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'''アクアマリン'''(Aquamarine)は、[[青|青色]]の[[緑柱石|ベリル]](緑柱石)である。名前は[[ラテン語]]の「[[海水]]」を意味する語から。緑柱石のうち透明で青い色調のものの[[宝石]]名。和名は'''藍玉'''もしくは水宝玉。[[エメラルド]]より低価格で市販品の多くは[[緑色]]から黄褐色の緑柱石を熱処理したもの。[[サンゴ]]、[[ブラッドストーン]]とともに[[3月]]の[[誕生石]]。主要原産地は[[マダガスカル]]、[[ブラジル]]、[[シベリア]]等。石言葉は「[[勇敢]]・沈着・聡明」。字義どおりには「海の水」を意味する。
'''アクアマリン'''(Aquamarine)は、[[青|青色]]の[[緑柱石|ベリル]](緑柱石)である。名前は[[ラテン語]]の「[[海水]]」を意味する語から。緑柱石のうち透明で青い色調のものの[[宝石]]名。和名は'''藍玉'''もしくは水宝玉。[[エメラルド]]より低価格で市販品の多くは[[緑色]]から黄褐色の緑柱石を熱処理したもの。主要原産地は[[マダガスカル]]、[[ブラジル]]、[[シベリア]]等。字義どおりには「海の水」を意味する。また、3月の[[誕生石]]としても有名である。


色としてのアクアマリンも後述する。
色としてのアクアマリンも後述する。
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{{Main2|鉱物学的性質|緑柱石}}
{{Main2|鉱物学的性質|緑柱石}}


[[化学組成]]は[[緑柱石|ベリル]](Beryl)の主成分であるアルミニウム珪酸塩と、色の成分である[[ベリリウム]]でできている。[[結晶系]]は六方晶系、[[モース硬度]]は7と1/2。[[緑]]の[[エメラルド]]や[[黄]]の[[ヘリオドール]]を[[熱処理]]([[トリートメント]])によってアクアマリンの色に変化させる事が可能。
[[化学組成]]は[[緑柱石|ベリル]](Beryl)である。[[結晶系]]は六方晶系、[[モース硬度]]は7と1/2。[[緑]]の[[エメラルド]]や[[黄色|黄]]の[[ヘリオドール]]を[[熱処理]]([[トリートメント]])によってアクアマリンの色に変化させる事が可能。


アクアマリンはその名の通り海の色をした[[宝石]]だが、海に投げ入れると瞬時に溶け込んでしまうと言われるほどで、その事から古いヨーロッパの船乗り達は、この石を海の力の宿った[[お守り]]として大切に持っていた。[[ブラジル]]のサンタマリア鉱山で採掘される深いマリンブルーの石が最高品質とされているが、現在は枯渇状態である。しかし最近では他の鉱山でもこれと同様の品質の石が採掘されており、現在ではこの深いマリンブルーの物を一般的に「サンタマリア」若しくは「サンタマリア・アフリカーナ」と呼んでいる。それ以外にも産地としては[[スリランカ]]、[[マダガスカル]]、[[ロシア]]、[[パキスタン]]、[[アフガニスタン]]、[[インド]]などが知られている。
アクアマリンはその名の通り海の色をした[[宝石]]だが、海に投げ入れると瞬時に溶け込んでしまうと言われるほどで、その事から古いヨーロッパの船乗り達は、この石を海の力の宿った[[お守り]]として大切に持っていた。[[ブラジル]]のサンタマリア鉱山で採掘される深いマリンブルーの石が最高品質とされているが、現在は枯渇状態である。しかし最近では他の鉱山でもこれと同様の品質の石が採掘されており、現在ではこの深いマリンブルーの物を一般的に「サンタマリア」若しくは「サンタマリア・アフリカーナ」と呼んでいる。それ以外にも産地としては[[スリランカ]]、[[マダガスカル]]、[[ロシア]]、[[パキスタン]]、[[アフガニスタン]]、[[インド]]などが知られている。
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特殊効果として有名なものは[[シャトヤンシー]]の出るアクアマリンキャッツアイがあるが、なかなか宝石質の物が少なく非常に稀少で市場ではあまり見ない。それ故ほぼコレクターズアイテムとなっている。
特殊効果として有名なものは[[シャトヤンシー]]の出るアクアマリンキャッツアイがあるが、なかなか宝石質の物が少なく非常に稀少で市場ではあまり見ない。それ故ほぼコレクターズアイテムとなっている。


