コンテンツにスキップ

「總見寺」の版間の差分

リンクを追加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
履歴の双方向閲覧
← 古い編集
削除された内容 追加された内容
ビジュアルウィキテキスト
立花左近 (会話 | 投稿記録)
5,134 回編集
名古屋市指定文化財
m 曖昧さ回避ページ延慶へのリンクを解消、リンク先を延慶 (日本)に変更(DisamAssist使用)
 
(23人の利用者による、間の30版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Otheruses|[[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]]の'''総見寺'''|[[滋賀県]][[近江八幡市]][[安土町地域自治区|安土町]]の'''摠見寺'''|総見寺}}
{{Otheruses|[[愛知県]][[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]]の'''總見寺'''|[[滋賀県]][[近江八幡市]][[安土町地域自治区|安土町]]の'''摠見寺'''|摠見寺}}
{{参照方法|date=2015年7月10日 (金) 14:47 (UTC)}}
{{画像提供依頼|山門、本堂等ページ構成上の複数|date=2010年5月|cat=名古屋市}}
{{日本の寺院
{{日本の寺院
|名称 = 総見寺
|名称 = 總見寺
|画像 =
|画像 = [[File:Soukenji hondo.jpg|300px]]
|所在地 = [[愛知県]][[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]][[大須]]3丁目
|所在地 = [[愛知県]][[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]][[大須 (名古屋市)|大須]]3丁目
|位置 = {{ウィキ座標2段度分秒|35|9|35.4|N|136|54|10.88|E|scale:10000}}
|位置 = {{ウィキ座標2段度分秒|35|9|35.4|N|136|54|10.88|E|scale:10000}}
|山号 = 景陽山
|山号 = 景陽山
14行目: 14行目:
|創建年 = [[天正]]年間
|創建年 = [[天正]]年間
|開基 =
|開基 =
|開山 = 虎關師錬</br>忠嶽瑞恕（清洲越し後）
|開山 = [[虎関師錬|虎關師錬]]<br />忠嶽瑞恕（清洲越し後）
|中興年 =
|中興年 =
|中興 =
|中興 =
|正式名 = 景陽山 総見寺
|正式名 = 景陽山 總見寺
|別称 =
|別称 =
|札所等 =
|札所等 =
|文化財 = 【愛知県指定文化財】<br />[[織田信長]]公画像、旧[[清洲城]][[障壁画]]、伝虎関師錬[[頂相]]、長谷川宗宅筆[[蘇東坡]]杜少陵騎馬図、南蛮渡り金入織物紙入（伝信長公所用） 附 立涌亀甲文[[刺繍]]切一切、古喚鐘（[[延慶 (日本)|延慶]]四年在銘）、堆烏・長方形の蓋、打刀拵（水野太郎左衛門拝領）、景川和尚墨跡<br />【名古屋市指定文化財】<br />紙本著色渡唐天神像
|文化財 = 紙本著色渡唐天神像
|公式HP =
|公式HP =
|}}
|}}


[[File:Soukenji sanmon.JPG|thumb|250px|right|総見寺山門]]
⚫
'''総見寺'''（そうけんじ）は[[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]]にある[[臨済宗]][[妙心寺派]]の[[寺院]]。[[山号]]は景陽山。

⚫
'''總見寺'''<ref group="注">[[宗教法人]]の[[登記]]名は[[新字体]]の「'''総見寺'''」としている。</ref>（そうけんじ）は、[[愛知県]][[名古屋市]][[中区 (名古屋市)|中区]]にある、[[臨済宗]][[妙心寺派]]の[[日本の仏教]][[寺院]]。[[山号]]は景陽山。[[本尊]]は[[薬師如来]]坐像。[[山門]]は[[仁王門]]となっている。

[[織田信長]]ゆかりの寺院である。
[[織田信長]]ゆかりの寺院である。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
初めは[[伊勢国]]大島村（現、[[三重県]][[川越町]]<ref>「名古屋市史」によると「今三重県三重郡川越村大字縄生村字大島」とある。</ref>）に西明寺という講寺であった。
初めは[[伊勢国]]大島村（現在の[[三重県]][[川越町]]<ref group="注">『名古屋市史』によると「今三重県[[三重郡]]川越村[[大字]]縄生村[[小字|字]]大島」とある。</ref>）に西明寺という講寺であった。
⚫
[[1332年]]（元弘2年、正慶元年）虎關師錬が景陽山神賛寺と改め[[後醍醐天皇]]の勅により[[官寺]]となり、後に[[伊勢国]][[安国寺利生塔|安國寺]]<ref>「清洲町史」所収「伊勢州長嶋記」によると「勢州桑名辺大島」となっている。</ref>となった。


