コンテンツにスキップ

「大畑駅」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Gohachiyasu1214 (会話) による ID:71547359 の版を取り消し
タグ: 取り消し
編集の要約なし
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
(26人の利用者による、間の37版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Otheruses|熊本県人吉市の'''大畑駅'''(おこばえき)|青森県むつ市にあった'''大畑駅'''(おおはたえき)|下北交通大畑出張所}}
{{Otheruses|熊本県人吉市にあるJR九州肥薩線の大畑駅(おこばえき)|青森県大畑町にあった下北交通大畑線の大畑駅(おおはたえき)|大畑駅 (青森県)}}
{{駅情報
{{駅情報
|社色 = red
|社色 = #ff0000
|文字色 =
|文字色 =
|駅名 = 大畑駅
|駅名 = 大畑駅
|画像 = Okoba Station 20170317.jpg
|画像 = Okoba Station 20170317.jpg
|pxl =
|pxl = 300px
|画像説明 = 駅舎 (2017年3月17日
|画像説明 = 駅舎(2017年3月)
|地図 = {{Infobox mapframe|zoom=14|frame-width=300|type=point|marker=rail}}
|よみがな = おこば
|よみがな = おこば
|ローマ字 = Okoba
|ローマ字 = Okoba
|電報略号 = オコ
|前の駅 = [[人吉駅|人吉]]
|所属事業者= [[九州旅客鉄道]](JR九州)
|駅間A = 10.4
|所在地 = [[熊本県]][[人吉市]]大野町
|駅間B = 9.5
|緯度度=32|緯度分=9|緯度秒=53.84
|次の駅 = [[矢岳駅|矢岳]]
|経度度=130|経度分=47|経度秒=15.77
|キロ程 = 62.2
|起点駅 = [[八代駅|八代]]
|電報略号 = オコ
|駅番号 =
|所属事業者 = [[九州旅客鉄道]](JR九州)
|所在地 = [[熊本県]][[人吉市]]大野町
|座標 = {{Coord|32|9|53.84|N|130|47|15.77|E|region:JP_type:railwaystation|display=inline,title}}
|開業年月日 = [[1909年]]([[明治]]42年)[[12月26日]]
|開業年月日 = [[1909年]]([[明治]]42年)[[12月26日]]
|廃止年月日=
|廃止年月日 =
|駅構造 = [[地上駅]]
|駅構造 = [[地上駅]]
|ホーム = 1面2線<ref name="zeneki33">{{Cite book|和書 |title =週刊 JR全駅・全車両基地 |publisher = [[朝日新聞出版]] |series=週刊朝日百科 |volume =33号 熊本駅・嘉例川駅・大畑駅ほか |date =2013-3-31 |page =26 }}</ref>
|ホーム = 1面2線
|乗車人員 =
|乗車人員 =
|乗降人員 =
|乗降人員 =
|統計年度 =
|統計年度 =
|所属路線 = [[肥薩線]]
|所属路線 = {{Color|#8f3e97|■}}[[肥薩線]]
|乗換 =
|前の駅 = [[人吉駅|人吉]]
|備考 = [[無人駅]]{{R|停車場}}<br />[[スイッチバック]]駅
|駅間A = 10.4
|駅間B = 9.5
|次の駅 = [[矢岳駅|矢岳]]
|駅番号 =
|キロ程 = 62.2
|起点駅 = [[八代駅|八代]]
|乗換 =
|備考 = [[無人駅]]<br />[[スイッチバック]]駅
}}
}}


'''大畑駅'''(おこばえき)は、[[熊本県]][[人吉市]]大野町にある、[[九州旅客鉄道]](JR九州)[[肥薩線]]の[[鉄道駅|駅]]である。
'''大畑駅'''(おこばえき)は、[[熊本県]][[人吉市]]大野町にある、[[九州旅客鉄道]](JR九州)[[肥薩線]]の[[鉄道駅|駅]]である。日本で唯一、[[ループ線]]の中に[[スイッチバック]]を併せ持つ駅である<ref>[[#sone02|歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 2号]]、11頁</ref>

