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「J-2ロケットエンジン」の版間の差分

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[[Image:J-2 rocket engine.jpg|right|thumb|300px|J-2エンジン詳細]]
[[ファイル:J-2 rocket engine.jpg|right|thumb|300px|J-2エンジン詳細]]
[[Image:Saturn V second stage.jpg|right|thumb|J-2エンジンを5基搭載したサターンV ロケット二段目(S-II)]]
[[ファイル:SaturnV S-II.jpg|right|thumb|J-2エンジンを5基搭載したサターンV ロケット二段目(S-II)]]
[[ロケットダイ]]社製J-2[[ロケットエンジン]]、[[スペースシャトル]]のメインエンジン(Space Shuttle Main Engine, [[SSME]])が誕生するまでは、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で最大の[[液体水素]]を燃料とする[[ロケット]]エンジンであった。また[[NASA]]の[[コンステレーション計画]]において、[[アレスI]] および[[アレスV]] の二段目ロケットとして復活することがた。
'''J-2ロケットジン'''は、[[アメリカ合衆国]]で開発された液体燃料ロケットエンジン。[[ロケットダイン]]社が製造し、[[スペースシャトル]]のメインエンジン(Space Shuttle Main Engine, [[SSME]])が誕生するまでは、アメリカ合衆国で最大出力の[[液体水素]]を燃料とする[[ロケット]]エンジンであった。また[[NASA]]の中止された[[コンステレーション計画]]において、[[アレスI]] および[[アレスV]] の二段目ロケットとして運用することがされていた。


== 概要 ==
J-2は[[サターンIB 型ロケット]]および[[サターンV]] ロケットの主要な構成部分であり、[[S-II]](サターンV 第二段)には5基、[[S-IVB]](サターンIB 第一段およびサターンV 第三段)には1基が使用された。ノヴァ・ロケット(計画倒れに終わった、サターンV よりも巨大な幻のロケット)の上段では、より多くのJ-2を使おうという提案が出されたこともあった。
J-2は[[サターンIB 型ロケット]]および[[サターンV 型ロケット]]の主要な構成部分であり、[[S-II]](サターンV 第二段)には5基、[[S-IVB]](サターンIB 第二段およびサターンV 第三段)には1基が使用された。計画のみで終わった、サターンVよりも大型の[[NOVA (ロケット)|ノヴァ・ロケット]]の上段では、より多くのJ-2を使おうという提案もあった。


エンジンの推力は 1,033.1 kN (232,250 lbf)、比推力(''I''<sub>sp</sub>)は真空中で421秒(4.13 km/s) (または海面高度で200秒(2.0 km/s))で重量は約1,788kg (3,942 lb)である<ref name="J-2spec">{{cite web|url=http://mix.msfc.nasa.gov/abstracts.php?p=1093|title=J-2 engine|publisher=NASA|author=Marshall Space Flight Center|accessdate=22 February 2012}}</ref><ref name="J2fact">{{cite web|url=http://www.nasa.gov/centers/marshall/pdf/499245main_J2_Engine_fs.pdf|title=J-2 Engine Fact Sheet|publisher=NASA|work=Saturn V News Reference|date=December 1968|accessdate=22 February 2012}}</ref><ref name="EAJ-2">{{Cite web|title=J-2|url=http://www.astronautix.com/engines/j2.htm|publisher=Astronautix|accessdate=22 February 2012}}</ref>。サターンVの2段目である[[S-II]]には5基、[[サターンIB 型ロケット|サターンIB]]と[[サターンV 型ロケット|サターンV]]の両方の上段である[[S-IVB]]には1基が使用された。
J-2エンジンの最大の特徴は、一度燃焼を停止させたものを、[[宇宙空間]]で再度点火することが可能であるということである。サターンV の第三段は最初から二回噴射することが予定されていて、一回目は2分間の噴射で[[アポロ宇宙船]]を地球周回軌道に到達させ、いったんエンジンを停止して飛行士が軌道上で[[宇宙船]]に異常がないかどうかを確認した後、再度6分半噴射して宇宙船を[[脱出速度]]まで到達させ、月へと向かわせるというものであった。
提案では同様に既存のJ-2エンジンをより大型のロケットである[[NOVA (ロケット)|Nova]]の上段に複数使用する計画もあった。J-2はアメリカにおいて[[SSME]](RS-25)以前には最も量産された液体水素を燃料とするロケットであり、近代化されたJ-2XがNASAの[[スペースシャトル]]を代替する[[スペース・ローンチ・システム]]の[[地球離脱ステージ]]での使用が見込まれる。

J-2エンジンの最大の特徴は、当時運用中だった多くの液体燃料ロケットエンジンとは異なり、[[宇宙空間]]で再点火することが可能であるということである。サターンVの3段である[[S-IVB]]では飛行中に停止後1度再着火するように設計された。最初の約2分間の燃焼でアポロ宇宙船は[[宇宙待機軌道|待機軌道]]へ投入される。乗員による宇宙船の点検後、宇宙船は通常の運航になり、J-2は再着火され6.5分間燃焼し、宇宙船を加速させ地球の引力圏を脱出して月へ向う[[ホーマン遷移軌道|遷移軌道]]へ投入する。

