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'''コジオスコ'''(コジオスコ山、Mount Kosciuszko)は、[[オーストラリア]]の[[山]]で、[[オーストラリア大陸]]の最高峰である。[[コジオスコ国立公園]]の中心地である。また、この山を中心とする地域は、[[スノーウィー・マウンテンズ]]と通称され、冬季にはオーストラリアの主要なスキーリゾートとして知られている。
'''コジオスコ'''(コジオスコ山、Mount Kosciuszko)は、[[オーストラリア]]の[[山]]で、[[オーストラリア大陸]]の最高峰である。{{仮リンク|コジオスコ国立公園|en|Kosciuszko National Park}}の中心地である。また、この山を中心とする地域は、{{仮リンク|スノーウィー・マウンテンズ|en|Snowy Mountains}}と通称され、冬季にはオーストラリアの主要な[[スキー]]リゾートとして知られている。


日本語では、「コジオスコ」・「コジアスコ」・「コジウスコ」など、発音によって複数の表記がある。[[ポーランド]]の[[探検家]]の[[パヴェウ・ストシェレツキ]]「[[伯爵]]」が、[[ポーランド]]と[[リトアニア]]の英雄[[タデウシュ・コシチュシュコ]]にちなんで([[クラクフ]]にはコシチュシュコを記念して造られた「コシチュシュコの丘」という人工の小山があり、形がよく似ているとみなされた)、[[1840年]]に名付けた。
日本語では、「コジオスコ」・「コジアスコ」・「コジウスコ」など、発音によって複数の表記がある。[[ポーランド]]の[[探検家]]の[[パヴェウ・ストシェレツキ]]「[[伯爵]]」が、[[ポーランド]]と[[リトアニア]]の英雄[[タデウシュ・コシチュシュコ]]にちなんで([[クラクフ]]にはコシチュシュコを記念して造られた「[[コシチュシコ山|コシチュシュコの丘]]」という人工の小山があり、形がよく似ているとみなされた)、[[1840年]]に名付けた。


== 登頂 ==
== 登頂 ==
主たる登頂のルートは二つあり、共に、登山は容易である。一つ目は[[シャーロット峠]]を経由する方法で9km歩くと山頂に到着する。1976年まではローソン峠まで自動車にも道が開放されていて、山頂付近まで車で行くことができた。
主たる登頂のルートは二つあり、共に、登山は容易である。一つ目は[[シャーロット峠]]を経由する方法で9 km歩くと山頂に到着する。1976年まではローソン峠まで自動車にも道が開放されていて、山頂付近まで車で行くことができた。


二つ目はスキーリゾートとしても知られる[[スレブド]]からも行く方法である。スレブドからは1930m地点まで、[[索道|リフト]](有料)が動いており、頂上までの距離も僅か6.5kmに過ぎない。リフトの終点からは、植生を保護するための木道、或いは鉄網で作られた道が整備されており、夏には美しい花畑を見ることができる。
二つ目はスキーリゾートとしても知られる[[スレブド]]からも行く方法である。スレブドからは1930 m地点まで、[[索道|リフト]](有料)が動いており、頂上までの距離も僅か6.5 kmに過ぎない。リフトの終点からは、植生を保護するための木道、或いは鉄網で作られた道が整備されており、夏には美しい花畑を見ることができる。

== 地形と生態系 ==
コジオスコとその付近には[[氷河地形]]の[[モレーン]]、[[圏谷|カール]]、[[氷河湖]]が多く見られる。山の東西両側の気候は大きく異なり、西側には[[高山植物]]の[[花#花の庭と花畑|お花畑]]が多いが、東側には乾燥した森林地帯と[[霜穴]]が多い。一帯は[[生物多様性]]に富み、{{仮リンク|アルパインスノーガム|en|Eucalyptus niphophila}}など植生があり、標高1,850 m以上の高山地域には[[有袋類]]の{{仮リンク|ブーラミス|en|Burramys parvus}}<ref>{{Cite web|和書|title=絶滅寸前の有袋類、化石の地への移住で保護へ、豪 |url=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/110800647/ |website=ナショナル・ジオグラフィック |access-date=2023-01-26 |language=ja |date=2019.11.08 |publisher=[[ナショナル ジオグラフィック協会]]}}</ref>、[[フエガラス]]、{{仮リンク|ヒロハネズミ|en|Mastacomys fuscus}}や[[トカゲ]]の{{仮リンク|Liopholis guthega|en|Snowy Mountains skink|label=''Liopholis guthega''}}など<ref name=":0" />、亜高山帯には[[オオカンガルー]]と[[コトドリ]]、標高1,400 m以下の山地には{{仮リンク|ハイイロリングテイル|en|Common ringtail possum}}と{{仮リンク|オグロワラビー|en|swamp wallaby}}が生息している。コシススコ国立公園は1977年に[[ユネスコ]]の[[生物圏保護区]]に登録されたが<ref>{{Cite web |title=Kosciuszko Biosphere Reserve, Australia |url=https://en.unesco.org/biosphere/aspac/kosciuszko |website=UNESCO |date=2019-08 |access-date=2023-01-26 |language=en}}</ref>、2020年にはオーストラリアの申請により同国の他の4ヶ所の生物圏保護区と共に登録が撤回された<ref>{{Cite web |url=https://www.unesco.org/en/articles/twenty-five-sites-join-unescos-world-network-biosphere-reserves?TSPD_101_R0=080713870fab2000e173bc893d5a8ec4129d395223b183e3fd6bfeb565514b98d5c8158b0b50dc78089d1f914b1430006f30ce6381bf7ebf9ca93e79caa48a46992ca9842d0be1e890ab946eb485963b21bbb96047eed828a2b1ca6e0924faee |website=UNESCO |access-date=2023-01-26 |title=Twenty-five sites join UNESCO’s World Network of Biosphere Reserves |date=28 October 2020}}</ref>。