肥薩線の山線と呼ばれる険しい区間にある駅。また日本で唯一、[[ループ線]]の中に[[スイッチバック]]を併せ持つ駅としても知られる。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
開業当時に走っていた[[蒸気機関車]]のために設けられた、[[信号所]][[給水所]]としての役割が大きかった駅で、現在でも駅の周りには人家がなく、大畑の集落に出るには徒歩1時間近くかかる。
開業当時に走っていた[[蒸気機関車]]のために設けられた、[[信号扱所|信号所]]および[[給水所]]としての役割が大きかった駅で、現在でも駅の周りには人家がなく、大畑の集落に出るには徒歩1時間近くかかる。「こば」とは[[焼畑]]を意味した言葉で、かつて大きな焼畑があったことからこの駅名が付けられたという説がある。

[[人吉駅]]から連続した勾配を登ってきた蒸気機関車は、この駅で給水をする必要があった。また[[動力車操縦者|機関士]]たちのみならず、[[トンネル]]の連続で乗客達も[[煤]]で顔や手が汚れるため、駅のホームにある湧水の洗顔場で洗っていたという。人吉駅から当駅まで[[国鉄D51形蒸気機関車|D51形蒸気機関車]]で1[[トン]]もの[[石炭]]を消費し、1分間に250[[リットル]]もの水を[[ボイラー]]に送り続けていたという。特に、[[1927年]]([[昭和]]2年)まではこのルートが[[鹿児島本線]]とされ、多くの重量貨物列車が往来していた。


[[人吉駅]]から連続する勾配を登ってきた蒸気機関車は、この駅で給水をする必要があった。また[[動力車操縦者|機関士]]たちのみならず、[[トンネル]]の連続で乗客達も[[煤]]で顔や手が汚れるため、駅のホームにある湧水の洗顔場で洗っていたという。人吉駅から当駅までの10 ㎞強は[[国鉄D51形蒸気機関車|D51形蒸気機関車]]で1 [[トン|t]]もの[[石炭]]を消費し、1分間に250 [[リットル|L]]もの水を[[ボイラー]]に送り続けていたという。特に、[[1927年]]([[昭和]]2年)まではこのルートが[[鹿児島本線]]とされ、多くの重量貨物列車が往来していた。
当駅でした列車は、さらに険しい[[矢岳駅]]への勾配へ挑んでいった。スイッチバックを併せ持ったのは勾配途中に平坦な場所を設け、そこに停車場を建設するためだった


当駅でした列車は、さらに険しい[[矢岳駅]]への勾配へ挑んでいった。スイッチバックを併せ持つ理由は勾配途中に平坦な場所を設け、そこに停車場を建設したためである
[[2000年]]([[平成]]12年)[[3月11日]]まで、[[急行列車|急行]][[かわせみ やませみ|えびの]]が停車していた。


