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| English_title = Norwegian Wood (This Bird Has Flown) |
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| Genre = {{Hlist-comma|[[フォークロック]]<ref>{{cite web|url=http://www.richieunterberger.com/turnlists.html|last=Unterberger|first=Richie|authorlink=:en:Richie Unterberger|title=Great Moments in Folk Rock: Lists of Author Favorites|publisher=richieunterberger.com|accessdate=2018-10-17}}</ref>|[[ラーガ・ロック]]<ref>{{cite book| last=Williams| first=Paul| title=The Crawdaddy! Book: Writings (and Images) from the Magazine of Rock| year=2002| publisher=[[:en:Hal Leonard|Hal Leonard]]| isbn=0-634-02958-4|page=109}}</ref>|[[サイケデリック・ミュージック|サイケデリア]]<ref>{{Cite web |title=Unquestionably The 50 Best Songs of The Beatles Ever |url=https://www.timeout.com/london/music/the-best-beatles-songs |website=Time Out In |publisher=Time Out England Limited |date=2019-05-17 |accessdate=2020-04-23 }}</ref>}} |
| Genre = {{Hlist-comma|[[フォークロック]]<ref>{{cite web|url=http://www.richieunterberger.com/turnlists.html|last=Unterberger|first=Richie|authorlink=:en:Richie Unterberger|title=Great Moments in Folk Rock: Lists of Author Favorites|publisher=richieunterberger.com|accessdate=2018-10-17}}</ref>|[[ラーガ・ロック]]<ref>{{cite book| last=Williams| first=Paul| title=The Crawdaddy! Book: Writings (and Images) from the Magazine of Rock| year=2002| publisher=[[:en:Hal Leonard|Hal Leonard]]| isbn=0-634-02958-4|page=109}}</ref>|[[サイケデリックフォーク]]<ref>{{Cite web |first=Ryan |last=Reed |title=The 100 Best Beatles Covers |url=https://ultimateclassicrock.com/best-beatles-covers/ |website=Ultimate Classic Rock |publisher=Townsquare Media |date=2020-03-27 |accessdate=2022-03-19 }}</ref>|[[サイケデリック・ミュージック|サイケデリア]]<ref>{{Cite web |title=Unquestionably The 50 Best Songs of The Beatles Ever |url=https://www.timeout.com/london/music/the-best-beatles-songs |website=Time Out In |publisher=Time Out England Limited |date=2019-05-17 |accessdate=2020-04-23 }}</ref>}} |
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⚫ | 「'''ノルウェーの森''' |
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[[ボーカル|リード・ボーカル]]およびアコースティック・ギターはレノン、[[コーラス (ポピュラー音楽)|バッキング・ボーカル]]はマッカートニーが担当。本作では[[リードギター]]を担当している[[ジョージ・ハリスン]]が演奏する[[シタール]]が特徴となっており、レコード化された[[ポップ・ミュージック]]で初めてシタールが使用された例とされている。 |
[[ボーカル|リード・ボーカル]]およびアコースティック・ギターはレノン、[[コーラス (ポピュラー音楽)|バッキング・ボーカル]]はマッカートニーが担当。本作では[[リードギター]]を担当している[[ジョージ・ハリスン]]が演奏する[[シタール]]が特徴となっており、レコード化された[[ポップ・ミュージック]]で初めてシタールが使用された例とされている。 |
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オーストラリアでは「[[ひとりぼっちのあいつ]]」との両A面シングルとして発売され、同国の音楽チャートで2週連続 |
オーストラリアでは「[[ひとりぼっちのあいつ]]」との両A面シングルとして発売され、同国の音楽チャートで2週連続で第1位を獲得した<ref name="AUSchart">{{Cite web |title=Australia No. 1 Hits – 1960s |url=http://www.worldcharts.co.uk/chartfeatures/aus/aus60.htm |publisher=worldcharts.co.uk |accessdate=2020-04-23 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130522005148/http://www.worldcharts.co.uk/chartfeatures/aus/aus60.htm |archivedate=2013-05-22 |deadlinkdate=2020年4月}}</ref>。 |
