起きていた春華と、[[メジャーリーグ|大リーグ]]へ向かう比呂とスチュワーデスとなる夢を叶えた春華がともに搭乗するという冗談を交わし合い、受け入れる。決意も新たに、千川高校野球部の仲間たちを全員乗せたバスは甲子園に向かう。試合開始前の抜けるような青空の中をあの紙飛行機が風を受けて真っ直ぐに飛んでいき、登場人物たちの未来を示唆する形で物語は幕を閉じる。


== 登場人物 ==
== 登場人物 ==
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ここでは主要人物のみ紹介。
ここでは主要人物のみ紹介。


タイトル『H2』とは、「ヒーローふたり、ヒロインふたり」<ref name="adachi165" />を意味する。そのうちのヒーローふたり(比呂→ヒロ→HERO、英雄→「えいゆう」→HERO)に関しては、作中でも英雄が語っている。コミックス完全版表紙には「The Highschool Days of 2 Heroes and 2 Heroines,'''Hiro Kunimi, Hideo Tachibana, Hikari Amamiya, Haruka Koga'''.」と副題が付けられている。
タイトル『H2』とは、「ヒーローふたり、ヒロインふたり」<ref name="adachi165" />を意味する。そのうちのヒーローふたり(比呂→ヒロ→HERO、英雄→「えいゆう」→HERO)に関しては、作中でも英雄が語っている。コミックス完全版表紙には「The Highschool Days of 2 Heroes and 2 Heroines, '''Hiro Kunimi, Hideo Tachibana, Hikari Amamiya, Haruka Koga'''.」と副題が付けられている。


; 国見 比呂(くにみ ひろ)(Hiro Kunimi)
; 国見 比呂(くにみ ひろ
: 千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。[[投手]]・[[中堅手]]。右投げ・右打ち。
: 千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。[[投手]]・[[中堅手]]。右投げ・右打ち。
: 物語の主人公。ひかりと野田は幼なじみで、英雄・ひかり・野田とは同じ青南中学校。
: 物語の主人公。ひかりと野田は幼なじみで、英雄・ひかり・野田とは同じ青南中学校。
: 中学時代から有名投手だったが、肘の故障を宣告され野球部のない千川高校に入学。誤診が判明し千川高校にて一からの甲子園出場を目指す。
: 中学時代から有名投手だったが、肘の故障を宣告され野球部のない千川高校に入学。誤診が判明し千川高校にて一からの甲子園出場を目指す。
; 橘 英雄(たちばな ひでお)(Hideo Tachibana)
; 橘 英雄(たちばな ひでお
: 明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。[[三塁手]]。右投げ・右打ち。
: 明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。[[三塁手]]。右投げ・右打ち。
: 明和第一高校野球部の4番バッター。比呂の親友でライバル。
: 明和第一高校野球部の4番バッター。比呂の親友でライバル。
; 雨宮 ひかり(あまみや ひかり)(Hikari Amamiya)
; 雨宮 ひかり(あまみや ひかり
: 明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。
: 明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。
: 比呂と野田の幼なじみ。中学時代に比呂の紹介で英雄と付き合うようになった。
: 比呂と野田の幼なじみ。中学時代に比呂の紹介で英雄と付き合うようになった。
: 明和第一高校では弓道部に所属しており、夏季限定で明和第一野球部にもマネージャーとして籍を置く。
: 明和第一高校では弓道部に所属しており、夏季限定で明和第一野球部にもマネージャーとして籍を置く。
; 古賀 春華(こが はるか)(Haruka Koga)
; 古賀 春華(こが はるか
: 千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。
: 千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。
: 千川高校の野球部マネージャーで、古賀商事の社長令嬢。
: 千川高校の野球部マネージャーで、古賀商事の社長令嬢。
: 高校野球の大ファンで千川高校に野球部を創設させる立役者となり、甲子園を目指すという夢を比呂に再び与えるきっかけを作る。
: 高校野球の大ファンで千川高校に野球部を創設させる立役者となり、甲子園を目指すという夢を比呂に再び与えるきっかけを作る。

== 書誌情報 ==
<!--下記情報の他に、レーベル:My First WIDE版も存在しますが、発売日or発行日の情報を見つけられていないため省略しています。-->
=== 単行本 ===
* あだち充 『H2』 小学館〈少年サンデーコミックス〉、全34巻
*# 1993年1月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123151-9}}
*# 1993年3月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123152-7}}
*# 1993年6月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123153-5}}
*# 1993年8月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123154-3}}
*# 1993年11月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123155-1}}
*# 1994年1月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123156-X}}
*# 1994年4月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123157-8}}
*# 1994年6月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123158-6}}
*# 1994年9月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123159-4}}
*# 1995年1月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123160-8}}
*# 1995年4月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123501-8}}
*# 1995年7月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123502-6}}
*# 1995年8月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123503-4}}
*# 1995年9月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123504-2}}
*# 1996年1月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123505-0}}
*# 1996年5月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123506-9}}
*# 1996年7月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123507-7}}
*# 1996年10月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123508-5}}
*# 1997年1月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123509-3}}
*# 1997年4月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-123510-7}}
*# 1997年6月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125221-4}}
*# 1997年9月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125222-2}}
*# 1997年12月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125223-0}}
*# 1998年3月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125224-9}}
*# 1998年5月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125225-7}}
*# 1998年8月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125226-5}}
*# 1998年10月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125227-3}}
*# 1999年1月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125228-1}}
*# 1999年4月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125229-X}}
*# 1999年7月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125230-3}}
*# 1999年9月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125601-5}}
*# 1999年11月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125602-3}}
*# 2000年2月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125603-1}}
*# 2000年4月15日初版第1刷発行、{{ISBN2|4-09-125604-X}}

