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[[File:Oklahoma_general_election_ballot_for_2018.png|リンク=https://en.wikipedia.org/wiki/File:Oklahoma_general_election_ballot_for_2018.png|右|サムネイル|2018年のオクラホマ州総選挙の投票用紙。州および地方自治体の候補者、連邦議会の候補者が一覧になっている。]]
'''中間選挙'''(ちゅうかんせんきょ、midterm election)とは、西暦偶数年の「{{仮リンク|選挙の日|en|Election Day (United States)}}」に一般投票が行われる[[アメリカ合衆国]]の連邦議員その他の公職[[選挙]]のうち、4年ごとの[[アメリカ合衆国大統領選挙|大統領選挙]]と重複しない年に行われるものを指す。大統領職の一期(4年)のうち半期(2年)が経過した時点で行われるため、「中間選挙」と呼ばれる。
'''中間選挙'''(ちゅうかんせんきょ、United States midterm election)とは、西暦偶数年の「[[選挙の日 (アメリカ合衆国)|選挙の日]]」 (Election Day) に一般投票が行われる[[アメリカ合衆国]]の連邦議員その他の公職[[選挙]]のうち、4年ごとの[[アメリカ合衆国大統領選挙|大統領選挙]]と重複しない年に行われるものを指す。大統領職の一期(4年)のうち半期(2年)が経過した時点で行われるため、「中間選挙」と呼ばれる。


== 概要 ==
== 概要 ==
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中間選挙は大統領選挙の年の選挙と同様に、「選挙の日」すなわち「11月第1月曜日の属する週の火曜日」に行われる。通常は11月第1火曜日になるが、当日が11月1日になる場合は11月8日に行われることになる。
中間選挙は大統領選挙の年の選挙と同様に、「選挙の日」すなわち「11月第1月曜日の属する週の火曜日」に行われる。通常は11月第1火曜日になるが、当日が11月1日になる場合は11月8日に行われることになる。


中間選挙では政権運営についての批判を受ける大統領の与党が議席を減らすことが多い。近年において大統領の与党が両院で議席を増やした中間選挙は、[[アメリカ同時多発テロ事件|9・11テロ]]翌年の2002年のみである。
中間選挙では政権運営についての批判を受ける大統領の与党が議席を減らすことが多い。近年において大統領の与党が両院で議席を増やした中間選挙は、[[アメリカ同時多発テロ事件]]翌年の2002年のみである。

州知事選挙は中間選挙の年に行われるものが多い。2024年時点において、人口上位8位までの州を含む36州で州知事選挙を中間選挙の年に行う一方、大統領選挙の年に知事改選を行うのは11州(このうち2州は知事の任期が2年であり各偶数年に改選)、奇数年に知事改選を行うのは5州(大統領選挙の翌年に2州、中間選挙の翌年に3州)である。

選挙法<ref>^ § 110.20 Prohibition on contributions, donations, expenditures, independent expenditures, and disbursements by foreign nationals (52 U.S.C. 30121, 36 U.S.C. 510).</ref>では、外国籍の人間(永住権保有者を除く)によるいかなる選挙への関与(選挙関連活動および寄付)を認めておらず<ref>A foreign national shall not, directly or indirectly, make a contribution or a donation of money or other thing of value, or expressly or impliedly promise to make a contribution or a donation, in connection with any Federal, State, or local election.</ref>、これらの行為は違法である。


== 過去の中間選挙 ==
== 過去の中間選挙 ==
=== 1994年中間選挙 ===
{|class=wikitable style="font-size:small"
:<!-- アメリカの議会における majority は一般に「多数党」と呼んでいます(例:Senate Majority Leader = 上院多数党院内総務)。-->民主党[[ビル・クリントン]]大統領の1期目中に行われた。下院においては、民主党が54議席を失う大敗を喫し、40年間続いた民主党の下院多数党の地位を共和党に奪われる結果となった。上院においても共和党が民主党から8議席を奪い、多数党となった。
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:この選挙において共和党が大きく勢力を伸ばしたことにより、以後の連邦議会では共和党が多数党となった。この中間選挙以降、クリントン政権率いる民主党は残りの任期中、上下両院において少数党として政権運営を行うこととなった。
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:'''勢力の変動'''
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:*上院 - {{colorbox|#E81B23}}[[共和党 (アメリカ)|共和党]] 44 → '''52'''、{{colorbox|#3333FF}}[[民主党 (アメリカ)|民主党]] '''56''' → 48
!colspan=3|州知事
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!rowspan=2|備考
<!-- Independent は「無所属」です。また Democratic Party と Republican Party を「二大政党」と呼ぶのに対して、Libertarian Party、Constitution Party、Independence Party、Green Party、Reform Party、Socialist Workers などの泡沫政党を「独立系の政党」と呼びます。 -->
|-