== 要素 ==
[[File:J-2 engine schematic.png|thumb|400px|J-2エンジンの推進剤の流れを示した模式図]]

=== 燃焼器とジンバルシステム ===
J-2の燃焼器はエンジンの中心に位置して燃焼器本体、噴射器とドーム、点火器とジンバル軸受けから構成される<ref name="J2fact"/>。

燃焼室は厚みが{{Convert|0.012|in|mm|disp=flip}}のステンレス鋼の管を束ねてろう付けによって一体化されている。燃焼室は釣鐘状で高高度においてより効率的な運転のために膨張面積比が27.5:1となっており、燃料による再生冷却である。燃料は燃焼室の中間のマニホールドから入り、{{convert|1000|psi|kPa|disp=flip|abbr=on}}以上の圧力で出る。燃焼室で点火され加速された高温のガスが噴出する事で推力が生じる<ref name="J2fact"/>。

噴射器にはターボポンプからの圧力がかかり、燃焼に最適な比率で混合する。614個の酸化剤と燃料噴射装置は同心円状に配置される。噴射器の先端は多孔で周囲が噴射器本体に溶接されたステンレスの金網を積層して形成された。噴射器は液体酸素をドームのマニホールドを通して燃焼室内の燃焼領域に向けて噴射する<ref name="J2fact"/>。

推力は高負荷(140,000 kPa)がかかり球面で構成される自在継ぎ手で構成されるジンバルを通して伝達される。これは軸受けの表面をテフロン/グラスファイバーで被覆する事によって潤滑材無しでも低摩擦であった。
ジンバルには横方向の調節装置が備えられておりこれによって燃焼室の位置をずらす事によって推力の向きを変えて姿勢制御を行った<ref name="J2fact"/>。

=== 推進剤供給装置 ===
推進剤供給装置は燃料(液体水素)用と酸化剤(液体酸素)用のターボポンプ、バルブ、燃料と酸化剤の流量計と配管から構成される<ref name="J2fact"/>。ターボポンプの軸受けは極低温下の為、潤滑材や他の流体を潤滑に使用できないので加圧された液体水素や液体酸素を潤滑に使用する。


== J-2S ==
== J-2S ==
J-2エンジンの性能を向上させる実験計画は、[[1964年]]にJ-2Xという名称でスタートした(後に同名の全く異なる計画が行なわれたため、しばしば混同される)。原型のJ-2からの主な変更点は、燃料の供給システムを[[ガス発生器サイクル]](Gas Generator Cycle)からタップオフサイクル(tap-off cycle)に変更したことである。
J-2エンジンの性能を向上させる実験計画は、[[1964年]]にJ-2Xという名称でスタートした(後に同名の全く異なる計画が行なわれたため、しばしば混同される)。原型のJ-2からの主な変更点は、燃料の供給システムを[[ガス発生器サイクル]](Gas Generator Cycle)から[[タップオフサイクル]](tap-off cycle)に変更したことである。


一般に[[液体燃料ロケット]]エンジンは、毎秒数百[[リットル]]以上もの燃料や酸化剤を消費するため、それらをタンクから燃焼室に送るための強力な動力が必要になってくる。ガス発生器サイクルは最も基本的なシステムで、[[ポンプ]]の出口から燃料と酸化剤の一部を取り出し、別に設置したガス発生器の中で燃焼させ、その排気ガスによってポンプに直結した[[タービン]]を駆動するというものである。使用済みの排気ガスは[[ノズル]]の中に排出され、[[推力]]として還元される。
一般に[[液体燃料ロケット]]エンジンは、毎秒数百[[リットル]]以上もの燃料や酸化剤を消費するため、それらをタンクから燃焼室に送るための強力な動力が必要になってくる。ガス発生器サイクルは最も基本的なシステムで、[[ポンプ]]の出口から燃料と酸化剤の一部を取り出し、別に設置したガス発生器の中で燃焼させ、その排気ガスによってポンプに直結した[[タービン]]を駆動するというものである。使用済みの排気ガスは[[ノズル]]の中に排出され、[[推力]]として還元される。


これに対しタップオフサイクルは主燃焼室にあたかも蛇口(tap)を設置するようにして直接燃焼ガスの一部を取り出し、タービンを駆動させるものである。これによって、主燃焼ガスの半分以下の温度の燃焼ガスを利用でき、ガス発生器を設置する必要がなくなるというメリットがある<ref>中村佳朗監修/鈴木弘一著『ロケットエンジン』森北出版株式会社</ref>。またエンジンを構成する部品が少なくなるため、各種装置の始動のタイミングが的確になり、点火もしやすくなる。
これに対しタップオフサイクルは主燃焼室にあたかも蛇口(tap)を設置するようにして直接燃焼ガスの一部を取り出し、タービンを駆動させるものである。これによって、主燃焼ガスの半分以下の温度の燃焼ガスを利用でき、ガス発生器を設置する必要がなくなるというメリットがある<ref>[[中村佳朗]] 監修/鈴木弘一 著『ロケットエンジン』森北出版株式会社</ref>。またエンジンを構成する部品が少なくなるため、各種装置の始動のタイミングが的確になり、点火もしやすくなる。