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[[ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500]](2010年版)では83位にランクされている<ref>{{Cite web |title=500 Greatest Songs of All Time |url=https://www.rollingstone.com/music/lists/the-500-greatest-songs-of-all-time-20110407/the-beatles-norwegian-wood-this-bird-has-flown-20110526 |website=[[ローリング・ストーン|Rolling Stone]] |publisher=Penske Business Media, LLC. |date=2011-04-07 |accessdate=2020-04-23 }}</ref>。 |
『[[ローリング・ストーン]]』誌が発表した「[[ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500]]」(2010年版)では第83位にランクされている<ref name="rollingstone">{{Cite web |title=500 Greatest Songs of All Time |url=https://www.rollingstone.com/music/lists/the-500-greatest-songs-of-all-time-20110407/the-beatles-norwegian-wood-this-bird-has-flown-20110526 |website=[[ローリング・ストーン|Rolling Stone]] |publisher=Penske Business Media, LLC. |date=2011-04-07 |accessdate=2020-04-23 }}</ref>。 |
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== 背景・構成 == |
== 背景・構成 == |
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歌詞は、冒頭で |
歌詞は、冒頭でほのめかされているように、レノンが当時の妻[[シンシア・レノン|シンシア]]に気付かれないように、他の女性と関係を持っていたことを表している。レノン自身が相手の女性について明かしたことはないが、作家の{{仮リンク|フィリップ・ノーマン (作家)|label=フィリップ・ノーマン|en|Philip Norman (author)}}はレノンの親友でジャーナリストの{{仮リンク|モーリーン・クリーヴ|en|Maureen Cleave}}、または{{仮リンク|サニー・ドレイン|en|Sonny Drane}}のどちらかであると推測している{{Sfn|Norman|2008|pp=418-419}}。タイトルについてマッカートニーは、ロンドンで当時流行していた安物の松材を使用した内装を皮肉ったものと説明している{{Sfn|Jackson|2015|p=257}}。 |
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本作は、レノンが1965年1月に当時の妻シンシアと[[ジョージ・マーティン]]と共に[[アルプス山脈]]の[[サンモリッツ]]へ休暇で訪れた際に書きはじめられたもので、翌日に6/8拍子のアコースティック・ナンバーという形でアレンジが決定した。なお、1970年のインタビューでレノンはミドルエイトと最後の「So I lit a |
本作は、レノンが1965年1月に当時の妻シンシアと[[ジョージ・マーティン]]と共に[[アルプス山脈]]の[[サンモリッツ]]へ休暇で訪れた際に書きはじめられたもので、翌日に6/8拍子のアコースティック・ナンバーという形でアレンジが決定した。なお、1970年のインタビューでレノンはミドルエイトと最後の「{{Lang|en|So I lit a fire}}(だから私は火をつけた)」というフレーズが、マッカートニーによって書かれたものであることを明かした<ref name="100greatest">{{Cite web |title=100 Greatest Beatles Songs |url=https://www.rollingstone.com/music/lists/100-greatest-beatles-songs-20110919/norwegian-wood-this-bird-has-flown-19691231 |website=Rolling Stone |publisher=Penske Business Media, LLC. |date=2011-09-19 |accessdate=2020-04-23 }}</ref>。マッカートニーの解説によれば、最後のフレーズは「風呂で寝ることになってしまった復讐をするために、その場所を燃やしてしまうことにした」とのこと{{Sfn|Miles|1997|pp=270-71}}。 |
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1965年4月5日から6日にかけて、ビートルズ主演の映画『[[ヘルプ!4人はアイドル]]』におけるインドのレストランのシーンを{{仮リンク|トゥイッケナム・スタジオ|label=トゥイッケナム・フィルム・スタジオ|en|Twickenham Studios}}で撮影している際に、ハリスンはインドのミュージシャンが演奏していた[[シタール]]に興味を持った{{Sfn|Spitz|2013|p=108}}。それをきっかけに本作でシタールが導入され、発売された[[ポップ・ミュージック]]で初めてシタールが使用された例となった{{Refnest|group="注"|ビートルズ以前には[[ヤードバーズ]]が「{{仮リンク|ハートせつなく (ヤードバーズの曲)|label=ハートせつなく|en|Heart Full of Soul}}」のレコーディングでシタールを使用している<ref>{{Cite book |和書| author= |
1965年4月5日から6日にかけて、ビートルズ主演の映画『[[ヘルプ!4人はアイドル]]』におけるインドのレストランのシーンを{{仮リンク|トゥイッケナム・スタジオ|label=トゥイッケナム・フィルム・スタジオ|en|Twickenham Studios}}で撮影している際に、ハリスンはインドのミュージシャンが演奏していた[[シタール]]に興味を持った{{Sfn|Spitz|2013|p=108}}。それをきっかけに本作でシタールが導入され、発売された[[ポップ・ミュージック]]で初めてシタールが使用された例となった{{Refnest|group="注"|ビートルズ以前には[[ヤードバーズ]]が「{{仮リンク|ハートせつなく (ヤードバーズの曲)|label=ハートせつなく|en|Heart Full of Soul}}」のレコーディングでシタールを使用している<ref>{{Cite book |和書| author=中山康樹|authorlink=中山康樹 |title=ビートルズの謎 |publisher=[[講談社現代新書]] |year=2008 |page=72 |isbn=978-4062879705 }}</ref>が、リリース時にシタールのパートが消去された。