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=== 1998年中間選挙 ===
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:'''勢力の変動'''
!style="white-space:nowrap"|無所属
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=== 2002年中間選挙 ===
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:共和党[[ジョージ・W・ブッシュ]]大統領の1期目中に行われた。この年は、前年9月11日に発生した同時多発テロの影響もあり、ブッシュ大統領の打ち出した対テロ政策を追い風に共和党が上院で2議席、下院で8議席勢力を伸ばし両院で多数党を維持した。
!style="white-space:nowrap;background-color:#CCCCFF;color:#000000"|[[民主党 (アメリカ)|民主党]]
:'''勢力の変動'''
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=== 2006年中間選挙 ===
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:ブッシュ大統領の2期目中に行われた。民主党が上下両院で多数党の座を奪い返す結果となった。
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:'''勢力の変動'''
|民主党[[ビル・クリントン|クリントン]]大統領の一期目の任期の途中に行われた中間選挙。下院においては、54議席が民主党から共和党に移り、40年間続いた民主党の下院多数党の地位を奪う結果となった。上院においては、民主党の8議席が共和党に移る結果となっている。<!-- アメリカの議会における majority は一般に「多数党」と呼んでいます(例:Senate Majority Leader = 上院多数党院内総務)。-->この選挙において共和党が大きく勢力を伸ばしたことにより、以後共和党が議会での多数党となった。この中間選挙以降、クリントン政権はその任期中、上下両院において少数派としての政権運営を行うこととなった。<!-- Independent は「無所属」です。また Democratic Party と Republican Party を「二大政党」と呼ぶのに対して、Libertarian Party、Constitution Party、Independence Party、Green Party、Reform Party、Socialist Workers などの泡沫政党を「独立系の政党」と呼びます。 -->
:*上院 - {{colorbox|#3333FF}}[[民主党 (アメリカ)|民主党]] 44 → '''49'''、{{colorbox|#E81B23}}[[共和党 (アメリカ)|共和党]] '''55''' → 49、{{colorbox|#9999FF}}無所属(民主党系) 1 → '''2'''
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=== 2010年中間選挙 ===
|colspan=3|—
:民主党[[バラク・オバマ]]大統領の1期目中に行われた。下院では、民主党が1994年の中間選挙で失った54議席を上回る63議席を失う歴史的大敗を喫し、共和党に多数党の座を明け渡した。上院では、共和党が6議席を民主党から奪ったものの、民主党が上院過半数を維持し、上下両院で多数党が違うねじれが発生した。
|
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|-
:'''勢力の変動'''
|style="white-space:nowrap"|2002年
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:*下院 - {{colorbox|#E81B23}}共和党 178 → '''242'''、{{colorbox|#3333FF}}民主党 '''255''' → 193
|style="white-space:nowrap"|221→229||style="white-space:nowrap"|212→204||style="white-space:nowrap"|2→1

|colspan=3|—
=== 2014年中間選挙 ===
|共和党[[ジョージ・ウォーカー・ブッシュ|ブッシュ]]大統領の一期目の任期の途中に行われた中間選挙。共和党が上院で2議席、下院で8議席勢力を伸ばした。
:オバマ大統領の2期目中に行われた。下院では共和党が議席を上積みし、多数党を維持した。上院では共和党が民主党から9議席を奪い、8年振りに上院過半数を奪還した。
|-
:'''勢力の変動'''
|style="white-space:nowrap"|2006年
:*上院 - {{colorbox|#E81B23}}[[共和党 (アメリカ)|共和党]] 45 → '''54'''、{{colorbox|#3333FF}}[[民主党 (アメリカ)|民主党]] '''53''' → 44、{{colorbox|#9999FF}}無所属(民主党系) '''2''' → 2
|style="white-space:nowrap"|55→49||style="white-space:nowrap"|43→49||style="white-space:nowrap"|1→2
:*下院 - {{colorbox|#E81B23}}共和党 '''233''' → '''247'''、{{colorbox|#3333FF}}民主党 199 → 188
|style="white-space:nowrap" rowspan=2|230→202||style="white-space:nowrap" rowspan=2|201→233||style="white-space:nowrap" rowspan=2|—

