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'''ジョージ・ジョセフ・スティグラー'''(George Joseph Stigler, [[1911年]][[1月17日]] - [[1991年]][[12月1日]])は、[[アメリカ合衆国]]の[[経済学者]]。[[1982年]]に[[アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞|ノーベル経済学賞]]を受賞した。


'''ジョージ・ジョセフ・スティグラー'''(George Joseph Stigler[[1911年]][[1月17日]] - [[1991年]][[12月1日]])は、[[アメリカ合衆国]]の[[経済学者]]。[[1982年]]に[[ノーベル経済学賞]]を受賞した。
== 生涯 ==
スティグラーは[[ワシントン州]][[シアトル]]で生まれ、[[ワシントン大学 (UW)|ワシントン大学]]、[[ノースウェスタン大学]]で経済学を学んだ。その後[[シカゴ大学]]で[[フランク・ナイト]]の指導を受け、[[1938年]]に博士号を取得した。


== 略歴 ==
スティグラーは[[アイオワ州立大学]]、[[ミネソタ大学]]、[[ブラウン大学]]、[[コロンビア大学]]の教員を歴任した後、[[1959年]]にシカゴ大学に戻った。コロンビア時代は、[[マンハッタン計画]]に参加、その後1947年から1958年まで同校教授を務めた。
* [[1911年]] [[ワシントン州]][[シアトル]]で生まれる。

* 1931年 [[ワシントン大学 (ワシントン州)|ワシントン大学]]を卒業する(BA)。
1964年[[アメリカ経済学会]]会長。
* 1932年 [[ノースウェスタン大学]]で経営学を学びMBAをとる(ノースヴェスタン大学時代に経済学に興味を持つ)。

* 1933年 [[シカゴ大学]]に入り[[フランク・ナイト]]の指導を受ける。
スティグラーは[[1947年]]の[[モンペルラン・ソサエティー]]の設立に携わり、[[1976年]]から[[1978年]]まで同協会の会長を務めた。[[シカゴ]]にて没。
* 1936年 - 1938年 アイオワ州立カレッジで教え始める。
* [[1938年]] [[シカゴ大学]]から博士号(Ph.D.)を取得する。
* 第2次世界大戦時、[[コロンビア大学]]でほとんど[[マンハッタン計画]]に参加し、数学および統計学関係の調査を行う。
* 1年間、[[ブラウン大学]]で過ごす。
* 1947年 - 1958年 [[コロンビア大学]]の教授を務める。
* [[1959年]] [[シカゴ大学]]に戻る。
* 1964年 [[アメリカ経済学会]]会長を務める
* [[1976年]] - [[1978年]] [[モンペルラン・ソサエティー]]の会長を務める(スティグラーは[[1947年]]の同協会の設立に携わっていた)。
* [[1982年]] [[ノーベル経済学賞]]を受賞する。
* 1987年 [[アメリカ国家科学賞]]を受賞する。
* [[1991年]] [[シカゴ]]にて没。


== 業績 ==
== 業績 ==
スティグラーは[[産業組織論]]や[[経済学史]]を主領域として研究を行っていた。スティグラーは産業組織論において、20世紀前半の主流派であった[[ハーバード学派]]に対抗して、市場構造の集中度の高さが必ずしも市場の非効率性につながらないことなどを示した。また従来は価格と経済という現象にのみ適用されていた[[新古典派経済学]]を[[ゲーリー・ベッカー]]とともに拡張し、あらゆる行動は合理的に選択されているという点を示したことでも有名である。
* スティグラーは[[産業組織論]]や[[経済学史]]を主領域として研究を行っていた。スティグラーは産業組織論において、20世紀前半の主流派であった[[ハーバード学派]]に対抗して、市場構造の集中度の高さが必ずしも市場の非効率性につながらないことなどを示した。また従来は価格と経済という現象にのみ適用されていた[[新古典派経済学]]を[[ゲーリー・ベッカー]]とともに拡張し、あらゆる行動は合理的に選択されているという点を示したことでも有名である。


また本来は消費者保護のためであったはずの規制が、いつの間にか生産者保護のための規制に転換してしまうという現象のメカニズムを明らかにした。スティグラーはこの見地から、規制よりも市場構造に重点を置いた政策を支持する主張を行った。
* また本来は消費者保護のためであったはずの規制が、いつの間にか生産者保護のための規制に転換してしまうという現象([[規制の虜]])のメカニズムを明らかにした。スティグラーはこの見地から、規制よりも市場構造に重点を置いた政策を支持する主張を行った。