シタールが入ったアレンジは1984年に発表された。}}。その後シタールに対する興味が増したハリスンは、シタール奏者の[[ラヴィ・シャンカル]]に弟子入りしてインドの哲学とシタールを習得し<ref>{{Cite album-notes| title=Collaborations | others=[[ラヴィ・シャンカル|Ravi Shankar]] and [[ジョージ・ハリスン|George Harrison]] | year=2010| type=Boxed set booklet| publisher=[[ダーク・ホース・レコード|Dark Horse Records]] }}</ref>、「[[ラヴ・ユー・トゥ]]」や「[[ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー]]」などの楽曲を制作した<ref>{{cite book|last=Lavezzoli|first=Peter|title=The Dawn of Indian Music in the West|publisher=Continuum|location=New York, NY|year=2006|isbn=0-8264-2819-3|page=175-76}}</ref>。また、ビートルズ以降にも[[ローリング・ストーンズ]]「[[黒くぬれ!]]」や[[ポール・バターフィールド|ポール・バターフィールド・ブルース・バンド]]「{{仮リンク|イースト・ウェスト (ポール・バターフィールド・ブルース・バンドのアルバム)|label=イースト・ウェスト|en|East-West (The Butterfield Blues Band album)}}」などの楽曲で、シタールが使われた。 |
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== レコーディング == |
== レコーディング == |
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『ラバー・ソウル』のレコーディング・セッション初日にあたる1965年10月12日に、「ノルウェーの森」の初期バージョンが[[ |
『ラバー・ソウル』のレコーディング・セッション初日にあたる1965年10月12日に、「ノルウェーの森」の初期バージョンが[[EMIレコーディング・スタジオ]]でレコーディングされた{{Sfn|MacDonald|2005|pp=161-162}}{{Sfn|Unterberger|2006|p=132}}。当時の仮タイトルは「{{Lang|en|This Bird Has Flown}}」で、リハーサルが行われた後に、2本の[[12弦ギター|12弦]][[アコースティック・ギター]]、[[エレクトリックベース|ベース]]、[[シンバル]]という編成リズム・トラックが1テイクで録音された{{Sfn|Lewisohn|2005|p=63}}。このリズム・トラックに対してハリスンは、シタールのパートを加えた。この時のテイクでは、最終リリース版よりも[[ドローン (音楽)|ドローン]]が強調されたアレンジとなっている{{Sfn|Kruth|2005|p=74}}。その後レノンの[[ボーカル|リード・ボーカル]]が録音されたが、バンドはアレンジに満足せず、このアレンジは破棄されることとなった。1996年に発売された『[[ザ・ビートルズ・アンソロジー2]]』には、破棄されたアレンジ(テイク2)が収録されている<ref>{{AllMusic |last=Unterberger |first=Richie |authorlink=:en:Richie Unterberger |class=album |id=anthology-2-mw0000176953 |title=Anthology 2 - The Beatles|Songs, Reviews, Credits |accessdate=2020-04-23}}</ref>。 |
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10月21日にキーを[[ニ長調]]から[[ホ長調]]に上げ{{Refnest|group="注"|{{仮リンク|イアン・マクドナルド (音楽評論家)|label=イアン・マクドナルド|en|Ian MacDonald}}は、本作は |
10月21日にキーを[[ニ長調|Dメジャー]]から[[ホ長調|Eメジャー]]に上げ{{Refnest|group="注"|{{仮リンク|イアン・マクドナルド (音楽評論家)|label=イアン・マクドナルド|en|Ian MacDonald}}は、本作はDメジャーのコードを中心に構成されていることから、[[カポタスト]]を使用して録音した可能性と、最終ミックスでテープの回転速度を速めた可能性を提示している{{Sfn|MacDonald|2005|p=165}}。}}、少々激しいアレンジでリメイクを開始した{{Sfn|Lewisohn|2005|p=65}}。しかし、アレンジに満足せず、キーはそのままに以前のアレンジが採用された{{Sfn|Unterberger|2006|pp=132-134}}。3テイクの頃にはタイトルが「Norwegian Wood」に変更されていた。 |
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なお、本作の[[レコーディング・エンジニア]]である[[ノーマン・スミス]]は、シタール録音時にレベルのピークが読めないことから苦労したと語っている{{Sfn|Margotin|Guesdon|2013| |
なお、本作の[[レコーディング・エンジニア]]である[[ノーマン・スミス]]は、シタール録音時にレベルのピークが読めないことから苦労したと語っている{{Sfn|Margotin|Guesdon|2013|pp=280-281}}。 |
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== タイトル == |
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== 邦題に関する諸説 == |
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原題の"Norwegian Wood"が何を意味するか歌詞中に明確に描かれていないため |
原題の"{{Lang|en|Norwegian Wood}}"が何を意味するか歌詞中に明確に描かれていないため、「ノルウェーの森」や「ノルウェー製の家具」などと訳されている。 |
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[[大津栄一郎]]によれば、"wood"という単語は、"the wood"と定冠詞がつく場合以外の単数では森を意味しないという{{Sfn|大津|1994| |