|28→22||22→28||—
=== 2018年中間選挙 ===
|rowspan=2|共和党ブッシュ大統領の二期目の任期途中である2006年に行われた中間選挙。2006年11月7日に行われた。民主党が、上下両院での多数党に返り咲く結果となった。フロリダ選出の下院議員1名につき、州政府が共和党候補の当選を認めたことから共和党の議席数に加えてあるが、現在民主党候補が裁判所等で争っている議席がある。
{{main|2018年アメリカ合衆国選挙}}
|-
:共和党[[ドナルド・トランプ]]大統領の1期目中に行われた。投票率は49.4%で1914年以来、過去104年で最も高い値を示した<ref>[http://oneboxnews.com/articles/many-americans-were-enthusiastic-about-the-mid-election-2018-11 中間選挙は過去104年間で最も高い投票率を記録した] [[Onebox News]]</ref>。上院では共和党が多数党を維持した一方、下院では民主党が8年ぶりとなる多数党奪還を果たした<ref>[http://oneboxnews.com/articles/election-2018 2018年アメリカ中間選挙の結果を振り返る] [[Onebox News]]</ref>。
|style="white-space:nowrap"|2006年(非改選)
:'''勢力の変動'''
|40||26||1
:*上院 - {{colorbox|#E81B23}}[[共和党 (アメリカ)|共和党]] '''51''' → '''53'''、{{colorbox|#3333FF}}[[民主党 (アメリカ)|民主党]] 47 → 45、{{colorbox|#9999FF}}無所属(民主党系) 2 → 2
|6||8||—
:*下院 - {{colorbox|#3333FF}}民主党 193 → '''235'''、{{colorbox|#E81B23}}共和党 '''235''' → 199
|-
:*州知事 - {{colorbox|#E81B23}}共和党 '''33''' → '''27'''、{{colorbox|#3333FF}}民主党 16 → 23、{{colorbox|#DDDDBB}}無所属 1 → 0
|style="white-space:nowrap"|2010年

|style="white-space:nowrap"|41→47||style="white-space:nowrap"|57→51||style="white-space:nowrap"|2→2
=== 2022年中間選挙 ===
|style="white-space:nowrap"|179→242||style="white-space:nowrap"|256→193||style="white-space:nowrap"|—
{{main|2022年アメリカ合衆国選挙}}
|colspan=3|—
:民主党[[ジョー・バイデン]]大統領の1期目中に行われた。バイデン大統領の低支持率に加え、国内の物価高騰の影響で民主党が上下両院とも大幅に議席を減らすものと思われていたが、2022年6月24日に連邦最高裁判所が女性の人工妊娠中絶の権利を認めた[[ロー対ウェイド事件]]の判決を覆したことで、中絶の権利を保護する立場をとる民主党が共和党と支持率で拮抗する状況となった。ところが9月以降は、物価高騰がさらに進んだことにより経済対策を訴える共和党が再び支持を伸ばし、共和党が大勝するいわゆる「レッド・ウェーブ(赤い波)」が起こるものと思われた。しかし、選挙結果は下院こそ共和党が多数党を奪還したものの、事前の予測よりも遥かに少ない議席しか獲得出来ず、上院では民主党が1議席を積み増して多数党を維持したため、「赤い波」ではなく「赤いさざなみ」程度であったと報じられた。このような結果となった理由としては、「有権者が最も重視したのは経済対策であったが、それに次ぐ割合で女性の人工妊娠中絶の権利が重視されたこと」、「女性や若い世代の投票率が高かったこと」などが挙げられた。
|{{main|2010年アメリカ合衆国中間選挙}}
:'''勢力の変動'''
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:*上院 - {{colorbox|#3333FF}}[[民主党 (アメリカ)|民主党]] 48 → '''49'''、{{colorbox|#E81B23}}[[共和党 (アメリカ)|共和党]] '''50''' → 49、{{colorbox|#9999FF}}無所属(民主党系) 2 → '''2'''
|style="white-space:nowrap"|2014年
:*下院 - {{colorbox|#E81B23}}共和党 212 → '''222'''、{{colorbox|#3333FF}}民主党 '''220''' → 213
|style="white-space:nowrap"|45→54||style="white-space:nowrap"|53→44||style="white-space:nowrap"|2→2
:*州知事 - {{colorbox|#E81B23}}共和党 '''28''' → '''26'''、{{colorbox|#3333FF}}民主党 22 → 24
|style="white-space:nowrap"|234→247||style="white-space:nowrap"|201→188||style="white-space:nowrap"|—