さらにJ-2では液体水素と液体酸素の混合比率を変えることで燃焼圧力を的確に変化させる推力調整機能が追加されたことにより、幅広い打ち上げ計画に柔軟に対応できるようになった。また無重力状態の軌道上で、燃焼前に燃料をタンクの底に押しつけ、エンジンに送り込むために微少な推力を発生させる「[[アイドリング]]・モード」機能も新規に追加された。
さらにJ-2では液体水素と液体酸素の混合比率を変えることで燃焼圧力を的確に変化させる推力調整機能が追加されたことにより、幅広い打ち上げ計画に柔軟に対応できるようになった。また無重力状態の軌道上で、燃焼前に燃料をタンクの底に押しつけ、エンジンに送り込むために微少な推力を発生させる「[[アイドリング]]・モード」も新規に追加された。


実験段階でロケットダインは試作品J-2Sを6基製作し、それらは[[1965年]]から[[1972年]]にかけ、のべ30,858秒(8時間34分18秒)にわたり燃焼試験が行なわれた、[[アポロ計画]]が中止され[[サターンロケット]]の発注がなくなったために、J-2Sの開発も取りやめになった。その後もNASAはJ-2Sをアポロ以外の様々な計画に使用することを検討し、スペースシャトルの初期の概念図では5基のJ-2Sを搭載したイラストなども描かれていたが、実現されることはなかった。
実験段階でロケットダインは試作品J-2Sを6基製作し、それらは[[1965年]]から[[1972年]]にかけ、のべ30,858秒(8時間34分18秒)にわたり燃焼試験が行なわれた。しかし、[[アポロ計画]]が中止され[[サターンロケット]]の発注がなくなったために、J-2Sの開発も取りやめになった。その後もNASAはJ-2Sをアポロ以外の様々な計画に使用することを検討し、スペースシャトルの初期の概念図では5基のJ-2Sを搭載したイラストなども描かれていたが、実現されることはなかった。


== J-2T ==
== J-2T ==
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== J-2X ==
== J-2X ==
{{main|J-2X}}
[[Image:J-2X concept image June 2006.png|thumb|J-2X概念図]]
[[ファイル:J-2X concept image June 2006.png|thumb|J-2X概念図]]


[[コンステレーション計画]]における[[アレスI]] ロケットの二段目に、どのエンジンを使用するかという点については、NASAも考慮を重ねた。当初はスペースシャトルのメインエンジンである[[SSME]]を使うことも考えられたが、SSMEは地上で点火するように設計されている。それを宇宙空間で点火するように設計し直し、さらに燃焼試験なども一からやり直すことの手間暇を考えると、J-2を改良して推力を133トンにまで向上させたJ-2Xを使用したほうがよいとNASAは判断した。
現行のスペースシャトルは[[2010年]]に退役し、その後はアポロ宇宙船を基礎にして新規に開発された[[オリオン宇宙船]]を使用する、コンステレーション計画が発足する。


この決定は[[2006年]][[2月18日]]になされ、原案では地球脱出用ロケットに2基のJ-2Xが搭載されることになっていた。これにより、アレスI は2010年にシャトルが退役してから3年以内に、[[オリオン宇宙船]]は[[2014年]]までに発射が可能になると予想されていた。さらにJ-2Xを、宇宙船打ち上げ用のアレスI と貨物打ち上げ用のアレスV の両方に使うことにすれば、開発の手間はさらに省けることになる。そこで[[2007年]][[8月23日]]に[[ジョン・C・ステニス宇宙センター|ステニス宇宙センター]](Stennis Space Center)に高高度環境下での燃焼試験台が建設され<ref>
ところでそのオリオン宇宙船を打ち上げるアレスI ロケットの二段目に、どのエンジンを使用するかという点については、NASAも考慮を重ねた。当初はスペースシャトルのメインエンジンであるSSMEを使うことも考えられたが、SSMEは地上で点火するように設計されている。それを宇宙空間で点火するように設計し直し、さらに燃焼試験なども一からやり直すことの手間暇を考えると、J-2を改良して推力を133トンにまで向上させたJ-2Xを使用したほうがよいとNASAは判断した。
{{cite press|date=August 23, 2007| title = NASA's Stennis Space Center Marks New Chapter in Space Exploration | url = http://www.nasa.gov/home/hqnews/2007/aug/HQ_07180_Stennis_groundbreaking.html | publisher = NASA}}</ref>、J-2X開発のために2007年12月から[[2008年]]5月にかけて、旧式のJ-2エンジンの燃焼試験が行われた<ref>
{{cite press| title = NASA Successfully Completes First Series of Ares Engine Tests | url = http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/may/HQ_08116_power_pack_tests.html | publisher = NASA | date = May 8, 2008| accessdate = May 8, 2008}}</ref>。