⚫
[[鎌倉時代]]末期の[[1332年]]（[[元弘]]2年／[[正慶]]元年）、[[虎関師錬|虎關師錬]]が景陽山神賛寺と改め[[後醍醐天皇]]の[[勅]]により[[官寺]]となった。後に伊勢国[[安国寺利生塔|安國寺]]<ref group="注">『清洲町史』所収『伊勢州長嶋記』によると「勢州桑名辺大島」となっている。</ref> となった。
⚫
[[天正]]の頃、廃寺になりかかっていたのを[[織田信雄]]が父の菩提を弔うために清洲北市場（現、[[清須市]]一場）に移し安土[[総見寺]]にならい'''総見寺'''<ref>単に当て字の違いであるが、「'''惣'''見寺」と書かれた文書もある。</ref>と改めた。忠嶽を開祖としたが、忠嶽は虎關を開山と仰ぎ自分は2世となった。


⚫
[[天正]]の頃、[[廃寺]]になりかかっていたのを、[[織田信雄]]が父である織田信長の[[菩提]]を弔うために清洲北市場（現在の[[清須市]]一場）に移し、[[安土城]]下の[[摠見寺]]にならい'''總見寺'''<ref group="注">単に[[当て字]]の違いであるが、「'''惣'''見寺」と書かれた文書もある。</ref> と改めた。忠嶽を開祖としたが、忠嶽は虎關を[[開山 (仏教)|開山]]と仰ぎ、自分は2世となった。
⚫
=== 清洲越後 ===
⚫
[[1611年]]（慶長16年）[[清洲越し]]により名古屋南寺町（現、大須3丁目）に移る。その際、虎關は[[東福寺派]]であったので、法系を整えるために改めて忠嶽を開山とした<ref>安土総見寺（妙心寺派）を根拠としているので大徳寺派（大徳寺塔頭総見院）ではない。</ref>。


⚫
== 清洲越し後 ==
[[開山]]以来、何人も[[妙心寺]]に進住している。
⚫
[[江戸時代]]初期の[[1611年]]（[[慶長]]16年）、[[清洲越し]]により名古屋南寺町（現在の大須3丁目）に移る。その際、虎關は[[東福寺派]]であったので、法系を整えるために改めて忠嶽を開山とした<ref group="注">安土摠見寺（妙心寺派）を根拠としているので大徳寺派（[[大徳寺]]塔頭總見院）ではない。</ref>。開山以来、何人も[[妙心寺]]に進住している。
⚫
[[1630年]]（寛永7年） 3月、[[方丈]]が消失したが、[[1637年]]（寛永14年）の秋に藩主[[徳川義直]]が再建する。


⚫
[[1630年]]（[[寛永]]7年）3月、[[方丈]]が消失したが、[[1637年]]（寛永14年）の秋に[[尾張藩]]主[[徳川義直]]が再建する。
⚫
初めは[[寺領]]1326石であったが、慶長伊奈備前検地後は300石となる。
⚫
[[1883年]]（明治16年） 4月、宮内省より本堂、庫裏再建のために金25円が下賜される。


⚫
初めは[[寺領]]1326[[石 (単位)|石]]であったが、慶長の伊奈備前による[[検地]]後は300石となる。
[[本尊]]は[[薬師如来]]坐像。[[山門]]は[[仁王門]]となっている。

⚫
[[1883年]]（[[明治]]16年）4月、本堂と[[庫裏]]の再建のために[[宮内省]]から金25円が下賜される。


[[塔頭]]は初め12院あったが、江戸時代には光勝院、陽巖院、東林院、江月軒の5箇所に減少し、その後[[光勝院 (名古屋市)|光勝院]]のみ残るが、[[明治維新]]後に塔頭から直末となっている。
[[塔頭]]は初め12院あったが、江戸時代には光勝院、陽巖院、東林院、江月軒の5箇所に減少し、その後[[光勝院 (名古屋市)|光勝院]]のみ残るが、[[明治維新]]後に塔頭から直末となっている。


