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犯人（はんにん）とは、法によって禁じられ国家が刑罰を科す根拠となる事実・行為を行った人物のこと。

概要[編集]

法治国家の国民においては、法を守ることが権利を享受するための前提条件となる。つまり、法を守れない者については法治国家の敵となるため、国家が公権力を使って権利を剥奪することになる。国家の秩序を維持する上で法から逸脱した行為を防ぐ必要があるため、犯人が法律を知らなかったり、犯人の無意識下で行ったことであっても、法を犯す行為があれば看過されない（罪に問われる）事がほとんどである。特に凶悪犯罪の場合、犯人を野放しすることは治安秩序維持の観点から問題視されるため、治安機関は犯人を摘発して裁判（公判）にかけることに全力を尽くす。公判で有罪判決が出た場合、犯人は法から逸脱した人物である事が確定するため、刑務所に送って自由を奪い、社会から隔離した環境で社会秩序を厳しく叩き込んで更生させる措置が取られる。ただし、逸脱が酷い場合は公権力によっても更生が不可能になり、犯人を生涯の全てにおいて社会から隔離したり、犯人を殺害したりする場合もある。

前科の扱い[編集]

1度でも有罪となり前科が付いた場合、刑期を終えても社会的制裁は残る。例えば再就職が困難だったり^[1]、住居やローンの契約を拒否されたり^[2]、外国への渡航の際にビザ免除措置の対象外になったり入国拒否となる可能性が高い^[3]。つまりは、犯罪を犯すこと自体が生涯にわたって取り返しの付かない事態を招くと言える。実名報道が行われれば立場は尚更厳しいものとなる^[4]。

メディアでの扱い[編集]

現実世界では犯人が成人している場合は、実名報道が行われることが多い。呼び方は逮捕時は「◯◯容疑者」、起訴されると「◯◯被告」、刑務所に入ると「◯◯受刑者」になり、軽い罪であろうと釈放・出所がない限りは決して「さん」や「氏」と呼ばれることは無い。

未解決事件における正体不明の犯罪者に対しては、犯罪者自身の犯行予告から犯行声明やメディア等の呼称から、仮の犯人名が呼称されることがある。

フィクションでの扱い[編集]

ミステリーの世界では、登場人物から犯人を推理するジャンルにおいて、探偵役が犯人を言い当てる前に、読者が犯人を推理することが最大の醍醐味となる。

現実世界の事件における犯人の呼称[編集]

犯人による犯行予告や犯行声明から: 「草加次郎」、「ウルトラ山田」、「東アジア反日武装戦線」、「かい人21面相」、「赤報隊」、「墨子」、「酒鬼薔薇聖斗」、「てるくはのる」、「ネオむぎ茶」
メディア等の呼称: 「火曜日の放火魔」、「赤いフェアレディZの女」^[5]、「水曜日の絞殺魔」、「レッサーパンダ帽男」

など

隠語[編集]

警察の間では、犯人の事を「ホシ」という隠語で呼ぶことがある^[6]。語源は「目星」の略称から^[6]。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

^ “逮捕歴は再就職の妨げになる？逮捕や前科と就労の関係を解説 | アトム法律事務所弁護士法人” (2022年11月28日). 2023年5月17日閲覧。
^ “【2023年最新】犯罪歴や逮捕歴などの前科があっても、賃貸アパートの保証会社審査を突破し、入居する方法｜賃貸契約の保証会社審査に強い専門不動産会社が書いたブログ記事BLOG｜エース不動産本店｜審査突破の賃貸専門”. エース不動産本店｜審査突破の賃貸専門. 2023年5月17日閲覧。
^ “前科があると海外旅行は行けない？パスポートの取得は可能？”. 前科があると海外旅行は行けない？パスポートの取得は可能？ (2020年4月15日). 2023年5月17日閲覧。
^ “実名報道の基準は？公表されないための対処法や回避できるケース”. ベリーベスト法律事務所大阪オフィス. 2023年5月17日閲覧。
^ 岩本太郎（著）、篠田博之（編集長・発行人）（編）「週刊誌の徹底研究『週刊新潮』『週刊文春』二大週刊誌の"木曜日の憂欝"」『創』第34巻第5号、創出版、2004年5月7日、43頁、国立国会図書館書誌ID:6938919。 - 通巻：第380号（2004年6月号）
^ ^a ^b 米川明彦 2021, p. 29.

