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「DoCoMo2.0」の版間の差分

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{{複数の問題
'''DoCoMo2.0'''(ドコモ にいてんれい、ドコモ にいてんゼロ)は[[NTTドコモ|NTTドコモグループ]]が[[2007年]][[4月23日]]に発表した新[[テーマ]]、および[[ブランド]]。[[マーケティング]]戦略の典型的失敗例としてしばしば話題に上る。
| 出典の明記 = 2014年1月
| 独自研究 = 2014年1月
| 言葉を濁さない = 2014年1月
}}
'''DoCoMo2.0'''(ドコモにいてんれい、ドコモにいてんゼロ)は[[NTTドコモ]]が[[2007年]][[4月23日]]に発表した[[キャッチコピー|キャッチフレーズ]]<ref>{{Cite web|和書|date=2007-04-23 |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/23/news089.html |title=1端末で2回線――“MNP敗者”反撃の「ドコモ2.0」 |publisher=[[ITmedia]] |accessdate=2020-08-30}}</ref>、[[プロモーション]]および企業メッセージ<ref>{{Cite web|和書|date=2007-06-14 |url=https://k-tai.watch.impress.co.jp/cda/article/interview/34995.html |title=キーパーソンインタビュー ドコモ辻村氏に「DoCoMo 2.0」時代の戦略を聞く |publisher=[[ケータイWatch]] |accessdate=2020-08-30}}</ref>。
[[ファイル:FOMA N904i 02.JPG|200px|サムネイル|[[N904i]] ]]


== 概要 ==
== 概要 ==
[[NTTドコモ]]は2007年4月23日に904iシリーズを5機種発表し、同時に様々な新機能を発表した。そのとき「ケータイが次のステージに進化するシンボル」としてDoCoMo2.0のロゴが掲げられ、変化をアピールした。2000年代に入ってから使われているインターネット用語の[[Web 2.0]]を意識している。
[[NTTドコモ]]は営業開始15周年<ref>[[1992年]]にNTTの移動通信部門を分社化し、同年[[7月1日]]より営業を開始した。{{see also|NTTドコモ#グループの沿革}}</ref>記念事業として、2007年4月23日に[[FOMA#904iシリーズ|904i]]シリーズを5機種発表し、同時に様々な新機能を発表した。そのとき「ケータイが次のステージに進化するシンボル」としてDoCoMo2.0のロゴが掲げられ、変化をアピールした<ref name="tasha">{{Cite web|和書|date=2007-04-23 |url=https://japan.cnet.com/article/20347697/ |title=「他社さまはご覚悟ください」--NTTドコモ夏野氏、DoCoMo2.0的ケータイで反撃へ |publisher=[[CNET Japan]] |accessdate=2020-08-30}}</ref>。2000年代に入ってから使われているインターネット用語の[[Web 2.0]]を意識している<ref>{{Cite web|和書|date=2007-07-05 |url=https://xtech.nikkei.com/it/article/OPINION/20070703/276437/ |title=DoCoMo 2.0って何だろう? |publisher=[[日経BP|日経xTECH]] |accessdate=2020-08-30}}</ref>


発表会では2007年5月以降に8名の有名人を起用した[[広告]]が展開されることが予告された<ref>{{Cite web|和書|date=2007-04-24 |url=https://news.mynavi.jp/article/20070424-docomo2/2 |title=「DoCoMo 2.0」で反撃、人生をバージョンアップさせる - ドコモ・夏野氏 |publisher=[[マイナビニュース]] |accessdate=2020-08-30}}</ref>。
このCMが作成された時代背景として、[[TSUBAKI]]のCMが挙げられる。1人でも十分CMが成立する女優・タレントを7名〜8名前後起用し「贅沢感」を演出したCMであった。その「贅沢感」を、そのまま携帯電話業界に導入しようとした意識が見て取れる。
起用されたのは、[[浅野忠信]]([[D904i]]→[[P704iμ]]→[[N905i]])、[[長瀬智也]]([[N904i]]→[[D704i]]→[[SH905i]])、[[妻夫木聡]]([[F904i]]→[[P704i]]→[[P905i]])、[[瑛太]]([[P904i]]→[[F704i]]→[[F905i]])<ref>約2年後に[[F-08A]]以降のドコモ向け[[富士通]]製携帯電話のCMキャラクターとして起用された。</ref>、[[吹石一恵]]([[P904i]]→[[SO905i]]→[[N905i]])、[[土屋アンナ]]([[SH904i]]→[[SO905i]])、[[蒼井優]]([[D904i]]→[[SH905i]])、[[北川景子]]([[SH904i]]→[[D905i]])そして謎の一人名(カッコ内は[[CM]]などの広告で扱っていた端末)。浅野忠信、長瀬智也、妻夫木聡は、かつて[[Au_(携帯電話)|au]]のCM出演している<ref>{{Cite web|和書|date=2007-05-10 |url=https://news.mynavi.jp/article/20070510-a014/ |title=「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」DoCoMo 2.0のテレビCMスタート |publisher=マイナビニュース |accessdate=2020-08-30}}</ref>