=== 年表 ===
* [[1909年]]([[明治]]42年)[[12月26日]] - 鹿児島本線所属駅として鉄道院が開設<ref>鹿兒島本線大畑停車場一般運輸營業開始(明治42年鉄道院告示第91号、{{ws|[[:s:鹿兒島本線大畑停車場一般運輸營業開始|原文]]}})</ref>。
* [[1909年]]([[明治]]42年)[[12月26日]]鹿児島本線所属駅として鉄道院が開設<ref>鹿兒島本線大畑停車場一般運輸營業開始(明治42年鉄道院告示第91号、{{ws|[[:s:鹿兒島本線大畑停車場一般運輸營業開始|原文]]}})</ref>。
* [[1927年]](昭和2年)[[10月17日]] - 海岸ルート(川内本線)全通に伴い肥薩線所属に変更。
* [[1927年]]([[昭和]]2年)[[10月17日]]海岸ルート(川内本線)全通に伴い肥薩線所属に変更<ref>[[#sone02|歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 2号]]、17頁</ref>
* [[1986年]](昭和61年)[[11月1日]] - 電子閉塞装置導入により無人化。
* [[1974年]](昭和49年)[[10月1日]]:貨物取扱廃止<ref name="停車場">{{Cite book|和書|author=石野哲(編)|title=停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ|publisher=[[JTB]]|year=1998|isbn=978-4-533-02980-6|page=703}}</ref>。
* [[1987年]](昭和62年)[[4月1日]] - [[国鉄分割民営化]]により九州旅客鉄道が継承。
* [[1984年]](昭和59年)[[2月1日]]:[[チッキ|荷物]]扱い廃止{{R|停車場}}。
* [[2007年]](平成19年)[[11月30日]] - 大畑駅、周辺の鉄道施設遺産、石造りの給水塔、および朝顔型噴水が[[肥薩線#近代化産業遺産群|南九州近代化産業遺産群]]の物資輸送関連遺産の1つとして選ばれる。
* [[1986年]](昭和61年)[[11月1日]]:電子閉塞装置導入<ref name="sone02-19">[[#sone02|歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 2号]]、19頁</ref>により無人化<ref>{{Cite news |和書|title=通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局) |newspaper=[[鉄道公報]]号外 |publisher=[[日本国有鉄道]]総裁室文書課 |date=1986-10-30 |page=12 }}</ref>。
* [[2018年]](平成30年)[[9月8日]] - 駅構内の旧保線詰所跡を改装した[[レストラン]]が開業<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASL8Q42N1L8QTLVB004.html|title=無人駅に残る旧駅長官舎、ホテルに変身 JR九州の挑戦|newspaper=朝日新聞|date=2018-08-31|accessdate=2018-10-08|archiveurl=https://archive.fo/4bTw2|archivedate=2018-10-08}}</ref>。
* [[1987年]](昭和62年)[[4月1日]][[国鉄分割民営化]]により九州旅客鉄道が継承{{R|sone02-19}}
* [[2007年]]([[平成]]19年)[[11月30日]]大畑駅、周辺の鉄道施設遺産、石造りの給水塔、および朝顔型噴水が[[肥薩線#近代化産業遺産群|南九州近代化産業遺産群]]の物資輸送関連遺産の1つとして選ばれる。
* [[2018年]](平成30年)[[9月8日]]駅構内の旧保線詰所跡を改装した[[レストラン]]が開業<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/sp/articles/ASL8Q42N1L8QTLVB004.html|title=無人駅に残る旧駅長官舎、ホテルに変身 JR九州の挑戦|newspaper=朝日新聞|date=2018-08-31|accessdate=2018-10-08|archiveurl=https://archive.fo/4bTw2|archivedate=2018-10-08}}</ref>。


== 駅構造 ==
== 駅構造 ==
通過不可能なスイッチバック構造で、かつて運転されていた優等列車も必ず停車しなければならなかった。ただし、特急「[[くまがわ (列車)|おおよど]]」は[[運転停車]]のため、客扱いは行わなかった。
通過不可能なスイッチバック構造で、かつて運転されていた優等列車も必ず停車しなければならなかった。ただし、特急「[[くまがわ (列車)|おおよど]]」は[[運転停車]]のため、客扱いは行わなかった。


駅は[[島式ホーム]]1面2線を持ち、ホームから構内踏切を渡って駅舎に行くことができる。木造駅舎は開業当時のもので、周りの駅とよく似ているが、当駅のみ[[ジョイフルトレイン|観光列車]]「[[いさぶろう・しんぺい]]」のリニューアルにあわせて窓枠を木造に戻すなど、開業当初の雰囲気を再現する改装が行われた。
駅は[[島式ホーム]]1面2線を持ち、ホームから構内踏切を渡って駅舎に行くことができる。
[[木造駅舎]]は開業当時のもので、周りの駅とよく似ているが、当駅のみ[[ジョイフルトレイン|観光列車]]「[[いさぶろう・しんぺい]]」のリニューアルにあわせて窓枠を木造に戻すなど、開業当初の雰囲気を再現する改装が行われた。なお、当駅は[[無人駅]]であるが、[[発車ベル]]がある