=== ワイド版 ===
<!--発行日は「国立国会図書館サーチ」より引用-->
* あだち充 『H2』 小学館〈少年サンデーコミックスワイド版〉、全17巻
*# 2004年9月発行、{{ISBN2|4-09-127781-0}}
*# 2004年10月発行、{{ISBN2|4-09-127782-9}}
*# 2004年11月発行、{{ISBN2|4-09-127783-7}}
*# 2004年12月発行、{{ISBN2|4-09-127784-5}}
*# 2004年12月発行、{{ISBN2|4-09-127785-3}}
*# 2005年1月発行、{{ISBN2|4-09-127786-1}}
*# 2005年1月発行、{{ISBN2|4-09-127787-X}}
*# 2005年1月発行、{{ISBN2|4-09-127788-8}}
*# 2005年2月発行、{{ISBN2|4-09-127789-6}}
*# 2005年2月発行、{{ISBN2|4-09-127790-X}}
*# 2005年2月発行、{{ISBN2|4-09-127791-8}}
*# 2005年3月発行、{{ISBN2|4-09-127792-6}}
*# 2005年3月発行、{{ISBN2|4-09-127793-4}}
*# 2005年3月発行、{{ISBN2|4-09-127794-2}}
*# 2005年4月発行、{{ISBN2|4-09-127795-0}}
*# 2005年4月発行、{{ISBN2|4-09-127796-9}}
*# 2005年4月発行、{{ISBN2|4-09-127797-7}}

=== 文庫版 ===
* あだち充 『H2』 小学館〈小学館文庫〉、全20巻
*# 2009年5月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193871 |title=H2(文庫版) 1 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193871-8}}
*# 2009年5月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193872 |title=H2(文庫版) 2 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193872-5}}
*# 2009年6月13日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193873 |title=H2(文庫版) 3 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193873-2}}
*# 2009年6月13日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193874 |title=H2(文庫版) 4 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193874-9}}
*# 2009年7月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193875 |title=H2(文庫版) 5 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193875-6}}
*# 2009年7月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193876 |title=H2(文庫版) 6 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193876-3}}
*# 2009年8月12日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193877 |title=H2(文庫版) 7 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193877-0}}
*# 2009年8月12日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193878 |title=H2(文庫版) 8 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193878-7}}
*# 2009年9月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193879 |title=H2(文庫版) 9 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193879-4}}
*# 2009年9月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193880 |title=H2(文庫版) 10 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193880-0}}
*# 2009年10月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193881 |title=H2(文庫版) 11 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193881-7}}
*# 2009年10月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193882 |title=H2(文庫版) 12 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193882-4}}
*# 2009年11月14日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193883 |title=H2(文庫版) 13 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193883-1}}
*# 2009年11月14日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193884 |title=H2(文庫版) 14 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193884-8}}
*# 2009年12月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193885 |title=H2(文庫版) 15 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193885-5}}
*# 2009年12月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193886 |title=H2(文庫版) 16 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193886-2}}
*# 2010年1月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193887 |title=H2(文庫版) 17 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193887-9}}
*# 2010年1月15日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193888 |title=H2(文庫版) 18 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193888-6}}
*# 2010年2月13日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193889 |title=H2(文庫版) 19 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193889-3}}
*# 2010年2月13日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shogakukan.co.jp/books/09193890 |title=H2(文庫版) 20 |publisher=小学館 |accessdate=2021-06-11}}</ref>、{{ISBN2|978-4-09-193890-9}}


== テレビアニメ ==
== テレビアニメ ==
[[朝日放送テレビ|朝日放送]](ABC)制作、[[テレビ朝日]]系列にて1995年6月1日から1996年3月21日まで毎週木曜19:00〜19:30に放映(以前に木曜7時枠向けに制作されたアニメ作品には『[[ハーイあっこです]]』と『[[クッキングパパ]]』があった)。
[[朝日放送テレビ|朝日放送]](ABC)制作、[[テレビ朝日]]系列にて1995年6月1日から1996年3月21日まで毎週木曜19:00〜19:30に放映(以前に木曜7時枠向けに制作されたアニメ作品には『[[ハーイあっこです]]』と『[[クッキングパパ]]』があった)。