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+{{redirect|真犯人|小説|真犯人 (翔田寛の小説)}}{{複数の問題
-{{出典の明記|date=2012年10月15日 (月) 04:01 (UTC)}}
+| 出典の明記 = 2022年3月25日 (金) 16:55 (UTC)
-'''犯人'''（はんにん）とは[[法]]によって禁じられ[[刑罰]]が科される根拠となる[[事実]]・[[行為]]を行った[[人物]]のこと。
+| 独自研究 = 2022年3月25日 (金) 16:55 (UTC)
+}}
+'''犯人'''（はんにん）とは、[[法 (法学)|法]]によって禁じられ[[国家]]が[[刑罰]]を科す根拠となる[[事実]]・[[行為]]を行った[[人物]]のこと。
 == 概要 ==
+[[法治国家]]の[[国民]]においては、[[法 (法学)|法]]を守ることが[[権利]]を享受するための[[前提|前提条件]]となる。つまり、[[法 (法学)|法]]を守れない者については[[法治国家]]の敵となるため、[[国家]]が[[公権力]]を使って[[権利]]を剥奪することになる。[[国家]]の[[社会秩序|秩序]]を維持する上で[[法 (法学)|法]]から逸脱した[[行為]]を防ぐ必要があるため、犯人が法律を知らなかったり、犯人の無意識下で行ったことであっても、[[法 (法学)|法]]を犯す行為があれば看過されない（[[罪]]に問われる）事がほとんどである。特に[[凶悪犯罪]]の場合、犯人を野放しすることは治安秩序維持の観点から問題視されるため、治安機関は犯人を摘発して[[裁判]]（[[公判]]）にかけることに全力を尽くす。[[公判]]で[[判決|有罪判決]]が出た場合、犯人は[[法 (法学)|法]]から逸脱した人物である事が確定するため、[[刑務所]]に送って[[自由]]を奪い、[[社会]]から隔離した環境で社会秩序を厳しく叩き込んで[[更生]]させる措置が取られる。ただし、逸脱が酷い場合は[[公権力]]によっても[[更生]]が不可能になり、[[終身刑|犯人を生涯の全てにおいて社会から隔離したり]]、[[死刑|犯人を殺害]]したりする場合もある。
-[[凶悪犯罪]]の場合、'''犯人'''を野放しすることは治安秩序の観点から問題視されるため、治安機関は'''犯人'''を摘発して[[裁判]]にかけることに全力を尽くす。
+=== 前科の扱い ===
-現実世界では[[未解決事件]]における正体不明の[[犯罪者]]に対して、犯罪者自身の[[犯行予告]]から[[犯行声明]]や[[メディア]]等の呼称から、犯人名が呼称されることがある。
+度でも[[有罪判決|有罪]]となり[[前科]]が付いた場合、[[刑期]]を終えても[[社会的制裁]]は残る。例えば[[就職活動|再就職]]が[[難度|困難]]だったり<ref>{{Cite web|和書|title=逮捕歴は再就職の妨げになる？逮捕や前科と就労の関係を解説 {{!}} アトム法律事務所弁護士法人 |url=https://atomfirm.com/keiji/883 |date=2022-11-28 |access-date=2023-05-17 |language=ja}}</ref>、[[住宅|住居]]や[[融資|ローン]]の[[契約]]を[[拒否権|拒否]]されたり<ref>{{Cite web|和書|title=【2023年最新】 犯罪歴 や 逮捕歴 などの 前科 があっても、賃貸アパート の保証会社審査 を突破し、入居する方法｜賃貸契約の保証会社審査に強い専門不動産会社が書いたブログ記事BLOG｜エース不動産 本店｜審査突破の賃貸専門 |url=https://www.a-s-re.com/blog/sponsorsnews/078 |website=エース不動産 本店｜審査突破の賃貸専門 |access-date=2023-05-17 |language=ja}}</ref>、[[外国]]への渡航の際に[[ビザ免除プログラム|ビザ免除]]措置の[[対象]]外になったり[[上陸拒否|入国拒否]]となる可能性が高い<ref>{{Cite web|和書|title=前科があると海外旅行は行けない？ パスポートの取得は可能？ |url=https://keiji.vbest.jp/columns/g_other/6122/ |website=前科があると海外旅行は行けない？ パスポートの取得は可能？ |date=2020-04-15 |access-date=2023-05-17 |language=ja}}</ref>。つまりは、[[犯罪]]を犯すこと自体が[[人生|生涯]]にわたって取り返しの付かない[[武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律|事態]]を招くと言える。[[実名報道]]が行われれば立場は尚更厳しいものとなる<ref>{{Cite web|和書|title=実名報道の基準は？ 公表されないための対処法や回避できるケース |url=https://osaka.vbest.jp/columns/criminal/g_other/5712/ |website=ベリーベスト法律事務所 大阪オフィス |access-date=2023-05-17 |language=ja}}</ref>。
