コンテンツにスキップ

「高校殺人事件」の版間の差分

リンクを追加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
履歴の双方向閲覧
← 古い編集
削除された内容 追加された内容
ビジュアルウィキテキスト
編集の要約なし
+Template
 
(11人の利用者による、間の22版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Portal|文学}}
{{基礎情報 文学作品
|題名 = 高校殺人事件
『'''高校殺人事件'''』（こうこうさつじんじけん）は、[[松本清張]]の長編[[推理小説]]。『高校上級コース』（1960年4月号以降は『高校コース』）に連載され（1959年11月号～1961年3月号）、1961年12月に[[光文社]]（[[カッパ・ノベルス]]）から刊行された。連載時のタイトルは『'''赤い月'''』。
|原題 =
|訳題 =
|作者 = [[松本清張]]
|国 = {{JPN}}
|言語 = [[日本語]]
|ジャンル = [[長編小説]]
|シリーズ =
|発表形態 = [[雑誌]]連載
|初出 = 『高校上級コース』/『高校コース』 [[1959年]]11月号 - [[1961年]]3月号
|初出時の題名 = 『'''赤い月'''』
|初出の出版元 = [[学研ホールディングス|学習研究社]]
|初出の挿絵 =
|刊行 = 『高校殺人事件』
|刊行の出版元 = [[光文社]]
|刊行の出版年月日 = [[1961年]][[12月10日]]
|装幀 = 伊藤憲治
|装画 =
|題字 =
|口絵 =
|挿絵 = [[桂ゆき|桂ユキ子]]
|作品ページ数 =
|総ページ数 =
|id =
|受賞 =
|訳者 =
| portal1 = 文学
}}
『'''高校殺人事件'''』（こうこうさつじんじけん）は、[[松本清張]]の長編[[推理小説]]。『高校上級コース』（[[1960年]]4月号以降は『高校コース』）に連載され（[[1959年]]11月号 - 1961年3月号）、[[1961年]]12月に[[光文社]]（[[カッパ・ノベルス]]）から刊行された<ref>挿絵は[[桂ゆき|桂ユキ子]]が担当した。</ref>。連載時のタイトルは『'''赤い月'''』。


1977年に「[[少年ドラマシリーズ]]」の一つとして、連続テレビドラマ化された。
[[1977年]]に「[[少年ドラマシリーズ]]」の一つとして、連続テレビドラマ化された。


== 概要 ==
== 概要 ==
松本清張では希少な[[ジュブナイル]]作品の一つ。高校生グループが事件の真相を探る異色作であるが、カッパ・ノベルス版の発行部数は66万部を記録している。
松本清張では希少な[[ジュブナイル]]作品の一つで<ref>松本清張の他の少年少女向け作品としては、『決戦川中島』『[[徳川家康 (松本清張)|徳川家康]]』『軍師の境遇』『山中鹿之助』などの伝記作品がある。</ref>、高校生グループが事件の真相を探る異色作。カッパ・ノベルス版の発行部数は66万部を記録している。


== あらすじ ==
== あらすじ ==
<!--原作のあらすじ-->
[[武蔵野台地]]の一角、[[多摩川]]の流れを見おろす、かつての城あとに、私たちの高等学校はあった。高校3年の私たちグループの一員で、[[エドガー・アラン・ポー|ポー]]の心酔者である通称「ノッポ」が、学校の裏の沼で無惨な死にかたをしたのは、沼のほとりに蛙やいもりの出没する晩春のことである。彼は闇の中から流れてくる妖しい笛の音に魅せられて、人気のない深夜の沼に入って行ったという……。
[[武蔵野台地]]の一角、[[多摩川]]の流れを見おろす、かつての城あとに、私たちの高等学校はあった。高校3年の私たちグループの一員で、[[エドガー・アラン・ポー|ポー]]の心酔者である通称「ノッポ」が、学校の裏の沼で無惨な死にかたをしたのは、沼のほとりに蛙やいもりの出没する晩春のことである。彼は闇の中から流れてくる妖しい笛の音に魅せられて、人気のない深夜の沼に入って行ったという……。