この番組終了を機に、[[1972年]][[4月1日]]スタートの『[[海のトリトン]]』以来実に24年間続き<ref>更に遡れば、[[1958年]][[4月6日]]に[[朝日放送制作・TBS日曜6時30分枠の連続ドラマ|日曜18:30]]で開始した『[[やりくりアパート]]』以来。</ref>、土曜夜7時枠(途中[[ネットチェンジ]]があり、[[ジャパン・ニュース・ネットワーク|TBS系列]]からテレビ朝日系の同時間帯に移行)→木曜夜7時30分枠(2代)→水曜夕方6時50分枠→木曜夜7時枠と渡り歩き、アニメ作品を中心に構成してきた当時間帯の朝日放送制作枠は消滅、テレビ朝日に制作枠を返上しバラエティ枠となった現在『[[日本人の3割しか知らなこと くりぃむちゅーのハナタカ!優越館]]』を放送中。この枠のメインスポンサーだった[[日本ガス協会]]は、引き続きテレビ朝日制作バラエティ枠(『[[邦子と徹のあんたが主役|必撮ビデオ!!あんたが主役]]』と『[[超次元タイムボンバー]]』)となった後もスポンサーを継続したが、1997年4月に[[讀賣テレビ放送|よみうりテレビ]]制作・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系の月曜19:30〜20:00のアニメ『[[名探偵コナン (アニメ)|名探偵コナン]]』へと移った。
この番組終了を機に、1972年4月1日スタートの『[[海のトリトン]]』以来24年間続き<ref>更に遡れば、1958年4月6日に[[朝日放送制作・TBS日曜6時30分枠の連続ドラマ|日曜18:30]]で開始した『[[やりくりアパート]]』以来。</ref>、土曜夜7時枠(途中[[ネットチェンジ]]があり、[[ジャパン・ニュース・ネットワーク|TBS系列]]からテレビ朝日系の同時間帯に移行)→木曜夜7時30分枠(2代)→水曜夕方6時50分枠→木曜夜7時枠と渡り歩き、アニメ作品を中心に構成してきた当時間帯の朝日放送制作枠は消滅、テレビ朝日に制作枠を返上しバラエティ枠となった現在『[[ウラ撮れちゃ]]』を放送中。この枠のメインスポンサーだった[[日本ガス協会]]は、引き続きテレビ朝日制作バラエティ枠(『[[邦子と徹のあんたが主役|必撮ビデオ!!あんたが主役]]』と『[[超次元タイムボンバー]]』)となった後もスポンサーを継続したが、1997年4月に[[讀賣テレビ放送|よみうりテレビ]]制作・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系の月曜19:30〜20:00のアニメ『[[名探偵コナン (アニメ)|名探偵コナン]]』へと移った。

2005年1月8日からドラマと連動させるように[[毎日放送]](MBS)で17:30 - 18:00の間で再放送されていた。なお、作品中、末期に放送予定の2作は、編成の関係などで、本放送では欠番、未放送となっている。


[[2005年]][[1月8日]]からドラマと連動させるように[[MBSテレビ|毎日放送]](MBS)で17:30 - 18:00の間で再放送されていた。なお、作品中、末期に放送予定の2作は、編成の関係などで、本放送では欠番、未放送となっている。<br>
なお、MBS等テレビ朝日系列外での再放送時では、スタッフロールや制作局表記時に「ABC」の表記を削除した素材が使われている。
なお、MBS等テレビ朝日系列外での再放送時では、スタッフロールや制作局表記時に「ABC」の表記を削除した素材が使われている。


次回予告では、最後にひかりが「いい汗、流してますか?」と視聴者に問いかけるのが定番だった。
次回予告では、最後にひかりが「いい汗、流してますか?」と視聴者に問いかけるのが定番だった。

映像ソフト化については、[[VHS]]版・[[DVD]]版がリリースされたが、現在は廃盤となっており、[[Blu-ray]]版はリリースされていない。


=== キャスト ===
=== キャスト ===
112行目: 211行目:
* 古賀 春華 - [[鈴木真仁]]
* 古賀 春華 - [[鈴木真仁]]
* 野田 敦 - [[津田健次郎]]
* 野田 敦 - [[津田健次郎]]
* 木根 竜太郎 - [[竹中伸一]]、[[根谷美智子]](小学校時代)
* 木根 竜太郎 - 竹中伸一、[[根谷美智子]](小学校時代)
* 柳 守道 - [[伊崎寿克]]
* 柳 守道 - [[伊崎寿克]]
* 佐川 周二 - [[檜山修之]]
* 佐川 周二 - [[檜山修之]]
145行目: 244行目:
* エンディングテーマ
* エンディングテーマ
**1〜23話:[[西脇唯]]『「二人」に帰ろう』<ref>22話では挿入歌としても使用された。</ref>
**1〜23話:[[西脇唯]]『「二人」に帰ろう』<ref>22話では挿入歌としても使用された。</ref>
**24〜41話:[[吉村麻希]]『絶対会えてよかった』<ref>38話では挿入歌としても使用された。</ref>
**24〜41話:吉村麻希『絶対会えてよかった』<ref>38話では挿入歌としても使用された。</ref>
* 挿入歌
* 挿入歌
**23話:西脇唯『ゆるやかな虹のように』
**23話:西脇唯『ゆるやかな虹のように』
151行目: 250行目:


=== ネット局 ===
=== ネット局 ===
出典は1995年9月中旬 - 10月上旬時点<ref>{{Cite journal |和書 |journal=[[アニメディア]] |issue=1995年10月号 |publisher=[[学研ホールディングス|学研]] |title=TV STATION NETWORK |pages=113 - 115}}</ref>
{| class="wikitable" style="text-align:center;font-size:smaller"
{| class="wikitable" style="text-align:center;font-size:smaller"
|-
|-
208行目: 308行目:
|[[富山県]]
|[[富山県]]
|[[チューリップテレビ]]
|[[チューリップテレビ]]
|[[Japan News Network|TBS系列]]
|[[ジャパン・ニュース・ネットワーク|TBS系列]]
|遅れネット
|遅れネット
|金曜 16:27 - より放送
|
|-
|-
|[[石川県]]
|[[石川県]]
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|TBS系列
|TBS系列
|遅れネット
|遅れネット
|月曜 16:00 - 放送
|
|-
|-
|[[福岡県]]
|[[福岡県]]
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.pro-reed.com/works/tv_series/w029.html プロダクション リード(旧・葦プロダクション)によるアニメ紹介ページ]
* [http://ashipro.jp/works/tv_series/w029.html プロダクション リード(旧・葦プロダクション)によるアニメ紹介ページ]
* [http://www.tbs.co.jp/H2/ TBS - H2]
* [http://www.tbs.co.jp/H2/ TBS - H2]
* [https://websunday.net/museum/no19/ サンデー名作ミュージアム - H2]
* [https://websunday.net/museum/no19/ サンデー名作ミュージアム - H2]
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|放送局=[[朝日放送テレビ|朝日放送]]をはじめとする[[テレビ朝日]][[オールニッポン・ニュースネットワーク|系列]]
|放送局=[[朝日放送テレビ|朝日放送]]をはじめとする[[テレビ朝日]][[オールニッポン・ニュースネットワーク|系列]]
|放送枠=木曜19:00 - 19:30枠
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|番組名=H2<br/>(1995年6月 - 1996年3月)<br />【本番組まで[[朝日放送テレビ|朝日放送]]制作枠】
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2023年9月26日 (火) 12:43時点における最新版