広告で使用された主なキャッチコピーには、「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」や「日本全国のドコモユーザーの皆さま、どうぞお楽しみに! 他社ユーザーの皆さまは、…。」などがある。
主なキャッチコピーは、CMでも使われた「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」や「他社さまはご覚悟ください」。CMに起用されたのは、[[浅野忠信]]([[D904i]]→[[P704iμ]]→[[N905i]])、[[長瀬智也]]([[N904i]]→[[D704i]]→[[SH905i]])、[[妻夫木聡]]([[F904i]]→[[P704i]]→[[P905i]])、[[瑛太]]([[P904i]]→[[F704i]]→[[F905i]])<ref>約2年後に[[F-08A]]以降のドコモ向け[[富士通]]製携帯電話のCMキャラクターとして起用された。</ref>、[[吹石一恵]]([[P904i]]→[[SO905i]]→[[N905i]])、[[土屋アンナ]]([[SH904i]]→[[SO905i]])、[[蒼井優]]([[D904i]]→[[SH905i]])、[[北川景子]]([[SH904i]]→[[D905i]])の8名(カッコ内はCMなどの広告で扱っていた端末)。一部は、かつて他社のCM出演者であり、キャッチコピーと共に露骨なまでの他社への対抗意識を強調している。


「DoCoMo2.0」キャッチコピーは2008年5月に終了となり、新たに「Answer」と銘打った広告戦略を展開している<ref>{{cite news|newspaper=[[日本経済新聞]](IT-PLUS)|publisher=[[日本経済新聞社]]|date=2008-04-18|url=http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITfe000018042008|title=ドコモ、ブランドロゴを「赤」に刷新・既存顧客重視の戦略へ|language=[[日本語]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20080420142005/http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITfe000018042008|archivedate=2008-04-08|accessdate=2016-03-28}}</ref>。
しかし、このキャンペーンを持ってしても顧客のDoCoMo離れを止めることは出来ず、「DoCoMo2.0」が「どこもにいてんぜろ」と読めることから「ドコモに移転ゼロ」、「ドコモにいい点ゼロ」と[[ぎなた読み]]で[[揶揄]]される体たらくであった。


当キャッチコピーが使用された期間内に放送されていた[[一社提供]]番組<ref>[[BS-TBS|BS-i]]『[[恋する日曜日]]』『[[ケータイ刑事 銭形海]]』、[[TBSテレビ|TBS]]『[[夢の扉 〜NEXT DOOR〜]]』など。</ref>における[[提供クレジット|提供アナウンス]]は「バージョンアップ! 進化するDoCoMoグループ」であった。
現在では「DoCoMo2.0」のキャッチコピーを取りやめ、2008年5月から「Answer」と銘打った新たな広告戦略を展開している<ref>[http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITfe000018042008 日本経済新聞]</ref>。

DoCoMo2.0で目指された[[フルブラウザ]]、3Gローミング、GPS、ジャイロセンサーなどの要素は<ref name="tasha"/>、幸か不幸か[[スマートフォン]]に受け継がれ、国内メーカーはその後大苦戦に陥ることとなる。


== CM ==
== CM ==
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* 直感!!コロリンパ篇
* 直感!!コロリンパ篇
* デコメール(考えられへんぞ!!)篇
* デコメール(考えられへんぞ!!)篇
</div><br style="clear: both;"/>
</div>{{clear}}