新しいJ-2Xは、アポロ計画で使用された原型のJ-2よりもはるかに効率的でシンプルな構造になっており、またコストの面においても、シャトルの[[SSME]]よりもずっと安上がりになるように設計されている。燃料ポンプの駆動には、上記のガス発生器サイクルが使用される<ref name="pw.utc.com">{{cite web|title=J-2X Overview|url=http://www.pw.utc.com/Products/Pratt+%26+Whitney+Rocketdyne/J-2X|publisher=Pratt & Whitney Rocketdyne| accessdate = November 19, 2008}}</ref>。
この決定は[[2006年]][[2月18日]]になされ、原案では地球脱出用ロケットに2基のJ-2Xが搭載されることになっていた。これにより、アレスI は2010年にシャトルが退役してから3年以内に、オリオン宇宙船は[[2014年]]までに発射が可能になると予想される。さらにJ-2Xを、宇宙船発射用のアレスI と貨物発射用のアレスV の両方に使うことにすれば、開発の手間はさらに省けることになる。そこで[[2007年]][[8月23日]]にステンニス宇宙センター(Stennis Space Center)に燃焼試験台が建設され、J-2X開発のために2007年12月から[[2008年]]5月にかけて、旧式のJ-2エンジンの燃焼試験が行われた。


2007年[[7月16日]]、NASAは[[ロケットダイン]]社と、[[アレスI]] および[[アレスV]] ロケットの上段に使用するJ-2Xのデザイン・開発・試験・評価に関する総額12億[[ドル]]の契約を正式に交わした<ref>{{cite press| title = NASA Awards Upper Stage Engine Contract for Ares Rockets | publisher = NASA | date = July 16, 2007| url = http://www.nasa.gov/home/hqnews/2007/jul/HQ_C07030_J2X_Contract_prt.htm | accessdate=2007-07-17}}</ref>。同年[[9月8日]]には、[[ロケットダイン]]はJ-2Xで使用されるガス発生器の試験が順調に行なわれたことを表明した。<ref>{{cite press|url=http://www.pw.utc.com/Media+Center/Press+Releases/Pratt+%26+Whitney+Rocketdyne+Completes+Successful+Test+of+J-2X+Gas+Generator|title=Pratt & Whitney Rocketdyne Completes Successful Test of J-2X Gas Generator |date=September 8, 2008|publisher=Pratt & Whitney Rocketdyne| accessdate = November 19, 2008}}</ref>順調に進めば2010年に最初の燃焼試験を行う予定だった<ref>{{cite press|title=Pratt & Whitney Rocketdyne Successfully Completes Critical Design Review on J-2X Rocket Engine|url=http://www.pw.utc.com/Media+Center/Press+Releases/Pratt+%26+Whitney+Rocketdyne+Successfully+Completes+Critical+Design+Review+on+J-2X+Rocket+Engine|publisher=Pratt & Whitney Rocketdyne|date=November 19, 2008| accessdate = November 19, 2008}}</ref>。
J-2Xは、アポロ計画で使用された原型のJ-2よりもはるかに効率的でシンプルな構造になっており、またコストの面においても、シャトルのSSMEよりもずっと安上がりになるように設計されている。燃料ポンプの駆動には、上記のガス発生器サイクルが使用される。


しかしその後、コンステレーション計画が中止になってアレスロケットがキャンセルされた事により、J-2Xは使い道が無くなってしまった。2014年に、開発試験が終了した後は使い道がないため倉庫入りとなる。NASAは火星ミッションが当分実現できないため、他のミッションへの転用の道を模索しているが、[[スペース・ローンチ・システム]](SLS)はJ-2Xではなく、RL-10エンジンを上段ステージで使う方向になっており、使い道がなくなっている。J-2Xエンジンは上段ロケットとしてはパワーがありすぎ、SLSを火星ミッションに使わないのであれば、RL-10エンジンを3から4基使えば間に合うというのが理由<ref>{{cite news | title = NASA’s J-2X Engine To Be Mothballed After Testing
2007年[[7月16日]]、NASAはロケットダイン社と、アレスI およびアレスV ロケットの上段に使用するJ-2Xのデザイン・開発・試験・評価に関する総額12億[[ドル]]の契約を正式に交わした。同年[[9月8日]]には、ロケットダインはJ-2Xで使用されるガス発生器の試験が順調に行なわれたことを表明した。
| url = http://aviationweek.com/awin/nasa-s-j-2x-engine-be-mothballed-after-testing
| publisher = Aviationweek.com | date = 2013-10-4 | accessdate = 2014-12-26}}</ref>。


== 詳細 ==
== 要目 ==
=== J-2 ===
=== J-2 ===
[[File:J2science museum.jpg|thumb|right|J-2エンジン]]
[[ファイル:J-2 science museum.jpg|thumb|right|J-2エンジン]]
推力(高々度):90トン(890[[kN]])<br>
推力(高々度):90トン(890k[[ニュートン (単位)|N]])<br/>
燃焼時間:500秒<br>
燃焼時間:500秒<br/>
乾燥重量:1,579kg<br>
乾燥重量:1,579kg<br/>
装備重量:1,637kg<br>
装備重量:1,637kg<br/>
ノズル圧力比:27.5対1<br>
ノズル圧力比:27.5対1<br/>
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素<br>
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素<br/>
混合比:5.50<br>
混合比:5.50<br/>
製作:ロケットダイン社<br>
製作:ロケットダイン社<br/>
使用ロケット:S-IVB(サターンV 三段目およびサターンIB 二段目)で1基、S-II(サターンV 二段目)で5基<br>
使用ロケット:S-IVB(サターンV 三段目およびサターンIB 二段目)で1基、S-II(サターンV 二段目)で5基<br/>


