「Marionette (BOØWYの曲)」の版間の差分
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{{Pathnav|frame=1|BOØWY|BOØWYの作品}} |
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{{Infobox Single <!-- Wikipedia:ウィキプロジェクト 楽曲 をご覧ください --> |
{{Infobox Single <!-- Wikipedia:ウィキプロジェクト 楽曲 をご覧ください --> |
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| Name |
| Name = Marionette -マリオネット- |
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| Artist |
| Artist = [[BOØWY]] |
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| Album |
| Album = [[PSYCHOPATH]] |
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| A-side |
| A-side = |
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| B-side |
| B-side = 「ワイルド・ワン (THE WILD ONE)」 |
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| Released |
| Released = [[1987年]][[7月22日]] |
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| Format |
| Format = [[レコード#7インチシングル盤|7インチレコード]] |
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| Recorded |
| Recorded = {{Unbulleted list|1987年6月|セディックAスタジオ}} |
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| Genre |
| Genre = {{Hlist-comma|[[ロック (音楽)|ロック]]|[[ポップ・ミュージック|ポップス]]|[[オルタナティヴ・ロック]]|[[ポップ・ロック]]}} |
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| Length |
| Length = 3分37秒 |
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| Label |
| Label = [[EMIミュージック・ジャパン|東芝EMI]]/イーストワールド |
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| Writer = 作詞:[[氷室京介]]<br />作曲:[[布袋寅泰]] |
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| Lyricist = [[氷室京介]] |
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*1987年8月度月間1位(オリコン) |
*1987年8月度月間1位(オリコン) |
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*1987年度年間20位(オリコン) |
*1987年度年間20位(オリコン) |
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*1位([[ザ・ベストテン]]) |
*週間1位([[ザ・ベストテン]]) |
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*1987年度年間17位([[ザ・ベストテン]]) |
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| Last single = 「[[ONLY YOU (BOØWYの曲)|ONLY YOU]]」<br />(1987年) |
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| This single = 「'''Marionette -マリオネット-'''」<br />(1987年) |
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| Misc |
| Misc = {{Extra track listing |
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| Album = [[PSYCHOPATH]] |
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| Type = Studio |
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|4 = 4.「GIGOLO & GIGOLET」 |
|4 = 4.「GIGOLO & GIGOLET」 |
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|5 = 5.「RENDEZ-VOUS (LIVE IN HAMBURG JULY 1987)」 |
|5 = 5.「RENDEZ-VOUS (LIVE IN HAMBURG JULY 1987)」 |
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|6 = 12.「[[季節が君だけを変える]]」 |
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{{External music video|1=[https://www.youtube.com/watch?v=8GKnkRVUjKk BOØWY「MARIONETTE」〜 『BOØWY 1224 -THE ORIGINAL-』より] (UNIVERSAL MUSIC JAPAN公式YouTube)}} |
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| EAN = {{JAN|4988006015937}}(1987年・7")<br />{{JAN|4988006050846}}(1989年・CD) |
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「'''Marionette -マリオネット-'''」は、[[日本]]の[[バンド (音楽)|ロックバンド]]である[[BOØWY]]の楽曲。 |
「'''Marionette -マリオネット-'''」は、[[日本]]の[[バンド (音楽)|ロックバンド]]である[[BOØWY]]の楽曲。 |