+=== メディアでの扱い ===
-[[ミステリー]]の世界では登場人物から'''犯人'''を推理するジャンルでは、探偵が'''犯人'''を言い当てる前に'''犯人'''を推理することが最大の醍醐味となる。
+現実世界では犯人が成人している場合は、実名報道が行われることが多い。呼び方は逮捕時は「◯◯容疑者」、起訴されると「◯◯被告」、刑務所に入ると「◯◯受刑者」になり、軽い罪であろうと釈放・出所がない限りは'''決して「さん」や「氏」と呼ばれることは無い。'''
+[[未解決事件]]における正体不明の[[犯罪者]]に対しては、犯罪者自身の[[犯行予告]]から[[犯行声明]]や[[メディア (媒体)|メディア]]等の呼称から、仮の犯人名が呼称されることがある。
-== 現実世界の事件における犯人の呼称 ==
-;犯人による犯行予告や犯行声明から
-:「[[D・K・エーキ事件|D・K・エーキ]]」「[[草加次郎事件|草加次郎]]」「[[山陽電鉄爆破事件|ウルトラ山田]]」「[[東アジア反日武装戦線]]」「[[グリコ・森永事件|かい人21面相]]」「[[赤報隊事件|赤報隊]]」「[[東海道新幹線墨子事件|墨子]]」「[[神戸連続児童殺傷事件|酒鬼薔薇聖斗]]」「[[京都小学生殺害事件|てるくはのる]]」「[[西鉄バスジャック事件|ネオむぎ茶]]」
+=== フィクションでの扱い ===
-;メディア等の呼称
+[[ミステリ|ミステリー]]の世界では、登場人物から犯人を推理するジャンルにおいて、[[探偵]]役が犯人を言い当てる前に、読者が犯人を推理することが最大の醍醐味となる。
-:「[[火曜日の放火魔事件|火曜日の放火魔]]」「[[富山・長野連続女性誘拐殺人事件|赤いフェアレディの女]]」「[[佐賀女性7人連続殺人事件|水曜日の絞殺魔]]」「[[レッサーパンダ帽男殺人事件|レッサーパンダ帽男]]」
+== 現実世界の事件における犯人の呼称 ==
+; 犯人による犯行予告や犯行声明から
+: 「[[草加次郎事件|草加次郎]]」、「[[山陽電鉄爆破事件|ウルトラ山田]]」、「[[東アジア反日武装戦線]]」、「[[グリコ・森永事件|かい人21面相]]」、「[[赤報隊事件|赤報隊]]」、「[[東海道新幹線墨子事件|墨子]]」、「[[神戸連続児童殺傷事件|酒鬼薔薇聖斗]]」、「[[京都小学生殺害事件|てるくはのる]]」、「[[西鉄バスジャック事件|ネオむぎ茶]]」
+; メディア等の呼称
+: 「[[火曜日の放火魔事件|火曜日の放火魔]]」、「[[富山・長野連続女性誘拐殺人事件|赤いフェアレディZの女]]」<ref>{{Cite journal|和書|journal=[[創 (雑誌)|創]]|author=岩本太郎|title=週刊誌の徹底研究 『週刊新潮』『週刊文春』二大週刊誌の"木曜日の憂欝"|volume=34|page=43|editor=[[篠田博之]]（編集長・発行人）|date=2004-05-07|issue=5|pages=|publisher=創出版|id={{国立国会図書館書誌ID|6938919}}}} - 通巻：第380号（2004年6月号）</ref>、「[[佐賀女性7人連続殺人事件|水曜日の絞殺魔]]」、「[[レッサーパンダ帽男殺人事件|レッサーパンダ帽男]]」
+など
 == 隠語 ==
-[[警察]]の間では'''犯人'''のことを「ホシ」という[[隠語]]で呼ぶことがある。
+[[日本の警察|警察]]の間では、犯人の事を「ホシ」という[[隠語]]で呼ぶことがある{{Sfn|米川明彦|2021|p=29}}。語源は「目星」の略称から{{Sfn|米川明彦|2021|p=29}}。
-== 関連項目 ==
+== 脚注 ==
+{{脚注ヘルプ}}
-*[[犯罪]]
+{{Reflist}}
-*[[実行犯]]・[[共犯]]・[[幇助]]
-*[[被疑者]]
+== 関連書籍 ==
-{{DEFAULTSORT:はんにん}}
+*{{Cite book|和書|author=米川明彦|title=俗語百科事典|publisher=朝倉書店|year=2021|page=|isbn=9784254510683|ref=harv}}
+== 関連項目 ==
+* [[犯罪]]
+* [[実行犯]]・[[共犯]]・[[幇助]]
+* [[被疑者]]
+{{Law-stub}}
+{{デフォルトソート:はんにん}}
 [[Category:犯罪者|*]]
 [[Category:ミステリ]]