=== J-2S ===
=== J-2S ===
推力(真空中):120トン(1179kN)<br>
推力(真空中):120トン(1179kN)<br/>
[[比推力]](真空中):436秒(秒速4,276m)<br>
[[比推力]](真空中):436秒(秒速4,276m)<br/>
乾燥重量:1,467kg<br>
乾燥重量:1,467kg<br/>
装備重量:1,724kg<br>
装備重量:1,724kg<br/>
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素<br>
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素<br/>
製作:[[ロックウェル・インターナショナル]]/ロケットダイン社<br>
製作:[[ロックウェル・インターナショナル]]/ロケットダイン社<br/>


=== J-2X ===
=== J-2X ===
推力(真空中):133トン<br>
推力(真空中):133トン<br/>
比推力(真空中):448秒<br>
比推力(真空中):448秒<br/>
乾燥重量:2,469kg<br>
乾燥重量:2,469kg<br/>
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素<br>
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素<br/>
製作:[[プラット・アンド・ホイットニー]]/ロケットダイン社<br>
製作:[[プラット・アンド・ホイットニー]]/ロケットダイン社<br/>
使用ロケット:アレスI 上段で1基、アレスV 上段で1基<br>
使用される予定だったロケット:アレスI 上段で1基、アレスV 上段で1基<br/>

{| class="sortable wikitable"
!
! J-2<ref name="http://www.astronautix.com/engines/j2.htm">{{cite web|title=J-2|url=http://www.astronautix.com/engines/j2.htm|publisher=Astronautix| accessdate = November 19, 2008}}</ref>
! J-2S<ref name="http://www.astronautix.com/engines/j2s.htm">{{cite web|title=J-2S|url=http://www.astronautix.com/engines/j2s.htm|publisher=Astronautix| accessdate = November 19, 2008}}</ref>
! J-2X<ref name="http://www.astronautix.com/engines/j2x.htm">{{cite web|title=J-2X|url=http://www.astronautix.com/engines/j2x.htm|publisher=Astronautix| accessdate = November 19, 2008}}</ref>
|-
| 推力<small>(真空中)</small>:
| 1,033.1 kN (232,250 lbf)
| 1,138.5 kN (255,945 lbf)
| 1,310 kN (294,490 lbf)
|-
| [[比推力]]<small>(真空中)</small>:
| 421 秒
| 436 秒
| 448 秒
|-
| 燃焼時間:
| 475 秒
| 475 秒
| 465 秒 (アレス I, 上段)
|-
| エンジンの乾燥重量:
| 1,438 kg (3,170 lb).
| 1,400 kg (3,000 lb).
| 2,472 kg (5,450 lb).
|-
| 推進剤:
| [[液体酸素]] & [[液体水素]]
| [[液体酸素]] & [[液体水素]]
| [[液体酸素]] & [[液体水素]]
|-
| 混合比:
| 5.50
| 5.50
| 5.50
|-
| 燃焼圧力:
| 3.0 MPa
| 3.0 MPa
| -
|-
| ノズル開口比:
| 28
| 40
| 80
|-
| 直径:
| 2.01 m (6.60 ft).
| 2.01 m (6.60 ft).
| 3.05 m (10.00 ft).
|-
| 全長:
| 3.38 m (11.08 ft).
| 3.38 m (11.08 ft).
| 4.70 m (15.40 ft).
|-
| 推力重量比:
| 73.18.
| 85.32
| 55.04
|-
| 製造会社:
| [[ロケットダイン]]
| [[ロケットダイン]]
| [[プラット&ホイットニー]]
|-
| 搭載機:
| [[サターン V]] / [[S-II]] 2段目 - 5基<br/>[[サターン V]] / [[S-IVB]] 3段目 - 1基<br/>[[サターン IB]] / [[S-IVB]] 2段目 - 1基
| [[サターン V]] / [[S-II]] 2段目<br/>[[サターン V]] / [[S-IVB]] 3段目<div style="text-align:center">(換装計画)</div>
| [[アレスI]] 上段 - 1基<br/>[[アレスV]] 上段 - 1基<div style="text-align:center">(検討中)</div>
|}


=== 参考文献・注記 ===
=== 参考文献・注記 ===
* {{cite book|last=Bilstein|first=Roger E.|coauthors=|authorlink=|title=Stages to Saturn: a technological history of the Apollo/Saturn launch vehicles|edition=|publisher=University Press of Florida|location=Gainesville|year=2003|isbn=0-8130-2691-1|series=}}
<references/>
{{reflist}}