[[大津栄一郎]]によれば、"{{Lang|en|wood}}"という単語は、"{{Lang|en|the wood}}"と定冠詞がつく場合以外の単数では森を意味しないという{{Sfn|大津|1994|pp=11-15}}。「森」は語学的におかしく、「ノルウェイ材の部屋」のような訳の方が正しいのではないかとしている。ただし一方で、「ノルウェーの森」の方がタイトルとしてははるかに良いということも述べている。この説はアルバート・ゴールドマンによるレノンの伝記にも登場する{{Sfn|村上|2011|p=108}}。 |
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また、[[村上春樹]]は、「ジョージ・ハリスンのマネージメントをしているオフィスに勤めているあるアメリカ人女性から『本人から聞いた話』」として、"Knowing she would"(オレは彼女がそうすると(俗的に言えば「ヤらせてくれる」と)知って(思って)いた)という言葉の語呂合わせとして、"Norwegian Wood"とした、という説を紹介している{{Sfn|村上|2011|p=11}}。 |
また、[[村上春樹]]は、「ジョージ・ハリスンのマネージメントをしているオフィスに勤めているあるアメリカ人女性から『本人から聞いた話』」として、"{{Lang|en|Knowing she would}}"(オレは彼女がそうすると(俗的に言えば「ヤらせてくれる」と)知って(思って)いた)という言葉の語呂合わせとして、"{{Lang|en|Norwegian Wood}}"とした、という説を紹介している{{Sfn|村上|2011|p=11}}。 |
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「ノルウェーの森」という邦題は、当時[[EMIミュージック・ジャパン|東芝音楽工業]]でビートルズ担当のディレクターだった[[高嶋弘之]]が付けた。高嶋は知っている単語で適当に歌詞を訳してから曲を聴き、自分で閃いたところでタイトルを付けていた<ref>{{Cite interview |interviewer=[[倉本美津留]] |title=スペシャル / ビートルズ来日時を知る初代ディレクター高嶋弘之氏に聞きました! |url=https://sp.universal-music.co.jp/beatles/special/talk.php | |
「ノルウェーの森」という邦題は、当時[[EMIミュージック・ジャパン|東芝音楽工業]]でビートルズ担当のディレクターだった[[高嶋弘之]]が付けた<ref>{{Cite web2|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/05/02/kiji/20230502s00041000485000c.html|title=“ビートルズ仕掛け人”高嶋ちさ子父 曲名の誤訳から傑作「印税の少しはよこしたらどう?と」|website=スポニチAnnex|publisher=スポーツニッポン新聞社|date=2023-05-02|accessdate=2023-05-02}}</ref>。高嶋は知っている単語で適当に歌詞を訳してから曲を聴き、自分で閃いたところでタイトルを付けていた<ref>{{Cite interview |和書|interviewer=[[倉本美津留]] |title=スペシャル / ビートルズ来日時を知る初代ディレクター高嶋弘之氏に聞きました! |url=https://sp.universal-music.co.jp/beatles/special/talk.php |work=ザ・ビートルズ レーベル公式サイト |publisher=[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサルミュージック]] |accessdate=2019-03-29 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20131123105254/https://sp.universal-music.co.jp/beatles/special/talk.php |archivedate=2013-11-23 }} </ref>。ハリスンが弾くシタールと、レノンの靄がかっているような物憂げな声に"wood"なので、なんの疑いもなく「ノルウェーの森」に決めたという<ref>{{Cite journal |和書|title=洋楽マン列伝 vol.101 高嶋弘之氏(中編) |journal=[[レコード・コレクターズ]] |publisher=ミュージックマガジン |date=2018-09 |page=167 }}</ref>。 |
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なお、日本での発売当初の邦題は「'''ノーウェジアン・ウッド'''」<ref>ビートルズ、『ラバー・ソウル』、オデオンレコード、1966年3月15日、OP・7450。</ref>で、以降の作品では「'''ノルウェーの森 (ノーウェジアン・ウッド)'''」<ref>{{Cite news |title=ザ・ビートルズ、『赤盤』『青盤』がデジタル・リマスターで18日世界同時発売 |url=https://www.barks.jp/news/?id=1000064814 |newspaper=[[BARKS]] |publisher=ジャパンミュージックネットワーク株式会社 |date=2010-10-13 |accessdate=2020-04-23 }}</ref>や「'''ノーウェジアン・ウッド (ノルウェーの森)'''」<ref>{{Cite news |title=ザ・ビートルズ、赤盤&青盤が最新リマスターで10月18日発売 |url=https://www.barks.jp/news/?id=1000063348 |newspaper=BARKS |publisher=ジャパンミュージックネットワーク株式会社 |date=2010-08-12 |accessdate=2020-04-23 }}</ref>と表記されている。 |
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== ミキシング == |
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モノラル・ミックスには最初の中間部(0'38")に小さく咳払いが入る。 |
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== リリースや文化的影響など == |
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その他下記の通り3つの定位の異なるミキシングがある。 |