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前作「[[ONLY YOU (BOØWYの曲)|ONLY YOU]]」(1987年)よりおよそ3か月ぶりにリリースされたシングルであり、6枚目のアルバム『[[PSYCHOPATH]]』(1987年)からの先行シングルとなった。後の[[ヴィジュアル系]]に先駆けた世界観や[[日本のロック|J-ROCK]]を確立したサウンドを特徴としている。解散までの全てのライブで演奏され、同バンドの代表曲となった。 |
前作「[[ONLY YOU (BOØWYの曲)|ONLY YOU]]」(1987年)よりおよそ3か月ぶりにリリースされたシングルであり、6枚目のアルバム『[[PSYCHOPATH]]』(1987年)からの先行シングルとなった。後の[[ヴィジュアル系]]に先駆けた世界観や[[日本のロック|J-ROCK]]を確立したサウンドを特徴としている。解散までの全てのライブで演奏され、同バンドの代表曲となった。 |
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[[オリコンチャート]]ではバンド初の1位を獲得し、BOØWYとしては最も売り上げの高いシングルとなった |
[[オリコンチャート|オリコンシングルチャート]]ではバンド初の第1位を獲得し、BOØWYとしては最も売り上げの高いシングルとなった。 |
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== 背景 == |
== 背景 == |
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「ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR」最終日となった1987年 |
「ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR」最終日となった1987年2月24日の[[日本武道館]]公演終了後、BOØWYの解散が決定事項となった{{Sfn|高橋まこと|2017|p=188|ps= - 「3章 酒とバラの日々(1982年~1993年)」より}}。解散が決定事項となって以降、[[氷室京介]]と[[布袋寅泰]]は直接対話する事がなくなり全て土屋を通してコミュニケーションをとる形となり、高橋は関係の修復を試みようとしたが不発に終わる事となった{{Sfn|高橋まこと|2017|p=194|ps= - 「3章 酒とバラの日々(1982年~1993年)」より}}。その後氷室は休養を取り[[ロンドン]]に滞在、布袋および[[松井常松|松井恒松]]は[[山下久美子]]のコンサートツアーに帯同していた{{Sfn|B to Y|2004|p=137|ps= - 「HISTORY」より}}。その際に東芝EMIから「ONLY YOU」のシングルカットの要望が出され、東京には[[高橋まこと]]しかいなかったために高橋は1人でプロモーション活動を行う事となった{{Sfn|高橋まこと|2017|p=191|ps= - 「3章 酒とバラの日々(1982年~1993年)」より}}。同時期にレコーディング・ディレクターであった子安次郎はプロデューサーである[[糟谷銑司]]と共にロンドンに滞在中だった氷室の元へ赴き、1枚だけ新しいアルバムを制作する約束を取り付けた{{Sfn|B to Y|2004|p=96|ps= - 「WORKS」より}}。 |
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== 録音、音楽性 == |
== 録音、音楽性 == |
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レコーディングは1987年6月に[[六本木]]にあるセディックAスタジオにて行われた{{Sfn|高橋まこと|2017|p=196|ps= - 「3章 酒とバラの日々(1982年~1993年)」より}}。アルバム『PSYCHOPATH』のレコーディング中に本作がシングルとしてリリースされる事が決定し、シングル用の[[ミキシング|トラック・ダウン]]がテイクワン・スタジオでエンジニアの坂元達也によって行われた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。当時一般のリスナーが所有していたのは[[ラジオカセットレコーダー|ラジカセ]]や[[カーオーディオ|カーステレオ]]、[[ウォークマン]]などであったため、本作もトラック・ダウン終了後の確認はロビーに設置されたラジカセで行われた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。全員がOKを出した後も布袋だけはイントロだけを再度再生し念を入れて確認していたという{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。 |
レコーディングは1987年6月に[[六本木]]にあるセディックAスタジオにて行われた{{Sfn|高橋まこと|2017|p=196|ps= - 「3章 酒とバラの日々(1982年~1993年)」より}}。アルバム『PSYCHOPATH』のレコーディング中に本作がシングルとしてリリースされる事が決定し、シングル用の[[ミキシング|トラック・ダウン]]がテイクワン・スタジオでエンジニアの坂元達也によって行われた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。当時一般のリスナーが所有していたのは[[ラジオカセットレコーダー|ラジカセ]]や[[カーオーディオ|カーステレオ]]、[[ウォークマン]]などであったため、本作もトラック・ダウン終了後の確認はロビーに設置されたラジカセで行われた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。全員がOKを出した後も布袋だけはイントロだけを再度再生し念を入れて確認していたという{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。 |
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本作は当初シングルとしてリリースする予定はなく{{Sfn|別冊宝島|2006|p=117|ps= - 「BOØWY 全79曲 勝手にライナーノーツ」より}}、氷室は「 |
本作は当初シングルとしてリリースする予定はなく{{Sfn|別冊宝島|2006|p=117|ps= - 「BOØWY 全79曲 勝手にライナーノーツ」より}}、氷室は「これ以前に売れちゃってる実績があるから、どうせ売れちゃうんだったらこれも売れるかなって実験的なことをした。“これでも食らえ!”的な(笑)」と述べている{{Sfn|月刊カドカワ|1991|p=49|ps= - 「本人自身による全作品解説」より}}。布袋は特にシングルとして意識した曲ではないと述べた他、アルバム全体のニュアンスを意識してアレンジは決定していると述べている{{Sfn|ARENA37℃|2001|p=54|ps= - 紺待人「1987年9月号 ALBUM『PSYCHOPATH』インタビュー」より}}。歌詞は氷室が長年温めていたテーマであり、曲に合っていたために歌詞として採用された{{Sfn|ARENA37℃|2001|p=54|ps= - 紺待人「1987年9月号 ALBUM『PSYCHOPATH』インタビュー」より}}。『音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』にて[[社会学者]]の木島由晶は、歌詞の韻を踏むセンスや日本語と英語のコンビネーションが絶妙であると述べ、後の[[ヴィジュアル系]]の嚆矢となった事や日本語ロックを[[日本のロック|J-ROCK]]として確立した事に貢献した事などを主張した{{Sfn|別冊宝島|2006|p=117|ps= - 「BOØWY 全79曲 勝手にライナーノーツ」より}}。 |