[[無人駅]]である。

[[発車ベル]]がある。
=== のりば ===
=== のりば ===
{|class="wikitable"
{|class="wikitable"
66行目: 63行目:
|-
|-
!1
!1
|rowspan="2"| {{Color|red|■}}肥薩線
|rowspan="2"| {{Color|#8f3e97|■}}肥薩線
| style="text-align:center" | 下り
| style="text-align:center" | 下り
|[[吉松駅|吉松]]・[[鹿児島駅|鹿児島]]方面
|[[吉松駅|吉松]]・[[宮崎駅|宮崎]]・[[鹿児島駅|鹿児島]]方面
|鹿児島方面は吉松にて乗換
|宮崎([[都城駅|都城]])・鹿児島([[隼人駅|隼人]])方面は吉松にて乗換
|-
|-
!2
!2
75行目: 72行目:
|[[人吉駅|人吉]]・[[熊本駅|熊本]]方面
|[[人吉駅|人吉]]・[[熊本駅|熊本]]方面
|&nbsp;
|&nbsp;
|-
|}
|}


近年では人吉駅以北へ直通する列車の設定がなかったが、平成28年3月のダイヤ改正より、「いさぶろう1号」及び「しんぺい4号」が熊本駅まで、普通列車上下各1本が八代駅まで直通する<ref>{{Cite web|url=http://www.jrkyushu.co.jp/top_info/pdf/684/H28haru.daiyakaisei.pdf|title=平成 28 年春ダイヤ改正|publisher=九州旅客鉄道|date=2015年12月18日|accessdate=2015年12月19日}}</ref>。
* 近年では人吉駅以北へ直通する列車の設定がなかったが、2016年3月のダイヤ改正より、「いさぶろう1号」及び「しんぺい4号」が熊本駅まで、普通列車上下各1本が八代駅まで直通する<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jrkyushu.co.jp/top_info/pdf/684/H28haru.daiyakaisei.pdf|title=平成 28 年春ダイヤ改正|publisher=九州旅客鉄道|date=2015年12月18日|accessdate=2015年12月19日}}</ref>。
* [[2000年]]([[平成]]12年)[[3月11日]]まで、[[急行列車|急行]][[かわせみ やませみ|えびの]]が停車していた。
<gallery perrow="4" widths="200" style="font-size:90%;">
<gallery perrow="4" widths="200" style="font-size:90%;">
Okoba Station back20090704.JPG|駅舎線路側
Okoba Station back20090704.JPG|駅舎線路側
Okoba-sta5.jpg|駅舎内
Okoba Station 5.JPG|駅舎内
Okoba-sta.jpg|ホームに設けられた洗顔用の湧水盆
Okoba Station 4.JPG|ホームに設けられた洗顔用の湧水盆
Okoba eki 3.jpg|給水塔跡
Okoba Station 3.JPG|給水塔跡
</gallery>
Limited Express "Isaburo-Shimpei" at Okoba Station.jpg|停車中の「[[いさぶろう・しんぺい]]」

Okoba Staition Overhead view.jpeg|大畑駅構内の俯瞰図。右側から来た列車は駅に進入、停車後手前側の線路へ入線し、その後奥側へ向かい、さらに左側へ向かって、その前に通ったトンネルの上を通り真幸駅に向かう。
=== スイッチバック ===
<gallery perrow="4" widths="200" style="font-size:90%;">
Okoba spiral and zig zag aerial photography 1976-001.jpg|大畑駅付近のスイッチバックとループの航空写真。画面左から上ってきてトンネルを抜け、画面右の大畑駅に入る。左右にスイッチバックして、ループにはいり、画面下に抜ける。{{国土航空写真}}
Okoba Station 6.JPG|ループ線上(矢岳方)より大畑スイッチバックを彼方に望む。
大畑スイッチバック.jpg|右下線路大畑駅 左下線路人吉駅方面 左上線路スイッチバック引き上げ線 右上線路(ループ線)矢岳駅方面
TanabeTunnel115.jpg|スイッチバックとループ線([[田辺朔郎]]による)
</gallery>
</gallery>