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「ノルウェーの森」は、1965年12月3日に発売されたオリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』の収録曲として発売された{{Sfn|Lewisohn|2005|pp=69, 200}}{{Sfn|Miles|2001|pp=215, 217}}。本作はロックバンドがシタールをはじめとしたインド楽器を使用したレコーディングを行った初の例となった{{Sfn|Lavezzoli|2006|p=173}}。イギリスやアメリカはシングル・カットされなかったが、オーストラリアでは「[[ひとりぼっちのあいつ]]」との両A面シングルとして発売され、同国の音楽チャートで2週連続で第1位を獲得した<ref name="AUSchart" />。また、本作は解散後に発売された 『[[ザ・ビートルズ1962年〜1966年]]』、『[[ラヴ・ソングス (ビートルズのアルバム)|ラヴ・ソングス]]』、『[[ビートルズ バラード・ベスト20]]』、『[[リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス]]』などのコンピレーション・アルバムにも収録された。 |
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『[[ピッチフォーク・メディア|ピッチフォーク]]』のスコット・プラゲンフーフは、「[[ガール (ビートルズの曲)|ガール]]」と共にレノンのソングライターとしての成熟度を示す楽曲の1つとして挙げている<ref>{{Cite web |title=The Beatles: Rubber Soul Album Review |url=https://pitchfork.com/reviews/albums/13433-rubber-soul/ |website=[[ピッチフォーク・メディア|Pitchfork]] |publisher=Condé Nest |accessdate=2021-03-04 }}</ref>。 |
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{|class="wikitable" style="font-size:90%;" |
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! バージョン !! ボーカル !! シタール !! アコースティック・ギター |
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| 『[[ラバー・ソウル]]』収録 || 右寄り || 左 || 右 |
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| 『[[ラヴ・ソングス (ビートルズのアルバム)|ラヴ・ソングス]]』収録 || 中央(やや右寄り) || 左寄り || 中央 |
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| 『[[ビートルズ バラード・ベスト20]]』収録 || 中央(やや左寄り) || 中央(やや右寄り) || 中央 |
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|} |
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本作は一部の文献で[[ラーガ・ロック]]の祖とされている<ref>{{Cite news |first=Shamik |last=Bag |title=The Beatles' magical mystery tour of India |work=Live Mint |date=2018-01-20 |url=https://www.livemint.com/Leisure/ShOyoU6g0Rs5TPKxfOgwxK/The-Beatles-magical-mystery-tour-of-India.html |accessdate=2021-03-04 }}</ref>ほか、[[ワールドミュージック]]における重要な作品の1つとされている{{Sfn|Bellman|1998|p=292}}<ref>{{Cite web |url=https://www.rollingstone.com/music/news/john-lennon-the-rolling-stone-interview-19681123 |title=John Lennon: The Rolling Stone Interview - 1968 |work=Rolling Stone |accessdate=2021-03-04 }}</ref>。東洋の音楽性を取り入れた本作の作曲について興味を持った[[ローリング・ストーンズ]]の[[ブライアン・ジョーンズ]]は、1966年に発売された楽曲「[[黒くぬれ!]]」でシタールを演奏した{{sfn|Perone|2012|p=92}}。 |
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== 演奏 == |
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2006年に『[[モジョ (雑誌)|モジョ]]』誌が発表した「{{Lang|en|The 101 Greatest Beatles Songs}}」では第19位、2010年に『[[ローリング・ストーン]]』誌が発表した「[[ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500|The 500 Greatest Songs of All Time]]」では第83位<ref name="rollingstone"/>にランクインした。 |
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== 収録アルバム == |
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* 『[[ラバー・ソウル]]』 |
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== クレジット == |
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* "[[ラバー・ソウル#米国キャピトル編集盤収録曲『ラバー・ソウル』|Rubber Soul]]"(Capitol) |
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* 『[[ザ・ビートルズ1962年〜1966年]]』 |
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* 『[[ラヴ・ソングス (ビートルズのアルバム)|ラヴ・ソングス]]』 |
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* 『[[ビートルズ バラード・ベスト20]]』 |
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* 『[[リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス]]』 |