== 外部リンク ==
{{Commons cat|J-2 (rocket engine)}}
* [http://www.boeing.com/history/bna/j2engine.htm Boeing History: North American Aviation Rocketdyne J-2 Rocket Engine]
* [http://www.pw.utc.com/Products/Pratt+%26+Whitney+Rocketdyne/J-2X Pratt & Whitney Rocketdyne J-2X site]
* [http://www.astronautix.com/engines/j2.htm Encyclopedia Astronautica link about the J-2]
* [http://www.astronautix.com/engines/j2s.htm Encyclopedia Astronautica link about the J-2S]


{{コンステレーション計画}}
{{ロケットエンジン}}
{{Space-stub}}
{{Space-stub}}

{{DEFAULTSORT:しえいつう}}
[[Category:化学推進]]
[[Category:化学推進]]
[[Category:ロケット]]
[[Category:ロケットエンジン]]
[[Category:ロケットエンジン]]
[[Category:液体水素/液体酸素を推進剤とするロケットエンジン]]

[[Category:アメリカ合衆国のロケットエンジン]]
[[de:J-2-Triebwerk]]
[[en:J-2 (rocket engine)]]
[[es:Motor de cohete J-2]]
[[fi:J-2 (rakettimoottori)]]
[[fr:Moteur-fusée J-2]]
[[it:J-2]]
[[pt:J-2]]
[[sk:J-2X (raketový motor)]]
[[fi:J-2 (rakettimoottori)]]
[[sv:J-2 (raketmotor)]]
[[zh:J-2火箭发动机]]

2024年3月12日 (火) 23:14時点における最新版

J-2エンジン詳細
J-2エンジンを5基搭載したサターンV ロケット二段目(S-II)

J-2ロケットエンジンは、アメリカ合衆国で開発された液体燃料ロケットエンジン。ロケットダイン社が製造し、スペースシャトルのメインエンジン(Space Shuttle Main Engine, SSME)が誕生するまでは、アメリカ合衆国で最大出力の液体水素を燃料とするロケットエンジンであった。またNASAの中止されたコンステレーション計画において、アレスI およびアレスV の二段目ロケットとして運用することが予定されていた。

概要

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J-2はサターンIB 型ロケットおよびサターンV 型ロケットの主要な構成部分であり、S-II(サターンV 第二段)には5基、S-IVB(サターンIB 第二段およびサターンV 第三段)には1基が使用された。計画のみで終わった、サターンVよりも大型のノヴァ・ロケットの上段では、より多くのJ-2を使おうという提案もあった。

エンジンの推力は 1,033.1 kN (232,250 lbf)、比推力(Isp)は真空中で421秒(4.13 km/s) (または海面高度で200秒(2.0 km/s))で重量は約1,788kg (3,942 lb)である[1][2][3]。サターンVの2段目であるS-IIには5基、サターンIBサターンVの両方の上段であるS-IVBには1基が使用された。 提案では同様に既存のJ-2エンジンをより大型のロケットであるNovaの上段に複数使用する計画もあった。J-2はアメリカにおいてSSME(RS-25)以前には最も量産された液体水素を燃料とするロケットであり、近代化されたJ-2XがNASAのスペースシャトルを代替するスペース・ローンチ・システム地球離脱ステージでの使用が見込まれる。

J-2エンジンの最大の特徴は、当時運用中だった多くの液体燃料ロケットエンジンとは異なり、宇宙空間で再点火することが可能であるということである。サターンVの3段であるS-IVBでは飛行中に停止後1度再着火するように設計された。最初の約2分間の燃焼でアポロ宇宙船は待機軌道へ投入される。乗員による宇宙船の点検後、宇宙船は通常の運航になり、J-2は再着火され6.5分間燃焼し、宇宙船を加速させ地球の引力圏を脱出して月へ向う遷移軌道へ投入する。

要素

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J-2エンジンの推進剤の流れを示した模式図

燃焼器とジンバルシステム

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J-2の燃焼器はエンジンの中心に位置して燃焼器本体、噴射器とドーム、点火器とジンバル軸受けから構成される[2]

燃焼室は厚みが0.30ミリメートル (0.012 in)のステンレス鋼の管を束ねてろう付けによって一体化されている。燃焼室は釣鐘状で高高度においてより効率的な運転のために膨張面積比が27.5:1となっており、燃料による再生冷却である。燃料は燃焼室の中間のマニホールドから入り、6,900 kPa (1,000 psi)以上の圧力で出る。燃焼室で点火され加速された高温のガスが噴出する事で推力が生じる[2]

噴射器にはターボポンプからの圧力がかかり、燃焼に最適な比率で混合する。614個の酸化剤と燃料噴射装置は同心円状に配置される。噴射器の先端は多孔で周囲が噴射器本体に溶接されたステンレスの金網を積層して形成された。噴射器は液体酸素をドームのマニホールドを通して燃焼室内の燃焼領域に向けて噴射する[2]

推力は高負荷(140,000 kPa)がかかり球面で構成される自在継ぎ手で構成されるジンバルを通して伝達される。これは軸受けの表面をテフロン/グラスファイバーで被覆する事によって潤滑材無しでも低摩擦であった。 ジンバルには横方向の調節装置が備えられておりこれによって燃焼室の位置をずらす事によって推力の向きを変えて姿勢制御を行った[2]

