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国際理論物理学会議（こくさいりろんぶつりがっかいぎ、The International Conference of Theoretical Physics）は、1953年9月、ネヴィル・モットと湯川秀樹博士を会長に、東京（日光含む）と京都で開催された日本初の国際会議である。素粒子と物性（転位、磁性、超伝導、ヘリウムなど）が4日間にわたり議論された。

湯川秀樹がノーベル賞を受賞した4年後に開かれたこの学会には多額の寄付が寄せられ、日本国内で連日大きく報道された。京都は京都大学の湯川記念館、楽友会館、人文科学研究所が会場となった。

おもな参加者[編集]

海外からは55名（この後ノーベル賞を受賞する科学者17名を含む）、日本からは500名の科学者が参加した。

海外[編集]

日本[編集]

本会議[編集]

日程	湯川記念館	人文科学研究所	楽友会館
18日	場の理論	転位	分子、金属
19日	宇宙線とV粒子	液体論	自発磁気の電子論
21日	π中間子	不可逆過程	磁性体
22日	核力	統計力学	誘電体
23日	核反応	-	液体ヘリウム、超伝導

参考文献[編集]

「1953年京都国際理論物理学会議の回想」日本物理学会誌32(10),p.762(1977)
小谷正雄ほか「日本で国際会議を開催する意義とその成果をめぐって」日本物理学会誌17(5),p.313(1962)
日本物理学会誌(1954)
Proceedings of the International Conference of Theoretical Physics, Kyoto & Tokyo, September 1953(1954), Science Council of Japan.
『自然』1953年12月号
『科学』