H2
ジャンル 少年漫画
漫画
作者 あだち充
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
レーベル 少年サンデーコミックス
発表号 1992年32号 - 1999年50号
巻数 全34巻
その他 ワイド版:全17巻
文庫版:全20巻
アニメ
監督 うえだひでひと
シリーズ構成 桶谷顕
キャラクターデザイン 平田智浩
音楽 岩代太郎
アニメーション制作 葦プロダクション
製作 朝日放送
東宝株式会社
ASATSU
放送局 朝日放送・テレビ朝日系列
放送期間 1995年6月1日 - 1996年3月21日
話数 全39話+未放映2話
ドラマ:H2〜君といた日々
監督 堤幸彦
制作 オフィスクレッシェンドTBS
放送局 TBS系列
放送期間 2005年1月13日 - 2005年3月24日
話数 11話
テンプレート - ノート

H2』(エイチツー)は、あだち充による日本漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、1992年32号から1999年50号まで連載された。

概説

高校野球をテーマとした長編野球漫画。2人の野球少年であるヒーローと2人のヒロインの、野球にかける青春と恋を描く。

単行本は小学館:少年サンデーコミックスより全34巻、同ワイド版より全17巻、小学館文庫より全20巻。2018年8月時点でシリーズ累計発行部数は5500万部を突破している[1]。同年には「サンデーうぇぶり」にて電子版が連載を開始[1]

映像では、1995年にアニメ版[2]、2005年1月から3月まで実写ドラマ版が放送された。

タイトル『H2』とは、「ヒーローふたり、ヒロインふたり」を意味する(詳細は登場人物の項を参照)。

制作背景

6年ぶりの野球漫画

本作は、あだちにとって『タッチ』の連載終了以来6年ぶりの野球漫画の連載となった[3]。あだちは『タッチ』の終了後は女子ソフトボールを題材とした『スローステップ』、水泳を題材とした『ラフ』、時代劇ものの『虹色とうがらし』を手掛けるなど野球を避けてきたが、その理由については「掲載誌のことを考えず、自分が柱になろうという気持ちも持たず、本人が描きたい絵をただ描きました」「野球マンガを2本続けて描いたら、しんどいし、すり減っちゃうでしょう」と語っている[3]

ふたたび野球漫画に取り組んだ理由について、あだちはJリーグ開幕を翌年に控えた日本国内のサッカー人気の高まりへの反発や対抗心があったと語っている[3]。また、野球の魅力を読者に伝えようと、『タッチ』以上に野球の描写へのこだわりもみせた[3]

その頃Jリーグが始まってサッカーが異様に盛り上がってて、冗談じゃねえやって思って(笑)。サッカーに抵抗してやろうと、野球の面白さを描くことに自分なりにこだわったつもりなんです。『タッチ』ではあまり描かれなかった野球をちゃんと描いてみたら、違うものができるかなという意識もありましたね[3] — あだち充

なお、あだちは野球が「のあるスポーツ」で、サッカーは選手が絶え間なく動く「間のないスポーツ」だとしている[3]。自身の作風を「僕のマンガは”間”ばっかりだから(笑)」とし、野球との相性の良さについても言及している[3]

四角関係と結末

本作はあだち充の長編漫画では最もほろ苦い最終回を迎えるとされる。あだちは野球を真面目に描くつもりで、比呂と春華とひかりと英雄の四角関係の組み合わせを決めずに連載を開始。最後の最後まで比呂とひかりがどちらにいくかはわからない展開が繰り広げられる。主人公である比呂の初恋が敗れるという結末については、他にも収拾の仕方はあったのだろうが流れに任せていたらこうなったとコメントしている[4][5]。そのほろ苦さについて問いかけられた際、「普通だったら、幼なじみの比呂と雨宮ひかりがくっつくところを、読者的には古賀春華の人気が出ちゃったので、まぁ、許してくれるかなと(笑)」[4]と答えた。少年の思春期の出遅れとそれによる同級生の少女とのすれ違いは当初からあだちが本作のテーマとしていた要素であり、比呂とひかりの関係のターニングポイントとなる第213話「夢じゃないみたいだな」の会話において象徴的に表現されている[6][7]

結末は担当編集者とも相談して決定。通常版コミックの20巻近くまで連載が進んだ時点、比呂がまだ春華とひかりのどちらを選ぶか明確でないタイミングで配属された担当は、いち読者としては比呂がひかりへの純愛を貫くことを希望していた。しかし打ち合わせで、読者人気のある春華でなくひかりとくっつくと比呂が悪者に映ってしまうので、ひかりと英雄の幸せのために比呂が一歩退く方向で行けばまとまるのではないかという意見がどちらともなく出る。担当はその打ち合わせ以後『H2』のセリフが切れ味を増していくのを感じ、あだちが物語の結末をイメージできたのだろうと考えた。それが顕著となる第213話「夢じゃないみたいだな」の原稿を読み、担当は完成度の高さに震えたという[8]