== 主な登場人物 ==
*原作における設定を記述。
; 羽島謙
: 本作の主人公で高校3年生。大学進学の目標は一応あるが、まだのんびりとかまえている。
; 小西重介
: 同級生の仲間グループの中心。背が高く「ノッポ」と呼ばれている。飄々と歩き、怪奇的な詩について考えている。
; 坂本信子
: 仲間グループの一人。通称ノンちゃん。活発な性格。喫茶店の娘で推理小説好き。
; 手島加奈枝
: 仲間グループの一人。絵がうまく。ふだんはおとなしいほうだが、大人っぽい美貌を持つ。
; 中島　
: 仲間グループの一人。
; 柳田
: 総じて成績のよくない仲間グループのなかで、主席を続けている唯一の秀才。
; 山口
: 仲間グループの一人。
; 中村先生
: 主人公の学級担任で英語を教えている。
; 倉田春恵
: 高校近くの寺・享光院の住職。51歳。
; 良念
: 享光院の若い坊さん。
; 羽島さち子
: 主人公の一つ年下のいとこ。文学少女で成績が良い。主人公に綺麗な少女と評される。名探偵。

== エピソード ==
*[[東野圭吾]]は、高校時代に最初に読んだ松本清張作品が本作であり、「それまで推理小説というものに接したことは一度もなかった。次姉がすでに松本清張の愛読者になっていたのだが、なんかしらんけど退屈そうなもん読んどるなあと思うだけで、全く関心を持てなかったのだ。ほかにはどういうものがあるのかなと思い、次姉の本棚を眺めた。松本清張の『高校殺人事件』という本が目に留まった。やはり学生が主人公の作品のほうが、とっつきやすかったのだ。その本を今度は三日で読んだ。読みだしたらやめられなくて、布団の中でいつまでも頁をめくっていたなんてことは、生まれて初めての経験だった」と述べている<ref>東野圭吾『[[あの頃ぼくらはアホでした]]』（1995年、[[集英社]]）135頁。</ref>。


== テレビドラマ ==
== テレビドラマ ==
{{基礎情報 テレビ番組
{{ドラマ}}
|番組名=赤い月
|画像=
|画像説明=
|ジャンル=[[テレビドラマ]]
|放送時間=月曜 - 木曜／18:20 - 18:40
|放送分=20
|放送枠=少年ドラマシリーズ
|放送期間=[[1977年]][[4月4日]] - [[5月5日]]
|放送回数=20
|放送国={{JPN}}
|制作局=[[日本放送協会|NHK]]
|企画=
|製作総指揮=
|監督=
|演出=花房實ほか
|原作=松本清張『高校殺人事件』
|脚本=[[岩間芳樹]]
|プロデューサー=
|出演者=[[高野浩幸]]<br />[[村地弘美]]ほか
|音声=
|字幕=
|データ放送=
|OPテーマ=
|EDテーマ=
|外部リンク=
|外部リンク名=
|特記事項=
}}
{{節stub}}
{{節stub}}
[[日本放送協会|NHK]]で、[[1977年]][[4月4日]]から[[1977年]][[5月5日]]まで「[[少年ドラマシリーズ]]」枠で放送された（全20回）。ドラマタイトルは『'''赤い月'''』。
ドラマタイトル『'''赤い月'''』。[[1977年]][[4月4日]]から[[5月5日]]まで、[[日本放送協会|NHK]]の「[[少年ドラマシリーズ]]」枠（18:20-18:40）で放送された（全20回）。
;キャスト
;キャスト
*羽島謙：[[高野浩幸]]
*羽島謙：[[高野浩幸]]
*井出加奈江：[[村地弘美]]
*井出加奈江：[[村地弘美]]
*羽島の父：[[小松方正]]
*小西重介：[[市山貴章]]
*倉田春恵：[[小栗一也]]
*松川：[[橋爪功]]
*岩村：[[小沢重雄]]
*小西：[[市山貴章]]
*坂本信子：[[小林妙子]]
*坂本信子：[[小林妙子]]
*泉：[[篠崎登]]
*山口：[[桑崎晃男]]
*山口：[[桑崎晃男]]
*柳田：[[塩屋翼]]
*柳田：[[塩屋翼]]
*篠田刑事：[[庄司永建]]
*泉：[[篠崎登]]
*中村先生：[[松川勉]]
*中村先生：[[松川勉]]
*倉田春恵：[[小栗一也]]
*[[佐々木すみ江]]
*松川一郎：[[橋爪功]]
*岩村国夫：[[小沢重雄]]
*羽島壮吉（羽島謙の父）：[[小松方正]]
*羽島芳枝（羽島謙の母）：[[佐々木すみ江]]
*羽島圭子（羽島謙の妹）：[[遠藤薫]]
*篠田刑事：[[庄司永建]]
*：[[前田保之]]
*：[[纓片達雄]]
*：[[猪野剛太郎]]
*：[[久保晶]]
*：[[野村須磨子]]
*：[[真木恭介]]
*：[[佐藤燿子]]
*：[[山中康司]]
*：[[井上文夫]]
*：[[尾久土芳樹]]
*：[[大山豊 (俳優)|大山豊]]
*：[[安田洋子]]
*：[[井上和行]]
;スタッフ
;スタッフ
*脚本：[[岩間芳樹]]
*脚本：[[岩間芳樹]]
*音楽：[[桑原研郎]]
*音楽：[[桑原研郎]]
*演奏：アンサンブル・ロマンス
*演出：[[花房實]]、[[吉田治夫]]、[[上原正己]]、[[中村哲志]]、[[峯岸透]]、[[伊東美行]]、[[佐藤和哉 (演出家)|佐藤和哉]]、[[小山攻]]、[[長谷川直樹]]、[[中村哲志]]
*製作：[[日本放送協会|NHK]]
*製作：[[日本放送協会|NHK]]