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-'''国際理論物理学会'''（こくさいりろんぶつりがっかい、The International Conference of Theoretical Physics）とは、1953年9月、[[ネヴィル・モット]]と[[湯川秀樹]]博士を会長に、東京（日光含む）と京都で開催された日本初の国際会議である。[[素粒子]]と[[物性]]（[[転位]]、[[磁性]]、[[超伝導]]、[[ヘリウム]]など）が四日間にわたり議論された。この学会は、湯川博士ノーベル賞受賞の四年後で、多額の寄付が寄せられ、連日国内で大きく報道された。京都は[[京都大学]]の[[湯川記念館]]、[[楽友会館]]、[[人文科学研究所]]が会場となった。
+'''国際理論物理学会議'''（こくさいりろんぶつりがっかいぎ、The International Conference of Theoretical Physics）は、[[1953年]]9月、[[ネヴィル・モット]]と[[湯川秀樹]]博士を会長に、東京（日光含む）と京都で開催された日本初の国際会議である。[[素粒子]]と[[物性]]（[[転位]]、[[磁性]]、[[超伝導]]、[[ヘリウム]]など）が4日間にわたり議論された。
+湯川秀樹がノーベル賞を受賞した4年後に開かれたこの学会には多額の寄付が寄せられ、日本国内で連日大きく報道された。京都は[[京都大学]]の[[京都大学基礎物理学研究所|湯川記念館]]、[[楽友会館]]、[[京都大学人文科学研究所|人文科学研究所]]が会場となった。
-==参加者==
+==おもな参加者==
-海外からは、この後[[ノーベル賞]]を受賞する科学者17名を含む55名、日本からは500名の科学者が参加した。その中には、
+海外からは55名（この後[[ノーベル賞]]を受賞する科学者17名を含む）、日本からは500名の科学者が参加した。
 ===海外===
+<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
-・　[[ジョン・スレーター]]、　　・　[[ヴァン・ヴレック]]、　　・　[[ネヴィル・モット]]、
+*[[ジョン・スレーター]]
+*[[ヴァン・ヴレック]]
+*[[ネヴィル・モット]]
+*[[ジョン・バーディーン]]
-・　[[ジョン・バーディーン]]、　　　・　[[フレデリック・ザイツ]]、　　　・　[[ファインマン]]、
+*[[フレデリック・ザイツ]]
+*[[ファインマン]]
-・　[[楊振寧]]（チェン・ニン・ヤン）、　　・　[[ウィグナー]]、　　・　[[フィリップ・アンダーソン]]、
+*[[楊振寧]]（チェン・ニン・ヤン）
+*[[ウィグナー]]
+*[[フィリップ・アンダーソン]]
+*[[ラルス・オンサーガー]]
+*[[ルイ・ネール]]
-・　[[ラルス・オンサーガー]]、　　・　[[ルイ・ネール]]、　　・　[[チャールズ・タウンズ]]、
+</div>
+<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
-・　[[ニコラス・ブルームバーゲン]]　　・　[[マリア・ゲッパート・メイヤー]]　　・　[[ジョン・ホィーラー]]
+*[[チャールズ・タウンズ]]
+*[[ニコラス・ブルームバーゲン]]
-・　[[イリヤ・プリゴジン]]　　・　[[ルドルフ・パイエルス]]　　・　[[アブラハム・パイス]]
+*[[マリア・ゲッパート・メイヤー]]
+*[[ジョン・ホィーラー]]
-・　[[ポール・フローリー]]　　・　[[ロバート・マリケン]]　　・　[[カークウッド]]　　らがいる。
+*[[イリヤ・プリゴジン]]
+*[[ルドルフ・パイエルス]]
+*[[アブラハム・パイス]]
+*[[ポール・フローリー]]
+*[[ロバート・マリケン]]
+*[[ジョン・G・カークウッド|カークウッド]]
+</div>
+{{clear}}
 ===日本===
+<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
+*[[小谷正雄]]
-[[小谷正雄]]、[[永宮健夫]]、[[久保亮五]]、[[武谷三男]]、[[伏見康治]]、[[早川幸男]]、[[朝永振一郎]]、[[西島和彦]]、[[中嶋貞雄]]　らがいる。
+*[[永宮健夫]]
+*[[久保亮五]]
+*[[武谷三男]]
+*[[伏見康治]]
+</div>
+<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
+*[[早川幸男]]
+*[[朝永振一郎]]
+*[[西島和彦_(物理学者)|西島和彦]]
+*[[中嶋貞雄]]
+</div>
+{{clear}}
 == 本会議 ==
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 {| class="wikitable" style="text-align: center;"
 |-
-! 日　程 !! 　　湯川記念館　 　!! 　人文科学研究所 　!! 楽友会館 !!
+! 日程 !! 湯川記念館 !! 人文科学研究所 !! 楽友会館
 |-
-|18日|| [[場の理論]]|| [[転位]] || [[分子]]、[[金属]] ||
+|18日|| [[場の理論]] || [[転位]] || [[分子]]、[[金属]]
 |-
-|19日|| [[宇宙線]]と[[V粒子]]||　[[液体論]] ||[[自発磁気の電子論]] ||
+|19日|| [[宇宙線]]と[[V粒子]] || [[液体論]] || [[自発磁気の電子論]]
 |-
-|21日|| [[π中間子]]||[[不可逆過程]] ||[[磁性体]] ||
+|21日|| [[π中間子]] || [[不可逆過程]] || [[磁性体]]
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+|22日|| [[核力]] || [[統計力学]] || [[誘電体]]
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-|23日|| [[核反応]]|| - || [[液体ヘリウム]]、[[超伝導]]||
+|23日|| [[核反応]] || - || [[液体ヘリウム]]、[[超伝導]]
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 |}
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 ==参考文献==
-・「1953年京都国際理論物理学会議の回想」[[日本物理学会]]誌32(10),p.762(1977)
+* 「1953年京都国際理論物理学会議の回想」[[日本物理学会]]誌32(10),p.762(1977)
+* 小谷正雄ほか「日本で国際会議を開催する意義とその成果をめぐって」日本物理学会誌17(5),p.313(1962)
+* 日本物理学会誌(1954)
-・小谷正雄ほか「日本で国際会議を開催する意義とその成果をめぐって」日本物理学会誌17(5),p.313(1962)
+* ''Proceedings of the International Conference of Theoretical Physics, Kyoto & Tokyo, September 1953(1954)'', Science Council of Japan.
+* 『自然』1953年12月号
-・日本物理学会誌(1954)
+* 『科学』
-・''Proceedings of the International Conference of Theoretical Physics, Kyoto & Tokyo, September 1953(1954)'', Science Council of Japan.
-・『自然』1953年12月号
-・『科学』
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