春華のスチュワーデスの夢など、多くの要素を長期にわたって結実させたラストである[4]。甲子園の準決勝までは描いたが決勝は描かなかった点も、高校野球漫画としては特徴的である。比呂・英雄の直接対決と4人の恋の決着を描くことを重視していたため、決勝について描くつもりはなかったと発言している[9]

あだちは読者を信用し、自作では言葉で全ては与えずに少しずつ匂わせて深読みしてもらう手法を取る。思いをあからさまに言葉にして野暮になることを避け、ちゃんと読者が受け取ってくれて伝わったと感じる時を喜びとした。その感覚は落語に教わったとし、“考えオチ”で考えてやっと意味がわかるのはすごく快感だと語っている[10]

あらすじ

親友でありそしてライバルでもあるエース国見比呂とスラッガー橘英雄、比呂の幼なじみであり英雄のガールフレンドでもある雨宮ひかり、比呂が進学先の千川高校で出逢った古賀春華。名前の頭文字に「H」を持つ「2」人の野球少年であるヒーローと「2」人のヒロインを軸に話が展開する。

比呂と英雄はチームメイトで捕手の野田敦と共に中学野球で地区大会二連覇を果たすが、その後医師から比呂は肘、野田は腰にそれぞれ爆弾を持っていると診断されてしまい、野球を断念。英雄がひかりとともに野球の名門・明和第一高校へ進学したのに対し、比呂と野田は野球部の無い千川高校に進み、それぞれサッカー水泳に取り組むことにした。

千川高校に野球部はなかったが、実は「野球愛好会」が細々と活動していた。比呂は、ひょんなことから行われることになったサッカー部と野球愛好会との野球の試合に参加するも、試合中のサッカー部員たちの野球を馬鹿にした態度を嫌い、その場でサッカー部を退部し野球愛好会へ入会する。また、たまたまこの試合を観ていた野田も一緒に入会。2人は1試合だけの参加のつもりだったが、故障の診断を行った医師が実は無免許だったのが発覚して逮捕されたことを知り、別の病院にて何の異常もないことを知ると正式に愛好会へ入会した。

そして、千川高校にて甲子園出場を果たすことを決意。「野球部」への昇格を目指すことになるが、校長が高校野球嫌いのために断られ続けていることを知る。比呂と野田は校長の息子にして名二塁手でもある柳守道の協力を得ながら、明和一との試合に勝つという校長の提示した無理難題に挑む。英雄に対抗意識を燃やす野球経験者の木根竜太郎も加わり、惜しくも試合には敗れるものの、この試合が校長の心を開くきっかけとなり野球部創設が認められる。

こうして出来上がった千川高校野球部は、マネージャー・古賀春華の兄の古賀富士夫を監督に迎えて本格稼働する。千川高校と明和第一高校はそれぞれ北東京、南東京に属しており[11]、比呂と英雄の直接対決は、両校が甲子園出場を果たさない限り実現しない。千川高校野球部は比呂と野田のバッテリーを中心にまずは甲子園出場を目標に奮闘。

比呂たちは2年生に進級し、英雄の幼なじみである佐川周二ら新入生を加えた千川高校野球部は地区大会を勝ち進む。準決勝の相手の栄京学園高校は黒い噂が囁かれるだけでなく、監督の城山義明は古賀監督と、2年生エースのは佐川と、それぞれ因縁を持つ相手でもあった。試合の直前に、1年生部員の島オサム大竹文雄が、家庭の事情から広田のスパイとして潜入させられていたと発覚。だが部での交流を深めていた島と大竹は広田への反抗の覚悟を固めており、比呂も2人を受け入る。広田の肘の故障もあって千川は栄京を撃破。千川は決勝でも勝利し、比呂と英雄はともに甲子園出場(第79回全国高等学校野球選手権大会)を果たす。だが千川は明和一と対決する3回戦を前に、エース月形耕平と4番志水仁を擁する伊羽商業高校との2回戦において、比呂が足を負傷して敗退してしまう。海辺で落ち込む比呂は慰めるひかりに対し、隠していたが初恋はひかりであり、初恋では戦えなかったためせめて野球では英雄と戦いたかったと告白する。ひかりは比呂を抱き留めながらその気持ちに対して謝るが、2人の様子は比呂に想いを寄せる春華に目撃されていた。全国大会では明和一が優勝。この夏で英雄はもちろん比呂も注目選手となる。

秋季東京都野球大会、準決勝にて千川は指導者を交代し体制を一新した栄京と対戦する。一塁手に転向しラフプレーを改めた広田と熱戦を繰り広げ、比呂は勝利を掴む。明和一はこれからの全国大会に向け、新エースである1年生石元豊をあえて起用し続けて敗退しており、千川は秋季大会で優勝。春の選抜高校野球大会出場を確実なものとする。練習を積み重ねる中で比呂と春華が急接近する一方、英雄とひかりは気持ちのすれ違いが続いていた。春の選抜で千川は優勝し、甲子園にて前年の夏の優勝チームとその年の春の優勝チームで最後の夏を戦うという英雄の希望がいよいよ現実味を帯びる。その後ほどなくしてひかりの母が急死。ひかりと息子同然に可愛がられていた比呂は激しく落ち込み、同じ痛みを共有できる絆を再確認する。2人は幼なじみと現在同じ学校で隣りにいる相手との関係を問い直すために悩み、ひかりをうまく慰められずにもどかしく思う英雄は、比呂への嫉妬とそれを感じてしまう自分に苦しむ。春華は3人の中学生からの因縁を傍から見ることしかできず悲しむが、比呂から今自分が高校で野球を頑張れているのは春華のおかげだと伝えられる。

