コンテンツにスキップ

「ラザロ・スパランツァーニ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
 
(4人の利用者による、間の7版が非表示)
1行目: 1行目:
{{出典の明記|date=2012年1月|ソートキー=人1799年没}}
{{出典の明記|date=2012年1月|ソートキー=人1799年没}}
[[Image:Spallanzani.jpg|thumb|スパランツァーニの肖像]]
[[Image:Spallanzani.jpg|thumb|スパランツァーニの肖像]]
'''ラザロ・スパランツァーニ''' (Lazzaro Spallanzani, [[1729年]][[1月10日]] - [[1799年]][[2月12日]]) は、[[イタリア]]の[[博物学|博物学者]]。[[動物学|実験動物学]]の祖と呼ばれている。
'''ラザロ・スパランツァーニ''' (Lazzaro Spallanzani, [[1729年]][[1月10日]] - [[1799年]][[2月12日]]) は、[[イタリア]]の[[博物学|博物学者]]。[[動物学|実験動物学]]の祖と呼ばれている。


==業績==
==業績==
12行目: 12行目:
== 自然発生説の否定 ==
== 自然発生説の否定 ==
[[Image:Spallanzani - Dissertazioni di fisica animale e vegetabile, 1780 - 4275441.tif|thumb|''Dissertazioni di fisica animale e vegetabile'', 1780]]
[[Image:Spallanzani - Dissertazioni di fisica animale e vegetabile, 1780 - 4275441.tif|thumb|''Dissertazioni di fisica animale e vegetabile'', 1780]]
[[フランチェスコ・レディ]]の実験により、ハエのような動物が自然発生しないことは証明されたが、[[微生物]]が自然発生しないことは当時証明されていなかった。[[1765年]]、スパランツァーニはフラスコに入れたスープを加熱殺菌し、フラスコの口を溶かして密封する実験を行い、微生物も自然発生しないことを確かめた。しかし、この実験では密封したことにより発生できなくなっただけだとする[[ジョン・ニーダム]]の反論を招いた。これは後に、[[ルイ・パストゥール|パストゥール]]の実験により確認され、生物の自然発生説は完全に否定された。
[[フランチェスコ・レディ]]の実験により、ハエのような動物が自然発生しないことは証明されたが、[[微生物]]が自然発生しないことは当時証明されていなかった。[[1765年]]、スパランツァーニはフラスコに入れたスープを加熱殺菌し、フラスコの口を溶かして密封する実験を行い、微生物も自然発生しないことを確かめた。しかし、この実験では密封したことにより発生できなくなっただけだとする[[ジョン・ニーダム]]の反論を招いた。これは後に、[[ルイ・パスール]]の実験により確認され、生物の自然発生説は完全に否定された。
{{Botanist|Spall.}}
{{Anchors|Spall.}}{{Botanist|Spall.}}
{{Commonscat-inline|Lazzaro Spallanzani|ラザロ・スパランツァーニ}}
{{Commonscat-inline|Lazzaro Spallanzani|ラザロ・スパランツァーニ}}


19行目: 19行目:
{{Reflist}}
{{Reflist}}


{{Normdaten}}
== 外部リンク ==
[https://hirosaki.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3320&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1<nowiki> 理科授業における科学史の活用に関する研究]</nowiki>{{Normdaten}}
{{Biosci-stub}}
{{Biosci-stub}}
{{Scientist-stub}}
{{Scientist-stub}}
29行目: 28行目:
[[Category:カトリック聖職者の科学者]]
[[Category:カトリック聖職者の科学者]]
[[Category:国立科学アカデミー・レオポルディーナ会員]]
[[Category:国立科学アカデミー・レオポルディーナ会員]]
[[Category:プロイセン科学アカデミー会員]]
[[Category:ゲッティンゲン科学アカデミー会員]]
[[Category:イタリア史の人物]]
[[Category:イタリア史の人物]]
[[Category:パヴィア大学の教員]]
[[Category:パヴィア大学の教員]]

2023年12月5日 (火) 06:50時点における最新版

スパランツァーニの肖像

ラザロ・スパランツァーニ (Lazzaro Spallanzani, 1729年1月10日 - 1799年2月12日) は、イタリア博物学者実験動物学の祖と呼ばれている。

業績

[編集]

はじめボローニャ大学で法律を学んだが、従姉妹であったラウラ・バッシの勧めを受けて自然科学に進み、レッジョモデナパヴィア各大学の教授をつとめた。生物学に実験の必要なことを説き、呼吸、循環・再生などを実験的に研究、両生類の人工受精にも成功した。また、微生物自然発生説を否定したことでも知られている。

また、コウモリは目隠しをしても障害物をよけて飛行できるが、耳もふさいでしまうと飛び立つことすらできないことを実験で確認し、聴覚で周囲を「視て」いるのではないかという仮説を立てている。これが超音波による反響定位であることが実証されるのは、超音波測定装置が発明される20世紀に入ってからである。

動物の消化のプロセスを解明するために、リンネルの袋に入った食べ物を呑み込み、時間経過後に吐き出すという自己実験を行っている[1]

自然発生説の否定

[編集]
Dissertazioni di fisica animale e vegetabile, 1780

フランチェスコ・レディの実験により、ハエのような動物が自然発生しないことは証明されたが、微生物が自然発生しないことは当時証明されていなかった。1765年、スパランツァーニはフラスコに入れたスープを加熱殺菌し、フラスコの口を溶かして密封する実験を行い、微生物も自然発生しないことを確かめた。しかし、この実験では密封したことにより発生できなくなっただけだとするジョン・ニーダムの反論を招いた。これは後に、ルイ・パスツールの実験により確認され、生物の自然発生説は完全に否定された。

ウィキメディア・コモンズには、ラザロ・スパランツァーニに関するカテゴリがあります。

脚注

[編集]
  1. ^ アン・ルーニー『医学は歴史をどう変えてきたか:古代の癒やしから近代医学の奇跡まで』立木勝訳 東京書籍 2014年 ISBN 9784487808748 p.198.