== 問題点 ==
== 評価 ==
新サービス「2in1」にいて、2つ目の番号を1契約とカウントする事により、契約数の増加に多少なりも貢献したが、「1台で2契約と数えるのはおしい。契約数指標としての信頼性なくなる」と[[ソフトバンクモバイル]]抗議し、[[総務省]]や[[電気通信事業者協会]]も「1契約と数えるのが妥当」と判断、その結果サービスを開始した5月以降7か月連続で契約純増3社(ドコモ、KDDI、ソフトバクモバイル。[[イー・モバイル]]は四半期ごと発表のため除く)中最下位となった。奇しくも5月から7か月連続で純増数首位立ったのはソフトバンクバイルである
同時に発表された新サービス「[[2in1 (NTTドコモ)|2in1]]」にいて、2つ目の番号を1契約とカウントするとしていたが、競合他社ら反発、[[総務省]]も「1契約と数えるのが妥当」と判断したことで[[電気通信事業者協会]]の発表する携帯契約数において2007年8月に2万件余りの純減となった<ref name="日経">{{cite news|newspaper=[[日経パ]](ITpro)|publisher=[[日経BP]]|date=2007-11-01|url=https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20071101/286218/|title=苦境脱却へ第一歩となるか905i・705i一斉発表賭けるドコ|language=[[日本語]]|author=金子寛人|accessdate=2016-03-28}}</ref>


サービス開始から7か月時点で、「反撃」「他社さまご覚悟」という挑発的なキャッチコピーに反し、[[番号ポータビリティ]](以下MNP)制度においては(200711月末現在)3社中(イー・モバイルを除く)唯一契約者数減。8名もの人気芸能人を起用した鳴り物入りの広告を展開したものの、MNP制度での契約数の減少が増加を上回り、差し引きでみれ意味をなしていない
「反撃」というキャッチコピーに反し、[[番号ポータビリティ]](以下MNP)制度においては2007唯一契約者数減となった多数の人気芸能人を起用した広告を展開したものの、MNP制度での契約数の減少により、差し引きで1万4000件余りの純増にとどまった<ref>{{Cite web|和書|date=2008-01-11 |url=https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0801/11/news082.html |title=2007年携帯年間純増数1位はKDDI──ソフトバンクモバイル、一歩及ず |publisher=ITmedia |accessdate=2020-08-30}}</ref>


なお、[[2007年]]冬商戦において905iシリーズ導入によて急速に勢いを取り戻していることから、年末向けのキャッチフレーズを先出ししたことで、実を伴っていないという批判を受ける結果なっいう戦略ミスも指摘されている。
[[2007年]]冬商戦において[[FOMA#905iシリーズ|905i]]シリーズが好調だことから、年末向けのキャッチフレーズを先出ししたことで、実を伴っていないという批判を受けた」指摘されいる<ref name="itmedia"/>。また、905iシリーズ以降におて選択できるよになった新たな販売方法である「[[バリューコー (NTTドコモ)|バリューコース]]」「[[ベーシックコース (NTTドコモ)|ベーシックコース]]」と併せ、「内実がようやくとなった」とも評されている<ref>{{Cite web|和書|date=2007-11-05 |url=https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0711/05/news047.html |title=「ドコモ 2.0」の名に恥じない大きな変化 |publisher=ITmedia |accessdate=2020-08-31}}</ref>