{{前後番組|
|放送局=[[日本放送協会|NHK]]
|放送枠=[[少年ドラマシリーズ]]
|番組名=赤い月<br>（1977.4.4 - 5.5）
|前番組=[[困ったなア]]<br>（1977.3.7 - 24）
|次番組=[[アン通り47番地]]<br>（1977.5.9 - 26）
}}
{{松本清張原作のテレビドラマ}}

== 脚注・出典 ==
{{reflist}}


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 増山久明編著『NHK少年ドラマシリーズのすべて』（2001年、[[アスキー・メディアワークス|アスキー]] ISBN 978-4756138002）
* 増山久明編著『NHK少年ドラマシリーズのすべて』（2001年、[[アスキー・メディアワークス|アスキー]] ISBN 978-4756138002）


== 外部リンク ==
{{松本清張}}
* {{NHK放送史|D0009044298_00000|少年ドラマシリーズ　赤い月}}


{{松本清張}}
{{tv-stub}}
{{リダイレクトの所属カテゴリ
|header=この記事は以下のカテゴリでも参照できます
|redirect1=赤い月 (松本清張)
|1-1=松本清張原作のテレビドラマ
|1-2=1977年のテレビドラマ
|1-3=少年ドラマシリーズ
}}
{{DEFAULTSORT:こうこうさつしんしけん}}
{{DEFAULTSORT:こうこうさつしんしけん}}
[[Category:松本清張の小説]]
[[Category:松本清張の小説]]
[[Category:日本の推理小説]]
[[Category:日本の推理小説]]
[[Category:1959年の小説]]
[[Category:1959年の小説]]
[[Category:多摩地域を舞台とした作品]]
[[Category:日本の連載小説]]
[[Category:1977年のテレビドラマ]]
[[Category:多摩地域を舞台とした小説]]

2023年12月31日 (日) 12:44時点における最新版

高校殺人事件
作者 松本清張
国 日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出 『高校上級コース』/『高校コース』 1959年11月号 - 1961年3月号
初出時の題名 『赤い月』
出版元 学習研究社
刊本情報
刊行 『高校殺人事件』
出版元 光文社
出版年月日 1961年12月10日
装幀 伊藤憲治
挿絵 桂ユキ子
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示

『高校殺人事件』（こうこうさつじんじけん）は、松本清張の長編推理小説。『高校上級コース』（1960年4月号以降は『高校コース』）に連載され（1959年11月号 - 1961年3月号）、1961年12月に光文社（カッパ・ノベルス）から刊行された[1]。連載時のタイトルは『赤い月』。

1977年に「少年ドラマシリーズ」の一つとして、連続テレビドラマ化された。

概要[編集]