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* 『[[ザ・ビートルズ・アンソロジー2]]』 |
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== カバー・バージョン == |
== カバー・バージョン == |
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* {{仮リンク|ジョニー・ハリス (作曲家)|label=ジョニー・ハリス|en|Johnny Harris}} - 1973年に発売されたアルバム『All to Bring You Morning』に収録<ref>{{AllMusic |title=All to Bring You Morning - Johnny Harris {{!}} Songs, Reviews, Credits |class=album |id=all-to-bring-you-morning-mw0000849411 |accessdate=2020-10-30 }}</ref>。 |
* {{仮リンク|ジョニー・ハリス (作曲家)|label=ジョニー・ハリス|en|Johnny Harris}} - 1973年に発売されたアルバム『All to Bring You Morning』に収録<ref>{{AllMusic |title=All to Bring You Morning - Johnny Harris {{!}} Songs, Reviews, Credits |class=album |id=all-to-bring-you-morning-mw0000849411 |accessdate=2020-10-30 }}</ref>。 |
||
* [[高中正義]]・[[松任谷由実]] - 1988年に発売されたトリビュート・アルバム『[[抱きしめたい (トリビュート・アルバム)|抱きしめたい]]』に収録。 |
* [[高中正義]]・[[松任谷由実]] - 1988年に発売されたトリビュート・アルバム『[[抱きしめたい (トリビュート・アルバム)|抱きしめたい]]』に収録。 |
||
* [[ハービー・ハンコック]] - 1996年に発売されたアルバム『[[ザ・ニュー・スタンダード]]』に収録<ref>{{Cite web |url=https://www.allmusic.com/album/the-new-standard-mw0000645371 |last=Yanow |first=Scott |title=The New Standard - Herbie Hancock |publisher=AllMusic |accessdate=2021-12-02}}</ref>。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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105行目: | 88行目: | ||
=== 注釈 === |
=== 注釈 === |
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{{Notelist2}} |
{{Notelist2}} |
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=== 出典 === |
=== 出典 === |
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{{Reflist| |
{{Reflist|35em}} |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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* {{Cite journal |和書 |author=[[大津栄一郎]] |title=『ノルウェイの森』雑考 |journal=図書 |publisher=[[岩波書店]] |volume=538 |date=1994-04 |ref={{SfnRef|大津|1994}} }} |
* {{Cite journal |和書 |author=[[大津栄一郎]] |title=『ノルウェイの森』雑考 |journal=図書 |publisher=[[岩波書店]] |volume=538 |date=1994-04 |ref={{SfnRef|大津|1994}} }} |
||
* {{Cite book |和書|author= |
* {{Cite book |和書|author=村上春樹|authorlink=村上春樹 |title=村上春樹 雑文集 |publisher=[[新潮社]] |date=2011-01-31 |isbn=978-4103534273 |ref={{SfnRef|村上|2011}} }} |
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2023年11月27日 (月) 06:56時点における最新版
「ノルウェーの森」 | ||||||||||
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ビートルズの楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『ラバー・ソウル』 | |||||||||
英語名 | Norwegian Wood (This Bird Has Flown) | |||||||||
リリース | 1965年12月3日 | |||||||||
録音 |
| |||||||||
ジャンル | ||||||||||
時間 | 2分5秒 | |||||||||
レーベル | パーロフォン | |||||||||
作詞者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
作曲者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||
|
「ノルウェーの森」(ノルウェーのもり、原題 : Norwegian Wood (This Bird Has Flown))は、ビートルズの楽曲である。本作は1965年12月3日に発売された6作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』のA面2曲目に収録された楽曲で、クレジットはレノン=マッカートニーとなっているが、主にジョン・レノンによって書かれた楽曲で、一部ポール・マッカートニーによって書かれた。
リード・ボーカルおよびアコースティック・ギターはレノン、バッキング・ボーカルはマッカートニーが担当。本作ではリードギターを担当しているジョージ・ハリスンが演奏するシタールが特徴となっており、レコード化されたポップ・ミュージックで初めてシタールが使用された例とされている。