その後au(KDDI / [[沖縄セルラー電話]])が、端末の発売の遅れやドコモやソフトバンクよりも(特にミドルレンジ機種の)平均端末価格がったために2007年冬商戦以降の苦戦が指摘されており<ref>[http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0712/28/news048.html 台頭か、反撃か、失速か――キャリアの“勢い”が変わった1年(ITmedia)]</ref>、、悲願の「反撃」を達成できるかが注目されていた。2009年~2010年にかけては一定の効果を見せ、2008年12月にはのMNP転入超過を記録、2010年2011年には顧客満足度No.1を獲得したが、2011年末以降は[[iPhone]]不在の影響などから苦戦が続い
その後、auの端末の発売の遅れや端末価格昇などよる2007年冬商戦以降の苦戦が指摘されており<ref name="itmedia">{{Cite web|和書|author=田中聡|date=2007-12-28|url=https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0712/28/news048.html|title=台頭か、反撃か、失速かキャリアの“勢い”が変わった1年|work=ITmedia Mobile|publisher=ITmedia|accessdate=2020-08-31}}</ref>、2008年12月にはauが1万1700件転出超過となったのに対し、ドコモはMNP制度開始以来初めて1200件の転入超過を記録<ref>{{Cite web|和書|date=2009-01-09 |url=https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0901/09/news104.html |title=ドコモが初のMNP転入超過、純増トップのソフトバンクモバイルにも肉薄──12月契約数 |publisher=ITmedia |accessdate=2020-08-31}}</ref>、2010年2011年には顧客満足度1を獲得したが<ref>{{Cite web|和書|date=2011-11-24 |url=https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2011/11/24_00.html |title=2011年個人向け携帯電話サービス顧客満足度調査で2年連続第1位を受賞 |publisher=NTTドコモ |accessdate=2020-08-31}}</ref>、2011年末以降は[[iPhone]]不在の影響などから苦戦が続いた<ref>{{Cite web|和書|date=2012-06-19 |url=https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20120619/403824/ |title=ドコモが株主総会を開催、iPhoneの扱や競争苦戦に厳しい質問 |publisher=日経xTECH |accessdate=2020-08-31}}</ref>


2007年5月にはテレビCMの本数を前年同月比の3倍に増やしたこともあり<ref name="mainichi"/>、[[DIMSDRIVE]]と[[DIME_(雑誌)|DIME]]が共同で実施した「携帯電話会社のイメージに関するアンケート」では8割近い認知度があった<ref>{{Cite web|和書|date=2007-07-02 |url=http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2007/070702/ |title=DIMSDRIVE & DIME 『ドコモ2.0広告キャンペーン』に関するイメージ調査 |publisher=[[DIMSDRIVE]] |accessdate=2020-08-31}}</ref>。また、CM好感度は好調に推移しており、[[CM総合研究所]]が月2回調査を行っているCM好感度ランキングでは、2007年5月から8月にかけて3.5か月連続で1位となっている<ref>{{Cite web|和書|date=2007-08-21 |url=https://www.j-cast.com/2007/08/21010524.html?p=all |title=ドコモCM 好感度No.1 でも「独り負け」の皮肉 |publisher=[[J-CASTニュース]] |accessdate=2020-08-31}}</ref>。
== 評価点 ==
上記のような問題点や批判は見られるものの、ドコモとしては通常の広告料の3倍をかけてこのDoCoMo2.0を街頭やCMなどでPRしたこともあり、あるアンケートでは人々の8割もの人がDoCoMo2.0の存在を知っている<ref>[http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20352026,00.htm ドコモの新戦略「DoCoMo 2.0」、ユーザーには好印象--料金にはまだまだ要望も]</ref>。また、CM好感度は好調に推移しておりCM総合研究所が毎月行っている調査で、在京キーで放送されたCM好感度部門で2007年5月から7月にかけて3か月連続で好感度1位となっている。また、それにともなう直感ゲームは好調なようである。


[[インターネット]]上では[[ぎなた読み|「DoCoMo2.0」が「ドコモに移転ゼロ」と読める]]として話題となった<ref name="日経"/>。
また、「賛否両論あるものの、その論戦こそが巧みな広告戦略に踊らされているのではないか」という意見もある{{誰|date=2010年9月}}。


一方では、[[mova]]ユーザーの[[FOMA]]転換を促進させる契機ともなった。[[電気通信事業者協会]]のまとめによると、20078月時点では、ドコモグループの全ユーザー占めるFOMAユーザーの割合が4分の3近くに達している
[[電気通信事業者協会]]のまとめによると、2006年に過半数となった[[FOMA]]ユーザーの割合が、2007年8月時点で4分の3近くに達している<ref>{{Cite web|和書
<ref>{{cite web
| date = 2007-08-31
| date = 2007-08-31
| url = http://www.tca.or.jp/japan/database/daisu/yymm/0708matu.html
| url = http://www.tca.or.jp/japan/database/daisu/yymm/0708matu.html
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| publisher = 社団法人[[電気通信事業者協会]]
| publisher = 社団法人[[電気通信事業者協会]]
|accessdate=2007年9月9日
|accessdate=2007年9月9日
}}</ref>。このことから、[[mova]]ユーザーのFOMA転換を促進させる契機となったという意見もある{{誰2|date=2020年9月}}。協会の公表資料によると、2007年9月29日には、FOMA契約者数が第三世代携帯電話初の4,000万契約を突破した<ref>{{Cite web|和書|date=2007-09-30 |url=https://www.tca.or.jp/japan/database/daisu/yymm/0709matu.html |title=事業者別契約数(平成19年9月末現在) |publisher=社団法人電気通信事業者協会 |accessdate=2020-08-31}}</ref>。
}}</ref>。