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B面曲の「ワイルド・ワン (THE WILD ONE)」は[[アメリカ合衆国]]のミュージシャンである[[スージー・クアトロ]]のカバー曲。本作のシングルカットが決定された際に、会議においてアルバムには収録しないカバー曲を制作する事が決定し、様々な候補の中から「ワイルド・ワン」が選定される事となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。お遊び的な要素が強い事からクアトロ本人との共演が望ましいとの結論が出されたが、シングルのリリース日は既に決定していたため緊急工程が組まれる事となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。スタッフはすぐにクアトロ側にレコーディング依頼を行い、翌週の月曜日にはロンドンにてクアトロのボーカル部分のみのレコーディングが行われる運びとなったために、子安は1人でBOØWYの演奏が収録されたマルチテープを持参して[[ロンドン]]へと向かう事となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。レコーディングは2、3テイクでOKとなり、水曜日に日本に帰国した子安は[[成田国際空港]]から六本木のセディックAスタジオまで駆けつけ、氷室の歌入れが終了した後にすぐトラック・ダウンを完了させた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。[[完全パッケージメディア|完パケ]]が完成したのが木曜日の早朝となり、子安は「Marionette」と「ワイルド・ワン」のマスターテープを[[御殿場市|御殿場]]にある東芝EMIのプレス工場に持ち込みぎりぎりでリリースに漕ぎつける形となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。ちなみにクアトロは歌声も[[ギャランティー]]も全盛期と変わらなかったという{{Sfn|別冊宝島|2002|p=117|ps= - 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より}}。また、「ワイルド・ワン」は1987年夏のイベントライブにおいて数回演奏されている{{Efn| |
B面曲の「ワイルド・ワン (THE WILD ONE)」は[[アメリカ合衆国]]のミュージシャンである[[スージー・クアトロ]]のカバー曲。本作のシングルカットが決定された際に、会議においてアルバムには収録しないカバー曲を制作する事が決定し、様々な候補の中から「ワイルド・ワン」が選定される事となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。お遊び的な要素が強い事からクアトロ本人との共演が望ましいとの結論が出されたが、シングルのリリース日は既に決定していたため緊急工程が組まれる事となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。スタッフはすぐにクアトロ側にレコーディング依頼を行い、翌週の月曜日にはロンドンにてクアトロのボーカル部分のみのレコーディングが行われる運びとなったために、子安は1人でBOØWYの演奏が収録されたマルチテープを持参して[[ロンドン]]へと向かう事となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。レコーディングは2、3テイクでOKとなり、水曜日に日本に帰国した子安は[[成田国際空港]]から六本木のセディックAスタジオまで駆けつけ、氷室の歌入れが終了した後にすぐトラック・ダウンを完了させた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。[[完全パッケージメディア|完パケ]]が完成したのが木曜日の早朝となり、子安は「Marionette」と「ワイルド・ワン」のマスターテープを[[御殿場市|御殿場]]にある東芝EMIのプレス工場に持ち込みぎりぎりでリリースに漕ぎつける形となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。ちなみにクアトロは歌声も[[ギャランティー]]も全盛期と変わらなかったという{{Sfn|別冊宝島|2002|p=117|ps= - 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より}}。また、「ワイルド・ワン」は1987年夏のイベントライブにおいて数回演奏されている{{Efn|1987年8月22日、23日に熊本阿蘇の野外音楽堂[[アスペクタ]]でおこなわれたオールナイト・ロックフェスティバル「[[BEAT CHILD]](ビートチャイルド)」での演奏が公式映像として、ライブ・ビデオボックス『[[“GIGS” BOX]]』(2007年)のDisc4に収録されている。}}{{Sfn|別冊宝島|2002|p=117|ps= - 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より}}。 |
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== リリース == |
== リリース、チャート成績 == |
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[[1987年]][[4月6日]]に[[EMIミュージック・ジャパン|東芝EMI]]のイーストワールドレーベルから[[レコード|7インチレコード]]の形態でリリースされた。アートワークはペーパースリーブジャケット。 |
[[1987年]][[4月6日]]に[[EMIミュージック・ジャパン|東芝EMI]]のイーストワールドレーベルから[[レコード|7インチレコード]]の形態でリリースされた。アートワークはペーパースリーブジャケット。シングル盤は[[オリコンチャート|オリコンシングルチャート]]において最高位第1位となり、リリース当初は登場週数13回で売り上げ枚数は23.0万枚であったが{{Sfn|オリコンチャートブック アーティスト編|1988|p=290}}、最終的には登場週数18回で売り上げ枚数は24.4万枚となった<ref name="oricon">{{Cite web |url=https://www.oricon.co.jp/prof/3001/products/312768/1/ |title=Marionette|BOΦWY |website=オリコンニュース |publisher=[[オリコン]] |language=ja |accessdate=2023-01-29}}</ref>。氷室は後のライブにおいて「お前らが俺達を日本一にしてくれた曲」と[[司会|MC]]を行った{{Sfn|別冊宝島|2006|p=117|ps= - 「BOØWY 全79曲 勝手にライナーノーツ」より}}。 |