|colspan=3|—
== 脚注 ==
|民主党オバマ大統領の二期目の任期の途中に行われた中間選挙。2014年11月4日に行われた。
{{脚注ヘルプ}}
|}
{{Reflist}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[アメリカ合衆国大統領選挙]]
*[[アメリカ合衆国大統領選挙]]
*[[アメリカ合衆国議会]]
*[[アメリカ合衆国議会]]

2024年4月9日 (火) 03:43時点における最新版

2018年のオクラホマ州総選挙の投票用紙。州および地方自治体の候補者、連邦議会の候補者が一覧になっている。

中間選挙(ちゅうかんせんきょ、United States midterm election)とは、西暦偶数年の「選挙の日」 (Election Day) に一般投票が行われるアメリカ合衆国の連邦議員その他の公職選挙のうち、4年ごとの大統領選挙と重複しない年に行われるものを指す。大統領職の一期(4年)のうち半期(2年)が経過した時点で行われるため、「中間選挙」と呼ばれる。

概要[編集]

上院議員のうちの3分の1、下院議員全員が改選となる。各の定めによるが、同時に、任期が満了した州知事の選挙、各自治体の公職に関する選挙、欠員が生じている非改選上院議員の補欠選挙なども行われることが通例である。

中間選挙は大統領選挙の年の選挙と同様に、「選挙の日」すなわち「11月第1月曜日の属する週の火曜日」に行われる。通常は11月第1火曜日になるが、当日が11月1日になる場合は11月8日に行われることになる。

中間選挙では政権運営についての批判を受ける大統領の与党が議席を減らすことが多い。近年において大統領の与党が両院で議席を増やした中間選挙は、アメリカ同時多発テロ事件翌年の2002年のみである。

州知事選挙は中間選挙の年に行われるものが多い。2024年時点において、人口上位8位までの州を含む36州で州知事選挙を中間選挙の年に行う一方、大統領選挙の年に知事改選を行うのは11州(このうち2州は知事の任期が2年であり各偶数年に改選)、奇数年に知事改選を行うのは5州(大統領選挙の翌年に2州、中間選挙の翌年に3州)である。

選挙法[1]では、外国籍の人間(永住権保有者を除く)によるいかなる選挙への関与(選挙関連活動および寄付)を認めておらず[2]、これらの行為は違法である。

過去の中間選挙[編集]

1994年中間選挙[編集]

民主党ビル・クリントン大統領の1期目中に行われた。下院においては、民主党が54議席を失う大敗を喫し、40年間続いた民主党の下院多数党の地位を共和党に奪われる結果となった。上院においても共和党が民主党から8議席を奪い、多数党となった。
この選挙において共和党が大きく勢力を伸ばしたことにより、以後の連邦議会では共和党が多数党となった。この中間選挙以降、クリントン政権率いる民主党は残りの任期中、上下両院において少数党として政権運営を行うこととなった。
勢力の変動
  • 上院 -    共和党 44 → 52   民主党 56 → 48
  • 下院 -    共和党 176 → 230   民主党 258 → 204、   無所属(民主党系) 1 → 1

1998年中間選挙[編集]

勢力の変動
  • 上院 -    共和党 5555   民主党 45 → 45
  • 下院 -    共和党 227223   民主党 206 → 211、   無所属(民主党系) 2 → 1

2002年中間選挙[編集]

共和党ジョージ・W・ブッシュ大統領の1期目中に行われた。この年は、前年9月11日に発生した同時多発テロの影響もあり、ブッシュ大統領の打ち出した対テロ政策を追い風に共和党が上院で2議席、下院で8議席勢力を伸ばし両院で多数党を維持した。
勢力の変動
  • 上院 -    共和党 49 → 51   民主党 49 → 48、   無所属(民主党系) 1 → 1、   無所属 1 → 0
  • 下院 -    共和党 221229   民主党 212 → 205、   無所属(民主党系) 2 → 1