オーストラリア国内にある4つのカール湖の1つである{{仮リンク|ブルーレイク (ニューサウスウェールズ州)|en|Blue Lake (New South Wales)|label=ブルーレイク}}は山の北東部にあり、オーストラリアで最も標高の高い湖の1つである。その周辺に高山植物のお花畑、[[ヒース]]、[[フェン]]、[[ボグ]]があり、1996年に[[ラムサール条約]]登録地となった<ref name=":0">{{Cite web |title=Blue Lake {{!}} Ramsar Sites Information Service |url=https://rsis.ramsar.org/ris/800 |website=rsis.ramsar.org |access-date=2023-01-26}}</ref>。


== オーストラリアでコジオスコより高い山 ==
== オーストラリアでコジオスコより高い山 ==
オーストラリアが領有、あるいは主張している領土には、コジオスコ山よりも高い山が存在する。
オーストラリアが領有、あるいは主張している領土には、コジオスコ山よりも高い山が存在する。


*[[モーソン・ピーク]]:2,745m([[ハード島]])
*[[モーソン・ピーク]]:2745 m([[ハード島]])
*[[マクリントック山]]:3,490m([[オーストラリア南極領土]])
*[[マクリントック山]]:3490 m([[オーストラリア南極領土]])
*[[メンジース山]]:3,355m(オーストラリア南極領土)
*[[メンジース山]]:3355 m(オーストラリア南極領土)


== ギャラリー ==
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Image:Thredbo.JPG|スキーリゾート地スレドボ
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== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
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2024年1月21日 (日) 23:44時点における最新版

コジオスコ
標高 2228 m
所在地 オーストラリアニューサウスウェールズ州
位置 南緯36度27分00秒 東経148度16分00秒 / 南緯36.45000度 東経148.26667度 / -36.45000; 148.26667 (コジオスコ)座標: 南緯36度27分00秒 東経148度16分00秒 / 南緯36.45000度 東経148.26667度 / -36.45000; 148.26667 (コジオスコ)
山系 大分水嶺山脈
初登頂 Paweł Edmund Strzelecki(1840年)
コジオスコの位置(ニューサウスウェールズ州内)
コジオスコ
コジオスコ
コジオスコの位置(オーストラリア内)
コジオスコ
コジオスコ
プロジェクト 山
テンプレートを表示

コジオスコ(コジオスコ山、Mount Kosciuszko)は、オーストラリアで、オーストラリア大陸の最高峰である。コジオスコ国立公園英語版の中心地である。また、この山を中心とする地域は、スノーウィー・マウンテンズ英語版と通称され、冬季にはオーストラリアの主要なスキーリゾートとして知られている。

日本語では、「コジオスコ」・「コジアスコ」・「コジウスコ」など、発音によって複数の表記がある。ポーランド探検家パヴェウ・ストシェレツキ伯爵」が、ポーランドリトアニアの英雄タデウシュ・コシチュシュコにちなんで(クラクフにはコシチュシュコを記念して造られた「コシチュシュコの丘」という人工の小山があり、形がよく似ているとみなされた)、1840年に名付けた。

登頂[編集]

主たる登頂のルートは二つあり、共に、登山は容易である。一つ目はシャーロット峠を経由する方法で9 km歩くと山頂に到着する。1976年まではローソン峠まで自動車にも道が開放されていて、山頂付近まで車で行くことができた。

二つ目はスキーリゾートとしても知られるスレブドからも行く方法である。スレブドからは1930 m地点まで、リフト(有料)が動いており、頂上までの距離も僅か6.5 kmに過ぎない。リフトの終点からは、植生を保護するための木道、或いは鉄網で作られた道が整備されており、夏には美しい花畑を見ることができる。

地形と生態系[編集]

コジオスコとその付近には氷河地形モレーンカール氷河湖が多く見られる。山の東西両側の気候は大きく異なり、西側には高山植物お花畑が多いが、東側には乾燥した森林地帯と霜穴が多い。一帯は生物多様性に富み、アルパインスノーガム英語版など植生があり、標高1,850 m以上の高山地域には有袋類ブーラミス英語版[1]フエガラスヒロハネズミ英語版トカゲLiopholis guthega英語版など[2]、亜高山帯にはオオカンガルーコトドリ、標高1,400 m以下の山地にはハイイロリングテイル英語版オグロワラビー英語版が生息している。コシススコ国立公園は1977年にユネスコ生物圏保護区に登録されたが[3]、2020年にはオーストラリアの申請により同国の他の4ヶ所の生物圏保護区と共に登録が撤回された[4]

オーストラリア国内にある4つのカール湖の1つであるブルーレイク英語版は山の北東部にあり、オーストラリアで最も標高の高い湖の1つである。その周辺に高山植物のお花畑、ヒースフェンボグがあり、1996年にラムサール条約登録地となった[2]

オーストラリアでコジオスコより高い山[編集]

オーストラリアが領有、あるいは主張している領土には、コジオスコ山よりも高い山が存在する。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 絶滅寸前の有袋類、化石の地への移住で保護へ、豪”. ナショナル・ジオグラフィック. ナショナル ジオグラフィック協会 (2019年11月8日). 2023年1月26日閲覧。
  2. ^ a b Blue Lake | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org. 2023年1月26日閲覧。
  3. ^ Kosciuszko Biosphere Reserve, Australia” (英語). UNESCO (2019年8月). 2023年1月26日閲覧。
  4. ^ Twenty-five sites join UNESCO’s World Network of Biosphere Reserves”. UNESCO (2020年10月28日). 2023年1月26日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]