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[[画像:Chinese_Fining_and_Blast_Furnace.jpg|thumb|right|250px|[[中国]]の古代の[[製鉄]]。炉を使って[[鉄鉱石]]を溶かして精錬している。『[[天工開物]]』([[宋応星]]編著、1637)より]]
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'''炉'''(ろ)とは、[[金属]]の溶解や[[食品]]の加工製造など[[火]]を使用する設備の総称<ref name="himeji">{{Cite web|和書|url=https://www.city.himeji.lg.jp/bousai/cmsfiles/contents/0000004/4401/4-2-1.pdf|title=第2節 各論|publisher=姫路市|accessdate=2020-05-12}}</ref>。


== 分類 ==
'''炉'''(ろ)とは、[[火]]を燃やしたり、[[香]]などをたいたりする設備や器具。あるいは、ものを[[加熱]]・[[溶解]]・[[焼却]]する場所や装置のこと。
=== 用途による分類 ===
炉は工業炉(焼鈍炉、焼入炉、溶解炉など)とそれ以外の炉(パン焼き炉、焼却炉など)に大別できる<ref name="himeji" />。
==== 工業 ====
工業炉は鉄鋼用炉、非鉄金属用炉、窯業用炉、化学工業用炉、乾燥炉などに分類される<ref name="himeji" />。
* 鉄鋼用炉
** 製銑・製鋼及び鋳造用炉 - [[高炉]]、[[転炉]]、焼結炉、[[キューポラ]]など<ref name="himeji" />。なお、溶錬のための炉は特に'''溶錬炉'''(ようれんろ)という<ref>『現代新百科』学研</ref>。
** 圧延・鍛造用炉 - 灼熱炉、圧延用加熱炉、鍛造用加熱炉など<ref name="himeji" />。
** 熱処理炉 - 焼鈍炉、ろう付け炉、浸炭炉、めっき炉など<ref name="himeji" />。
* 非鉄金属用炉
* 窯業用炉
** 溶解炉 - ガラス溶解炉など<ref name="himeji" />。
** 焼成炉 - ものを高熱で焼いて[[焼成]]するための炉。[[セメント]]焼成炉([[ロータリーキルン]]など)、[[陶磁器]]・[[タイル]]・[[瓦]]焼成炉など<ref name="himeji" />。
* 化学工業用炉
*: 化学工業用炉には石炭化学用炉や石油(天然ガス)化学用炉がある<ref name="himeji" />。


==== 工業炉以外の炉 ====
加熱するための熱源(燃料)としては、[[ガス燃料|ガス]]、[[木炭]]、[[木薪]]、[[石炭]]・[[コークス]]、[[電熱]]などが用いられる。
工業炉以外の炉にはパン焼き炉、ピザ窯、揚げ物用炉、営業用風呂釜、焼却炉などがある<ref name="himeji" />。
* [[暖炉]] - 室内を暖めるための炉
* [[焼却炉]] - 可燃性のものを燃焼せしめて、消滅・灰化・減容化するために用いる炉。塵芥(ゴミ)焼却炉や火葬炉などがある。


このほか「炉」の名をもつ器具がある。
炉は使用目的によって、'''暖炉'''(だんろ)、'''焼成炉'''(しょうせいろ)、'''溶練炉'''(ようれんろ)<ref>『現代新百科』学研</ref>の他、'''焼却炉'''に大別できる。
* [[炉]]
* [[炉]]
* [[焜炉]]


=== 熱源による分類 ===
日本語では、[[核反応]]によって熱を発生する装置も「炉」と表現する([[原子炉]])。
加熱するための熱源(燃料)としては、[[ガス燃料|ガス]]、[[木炭]]、[[木薪]]、[[石炭]]・[[コークス]]、[[電熱]]などが用いられる。なお、日本語では、[[核反応]]によって熱を発生する装置も「炉」と表現する([[原子炉]])