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[[1989年]][[5月24日]]には[[8センチCD]]の形態で再リリースされた。[[2013年]][[2月27日]]には[[CD-BOX]]『[[BOØWY SINGLE COMPLETE]]』に収録されて再リリースされた<ref>{{Cite web |
同年[[10月26日]]には[[ミュージック・ビデオ]]が収録された[[CDビデオ]]がリリースされた。CDビデオはCDプレイヤーで音声部分が20分、LDプレイヤーで映像部分が5分再生が可能なメディアで、BOØWYとしては唯一リリースされたもの。ビデオ部分は「Marionette」のビデオ・クリップ(アニメーションが入っているバージョン)、オーディオ部分はアルバム『PSYCHOPATH』以外の東芝EMIから発売されたアルバムから各1曲ずつと、ライブの定番曲「[[NO. NEW YORK]]」を加えたものであり、「NO. NEW YORK」はこのCDビデオにて初CD化となった。[[1989年]][[5月24日]]には[[8センチCD]]の形態で再リリースされた。[[2013年]][[2月27日]]には[[CD-BOX]]『[[BOØWY SINGLE COMPLETE]]』に収録されて再リリースされた<ref>{{Cite web |url= https://natalie.mu/music/news/80673 |title= BOOWYシングルコンプリート7枚組、伝説の書籍復刻も |author= |date= 2012-11-28 |website= [[ナタリー (ニュースサイト)|音楽ナタリー]] |publisher= ナターシャ |language=ja |accessdate=2021-08-01}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://tower.jp/article/news/2012/11/28/n03 |title=BOφWY、復刻版シングル収めた限定生産ボックスが2013年2月に登場 |author= |date=2012-11-28 |website=TOWER RECORDS ONLINE |publisher=[[タワーレコード]] |language=ja |accessdate=2021-08-01}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.cdjournal.com/main/news/boowy/48539 |title=BOΦWY“SINGLE COMPLETE”が来年2月に発売決定! |author= |date= 2012-11-28 |website=CDジャーナル |publisher=[[音楽出版社 (企業)|音楽出版社]] |language=ja |accessdate=2021-08-01}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.barks.jp/news/?id=1000085659 |title=BOØWY、30周年を記念したタワレコ渋谷店とのコラボ企画『TØWER×BOØWY』開催 |author= |date=2012-12-19 |website=[[BARKS]] |publisher=ジャパンミュージックネットワーク |language=ja |accessdate=2021-08-01}}</ref>。 |
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== チャート成績 == |
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[[オリコンチャート]]において、最高位1位の登場回数18回で売り上げ枚数は24.4万枚となった。氷室は後のライブにおいて「お前らが俺達を日本一にしてくれた曲」と[[司会|MC]]を行った{{Sfn|別冊宝島|2006|p=117|ps= - 「BOØWY 全79曲 勝手にライナーノーツ」より}}。 |
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== ミュージック・ビデオ == |
== ミュージック・ビデオ == |
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アニメーションを使用したミュージック・ビデオが制作された。制作は[[ガイナックス]]<ref>{{ |
アニメーションを使用したミュージック・ビデオが制作された。制作は[[ガイナックス]]<ref>{{Cite web |和書 |url=http://www.gainax.co.jp/museum/history.html |title=GAINAX CHRONICLE |website=ガイナックス公式サイト |publisher=[[ガイナックス]] |language=ja |accessdate=2022-09-14 |archiveurl=https://web.archive.org/web/19961018230528/http://www.gainax.co.jp/museum/history.html |archivedate=1996-10-18}}</ref>{{Sfn|別冊宝島|2006|p=117|ps= - 「BOØWY 全79曲 勝手にライナーノーツ」より}}(監督は[[北久保弘之]]が担当)。構成としてはアニメーションによる寸劇の途中でメンバーの演奏しているモノクロの映像が差し込まれるものとなっている。アニメーションのストーリーは、近未来のような世界で脱走し追われている主人公が、謎の組織につかまってしまうが、組織のリーダーの仮面を取ると自分自身だったという内容となっている。主なスタッフは監督の北久保と作画監督の[[前田真宏 (アニメ監督)|前田真宏]]だが、当時のアニメスタッフはクレジットされておらず、ほとんど関わっていない関係者のみがビデオに表示されており、これを見た会社の同僚であった[[岡田斗司夫]]は自著にて批判している{{Sfn|岡田斗司夫|2010|}}。 |
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またメイキングバージョンのミュージック・ビデオも制作されているが、これはアニメーションの制作に時間が掛かり、本編の完成が遅れプロモーションに間に合わなくなるために取られた「窮余の策」であると子安は述べている{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。リリース当時、都内にある[[ジュークボックス]]では5分置きに本作がリクエストされていたという{{Sfn|別冊宝島|2002|p=117|ps= - 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より}}。 |
またメイキングバージョンのミュージック・ビデオも制作されているが、これはアニメーションの制作に時間が掛かり、本編の完成が遅れプロモーションに間に合わなくなるために取られた「窮余の策」であると子安は述べている{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。リリース当時、都内にある[[ジュークボックス]]では5分置きに本作がリクエストされていたという{{Sfn|別冊宝島|2002|p=117|ps= - 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より}}。 |