FOMAユーザーが過半数となったのがこの前年だったこともあり、「2in1」の問題があったとしても、ドコモにとって長年の懸案となっていた次世代への移行に、貢献したことは間違いない。協会の公表資料によると、2007年9月29日には、FOMA契約者数が第三世代携帯電話初の4,000万契約を突破した。
業界関係者などから「2.0が何を指すのか分からず、イメージが空回りしている」<ref name="mainichi">{{Cite web|和書|date=2007-05-31 |url=https://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070601k0000m020073000c.html |title=ドコモ2・0:巻き返しに新戦略 「わかりにくい」の声も |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070602160054/https://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070601k0000m020073000c.html |publisher=[[MSN毎日インタラクティブ]] |archivedate=2007-06-02 |accessdate=2020-08-31}}</ref>「見た目の豪華さと引き替えに商品訴求が散漫となっている」<ref>{{Cite web|和書|date=2007-06-06 |url=https://webtan.impress.co.jp/e/2007/06/06/1454 |title=ドコモ2.0が教えてくれる2つのこと |publisher=[[Web担当者Forum]] |accessdate=2020-08-31}}</ref>といった声が上がっている。

多数の有名人を同時に使用している点が[[TSUBAKI]]と共通している。この手法の目的として「インパクト効果」「ターゲット層の拡大」が挙げられている<ref>{{Cite web|和書|date=2007-06-13 |url=https://www.insightnow.jp/article/224 |title=DoCoMo2.0は果たして成功するか? |publisher=[[INSIGHT NOW!]] |accessdate=2020-08-30}}</ref>。

当時の[[執行役員]][[夏野剛]]が発表会において発した「他社様はご覚悟ください」という言葉が話題となった<ref>{{Cite web|和書|date=2008-07-04 |url=https://markezine.jp/article/detail/4400 |title=ドコモの“顔”夏野剛氏がドワンゴ顧問に |publisher=[[翔泳社|MarkeZine]] |accessdate=2020-08-31}}</ref>。
また、当時の社長[[中村維夫]]は2007年6月26日に行われた定例会見において、発表以降の状況を「DoCoMo 2.0が物議を醸している」と表現している<ref>{{Cite web|和書|date=2007-06-26 |url=https://k-tai.watch.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/35193.html |title=ドコモ社長会見、高さ払拭「新割引プラン」と一歩先行「新組織」 |publisher=ケータイWatch |accessdate=2020-08-31}}</ref>。

== 受賞歴 ==
* 新聞広告賞2007 広告主企画部門 優秀賞<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pressnet.or.jp/adarc/pri/200727.html |title=新聞広告賞2007 第27集 |publisher=[[日本新聞協会]] |accessdate=2020-08-31}}</ref>
* 交通広告グランプリ2008 キャンペーン部門 最優秀部門賞<ref>{{Cite web|和書|date=2008-07-11 |url=https://www.jeki.co.jp/info/detail/?id=305 |title=「交通広告グランプリ 2008」各賞が決定! |publisher=[[ジェイアール東日本企画]] |accessdate=2020-08-31}}</ref>


== 脚注 ==
== 脚注 ==
119行目: 136行目:
* [[直感ゲーム]]
* [[直感ゲーム]]
* [[DCMX]]
* [[DCMX]]
* [[国際ローミング|国際ローミングサービス(WORLD WING)]]
* [[国際ローミング]]
* [[FOMA#904iシリーズ|904iシリーズ]] - [[D904i]],[[F904i]],[[N904i]],[[P904i]],[[SH904i]]
* [[FOMA#704iシリーズ|704iシリーズ]] - [[D704i]],[[F704i]],[[L704i]],[[N704iμ]],[[P704i]],[[P704iμ]],[[SH704i]],[[SO704i]]
* [[FOMA#905iシリーズ|905iシリーズ]] - [[D905i]],[[F905i]],[[N905i]],[[N905iμ]],[[P905i]],[[P905iTV]],[[SH905i]],[[SH905iTV]],[[SO905i]],[[SO905iCS]]
* [[FOMA#705iシリーズ|705iシリーズ]] - [[D705i]],[[D705iμ]],[[F705i]],[[L705i]],[[L705iX]],[[N705i]],[[N705iμ]],[[NM705i]],[[P705i]],[[P705iμ]],[[PROSOLID μ]]([[P705iCL]]),[[SH705i]],[[SO705i]]