{{See|電気炉|太陽炉|原子炉}}
==分類==


===暖炉===
=== 構造による分類 ===
==== 開放炉と煙突炉 ====
火炎放射熱による直接または、空気を加熱することにより間接的にものや室内を暖めるための炉で、[[囲炉裏]]、[[ストーブ]]、[[ボイラー]]、[[焜炉]]、[[オーブン]]、[[七輪]]、[[竈]]などがある。
排出ガスや火の粉を放出するための[[煙突]]や排気筒の有無により、鋳物工場や焼入工場などで利用されている煙突等のない開放炉と、煙突等を設置した煙突炉がある<ref name="himeji" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.rekihaku.ac.jp/outline/publication/ronbun/ronbun8/pdf/177006.pdf|title=大鍛冶の炉内反応に関する検証と実験的再現 |publisher=国立歴史民俗博物館研究報告|accessdate=2020-05-12}}</ref>。


===焼成炉===
==== 反射 ====
{{See|反射炉}}
ものを高熱で焼いて[[焼成]]するための炉で、[[陶磁器]]や[[煉瓦]]などを作成する[[窯]]、[[セメント]]などを作成する[[ロータリーキルン]]などがある。


===溶練炉===
==出典==
[[金属]]の[[精錬]]、[[溶解]]、[[合金]]製造などに使用される炉で、溶鉱炉([[高炉]])、[[転炉]]、[[反射炉]]、[[平炉]]、[[電気炉]]、[[太陽炉]]などがある。

===焼却炉===
可燃性のものを燃焼せしめて、消滅・灰化・減容化するために用いる炉。塵芥(ゴミ)焼却炉や火葬炉などがある。

==参考文献==
<references />
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* [[溶融炉]]
* [[溶融炉]]
* [[原子炉]]
* [[原子炉]]
* [[炉]]
* [[炉]]
* [[炉心]]
* [[炉心]]
* [[炉座]]
* [[炉座]]
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* [[護摩壇]]
* [[護摩壇]]
* [[廃炉]]
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* [[築炉技能士]]

* [[ろ座]]
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2023年11月27日 (月) 20:49時点における最新版

中国の古代の製鉄。炉を使って鉄鉱石を溶かして精錬している。『天工開物』(宋応星編著、1637)より

(ろ)とは、金属の溶解や食品の加工製造などを使用する設備の総称[1]

分類

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用途による分類

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炉は工業炉(焼鈍炉、焼入炉、溶解炉など)とそれ以外の炉(パン焼き炉、焼却炉など)に大別できる[1]

工業炉

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工業炉は鉄鋼用炉、非鉄金属用炉、窯業用炉、化学工業用炉、乾燥炉などに分類される[1]

  • 鉄鋼用炉
    • 製銑・製鋼及び鋳造用炉 - 高炉転炉、焼結炉、キューポラなど[1]。なお、溶錬のための炉は特に溶錬炉(ようれんろ)という[2]
    • 圧延・鍛造用炉 - 灼熱炉、圧延用加熱炉、鍛造用加熱炉など[1]
    • 熱処理炉 - 焼鈍炉、ろう付け炉、浸炭炉、めっき炉など[1]
  • 非鉄金属用炉
  • 窯業用炉
  • 化学工業用炉
    化学工業用炉には石炭化学用炉や石油(天然ガス)化学用炉がある[1]

工業炉以外の炉

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工業炉以外の炉にはパン焼き炉、ピザ窯、揚げ物用炉、営業用風呂釜、焼却炉などがある[1]

  • 暖炉 - 室内を暖めるための炉
  • 焼却炉 - 可燃性のものを燃焼せしめて、消滅・灰化・減容化するために用いる炉。塵芥(ゴミ)焼却炉や火葬炉などがある。

このほか「炉」の名をもつ器具がある。

熱源による分類

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加熱するための熱源(燃料)としては、ガス木炭木薪石炭コークス電熱などが用いられる。なお、日本語では、核反応によって熱を発生する装置も「炉」と表現する(原子炉)。

構造による分類

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開放炉と煙突炉

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排出ガスや火の粉を放出するための煙突や排気筒の有無により、鋳物工場や焼入工場などで利用されている煙突等のない開放炉と、煙突等を設置した煙突炉がある[1][3]

反射炉

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k 第2節 各論”. 姫路市. 2020年5月12日閲覧。
  2. ^ 『現代新百科』学研
  3. ^ 大鍛冶の炉内反応に関する検証と実験的再現”. 国立歴史民俗博物館研究報告. 2020年5月12日閲覧。

関連項目

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