信長公廟が存在するが、他の墓地は[[第2次大戦]]後の[[土地区画整理事業]]（[[戦災復興都市計画]]）により[[平和公園 (名古屋市)|平和公園]]へ移動している。
信長公廟が存在するが、他の墓地は[[第二次世界大戦]]後の[[土地区画整理事業]]（[[戦災復興都市計画]]）により[[平和公園 (名古屋市)|平和公園]]へ移動している。

=== 境内にあった「名古屋博物館」 ===
[[境内]]では[[愛知県庁]]が1878年（[[明治]]11年）、民間から寄付金を集めて「[[名古屋博物館]]」を開所し、1881年（明治14年）に「公立名古屋博物館」、1883（明治16年）年に「愛知県博物館」と改称し、その後の改築を経て1910年（明治43年）に「愛知県商品陳列館」が開所した<ref>「[https://www.chunichi.co.jp/article/708980 よみがえる明治の博物館 100年以上前の名古屋・大須に存在 愛知県美術館が企画展]」『[[中日新聞]]』朝刊2023年6月14日（社会面）2023年7月17日閲覧</ref>。


== 伽藍 ==
== 伽藍 ==
53行目: 58行目:
* 織田信長公廟
* 織田信長公廟


== 文化財･所蔵品 ==
== 文化財・所蔵品 ==
; 愛知県指定文化財
⚫
* 紙本著色渡唐天神像（名古屋市指定文化財）<ref>{{Cite web |date=2012-10-19 |url=http://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000008502.html |title=市指定文化財 |publisher=名古屋市 |accessdate=2013-05-25}}</ref>
* 織田信長公画像<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kaiga/kensitei/0221.html |title=織田信長公画像 |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 旧[[清洲城]][[障壁画]]<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kaiga/kensitei/0222.html |title=旧清須城障壁画 |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 伝虎関師錬頂相<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kaiga/kensitei/0223.html |title=伝虎関師錬頂相 |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 長谷川宗宅筆[[蘇東坡]]杜少陵騎馬図<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kaiga/kensitei/0224.html |title=長谷川宗宅筆蘇東坡杜少陵騎馬図 |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 南蛮渡り金入織物紙入（伝信長公所用）附 立涌亀甲文[[刺繍]]切一切<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kougei/kensitei/0548.html |title=南蛮渡り金入織物紙入(伝信長公所用) 附 立涌亀甲文刺繍切一切 |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 古喚鐘（延慶四年在銘）<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kougei/kensitei/0549.html |title=古喚鐘(延慶四年在銘) |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 堆烏・長方形の蓋<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kougei/kensitei/0550.html |title=堆烏・長方形の蓋 |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 打刀拵（水野太郎左衛門拝領）<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kougei/kensitei/0551.html |title=打刀拵（水野太郎左衛門拝領） |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>
* 景川和尚墨跡<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/shoseki/kensitei/0683.html |title=景川和尚墨跡 |publisher= 文化財ナビ愛知 |accessdate=2016-04-23}}</ref>


; 名古屋市指定文化財
⚫
== 備考 ==
⚫
* 紙本著色渡唐天神像<ref>{{Cite web|和書|date=2012-10-19 |url=https://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000008502.html |title=市指定文化財 |publisher=名古屋市 |accessdate=2013-05-25}}</ref>
⚫
* 「[[尾張名所図会]]」には塔頭を含む大伽藍の様子が掲載されている。


== 脚注 ==
== 拝観等 ==
⚫
常時拝観は行っていない。
⚫
{{脚注ヘルプ}}{{reflist}}

⚫
== 交通 ==
⚫
* [[名古屋市営地下鉄鶴舞線|名古屋市営地下鉄の鶴舞線]] [[大須観音駅]]下車または鶴舞線・[[名古屋市営地下鉄名城線|名城線]]の[[上前津駅]]下車。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 『名古屋市史』社寺編
* 『名古屋市史 社寺編』
⚫
* 『[[尾張名所図会]]』第一巻「総見寺」（1844年）：塔頭を含む大[[伽藍]]の様子を掲載。


== アクセス ==
== 脚注 ==
⚫
{{脚注ヘルプ}}
⚫
* [[名古屋市地下鉄]][[名古屋市営地下鉄鶴舞線|鶴舞線]][[大須観音駅]]下車、[[名古屋市営地下鉄名城線|名城線]][[上前津駅]]下車。