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2024年1月6日 (土) 13:07時点における最新版

DoCoMo2.0(ドコモにいてんれい、ドコモにいてんゼロ)はNTTドコモ2007年4月23日に発表したキャッチフレーズ[1]プロモーションおよび企業メッセージ[2]

N904i

概要

[編集]

NTTドコモは営業開始15周年[3]記念事業として、2007年4月23日に904iシリーズを5機種発表し、同時に様々な新機能を発表した。そのとき「ケータイが次のステージに進化するシンボル」としてDoCoMo2.0のロゴが掲げられ、変化をアピールした[4]。2000年代に入ってから使われているインターネット用語のWeb 2.0を意識している[5]

発表会では2007年5月以降に8名の有名人を起用した広告が展開されることが予告された[6]。 起用されたのは、浅野忠信D904iP704iμN905i)、長瀬智也N904iD704iSH905i)、妻夫木聡F904iP704iP905i)、瑛太P904iF704iF905i[7]吹石一恵P904iSO905iN905i)、土屋アンナSH904iSO905i)、蒼井優D904iSH905i)、北川景子SH904iD905i)そして謎の一人の9名(カッコ内はCMなどの広告で扱っていた端末)。浅野忠信、長瀬智也、妻夫木聡は、かつてauのCMに出演している[8]

広告で使用された主なキャッチコピーには、「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」や「日本全国のドコモユーザーの皆さま、どうぞお楽しみに! 他社ユーザーの皆さまは、…。」などがある。

「DoCoMo2.0」キャッチコピーは2008年5月に終了となり、新たに「Answer」と銘打った広告戦略を展開している[9]

当キャッチコピーが使用された期間内に放送されていた一社提供番組[10]における提供アナウンスは「バージョンアップ! 進化するDoCoMoグループ」であった。

DoCoMo2.0で目指されたフルブラウザ、3Gローミング、GPS、ジャイロセンサーなどの要素は[4]、幸か不幸かスマートフォンに受け継がれ、国内メーカーはその後大苦戦に陥ることとなる。

CM

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上記8人のタレントが出演する様々なCMを展開している。また、ホームページでは上記のメイキングなども公開している。8人が主な配役であったが、脇役であった木村祐一が妻夫木の先輩役としてセットで9人目の出演者として登場するCMが数本ある。

テレビCM

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  • ティザー篇
  • 宣言篇
  • 904i DEBUT篇
    • ロングバージョン
  • 直感!!コロリンパ篇
    • ロングバージョン
  • THE 直感ボウリング篇
    • ロングバージョン
  • 2 in 1(人物)篇
  • 直感☆ボクシング篇
  • ワンセグ(焼肉)篇
    • ロングバージョン
  • DCMX(タクシー)篇
    • ロングバージョン
  • DCMX(コンビニ)篇
    • ロングバージョン
  • 704i DEBUT篇
    • ロングバージョン
  • デコメール(考えられへんぞ!!)篇
    • ロングバージョン
    • 初めて木村祐一が出演したバージョン。
  • うた・ホーダイ(告白)篇
    • ロングバージョン
  • 基本料いきなり半額篇
    • ロングバージョン
  • 魔法の箱(debut)篇
  • 国境を越えて篇
    • ロングバージョン
  • サクサクダウンロード篇
    • ロングバージョン
    • 再び木村祐一が出演したバージョン。
  • 変身篇
  • 漢字検定篇