スティグラーは[[ミルトン・フリードマン]]と並ぶ[[シカゴ学派 (経済学)|シカゴ学派]]の重鎮であり、[[1982年]]には市場と規制に関する研究が評価され、[[アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞|ノーベル経済学賞]]を受賞した。
* スティグラーは[[ミルトン・フリードマン]]と並ぶ[[シカゴ学派 (経済学)|シカゴ学派]]の重鎮であり、[[1982年]]には市場と規制に関する研究が評価され、[[ノーベル経済学賞]]を受賞した。また1987年には、[[アメリカ国家科学賞]]も授与されている

また1987年には、[[アメリカ国家科学賞]]も授与されている。


== 日本語訳著書 ==
== 日本語訳著書 ==
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* 『現代経済学の回想――アメリカ・アカデミズムの盛衰』(日本経済新聞社, 1990年)
* 『現代経済学の回想――アメリカ・アカデミズムの盛衰』(日本経済新聞社, 1990年)


==外部リンク==
== 外部リンク ==
*[http://www.multilingualarchive.com/ma/enwiki/ja/George_Stigler ジョージ・スティグラー]
* [http://www.multilingualarchive.com/ma/enwiki/ja/George_Stigler ジョージ・スティグラー]
* [http://www.nap.edu/html/biomems/gstigler.html Biographical Memoir: George Joseph Stigler] by his friend and colleague [[Milton Friedman]]
* [http://www.econlib.org/library/Enc/bios/Stigler.html Biography of George Stigler]
* [https://web.archive.org/web/20091027101029/http://geocities.com/gfh_axds_as/zax/stigler-press.html George Stigler's seminal studies of industrial structures, functioning of markets and causes and effects of public regulation.]
* [http://ideas.repec.org/e/pst24.html IDEAS/RePEc]


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ジョージ・スティグラー
シカゴ学派
生誕 (1911-01-17) 1911年1月17日
ワシントン州シアトル
死没

1991年12月1日(1991-12-01)(80歳没)


イリノイ州シカゴ
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究機関 コロンビア大学
ブラウン大学
シカゴ大学
研究分野 産業組織論
母校 シカゴ大学(Ph.D.), ワシントン大学(BA), ノースウェスタン大学(MBA)
影響を
受けた人物
フランク・ナイト
ジェイコブ・ヴァイナー
ヘンリー・サイモンズ
ミルトン・フリードマン
論敵 ジョン・メイナード・ケインズ
影響を
与えた人物
ジャック・ドレーズ英語版
トーマス・ソウェル
ケネス・リオン
実績 キャプチャー理論
受賞 ノーベル経済学賞 (1982)
アメリカ国家科学賞 (1987)
テンプレートを表示
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:1982年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:産業構造や市場の役割・規制の原因と影響についての独創的な研究を称えて

ジョージ・ジョセフ・スティグラー(George Joseph Stigler、1911年1月17日 - 1991年12月1日)は、アメリカ合衆国経済学者1982年ノーベル経済学賞を受賞した。

略歴

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業績

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  • スティグラーは産業組織論経済学史を主領域として研究を行っていた。スティグラーは産業組織論において、20世紀前半の主流派であったハーバード学派に対抗して、市場構造の集中度の高さが必ずしも市場の非効率性につながらないことなどを示した。また従来は価格と経済という現象にのみ適用されていた新古典派経済学ゲーリー・ベッカーとともに拡張し、あらゆる行動は合理的に選択されているという点を示したことでも有名である。
  • また本来は消費者保護のためであったはずの規制が、いつの間にか生産者保護のための規制に転換してしまうという現象(規制の虜)のメカニズムを明らかにした。スティグラーはこの見地から、規制よりも市場構造に重点を置いた政策を支持する主張を行った。

日本語訳著書

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  • 『価格の理論(上・下)』(有斐閣, 1963年)
  • 『生産と分配の理論――限界生産力理論の形成期』(東洋経済新報社, 1967年)
  • 『産業組織論』(東洋経済新報社, 1975年)
  • 『効用理論の発展』(日本経済新聞社, 1979年)
  • 『小さな政府の経済学――規制と競争』(東洋経済新報社, 1981年)
  • 『現代経済学の回想――アメリカ・アカデミズムの盛衰』(日本経済新聞社, 1990年)

外部リンク

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