== 拝観等 ==
=== 注釈 ===
{{reflist|group="注"}}
⚫
* 常時拝観は行っていない。

=== 出典 ===
{{reflist}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[清洲越し]]
* [[清洲越し]]
* [[臨済宗]][[妙心寺]]
* [[臨済宗]][[妙心寺]]
* 遠景山[[総見寺]] - 織田信長が建立した[[安土城]]下の寺
* 遠景山總見寺（織田信長が建立した[[安土城]]下の寺）
* 興聖山[[総見院 (清須市)|総見院]] - 清洲越以前の地に再興された寺
* 興聖山[[總見院]]（清洲越し以前の地に再興された寺）
* [[大徳寺]][[総見院 (京都市)|塔頭総見院]] - [[豊臣秀吉]]が信長の法要を行った寺
* [[大徳寺]][[総見院 (京都市)|塔頭総見院]]（[[豊臣秀吉]]が信長の法要を行った寺）


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.oumi-castle.net/oda_yukari/soukenji_nagoya.html近江の城郭 織田信長と織田一族ゆかりの史跡]
* [http://www.oumi-castle.net/oda_yukari/soukenji_nagoya.html近江の城郭 織田信長と織田一族ゆかりの史跡]
* [http://orange.zero.jp/kkubota.bird/soukenji.htm 歴史の足跡] - 詳細な周辺地図が掲載されている。
* [http://orange.zero.jp/kkubota.bird/soukenji.htm 歴史の足跡]（詳細な周辺地図を掲載）


{{pref-stub|pref=愛知県}}
{{Japanese-history-stub}}
{{buddhism-stub}}
{{buddhism-stub}}

{{DEFAULTSORT:そうけんし}}
{{DEFAULTSORT:そうけんし}}
[[Category:臨済宗妙心寺派の寺院]]
[[Category:臨済宗妙心寺派の寺院]]
[[Category:名古屋市の寺]]
[[Category:名古屋市の寺]]
[[Category:名古屋市中区の歴史]]
[[Category:名古屋市中区の建築物]]
[[Category:大須]]
[[Category:大須]]
[[Category:区市町村指定有形文化財]]
[[Category:愛知県内の市町村指定有形文化財]]
[[Category:清洲越し]]
[[Category:安国寺利生塔]]
[[Category:織田信長]]

2024年1月10日 (水) 14:23時点における最新版

曖昧さ回避 この項目では、愛知県名古屋市中区の總見寺について説明しています。滋賀県近江八幡市安土町の摠見寺については「摠見寺」をご覧ください。
總見寺
所在地 愛知県名古屋市中区大須3丁目
位置 北緯35度9分35.4秒 東経136度54分10.88秒 / 北緯35.159833度 東経136.9030222度 / 35.159833; 136.9030222
山号 景陽山
宗旨 臨済宗
宗派 妙心寺派
本尊 薬師如来
創建年 天正年間
開山 虎關師錬
忠嶽瑞恕（清洲越し後）
正式名 景陽山 總見寺
文化財 【愛知県指定文化財】
織田信長公画像、旧清洲城障壁画、伝虎関師錬頂相、長谷川宗宅筆蘇東坡杜少陵騎馬図、南蛮渡り金入織物紙入（伝信長公所用） 附 立涌亀甲文刺繍切一切、古喚鐘（延慶四年在銘）、堆烏・長方形の蓋、打刀拵（水野太郎左衛門拝領）、景川和尚墨跡
【名古屋市指定文化財】
紙本著色渡唐天神像
法人番号 8180005000276 ウィキデータを編集
テンプレートを表示
総見寺山門

總見寺[注 1]（そうけんじ）は、愛知県名古屋市中区にある、臨済宗妙心寺派の日本の仏教寺院。山号は景陽山。本尊は薬師如来坐像。山門は仁王門となっている。

織田信長ゆかりの寺院である。

歴史

[編集]

初めは伊勢国大島村（現在の三重県川越町[注 2]）に西明寺という講寺であった。

鎌倉時代末期の1332年（元弘2年／正慶元年）、虎關師錬が景陽山神賛寺と改め後醍醐天皇の勅により官寺となった。後に伊勢国安國寺[注 3] となった。

天正の頃、廃寺になりかかっていたのを、織田信雄が父である織田信長の菩提を弔うために清洲北市場（現在の清須市一場）に移し、安土城下の摠見寺にならい總見寺[注 4] と改めた。忠嶽を開祖としたが、忠嶽は虎關を開山と仰ぎ、自分は2世となった。