そして最後の夏、千川は北東京大会で、明和一は南東京大会でそれぞれ優勝し甲子園出場(第80回全国高等学校野球選手権大会)。甲子園でも準々決勝に進出し、突破すれば準決勝で明和一との対決となる組み合わせが決まる。準々決勝は比呂の温存のため木根が先発で登板。チーム一丸でのバックアップも手伝い完投を果たして勝利する。準決勝前夜となるその夜、比呂は英雄とひかりの重大な秘密を野田の失言から不意に知ってしまう。この対戦を最後まで見届けて、自分か比呂かをもう一度選ぶように英雄がひかりに持ちかけていたのだ。試合開始時に比呂は英雄へ自分はひかりが大好きだと宣戦布告。両者ともに絶対に負けられない勝負が始まる。9回裏二死、2対0での英雄との対峙において、比呂は葛藤の末に二度と投げられないようなストレートを投げ、三振を奪う。

千川が勝利に沸き立つ中、比呂は勝利の嬉しさからではない涙をこぼす。ひかりが英雄の融通の利かないバカ正直さに惚れたことを、比呂は痛いほどに知っていた。英雄は1人海辺で悄然とするが、ひかりに見つけられ、比呂の真っ向勝負を疑ってしまい比呂にも自分にも負けたと吐露する。ひかりはそんな英雄のカギを閉めたような融通の利かなさを確認し、そのドアを開けた中にひかりの居場所があることを比呂の奪三振から教わったと英雄に伝える。比呂があえて試合前に挑発して悪役に回った理由と、終了時に涙した本当の意味を英雄は悟る。野球の勝敗にひかりとの恋愛関係を託し、負ければ身を引くつもりで自分か比呂かをもう一度選ばせようとした英雄は何もわかっていなかったのだ。ひかりは自分こそ選ぶ権利など最初からないのをわかっていなかったと語る。英雄は自分も比呂からだれよりもひかりのことが必要なのは自分だと教わったと応え、ひかりと抱き合う。一方、比呂は宿舎で仲間たちと準決勝の勝利を祝いながらも、内心の悲しみは野田に察されていた。

翌日の決勝戦当日の朝、早くに起きてきた比呂は紙飛行機を作り、同じく起きていた春華と、大リーグへ向かう比呂とスチュワーデスとなる夢を叶えた春華がともに搭乗するという冗談を交わし合い、受け入れる。決意も新たに、千川高校野球部の仲間たちを全員乗せたバスは甲子園に向かう。試合開始前の抜けるような青空の中をあの紙飛行機が風を受けて真っ直ぐに飛んでいき、登場人物たちの未来を示唆する形で物語は幕を閉じる。

登場人物

ここでは主要人物のみ紹介。

タイトル『H2』とは、「ヒーローふたり、ヒロインふたり」[6]を意味する。そのうちのヒーローふたり(比呂→ヒロ→HERO、英雄→「えいゆう」→HERO)に関しては、作中でも英雄が語っている。コミックス完全版表紙には「The Highschool Days of 2 Heroes and 2 Heroines, Hiro Kunimi, Hideo Tachibana, Hikari Amamiya, Haruka Koga.」と副題が付けられている。

国見 比呂(くにみ ひろ)
千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。投手中堅手。右投げ・右打ち。
物語の主人公。ひかりと野田は幼なじみで、英雄・ひかり・野田とは同じ青南中学校。
中学時代から有名投手だったが、肘の故障を宣告され野球部のない千川高校に入学。誤診が判明し千川高校にて一からの甲子園出場を目指す。
橘 英雄(たちばな ひでお)
明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。三塁手。右投げ・右打ち。
明和第一高校野球部の4番バッター。比呂の親友でライバル。
雨宮 ひかり(あまみや ひかり)
明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。
比呂と野田の幼なじみ。中学時代に比呂の紹介で英雄と付き合うようになった。
明和第一高校では弓道部に所属しており、夏季限定で明和第一野球部にもマネージャーとして籍を置く。
古賀 春華(こが はるか)
千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。
千川高校の野球部マネージャーで、古賀商事の社長令嬢。
高校野球の大ファンで千川高校に野球部を創設させる立役者となり、甲子園を目指すという夢を比呂に再び与えるきっかけを作る。

書誌情報

単行本

  • あだち充 『H2』 小学館〈少年サンデーコミックス〉、全34巻
    1. 1993年1月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123151-9
    2. 1993年3月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123152-7
    3. 1993年6月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123153-5
    4. 1993年8月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123154-3
    5. 1993年11月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123155-1
    6. 1994年1月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123156-X
    7. 1994年4月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123157-8
    8. 1994年6月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123158-6
    9. 1994年9月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123159-4
    10. 1995年1月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123160-8
    11. 1995年4月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123501-8
    12. 1995年7月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123502-6
    13. 1995年8月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123503-4
    14. 1995年9月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123504-2
    15. 1996年1月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123505-0
    16. 1996年5月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123506-9
    17. 1996年7月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123507-7
    18. 1996年10月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123508-5
    19. 1997年1月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123509-3
    20. 1997年4月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-123510-7
    21. 1997年6月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125221-4
    22. 1997年9月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125222-2
    23. 1997年12月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125223-0
    24. 1998年3月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125224-9
    25. 1998年5月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125225-7
    26. 1998年8月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125226-5
    27. 1998年10月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125227-3
    28. 1999年1月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125228-1
    29. 1999年4月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125229-X
    30. 1999年7月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125230-3
    31. 1999年9月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125601-5
    32. 1999年11月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125602-3
    33. 2000年2月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125603-1
    34. 2000年4月15日初版第1刷発行、ISBN 4-09-125604-X