2006年中間選挙[編集]

ブッシュ大統領の2期目中に行われた。民主党が上下両院で多数党の座を奪い返す結果となった。
勢力の変動
  • 上院 -    民主党 44 → 49   共和党 55 → 49、   無所属(民主党系) 1 → 2
  • 下院 -    民主党 201 → 233   共和党 229 → 202、   無所属(民主党系) 1 → 0
  • 州知事 -    民主党 22 → 28   共和党 28 → 22

2010年中間選挙[編集]

民主党バラク・オバマ大統領の1期目中に行われた。下院では、民主党が1994年の中間選挙で失った54議席を上回る63議席を失う歴史的大敗を喫し、共和党に多数党の座を明け渡した。上院では、共和党が6議席を民主党から奪ったものの、民主党が上院過半数を維持し、上下両院で多数党が違うねじれが発生した。
勢力の変動
  • 上院 -    民主党 5751   共和党 41 → 47、   無所属(民主党系) 22
  • 下院 -    共和党 178 → 242   民主党 255 → 193

2014年中間選挙[編集]

オバマ大統領の2期目中に行われた。下院では共和党が議席を上積みし、多数党を維持した。上院では共和党が民主党から9議席を奪い、8年振りに上院過半数を奪還した。
勢力の変動
  • 上院 -    共和党 45 → 54   民主党 53 → 44、   無所属(民主党系) 2 → 2
  • 下院 -    共和党 233247   民主党 199 → 188

2018年中間選挙[編集]

共和党ドナルド・トランプ大統領の1期目中に行われた。投票率は49.4%で1914年以来、過去104年で最も高い値を示した[3]。上院では共和党が多数党を維持した一方、下院では民主党が8年ぶりとなる多数党奪還を果たした[4]
勢力の変動
  • 上院 -    共和党 5153   民主党 47 → 45、   無所属(民主党系) 2 → 2
  • 下院 -    民主党 193 → 235   共和党 235 → 199
  • 州知事 -    共和党 3327   民主党 16 → 23、   無所属 1 → 0

2022年中間選挙[編集]

民主党ジョー・バイデン大統領の1期目中に行われた。バイデン大統領の低支持率に加え、国内の物価高騰の影響で民主党が上下両院とも大幅に議席を減らすものと思われていたが、2022年6月24日に連邦最高裁判所が女性の人工妊娠中絶の権利を認めたロー対ウェイド事件の判決を覆したことで、中絶の権利を保護する立場をとる民主党が共和党と支持率で拮抗する状況となった。ところが9月以降は、物価高騰がさらに進んだことにより経済対策を訴える共和党が再び支持を伸ばし、共和党が大勝するいわゆる「レッド・ウェーブ(赤い波)」が起こるものと思われた。しかし、選挙結果は下院こそ共和党が多数党を奪還したものの、事前の予測よりも遥かに少ない議席しか獲得出来ず、上院では民主党が1議席を積み増して多数党を維持したため、「赤い波」ではなく「赤いさざなみ」程度であったと報じられた。このような結果となった理由としては、「有権者が最も重視したのは経済対策であったが、それに次ぐ割合で女性の人工妊娠中絶の権利が重視されたこと」、「女性や若い世代の投票率が高かったこと」などが挙げられた。
勢力の変動
  • 上院 -    民主党 48 → 49   共和党 50 → 49、   無所属(民主党系) 2 → 2
  • 下院 -    共和党 212 → 222   民主党 220 → 213
  • 州知事 -    共和党 2826   民主党 22 → 24

脚注[編集]

  1. ^ ^ § 110.20 Prohibition on contributions, donations, expenditures, independent expenditures, and disbursements by foreign nationals (52 U.S.C. 30121, 36 U.S.C. 510).
  2. ^ A foreign national shall not, directly or indirectly, make a contribution or a donation of money or other thing of value, or expressly or impliedly promise to make a contribution or a donation, in connection with any Federal, State, or local election.
  3. ^ 中間選挙は過去104年間で最も高い投票率を記録した Onebox News
  4. ^ 2018年アメリカ中間選挙の結果を振り返る Onebox News

関連項目[編集]