推進剤供給装置

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推進剤供給装置は燃料(液体水素)用と酸化剤(液体酸素)用のターボポンプ、バルブ、燃料と酸化剤の流量計と配管から構成される[2]。ターボポンプの軸受けは極低温下の為、潤滑材や他の流体を潤滑に使用できないので加圧された液体水素や液体酸素を潤滑に使用する。

J-2S

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J-2エンジンの性能を向上させる実験計画は、1964年にJ-2Xという名称でスタートした(後に同名の全く異なる計画が行なわれたため、しばしば混同される)。原型のJ-2からの主な変更点は、燃料の供給システムをガス発生器サイクル(Gas Generator Cycle)からタップオフサイクル(tap-off cycle)に変更したことである。

一般に液体燃料ロケットエンジンは、毎秒数百リットル以上もの燃料や酸化剤を消費するため、それらをタンクから燃焼室に送るための強力な動力が必要になってくる。ガス発生器サイクルは最も基本的なシステムで、ポンプの出口から燃料と酸化剤の一部を取り出し、別に設置したガス発生器の中で燃焼させ、その排気ガスによってポンプに直結したタービンを駆動するというものである。使用済みの排気ガスはノズルの中に排出され、推力として還元される。

これに対し、タップオフサイクルは主燃焼室にあたかも蛇口(tap)を設置するようにして直接燃焼ガスの一部を取り出し、タービンを駆動させるものである。これによって、主燃焼ガスの半分以下の温度の燃焼ガスを利用でき、ガス発生器を設置する必要がなくなるというメリットがある[4]。またエンジンを構成する部品が少なくなるため、各種装置の始動のタイミングが的確になり、点火もしやすくなる。

さらに、J-2では液体水素と液体酸素の混合比率を変えることで燃焼圧力を的確に変化させる推力調整機能が追加されたことにより、幅広い打ち上げ計画に柔軟に対応できるようになった。また無重力状態の軌道上で、燃焼前に燃料をタンクの底に押しつけ、エンジンに送り込むために微少な推力を発生させる「アイドリング・モード」も新規に追加された。

実験段階でロケットダインは試作品J-2Sを6基製作し、それらは1965年から1972年にかけ、のべ30,858秒(8時間34分18秒)にわたり燃焼試験が行なわれた。しかし、アポロ計画が中止されサターンロケットの発注がなくなったために、J-2Sの開発も取りやめになった。その後もNASAはJ-2Sをアポロ以外の様々な計画に使用することを検討し、スペースシャトルの初期の概念図では5基のJ-2Sを搭載したイラストなども描かれていたが、実現されることはなかった。

J-2T

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J-2Sの開発計画が進行している間、NASAはJ-2Sにターボマシンと、空力的な効果を考慮に入れたエアロスパイク・ノズルを搭載して性能を向上させたモデルについても検討していた。推力90トンを発揮するJ-2T-200kと、推力113トンを発揮するJ-2T-250kの二種類の試作品が製作され、J-2Sと同様長時間にわたって燃焼試験が行なわれたが、アポロ計画の中止によって取りやめになった。

J-2X

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J-2X概念図

コンステレーション計画におけるアレスI ロケットの二段目に、どのエンジンを使用するかという点については、NASAも考慮を重ねた。当初はスペースシャトルのメインエンジンであるSSMEを使うことも考えられたが、SSMEは地上で点火するように設計されている。それを宇宙空間で点火するように設計し直し、さらに燃焼試験なども一からやり直すことの手間暇を考えると、J-2を改良して推力を133トンにまで向上させたJ-2Xを使用したほうがよいとNASAは判断した。

この決定は2006年2月18日になされ、原案では地球脱出用ロケットに2基のJ-2Xが搭載されることになっていた。これにより、アレスI は2010年にシャトルが退役してから3年以内に、オリオン宇宙船2014年までに発射が可能になると予想されていた。さらにJ-2Xを、宇宙船打ち上げ用のアレスI と貨物打ち上げ用のアレスV の両方に使うことにすれば、開発の手間はさらに省けることになる。そこで2007年8月23日ステニス宇宙センター(Stennis Space Center)に高高度環境下での燃焼試験台が建設され[5]、J-2X開発のために2007年12月から2008年5月にかけて、旧式のJ-2エンジンの燃焼試験が行われた[6]

新しいJ-2Xは、アポロ計画で使用された原型のJ-2よりもはるかに効率的でシンプルな構造になっており、またコストの面においても、シャトルのSSMEよりもずっと安上がりになるように設計されている。燃料ポンプの駆動には、上記のガス発生器サイクルが使用される[7]

2007年7月16日、NASAはロケットダイン社と、アレスI およびアレスV ロケットの上段に使用するJ-2Xのデザイン・開発・試験・評価に関する総額12億ドルの契約を正式に交わした[8]。同年9月8日には、ロケットダインはJ-2Xで使用されるガス発生器の試験が順調に行なわれたことを表明した。[9]順調に進めば2010年に最初の燃焼試験を行う予定だった[10]