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== メディアでの使用 == |
== メディアでの使用 == |
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[[日本テレビ系列|日本テレビ系]]バラエティ番組『[[ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!]]』 |
[[日本テレビ系列|日本テレビ系]]バラエティ番組『[[ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!]]』(1989年 - )に登場する[[遠藤章造]]([[ココリコ]])扮する覆面レスラー「[[ダイナマイト四国]]」の入場テーマ曲として使用されている。 |
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「ツボな選曲」を[[コンセプト]]にしている[[エフエム東京]]ラジオドラマ『[[NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE]]』 |
「ツボな選曲」を[[概念|コンセプト]]にしている[[エフエム東京]]ラジオドラマ『[[NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE]]』(2006年 - )では頻繁にこの楽曲がかかり、主人公の携帯の着メロになっている(ただし自作であるため音程がずれている部分がある)。また、[[MBSラジオ]]のスポーツ番組『[[亀山つとむのかめ友 Sports Man Day]]』(2009年 - 2016年)および『[[MBSとらぐみタイガースライブ!]]』(2010年 - 2011年)の1コーナー「かめ友(とらぐみ)スポーツジャーナル」で[[ジングル (ラジオ)|ジングル]]として使用されている。 |
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== 別バージョン == |
== 別バージョン == |
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アルバム『PSYCHOPATH』収録時にはミックスが変更され、演奏時間が長くなりフェードアウト時間も長くなっている。シングルバージョンは坂元達也によってミックス作業が行われ、アルバムバージョンは[[ハンザ・スタジオ]]所属のトーマス・シュティーラーによってミックス作業が行われた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。ミュージック・ビデオではメイキングバージョン、アニメーションバージョン共にアルバムバージョンが使用されている{{Sfn|別冊宝島|2002|p=117|ps= - 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より}}。また後にリリースされた初のベスト・アルバム『[[“SINGLES”]]』 |
アルバム『PSYCHOPATH』収録時にはミックスが変更され、演奏時間が長くなりフェードアウト時間も長くなっている。シングルバージョンは坂元達也によってミックス作業が行われ、アルバムバージョンは[[ハンザ・スタジオ]]所属のトーマス・シュティーラーによってミックス作業が行われた{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。ミュージック・ビデオではメイキングバージョン、アニメーションバージョン共にアルバムバージョンが使用されている{{Sfn|別冊宝島|2002|p=117|ps= - 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より}}。また後にリリースされた初のベスト・アルバム『[[“SINGLES”]]』(1988年)にはアルバムバージョンが収録され、[[CD-BOX]]『[[BOØWY COMPLETE|BOØWY COMPLETE 21st CENTURY 20th ANNIVERSARY EDITION]]』(2002年)収録の『“SINGLES”』において初めてシングルバージョンが収録される事となった{{Sfn|B to Y|2004|p=86|ps= - 「WORKS」より}}。また、バンド初期に演奏された同名未発表曲(作曲・諸星アツシ)があるが全くの別曲である。 |
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== カバー == |
== カバー == |
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*[[甲斐よしひろ]] - [[カバー|カバー・アルバム]]『[[TEN STORIES 2]]』(2008年)に収録<ref>{{Cite web|和書 |url=https://natalie.mu/music/news/4971 |title=甲斐よしひろ、福山・CKBらをカバーしたアルバム第2弾 |author= |date=2008-01-15 |website= [[ナタリー (ニュースサイト)|音楽ナタリー]] |publisher= ナターシャ |language=ja |accessdate=2021-08-12}}</ref>。 |
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*氷室京介 - 『[[21st Century Boøwys Vs Himuro]]』([[2004年]]) |
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*[[ |
*[[装置メガネ]] - アルバム『青春メガネ』(2006年)に収録<ref>{{Cite web |url=https://www.cdjournal.com/main/news/-/11619 |title=噂の“装置メガネ”、メジャー・デビュー! |author= |date= 2006-05-10 |website=CDジャーナル |publisher=[[音楽出版社 (企業)|音楽出版社]] |language=ja |accessdate=2024-01-08}}</ref>。 |
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== 収録曲 == |
== 収録曲 == |
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=== シングル === |
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*永石勝 – クリエイティブ・ディレクション |
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== 収録アルバム == |
== 収録アルバム == |
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*『[[BOØWY THE BEST "STORY"]]』(2013年) |
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; ライブ音源 |
; ライブ音源 |
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*『[[“LAST GIGS”]]』(1988年) - 1988年 |