メイキング

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  • ティザー篇
    • 浅野忠信
    • 長瀬智也
    • 妻夫木聡
    • 瑛太
    • 吹石一恵
    • 土屋アンナ
    • 蒼井優
    • 北川景子
  • 904i DEBUT篇
  • 直感!!コロリンパ篇
  • THE 直感ボウリング篇
  • ワンセグ(焼肉)篇
  • DCMX(タクシー)篇
  • DCMX(コンビニ)篇
  • 704i DEBUT篇
  • デコメール(考えられへんぞ!!)篇
  • うた・ホーダイ(告白)篇
  • 魔法の箱(debut)篇
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プレミアムムービー

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  • 奇跡の出会い篇
  • 直感!!コロリンパ篇
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評価

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同時に発表された新サービス「2in1」について、2つ目の番号を1契約とカウントするとしていたが、競合他社から反発の声が上がり、総務省も「1契約と数えるのが妥当」と判断したことで、電気通信事業者協会の発表する携帯契約数において、2007年8月に2万件余りの純減となった[11]

「反撃」というキャッチコピーに反し、番号ポータビリティ(以下MNP)制度においては2007年度唯一の契約者数減となった。多数の人気芸能人を起用した広告を展開したものの、MNP制度での契約数の減少により、差し引きで1万4000件余りの純増にとどまった[12]

2007年冬商戦において905iシリーズが好調だったことから、「年末向けのキャッチフレーズを先出ししたことで、実態を伴っていないという批判を受けた」と指摘されている[13]。また、905iシリーズ以降において選択できるようになった新たな販売方法である「バリューコース」「ベーシックコース」と併せ、「内実がようやくともなった」とも評されている[14]

その後、auの端末の発売の遅れや端末価格の上昇などによる2007年冬商戦以降の苦戦が指摘されており[13]、2008年12月にはauが1万1700件の転出超過となったのに対し、ドコモはMNP制度開始以来初めて1200件の転入超過を記録[15]、2010年、2011年には顧客満足度第1位を獲得したが[16]、2011年末以降はiPhone不在の影響などから苦戦が続いた[17]

2007年5月にはテレビCMの本数を前年同月比の3倍に増やしたこともあり[18]DIMSDRIVEDIMEが共同で実施した「携帯電話会社のイメージに関するアンケート」では8割近い認知度があった[19]。また、CM好感度は好調に推移しており、CM総合研究所が月2回調査を行っているCM好感度ランキングでは、2007年5月から8月にかけて3.5か月連続で1位となっている[20]

インターネット上では「DoCoMo2.0」が「ドコモに移転ゼロ」と読めるとして話題となった[11]

電気通信事業者協会のまとめによると、2006年に過半数となったFOMAユーザーの割合が、2007年8月時点で4分の3近くに達している[21]。このことから、movaユーザーのFOMA転換を促進させる契機となったという意見もある[誰によって?]。協会の公表資料によると、2007年9月29日には、FOMA契約者数が第三世代携帯電話初の4,000万契約を突破した[22]

業界関係者などから「2.0が何を指すのか分からず、イメージが空回りしている」[18]「見た目の豪華さと引き替えに商品訴求が散漫となっている」[23]といった声が上がっている。

多数の有名人を同時に使用している点がTSUBAKIと共通している。この手法の目的として「インパクト効果」「ターゲット層の拡大」が挙げられている[24]

当時の執行役員夏野剛が発表会において発した「他社様はご覚悟ください」という言葉が話題となった[25]。 また、当時の社長中村維夫は2007年6月26日に行われた定例会見において、発表以降の状況を「DoCoMo 2.0が物議を醸している」と表現している[26]

受賞歴

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  • 新聞広告賞2007 広告主企画部門 優秀賞[27]
  • 交通広告グランプリ2008 キャンペーン部門 最優秀部門賞[28]