しかしその後、コンステレーション計画が中止になってアレスロケットがキャンセルされた事により、J-2Xは使い道が無くなってしまった。2014年に、開発試験が終了した後は使い道がないため倉庫入りとなる。NASAは火星ミッションが当分実現できないため、他のミッションへの転用の道を模索しているが、スペース・ローンチ・システム(SLS)はJ-2Xではなく、RL-10エンジンを上段ステージで使う方向になっており、使い道がなくなっている。J-2Xエンジンは上段ロケットとしてはパワーがありすぎ、SLSを火星ミッションに使わないのであれば、RL-10エンジンを3から4基使えば間に合うというのが理由[11]

要目

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J-2

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J-2エンジン

推力(高々度):90トン(890kN
燃焼時間:500秒
乾燥重量:1,579kg
装備重量:1,637kg
ノズル圧力比:27.5対1
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素
混合比:5.50
製作:ロケットダイン社
使用ロケット:S-IVB(サターンV 三段目およびサターンIB 二段目)で1基、S-II(サターンV 二段目)で5基

J-2S

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推力(真空中):120トン(1179kN)
比推力(真空中):436秒(秒速4,276m)
乾燥重量:1,467kg
装備重量:1,724kg
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素
製作:ロックウェル・インターナショナル/ロケットダイン社

J-2X

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推力(真空中):133トン
比推力(真空中):448秒
乾燥重量:2,469kg
燃料/酸化剤:液体水素/液体酸素
製作:プラット・アンド・ホイットニー/ロケットダイン社
使用される予定だったロケット:アレスI 上段で1基、アレスV 上段で1基

J-2[12] J-2S[13] J-2X[14]
推力(真空中): 1,033.1 kN (232,250 lbf) 1,138.5 kN (255,945 lbf) 1,310 kN (294,490 lbf)
比推力(真空中): 421 秒 436 秒 448 秒
燃焼時間: 475 秒 475 秒 465 秒 (アレス I, 上段)
エンジンの乾燥重量: 1,438 kg (3,170 lb). 1,400 kg (3,000 lb). 2,472 kg (5,450 lb).
推進剤: 液体酸素 & 液体水素 液体酸素 & 液体水素 液体酸素 & 液体水素
混合比: 5.50 5.50 5.50
燃焼圧力: 3.0 MPa 3.0 MPa -
ノズル開口比: 28 40 80
直径: 2.01 m (6.60 ft). 2.01 m (6.60 ft). 3.05 m (10.00 ft).
全長: 3.38 m (11.08 ft). 3.38 m (11.08 ft). 4.70 m (15.40 ft).
推力重量比: 73.18. 85.32 55.04
製造会社: ロケットダイン ロケットダイン プラット&ホイットニー
搭載機: サターン V / S-II 2段目 - 5基
サターン V / S-IVB 3段目 - 1基
サターン IB / S-IVB 2段目 - 1基
サターン V / S-II 2段目
サターン V / S-IVB 3段目
(換装計画)
アレスI 上段 - 1基
アレスV 上段 - 1基
(検討中)

参考文献・注記

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  • Bilstein, Roger E. (2003). Stages to Saturn: a technological history of the Apollo/Saturn launch vehicles. Gainesville: University Press of Florida. ISBN 0-8130-2691-1 
  1. ^ Marshall Space Flight Center. “J-2 engine”. NASA. 22 February 2012閲覧。
  2. ^ a b c d e f J-2 Engine Fact Sheet”. Saturn V News Reference. NASA (December 1968). 22 February 2012閲覧。
  3. ^ J-2”. Astronautix. 22 February 2012閲覧。
  4. ^ 中村佳朗 監修/鈴木弘一 著『ロケットエンジン』森北出版株式会社
  5. ^ "NASA's Stennis Space Center Marks New Chapter in Space Exploration" (Press release). NASA. 23 August 2007.
  6. ^ "NASA Successfully Completes First Series of Ares Engine Tests" (Press release). NASA. 8 May 2008. 2008年5月8日閲覧
  7. ^ J-2X Overview”. Pratt & Whitney Rocketdyne. November 19, 2008閲覧。
  8. ^ "NASA Awards Upper Stage Engine Contract for Ares Rockets" (Press release). NASA. 16 July 2007. 2007年7月17日閲覧
  9. ^ "Pratt & Whitney Rocketdyne Completes Successful Test of J-2X Gas Generator" (Press release). Pratt & Whitney Rocketdyne. 8 September 2008. 2008年11月19日閲覧
  10. ^ "Pratt & Whitney Rocketdyne Successfully Completes Critical Design Review on J-2X Rocket Engine" (Press release). Pratt & Whitney Rocketdyne. 19 November 2008. 2008年11月19日閲覧
  11. ^ “NASA’s J-2X Engine To Be Mothballed After Testing”. Aviationweek.com. (2013年10月4日). http://aviationweek.com/awin/nasa-s-j-2x-engine-be-mothballed-after-testing 2014年12月26日閲覧。 
  12. ^ J-2”. Astronautix. November 19, 2008閲覧。
  13. ^ J-2S”. Astronautix. November 19, 2008閲覧。
  14. ^ J-2X”. Astronautix. November 19, 2008閲覧。

外部リンク

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