== 駅周辺 ==
== 駅周辺 ==
<div class=floatright>
[[画像:大畑駅付近航空写真1976-001.jpg|thumb|none|200px|大畑駅付近のスイッチバックとループの航空写真。画面左から上ってきてトンネルを抜け、画面右の大畑駅に入る。左右にスイッチバックして、ループにはいり、画面下に抜ける。{{国土航空写真}}]]
[[画像:Okoba-sta3.jpg|thumb|200px|none|ループ線上(矢岳方)より大畑スイッチバックを彼方に望む。]]
</div>
「こば」とは[[焼畑]]を意味した言葉で、その昔大きな焼畑があったことからこの地名が付けられたという説がある。
[[ファイル:大畑スイッチバック.jpg|サムネイル|大畑スイッチバック 急行「えびの」|代替文=]]
[[ファイル:大畑駅.jpg|サムネイル|停車中の 急行「えびの」|代替文=]]

* 人吉梅園
* 人吉梅園
* 大野渓谷
* 大野渓谷
104行目: 99行目:
== その他 ==
== その他 ==
* [[2004年]]夏、[[青春18きっぷ]]のポスターのモデル駅に選ばれた<ref>{{Cite book|和書| author = 込山富秀 | date = 2015-05-26 | title = 「青春18きっぷ」ポスター紀行 | publisher = 講談社 | isbn = 978-4-06-219279-8 | pages = 90-91 }}</ref>。
* [[2004年]]夏、[[青春18きっぷ]]のポスターのモデル駅に選ばれた<ref>{{Cite book|和書| author = 込山富秀 | date = 2015-05-26 | title = 「青春18きっぷ」ポスター紀行 | publisher = 講談社 | isbn = 978-4-06-219279-8 | pages = 90-91 }}</ref>。
* [[2018年]]9月、旧保線詰所を改装しレストランが開業予定<ref>[https://this.kiji.is/405194953859007585?c=92619697908483575]、人吉市の大畑駅に来月レストラン</ref>


== 位置情報 ==
== 位置情報 ==
111行目: 105行目:
== 隣の駅 ==
== 隣の駅 ==
※観光列車「[[いさぶろう・しんぺい]]」の停車駅は列車記事を参照のこと。
※観光列車「[[いさぶろう・しんぺい]]」の停車駅は列車記事を参照のこと。
; 九州旅客鉄道
; 九州旅客鉄道(JR九州)
: 肥薩線
: {{Color|#8f3e97|■}}肥薩線
:: [[人吉駅]] - '''大畑駅''' - [[矢岳駅]]
:: [[人吉駅]] - '''大畑駅''' - [[矢岳駅]]


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
<!--=== 注釈 ===
{{Reflist}}
{{Reflist|group="注釈"}}
=== 出典 ===-->
{{Reflist|2}}

== 参考文献 ==
* {{Cite journal |和書|author=[[曽根悟]](監修) |journal=週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR |editor=朝日新聞出版分冊百科編集部(編集) |publisher=[[朝日新聞出版]] |issue=2 |title=肥薩線・吉都線・三角線 |date=2009-07-19 |ref=sone02 }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commonscat}}
* [[日本の鉄道駅一覧]]
* [[日本の鉄道駅一覧]]
* [[夏目友人帳]]
* [[夏目友人帳]]
136行目: 137行目:
[[Category:人吉市の交通]]
[[Category:人吉市の交通]]
[[Category:1909年開業の鉄道駅]]
[[Category:1909年開業の鉄道駅]]
[[Category:1909年竣工の建築物]]
[[Category:1909年竣工の日本の建築物]]
[[Category:人吉市の建築物]]
[[Category:人吉市の建築物]]

2023年11月23日 (木) 22:16時点における版

大畑駅
駅舎(2017年3月)
おこば
Okoba
人吉 (10.4 km)
(9.5 km) 矢岳
地図
所在地 熊本県人吉市大野町
北緯32度9分53.84秒 東経130度47分15.77秒 / 北緯32.1649556度 東経130.7877139度 / 32.1649556; 130.7877139座標: 北緯32度9分53.84秒 東経130度47分15.77秒 / 北緯32.1649556度 東経130.7877139度 / 32.1649556; 130.7877139
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
所属路線 肥薩線
キロ程 62.2 km(八代起点)
電報略号 オコ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線[1]
開業年月日 1909年明治42年)12月26日
備考 無人駅[2]
スイッチバック
テンプレートを表示