ワイド版

文庫版

テレビアニメ

朝日放送(ABC)制作、テレビ朝日系列にて1995年6月1日から1996年3月21日まで毎週木曜19:00〜19:30に放映(以前に木曜7時枠向けに制作されたアニメ作品には『ハーイあっこです』と『クッキングパパ』があった)。

この番組終了を機に、1972年4月1日スタートの『海のトリトン』以来24年間続き[32]、土曜夜7時枠(途中ネットチェンジがあり、TBS系列からテレビ朝日系の同時間帯に移行)→木曜夜7時30分枠(2代)→水曜夕方6時50分枠→木曜夜7時枠と渡り歩き、アニメ作品を中心に構成してきた当時間帯の朝日放送制作枠は消滅、テレビ朝日に制作枠を返上しバラエティ枠となった(現在は『ウラ撮れちゃいました』を放送中)。この枠のメインスポンサーだった日本ガス協会は、引き続きテレビ朝日制作バラエティ枠(『必撮ビデオ!!あんたが主役』と『超次元タイムボンバー』)となった後もスポンサーを継続したが、1997年4月によみうりテレビ制作・日本テレビ系の月曜19:30〜20:00のアニメ『名探偵コナン』へと移った。

2005年1月8日からドラマと連動させるように毎日放送(MBS)で17:30 - 18:00の間で再放送されていた。なお、作品中、末期に放送予定の2作は、編成の関係などで、本放送では欠番、未放送となっている。

なお、MBS等テレビ朝日系列外での再放送時では、スタッフロールや制作局表記時に「ABC」の表記を削除した素材が使われている。

次回予告では、最後にひかりが「いい汗、流してますか?」と視聴者に問いかけるのが定番だった。

映像ソフト化については、VHS版・DVD版がリリースされたが、現在は廃盤となっており、Blu-ray版はリリースされていない。

キャスト

スタッフ

主題歌

ネット局

出典は1995年9月中旬 - 10月上旬時点[36]

放送対象地域 放送局 系列 ネット形態 備考
近畿広域圏 朝日放送 テレビ朝日系列 制作局 現:朝日放送テレビ
関東広域圏 テレビ朝日 同時ネット
北海道 北海道テレビ
青森県 青森朝日放送
宮城県 東日本放送
秋田県 秋田朝日放送
山形県 山形テレビ
福島県 福島放送
新潟県 新潟テレビ21
長野県 長野朝日放送
静岡県 静岡朝日テレビ
富山県 チューリップテレビ TBS系列 遅れネット 金曜 16:27 - より放送
石川県 北陸朝日放送 テレビ朝日系列 同時ネット
中京広域圏 名古屋テレビ
広島県 広島ホームテレビ
山口県 山口朝日放送
香川県
岡山県
瀬戸内海放送
愛媛県 愛媛朝日テレビ
高知県 テレビ高知 TBS系列 遅れネット 月曜 16:00 - 放送
福岡県 九州朝日放送 テレビ朝日系列 同時ネット
長崎県 長崎文化放送
熊本県 熊本朝日放送
大分県 大分朝日放送
宮崎県 宮崎放送 TBS系列 遅れネット [37]
鹿児島県 鹿児島放送 テレビ朝日系列 同時ネット
沖縄県 琉球朝日放送 1995年10月開局から