松本清張では希少なジュブナイル作品の一つで[2]、高校生グループが事件の真相を探る異色作。カッパ・ノベルス版の発行部数は66万部を記録している。

あらすじ[編集]

武蔵野台地の一角、多摩川の流れを見おろす、かつての城あとに、私たちの高等学校はあった。高校3年の私たちグループの一員で、ポーの心酔者である通称「ノッポ」が、学校の裏の沼で無惨な死にかたをしたのは、沼のほとりに蛙やいもりの出没する晩春のことである。彼は闇の中から流れてくる妖しい笛の音に魅せられて、人気のない深夜の沼に入って行ったという……。

主な登場人物[編集]

  • 原作における設定を記述。
羽島謙
本作の主人公で高校3年生。大学進学の目標は一応あるが、まだのんびりとかまえている。
小西重介
同級生の仲間グループの中心。背が高く「ノッポ」と呼ばれている。飄々と歩き、怪奇的な詩について考えている。
坂本信子
仲間グループの一人。通称ノンちゃん。活発な性格。喫茶店の娘で推理小説好き。
手島加奈枝
仲間グループの一人。絵がうまく。ふだんはおとなしいほうだが、大人っぽい美貌を持つ。
中島　
仲間グループの一人。
柳田
総じて成績のよくない仲間グループのなかで、主席を続けている唯一の秀才。
山口
仲間グループの一人。
中村先生
主人公の学級担任で英語を教えている。
倉田春恵
高校近くの寺・享光院の住職。51歳。
良念
享光院の若い坊さん。
羽島さち子
主人公の一つ年下のいとこ。文学少女で成績が良い。主人公に綺麗な少女と評される。名探偵。

エピソード[編集]

  • 東野圭吾は、高校時代に最初に読んだ松本清張作品が本作であり、「それまで推理小説というものに接したことは一度もなかった。次姉がすでに松本清張の愛読者になっていたのだが、なんかしらんけど退屈そうなもん読んどるなあと思うだけで、全く関心を持てなかったのだ。ほかにはどういうものがあるのかなと思い、次姉の本棚を眺めた。松本清張の『高校殺人事件』という本が目に留まった。やはり学生が主人公の作品のほうが、とっつきやすかったのだ。その本を今度は三日で読んだ。読みだしたらやめられなくて、布団の中でいつまでも頁をめくっていたなんてことは、生まれて初めての経験だった」と述べている[3]。

テレビドラマ[編集]

赤い月
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『高校殺人事件』
脚本 岩間芳樹
演出 花房實ほか
出演者 高野浩幸
村地弘美ほか
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1977年4月4日 - 5月5日
放送時間月曜 - 木曜／18:20 - 18:40
放送枠少年ドラマシリーズ
放送分20分
回数20
テンプレートを表示

ドラマタイトル『赤い月』。1977年4月4日から5月5日まで、NHKの「少年ドラマシリーズ」枠（18:20-18:40）で放送された（全20回）。

キャスト
スタッフ
NHK 少年ドラマシリーズ
前番組 番組名 次番組
困ったなア
（1977.3.7 - 24）
赤い月
（1977.4.4 - 5.5）
アン通り47番地
（1977.5.9 - 26）
松本清張原作のテレビドラマ
一覧
　あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま - わ行
関連項目
カテゴリカテゴリ 一覧（作品・映画）

脚注・出典[編集]

  1. ^ 挿絵は桂ユキ子が担当した。
  2. ^ 松本清張の他の少年少女向け作品としては、『決戦川中島』『徳川家康』『軍師の境遇』『山中鹿之助』などの伝記作品がある。
  3. ^ 東野圭吾『あの頃ぼくらはアホでした』（1995年、集英社）135頁。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

松本清張の作品
作品リスト
推理小説
現代小説
長編
あ行
　か行
さ行
た・な行
は - わ行
中・短編
あ行
か行
さ行
た・な行
は行
ま - わ行
シリーズ
歴史小説
時代小説
古代史
近現代史
評伝・伝記
随筆・日記
カテゴリ
スタブアイコン

この項目は、テレビ番組に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（ポータル テレビ/ウィキプロジェクト 放送または配信の番組）。

この記事は以下のカテゴリでも参照できます
赤い月 (松本清張)に関するカテゴリ:
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=高校殺人事件&oldid=98671956」から取得