清洲越し後

[編集]

江戸時代初期の1611年（慶長16年）、清洲越しにより名古屋南寺町（現在の大須3丁目）に移る。その際、虎關は東福寺派であったので、法系を整えるために改めて忠嶽を開山とした[注 5]。開山以来、何人も妙心寺に進住している。

1630年（寛永7年）3月、方丈が消失したが、1637年（寛永14年）の秋に尾張藩主徳川義直が再建する。

初めは寺領1326石であったが、慶長の伊奈備前による検地後は300石となる。

1883年（明治16年）4月、本堂と庫裏の再建のために宮内省から金25円が下賜される。

塔頭は初め12院あったが、江戸時代には光勝院、陽巖院、東林院、江月軒の5箇所に減少し、その後光勝院のみ残るが、明治維新後に塔頭から直末となっている。

信長公廟が存在するが、他の墓地は第二次世界大戦後の土地区画整理事業（戦災復興都市計画）により平和公園へ移動している。

境内にあった「名古屋博物館」

[編集]

境内では愛知県庁が1878年（明治11年）、民間から寄付金を集めて「名古屋博物館」を開所し、1881年（明治14年）に「公立名古屋博物館」、1883（明治16年）年に「愛知県博物館」と改称し、その後の改築を経て1910年（明治43年）に「愛知県商品陳列館」が開所した[1]。

伽藍

[編集]
  • 山門
  • 本堂
  • 織田信長公廟

文化財・所蔵品

[編集]
愛知県指定文化財
  • 織田信長公画像[2]
  • 旧清洲城障壁画[3]
  • 伝虎関師錬頂相[4]
  • 長谷川宗宅筆蘇東坡杜少陵騎馬図[5]
  • 南蛮渡り金入織物紙入（伝信長公所用）附 立涌亀甲文刺繍切一切[6]
  • 古喚鐘（延慶四年在銘）[7]
  • 堆烏・長方形の蓋[8]
  • 打刀拵（水野太郎左衛門拝領）[9]
  • 景川和尚墨跡[10]
名古屋市指定文化財
  • 紙本著色渡唐天神像[11]

拝観等

[編集]

常時拝観は行っていない。

交通

[編集]

参考文献

[編集]
  • 『名古屋市史 社寺編』
  • 『尾張名所図会』第一巻「総見寺」（1844年）：塔頭を含む大伽藍の様子を掲載。

脚注

[編集]
[脚注の使い方]

注釈

[編集]
  1. ^ 宗教法人の登記名は新字体の「総見寺」としている。
  2. ^ 『名古屋市史』によると「今三重県三重郡川越村大字縄生村字大島」とある。
  3. ^ 『清洲町史』所収『伊勢州長嶋記』によると「勢州桑名辺大島」となっている。
  4. ^ 単に当て字の違いであるが、「惣見寺」と書かれた文書もある。
  5. ^ 安土摠見寺（妙心寺派）を根拠としているので大徳寺派（大徳寺塔頭總見院）ではない。

出典

[編集]
  1. ^ 「よみがえる明治の博物館 100年以上前の名古屋・大須に存在 愛知県美術館が企画展」『中日新聞』朝刊2023年6月14日（社会面）2023年7月17日閲覧
  2. ^ “織田信長公画像”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  3. ^ “旧清須城障壁画”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  4. ^ “伝虎関師錬頂相”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  5. ^ “長谷川宗宅筆蘇東坡杜少陵騎馬図”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  6. ^ “南蛮渡り金入織物紙入(伝信長公所用) 附 立涌亀甲文刺繍切一切”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  7. ^ “古喚鐘(延慶四年在銘)”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  8. ^ “堆烏・長方形の蓋”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  9. ^ “打刀拵（水野太郎左衛門拝領）”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  10. ^ “景川和尚墨跡”. 文化財ナビ愛知. 2016年4月23日閲覧。
  11. ^ “市指定文化財”. 名古屋市 (2012年10月19日). 2013年5月25日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
愛知県の旗

この項目は、愛知県に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（Portal:日本の都道府県/愛知県）。

スタブアイコン

この項目は、日本の歴史に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（P:日本/P:歴史/P:歴史学/PJ日本史）。

スタブアイコン

この項目は、仏教に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（ポータル 仏教/ウィキプロジェクト 仏教）。

「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=總見寺&oldid=98800853」から取得