大畑駅(おこばえき)は、熊本県人吉市大野町にある、九州旅客鉄道(JR九州)肥薩線である。日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ駅である[3]

歴史

開業当時に走っていた蒸気機関車のために設けられた、信号所および給水所としての役割が大きかった駅で、現在でも駅の周りには人家がなく、大畑の集落に出るには徒歩1時間近くかかる。「こば」とは焼畑を意味した言葉で、かつて大きな焼畑があったことからこの駅名が付けられたという説がある。

人吉駅から連続する勾配を登ってきた蒸気機関車は、この駅で給水をする必要があった。また機関士たちのみならず、トンネルの連続で乗客達もで顔や手が汚れるため、駅のホームにある湧水の洗顔場で洗っていたという。人吉駅から当駅までの10 ㎞強はD51形蒸気機関車で1 tもの石炭を消費し、1分間に250 Lもの水をボイラーに送り続けていたという。特に、1927年昭和2年)まではこのルートが鹿児島本線とされ、多くの重量貨物列車が往来していた。

当駅で小休止した列車は、さらに険しい矢岳駅への勾配へ挑んでいった。スイッチバックを併せ持つ理由は勾配途中に平坦な場所を設け、そこに停車場を建設したためである。

年表

駅構造

通過不可能なスイッチバック構造で、かつて運転されていた優等列車も必ず停車しなければならなかった。ただし、特急「おおよど」は運転停車のため、客扱いは行わなかった。

駅は島式ホーム1面2線を持ち、ホームから構内踏切を渡って駅舎に行くことができる。 木造駅舎は開業当時のもので、周りの駅とよく似ているが、当駅のみ観光列車いさぶろう・しんぺい」のリニューアルにあわせて窓枠を木造に戻すなど、開業当初の雰囲気を再現する改装が行われた。なお、当駅は無人駅であるが、発車ベルがある。

のりば

のりば 路線 方向 行先 備考
1 肥薩線 下り 吉松宮崎鹿児島方面 宮崎(都城)・鹿児島(隼人)方面は吉松にて乗換
2 上り 人吉熊本方面  
  • 近年では人吉駅以北へ直通する列車の設定がなかったが、2016年3月のダイヤ改正より、「いさぶろう1号」及び「しんぺい4号」が熊本駅まで、普通列車上下各1本が八代駅まで直通する[9]
  • 2000年平成12年)3月11日まで、急行えびのが停車していた。

スイッチバック

駅周辺

その他

位置情報

隣の駅

※観光列車「いさぶろう・しんぺい」の停車駅は列車記事を参照のこと。

九州旅客鉄道(JR九州)
肥薩線
人吉駅 - 大畑駅 - 矢岳駅

脚注

  1. ^ 『週刊 JR全駅・全車両基地』 33号 熊本駅・嘉例川駅・大畑駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年3月31日、26頁。 
  2. ^ a b c 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、703頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 2号、11頁
  4. ^ 鹿兒島本線大畑停車場一般運輸營業開始(明治42年鉄道院告示第91号、 原文
  5. ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 2号、17頁
  6. ^ a b 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 2号、19頁
  7. ^ 「通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1986年10月30日、12面。
  8. ^ “無人駅に残る旧駅長官舎、ホテルに変身 JR九州の挑戦”. 朝日新聞. (2018年8月31日). オリジナルの2018年10月8日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/4bTw2 2018年10月8日閲覧。 
  9. ^ 平成 28 年春ダイヤ改正”. 九州旅客鉄道 (2015年12月18日). 2015年12月19日閲覧。
  10. ^ “肥薩線の「守り神」に 宮地嶽神社の鳥居へ再生/人吉駅 解体の跨線橋支柱”. 熊本日日新聞 (熊本日日新聞社): p. 14(県南). (2015年3月26日)  朝刊
  11. ^ 込山富秀『「青春18きっぷ」ポスター紀行』講談社、2015年5月26日、90-91頁。ISBN 978-4-06-219279-8 

参考文献

  • 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「肥薩線・吉都線・三角線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第2号、朝日新聞出版、2009年7月19日。 

関連項目

外部リンク

  • 大畑駅(駅情報) - 九州旅客鉄道