*『[[“LAST GIGS”]]』(1988年) - 1988年4月5日の[[東京ドーム]]公演から収録。 |
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*『[[“LAST GIGS”#“LAST GIGS” COMPLETE|“LAST GIGS” COMPLETE]]』(2008年) |
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| 1987年7月22日 |
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| 1987年 |
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| 1989年5月24日 |
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| 2013年2月27日 |
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== 参考文献 == |
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* {{Cite book|和書 |author = |title = オリコンチャート・ブック アーティスト編 全シングル作品 昭和43年-昭和62年<20年> |date = 1988-10-08 |publisher = [[オリコン]] |isbn = 9784871310215 |page = 290 |ref = {{SfnRef|オリコンチャートブック アーティスト編|1988}}}} |
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* {{Cite book|和書 |author = 加藤正憲 |authorlink = 加藤正憲 |title = BOØWY写真集 RENDEZ-VOUS |date = 1989-07-31 |publisher = [[ソニー・マガジンズ|CBSソニー出版]] |page = 191 |isbn = 9784789704663 |ref = harv}} |
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* {{Cite journal|和書 |journal = [[月刊カドカワ]] 1991年4月号 |volume = 9 |issue = 4 |date = 1991-04-01 |publisher = [[角川書店]] |id = 雑誌13533-4 |page = 49 |ref = {{SfnRef|月刊カドカワ|1991}}}} |
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* {{Cite journal|和書 |title = ARENA37℃ SPECIAL vol.3 BOØWY |journal = [[ARENA37℃]] |volume = |number = 2001年12月号増刊 |date = 2001-12-04 |publisher = [[音楽専科社]] |page = 54 |isbn = 9784872791686 |id = 雑誌01594-12 |ref = {{SfnRef|ARENA37℃|2001}}}} |
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* {{Cite journal|和書 |title = 音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」 |journal = [[別冊宝島]] |volume = |number = 653 |date = 2002-06-07 |publisher = [[宝島社]] |page = 117 |isbn = 9784796627245 |ref = {{SfnRef|別冊宝島|2002}}}} |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [https://sp.boowyhunt.com/discography/?id=8&category=2 ユイミュージック公式『MARIONETTE』] |
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2024年4月5日 (金) 02:46時点における最新版
「Marionette -マリオネット-」 | |||||||||||||
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BOØWY の シングル | |||||||||||||
初出アルバム『PSYCHOPATH』 | |||||||||||||
B面 | 「ワイルド・ワン (THE WILD ONE)」 | ||||||||||||
リリース | |||||||||||||
規格 | 7インチレコード | ||||||||||||
録音 |
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ジャンル | |||||||||||||
時間 | |||||||||||||
レーベル | 東芝EMI/イーストワールド | ||||||||||||
作詞 | 氷室京介 | ||||||||||||
作曲 | 布袋寅泰 | ||||||||||||
プロデュース |
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ゴールドディスク | |||||||||||||
チャート最高順位 | |||||||||||||
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BOØWY シングル 年表 | |||||||||||||
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EANコード | |||||||||||||
JAN 4988006015937(1987年・7") JAN 4988006050846(1989年・CD) |
「Marionette -マリオネット-」は、日本のロックバンドであるBOØWYの楽曲。
1987年7月22日に東芝EMIのイーストワールドレーベルから6枚目のシングルとしてリリースされた。作詞は氷室京介、作曲・編曲は布袋寅泰、プロデュースは布袋および糟谷銑司が担当している。
前作「ONLY YOU」(1987年)よりおよそ3か月ぶりにリリースされたシングルであり、6枚目のアルバム『PSYCHOPATH』(1987年)からの先行シングルとなった。後のヴィジュアル系に先駆けた世界観やJ-ROCKを確立したサウンドを特徴としている。解散までの全てのライブで演奏され、同バンドの代表曲となった。
オリコンシングルチャートではバンド初の第1位を獲得し、BOØWYとしては最も売り上げの高いシングルとなった。
背景[編集]
「ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR」最終日となった1987年2月24日の日本武道館公演終了後、BOØWYの解散が決定事項となった[3]。解散が決定事項となって以降、氷室京介と布袋寅泰は直接対話する事がなくなり全て土屋を通してコミュニケーションをとる形となり、高橋は関係の修復を試みようとしたが不発に終わる事となった[4]。その後氷室は休養を取りロンドンに滞在、布袋および松井恒松は山下久美子のコンサートツアーに帯同していた[5]。その際に東芝EMIから「ONLY YOU」のシングルカットの要望が出され、東京には高橋まことしかいなかったために高橋は1人でプロモーション活動を行う事となった[6]。同時期にレコーディング・ディレクターであった子安次郎はプロデューサーである糟谷銑司と共にロンドンに滞在中だった氷室の元へ赴き、1枚だけ新しいアルバムを制作する約束を取り付けた[7]。
録音、音楽性[編集]
レコーディングは1987年6月に六本木にあるセディックAスタジオにて行われた[8]。アルバム『PSYCHOPATH』のレコーディング中に本作がシングルとしてリリースされる事が決定し、シングル用のトラック・ダウンがテイクワン・スタジオでエンジニアの坂元達也によって行われた[9]。当時一般のリスナーが所有していたのはラジカセやカーステレオ、ウォークマンなどであったため、本作もトラック・ダウン終了後の確認はロビーに設置されたラジカセで行われた[9]。全員がOKを出した後も布袋だけはイントロだけを再度再生し念を入れて確認していたという[9]。
本作は当初シングルとしてリリースする予定はなく[10]、氷室は「これ以前に売れちゃってる実績があるから、どうせ売れちゃうんだったらこれも売れるかなって実験的なことをした。“これでも食らえ!”的な(笑)」と述べている[11]。布袋は特にシングルとして意識した曲ではないと述べた他、アルバム全体のニュアンスを意識してアレンジは決定していると述べている[12]。歌詞は氷室が長年温めていたテーマであり、曲に合っていたために歌詞として採用された[12]。『音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』にて社会学者の木島由晶は、歌詞の韻を踏むセンスや日本語と英語のコンビネーションが絶妙であると述べ、後のヴィジュアル系の嚆矢となった事や日本語ロックをJ-ROCKとして確立した事に貢献した事などを主張した[10]。
B面曲の「ワイルド・ワン (THE WILD ONE)」はアメリカ合衆国のミュージシャンであるスージー・クアトロのカバー曲。本作のシングルカットが決定された際に、会議においてアルバムには収録しないカバー曲を制作する事が決定し、様々な候補の中から「ワイルド・ワン」が選定される事となった[9]。お遊び的な要素が強い事からクアトロ本人との共演が望ましいとの結論が出されたが、シングルのリリース日は既に決定していたため緊急工程が組まれる事となった[9]。スタッフはすぐにクアトロ側にレコーディング依頼を行い、翌週の月曜日にはロンドンにてクアトロのボーカル部分のみのレコーディングが行われる運びとなったために、子安は1人でBOØWYの演奏が収録されたマルチテープを持参してロンドンへと向かう事となった[9]。レコーディングは2、3テイクでOKとなり、水曜日に日本に帰国した子安は成田国際空港から六本木のセディックAスタジオまで駆けつけ、氷室の歌入れが終了した後にすぐトラック・ダウンを完了させた[9]。完パケが完成したのが木曜日の早朝となり、子安は「Marionette」と「ワイルド・ワン」のマスターテープを御殿場にある東芝EMIのプレス工場に持ち込みぎりぎりでリリースに漕ぎつける形となった[9]。ちなみにクアトロは歌声もギャランティーも全盛期と変わらなかったという[13]。また、「ワイルド・ワン」は1987年夏のイベントライブにおいて数回演奏されている[注釈 1][13]。
リリース、チャート成績[編集]
1987年4月6日に東芝EMIのイーストワールドレーベルから7インチレコードの形態でリリースされた。アートワークはペーパースリーブジャケット。シングル盤はオリコンシングルチャートにおいて最高位第1位となり、リリース当初は登場週数13回で売り上げ枚数は23.0万枚であったが[2]、最終的には登場週数18回で売り上げ枚数は24.4万枚となった[14]。氷室は後のライブにおいて「お前らが俺達を日本一にしてくれた曲」とMCを行った[10]。
同年10月26日にはミュージック・ビデオが収録されたCDビデオがリリースされた。CDビデオはCDプレイヤーで音声部分が20分、LDプレイヤーで映像部分が5分再生が可能なメディアで、BOØWYとしては唯一リリースされたもの。ビデオ部分は「Marionette」のビデオ・クリップ(アニメーションが入っているバージョン)、オーディオ部分はアルバム『PSYCHOPATH』以外の東芝EMIから発売されたアルバムから各1曲ずつと、ライブの定番曲「NO. NEW YORK」を加えたものであり、「NO. NEW YORK」はこのCDビデオにて初CD化となった。1989年5月24日には8センチCDの形態で再リリースされた。2013年2月27日にはCD-BOX『BOØWY SINGLE COMPLETE』に収録されて再リリースされた[15][16][17][18]。
ミュージック・ビデオ[編集]
アニメーションを使用したミュージック・ビデオが制作された。制作はガイナックス[19][10](監督は北久保弘之が担当)。構成としてはアニメーションによる寸劇の途中でメンバーの演奏しているモノクロの映像が差し込まれるものとなっている。アニメーションのストーリーは、近未来のような世界で脱走し追われている主人公が、謎の組織につかまってしまうが、組織のリーダーの仮面を取ると自分自身だったという内容となっている。主なスタッフは監督の北久保と作画監督の前田真宏だが、当時のアニメスタッフはクレジットされておらず、ほとんど関わっていない関係者のみがビデオに表示されており、これを見た会社の同僚であった岡田斗司夫は自著にて批判している[20]。
またメイキングバージョンのミュージック・ビデオも制作されているが、これはアニメーションの制作に時間が掛かり、本編の完成が遅れプロモーションに間に合わなくなるために取られた「窮余の策」であると子安は述べている[9]。リリース当時、都内にあるジュークボックスでは5分置きに本作がリクエストされていたという[13]。
メディアでの使用[編集]
日本テレビ系バラエティ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(1989年 - )に登場する遠藤章造(ココリコ)扮する覆面レスラー「ダイナマイト四国」の入場テーマ曲として使用されている。
「ツボな選曲」をコンセプトにしているエフエム東京ラジオドラマ『NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE』(2006年 - )では頻繁にこの楽曲がかかり、主人公の携帯の着メロになっている(ただし自作であるため音程がずれている部分がある)。また、MBSラジオのスポーツ番組『亀山つとむのかめ友 Sports Man Day』(2009年 - 2016年)および『MBSとらぐみタイガースライブ!』(2010年 - 2011年)の1コーナー「かめ友(とらぐみ)スポーツジャーナル」でジングルとして使用されている。
別バージョン[編集]