なお、日本ジュエリー協会では正式名称を'''アクワマリン'''としていため、この名で店頭に出ていることも多々ある。
なお、日本ジュエリー協会では2021年10月まで正式名称を'''アクワマリン'''としていため<ref>[https://jja.ne.jp/data/20211008.pdf 『宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法』内容変更のお知らせ]</ref>、この名で店頭に出ていることもある。


==色としてのアクアマリン==
==色としてのアクアマリン==
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===アクアマリンに関する事項===
===アクアマリンに関する事項===
アクアマリンは[[紋章]]において用いられる色名のひとつでもある。ただし、この色はめったに用いられず、[[ロシア]]の[[ユダヤ自治州]]で使用されている。
アクアマリンは[[紋章]]において用いられる色名のひとつでもある。ただし、この色はめったに用いられず、[[ロシア]]の[[ユダヤ自治州]]で使用されている。

== 脚注 ==
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==関連項目==
==関連項目==
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*[[宝石]]、[[宝石の一覧]]
*[[宝石]]、[[宝石の一覧]]
*[[鉱物]] - [[ケイ酸塩鉱物]] - [[緑柱石]]
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*[[色名一覧]]
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[[Category:宝石]]
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[[Category:色名]]
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2024年1月4日 (木) 11:52時点における最新版

アクアマリン

アクアマリン(Aquamarine)は、青色ベリル(緑柱石)である。名前はラテン語の「海水」を意味する語から。緑柱石のうち透明で青い色調のものの宝石名。和名は藍玉もしくは水宝玉。エメラルドより低価格で市販品の多くは緑色から黄褐色の緑柱石を熱処理したもの。主要原産地はマダガスカルブラジルシベリア等。字義どおりには「海の水」を意味する。また、3月の誕生石としても有名である。

色としてのアクアマリンも後述する。

宝石としてのアクアマリン[編集]

化学組成ベリル(Beryl)である。結晶系は六方晶系、モース硬度は7と1/2。エメラルドヘリオドール熱処理(トリートメント)によってアクアマリンの色に変化させる事が可能。

アクアマリンはその名の通り海の色をした宝石だが、海に投げ入れると瞬時に溶け込んでしまうと言われるほどで、その事から古いヨーロッパの船乗り達は、この石を海の力の宿ったお守りとして大切に持っていた。ブラジルのサンタマリア鉱山で採掘される深いマリンブルーの石が最高品質とされているが、現在は枯渇状態である。しかし最近では他の鉱山でもこれと同様の品質の石が採掘されており、現在ではこの深いマリンブルーの物を一般的に「サンタマリア」若しくは「サンタマリア・アフリカーナ」と呼んでいる。それ以外にも産地としてはスリランカマダガスカルロシアパキスタンアフガニスタンインドなどが知られている。

特殊効果として有名なものはシャトヤンシーの出るアクアマリンキャッツアイがあるが、なかなか宝石質の物が少なく非常に稀少で市場ではあまり見ない。それ故ほぼコレクターズアイテムとなっている。

なお、日本ジュエリー協会では2021年10月まで正式名称をアクワマリンとしていたため[1]、この名で店頭に出ていることもある。

色としてのアクアマリン[編集]

アクアマリン
aquamarine
 
16進表記 #006F86
RGB (0, 111, 134)
CMYK (90, 45, 36, 9)
HSV (190°, 100%, 53%)
マンセル値 -
表示されている色は一例です
Aquamarine (webcolor)
  16進表記 #7fffd4

アクアマリンはまたの中間の名としても用いられる。緑柱石の色であるが、しばしば海の色と解されることもある。青緑の範疇に入るが、藍緑色(らんりょくしょく)と表記されることもある。

Cascading Style Sheetsを使用可能なウェブブラウザにおいて、カラーをAquamarineと指定すると右に示すwebcolorのように表示される。

近似色[編集]

アクアマリンに関する事項[編集]

アクアマリンは紋章において用いられる色名のひとつでもある。ただし、この色はめったに用いられず、ロシアユダヤ自治州で使用されている。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]