サブタイトルリスト

放送日 サブタイトル 脚本 コンテ 演出 作画監督
1 1995年
6月1日
青春=(イコール)野球ですか 松井亜弥 うえだひでひと 鈴木敏明 高木弘樹
2 6月8日 めざせ両国国技館 桶谷顕 高橋ナオヒト
深沢幸司
勝亦祥視 深沢幸司
3 6月15日 おいおいサッカー部 安東信悦
広田正志
日下直義 新羽こういちろう
4 6月22日 野球だけは別だった 岸間信明 吉田浩
高橋ナオヒト
勝亦祥視 広田正志
5 6月29日 入会届が必要ですか? 高橋ナオヒト 安東信悦 千羽由利子
6 7月6日 これが国見比呂だ! 山下久仁明 大関雅幸 森田風太 平岡正幸
7 7月13日 愛好会、やめますか? 小出克彦 千明孝一 高田淳 高木弘樹
8 7月20日 ガラスのヒジだってさ 桶谷顕 吉田浩 日下直義 深沢幸司
9 7月27日 神様が見たかったんだろ 岸間信明 安東信悦 勝亦祥視 広田正志
10 8月3日 いやな展開だな… 山下久仁明 安東信悦 千羽由利子
11 8月10日 打倒!明和第一 小出克彦 松浦錠平 杉島邦久 平岡正幸
12 8月17日 クジ運ないのかな 桶谷顕 勝亦祥視
安東信悦
勝亦祥視 広田正志
13 8月24日 友達ならわかるよね 岸間信明 青木佐恵子 高田淳 高木弘樹
14 8月31日 二軍が出てきたぜ 山下久仁明 安東信悦 深沢幸司
15 9月7日 けっこうカッコいいだろ 小出克彦 安東信悦 勝亦祥視 広田正志
16 9月14日 今度はハズレじゃないわよ 吉田玲子 古川順康
高田淳
高田淳 佐藤修
17 9月21日 比呂負傷!?どうする野球愛好会 小出克彦 清水明 葛谷直行 平岡正幸
18 10月5日 熱戦九回裏!バッターは国見… 桶谷顕 うえだひでひと 安東信悦
勝亦祥視
深沢幸司
19 大逆転!千川野球部誕生? 日下直義
高麗了
青木新一郎 深沢幸司
進藤満尾
20 10月19日 追跡!比呂VS春華 岸間信明 鈴木胡擯 花井信也 今泉賢一
21 10月26日 春華とひかりと比呂の海 山下久仁明 高田淳 高木弘樹
22 11月2日 代打デート・帰れない二人 吉田玲子 うえだひでひと 勝亦祥視 広田正志
23 11月9日 眠れないよ…二人だけの夜 小出克彦 平田智浩 高田淳 平田智浩
24 11月16日 それぞれの夏・花火のように 岸間信明 吉村文宏 内田裕
25 11月23日 監督決定!私が古賀富士夫です 桶谷顕 葛谷直行 清水明 平岡正幸
26 11月30日 サヨナラ先輩!涙の壮行試合 山下久仁明 安東信悦 深沢幸司
27 12月7日 ヒデちゃん幻のホームラン 吉田玲子 小林哲也 佐藤修
28 12月14日 記念試合!危ない奴らがやって来た 小出克彦 鈴木胡擯 花井信也 今泉賢一
29 12月21日 ひかりピンチ!周二の罠!? 桶谷顕 うえだひでひと 高田淳 高木弘樹
30 1996年
1月11日
ひかりのウソ比呂の涙 山下久仁明 安東信悦 勝亦祥視 広田正志
31 1月18日 新たなる好敵手(ライバル)!栄京・広田 岸間信明 二見緋絽志 棚橋一徳 谷口守泰
32 1月25日 天才・橘気迫のバッターボックス 吉田玲子 清水明 平岡正幸
33 2月1日 千川祭歓迎!栄京学園さま 小出克彦 小林哲也 佐藤修
34 2月8日 真剣勝負は嫌いじゃないさ 桶谷顕 鈴木胡擯 高田淳 岡辰也
35 2月22日 予告三振しろってか? 山下久仁明 安東信悦 深沢幸司
36 2月29日 俺のスコアブックは3対1さ 岸間信明 棚橋一徳 谷口守泰
37 3月7日 クシュン!ダンボールの中の待ちぼうけ 小出克彦 清水明 平岡正幸
38 3月14日 初デート!これからもよろしく 吉田玲子 高田淳 高木弘樹
39 未放送 心のギブスがとれてねえぞ 桶谷顕 木暮輝夫 宮崎一哉 飯野皓
40 いつまでも変わらない夢 小林哲也 佐藤修
41 3月21日 夏への誓いここからスタート! 桶谷顕
岸間信明
山下久仁明
うえだひでひと 高田淳 平田智浩

テレビドラマ

脚注

  1. ^ a b 初の電子化! シリーズ累計5,500万部超のあだち充の野球漫画「H2」の連載が「サンデーうぇぶり」限定でスタート!”. プレスリリース (2018年8月6日). 2018年11月18日閲覧。
  2. ^ あだち充の名作「H2」が山田孝之主演でドラマ化。”. Narinari.com (2004年11月17日). 2018年11月18日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 「あだち充独占2万字インタビュー&解体全書」『ダ・ヴィンチ』 2012年12月号、KADOKAWA、32頁。 
  4. ^ a b c あだち充『おあとがよろしいようで』小学館、351頁。ISBN 978-4-09-122716-4 
  5. ^ 『漫画家本vol.6 あだち充本』小学館、2018年8月8日、164-165頁。 
  6. ^ a b 『漫画家本vol.6 あだち充本』小学館、2018年8月8日、164-165頁。 
  7. ^ あだち充『おあとがよろしいようで』小学館、336頁。ISBN 978-4-09-122716-4 
  8. ^ 『漫画家本vol.6 あだち充本』小学館、2018年8月8日、170-171頁。 
  9. ^ 『漫画家本vol.6 あだち充本』小学館、2018年8月8日、167頁。 
  10. ^ ダ・ヴィンチ 2012年12月号』、メディアファクトリー、31頁。 
  11. ^ 現実では東京の代表校の区分は東西。
  12. ^ H2(文庫版) 1”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  13. ^ H2(文庫版) 2”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  14. ^ H2(文庫版) 3”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  15. ^ H2(文庫版) 4”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  16. ^ H2(文庫版) 5”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  17. ^ H2(文庫版) 6”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  18. ^ H2(文庫版) 7”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  19. ^ H2(文庫版) 8”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  20. ^ H2(文庫版) 9”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  21. ^ H2(文庫版) 10”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  22. ^ H2(文庫版) 11”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  23. ^ H2(文庫版) 12”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  24. ^ H2(文庫版) 13”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  25. ^ H2(文庫版) 14”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  26. ^ H2(文庫版) 15”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  27. ^ H2(文庫版) 16”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  28. ^ H2(文庫版) 17”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  29. ^ H2(文庫版) 18”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  30. ^ H2(文庫版) 19”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  31. ^ H2(文庫版) 20”. 小学館. 2021年6月11日閲覧。
  32. ^ 更に遡れば、1958年4月6日に日曜18:30で開始した『やりくりアパート』以来。
  33. ^ 37話では挿入歌としても使用された。
  34. ^ 22話では挿入歌としても使用された。
  35. ^ 38話では挿入歌としても使用された。
  36. ^ 「TV STATION NETWORK」『アニメディア』1995年10月号、学研、113 - 115頁。 
  37. ^ 本放送終了後に放送。

外部リンク

朝日放送をはじめとするテレビ朝日系列 木曜19:00 - 19:30枠
前番組 番組名 次番組
クッキングパパ
(1992年4月 - 1995年5月)
H2
(1995年6月 - 1996年3月)
【ここまで朝日放送制作のアニメ枠】
必撮ビデオ!!あんたが主役
(1996年4月 - 9月)
【ここからテレビ朝日制作のバラエティ枠】