オーストラリアでは「ひとりぼっちのあいつ」との両A面シングルとして発売され、同国の音楽チャートで2週連続で第1位を獲得した[5]。
『ローリング・ストーン』誌が発表した「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」(2010年版)では第83位にランクされている[6]。
背景・構成[編集]
歌詞は、冒頭でほのめかされているように、レノンが当時の妻シンシアに気付かれないように、他の女性と関係を持っていたことを表している。レノン自身が相手の女性について明かしたことはないが、作家のフィリップ・ノーマンはレノンの親友でジャーナリストのモーリーン・クリーヴ、またはサニー・ドレインのどちらかであると推測している[7]。タイトルについてマッカートニーは、ロンドンで当時流行していた安物の松材を使用した内装を皮肉ったものと説明している[8]。
本作は、レノンが1965年1月に当時の妻シンシアとジョージ・マーティンと共にアルプス山脈のサンモリッツへ休暇で訪れた際に書きはじめられたもので、翌日に6/8拍子のアコースティック・ナンバーという形でアレンジが決定した。なお、1970年のインタビューでレノンはミドルエイトと最後の「So I lit a fire(だから私は火をつけた)」というフレーズが、マッカートニーによって書かれたものであることを明かした[9]。マッカートニーの解説によれば、最後のフレーズは「風呂で寝ることになってしまった復讐をするために、その場所を燃やしてしまうことにした」とのこと[10]。
1965年4月5日から6日にかけて、ビートルズ主演の映画『ヘルプ!4人はアイドル』におけるインドのレストランのシーンをトゥイッケナム・フィルム・スタジオで撮影している際に、ハリスンはインドのミュージシャンが演奏していたシタールに興味を持った[11]。それをきっかけに本作でシタールが導入され、発売されたポップ・ミュージックで初めてシタールが使用された例となった[注 1]。その後シタールに対する興味が増したハリスンは、シタール奏者のラヴィ・シャンカルに弟子入りしてインドの哲学とシタールを習得し[13]、「ラヴ・ユー・トゥ」や「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」などの楽曲を制作した[14]。また、ビートルズ以降にもローリング・ストーンズ「黒くぬれ!」やポール・バターフィールド・ブルース・バンド「イースト・ウェスト」などの楽曲で、シタールが使われた。
レコーディング[編集]
『ラバー・ソウル』のレコーディング・セッション初日にあたる1965年10月12日に、「ノルウェーの森」の初期バージョンがEMIレコーディング・スタジオでレコーディングされた[15][16]。当時の仮タイトルは「This Bird Has Flown」で、リハーサルが行われた後に、2本の12弦アコースティック・ギター、ベース、シンバルという編成リズム・トラックが1テイクで録音された[17]。このリズム・トラックに対してハリスンは、シタールのパートを加えた。この時のテイクでは、最終リリース版よりもドローンが強調されたアレンジとなっている[18]。その後レノンのリード・ボーカルが録音されたが、バンドはアレンジに満足せず、このアレンジは破棄されることとなった。1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』には、破棄されたアレンジ(テイク2)が収録されている[19]。
10月21日にキーをDメジャーからEメジャーに上げ[注 2]、少々激しいアレンジでリメイクを開始した[21]。しかし、アレンジに満足せず、キーはそのままに以前のアレンジが採用された[22]。3テイクの頃にはタイトルが「Norwegian Wood」に変更されていた。
なお、本作のレコーディング・エンジニアであるノーマン・スミスは、シタール録音時にレベルのピークが読めないことから苦労したと語っている[23]。
タイトル[編集]
原題の"Norwegian Wood"が何を意味するか歌詞中に明確に描かれていないため、「ノルウェーの森」や「ノルウェー製の家具」などと訳されている。
大津栄一郎によれば、"wood"という単語は、"the wood"と定冠詞がつく場合以外の単数では森を意味しないという[24]。「森」は語学的におかしく、「ノルウェイ材の部屋」のような訳の方が正しいのではないかとしている。ただし一方で、「ノルウェーの森」の方がタイトルとしてははるかに良いということも述べている。この説はアルバート・ゴールドマンによるレノンの伝記にも登場する[25]。
また、村上春樹は、「ジョージ・ハリスンのマネージメントをしているオフィスに勤めているあるアメリカ人女性から『本人から聞いた話』」として、"Knowing she would"(オレは彼女がそうすると(俗的に言えば「ヤらせてくれる」と)知って(思って)いた)という言葉の語呂合わせとして、"Norwegian Wood"とした、という説を紹介している[26]。
「ノルウェーの森」という邦題は、当時東芝音楽工業でビートルズ担当のディレクターだった高嶋弘之が付けた[27]。高嶋は知っている単語で適当に歌詞を訳してから曲を聴き、自分で閃いたところでタイトルを付けていた[28]。ハリスンが弾くシタールと、レノンの靄がかっているような物憂げな声に"wood"なので、なんの疑いもなく「ノルウェーの森」に決めたという[29]。
なお、日本での発売当初の邦題は「ノーウェジアン・ウッド」[30]で、以降の作品では「ノルウェーの森 (ノーウェジアン・ウッド)」[31]や「ノーウェジアン・ウッド (ノルウェーの森)」[32]と表記されている。
リリースや文化的影響など[編集]
「ノルウェーの森」は、1965年12月3日に発売されたオリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』の収録曲として発売された[33][34]。本作はロックバンドがシタールをはじめとしたインド楽器を使用したレコーディングを行った初の例となった[35]。イギリスやアメリカはシングル・カットされなかったが、オーストラリアでは「ひとりぼっちのあいつ」との両A面シングルとして発売され、同国の音楽チャートで2週連続で第1位を獲得した[5]。また、本作は解散後に発売された 『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』、『ラヴ・ソングス』、『ビートルズ バラード・ベスト20』、『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』などのコンピレーション・アルバムにも収録された。
『ピッチフォーク』のスコット・プラゲンフーフは、「ガール」と共にレノンのソングライターとしての成熟度を示す楽曲の1つとして挙げている[36]。
本作は一部の文献でラーガ・ロックの祖とされている[37]ほか、ワールドミュージックにおける重要な作品の1つとされている[38][39]。東洋の音楽性を取り入れた本作の作曲について興味を持ったローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズは、1966年に発売された楽曲「黒くぬれ!」でシタールを演奏した[40]。