脚注

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  1. ^ 1端末で2回線――“MNP敗者”反撃の「ドコモ2.0」”. ITmedia (2007年4月23日). 2020年8月30日閲覧。
  2. ^ キーパーソンインタビュー ドコモ辻村氏に「DoCoMo 2.0」時代の戦略を聞く”. ケータイWatch (2007年6月14日). 2020年8月30日閲覧。
  3. ^ 1992年にNTTの移動通信部門を分社化し、同年7月1日より営業を開始した。
  4. ^ a b 「他社さまはご覚悟ください」--NTTドコモ夏野氏、DoCoMo2.0的ケータイで反撃へ”. CNET Japan (2007年4月23日). 2020年8月30日閲覧。
  5. ^ DoCoMo 2.0って何だろう?”. 日経xTECH (2007年7月5日). 2020年8月30日閲覧。
  6. ^ 「DoCoMo 2.0」で反撃、人生をバージョンアップさせる - ドコモ・夏野氏”. マイナビニュース (2007年4月24日). 2020年8月30日閲覧。
  7. ^ 約2年後にF-08A以降のドコモ向け富士通製携帯電話のCMキャラクターとして起用された。
  8. ^ 「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」DoCoMo 2.0のテレビCMスタート”. マイナビニュース (2007年5月10日). 2020年8月30日閲覧。
  9. ^ “ドコモ、ブランドロゴを「赤」に刷新・既存顧客重視の戦略へ” (日本語). 日本経済新聞(IT-PLUS) (日本経済新聞社). (2008年4月18日). オリジナルの2008年4月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080420142005/http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITfe000018042008 2016年3月28日閲覧。 
  10. ^ BS-i恋する日曜日』『ケータイ刑事 銭形海』、TBS夢の扉 〜NEXT DOOR〜』など。
  11. ^ a b 金子寛人 (2007年11月1日). “苦境脱却への第一歩となるか、905i・705i一斉発表に賭けるドコモ” (日本語). 日経パソコン(ITpro) (日経BP). https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20071101/286218/ 2016年3月28日閲覧。 
  12. ^ 2007年携帯年間純増数1位はKDDI──ソフトバンクモバイル、一歩及ばず”. ITmedia (2008年1月11日). 2020年8月30日閲覧。
  13. ^ a b 田中聡 (2007年12月28日). “台頭か、反撃か、失速か―キャリアの“勢い”が変わった1年”. ITmedia Mobile. ITmedia. 2020年8月31日閲覧。
  14. ^ 「ドコモ 2.0」の名に恥じない大きな変化”. ITmedia (2007年11月5日). 2020年8月31日閲覧。
  15. ^ ドコモが初のMNP転入超過、純増トップのソフトバンクモバイルにも肉薄──12月契約数”. ITmedia (2009年1月9日). 2020年8月31日閲覧。
  16. ^ 2011年個人向け携帯電話サービス顧客満足度調査で2年連続第1位を受賞”. NTTドコモ (2011年11月24日). 2020年8月31日閲覧。
  17. ^ ドコモが株主総会を開催、iPhoneの扱いや競争苦戦に厳しい質問”. 日経xTECH (2012年6月19日). 2020年8月31日閲覧。
  18. ^ a b ドコモ2・0:巻き返しに新戦略 「わかりにくい」の声も”. MSN毎日インタラクティブ (2007年5月31日). 2007年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
  19. ^ DIMSDRIVE & DIME 『ドコモ2.0広告キャンペーン』に関するイメージ調査”. DIMSDRIVE (2007年7月2日). 2020年8月31日閲覧。
  20. ^ ドコモCM 好感度No.1 でも「独り負け」の皮肉”. J-CASTニュース (2007年8月21日). 2020年8月31日閲覧。
  21. ^ (携帯電話の)2007年8月末現在における事業者別契約数”. 社団法人電気通信事業者協会 (2007年8月31日). 2007年9月9日閲覧。
  22. ^ 事業者別契約数(平成19年9月末現在)”. 社団法人電気通信事業者協会 (2007年9月30日). 2020年8月31日閲覧。
  23. ^ ドコモ2.0が教えてくれる2つのこと”. Web担当者Forum (2007年6月6日). 2020年8月31日閲覧。
  24. ^ DoCoMo2.0は果たして成功するか?”. INSIGHT NOW! (2007年6月13日). 2020年8月30日閲覧。
  25. ^ ドコモの“顔”夏野剛氏がドワンゴ顧問に”. MarkeZine (2008年7月4日). 2020年8月31日閲覧。
  26. ^ ドコモ社長会見、高さ払拭「新割引プラン」と一歩先行「新組織」”. ケータイWatch (2007年6月26日). 2020年8月31日閲覧。
  27. ^ 新聞広告賞2007 第27集”. 日本新聞協会. 2020年8月31日閲覧。
  28. ^ 「交通広告グランプリ 2008」各賞が決定!”. ジェイアール東日本企画 (2008年7月11日). 2020年8月31日閲覧。

関連項目

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