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'''栗金団'''(くりきんとん)は日本の料理。主に[[おせち料理]]に用いられる。
'''栗金団'''(くりきんとん)は、[[日本]]の料理のひとつ。主に[[おせち料理]]に用いられる。「金団」は金の[[団子]]もしくは金の[[布団]]という意味で、転じて[[金塊]]や金の[[小判]]などに例えられ商売繁盛・金運・財運をもたらす[[福食]]として、正月のおせち料理の定番となったものである。


糖分濃度が高く粘り気の強い[[餡]][[クリ|栗]]まとわせた甘い料理で、餡には栗もしくは[[サツマイモ]]を材料に用いるのが一般的である。また[[黄金色]]をより鮮やかにするために[[クチナシ]]が用いられることも多い。
== 概要 ==
「金団」は金の[[団子]]もしくは金の[[布団]]という意味で、転じて[[金塊]]や金の[[小判]]などに例えられ商売繁盛・金運・財運をもたらす福食として、正月のおせち料理の定番となっている。糖分濃度が高く粘り気の強い[[餡]][[クリ|栗]]まとわせた非常に甘い料理で、餡には栗もしくは[[サツマイモ]]を材料に用いるのが一般的である。また黄金色をより鮮やかにするために[[クチナシ]]が用いられることも多い。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
「栗金団」の文字自体は[[室町時代]]の文献に見受けられるが、これは栗餡を丸めた[[和菓子]]のようなもので、むしろ[[栗金飩]]に近い、現代の栗きんとんとは似ても似つかぬものであったと考えられている。
「栗金団」の文字自体は[[室町時代]]の文献に見受けられるが、これは栗餡を丸めた[[和菓子]]のようなもので、むしろ[[栗きんとん|栗金飩]]に近い、現代の栗きんとんとは似ても似つかぬものであったと考えられている。


今日見られるような、「栗を濃厚な餡で和えたもの」になったのは[[明治時代]]ごろといわれ、元々「勝ち栗」として古来から縁起のいい食材の一つとされていた栗が、その見た目の美しい色合いから金運を呼ぶものとして、正月などのめでたい席で供されるようになったとされている。
今日見られるような、「栗を濃厚な餡で和えたもの」になったのは[[明治時代]]ごろといわれ、元々「勝ち栗」として古来から[[縁起物|縁起のいい食材]]の一つとされていた栗が、その見た目の美しい色合いから金運を呼ぶものとして、[[正月]]などのめでたい席で供されるようになったとされている。


== 調理法 ==
== 調理法 ==
水と[[砂糖]]を煮詰めて餡を作り、これに栗を加え時間をかけ柔らかく粘り気が出るまで煮込むことで出来る。栗には「栗の甘露煮」を用いると手間もかからず甘く仕上げることが出来るが、食感や風味を重視して新栗を用いる場合もある。餡には水・砂糖ほかにサツマイモを用いることもあり、また砂糖の代わりに[[和三盆]]や[[中双糖]]や栗甘露煮の漬け汁を使うとより風味の強い仕上がりとなる。
皮をむき、ゆでたサツマイモを裏ごししたものに[[砂糖]]、[[みりん]]を入れて火にかけ、照りが出てならかになるまで練って餡を作り、これに、あらかじめ甘く煮ておいた栗を加えて混ぜて出来上がる。栗には市販の「栗の[[甘露煮]]」を用いると手間もかからず仕上げることが出来るが、食感や風味を重視して新栗を用いる場合もある。餡の材料サツマイモを用いることが多く、また砂糖の代わりに[[和三盆]]や[[中双糖]]や栗甘露煮の漬け汁を使うとより風味の強い仕上がりとなる。


餡に使う芋は金時芋が一般的だが、[[ダイジョ|紅芋]]や紫芋を用いた変わり種もある。
餡に使う芋は金時芋が一般的だが、[[ダイジョ|紅芋]]や[[紫芋]]を用いた変わり種もある。高級な栗金団は、餡の材料にも栗が用いられている。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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* [[正月]]
* [[正月]]
* [[タイモ#各地におけるタイモとその料理|ディンガク(田楽)]] - 蒸した[[田芋]]をすり潰して甘く味付けした沖縄の郷土料理。
* [[芋きんとん]]
* [[クワイ]] - 金団の材料として、より高級な食材とされる。
* [[豆きんとん]]



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2024年1月6日 (土) 00:29時点における最新版

栗金団。左が安納芋を用いたもの、右が紫芋を用いたもの

栗金団(くりきんとん)は、日本の料理のひとつ。主におせち料理に用いられる。「金団」は金の団子もしくは金の布団という意味で、転じて金塊や金の小判などに例えられ商売繁盛・金運・財運をもたらす福食として、正月のおせち料理の定番となったものである。

糖分濃度が高く粘り気の強いにまとわせた甘い料理で、餡には栗もしくはサツマイモを材料に用いるのが一般的である。また黄金色をより鮮やかにするためにクチナシが用いられることも多い。

歴史

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「栗金団」の文字自体は室町時代の文献に見受けられるが、これは栗餡を丸めた和菓子のようなもので、むしろ栗金飩に近い、現代の栗きんとんとは似ても似つかぬものであったと考えられている。

今日見られるような、「栗を濃厚な餡で和えたもの」になったのは明治時代ごろといわれ、元々「勝ち栗」として古来から縁起のいい食材の一つとされていた栗が、その見た目の美しい色合いから金運を呼ぶものとして、正月などのめでたい席で供されるようになったとされている。

調理法

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皮をむき、ゆでたサツマイモを裏ごししたものに砂糖みりんを入れて火にかけ、照りが出てなめらかになるまで練って餡を作り、これに、あらかじめ甘く煮ておいた栗を加えて混ぜて出来上がる。栗には市販の「栗の甘露煮」を用いると手間もかからず仕上げることが出来るが、食感や風味を重視して新栗を用いる場合もある。餡の材料にはサツマイモを用いることが多く、また砂糖の代わりに和三盆中双糖や栗甘露煮の漬け汁を使うとより風味の強い仕上がりとなる。

餡に使う芋は金時芋が一般的だが、紅芋紫芋を用いた変わり種もある。高級な栗金団は、餡の材料にも栗が用いられている。

関連項目

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