2006年に『モジョ』誌が発表した「The 101 Greatest Beatles Songs」では第19位、2010年に『ローリング・ストーン』誌が発表した「The 500 Greatest Songs of All Time」では第83位[6]にランクインした。
クレジット[編集]
※出典[41]
- ジョン・レノン - ダブルトラックのボーカル、アコースティック・ギター
- ポール・マッカートニー - ベース、ハーモニー・ボーカル
- ジョージ・ハリスン - 12弦アコースティック・ギター、ダブルトラックのシタール
- リンゴ・スター - タンバリン、バスドラム、マラカス、フィンガーシンバル
カバー・バージョン[編集]
- セルジオ・メンデス&ブラジル'66 - 1969年に発売されたアルバム『Ye-Me-Le』に収録[42]。
- ジョニー・ハリス - 1973年に発売されたアルバム『All to Bring You Morning』に収録[43]。
- 高中正義・松任谷由実 - 1988年に発売されたトリビュート・アルバム『抱きしめたい』に収録。
- ハービー・ハンコック - 1996年に発売されたアルバム『ザ・ニュー・スタンダード』に収録[44]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ Unterberger, Richie. “Great Moments in Folk Rock: Lists of Author Favorites”. richieunterberger.com. 2018年10月17日閲覧。
- ^ Williams, Paul (2002). The Crawdaddy! Book: Writings (and Images) from the Magazine of Rock. Hal Leonard. p. 109. ISBN 0-634-02958-4
- ^ Reed, Ryan (2020年3月27日). “The 100 Best Beatles Covers”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2022年3月19日閲覧。
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- ^ a b “Australia No. 1 Hits – 1960s”. worldcharts.co.uk. 2013年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。
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- ^ 「洋楽マン列伝 vol.101 高嶋弘之氏(中編)」『レコード・コレクターズ』、ミュージックマガジン、2018年9月、167頁。
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- ^ “ザ・ビートルズ、赤盤&青盤が最新リマスターで10月18日発売”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2010年8月12日) 2020年4月23日閲覧。
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参考文献[編集]
- 大津栄一郎「『ノルウェイの森』雑考」『図書』第538巻、岩波書店、1994年4月。
- 村上春樹『村上春樹 雑文集』新潮社、2011年1月31日。ISBN 978-4103534273。
- Bellman, Jonathan (1998). The Exotic in Western Music. Northeastern University Press. ISBN 1-55553-319-1
- Cross, Craig (2005). The Beatles: Day-by-day, Song-by-song, Record-by-record. Iuniverse. ISBN 0595346634
- Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthrology. Oxford University Press. ISBN 0-19-509553-7
- Everett, Walter (2001). The Beatles as Musicians: The Quarry Men Through Rubber Soul. New York, NY: Oxford University Press. ISBN 0-19-514105-9
- Jackson, Andrew (2015). 1965: The Most Revolutionary Year in Music. Thomas Dunne Books. ISBN 978-1-250-05962-8
- Kruth, John (2015). This Bird Has Flown: The Enduring Beauty of Rubber Soul, Fifty Years On. Backbeat Books. ISBN 978-1-61713-573-6
- Lewisohn, Mark (2005) [1988]. The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962–1970. London: Bounty Books. ISBN 978-0-7537-2545-0
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- Margotin, Philippe; Guesdon, Jean-Michel (2013). All the Songs: The Story Behind Every Beatles Release. Black Dog & Leventhal. ISBN 978-1-57912-952-1
- Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years from Now. New York: Henry Holt and Company. ISBN 0-8050-5249-6
- Norman, Philip (2008). John Lennon: The Life. Doubleday. ISBN 978-0-385-66100-3
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- Spitz, Bob (2013). “The British Invasion”. Time.
- Unterberger, Richie (2006). The Unreleased Beatles: Music & Film. San Francisco: Backbeat Books. ISBN 978-0-87930-892-6
外部リンク[編集]
- Norwegian Wood (This Bird Has Flown) - The Beatles