アルバム『PSYCHOPATH』収録時にはミックスが変更され、演奏時間が長くなりフェードアウト時間も長くなっている。シングルバージョンは坂元達也によってミックス作業が行われ、アルバムバージョンはハンザ・スタジオ所属のトーマス・シュティーラーによってミックス作業が行われた[9]。ミュージック・ビデオではメイキングバージョン、アニメーションバージョン共にアルバムバージョンが使用されている[13]。また後にリリースされた初のベスト・アルバム『“SINGLES”』(1988年)にはアルバムバージョンが収録され、CD-BOX『BOØWY COMPLETE 21st CENTURY 20th ANNIVERSARY EDITION』(2002年)収録の『“SINGLES”』において初めてシングルバージョンが収録される事となった[9]。また、バンド初期に演奏された同名未発表曲(作曲・諸星アツシ)があるが全くの別曲である。
カバー[編集]
- アカツキ. - トリビュート・アルバム『BOØWY Respect』(2003年)に収録[21]。
- 甲斐よしひろ - カバー・アルバム『TEN STORIES 2』(2008年)に収録[22]。
- GELUGUGU - アルバム『誰がバカやねん ロックンロールショウ』(2002年)に収録。
- SHOW-YA - カバー・アルバム『Glamorous Show〜Japanese Legendary Rock Covers』(2014年)に収録[23]。
- 装置メガネ - アルバム『青春メガネ』(2006年)に収録[24]。
- 蛸殴総本山 - アルバム『大熊小鹿馬場鶴田山田康雄』(2003年)に収録。
収録曲[編集]
シングル[編集]
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「Marionette -マリオネット-」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
2. | 「ワイルド・ワン」(THE WILD ONE) | ニッキー・チン、マイク・チャップマン | ニッキー・チン、マイク・チャップマン | 布袋寅泰 | |
合計時間: |
CDビデオ[編集]
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「RUNAWAY TRAIN」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
2. | 「CLOUDY HEART」 | 氷室京介 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | |
3. | 「NO. NEW YORK」 | 深沢和明 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「JUST A HERO」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
5. | 「Marionette」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
合計時間: |
スタッフ・クレジット[編集]
BOØWY[編集]
スタッフ[編集]
- 布袋寅泰 – サウンド・プロデューサー
- トーマス・シュティーラー – レコーディング・エンジニア
- 坂元達也 – ミックス・ダウン・エンジニア
- 永石勝 – クリエイティブ・ディレクション
- 小笠原琢己 – アートディレクション
- STUDIO TOY'S – デザイン
- 糟谷銑司(ユイ・ロック・プロジェクト) – プロデューサー
- 子安次郎(東芝EMI) – ディレクター
- 土屋浩(ユイ・ロック・プロジェクト) – マネージャー
- ゾンビ鈴木 – ロード・マネージャー
- ワンワン関口 – アシスタント・エンジニア
収録アルバム[編集]
- スタジオ音源(アルバムバージョン)
- 『“SINGLES”』(1988年) - 当初はアルバムバージョンが収録されていたが、CD-BOX『BOØWY COMPLETE 21st CENTURY 20th ANNIVERSARY EDITION』版以降はシングルバージョンに差し替えられている。
- 『THIS BOØWY』(1998年)
- 『THIS BOØWY DRASTIC』(2007年)
- 『BOØWY THE BEST "STORY"』(2013年)
- ライブ音源
- 『“LAST GIGS”』(1988年) - 1988年4月5日の東京ドーム公演から収録。
- 『“GIGS” CASE OF BOØWY』(2001年) - 1987年7月31日のワールド記念ホール、1987年8月7日の横浜文化体育館公演から収録。
- 『“GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETE』(2007年)
- 『“LAST GIGS” COMPLETE』(2008年)
リリース日一覧[編集]
No. | リリース日 | レーベル | 規格 | カタログ番号 | 最高順位 | 備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1987年7月22日 | 東芝EMI/イーストワールド | EP | WTP-17980 | 1位 | [2][25] | |
2 | 1987年10月26日 | 東芝EMI/イーストワールド | CDV | CTV24-101 | - | ジャケット、カップリング曲がシングル版と異なる | |
3 | 1989年5月24日 | 東芝EMI/イーストワールド | 8センチCD | XT10-2357 | - | シングル盤のCD化 | [26] |
4 | 2013年2月27日 | EMIミュージック・ジャパン/イーストワールド | ブルースペックCD2 | TOCT-98025 | - | 『BOØWY SINGLE COMPLETE』収録 | [27][28] |
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 1987年8月22日、23日に熊本阿蘇の野外音楽堂アスペクタでおこなわれたオールナイト・ロックフェスティバル「BEAT CHILD(ビートチャイルド)」での演奏が公式映像として、ライブ・ビデオボックス『“GIGS” BOX』(2007年)のDisc4に収録されている。
出典[編集]
- ^ “日本レコード協会 ダウンロード認定”. 日本レコード協会公式サイト. 日本レコード協会. 2020年9月16日閲覧。
- ^ a b c オリコンチャートブック アーティスト編 1988, p. 290.
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参考文献[編集]
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- 「音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」」『別冊宝島』第653号、宝島社、2002年6月7日、117頁、ISBN 9784796627245。
- 『BOØWY B to Y THERE'S NO BEGINNING AND THE ENDS.』宝島社、2004年9月20日、86 - 137頁。ISBN 9784796642408。
- 「音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説」『別冊宝島』第1322号、宝島社、2006年7月27日、117頁、ISBN 9784796653497。
- 岡田斗司夫『遺言』筑摩書房、2010年10月23日。ISBN 9784480864055。
- 高橋まこと『スネア(立東舎文庫)』(書籍『スネア』(ISBN 9784123901550) 文庫版)立東舎、2017年8月21日(原著2007年4月4日)、188 - 196頁。ISBN 9784845630424。